先日「MAKIKYUのページ」では、近江鉄道で運行を開始した2両連接バス「JOINT LINER」に関して取り上げましたが、近江鉄道グループでは最新鋭の超低床輸入連接バスとは対極とも言えるバスも活躍しています。
この対極とも言える存在が、子会社の湖国(Kokoku)バスが運行している「彦根ご城下巡回バス」で、この路線は土休日などの昼間に彦根駅を起終点に、彦根城周辺など市内中心部を巡回運行する路線となっています。
この路線では専属車両を充当、ゆるキャラの一つで彦根の地名度向上にも貢献している「ひこにゃん」をデザインしており、このデザインは如何にも今風と言った趣ですが、車両面ではボンネットバスを充当しており、この車両選定は観光向けに特化した路線ならではとも言えます。
各地で観光巡回バスとして活躍するボンネットバスの中には、一般的なマイクロバスにダミーのボンネットを設けた「偽ボンネットバス」も数多く存在していますが、「彦根ご城下巡回バス」で用いられている車両は「偽」ではなく昭和40年代に製造された正真正銘の「ボンネットバス」です。
国内各地で希少な存在としても注目される正真正銘の「ボンネットバス」は、他メーカーに比べ、いすゞが長く製造していた事もあり、いすゞ製の車両が大半を占めており、「彦根ご城下巡回バス」で活躍するボンネットバスも、国内で現在活躍するボンネットバスでは多数派を占めるいすゞBXD30です。
正真正銘の「ボンネットバス」という事もあり、ひこにゃんをデザインした今風の装いを除けば見るからに古風な雰囲気が漂い、車内に足を踏み入れると、床も昔ながらの板張りとなっています。
(彦根市内を走る湖国バスでは一般路線用の中型車でも床が板張りの車両を稼働している姿を目撃していますので、日頃湖国バスを利用している地元の方から見れば、タダの古いバスにしか映らないかもしれませんが…)
また正真正銘の「ボンネットバス」という事もあり、走行中のエンジン音なども近年国内路線車としては絶滅した、BUやCJM系のいすゞ製モノコック車に近い雰囲気を感じる、如何にも古いバスといった独特なサウンドが堪能でき、見るだけでなく乗って楽しめる車両とも感じたものでした。
また「彦根ご城下巡回バス」は近江鉄道グループの一般路線バス回数券(金券式)などは通用対象外となっているのは少々残念と感じましたが、1乗車210円(彦根駅周辺の短距離利用以外)・2回以上の乗車で元が取れる1日乗車券(彦根城などの入場割引特典あり)が300円で発売されています。
そのため彦根へ足を運べば、希少なボンネットバスにも比較的容易に乗車できるのは非常に有り難く、「JOINT LINER」との乗り比べも面白いのでは…と感じたものでした。
(同じ滋賀県内の近江鉄道グループでも運行エリアは少々離れており、運行日なども異なりますので、両者が並んで活躍する姿を見る機会がまずないのは少々残念な気もしますが…)
しかしながら正真正銘の「ボンネットバス」という事もあり、当然ながら非冷房車ですので、夏の盛りには代車運行となる旨が告知されている上に、「彦根ご城下巡回バス」は観光向けに特化した路線という事もあり、運転日が限られているのも要注意と感じたものでした。
日本国内でも近年、2両連接バスを導入する事業者が相次いでいるものの、まだまだ少数派で物珍しい存在と言う事もあり、活躍自体が注目される状況となっています。
首都圏と並び公共交通が発達している地域として有名な関西でも、一般路線用に導入・運行を行っている事業者はまだ2つだけという状況で、運行路線も限定されていますので、関西在住の方でも「まだ乗った事がない」という方も決して少なくないと思います。
この2事業者の一つは兵庫県の神姫バス、同社では「オレンジアロー 連 SANDA」という名称で2台が活躍しており、この車両は最近になって土休日のアウトレット輸送にも充当される様になっています。
平日は週5日仕事や学校などで忙しく、土休日しか空いた時間が確保できないという方には、以前は非常に乗り難い存在だった同車も、最近は乗車難易度がやや下がった感があります。
同車に関してはMAKIKYUも以前に1度乗車、「MAKIKYUのページ」でも関連記事を公開(興味のある方はこちらをクリックして下さい)していますが、今月に入ってから関西では神姫バスに加え、近江鉄道でも関西では2例目となる2両連接バスの運行を開始しており、MAKIKYUは早速乗車する機会がありました。
近江鉄道では南草津駅~立命館大学(びわこ草津キャンパス:通称BKC)間を結ぶ路線の一部便に充当、連接車両は「JOINT LINER」と称しており、同車は2台導入されています。
「JOINT LINER」は神姫バスをはじめ、新潟交通以外の輸入連接バス運行事業者(岐阜乗合・神奈中・京成バス)でも用いられているベンツ製の「CITARO」と呼ばれる車種で、国内の連接バスでは最もポピュラーな車種と言っても過言ではない存在です。
一般車両とは大きく異なる単色塗装となっている点も、既に輸入連接バスを運行している他事業者と同様ですが、薄い黄色の塗装はインパクトの強い塗装を用いている輸入連接バス運行他事業者各社に比べると、やや控えめと言う印象を受けたものでした。
車内に足を踏み入れると、こちらも外観と同様に他事業者のCITAROとは色違いの同型車という印象で、国産バスとは異なる輸入車ならではの硬めと感じる座席なども、「オレンジアロー 連 SANDA」などと同様と感じたものです。
座席モケットは紺色となっており、これも鮮やかな印象を受けた「オレンジアロー 連 SANDA」などに比べると控えめの印象を受けたものです。
ただ車両前方には今流行の♡形吊り輪を用いたつり革も見受けられ、これは2両連接バスの中では全体的に控えめな印象の強い「JOINT LINER」において、一つのアクセントになっているのでは…と感じたものでした。
この「JOINT LINER」は特定時間帯に旅客が集中する学生輸送に特化して導入した車両と言う事もあり、南草津駅~BKC間を結ぶ各系統の中でも、専ら両区間を直行運行する便に用いられていますが、片道だけ実車運行を行い、残る片道は回送運行となる事も多くなっていますので、試乗で南草津駅やBKCに出向かれる方は要注意です。
