ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「フタバから遠く離れて」、福島原発の地元双葉町の人々

2013-04-03 17:20:55 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆
   原発に関心のある方 ☆☆☆☆

福島原発の被害地、双葉町の皆さんの震災後半年のドキュメント。

福島原発が水素爆発を起こして以降、町内に立ち入れなくなった住民たち。その多くは埼玉県の高校の旧校舎に移住、そこで不自由な生活を送っていた。

その有様を、季節ごとの風景とともに、描くことによって、この事故のもたらす影響を克明に描いてえいく。

一つは、町長、一時は原発推進派でもあった町長は、この事故の後遺症のあまりにもの大きさに、もう原発はいらないという。そして、何ら対応策を示せない、政府と東電をやり玉に挙げる。

原発誘致で得た金で、箱物も建てられたが、その維持費などで逆に村の財政の負担に。補助金行政のつけが、そこへ原発被害。村もろとも、破壊され、いつ帰れるか見通しすら立っていない。

母を津波被害で亡くした建築作業員。原発事故さえなければ、母を助け出せたかもしれない後悔が。

被爆した牛の面倒を見、運命を共にするという牧場主。ただ、一方では、放置された牧場で、水と食料もなく死に絶えた牛たちの残骸。牛たちは、人間のように避難できず、被爆にさらされ、死を待つのみだった。

一方、村民たちが避難した埼玉県の旧高校校舎。天皇陛下夫妻のお見舞いや、大臣らの会議への出席などの画面も挿入される。

一方で、毎日支給される弁当。

後半には、被爆した街へ一時帰宅が許されるが、その時の風景。

原発事故が住民に与える影響と、それに対する補償すら満足にできない政府と東電に、見ているものも腹が立ってくる。明日は我が身かもしれないのだ。

コメント (2)
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