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京阪電車10000系きかんしゃトーマス号2015~一部列車では車内放送も…

2015-08-11 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUは関西方面へ足を運ぶ機会があり、その際には京阪電車にも乗車する機会がありました。

京阪電車では近年、「きかんしゃトーマス」のラッピング電車を運行しており、毎年ラッピングのデザインこそ異なるものの、支線ワンマン運用主体の10000系1編成をラッピングし、該当編成は専ら交野線で運用する事が定番となっています。

ラッピング電車はHPでも運行予定が公表され、交野線と同様に4両ワンマン運転主体となっている宇治線でも稀に運用されますが、宇治線での運用は極力ラッピング車以外の編成を充当する状況です。


ラッピング電車の交野線運用と併せ、交野線内各駅もきかんしゃトーマス関連の装飾を施すなど、生活路線としての色彩が強い交野線において、沿線外からの乗客を呼び込むための誘客手段としても、きかんしゃトーマス関連が一役買っており、MAKIKYUは定番の交野線でこのラッピング電車に乗車したものでした。

そして今年夏~秋にかけて、京阪ではきかんしゃトーマスのスタンプラリーも実施、指定されたスタンプ押印駅の一つに交野市駅が指定され、ラッピング電車をデザインしたフリー乗車券も発売するなど、きかんしゃトーマスファンは是非訪問したいのでは…と感じる状況になっています。

 
交野線で活躍する10000系は、きかんしゃトーマスに登場する各車両(蒸気機関車や客車など)ではなく電車ですので、大井川鐡道の如く先頭車を顔つきの蒸気機関車に見立てる演出こそありませんが、主人公のトーマスをはじめ様々なキャラクターがデザインされ、4両全てでデザインが異なっています。

 
車内もトーマス関連のステッカーなどが貼られ、昼間時間帯の一部列車ではトーマスの声で案内放送も流れる辺りは、乗る事自体を目的に訪問する乗客へのサービスとしても面白いものですが、放送内容も子供向けにアレンジされたものになっていますので、大人だけで乗車した場合などは、好みが分かれる所だと思います。

ちなみにMAKIKYUが先月、わざわざきかんしゃトーマスのラッピング電車を狙って乗車したのは、先月久々に会う機会があった3歳の姪っ子がきかんしゃトーマスにかなりはまっており、たまたまデジカメのメモリ内に保存してあった富士急のトーマスラッピングバスに対し、かなり反響が大きかった事も影響しています。

車両外観の写真は、3枚共に交野線の途中駅・郡津(Kozu)駅に入線した私市(Kisaichi)行電車を、枚方市方面の電車が発着するホームから撮影したものです。

光線状態やホーム有効長、周囲の障害物有無や列車すれ違いのタイミングなどを考慮すると、晴天の昼間に通常ダイヤで運行している場合、
駅ホームからの撮影は郡津駅(の私市方)が最も撮影に適している気がします。
(終点の私市駅も曇天なら悪くないですが、晴天の昼間は光線状態の関係などで難ありと感じる状況でした)

かつて幼稚園に勤務していたという会社内の上司からは「女の子にしては珍しいなぁ」という声も出ましたが、先月トーマスラッピングバスの写真を見せた際にも、MAKIKYUは名前が出てくるキャラクターは半数も…という状況だったにも関わらず、殆どのキャラクター名を言い当てる状況でしたので、トーマス関連に関してはとても敵わないと感じたものでした。

近場を走っているのであれば、姪っ子にはこの電車に是非乗せたいと感じる状況でしたが、埼玉県からは富士急でも遠いという話を聞く状況ではとても…という所で、今度姪っ子に会う機会があれば是非この電車の写真も見せたいと感じたものでした。
(新三郷にあるトーマスタウンは比較的近場だけあり、既に足を運んだらしいですが…)

京阪では10000系以外にも、きかんしゃトーマスのラッピングを施した車両を走らせており、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


阪神9000系・Yellow Magic トレイン~球団創設80周年を記念して登場した注目編成

2015-06-13 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月「MAKIKYUのページ」では、近畿日本鉄道(近鉄)のリバイバル塗装編成に関する記事を公開しましたが、4月にMAKIKYUが関西へ出向いた際には、近鉄以外でも幾つかの特別塗装編成に遭遇しています。

 
その一つが3月中旬から阪神電車で運行している「Yellow Magic トレイン」で、球団創設80周年を記念してなんば線~近鉄奈良線直通列車にも充当される9000系の1編成にラッピングを施し、注目の存在となっています。

9000系は近年急速な勢いで数を増やした優等用車両の新鋭・1000系と共になんば線~近鉄奈良線直通の快速急行などに充当される機会が多い車両ですが、MAKIKYUは山陽電車を利用した際に見かけたもので、直通特急として姫路まで足を伸ばす運用に充当される事もあります。

そのため2両編成の専用車が充当され、設備的にも長編成が乗り入れ不可能な武庫川線を除く阪神電車全区間と、相互直通運転先3社の乗り入れ区間の何処に出没するかはその時次第、神出鬼没の存在とも言えます。

9000系が様々な区間に出没する車両である事も、ラッピング対象として選定された一因かもしれませんが、デジカメのメモリに記録されたこの車両の写真を周囲の人物に見せたら、首都圏を走る大手私鉄で、阪神電車と規格が割合類似した私鉄で活躍する「YELLOW HAPPY TRAIN」と名乗る黄色い特別塗装の電車と間違えられたものでした。

両数などは異なりますが、車体長やドア数なども類似していますので、鉄道に詳しくない人物が見れば無理もないと思いますが、こんな話が出てきたら、どちらも遭遇すれば嬉しい存在には変わりない事も両者の共通点なのでは…と感じたものでした。


また阪神電車ではYellow Magic トレインの運行だけに留まらず、阪神梅田駅など数駅でも80周年を記念した装飾が見受けられ、この装飾を撮影する人物の姿も散見したもので、熱心な野球ファンの多い土地柄を実感させられたものでした。

MAKIKYUは野球に関しては疎い部類ですが、知人の中には野球観戦が大好きなレールファンもいますので、この知人が野球観戦・応援で球場へ出向く際には「Yellow Magic トレイン」に遭遇する幸運を掴むと共に、系列球団のYellow Magicを祈願して頂ければ…と感じたものでした。

今後登場予定となっている普通用新車の新ジェットシルバーこと5700系や、山陽電車で久々の新形式となる6000系と並ぶ事があれば、野球ファンかつレールファンの人物にとっては、どちらを選んで乗ろうか迷う贅沢な悩みも生まれそうですが…


近鉄の復刻塗装編成~現在3種が存在・先月乗車機会も…

2015-05-29 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]


「MAKIKYUのページ」では少し前に大阪・阿倍野にある「あべのハルカス」に関する記事を取り上げましたが、その際に掲載した「あべのべあ」のステッカー画像(写真は既公開記事で使用した画像の再掲です)を見て、異変に気付かれた方も居られたかもしれません。

というのも、近鉄電車の一般車両は「シリーズ21」と呼ばれる新型車などを除く標準軌各線や南大阪線系統で運行している車両は、基本的に赤みの強いマルーンと白色の2色塗装であるものの、写真は…という状況になっています。

この写真はあべのハルカスの展望施設見学後に、直下にある大阪阿部野橋駅で遭遇した車両に貼られていたステッカーを撮影したもので、該当車両は6020系という南大阪線系統で現存する一般車両の中では、最古参の部類に属する車両です。

その中でも4両編成の6051Fは、外見的には酷似しており、かつて活躍したラビットカーや新ラビットカーと呼ばれた車両が纏っていたオレンジ色に白帯の装いが再現されたリバイバル塗装車となっており、MAKIKYUは滅多に利用する機会がない大阪阿部野橋駅で、偶然この装いの車両に遭遇できたのは、またとない幸運と感じたものでした。

先月MAKIKYUが大阪阿部野橋駅を利用した際には、ここから南大阪線で橿原方面へ…と思っており、その際には急行の先発列車もあったのですが、次発の準急が橿原神宮前行準急でリバイバル塗装編成充当、時間的にも余裕がある状況でしたので、リバイバル塗装編成遭遇記念も兼ねて、終点の橿原神宮前までこの準急に乗車したものでした。