(MAKIKYUが南草津へ足を運んだ際には、南草津駅発は16時前の便が最終でしたが、BKC発の便は18時過ぎまで存在する状況でした))
また日本国内では既にCITAROの2両連接バスを走らせている各事業者や、CITAROとは別タイプの2両連接車を運行している新潟交通以外でも、既に連接バスの試運転を行っている事業者が存在する状況です。
有資格の乗務員不足などが問題化している現状では、道路条件などの環境が整うのであれば、今後も既に運行実績のある各事業者をはじめ、それ以外の都市圏事業者でも新たに2両連接バスの運行を行う事例が増加する可能性は濃厚かと思いますが、近江鉄道でも当面2台のみの活躍で推移するのか、更に車両数を増やす事になるのかも気になる所です。
今月「MAKIKYUのページ」では、中国の市内公共汽車(路線バス)や関西の路線バスに関する記事を公開していますが、近年関西で中国製のバスが少数ながら日本に輸入され、路線車として活躍する車両も存在しています。
MAKIKYUが乗車した事があるのは、京都市内を走る京都急行バス(プリンセスライン)で活躍する車両で、現在同社では5台が稼働しています。
MAKIKYUは昨年この内の1台に乗車する機会があり、車両稼働数の少ない休日ダイヤ運行日だった事もあり、車庫に4台が留め置きされ、稼働車両は1台だけだったのは少々残念と感じたものでした。
この車両は日本国内の路線バスでは殆ど見かけない中国製と言うだけでも希少な存在ですが、これに加えて国内では数少ない「電気バス」となっているのも大きな特徴で、MAKIKYUが以前北九州市内で乗車した韓国製電気バス(北九州市営バスが運行・以前公開した記事をご覧になりたい方はこちらをクリック)と同様に、騒音や振動面では非常に優れた車両と感じたものでした。
ただ車内のデッドスペースが多いのに加え、段差処理などもイマイチと言った印象を受けたのは残念な所で、この点は今後まだまだ改善余地があると感じたものでした。
また座席は中国大陸本土で一般的な硬いプラスチック製ではありませんが、ビニール張りとなったものが用いられており、香港や澳門の市内公共汽車に近い雰囲気と感じたものでした.
日本国内を走る路線バスの座席はモケット張りが一般的なだけに、この点も評価は割れるだろうと感じたものでしたが、小規模ながらも多彩な車両が活躍する同社路線の中でも、存在感の際立つ名物車両と言っても過言ではない存在かと思います。
特に運行ダイヤ告知などはありませんが、市内中心部の一般路線運賃で乗車可能(但し全国交通系ICカードやスルッとKANSAIカード各種の利用は不可)ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も京都市内へ足を運び、この電気バスを見かける機会がありましたら、是非一度試乗してみては如何でしょうか?
関西の大手私鉄各社(南海を除く)や、これらの私鉄と相互直通運転を行う各線などは、JR旅客各社や首都圏大手私鉄などよりも1週間早く今日ダイヤ改正を実施、来週のJRや首都圏大手私鉄におけるダイヤ改正と共に、こちらも注目と感じている方は少なくないと思います。
また今回のダイヤ改正対象になっている鉄道各線の中でも、阪神電車や阪急神戸線が通る尼崎市内では、永年市内交通を担ってきた尼崎市交通局の路線バス(尼崎市営バス・写真)が今日限りで運行終了となります。
こちらも尼崎市内や近隣に身を置く方などは、大きな話題と感じている方が多いと思いますが、尼崎市営バスの民営移管では、現在運行中の市営バス各路線が、市内の一部路線を運行している阪神バスに移譲となります。
阪神バスの既存路線は関西では多数派の中乗り前降り・運賃後払いとなっているのに対し、尼崎市営バスは前乗り中降り・運賃前払いと乗降方式が異なっていますが、阪神バス移譲後も市営バス移譲路線は従来通りの取り扱いとなるため、尼崎市内を走る阪神バスは明日以降、2種類の乗降方式が混在する事になります。
この事もあってか、市営バス移譲路線では当面尼崎市営バス塗装の車両を充当する旨が案内されており、「尼崎市内線」として他路線とは異なる扱いとなるのは少々異色と感じますが、市営バス移譲に合わせて阪神バス既存路線も尼崎市内区間を「尼崎特区」として移譲路線に合わせた運賃体系に変更(10円値下げ)され、運賃面では両者の格差が生じない様に配慮されます。
市営バス移譲路線でも阪神バス運行開始当日から阪急バス・阪神バスで利用可能なICカード「hanica」をはじめとする各種交通系ICカードが利用可能になるなど、旅客側の利便性と言う点では、概ね良い方向に向かっていると感じられるのは評価できる所です。
ちなみにMAKIKYUはここ数年、年に数回程度は尼崎市内を通る機会もあるものの、日頃の生活圏とは大きく離れた地域という事もあり、明日から阪神バスに移譲となる尼崎市営バスへの乗車は数回程度、久しく乗車していない状況です。
低床ノンステップバスを比較的早期に導入開始し、バスコレクション(模型)でも三菱製ノンステップ車が製品化された程ですので、尼崎市営と言うとこの車両をはじめとする低床車の印象が強い方も多いと思いますが、以前乗車した際には写真の様な車両も活躍していました。
(2008年に撮影・子会社の尼崎交通事業振興が運行していた車両で、塗装は市営バスと同様ながらも、前面に同社の社紋が表記されているのが大きな特徴です)
民営移譲後に運行を行う阪神バスに関しても、以前乗車したのが電鉄直営時代と言う有様で、兵庫県内を走る他の大手事業者の幾つか(神戸市営・阪急バス・神姫バスなど)は近年も何度か利用しているものの、こちらも利用機会がなかなか…という状況です。
今度関西へ足を運んだ際には、時間が許せば尼崎市内線をはじめとする阪神バスへの乗車も…と感じていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も明日の阪神バス移譲だけに限らず、尼崎市営バスに関する思い出話などがありましたら、是非コメントもどうぞ。
先日「MAKIKYUのページ」では、大阪南郊を走る泉北高速鉄道に関する記事を公開しましたが、今月MAKIKYUが泉北ニュータウンへ足を運んだ際には、その序で大阪市内と泉北ニュータウンの中間に位置する堺市内中心部にも立ち寄ったものでした。
