ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「悼む人」、天童荒太ベストセラーの映画化です。

2015-02-21 17:47:29 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

愛、死、感謝の気持ちのわかる人 ☆☆☆☆

特に、身近で死に目にあった人は、共感を呼びそうです。

悼む人坂築静人、事件や事故に巻き込まれて亡くなった人々を「悼む」ため全国を放浪する。

彼を巡って、様々な愛と死に対面することになります。

大体普通人にとって、静人の行為は不可思議です。現に、映画でも描かれる妹の婚約破棄。

ただ、彼の悼みによって、傷をいやされる人がいるのも事実です。

この映画は、静人を巡る人たちの愛と生を描いた力作です。

末期がんの母、妻の介護のため会社を辞めた父、妊娠しながら母の死をみとる妹。だが、息子は人の悼みを悼むため帰ってこない。

残虐な殺人事件や男女の愛憎関係を記事にしてきた週刊誌記者蒔野。彼は、静人の行為に疑問を抱き取材を始める。彼には父との確執があった。父の葬式に参列、父の思いに触れ動揺、さらには、命を狙われる羽目になり失明。

夫を愛するがゆえ、夫の懇願で殺してしまった女、倖世。刑を終え出所しても、夫の亡霊に付きまとわれる。静人と出会い、癒されるのか。

傷害を持つがゆえいじめにあい死んだ子を持つ母と父。


いずれも、愛と死に絡んだ人たち。

静人の悼みで本当に癒されるのだろうか。

ただ、そこのところを、受け止められない私には、やや、不可解な映画でした。

原作を読んでいれば、もう少し違った見方ができたかも。






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「薄氷の殺人」、中国北部で起きた殺人事件、追っかける男と追いかけられる女

2015-02-20 17:54:02 | 中国映画
おススメ度 ☆☆☆

見る人を選ぶ映画なので、評価は分かれる。

説明が少ないから、余韻から細部をうかがうしかない。

バラバラにされた死体が、あちこちから発見される。

目星をつけた男を追い、銃撃事件に、味方が殺され、犯人射殺。事件は未解決に。

主人公ジャンは、重傷を負い、警察を辞め、警備員に。

そんなとき、情報がもたらされ、クリーニング店の女が怪しいと。

この女を尾行するうちに、情にほだされいい仲に。


物語はこんな展開だが、いかにも中国の地方都市らしい、うらびれた雰囲気がなんとも、事件にマッチ。

特に照明が少ないので、赤、青、黄のネオンがまぶしい。

スケート場でデートする二人。

すいすいと我が意を得たちと滑る女に対し、男はぎこちない。

そんな時、友人がスケート靴で殺される。

徐々に明かされる、女の男関係。

一方、男も、暴力ずくでセックスを強要するダメ男。

こんな二人の関係は何なのか。

でも実に描写がすばらしい。

平場に繰り広げられる氷の道は一本。そこを進む男のなんと切ないことか。
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「監視者たち」、銀行強盗と韓国警察監視班の攻防

2015-02-19 19:17:20 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

韓国映画好き、警察映画好き ☆☆☆☆

あまり評判になっていなかったので見逃していたが、これは拾い物の感じ。

香港映画「天使の眼、野獣の街」のリメイクということもあって、新しさに欠けるということか。

だが、本作を初めて見る者にとっては、まったく新しい視点にくぎ付け。

韓国、警察の中に、実際の検挙に関わることなく、監視だけを目的に結成された監視班。凶悪犯に狙いを定めグループで監視するのだ。

そこに配属された若手女子監視官。その実地訓練から、映画は始まる。

見るものを的確に記憶し、判断するその能力が問われるわけだ。

そして、配属されて最初に出くわした、銀行強盗事件。

敵のボスは、ビルの屋上から、事件の経緯を把握し、的確な指示を出していた。

一方、警察は、監視カメラを駆使して、刻々の変化を追う指令室を持つ。

しかし、犯人を特定するには、顔を見ているかがポイント、それとなく接触して確認する。

強盗事件の実行犯の一人が、クローズアップされる。そして、核心に迫るも、リーダーには逃げられる。

相手もさるもの、追っかけを気付けば、即刺殺。

この現場に居合わせた新米警官は、なすすべを失う。

そしてラストへ、班長まで傷害に会い、緊迫の連続。

韓国映画の幅は広い。
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「トレヴィの泉で二度目の恋を」、まさに老いらくの恋だが