関西へは幾度も足を運んでいるMAKIKYUも、南大阪線への乗車機会は少なく指の数程度、始発駅の大阪阿部野橋から20km程度・所要時間30分程度でも4両編成しか停車できないホームの短い駅が多数存在し、山岳線と言った雰囲気が漂う光景や、橿原の文字を強調した「橿原神宮前」という行先表示などは新鮮に感じたものでした。


終点の橿原神宮前では大阪阿部野橋行準急として折り返すまでの停車時間も結構あり、両端の番線ではないホームの発着だった事もあって、ミニ撮影会状態が実現したのも嬉しい限りでした。


このリバイバル塗装編成は、装いだけでなくラビット(うさぎ)のロゴも再現されているのも特徴で、車端部の窓割が両端で一致しない事や、
転落防止幌の形状が独特である事なども、日頃近鉄電車を利用する機会が少ない人物が見れば、新鮮に映るかもしれません。


車内は典型的な通勤型仕様ながらも、蛍光灯グローブが装備されている点などは関西ならではの雰囲気、近年の更新工事で化粧板などは比較的綺麗な状態ですが、当初は非冷房車で登場して後に冷房改造された車両という事もあってか、天井の空調噴出口などを見ると、車両外観と共に、登場から40年以上が経過した年代物車両の雰囲気が漂っていると感じたものです。


MAKIKYUがこのリバイバル塗装編成に乗車した際には、車内には何故か西武鉄道が作成した秩父芝桜の車内広告も見受けられ、南大阪線でこの広告を出しても、効果は如何に…と感じたものでした。
(関東私鉄が関西私鉄の電車内に広告を出すのも、内容次第ではありえなくないと感じるのですが…)

また近鉄ではこの南大阪線を走るラビットカー塗装車以外にも、標準軌の奈良線系統と大阪線系統でも各1編成のリバイバル塗装編成が活躍しています。


こちらは夜間で余り綺麗な写真は撮影できなかったものの、大阪線系統で活躍する3扉車・5200系のリバイバル塗装編成も、鶴橋駅で列車待ちの際、反対側ホームに入線した姿を目撃する機会がありました。


この車両に遭遇できただけでも相当な幸運と感じたものでしたが、その後MAKIKYUが乗車した阪神直通列車には、奈良線系統で活躍するリバイバル塗装編成が出没、特に狙ったわけでもないのに2種のリバイバル塗装双方に遭遇するとは…と感じたものでした。

4月に関西へ足を運んだ際には、近鉄以外でも私鉄の特別塗装編成に遭遇する機会があり、こちらに関してもなるべく近日中に取り上げたいと思います。

ただ最近は取り上げたい事が多数あるものの、記事作成が追いつかないのが現状なのですが…


阪神電車・普通用に新形式車両導入~車両代替は予想していましたが…

2015-03-31 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

関西の阪神電車では近年、阪神なんば線開業と、これに伴う近鉄奈良線との相互直通運転開始といった動きがあり、相互直通対応も兼ねて優等用車両(1000系)の大量増備が行われ、以前とは随分異なる状況になっている事は、ご存知の方も多いと思います。


1000系(写真・既公開記事で使用した画像の再掲です)は阪神・淡路大震災後に急造という特殊事情があった9000系を除くと、阪神電車では初のステンレス車体で量産された車両で、今までの車両とは随分雰囲気が異なります。


また1000系導入後には、普通用でも外観は既存車両(5500系)とほぼ同等、下回りなどは1000系ベースとした両者の折衷版とも言える5550系(写真・既公開記事で使用した画像の再掲です)が2010年に1編成だけ登場しており、MAKIKYUもこの車両には一度だけ遭遇、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があります。
(以前5550系に関して取り上げた記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

阪神の普通用車両は、5500系こそ中堅核的存在ですが、紺色とクリーム色の装いを纏った5001系などはそろそろ代替時期に差し掛かっており、消費電力量の多さなども考慮すると、そう遠くない時期に動きが…と思っていました。


そのため車両代替の話が公式発表されても、特に代替自体は驚く事ではなく、5550系が増備されるのなら…と思ったのですが、昨日付けでで「新形式5700系導入」の旨が公式発表され、これは少々驚きと感じたものでした。
(画像はネット上のニュース記事から転載したものです)

優等用1000系導入後すぐに、普通用も1000系ベースのステンレス車が導入されるのであれば、特に違和感を感じる事はないのですが、1編成だけ5550系を製造した後に、ステンレス車体の新形式を製造するというのは少々不可解な面もあり、5550系は1編成だけの異端車になる事がほぼ確定する事にもなります。

また阪神のステンレス製車両と言うと、1950年代末期の普通用高加減速車(ジェットカー)の創成期に試作車として1編成だけ登場し、1970年代後半に退役した通称「ジェットシルバー」と呼ばれた5201-5202号車の2両1編成以来となり、5700系は「ニュージェットシルバー」と言っても過言ではない存在となります。

今度はステンレス車が主流で、その前に登場した鋼製塗装車の5550系が異端車という、1960~70年代とは逆の現象が生じるのも興味深いものです。

5700系は阪神電車初の半自動ドア採用や、阪急電車の最新型車両と同種と見受けられるLCDモニターによる車内情報案内表示装置をはじめ、最近首都圏で導入される新型一般車とは一線を画す内装なども…と感じますので、営業運転を開始した暁には、是非一度乗車できれば…と感じたものでした。

関西では阪神電車以外にも、最近になって六甲ライナーや南海電車などが相次いで新形式車両導入を発表しており、JR西日本や阪急、京阪も古参車両の代替が進んでいます。

東日本大震災後の原発稼動停止や、節電必須の世相も車両代替を後押ししている様に感じますが、それでも幾ら手入れが良くて造りが高級とは言えども、首都圏では支線でも…という車齢の古参車が第一線で活躍する路線も少なくない状況ですので、今後更に車両代替の動きが活発化するのかも気になる所です。


阪神8000系のトップナンバー編成~震災の影響で組替となった異端車両

2015-01-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今日1月17日は、未曾有の被害を及ぼした阪神・淡路大震災の発生日、1995年の震災から今日で丁度20年、震災で犠牲になられた方にはこの場から改めてお悔やみ申し上げたいと思います。

MAKIKYUは震災の2ヵ月後に神戸へも足を運ぶ機会があり、その時は交通網もまだ寸断された箇所が多数、梅田から乗車した阪神電車は御影以西が不通、阪急電車も御影~三宮間は復旧したものの、西宮北口~御影間は…という状況でした。

そのため阪神~阪急の御影駅間で運行していた臨時シャトルバスで移動し、通常なら電車で30分もかからずに移動できる阪神間を、何とか動いている交通機関を乗り継いで移動した事や、阪神御影駅付近で途中階が潰れた建物が残存している姿などを覚えています。
(この時に比べれば、遅いといわれる阪神普通車で阪神間を乗り通したとしても、遥かに早いものです)←ニュージェットで乗り通した事なら何度かあります

あれから20年とは、月日が流れるのも早いと感じますが、この時は特に石屋川車庫が倒壊した阪神電車の被害は非常に大きく、当時在籍していた車両の1割程度が廃車になるという有様でした。


そのため損傷の大きい車両を止む無く廃車する際、編成内で復旧可能な車両を寄せ集め、編成を組みなおした編成も存在し、今日でも活躍していますが、その中で最も有名な車両が8000系のトップナンバー編成です。

阪神8000系は優等系列車の主力車両として活躍する中堅核的存在で、近年開業した阪神なんば線を介した近鉄直通には用いられないものの、線内列車をはじめ山陽電鉄へ乗り入れる直通特急などにも用いられ、阪神電車利用時には遭遇頻度も非常に高い車両です。

この形式の第2編成以降は、前面ガラス窓が拡大され、若干の変化はありながらも今日の最新型車両に至るまで、見た目は比較的雰囲気のよく似た前面の車両ばかりとなっていますが、試作的用途が強いトップナンバー編成だけは、それ以前の標準スタイルとも言える前面形状となっており、異彩を放っています。

震災の際にはこのトップナンバー編成も被災し、6両編成中3両が廃車、残る3両を他編成の残存車両2両と、震災後に急造した車両1両と合わせて編成を構成、その後内外装のリニューアルを経て今日に至っています。


トップナンバー編成は前面だけでなく、側面窓も他の8000系と異なる2段窓になっているなど、外観上の差異が大きい車両ですので、他の8000系と合わせて編成を組んでいる今日では、尚更異端的な車両となっています。

MAKIKYUも関西を訪問し、阪神電車を利用した際には、2回程このトップナンバー編成に当たっており、野球観戦が好きな知人にも、今度野球観戦へ足を運ぶ際には遭遇したら是非…と思っています。


設備面でもリニューアルの際に、中間車が転換式クロスシートに改められ、最近リニューアルされた8000系では座席改造なしとなっていますので、この点でも注目と感じます。

足の長い直通特急や近鉄直通快速急行で、オールロングシート車が出没する頻度も高い一方、この編成が梅田~尼崎・西宮間の急行で頻出する様を見ると…と感じる事もあるのですが、こんな事を感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?


