ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「毛皮のヴィーナス」、二人芝居のエロスです。

2014-12-24 16:03:34 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆

演劇好き ☆☆☆☆

非常にシャープな映像で魅せてくれたロマンポランスキー監督、彼も今や81歳。

しかしこの老齢で、いやこの老齢だからこそ出来る、二人芝居の妙。

演じる女性は、ポランスキーの三番目の(今の)奥さん、エマニュエル・セニエ。

原作はマゾヒズムの語源となったレオポルド・フォン・ザッヘル=マゾッホの小説「毛皮を着たヴィーナス」。だが、マゾヒズムというより、男と女のSM的関係と、その逆転。

男が威圧的になるか、女に屈服させられるか。

それが劇中劇と現実の入り交ざる描写の中から浮かび上がる。

劇場の中に一人いる、演出家なのか脚本家なのか、主演女優のオーディションが終わり、フィアンセと次の約束をしているさなか、一人の女性が入ってくる、彼女はオーディションに遅刻してきたという。

しかし、リストに彼女の名前はない。

そして強引に、オーディションが始まるが、朴訥で軽薄な女にしか見えなった女性がいつしか、知的でその芝居の本質を知り尽くした貫録。

徐々に虜にされる演出家。フィアンセとの電話も盗み聞きされ、女性は彼の人となりを探りに来たと。

会話劇に終始するので、緊張に襲われる一方、高度な会話に眠気も誘われて、見るものを選ぶ映画だ。

演出家を演じるマチュー・アマルリックの演技もこの不可思議な劇を引き立てている。

ラストには、それこそ毛皮のヴィーナスの踊りまで添えて、ポランスキーは懲りることはない。
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