2015-02-18 19:07:31 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

老いらくの恋に興味ある方 ☆☆☆☆

年寄りの恋なんてという方は、遠慮ください。

たしかに、観客はほとんどが老年。

それにしても、映画に出てくるアニタエクバーグ、昨年享年83歳で亡くなっていた。

そのフェリーニの「甘い生活」に憧れて、トレヴィの泉で恋をしたいというエルサ(シャーリーマクレーン)。

妻が死んで、隣に引っ越してきた80歳の爺さんに、横恋慕して、あれやこれやで誘いまくる。

なんとも可愛げのあるおばあちゃん。

まあ、マクレーンが演じているのがミソ。

どうしてこれだけ年取っていても、可愛いのか。

ウソが混じるところも愛嬌。

頑固者の隣の紳士もやおらそのオーラに引っかかって、二人は、イタリアへ。

アメリカ人もイタリア好きかね。

確かに、トレビの泉はロマンチック。

ただ、この映画、おばあちゃんにもう一つの謎があって、これがまた泣かせる。

妻が死んでもこんなすてきなばあさんが現れたら、と考えるの不純だね。

クリストファー・プラマーもいいおじいさんになったね。
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「フルスロットル」、究極のゼロGアクションです

2015-02-17 18:48:37 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆

リュックベンソンの絡んだこの作品。フランス映画「アルティメット」のリメイク。

「パルクール」というアクションがあるらしい。

フランス発祥の運動方法で、走る・跳ぶ・登るなどの移動動作で体を鍛える方法。

でこの映画、そのパルクールを存分に発揮した映画。

主人公を演じるポールウォーカー、「ワイルドスピード」で大ブレイクした俳優だが、実はこの映画の後、40歳にして自動車事故で亡くなってしまった。この映画が遺作というから惜しいものだ。

「アルティメット」で「パルクール」を発揮したダビッドベルが競演。

その壁伝いのアクションと隣のビルへの跳躍など、まったく予断を許さない。

さらには、ポールの自慢技、カーアクションも迫力満点。

B級アクションのお膳立ては十分。

さらには、共同作業をしていたはずの主役の二人がタイマンを張ったり、見どころ十分。

ただ、物語は、アメリカ、デトロイトが舞台で、貧民地区を巡っての裏組織と表組織の騙し合いもあって、ラストは、これでいいのという展開。
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「ミュータント・タートルズ」、カメさんが大活躍のアクションムービー

2015-02-16 19:08:51 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

原題は、Teenage Mutant Ninja Turtlesだから、忍者であり、10代なのだ。

忍者というだけあって、日本ぽいが、舞台はニューヨーク。

カメさんは、地下の下水道に生息するが、悪のフット軍団と対峙するため地表で大暴れ。

もともと、1984年のアメコミでデビュー。その後、映画も作られたが、本作はリニューアル。まったく別物として登場。

3D版だが、例によって、字幕版2Dで鑑賞。

それにしても結構派手。、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ製作だからだ。

忍者だから、日本語が出てきたり、敵のフット軍団が、鎧兜だったり、多重剣だったりとどこか和風。

4匹のカメはそれぞれ特徴があり、まさしく人間的。動きも人間を模しているので、顔こそ違え人間がやっているとの錯覚が、

全編、模造人間ではなく、テレビのリポーターなど人間が出てくるので、そんなに違和感はない。むしろかわいく見えるタートルズだ・

雪山を滑るシーンとか、エレベータ内のタップとか、随所に遊び心がうかがわれ、楽しい出来になっている。
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「太秦ライムライト」、斬られ役、最後は主演。

2015-02-15 17:39:25 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

時代劇の衰退を惜しむ人 ☆☆☆☆

5万回斬られた男で知られる福本清三。彼を主演にして、すたれ行く時代劇の現状と希望をドラマに描いています。

斬られ役香美山。その彼に殺陣の教えを乞うたさつき。


さつきは、初演の時、香美山の助言で無事役を終えていた。

若いさつきは、人気者となり、東京へ行ってしまった。


そのあとの太秦は、斬られ役の仕事もなく、映画村のショーで斬られるのが日常となっていた。

香美山は、自らの体の不調もあり、引退して、故郷で、土いじりの生活を送っていた。


さつきが太秦に凱旋して、時代劇を撮ることになり、香美山を訪ねて、役をお願いする。

そして、松方弘樹主演の時代劇が、壮絶な切り合いで始まる。香美山の見せ場だ。



チャップリンの「ライムライト」を念じながら淡々と主役をこなした福本は、本望だっただろう。

いつまでも、時代劇であり続けて欲しい。
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「生意気チョルベンと水夫さん」、スェーデンから来たペコちゃんによく似た可愛い子の物語。