主回路更新された阪急7300系~外見上の変化は少ないものの…

2014-10-16 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先日「MAKIKYUのページ」では、阪急京都線の最新型車両・1300系電車に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが阪急京都線を利用した際には、同系の他に7300系の主回路更新車にも初めて乗車したものでした。

7300系は京都線では中堅核的存在、一般車両の中では主力車の一つとも言える車両ですが、登場から25年以上が経過し、首都圏私鉄で同時期に導入された車両では廃車(事故・余剰を除く)も発生する年代の車両ですので、近年順次更新工事が施行され、現在更新車と未更新車が混在しています。


同系や同年代の神宝線車両・7000系では、数年前に前面形状を変更して新車並みの雰囲気にイメージチェンジ、種別・行先表示も字幕式からフルカラーLEDに改めながらも、下回りは直流電動機のままという編成(写真・以前この編成に関する記事を取り上げた際に使用した画像の再掲です)も存在しています。

近年の大手私鉄における中堅車両の大規模更新工事では、首都圏大手私鉄では主回路更新(VVVFインバーター制御化)を伴う事例が多く、数年前に登場した7000系と7300系の更新車は、首都圏大手私鉄の車両更新とは対照的とも感じた程です。

しかしながら今年夏に更新工事を終えて営業復帰した7300系は、数年前に更新工事を施行した編成とは異なり、行先表示は字幕式のまま、一部形式・編成で施行された前面種別・行先表示幕の拡大化も行われず更新前と変わらない状況になっています。


前面形状は貫通路ガラス窓が下方に拡大された程度、側扉もガラス拡大が行われているものの、5000系リニューアル車で見られるライト形状変更も行われておらず、外見上の変化点は少なく、一見すると更新工事内容を簡略化しただけの様にも見受けられます。

しかしながら下回りの主回路更新が施行されてVVVFインバーター制御車に改められているのが大きな特徴で、当然ながらこの編成の走行音は他編成とは別物です。


車内は阪急電車ならではの木目の内装に、オリーブグリーン色モケット(優先席以外)の座席と言った特徴は踏襲しながらも、蛍光灯グローブ形状の変更と蛍光灯LED化をはじめ、LCDモニターによる案内表示装置の設置、阪急系ならでなのアルミ製鎧戸日除け→一般的なブラインド化など、こちらは外見とは裏腹に新車並みに改められています。


LCDモニターによる案内表示装置は1300系などと同種の横長タイプながらも、フレームが白色ではなく黒色になっており、優先席座席のモケットが、他座席とは異なる赤色になったのも大きな特徴ですが、優先席座席モケットの変更は今後他車両にも波及すると言われているものの、LCDモニターに関しては今後も7000系列と1000系列でフレーム色が異なる状態が続くのかも気になる所です。

関西私鉄では車両製造メーカーの絡みもあってか、どちらかと言うと関東風と言われる南海電鉄で主回路更新車に当たった事がありますが、それ以外は地下鉄程度…という状況でしたので、震災後の節電必須な世相も影響して阪急が方針転換したのか否かも気になる所です。
(地下鉄は京都市営こそ主回路更新車は存在しませんが、大阪市営や神戸市営では多数の事例があり、MAKIKYUもこれらの路線を走る主回路更新車には何度か乗車した事があり、JR西も最近になって初期VVVF車の主回路更新車が登場しています)

阪急は今後の車両更新でも7300系や7000系などの主回路更新を進めて行くのか否か、また阪急に追随する形で同グループに属する阪神電車をはじめ、京阪や近鉄などでも同種の動きが出てくるのか否かも気になります。

また今後の7000系列更新も同仕様での出場となるのか、大規模リニューアルを施行しながらも直流電動機のまま活躍している編成の主回路更新が今後施行されるのか否かも気になる所です。


阪急電鉄 1300系電車~京都線用の最新型車両

2014-10-09 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先日「MAKIKYUのページ」では、開業50周年を迎えた東海道新幹線に関する記事を公開し、その中で阪急京都線に関しても若干触れていますが、先月MAKIKYUが阪急京都線に乗車した際には、最新型車両・1300系にも初めて乗車する機会がありました。


1300系は今年春に運行を開始したばかりですが、既に複数編成が稼動しており、今後の増備計画もあるなど、一時車両代替が滞っていた阪急電鉄も最近は結構…と感じる状況で、このペースで増備が進むと現在廃車が進行している最古参2300系の全廃も近い内に…と感じます。
(首都圏の感覚であれば、7300系が廃車になっても不思議ではない位ですが、京都線で同系は中堅格的存在、2300系と7300系の間に3300系や5300系と言った決して新しいとは言い難い車両が存在し、主力を占めていますが、手入れの良さもあって近年更新した車両などは、下手な新車よりもずっと程度が良いと感じる辺りはさすが阪急です)

1300系は現在8両固定編成のみの導入で、運行開始当日には新車導入記念のお披露目も兼ねて特急にも充当された様ですが、特急の大半は女性専用車を設定(平日ダイヤ運行日のみ)したクロスシート車・9300系による運行が大半を占めています。


オールロングシート車という事もあってか、準急や普通での運用が大半を占めており、MAKIKYUが乗車した際も準急への充当でした。

今までの車両と同様に、京都線車両は神宝線車両と電気品メーカーが異なる慣例を踏襲している事もあってか、1000系とは走行音が異なるのが大きな違いと感じ、車体寸法なども異なっている様ですが、鉄道ファンではない一般客が両者を乗り比べたら、両者の差異を感じる事は殆どないだろう…と感じたものでした。


8両固定編成の阪急電車では久々の両先頭車付随車・電動車を中間に配した編成となっている事や、行先と種別を一つにまとめた側面フルカラーLED表示、車内ドア上に設置された細長いLCDモニターやグローブ付き蛍光灯に近い見付けの棒状LEDによる車内照明なども、1000系と同様の特徴と言えます。


以前宝塚線で1000系に乗車した時と同様に、9000系列に比べるとやや簡素な車両と感じたものですが、マルーンの装いだけでなく木目調の内装や、適度な軟らかさを誇りながらも安定感があり、手触りの良いのオリーブグリーン色モケットの座席など、阪急電車の良き伝統は踏襲されています。

転換式クロスシートを装備し、2重天井+間接照明を採用した9300系は、一般車両にしては豪華過ぎると言っても過言ではない車両ですので、1300系も9300系に比べるとシンプルな車両ながら、一般車両しての設備や居住性は、近年各地で登場している新型車両の中ではかなり上等なレベルに属すかと思います。

同じ線路幅で似た様な規格の電車を走らせている鉄道でも、MAKIKYUが身を置く首都圏の路線で最近登場している車両は…と感じ、他路線との競合や土地柄も、車両の質に大きく影響する事を改めて痛感させられたものです。

一部では軟らかい座席で近隣他社と差別化を図っていると評されている首都圏標準軌某大手私鉄も、個人的にはこの路線で最近増殖している安定感を欠いた「ブカブカした感触の座席」は頂けず、これならまだ某アルミ車製造メーカーが近年製造した車両で、余り高評価を聞かない」や「板切れ」などと評される座席(これも個人的には余り長時間乗車したいとは思わないのですが…)の方がまだマシと感じています。

