ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「さまよう獣」、自主映画界のカリスマ監督の最新作です

2013-04-04 18:27:02 | 日本映画
おススメ度 ☆☆
    新しい映画好き ☆☆☆


第11回東京フィルメックス最優秀作品賞に輝いた『ふゆの獣』や『おだやかな日常』の監督、内田伸輝の作品です。

前作では、手持ちカメラでかなり揺れ動く映像が多かったそうだが、今回はきっちりオードソックスな映画撮りです。

ただ、予算の制約から、一農村での出来事に終始します。

したがって、面白いとか、感動したとかの部類の映画とは、ちょっと違います。

ある農村に、停車したバス。この村に住む老女に続いて、若い女が下りてくる。女は、不安げで、老女の後をついていく。

老女は、バスの中で、若い女に、おむすびを、与えていた。

村には、若い女はいず、男たちの興味の的となる。

老女は、訳ありの女に気安く、宿と食事を提供する。

女は何者なのか、なぜこの田舎へやってきたのか?

疑問だらけなので、その興味で、映画にのめりこんでいく。

村の男との交流から、徐々に女の本質が明かされていくが、一度には、明かされない。

さらに、なぜか男あしらいがよく、男に合わせて付き合う不思議な能力を持っている。

結局、この得体のしれない女を暴いていくことで、

世の中の、男と女の関係などを、切り込んでいるといえよう。

ただ、見る側にとっては、実験的な要素が多く、いい映画だとはなかなか言いにくい。

丁寧に描かれる関係描写から、なんとなく浮かび上がる女のさがとか、男のエゴとかがあぶりだされているのではないだろうか。
コメント
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