堺市内中心部は大阪市内から南へ向かう南海電車の幹線が2路線(南海線・高野線)存在し、前者の基幹駅が堺駅・後者の基幹駅が堺東駅となっており、両駅間は南海バスが運行する路線バスも頻発しています。
その中でも「堺シャトル」と呼ばれるシャトル便は、堺駅~堺東駅間を結ぶ各系統の中でも最短最速となっており、便数も頻発しているなど、両駅間を結ぶ路線バスの中で最も至便な存在ですが、運賃面でも均一運賃制という事もあり、関西では比較的少数派の「前乗り前払い」方式となっているのも大きな特徴です。
(関西では京都・大阪・神戸の市バスや、これらの市バスと並行する民営バス各社は均一区間でも大半が「後乗り後払い」ですが、奈良交通の一部路線や伊丹市営バス各路線など一部で「前乗り前払い」も存在しています)
この「堺シャトル」は以前から充当車両も特別塗装の専用車が充当されており、南海バスの一般車両とは大きく異なる車両ですので、素人目にも容易に識別できる様になっていますが、今月新型車が導入されたばかりで、大きな注目を集めています。
それもJ-BUS最新モデルの低公害車、日野ブルーリボン・ハイブリッドが一挙に7台導入されるなど、まだ数の少ない同車に容易に乗車できる路線と言う面でも注目の存在ですが、先代車両に続き堺シャトルならではの特別塗装も踏襲されていますので、一際目立つ存在と言っても過言ではない状況です。
数の少ない最新モデル車で特別塗装というだけでなく、まだ日本国内の路線バスでは余り普及していないフルカラーLED行先表示器を装備、イラストも交えて4か国語表示を行っているのも目を惹きます。
日頃堺シャトルを利用する外国人観光客はさほど多くないと思いますが、南海線で輸送障害が発生した際の振替輸送などでは、この表示案内も多少は威力を発揮するのでは…という気がします。
(以前南海線が人身事故で運転見合わせ、堺駅で運転打ち切りとなったなんば方面行電車から堺シャトル→堺東駅で高野線乗継による振替輸送が実施された際、初訪日し関西空港から大阪市内へ向かっていた韓国人旅行者が堺東駅前でバス乗務員に応対を求め、南海バス側も対応できずに苦慮している間に入り、片言の韓国語と英語で高野線電車への乗換を案内した事もありますので…)
またブルーリボン・ハイブリッドは大型車両で、中型ノンステップ車だった先代シャトル車両(日野HR)よりも輸送力が向上しているのも評価できる点で、路線状況などを考慮すると、先代シャトル車両が中型車だったのが不思議な程でした。
車内の座席配列は2人掛け主体の配列となっており、南海バスはシャトルと称する特定系統に対し、他路線と差別化を図る意味も兼ねて豪華な車両を導入する前例が今までに幾つも存在しており、比較的長時間の乗車となる路線なら最適の設備と言う気もします。
ただ堺シャトルは全線乗り通しても15分に満たない状況で、通路が狭く立席空間が狭いと乗降性は劣りますので、路線状況を考慮すると個人的には多少座席数を減らしてでも前中扉間の座席は片側1列の方が良かったのでは…とも感じたものでした。
現状では堺シャトル専属となっているこの車両も、他路線での充当や貸切などでの使用を考慮し、敢えて座席数を多く確保する方策であれば話は別ですが…
先日長野県軽井沢町でスキーバス(旅行主催:キースツアー・バス運行:イーエスピー)の特別重大事故が発生、多数の死傷者が発生している事は、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知かと思います。
スキーバスの旅行主催を行ったキースツアー(東京都渋谷区)と、バス運行を行っていたイーエスピー(東京都羽村市)に関しては、事故後の警察による捜査でも法令違反事項が次々と発覚しており、余りの杜撰さに呆れる限りです。
先日の特別重大事故も報じられている運行管理体制や、事故発生後の2社幹部対応などを見ていると、不幸にして発生した不可抗力的な事故ではなく、今まで事故が発生しなかった方が不思議で、2012年にハーヴェストツアー(大阪府豊中市)が主催、千葉県印西市の陸援隊(針生エキスプレス)が怠起した関越自動車道における高速ツアーバス特別重大事故の2社に通ずるものが多々あると感じています。
ただ事故発生後の捜査で次々と明らかになる杜撰な状況も、旅行業界やバス業界、監督官庁などの関係者やその近隣ですら、ここまで酷いとは想像できないと思いますし、大学生が大半を占めていたツアー参加者側も、旅行会社などを相手に執拗に価格低減を求めた訳ではありませんので、一部で言われているツアー参加者の「安い商品の危険性を承知して申し込んだ者の自己責任」と言う指摘は、とんでもない話と感じています。
(特別重大事故発生後も「バスや宿は大手と全く変わらないのです!」と謳い、挙句の果てに「滑る前から滑ってらっしゃる!」「キースツアー恐るべし」という自社主催ツアー参加者の結末を予言する様な宣伝漫画を掲載し続け、多くの若者を欺いてきた某旅行会社の企業体質はどうしようもないですが…)
改めてスキーバス事故で不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷された方の回復と、今後同種の欠陥商品が生み出せない様な監督省庁における法令制定や監督強化、そして悪質業者の淘汰が進む事を願いたいものです。
前置きが長くなってしまいましたが、今年に入ってからは杜撰極まりない運行管理を続けていたイーエスピー以外でも、国内でバス事故が相次いで報道されており、その後も福井県内で岸和田観光バスの横転事故が発生しています。
この事故は強風で車体が揺さぶられたとも報じられており、複数の負傷者も発生していますが、現段階で死傷者発生の報を聞かないのは不幸中の幸いと感じています。
ちなみに岸和田観光バスは名前の通り観光バスを主体とした事業者で、設立から60年余りが経過、全国的な地名度はさほど高くないと思いますが、観光バス事業では永年の実績を積み重ねている事業者の一つです。
路線バスに関しては参入から日が浅く小規模ですが、高速乗合バスと一般路線の双方を運行しており、先日の横転事故も大阪~福井・石川県内の温泉郷(芦原温泉・片山津温泉など)を結ぶ高速乗合バス「SPA LINE 北陸」で発生したものです。
MAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、岸和田観光バスの観光バスと高速乗合バスには乗車した事はありませんが、一般路線には1度乗車した事があります。