首都圏標準軌某大手私鉄も単に座席を軟らかくするのではなく、軟らかい座席で快適さを追求するなら阪急の座席を見習って…と感じたもので、車両のデザインや内装なども運賃の違いも考慮すれば尚更…と感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


Peach×ラピート ハッピーライナーに遭遇~同発列車で追い掛けも…

2014-09-13 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

JR全線の普通・快速列車が5日(回)乗り放題となる格安乗車券・青春18きっぷ有効期間も、去る10日で終了となりましたが、MAKIKYUは今月に入ってもまだ残存期間が残っている状況で、有効期間終了間際に立て続けに使う事になったものでした。
(今夏は仕事のスケジュールなどもあり、8月中に利用が難しかった反面、9月に入ってからまとまった休みが確保できたのも一因なのですが…)

今月に入ってもまだ3日分残存していた18きっぷも、一日は日帰り旅行で利用したものの、残り2日間は北陸~関西方面へ足を運ぶ際に利用したもので、スケジュールや18きっぷ残回数の関係もあり、関西からの帰路は少々奮発して新幹線利用(今回はグリーン車利用でしたので、18きっぷ利用による普通列車乗り継ぎとは、正反対と言っても過言ではありません)と言う状況でした。

北陸~関西方面へ足を運んだ際には、18きっぷで乗車できるJR線の普通・快速列車以外にも、別途運賃を支払ったり、企画乗車券類などを用意して幾つもの私鉄や路線バスなどにも乗車したものでした。

その一つが大阪なんばから南方へ路線を展開する南海電気鉄道で、先日南海電車に乗車した事で、MAKIKYUは今年大手15私鉄全てに乗車した事にもなったのですが、南海電車では7日から格安航空(LCC)のPeach Aviation(以下Peachと記します)の装いに改めた電車を走らせており、走り始めたばかりのこの車両にも遭遇したものでした。

対象車両は関西空港アクセス列車として運行している有料特急「ラピート」に用いられる50000系電車1編成(6両)で、同系の特別塗装は今年春~夏にかけて運行された真っ赤な装いに続くものとなります。

MAKIKYUは日頃関西に身を置いている訳ではなく、関西訪問も年に1~2回程度ですので、真っ赤なラピートは実際に姿を見る機会がなく、ネット上の画像などを見るだけで見納めになってしまったのですが、Peach×ラピート ハッピーライナーと称するPeach塗装のラピートも一編成だけですので、走り始めたばかりでたまたま遭遇するとは…と感じたものでした。


MAKIKYUが先日南海電車を利用した際には、南海線の電車でなんばに到着した直後に、なんば駅にPeach×ラピート ハッピーライナーが現れる状況で、暫くホームに停車している事から、様子を眺めたり撮影したりしたものでした。

Peachの機体色を纏ったPeach×ラピート ハッピーライナーは、特徴的な形状の先頭部が真っ白となっていますので、通常なら濃い塗装故に余り目立たないスカートを繋ぐボルトなどが、非常に目立つと感じたもので、装い一つで車両の印象が大きく代わる事を実感させられたものです。

なんば駅に入線したPeach×ラピート ハッピーライナーは、折り返し9時30分発の関西空港行に充当でしたが、MAKIKYUはこの時に南海電車をはじめ、関西一円を走る多数の私鉄・バスなどが乗り放題となる「スルッとKANSAI 2dayチケット」を利用しており、南海電車に関しては区間を気にせずに何処でも自在に乗車できる状況で、高野線ホームにはPeach×ラピート ハッピーライナーと同発の急行電車が停車している状況でした。


Peach×ラピート ハッピーライナーと同発の高野線急行は、南海電車で活躍する車両の中では、個人的な好感度も高い山岳区間直通対応の2扉車・2000系で、南海電車利用時には選んで乗りたい車両の一つですので、この電車の先頭に乗り込んだものでした。

 
乗車した2扉車充当の高野線急行は、Peach×ラピート ハッピーライナーと同発という事もあり、なんば出発から暫く高野線・南海線の2路線が併走する複々線区間では、両者の併走が見込まれる状況でしたが、MAKIKYUの乗車時にはなんば出発をはじめ、その後の停車駅新今宮・天下茶屋でも、Peach×ラピート ハッピーライナーの方が僅かに先発する状況でした。

そのためPeach×ラピート ハッピーライナーを追い掛ける格好となり、先頭車前方からその様子も何枚か撮影も出来たのですが、これはPeach×ラピート ハッピーライナーと同発の高野線電車が走っていても、狙って撮影できるものではなく、タイミング次第では上手く撮影できない偶然の産物ですので、随分希少なシーンを見る事が出来たと感じたものでした。

 
また関西は多数の私鉄とJRがサービス合戦を繰り広げ、鉄道に対して関心を持つ客層が多い土地柄もあってか、MAKIKYUが乗車している高野線急行に新今宮から乗り込んだビジネスマンの方も、車中から併走するPeach×ラピート ハッピーライナーの姿を撮影している状況でした。
(高野線急行に新今宮から乗り込まれた方も、gooブログでブログを開設されており、Peach×ラピート ハッピーライナーに関して記事公開されていますので、トラックバックを送信させて頂きました)

南海も公式HPのPeach×ラピート ハッピーライナーを紹介する項で、「Peachカラーの特別デザインを施した特急ラピートが登場するのは6編成中1編成のみ!まさに出遭えたらラッキー!」と謳っている位ですが、余所者がたまにしか利用しない南海電車に乗車し、この車両に出遭うだけでなく追い掛けシーンも撮影できたとなると…と感じたものでした。

ただPeachのHPでは、「空飛ぶ電車が本物に?!」と謳われているのですが、空を飛ぶのが大嫌いなMAKIKYUとしては、ラピートが空を飛ばれては…と感じますし、ラピートの終点・関西空港には何度か足を運んだ事がありますが、ここから大空の彼方へ向けて飛び立つのは、何処の会社かを問わず、個人的には勘弁願いたいものです。

ちなみにこの日はPeach×ラピート ハッピーライナー遭遇後、南海線で人身事故による運転見合わせ→堺周辺の乗客は堺駅から南海バスで高野線堺東駅へ向かい、そこから高野線に振替輸送も行われていましたが、その中には韓国・ソウルから初めて日本を訪問し、関西空港からなんば・日本橋(Nipponbashi)へ向かう観光客も含まれていました。

この時たまたま堺東駅の近くにある某大手旅行会社で帰りの新幹線乗車票を手配した後、堺東駅へ向かう途中でまたまたバス降車場に居合わせたMAKIKYUは、堺東駅でバス~電車に乗換となる事情を理解できずに、南海バス乗務員も事情を上手く説明出来ずに困っている中で、MAKIKYUが間に入って片言で事情を説明~なんばまで案内するといった事もありました。
(ただ日本語が出来ない外国人観光客とはいっても、韓国語の片言やハングルの筆談などが通じますので、7月に中央本線で乗り合わせたオランダ人観光客と意思疎通するよりは、ずっとラクに感じたものでしたが…)

日本初訪問の外国人観光客が、入国早々にいきなり乗車する事はまずないと思われる泉北高速準急行にご案内してから事情を伺うと、韓国から関西空港まで空を飛んできたとの事で、とてもMAKIKYUは真似出来ない芸当と感じたものでした。

ラピートに充当される50000系電車は、2000系と共に南海電車で活躍する車両の中では、個人的な好感度が比較的高い方で、空港アクセスに用いられる特別車両の中では、乗車回数も多い方(それでも2回ですが…)に入ります。
(空港へ足を運ぶ機会自体が限られるMAKIKYUとしては、空港アクセスの有料列車を利用する機会は非常に限られ、日本国内の旅客鉄道はほぼ全線に乗車していながらも、成田エクスプレスやスカイライナー、ミュースカイやはるかにはまだ一度も乗車した事がなく、韓国のKORAIL空港鉄道も一般列車にしか乗車した事がありません)

