おすすめ度 ☆☆★
ロシア好き、実話好き ☆☆☆★
ヨシフ・スターリンの死にまつわる一連の出来事が、ファビアン・ニュリ(作)とティエリ・ロバン(画)にインスピレーションを与え、グラフィックノベル「スターリンの葬送狂騒曲(原題:La Mort de Staline)」が生まれた。
本映画は、これを原作としている。
スターリンの死という衝撃の事実をややコミカルに描いた本作品。イギリスで作られたところに意義があるが、ロシアでは公開禁止となっている。
1924年、レーニンの死に伴うトロツキーとの後継争いを制して以来、約30年間ソビエト連邦を支配してきたヨシフ・スターリンは粛清という名の処刑を繰り返し、100万人を越える人々をクラーグ(収容所)に収監し、数百万人を酷寒のシベリアに追放した。
それゆえ、その死は混乱をもたらし、一応、政治を動かしていたメンバーが集まり、葬儀やら、後継者やらを決めようとする。
室内劇の様相を呈し、演技合戦となる。
それぞれが疑心暗鬼。そこから生まれる可笑しさ。それがこの映画の真骨頂。
だが、(実は全編英語が使われている)翻訳のもどかしさもあって、そのコメディが日本人にはちょっとすっと理解できない。
数々のエピソードの積み重ねで、そういう話もあったな程度。
まあ、所詮ロシアの話。
シリアスな理解ができないまま終わってしまった。
スターリンの死後どうやって、体勢を維持したのか。その答えが知りたい人には、結構な参考書だ。