乗車した事があるのは和泉府中駅(JR阪和線)~泉大津駅(南海本線)~泉大津港間を結ぶ路線、この路線は実質的に泉大津港を発着する阪九フェリーへの接続バスとなっており、専属車両(いすゞエルガミオ)は充当路線限定のため、行先・経由地表示が固定式となっているのも大きな特徴です。
泉大津港行の泉大津駅は乗車のみ、泉大津港発の泉大津駅は降車のみとなっており、以前は無料シャトルバスとして泉大津港~泉大津駅間のみで運行していた便を有償路線化した事もあってか、泉大津駅で乗降する場合は運賃無料、和泉府中駅で乗降する場合は270円の運賃を要する変則的な形態になっているのも大きな特徴です。
泉大津駅~和泉府中駅間の移動であれば、泉大津駅の反対側(東口)を起終点とする南海バスが頻発、こちらの運賃は270円に満たない状況(数十円差ですが…)ですので、阪九フェリーと阪和線を乗り継ぐ際には、泉大津港~(岸和田観光バス)~泉大津駅(南海バス)~和泉府中駅の乗継ルートの方が若干割安になります。
ただフェリー旅客は多数の荷物を抱えて乗船する事も少なくないと思いますし、泉大津駅で南海線を跨いで乗り換える手間も考えると、運賃設定的にもありえない金額ではないのでは…と感じています。
(ちなみにMAKIKYUが阪九フェリー乗船目的で泉大津港へ足を運んだ際は、大阪市内~泉大津間で南海電車利用でしたので、泉大津駅~和泉府中駅間で岸和田観光バスに乗車した事はありませんが、同区間の南海バスは何度か乗車した事があり、こちらは更に東に位置する和泉中央駅(泉北高速鉄道)などへアクセス可能な便もあります)
杜撰な運行管理も災いして発生したイーエスピーの特別重大事故が問題化している最中、相次ぐ事故事例の一つとして岸和田観光バスの名前が挙がってしまったのは残念と感じています。
ただ陸援隊(営業資格取消)やイーエスピーなどの杜撰極まりない3流事業者とは、安全管理体制などは大違いかと思いますし、安全第一の運行と同種事故再発に努め、事故報道で再び岸和田観光バスの名前が挙がらない事を願いたいと感じたものでした。
今日ネット上のニュース記事を見ていたら、奈良交通のバス専用道(五條~城戸)が今月限りで廃止(閉鎖)され、来月からは専用道付近を通る便が国道経由に変更となるため、最後のお別れ乗車をする乗客で賑わっているという記事を目にしたものでした。
廃止されるバス専用道は、かつて奈良県の五條から和歌山県の新宮へ向かう鉄道として構想があり、途中までの建設は行われたものの、結局鉄道として開業する事はなく、建設済の一部区間がバス専用道に整備され、国鉄バスとして運行していた「五新線」の大半を占める区間です。
五新線は国鉄分割民営化の際、西日本JRバスに引き継がれたものの、その後地場の民営バス事業者・奈良交通に移管され、今日まで運行を続けていました。
バス専用道が存在する地域は、元々山間部で道路混雑などが激しい地域とは言い難い上に、付近を併走する国道も、バス専用道と並行する区間では、道路状況が極めて悪いと感じる所ではありません。
また趣味的には注目と言える存在ながらも、一帯の路線バスが奈良交通に一元化された後は、JRバス引継便とそれ以外で運行経路が異なり、山間部で運行本数も限られる中で、便によって経由が異なるという不便な状況にもなっていますので、この様な状況が一帯何時まで続くのか…とも感じていました。
MAKIKYUはこの五新線バス専用道を走る路線には、国鉄バス~西日本JRバス時代・奈良交通移管後のどちらも乗車した事はなく、未乗のまま終焉を迎えてしまいそうですが、付近を走る国道(168号)は「日本一長い路線バス」としても知られ、近鉄大和八木駅を基点に御所・五條バスセンター・城戸・上野地・十津川村役場・十津川温泉・熊野本宮・志古を経てJR新宮駅へ至る有名な「八木新宮線」も運行している区間で、同線には3年程前に一度乗車した事があります。
その時には国道を運行する八木新宮線車中から、五新線のバス専用道を目撃(写真・以前八木新宮線に関する記事を公開した際に掲載した画像の再掲載です)しており、八木新宮線もこの専用道を運行すれば、趣味的な面白さは…などとも感じたものでした。
とはいえバス専用道が老朽化し、施設維持にも手間取る状況であれば、JRバス移管便を他の便が走る国道経由に変更し、一帯を走る全便の経路を一元化した方が分かり易く、総体的に見れば利便性向上にも繋がる路線再編を行うのは当然の事と言え、バス専用道廃止のニュース記事を見たら、いよいよこの時が来た…と感じたものでした。
ちなみに五新線のバス専用道を走る便は、輸送需要が限られる事もあり、現在では基本的に小型車を用いている様ですが、八木新宮線は大型路線車ながらも、長距離乗車を見込んだ特別仕様車を充当している事でも知られています。
この特別仕様車は結構な古参車(写真・以前八木新宮線に関する記事を公開した際に掲載した画像の再掲載です)で、奈良交通が事業者限定バスコレクション(Nゲージサイズのバス模型)を発売する際にも、新型低床車と共に対象車種に選定された程ですので、注目度もかなり高い車両ですが、活躍路線故に相当な走行距離にも達しているかと思いますので、今後どれだけの活躍が続くのかも気になる所です。
また以前「MAKIKYUのページ」では、八木新宮線に関して取り上げた記事が幾つかあり、以下に該当記事へのリンクを設定致しますので、興味のある方はこちらもご覧頂けると幸いです。
奈良交通・八木新宮線(1)~使用車両は長距離路線にも関わらず…
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100910
奈良交通・八木新宮線(2)~車内運賃表示器の各種表示
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100912
奈良交通・八木新宮線の車窓風景(1)~大和八木駅→上野地編
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20100928
奈良交通・八木新宮線の車窓風景(2)~上野地→新宮駅編
http://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20101001
