おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
なんとこの酷暑の最中の公開。酷寒の世界のミステリー。一気に納涼気分。
冒頭、雪景色の荒野。一人の若い女性が、口から血を吐いて死んでいる。
見つけたのは、この地で合衆国魚類野生生物局のエージェントであるコリー・ランバート(ジェレミー・レナ)。凄腕のハンターだ。
やがてFBI捜査官がやってくるが、か弱い新人女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)。
死因が、肺が凍って出血死。これでは、殺人事件とならないので、FBIの捜査は受けられない。
で、女性捜査官が、残って捜査に当たる。
やがて、女性の身元が判明、彼氏がいることがわかる。
だが、その彼氏の死体が発見される。
今回の舞台となるウインド・リバーは全米各地に点在するネイティブアメリカンの保留地のひとつで、荒れ果てた大地での生活を強いられた人々は貧困やドラッグなどの慢性的な問題に苦しんでいる。
石油掘削現場で働く人が住むトレーラーハウスを突き止める。やがて壮絶な銃撃戦と犯人への復讐。
コリーが、自分の娘をおなじように殺されているのが、伏線としてあり、この地の過酷さが浮き彫りにされる。
社会から、見捨てられた居留地は、失踪した女性の数さえ、不明という。
テイラー・シェリダンのさえわたる演出が、じりじりと痛さを押し付けてくる。
第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞している。