とはいえ終着駅故に、一応MAKIKYUは本州住まいながらも、韓国旅行の際には利用したくない交通機関の一つと感じており、また韓国へ足を運ぶ機会があれば、次もまた西鉄バスを利用できれば…と感じたものでした。
(当然ながら博多駅や天神などから博多港国際ターミナルへ向かい、そこからMAKIKYUの韓国旅行では毎度恒例となっているJR九州高速船「BEETLE」や共同運航の未来高速「KOBEE」などを利用できれば…と思っており、博多以外でも下関などであれば悪くない話なのですが…)


阪急電鉄 1000系電車~神宝線用の新鋭車両

2014-05-07 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

3月にMAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、先日取り上げた大阪市営地下鉄・御堂筋線の31系電車と共に、昨年末から阪急電鉄で走り始めた神宝線(神戸線・宝塚線とその支線を合わせた総称)用の新鋭車両・1000系電車にも初めて乗車したものでした。

阪急電鉄はJR某社の如く、新車導入では「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した電車を怒涛の勢いで導入するのではなく、独特の個性を放つ拘りの車両を少しずつ導入していく傾向もあってか、登場から日が浅い今日では神戸線と宝塚線で8両1編成づつが運行しているのみとなっています。

そのため検査時や予備車などに回された場合などは、1日中待っていても姿を見る事が出来ず、ラッシュ時のみの運用に充当された日の昼間なども同様ですので、なかなか捕まえ難い存在で、特にMAKIKYUの様に沿線とは遠く離れた遠方から訪れた人間にとっては尚更と言う状況です。

そんな中でもMAKIKYUが先月阪急電車を利用した際には、利用時間帯もデータイムだったものの、運良く宝塚線の運用で1000系が運用されており、同線の急行で初めて1000系の乗り心地を堪能したものでした。

1000系導入の報を初めて聞いた際には、神宝線用の9000系電車導入からさほど年月を経ておらず、9000系自体も他社最新型車両と比較しても見劣りしないどころか、国内の通勤型車両としては最高水準の部類に入る車両と感じている程ですので、わざわざ9000系とは異なる新形式を…と感じたものでした。


また構想図を見た際には、7000系リニューアル車にも何となく似た様な雰囲気を感じ、9000系よりも簡素なイメージを受けたものでしたが、実際に実車を目にしたら、確かに9000系の様な豪華さは感じなかったものの、LEDを用いた前面ライト形状など、一見シンプルに見える車両ながらも、良く見ると特徴的と感じる部分もあります。
(最近首都圏では、「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した車両など、やって来ても見ただけでウンザリという新型車両がゴロゴロしており、関西でも他大手私鉄では似た様な状況の路線も存在しているのですが…)

車両側面を見ても、ドア窓は一時新車だけでなくリニューアル車などでも導入された下方拡大タイプではなく、通常サイズに戻っており、客窓も阪急では主流のドア間の各窓が独立したタイプではなく、9000系などと同様の連窓となっています。


そして行先表示器は種別と行先それぞれを別個に表示する阪急では主流のタイプではなく、一部の古参車両の如く種別と行先を一つの表示器で同時に表示するタイプに改められているなど、こちらも阪急電車にしてはややシンプルな印象を受けたものです。

車両の機器配置も近年の阪急電車では標準的な、両端に電動車を配した編成ではなく、電動車は中間に集約した編成となっているのも、古参車両に近い編成構成に逆戻りしていると言っても過言ではない状況ですが、MAKIKYUの知人の中には、「先頭電動車でモーター音を聞きながら前面展望を楽しむ事が…」と嘆いている者も居り、どの様な意図で編成構成が変更されたのかも気になる所です。

車内に足を踏み入れると、木目の化粧板にオリーブグリーンの座席モケットといった特徴は、マルーン1色の塗装にアルミの窓枠といった外観と共に、阪急電車らしさを感じさせる特徴は従来車と同様です。

1000系デビューを告知する中吊りなどが随所に見受けられる辺りは、まだ運行開始から日が浅い新形式車両ならではの光景ですが、新型車でもこの様な告知を余り行わない車両も多いですので、阪急側の1000系に対する思い入れや力の入れ様を感じたものでした。

ロングシートの座席は数名分毎に仕切りを設けて定員着席を促進しているものの、各地で流行している窪みを設けたバケットタイプではなく、従来車と同様にふかふかとした座り心地を誇り、軟らかめな座席ながらも安定感のある座り心地は、非常に上質感を感じるものでした。
(ただ近年硬い座席が増えている中で、これに対抗するかの如く、単に柔らかければ良いとばかりに、首都圏の標準軌某大手私鉄では「ブカブカ」した感触のバケットシートを続々と導入していますが、これは安定感に欠け非常に不快と感じており、個人的にはこんな代物ならまだ合板の背ずりが前後に軋むJR某社最新鋭一般車両座席の方がまだマシと感じています)


座席脇の袖仕切りが大型化されているのは、近年の首都圏では一般的ながらも、関西ではまだ少数派で、阪急では1000系が初となりますが、この袖仕切りも木目の化粧版が貼られている辺りは、阪急の拘りが感じられる気がします。

天井を見渡すと、京都線用の特急車両・9300系ベースの2重天井・間接照明を用いた先代車両・9000系の様な華やかさはなく、それどころかそれ以前の各車両の様な蛍光灯グローブ付きでもない直接照明となっていますので、通勤電車でも高級な印象が強い阪急電車にしては随分簡素と感じる向きもあるかと思います。

しかしながらグローブ付き蛍光灯に近い見つけの形状をしたLED蛍光灯を採用していますので、グローブ付き蛍光灯に比べてやや細い事を除けば、シンプルな構造ながらも見栄えの点では大差ない仕上がりとなっており、他社でも今後もっと同種のLED蛍光灯が普及すれば…と個人的には感じたものです。
(東武野田線の新鋭車両・60000系のLED蛍光灯が比較的良く似た雰囲気となっており、簡素な印象が強い韓国・KORAIL広域電鉄の通勤車両なども、割合この蛍光灯とよく似た印象のLED蛍光灯を用いている事で、車内の見栄えが随分良くなっていると感じます)

また最新鋭車両ながらも、自動放送装置は装備しておらず、次駅案内などは車両によるマイク案内となっている辺りは、関西ならではという気もしますが、ドア上にはLCDモニターによる案内装置も装備されており、多言語表示対応で外国人利用などもある程度想定した案内が行われています。


阪急電車のLCDモニターは、9000系などで用いているLCDモニターも比較的特徴的なモノでしたが、1000系ではこれとは異なる横長のLCDモニターが採用され、各地で様々な車両に乗車し、LCDモニターを装備した車両にも多数乗車しているMAKIKYUでも、この様なLCDモニターを見たのは初めて…と感じるものでした。


このLCDモニターは形状が特徴的なだけでなく、4ヶ国語表示となっているのも特徴で、日本の鉄道における韓国語表示では次駅を「다음」と案内する事が多いのですが、到着前の案内表示は韓国内の表示と同様に「이본역」と表示している辺りも評価できると感じたものでした。

近年路線バスでもLCDモニターを用いた運賃表示器が多数導入され、モニターを2つ連ねたタイプも良く見ますが、今後阪急1000系のLCDモニターに類似したタイプが出回っても…と感じ、他鉄道の新鋭車両でも同種LCDモニターの採用例が続く事はないのかも気になる所です。

1000系電車に乗車した際の総体的な感想としては、先代9000系列の様な豪華さは薄れてシンプルな印象ではあるものの、さりげなく個性を感じる部分も見られ、時代の流れに合わせた新機構を取り入れつつも、安っぽく貧相な印象は感じない阪急電車ならではの特徴を踏襲した新時代の通勤車両と言う印象を受けたものでした。

近年貧相で安っぽく、個性に乏しい「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した電車に乗車する事が多くウンザリしているMAKIKYUとしては、久々に嬉しいと感じる通勤型の新形式車両とも感じたものです。

機会があれば兄弟分とも言える京都線の新鋭車両・1300系にも乗車してみたいものですが、首都圏在住で関西へ足を運ぶ機会自体が限られる事もあり、MAKIKYUがこちらに乗車するのは、もう暫く先の事になりそうです。 


大阪市営地下鉄・御堂筋線を走る特色的な車両

2014-04-30 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]


