おすすめ度 ☆☆☆★
サスペンス映画好き ☆☆☆☆
タイ映画 PG12
貧富の格差が招いた悲劇だが、カンニングというマイナーな犯罪を大作戦に仕立て上げた製作陣の勝利だ。
第16回ニューヨーク・アジアン映画祭のオープニング作品に選出され、映画はBest Feature awardに、主演女優のチュティモンはRising Star Asiaに選ばれた。
中国で実際に起きたカンニング事件をモデルに、練りに練った脚本。スタイリッシュな演出も目が離せない。
まず消しゴムを使ったカンニングから。靴に忍ばせて、やり取りするサスペンス。
次いで、大勢に対するカンニング。ピアノ演奏に模した手の動きで、回答を示すアイデア勝負。
そしてクライマックスは、時差を利用した携帯によるカンニング。
トイレに携帯を隠して、監督側とのぎりぎりの追い込み戦。
そして、地下鉄を利用した、スリリングな展開。
結局、カンニングは悪だという結論を踏まえてのラスト。
男女の関係や、富めるものと、貧するものとの差。社会問題にまで言及する。
久しぶりに見る、ぎりぎりのサスペンスは一級ものだ。
主演のチュティモン・ジョンジャルーンスックジンは、初演ながら、見事な演技ぶり。