2015-02-15 09:48:08 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

可愛い子、動物好き ☆☆☆☆

1964年作品のリマスター版。

2014年劇場公開。

なぜ今なのか、よくわからないが、50年という節目なのか、昨年夏公開時には、スェーデン特集が雑誌などに掲載、ちょっとしたスェーデンブームとなった。

『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』の人気児童文学作家アストリッド・リンドグレーンの作品の映画化。

リマスター版だけに、画像はきれいで、正統派な作品。

主人公のチョルベンは実にかわいい。ちょっと太めだが、その愛くるしい表情にはいかれる。不二家のペコちゃんポイ雰囲気。水兵さんとは、彼女が愛する犬の名。

チョルベンさの相棒のすきっぱのスティーナもかわいい。

チョルベンさんが、漁師からアザラシの子供をもらうところから、物語が始まる。

動物が主役なのも、この映画の特徴で、子供と動物では、嫌いな人はいないだろう。

スェーデンなだけに、50年前だけど、調度類とかファッションとか、とっても素敵でその面の興味も。

幼いころを懐かしめる映画でした。



チョルベンを演じたマリアヨハンソンさんの近況の写真がアップされていました。今もかわいいですね。


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「繕い裁つ人」、中谷美紀が頑固な洋服づくりを演じています。

2015-02-14 17:47:30 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆

ただ、洋服づくりの職人さんの話なので、男性陣はちょっと苦手かも。

池谷葵の同名人気コミックを実写映画化。

「ぶどうのなみだ」「しあわせのパン」の三島有紀子が監督、職人の生きざまを描いています。

ドラマとしての大きな盛り上がりがないので、その点では不満の人もいるかもしれません。

ただ、非常に丁寧な作りで、特にロケ地を厳選。神戸(川西も)が舞台で非常におしゃれ。

 淡い作風は、西洋の洋画を見ているようで、光の使い方がうまい。調度なども凝っていて、さすがファッションの映画だなと感心させられる。

南洋裁店は祖母が開いたが、亡くなり、二代目を孫の市江が継いでいる。

今は、既製服が多いが、昔は皆洋服屋で仕立てたものだ。その意味では懐かしい雰囲気だ。

市江は、大丸百貨店の営業マンから、ブランドを立ち上げるように勧められるが頑として拒否。

だが、その営業マンが東京へ転勤し、彼の妹のウェディングドレスを作るようになってから、気が変わる。

洋服を裁つ姿がりりしい中谷美紀。ある意味では彼女のための映画でもある。

洋服の直しなどを頼みに来る近所の人や、夜会など、それなりに、ヴァラエティはあるのだが。
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「私の、息子」、30歳にして親離れしない息子と母親の確執

2015-02-13 19:10:24 | ヨーロッパ映画
おススメ度 ☆☆☆

母親と息子の関係に関心のある方 ☆☆☆☆

2013年ベルリン国際映画祭で金熊賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞したルーマニア映画。

ルーマニアとは、縁遠そうだが、最近はいい映画を作っているらしい。

ただ、本作は、30歳にして、親離れせず、といっても親には反抗的。母親はエリートで、そんな息子にやきもき。といった親子関係を描いた映画だ。

息子が、追い越し運転で死亡事故を起こしてしまう。

母親は、何とか罪を軽くしたいとやきもきするが、息子は優柔不断。

そんな展開に、興味を持つか、じれるか、別れるところだが ,

終り近く、被害者宅へ謝りに出かけるが、息子は、車から降りようとさえせず、母親一人、針の筵の被害者宅へ。最後は懇願。

ただ、そのあと息子が取った行動、これが大きな意味を持つ。

それまでに、目撃者や、追い越しされた車の運転者、取り調べの警官などがでて、ルーマニアの恥部をのぞかせる。

ルーマニア社会のひずみが浮き彫りにされ興味深い。

しっかり者の母親が、息子のため、オロオロと、動き回る姿が、哀れですらある。

国民的俳優ルミニツァ・ゲオルギウが熱演。
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