先日「MAKIKYUのページ」では、大阪市営地下鉄・御堂筋線で活躍している30000系電車(通称31系)に関して取り上げましたが、同線ではまだ2本しか走っていない同形や、先日運行開始したばかりの北大阪急行電鉄9000形「POLESTARⅡ」以外にも、特色的な車両が多数活躍しています。
(写真は先日の記事でも使用した31系画像の再掲です)

御堂筋線では車両代替が始まっているとは言えども、今日の大阪市営地下鉄においては古参車の部類に入る10系が多数活躍しており、今でもまだ主力と言っても過言ではない状況です。

同系は更新時期によって、チョッパ制御車とVVVFインバーター制御車に2分され、両者は前面に貼られたロゴをはじめ、多少鉄道に対する知識がある方であれば、電動車に乗車した際の走行音などでも識別できるかと思います。


写真はVVVFインバーター制御に改造された10系で、この姿は特色ある車両と言うよりは、「御堂筋線で最もありふれた車両」と言っても過言ではない状況です。


同系の中には、全面広告車となっている編成もあり、写真がその一例になりますが、こちらは31系導入による代替対象のチョッパ制御車で、他ではなかなか見かけない「ACCC」という前面ロゴでも、VVVFインバーター制御に改造された編成と識別する事ができます。


このチョッパ制御車の中には、かつて大阪市営地下鉄で用いられていた装いを復刻した「リバイバルカラー編成」とも言える車両も存在しており、これは31系などと同様に数が限られる事から、非常に捕まえ難い存在なのですが、3月にMAKIKYUが御堂筋線を利用した際には、この編成もさほど労せずにあっさりと姿を捉える事ができました。

 
この編成は1両毎に装いを変え、4種類のリバイバルカラーが2両ずつと、全面広告となっている女性専用車、そして1両だけ現行塗装のままというのがユニークと感じます。


また御堂筋線~北急線で主力を占めている大阪市交通局車両は、10系と共に大阪市営地下鉄では第3軌条の全路線で見られる20系も、比較的ありふれた存在の車両ですが、こちらも他路線では6両程度での運行が多い中で、他に類を見ない10両固定編成で活躍する姿は圧巻です。


中堅核的存在の20系も、更新工事を施す時期に当たる事から、更新工事が施行された車両も散見する状況で、該当編成は31系の如く各号車番号を強調したデザインとなっているのが大きな特徴ですが、こちらもまだ御堂筋線における更新工事施行編成は少ないため、比較的珍しい存在となっています。

また北大阪急行所属編成は、一応運用が固定されている様ですので、該当運用を狙えば比較的容易に捕獲できる様ですが、運用数自体が限られていますので、こちらも捕まえ難い存在です。


先日営業運行を開始した9000系「POLESTARⅡ」を除くと、現行車両は8000系「POLESTAR」のみで、大阪市交通局車両とは内外共に大きく異なる車両だけあり、存在感はかなり際立つものと感じます。

同系は編成によってライト形状などに差異が見られるのが特徴で、まださほど古い車両とは感じないものの、意外と導入から月日が経過した車両ですので、9000系導入後は運用離脱車両などが発生するのか否かも気になる所です。


ちなみにこの記事で取り上げた画像は、全て西中島南方駅で撮影したもので、同駅は御堂筋線北側で地上に上がってから1駅目、新大阪の一つ梅田・なんば方向に位置しています。

御堂筋線~北急線の地上区間は、同駅を除くと島式ホームの駅ばかりですので、ホーム上から編成写真を撮影するのであれば、西中島南方以外には…という状況ですが、光線状態によっては撮影が厳しい条件となる事もあり、曇り空だった訪問時は遭遇した車両だけでなく、天候面でも絶好の状況だったと感じたものでした。


大阪市交通局 31系電車~御堂筋線用の新型車両

2014-04-28 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今日関西では大阪市営地下鉄・御堂筋線と相互直通運転を行っている北大阪急行電鉄(北急)の新型車両・9000形「POLESTARⅡ」が営業開始となり、ネット上のニュース記事などでは、営業開始記念の式典も行われた事が報じられています。

MAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、記念式典はおろか、「POLESTARⅡ」の実車を見た事すら…という有様で、元々御堂筋線~北急線は大阪市営地下鉄車両による運行が大半を占めていますので、この車両に乗車する機会は何時あるのだろうか…という状況です。
(北大阪急行の既存車両・8000形「POLESTAR」自体も、走っている数が少ない車両ですので、御堂筋線~北急線の利用機会自体が年に指の数にも満たないMAKIKYUが今までに遭遇したのは数度と言う有様ですので…)

北急は阪急系列だけあり、阪急電車などと同様に内装なども非常に特徴的なものとなっており、近年阪急電車やこれも阪急系列の神戸電鉄が登場させた新型車両などは、結構良い雰囲気に仕上がっていると感じていますので、9000形にも結構期待しているのですが、今後関西を訪問する機会があれば、是非一度乗車してみたいものです。

この御堂筋線~北急線では、大半を占める大阪市営地下鉄車両も、近年になって車両代替が始まり、谷町線でも多数が活躍している30000系電車が導入され、通称31系とも呼ばれる御堂筋線用車両は、現在2本が活躍しています。


31系は2011年末に営業開始していますので、もう営業開始から2年以上の月日が経過しているのですが、御堂筋線~北急線の利用機会自体が年に指の数にも満たないMAKIKYUにとっては、この車両も先月初めて遭遇する状況で、御堂筋線~北急線ではかなり多数の編成が運用されている中、特に狙い撃ちする訳でもなくたまたま乗車した列車でこの車両に当たったのは、結構幸運と感じたものでした。

30000系自体は、営業開始したばかりの頃に谷町線で乗車しており、物凄く新鮮な印象という訳ではないのですが、御堂筋線用の車両は前面デザインなどが若干変更されており、規格的には編成両数を除けば大差なく、ラインカラーが異なる程度の車両でも、全く同一ではなく違いが見受けられるのも興味深い所です。
(この点東京の地下鉄なども、車両規格などは互換性を持たせながらも、路線毎の特色を反映させた車両を走らせている点では評価できますが、逆にJR某社などはどれも大して代わり映えがしない上に、粗製乱造の感が否めない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」を大量産(最近は以前より随分「マシ」にはなっている気もしますが…)しており、もう少し他社の動向などを踏まえて…と感じる所で、特に地下鉄~JRが相互直通運転を行っている線区で両者の車両を乗り比べると、その格差は随分なモノと感じます)

車内に足を踏み入れるとLEDを用いた蛍光灯や、LCDモニターによる案内表示装置を装備している点などは、最近の新車ならではと感じる所ですが、LED蛍光灯は従来型蛍光灯と同形状のモノを採用しています。


蛍光灯取付台座の形状を工夫する事で、ある程度見付けにも配慮しているとは言えども、通勤車でも蛍光灯グローブ付きが主流を占める関西においては、少々簡素な印象を感じたものでした。


LCDモニターは4ヶ国語表示となっており、大阪市営地下鉄では駅構内の案内などと共に、4ヶ国語表示を積極的に進めているのは、大いに評価できるもので、既に阪急の最新型車・1000系などでも4ヶ国語表示によるLCDモニター案内は行われていますが、今後他者でももっと4ヶ国語表示が進展する事に期待したいものです。

また御堂筋線~北急線は大阪市内を南北に貫き、郊外との間を結ぶ「大阪の基幹軸」と言っても過言ではない路線で、大阪の2大ターミナルとなっている「梅田」と「なんば」を直結する路線でもある事から、京阪神間を速達運行するJRの新快速電車などと共に、関西では常に混雑している路線の代表格的存在ともなっており、この事もあってか第3軌条方式を採用した地下鉄では、日本中を探しても他に類を見ない「10両固定編成」という長大編成による運行を行っているのも大きな特徴で、その姿は圧巻です。
(首都圏では当り前の「10両固定編成」も、関西では新幹線を除くと他に類がなく、他路線での長大編成は専ら複数編成を併結したものですので…)


まだまだ捕まえ難い31系にたまたま乗車し、乗車編成の姿を写真に収める事が出来ただけでなく、MAKIKYUが先月御堂筋線に乗車した際には、もう一編成の31系が稼動する姿も目撃し、こちらの姿も撮影できた事は尚の事幸運と感じたものでした。

