おすすめ度 ☆☆☆
イタリア映画好き(特に宗教・SF) ☆☆☆☆
第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門脚本賞。
かなり宗教色、寓話色が強く、一般向きではない。
だが、アントニオーニやロッセリーニの描いたリアリズモの復活を思わせる。
実際に、20世紀後半に、隔絶された町で、搾取され続けた村が存在し、それを知った監督が着想を得て、この映画を作ったという。
その話に、ラザロというキリスト教の聖人をからませ、搾取された社会と、今日の金もうけ主義を絡ませ、寓話的に描いた作品だ。
ラスト、銀行で、強盗と間違われて殺されるラザロ。そして狼。
途中、ラザロは、山から落下、一度死ぬ。
その広大な、山間風景と、現代の都会の風景が対比的映像として心に残る。
幸福なラザロに癒される。
イタリアの女性監督アリーチェ・ロルバケル作品