おすすめ度 ☆☆☆
ベルリンの壁崩壊後、旧東ドイツのライプツィヒ郊外にある巨大スーパーマーケットを舞台に、社会の片隅で助け合う人々の日常を繊細なタッチで綴ったヒューマンドラマの名品。
ドラマの大部分が巨大なスーパーマーケットの店内なので、密室劇のような雰囲気。その閉塞感は、東西統一後もなお経済格差に苦しむ旧東ドイツの人々の心象風景を象徴するかのよう。
新しくこのマーケットにやとわれた寡黙な青年。飲料係に配属され、フォークリフトの扱い方など、先輩に教わり、徐々に慣れていく。
そして、菓子係の年上の既婚の女性と心を通わせていく。
淡々とした職場の描写。
地味といえば地味。
職場のスケッチが進むにつれ、徐々に動いていく。
それが人生。
良い方向と悪い方向、いずれにせよ時は流れる。
音楽がいい。
しみじみとした映画。