この日は今日営業運転を開始した「POLESTARⅡ」こそ目撃できなかったものの、31系2編成以外にも、御堂筋線を走る様々な車両の姿を撮影する事もでき、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


阪堺電気軌道1001形「堺トラム」~大阪初登場の低床新鋭車両

2013-09-07 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

数日前MAKIKYUは関西へ足を運ぶ機会があったのですが、その際には久々に大阪で唯一残存している路面電車・阪堺電気軌道にも乗車する機会がありました。

阪堺電気軌道は大都市圏を走る路線ながらも、未だに各種カード乗車券類などは導入されておらず、設備的には後進的な印象が強く、車両面でも旧態依然とした単車ばかり、その中には酷寒地を別とすれば希少な部類に入る非冷房車も未だに…という状況です。

しかしながらこの阪堺電気軌道でも、近年各地の路面電車で導入が進む低床の新型連接車が遂に導入され、先月末から稼動を開始しています。


この低床連接車は1001形と呼ばれる形式名と共に、先月運行を開始した1編成は「茶ちゃ」という愛称が付いており、今後も更に増備される予定になっています。

MAKIKYUが今月阪堺電気軌道に乗車した際にも、この「茶ちゃ」に早速乗車する機会に恵まれましたが、運行予定時刻がHPで告知されているのに加え、レールファンの多い土地柄で土休日だった事もあってか、新型車目当ての乗客も数多く見られたものでした。

現在の運行区間は、導入費用の一部を堺市が補助している事も関係してか、阪堺電気軌道の中では閑散区間とも言える我孫子道以南の堺市区間(我孫子道電停とその周辺のみ大阪市)に限定されています。

通常この区間では、天王寺駅前~我孫子道~浜寺公園間を結ぶ電車が12分毎に運行しており、この一部を「茶ちゃ」での運行にするとなれば、我孫子道で一部列車が乗り換えという事になってしまうのですが、既存列車はそのまま運行し、別立てで我孫子道~浜寺公園間を運行する事で、「茶ちゃ」の前後だけ6分間隔となり、「茶ちゃ」が走る分だけ運行本数純増となっています。

現段階の運行形態は、新車のお披露目や習熟を兼ねた仮運行といっても過言ではない気がしますが、この様な運行形態での営業開始は新車目当ての乗客が殺到する事による一般客への影響を回避すると共に、閑散区間に乗客を呼び込むという点でも、阪堺電気軌道は良く考えたと感心します。

この「茶ちゃ」の外観塗装は、以前堺市がHPで公募を募った新車の塗装案(MAKIKYUも1票投票したのですが…)の中で、最も得票数の多かったデザインを採用しており、車両自体はアルナ車両の標準型ベースながらも、結構ゴージャスな印象を受けたものです。

 
車内に足を踏み入れると、こちらも木目などを多用した内装、そして九州などで多数の実績がある某デザイナーの手がけた車両を連想させる、天然素材を用いた日よけなどが目を引きます。


最新型車両らしく、LCDモニターによる案内装置なども装備されており、車内放送も従来車とは異なり、最近流行の音声読み上げソフトを用いたと思われる不自然なアクセントの放送が流れていました。

各地の路線バスではこの手の放送に時折遭遇しますが、鉄道では余り…と感じたもので、今後阪堺電気軌道の既存車両にもこのタイプの放送が波及するのか気になる所です。

車両デザインや内装などを見ると、阪堺電気軌道は低床車導入では後発と言う事もあり、単に新鋭車両を導入するだけに留まらず、他者の動向などを踏まえながらも、見劣りしない車両を…という意気込みを感じたもので、特に堺市区間での利用が不振と言われる阪堺電気軌道において、今後の活性化にどれだけ貢献するのかも注目したいものです。

また阪堺電気軌道の近隣を並行して運行する親会社の新車は、関西の他事業者で活躍する新型車両に比べると、設備面などで余り芳しくない印象が強いだけに、こちらも系列会社に刺激を受けてもう少し…と感じたものですが、こんな事を思ってしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


神戸電鉄・有馬口駅付近で脱線事故発生

2013-05-29 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]


ネット上のニュース記事などでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、ご存知の方が多いかと思いますが、昨日夜に神戸電鉄(神鉄)有馬口駅付近で、電車の脱線事故が発生しています。
(写真は神鉄電車のイメージ(既公開記事使用画像の再掲)・脱線車両は写真とは異なる車両です)

神鉄では以前にも、有馬口駅やその周辺で何度か脱線事故が発生しており、「また有馬口で脱線」と感じる程ですが、現段階では負傷者発生などの報を聞かないのは、せめてもの救いです。

神鉄は利用客減少が続き、粟生線の志染以遠では都市近郊鉄道にしては異例の昼間毎時1本(1時間間隔)にまで大減便され、HPでも来月から一部列車の編成減車(4→3両)も行われるなど、状況は決して芳しいとは言い難いものです。

また路線条件も、山間部を走る区間が多い事から、50‰の急勾配や急曲線などが随所に存在し、登山電車に乗車していると錯覚してしまう程で、都市鉄道にしては異例の路線ですので、特殊装備などが災いして他路線よりも運賃が高めに設定されている程です。
(それでも超高額運賃で悪評名高い、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などに比べれば、遥かに良心的な運賃設定となっています。
神鉄では運賃に割高感があるというFAQに関しても、その旨を認めた上で、HP上で事由を説明しているなど、「マインド」などと称して居直る「開発を止めた某鉄道」などに比べれば遥かに良心的で、利用客に対して理解を求める姿勢は評価できると感じています)

神鉄では既に都市型ワンマン運転や駅の無人化(自動改札あり)など、合理化も限界に近いと思いますので、設備改善にまで手が回らず、路線維持だけでも…という状況かもしれませんが、公共交通は安全第一、そして特に鉄道ともなればダイヤ通りの輸送を遂行する事が求められますので、脱線要因の早期解明と、同種事故の再発防止に努めて頂きたいものです。


京阪電鉄 13000系電車~3000系とよく似た印象の一般型車両

2012-08-29 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUが久々に中国まで足を運んだ際には、帰国の際に利用したフェリーが関西(神戸)着で、生活圏の首都圏からは結構離れており、訪問機会も限られる場所(それでも年に1~2回は訪問し、新幹線で通り過ぎる事も含めれば結構な頻度になるのですが…)ですので、帰国後もそのまま直帰せず、関西を道草してから帰路に就いたものでした。

その際には京阪電車を利用する機会もありましたが、京阪電車は現在、昭和40年代に製造された直流電動機を用いた古参車がゴロゴロしており、交野線こそ近年のワンマン化実施で大半が新型車に入れ替わっているものの、本線普通・準急や宇治線では車体断面が丸い古参車(2000番台)に当たる事も少なくなく、昭和50年代製の電車が次々と退役している首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、随分古い車両が多い路線と言う印象があります。
(京阪電車に限らず、関西私鉄はこの傾向が強いのですが…)

2000番台の古参車は、2200系や2600系など幾つかの種類があり、特に2600系は車体形状や台車などに様々なバリエーションが存在、編成や経年もバラツキがある雑型車といえ、多様な編成を構成できる事もあって、京阪電車を利用する際には、嫌でも見かける程の存在です。

最近では新旧塗装が混結して走る姿も時折見受けられ、趣味的には面白い存在ですが、経年車でエネルギー効率の面でも芳しくない上に、支線区でのワンマン運転実施にも難があり、サービス面でも…という事で、近年徐々に淘汰が進んでいます。

京阪電車の新型車両と言うと、中之島線開業時に同線の花形列車・快速急行用に導入され、その後利用実態を踏まえ、現在は主に特急で運用される3000系電車を思い浮かべる方が多いかと思います。

この車両は某大手デザイン会社が絡む事もあって、外観・内装共に従来の京阪電車とは大きく異なるものとなっており、この車両で京阪間を乗り通しても概ね400円前後と言うのは、熾烈なサービス合戦を繰り広げる関西ならではです。
(特に車両規格が京阪電車に比較的類似しており、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)は、運賃も京阪電車などに比べると遥かに…という状況ですので、それなら車両などのサービス面でも遥かに上を望みたいものですが、この会社だけは期待しても無駄そうです。先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げたモノレール車両の様に、千葉県内でもこの車両と同じデザイン会社が絡む傑作車両も存在しているのですが…)