先日「MAKIKYUのページ」では、3月にMAKIKYUが阪急宝塚線で乗車した最新型車両・1000系電車に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの車両に阪急宝塚線の終点・宝塚まで乗車した後は、JRに乗り換えて北摂ニュータウンの玄関口・新三田へ足を運んだものでした。
同駅でJR列車を降りた後には、同駅を発着する路線バスに乗り換えたのですが、現在新三田駅をはじめ、三田市内を運行する一般路線バスの大半は兵庫県内に拠点を置く民営バス事業者としては最大手の神姫バスが運行しています。
北摂ニュータウン内各地から新三田駅など各鉄道へのアクセスや、北摂ニュータウン内~神戸三宮への高速バス路線などは、専ら同社による運行となっています。
北摂ニュータウン内を走る神姫バスの一般路線に関しては、MAKIKYUは以前にも乗車した事がありましたが、昨年から関西では初の輸入連接バス運行も行っています。
このバスは公募により「オレンジアロー 連 SANDA」号と言う随分長い名称が付けられ、これは多数の名称応募があった中で、複数の名称案を組み合わせた事に起因していますが、バス自体の長さが2車体で全長18mというだけでなく、名称が長い事も大きな特徴と言えます。
車両自体はドイツから輸入したベンツ・CITAROで、既にMAKIKYUが身を置く首都圏では神奈川中央交通(神奈中)と京成バスで同種車両が活躍しており、MAKIKYUもこの両者には乗車した事がある他、岐阜乗合自動車(岐阜バス)でも同型車が活躍しています。
(MAKIKYUは岐阜バスの連接車にはまだ乗車しておらず、手元に同社ICカード(Ayuca)もありますので、機会があれば是非一度乗車したいと思っています)
既に導入実績のある3社では、車両自体だけでなく、装いも他の一般路線車とは大きく異なる単色塗装となっており、神奈中や京成バスの連接車は、運行エリアでは非常に目立つ存在となっています。
神姫バスでもこれらと同様に単色の装いとなっており、他の一般路線車とは大きく異なる車両だけに、非常に目を引く存在となっていますが、単色でもオレンジ色となっている辺りは、神姫バス一般路線車のイメージを踏襲しており、神姫バスらしさを感じる所です。
車内に足を踏み入れると、こちらもオレンジや黄色を組み合わせた座席モケットは華やかな印象を受けるもので、神奈中や京成バスで活躍する同型車に比べると、やや派手な雰囲気と感じたものでした。
日本の国産バスとは大きく異なる座席や、非常口を設置する代わりにハンマー(非常時にガラスを割って避難)を設置している辺りも、神奈中や京成バスの同型車と同様ですが、車両前方に前向き2人がけ座席を多数設置しているなど、車内の座席数を多く確保している辺りは、国産の大型路線車を可能な限り走らせてもまだ多客を捌く事ができず、輸送力に目をつけて連接バス導入に至った、幕張新都心の京成バスなどとは異なる路線特性も影響していると感じたものでした。
また「オレンジアロー 連 SANDA」号は、車内運賃表示器(LCDモニター)や案内放送(音声読み上げソフト使用?)などのワンマン関連装備も、他の三田地区を走る神姫バスとは異なるモノを用いており、「オレンジアロー 連 SANDA」号乗車を目当てに三田地区へ足を運ぶ場合、他の一般路線と乗り比べるのも面白いのでは…と感じたものでした。
輸入連接バス運行は、今後他地域でも幾つかの導入・運行予定もある様で、その際にはCITAROやNEOPLAN(神奈中の茅ヶ崎営業所が運行する湘南台駅~慶応大学間で運行)とは異なる車両が導入されるのでは…という話も聞くものの、まだ日本国内では限られたものとなっており、今後どれだけ連接バス運行が増えるのかも気になる所です。
この手のバス運行は、車長がかなり長くなる上に、連接部で車体が右左折時に屈折するなど、車両感覚が大きく異なり、実際に車庫内で連接バスのハンドルを握ったことがある知人も「グネグネして恐ろしい」と話していた程です。
安全確認にも一層の注意を要するなど、現場側の負担は大きくなると思いますので、運行事業者によっては連接バス運行に対する手当支給なども行っている状況で、MAKIKYUも大型2種免許持ちの身ながら、この手のバスを乗りこなすのは容易ではないと感じるのですが…
先日「MAKIKYUのページ」では神戸交通振興が運行する「CITY LOOP」に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこのバスに乗車してハーバーランド(モザイク前)で下車したら、程なく別のバス停を目撃したものでした。
このバス停はみなと観光バスが運行するモザイク前~三宮~新神戸駅間を結ぶ路線(ハーバーランド線)のバス停で、路線自体も4月に運行開始したばかり、MAKIKYUもこの路線に関してはノーチェックで下調べ不足を実感させられたものでした。
バス停の案内を見ると、時間帯によって運行が空白となるものの、概ね毎時2本運行しており、みなと観光バス自体も存在こそ知っていたものの、今まで乗車機会がなかった事業者で、同社バスに乗車する絶好のチャンスとばかりに、ハーバーランドから三ノ宮へ戻る際には、この路線に試乗してみたものでした。
車両は近年の大都市圏ではありふれた存在の大型ノンステップ車・日野ブルーリボンⅡで、MAKIKYUが乗車した時は貸切状態と言う有様でしたが、umieのロゴも入り、一応ハーバーランド線専属車両になっている様です。
運賃は神戸市内中心部を運行する他者一般路線と同額の大人200円均一ですが、スルッとKANSAI各社の乗車券類やICカードなどが利用できないのは少々痛手です。
モザイク前からはJR神戸駅・高速神戸駅も徒歩圏、ここから三ノ宮までは電車の本数も頻発し、運賃面でも優位な状況ですので、MAKIKYUが乗車したのは平日昼間とは言えども、致し方ない気もしますが、モザイク前~新神戸駅を直接移動するとなると、地下鉄では運賃面だけでなく三宮での乗り換えも厄介ですので、結構有用な路線と言う気がします。
またこの路線は、関西の路線バスでは均一運賃区間でも比較的少数派の「運賃前払い」方式となっているのも特徴的(京都・大阪・神戸の市バスは全て運賃後払い、これらの市内を運行する民営バスも後払いが圧倒的多数です)と感じたものでした。
(みなと観光バスはHPを見ると、路線や区間によって前払いと後払いが混在している様です)
今月MAKIKYUが関西方面へ足を運んだ際には、神戸市内で神戸市交通局の関連会社・神戸交通振興が運行する「CITY LOOP」と呼ばれる路線に乗車する機会がありました。
MAKIKYUは神戸には幾度も足を運んでいながらも、CITY LOOPはおろか、神戸交通振興のバス自体が今まで未乗という有様でしたので、先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた本四海峡バス共々という状況ですが、比較的訪問機会の多い関西でもまだまだ未乗のバス事業者は幾つもありますので、機会があれば色々乗り歩きたいものです。
ちなみに神戸交通振興はCITY LOOP以外にも自社路線を幾つか運行しており、こちらは神戸市営バスとは大きく異なる真っ赤な装いの車両を用いながらも、各種乗車券類の取り扱いなどは市バスと同等で、利用者サイドからみれば実質的に市バスと変わらない状況になっています。
しかしながらCITY LOOPは観光巡回路線であるが故に、運賃体系も神戸市内中心部の一般路線バス運賃(200円均一)とは異なり、少々割高な運賃設定(大人1乗車250円:専用1日乗車券の設定もあり)となっているだけでなく、遠方から関西を訪れる観光客の利用も多く見込まれるスルッとKANSAI加盟各社の共通フリー乗車券(2dayチケットなど)や、各種ICカード乗車券(PiTaPa・ICOCAなど)も利用できない点などは、少々不便と言わざるを得ないものです。
とはいえ中心部の観光地へのアクセスとして便利な路線と言うだけでなく、車両面でも専用のレトロ調車両を用いており、海岸だけでなく内装なども凝った雰囲気となっている点などは、他の路線バスよりも割高な運賃体系を採用し、差別化を図っている路線ならではと感じる所です。
ちなみに現在の使用車両は、見るからにエルガミオを改造した車両という雰囲気ですが、乗車した車両はいすゞ車ではなく、名目上は一応日野車で、OEM車レインボーⅡの方でした。
(標準仕様とは異なり、ライト部分などでの識別はできませんので、外見で識別するのは困難ですが…)
また現行CITY LOOP充当車両は、近年採用例が少なくなってきた中扉4枚折戸車ですが、近年の日本国内における路線バスにしては珍しく、運転士とは別にガイド(車掌)が乗務するツーマン運行となっており、中乗り中降り(運賃後払い)・前扉締め切り(乗務員交代などの際に乗務員が使用するのみ)という異色の乗車方法をとっているのも大きな特徴です。
ツーマン運行路線だけに、案内放送も音声合成などではなく、ガイドによるマイク案内となっているのが特徴的でしたが、車両最前部には観光地の案内などを行うLCDモニターも装備され、このモニターの案内が多言語表示となっている辺りも、国際旅客航路が出入港する港町(神戸を訪問する外国人でも、神戸発着の旅客航路を利用する比率は余り高くないかと思いますが…)ならではといった印象を受けたものでした。
ちなみにMAKIKYUがCITY LOOPに乗車したのは、専用車両への乗車目的に加え、JR神戸駅からもさほど遠くないハーバーランドへ向かうには、一般路線バスの便は余り芳しくない事も一因なのですが、ハーバーランドからは一応他路線の発着もあり、こちらへの乗車機会もありましたので、近日中にこちらも取り上げたいと思います。
先月末~今月初めにかけて、MAKIKYUは関西方面へ足を運ぶ機会があり、先日その際に乗車した阪堺電気軌道の新型車両に関する記事も取り上げましたが、先月末には関西だけでなく、初めて明石海峡大橋~淡路島~大鳴門橋経由で徳島へも足を運んだものでした。
(MAKIKYUは以前にも明石海峡大橋を通った事はありましたが、大鳴門橋を通るのは初めてでした)
本州~四国間を結ぶ3つの架橋ルートの中で、鉄道が通っているのは最初に開通した瀬戸大橋のみですので、明石海峡大橋~淡路島~大鳴門橋ルートを通る場合は必然的に自動車利用となります。
公共交通機関利用ともなれば、利用手段は高速バスに限定されますが、明石海峡大橋を経由する高速乗り合いバスは、大阪や神戸を起点に、淡路島内や徳島を結ぶ路線が、幾つもの事業者によって多数運行されています。
MAKIKYUは関西入りした初日に神戸入りし、その翌日に明石海峡大橋を通る旅程でしたので、その場合神戸市内(三ノ宮など)~徳島駅間を直接ダイレクトに結ぶ路線を利用するか、この路線を途中の高速舞子(舞子駅に隣接)から乗車すれば、手段としては最も至便です。
しかしながらMAKIKYUは、淡路島も北端の僅かな地域に足を踏み入れた事がある程度、現在は架橋によって実質的に陸続きとは言えども、日本国内離島の中では極めて大きいこの島を素通りするのは…という事で、敢えて神戸市内~淡路島内の高速バスと島内路線バス、そして洲本~徳島間のバスを組み合わせて移動したもので、その際に神戸市内~淡路島内で乗車した高速バスが「大磯号」です。
大磯号は新神戸駅を基点に三ノ宮・高速舞子を経由し、明石海峡大橋を渡ったらすぐに高速道路を降り、淡路夢舞台・大磯港を経て東浦バスターミナルへ至る路線で、全区間を乗り通しても所要1時間足らず、運賃も3桁に納まる短距離路線です。
明石海峡大橋を通る高速乗り合いバスは、大きく分けて「BLUEネットワーク」と称するJR系と、淡路交通や関西私鉄系列のバス会社が共同運行を行う私鉄系に分かれており、「大磯号」は前者に属する西日本JRバスと本四海峡バスの2社共同運行となっています。
その中でも運行本数の大半を占めるのは、純粋なJR系バス事業者ではなく本四海峡バスで、MAKIKYUは同社のバスには未乗でしたので、是非一度は…という事で、本四海峡バス運行便を狙って乗車したものでした。
本四海峡バスの所属車両は白と青系ながらも、JR系とは大きく異なる装いとなっており、高速バス専業事業者ですので、所属車両も専ら観光・高速用車両になるのですが、大磯号は高速乗り合いバスながらも、全区間乗り通しても所要1時間程度の短距離路線ですので、大磯号専用の廉価版高速車(B級高速車)も活躍しています。
大磯号は本四海峡バス運行便でも、必ずしもB級高速車が充当されるとは限らず、通常の高速車が充当される事もありますので、どちらに当たるかは運次第です。