3000系電車は乗降性なども配慮してか、座席数がやや少なく、京阪間を乗り通す時などは…という評もありますが、設備・デザイン共に特別料金を要しない車両の中では、かなりのレベルに達しており、もっと数を増やしても…と感じるものです。

しかしながら一部に転換式クロスシートを採用した客室設備や、8両固定という関西では比較的長い編成(中間車を抜いて7両や5両を構成する事も可能ですが…)は、京阪間の優等運用で用いるには最適でも、本線普通車や支線区で用いるにはやや難があります。

こちらに古参車が多く改善も急務な事から、3000系の支線区版とも言える車両が待ち遠しいものでしたが、この用途で登場した新型車が13000系電車で、今年春に運転を開始しており、MAKIKYUは先月初めて乗車する事が出来ました。


13000系は3000系を短編成化(4両)・客室設備のオールロングシート化や用途の違いによる塗装変更を行った車両と言う雰囲気を受けますが、単に3000系に最小限の設計変更を施したのではなく、よく見ると前面貫通路上に設置されたライト数や、行先・種別表示窓部分がやや角張っているなどの差異が見受けられ、側面の窓割も異なるものになっています。


近年の新型車では大半がシングルアームパンタグラフを採用し、中には古参車でも積雪や車両限界・騒音対策などでこのタイプに換装する事例(JR東日本・中央本線の115系電車や、小田急線の通勤型車各形式など)も存在しますが、廃車発生品を転用した事もあってか、最近の新型車では珍しく下枠交差式パンタグラフを採用しているのも特徴で、今後シングルアーム式への交換が行われる事があるのか否かも気になる所です。

車内に足を踏み入れると、3000系と同様に某大手デザイン会社が絡む事もあってか、3000系の色違い・オールロングシート車といった印象も受け、床面のデザインや配色を変えた客ドア部などは、3000系に類似した雰囲気を感じます。


ドア上にLCDモニターを設置している辺りも、最新型車両ならではと言えますが、座席脇の大型袖仕切りや、蛍光灯カバーのない天井部などは、3000系とは異なる13000系の特色です。


蛍光灯カバーが省略されても、蛍光灯配列や取り付け部分のデザインなどで既存一般車に劣らない雰囲気を実現しているのは、大いに評価できる所で、車両番号や製造メーカーを示した銘板の代わりに、これらをまとめた1枚のステッカーとしている辺りは、最近の首都圏の電車を連想させるものがあります。

13000系は一応2編成併結して8両で運行する事も可能な様ですが、現在は4両単独で主に宇治線の運用に充当、また時折交野線にも充当される様ですが、専ら短距離の支線用に製造された車両だけあって、3000系のコンセプトは継承しながらも、同系や近年改装された特急専用車・8000系の様な、特別料金不要車両では最高レベルの設備を誇る車両とは言い難いものです。

しかしながら物凄く高級な造りにしなくても、デザイン上の工夫などで、支線区などで用いる車両でも、見栄えのする車両を走らせる事が出来るという点では、非常に良い事例と感じられ、最近首都圏で増殖している「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などを導入している事業者(関西でも狭軌某大手私鉄の最新型車はこの部類に入りますが…)も、単にコスト面で優位な車両を目指すだけでなく…と感じたものでした。


南海12000系「サザン・プレミアム」(2)~車内編

2011-10-10 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今月初めに取り上げた南海の特急「サザン」座席指定車用の最新型車両・12000系「サザン・プレミアム」ですが、今日は先日の外観編に続き、続編として車内の様子を取り上げたいと思います。

「サザン・プレミアム」は見るからに特異な雰囲気の空港連絡用特急車・50000系「ラピート」とは異なり、見た目は実用本位の印象が強い車両ですが、車内に足を踏み入れても、デッキ付近などは比較的シンプルな雰囲気となっています。

 
床材が客ドア付近だけ黄色く色分けされ、車椅子対応の大型トイレを備えているのは、今日の最新型車両らしい所で、白を基調とした壁面も、ドア部分だけ薄い青色で色分けしているのは、単調な印象になるのを避けるためにも良いアクセントと感じます。


客室に足を踏み入れると、こちらも「ラピート」の様な特異な雰囲気ではなく、一般的な特急車両と言う雰囲気が強く感じられたものですが、照明を天井中央と荷棚下部に配置するレイアウトが特徴的で、行先や次駅の案内が最新型にも関わらず、3色LEDによる文字案内なのは少々惜しい所です。


座席は特急車両では一般的な、背面テーブル付きの回転式リクライニングシートとなっており、座り心地は悪くないと感じたものですが、ヒーター配置の関係もあってか、最近の新型特急車では珍しく、座席下の足元が詰まっています。
(それでも最下部まで足元がカバーで覆われている他の特急車よりはまだ良いのですが…)


そのためシートピッチこそそこそこの広さが確保されているものの、足元が少々狭く感じてしまうのが難点で、難波~和歌山市・和歌山港間を乗り通しても1時間程度ではさほどの実害はないとは言え、今後「サザン・プレミアム」車両が増備される機会があるとするならば、ヒーター形状や配置を見直し、座席下の空間が広く確保される事に期待したいものです。

ちなみにMAKIKYUが「サザン・プレミアム」に乗車した際には、電動車狙い+海沿いの景観を楽しむ事を目論み、窓口で座席指定券を購入する際に、先頭車右窓側座席の空席を照会したら、時間帯の関係でガラガラだった事もあり、係員の方が気を利かせて最前部という特等席で発券してくれたものでした。


「サザン・プレミアム」では先頭車の乗降口が後側になり、乗務員室との間の仕切り部分も、客室側は一般車両と同じ様に乗務員室扉をはじめ、その両側もガラス窓がありますので、そこそこの前面展望を楽しめます。


ただ最前部に座っても、乗務員室内の機器配置などは特に前面展望を重視した雰囲気ではない上に、助士席側では前面窓付近に乗務員用カバンが置かれるなど、存分に展望を…という雰囲気ではなかったのは残念な所ですが、特急「サザン」は観光列車的要素が乏しい上に、運行形態が一般車併結で、難波行きでは一般車が先頭に立つ事などを考えると、偶然の産物でそこそこの前面展望が楽しめ、しかも先頭車が電動車であるだけでも上等かもしれません。

 
また「サザン・プレミアム」乗車中には中間車2箇所の扉増設準備が施されている区画も気になり、途中で様子を覗きにいったものでしたが、こちらは2号車が客室とは仕切られたフリースペースの様な雰囲気になっているのに対し、3号車は客室端に如何にも扉を増設できる事をPRするかの様な雰囲気となっており、様相が異なるのは意外でした。


MAKIKYUはなるべく電動車に乗りたい事もあり、「サザン・プレミアム」では出来れば2・3号車ではなく、両端の車両に乗りたいものですが、和歌山方面行き列車の3号車最前座席は壁面との間に結構なゆとりがあり、足元の広い座席を望むのであればお買い得区画とも感じたものですので、付随車(モーターなし)車両の方が好きな方には、この座席はおススメとも感じたものでした。

「サザン・プレミアム」に乗車した感想としては、車内には現代のニーズに応えたコンセントや空気清浄器も設置され、所要1時間程度の特急で用いる車両としては、実用面では申し分ないかと思いますので、座席下の足元空間確保の問題を別とすれば、居住性の面でも悪くないと感じたものです。

南海線特急「サザン」は一般車が4両しかない事もあってか、混雑が常態化しており、おまけに関西私鉄の一般車両の中では、新旧どちらもグレード面で芳しくない印象がありますので、「サザン・プレミアム」が充当されるのであれば、500円の座席指定料金も阪和間を乗り通すのであれば許容範囲で、南海電車で和歌山へ足を運ぶ際には、また利用しても…と思ったものでした。

とはいえ「サザン・プレミアム」以外の「サザン」は、座席指定車と一般車の双方共に草臥れた印象が強く、これではJR阪和線の新型車攻勢に対して劣勢も否めないかと思いますので、今後どの程度のペースで古参車が淘汰されるのかも気になる所です。