出来ればB級高速車の方に乗車出来れば…という事で、乗車予定便第1候補と第2候補のどちらに乗車しても、その後の旅程が成立する様に、早めに始発の新神戸駅へ出向いたのですが、そうしたら発車待ちの大磯号は狙い通りのB級高速車でしたので、このバスに乗車して淡路島を目指したものでした。
(MAKIKYUの乗車日は、その後の第2候補便もB級高速車による運行でしたが、東浦バスターミナル到着後に見かけた神戸市内行の大磯号は、B級高速車ではなくエアロエースが充当されていました)
大磯号で活躍するB級高速車は、西日本車体工業(西工)のE型と呼ばれるタイプで、西鉄の短距離高速路線などで活躍するB型高速車の如く見るからに路線バスと言う風貌ではなく、前面窓が拡大された自家用バスの様な印象を受ける車両ですが、下回りは一般路線車と大差ないものです。
(後部写真が乗車した車両で、前面公式側を撮影した写真は同形の別ナンバー車です)
座席もリクライニングシートを装備するなど、1時間程度の乗車であれば充分なレベルの設備を備えており、俗に「ワンロマ」と呼ばれる車両のトップドア版と言っても過言ではない車両ですので、乗り心地などは観光バス車両などとは大きく異なります。
デラックスで静粛な車内を求める方には、余り嬉しくない車両かもしれませんが、如何にも路線バスと言った乗り心地や走行音を堪能しながら、明石海峡大橋を渡れれば…と思っていたMAKIKYUにとっては嬉しい限りでした。
西工E型高速車自体も、一部地域・路線を除けば余り多くない車両だけに、MAKIKYUがこのタイプの車両に乗車したのは約1年ぶりと言う状況で、西工自体も会社解散(廃業)していますので、今後このタイプが増殖する事はまずありませんが、エアロスターやエルガなどのB級高速車は、短距離路線などでもっと活躍舞台があっても…と感じたものでした。
また大磯号は一応高速乗り合いバスながらも、短距離運行で比較的多くの便(毎時1~3本)が設定され、回数券はおろか定期券まで設定される程の路線ですので、当然ながら予約座席指定制ではなく座席定員制となっています。
そのためやって来た車両を見て、気に入った車両なら…という事で、一般路線バス感覚で手頃に乗車できるのも魅力的ですが、運賃は区間制ながらも整理券方式(運賃後払い)ではなく、乗車時に行先を申告して乗車券を購入→降車時に乗車券を回収する方式(回数券は利用券片切り取りではなく押印)となっています。
乗降停留所名などがカタカナで記されたレシートの様な乗車券、深夜急行バスなどで同種の乗車券を何度か見かけた事がありますが、半券などが手元に残るスタイルではなく、降車時に回収されてしまうのは惜しい限りです。
高速バスや船舶では、目的地到着時に乗車券回収となる事が多いですが、鉄道の如く希望者には「使用済(或いは無効・乗車記念など)」の証明をした上で、手元に残す事は出来ないのだろうか…と感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
大阪市では最近になって市長選が行われ、元府知事が現職を破って当選した事はニュースなどで盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。
元府知事の新任市長は、様々な方面で大きな議論を醸し出す大胆な政策を提言していますが、その中には地下鉄や路線バスを運行する大阪市交通局をはじめとした現業職員の賃金見直しや、一部の民営移管も検討するとしています。
公営交通の現業職員賃金は、年功が増す事で民間事業者に比べてかなり高額となる傾向があり、大阪市交通局の平均賃金も、関西地区の民間事業者に比べてかなり高くなっている事が示されています。
この事が一因で高コスト体質となり、大幅な赤字が続く上に、決して良好とは言い難い財政状況、そして賃金の運賃収入などで賄えない部分を税金で穴埋めする格好になる事などを踏まえると、ある程度の見直しは止むを得ないかと思います。
(ただ極端な賃金削減は、関係職員の生活設計にも影響しますので、定年延長や再雇用制度を整備し、就労意欲のある職員を長く雇用する事で、生涯収入の落ち込みをカバーするなどの施策も必要かと思います)
しかしながら高コスト体質を改めるために導入し、勤続年数の長い職員を対象とした早期奨励退職制度(この制度を利用する事で、退職金を所定より割増)の希望者が、今後の賃金大幅削減を見越して前年比15倍にも達し、運転士だけで80名も退職希望を出したために、「運転士数の急減で勤務が回らない」と言った事も報じられています。
所定のダイヤ数に比べて運転士数が不足する場合、一部のダイヤを分割して拘束時間の短いダイヤと組み合わせたり、拘束時間の短いダイヤを2枚こなすなどの増務や、公休者の公休出勤で対応する事になります。
これも多少の人員不足であれば、増務や公休出勤を希望する乗務員を動員するだけで済みますが、余りに人員数が足りなくなると、強制的に各乗務員に増務や公休出勤を割り当てるか、他営業所などからの助勤者動員、これらの策も尽きれば人員不足による欠車・欠便が発生(あってはならない事ですが…)してしまいます。
大幅な人員不足も、特定の営業所で伝染病が流行して一時的に病欠者が相次いだ場合などは、他営業所からの助勤者動員などで凌ぐことも出来ますが、各営業所で退職者が続出して人員不足が常態化するとなると、各乗務員に強制的に増務や公休出勤を割り当てるか、少ない人員数でダイヤをまわす為に減便ダイヤ改正を行うしかない状況に陥り、余りに急激な人員削減によって公共交通としての機能を果たせなくなる事も懸念されます。
また路線バスは全国的に赤字傾向があり、大阪市バスも赤字額が大きい事で問題になっていますが、大阪市中心部における市内交通は、交通局による地下鉄・市バスがかなりのシェアを占め、ネットワークを構成しているのも大きな特色と言えます。
市バスは地下鉄などのフィーダー的役割を果たしており、地下鉄・バス共通1日乗車券や乗継制度(大阪市交通局では地下鉄~バス乗継割引や、バス同士を乗り継ぐ際の乗継券発行などの制度があり、全国的に最先端と言っても過言ではありません)など、市営交通で市内中心部の交通ネットワークを構成している事も忘れてはならないと思います。
この事も踏まえると、赤字だから民営移管してコストを下げれば…という発想は安易過ぎると感じ、現在も井高野営業所などで行っている民間への運行委託によって市営による運営を維持したり、民間へ移管する場合にも定期券・1日乗車券類や乗継制度の利用が可能になる様に配慮するなどの施策を望みたいものです。
(市営バスを全面的に民営移管した札幌・函館・秋田などでは、民間事業者での一日乗車券通用などの利便性配慮がなされていますが、MAKIKYUの地元・横浜市では市営バスの一部路線民間移管により、移管路線で一日乗車券や全線定期券の通用対象外となる弊害も発生しており、全国的にも同種事案は多数あると思います)
ただ大阪市バスを退役し、地方へ売却されて再活躍している車両などに乗車すると、2段ステップの前後扉車でもエアサスペンションやハイバックシートを装備するなど、市内線における一般路線車にしては高級過ぎる印象を受け、設備投資面で過剰な印象もあります。
この点最近のノンステップ車で標準化が進行し、やや簡素な印象となっている事などは、少々寂しいと感じる反面、事業性質を考えると…といった所かと思います。
今後大阪市では新市長の諸政策によって、市営交通にも大きな動きが生じて来る事は必須で、他都市における公営交通でも大阪市に追従する事が出てくるかと思いますが、どの様な形での改革になるにしても、公共交通としての安全性や利便性が低下しない事を願いたいものです。
以下は大阪市の現業職員給料削減などに関連したニュースの中で、MAKIKYUが気になる記事へのリンクです。
(この件に関して興味のある方は、この記事と合わせてご覧下さい)
大阪市、現業職員の給料削減へ 12年度から民間並みに
給与カット前に…大阪市バス121人が退職希望
先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた西武多摩川線の新101系電車は、ラッピングを除くと真っ白n装いで、ラッピングのない中間車両は随分シンプルな印象を受けたものでしたが、先月MAKIKYUが乗車した路線バスの中には、これを更に上回るものがありました。
そのバスは先月MAKIKYUが関西を訪問した際、大阪市内のコスモスクエア駅周辺で乗車した「サークルバス」と呼ばれる路線で、このバスは北港観光バスと呼ばれる事業者が運行しています。
北港観光バスは大阪市内各地に路線を持つ大阪市交通局などに比べると、随分陰の薄い存在で、関西以外での知名度は極めて低いのが現状ですが、コスモスクエア駅周辺を循環運行する「サークルバス」をはじめ、大阪市内で幾つかの路線バスを運行しており、また社名の通り観光バスの運行なども手がけています。
大阪市交通局などの大手事業者と異なり、スルッとKANSAI加盟事業者ではないため、各種磁気・ICカードやフリー乗車券などが使えないのは難点ですが、サークルバスは路線長が短い事もあって、100円均一(ワンコイン)と手頃に利用できる運賃設定となっているのは評価できる事です。
大阪市内では交通局もバスと地下鉄と乗り継ぐと、普通運賃は100円引きとなる乗継割引を実施していますので、コスモスクエア駅で接続する地下鉄中央線・ニュートラムと乗り継ぐ場合に異事業者間乗継で乗継割引が適用不可でも、市営バスと地下鉄を乗継割引で利用した場合と同じ感覚で利用できるように配慮しているのかもしれません。
とはいえ土地柄故に利用者の大多数を占めるであろう大人運賃利用者の運賃を割安に設定しつつも、小児運賃は半額(50円)ではなく大人と同一運賃の100円、市営バス(200円均一)の小児運賃と同額となっている点は独特で、乗車方法も関西では一般的な中乗り後払い(均一運賃でも、京都・大阪・神戸の市バスなどはこの方式です)ではなく、比較的少数派の前乗り前払い(尼崎・伊丹の市バスなどがこの方式です)となっている点も特徴です。
使用車両は大都市圏の排ガス規制区域内を運行する事もあって、コスモスクエア駅から出発する地下鉄の終点付近(他社線に乗り入れた他県となりますが…)でゴロゴロ走る古参車などは使えない事もあり、専ら新鋭の大型ノンステップ車を用いており、民間事業者ながらも天然ガス車を用いているのも特徴です。
ただ導入費用の嵩みそうなバスを用い、低額運賃で路線を運行している事もあってか、サークルバス使用車両の装いは白1色、西武多摩川線の新101系中間車両をも上回るシンプルな装いとなっています。
事業者名と行先表示がなければ、路線バスと言うよりメーカーのサンプル車とでも勘違いしそうな雰囲気が漂っている「サークルバス」ですが、所用での訪問をはじめ、コスモスクエア駅周辺の視察にも絶好の路線ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も大阪南港周辺を訪問する機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?
数日前に「MAKIKYUのページ」で取り上げた有田鉄道の路線バスですが、MAKIKYUが先月金屋口から有田鉄道バスに乗車する前には、本社も兼ねた金屋口の車庫内での撮影許可を頂き、何台かのバスを撮影する機会がありましたので取り上げたいと思います。
まずは主力となっているROSAですが、MAKIKYUが乗車したバスよりも見るからに古いタイプの車両が複数台停車しており、このROSAが纏っている緑とグレーを基調とした装いは、有田鉄道の標準塗装になっている様です。
このROSAはサボ掲出枠は設けられているものの、行先幕は設置されていないのが特徴で、車庫内でこの塗装のバスはROSA以外に、日野LIESSEも1台だけ目撃しています。
マイクロバスが一般路線車の主力という所では、LIESSEは今日の日本国内では最も典型的な車両ですが、有田鉄道では三菱ふそう製を主体としている事もあってか、見かけたのは1台だけで、扉は前扉のみの配置となっています。
また有田鉄道では1台だけですが、小型ノンステップバス・三菱AEROMIDI MEを導入しており、サイズ的には他の一般路線用マイクロバスと大差ない車両ですが、AEROMIDIシリーズだけあってデザインが中型路線車に類似している上に、装いも白と青の独自塗装となっていますので、非常に際立つ存在となっています。
この車両は金屋口~藤並~済生会有田病院間の便に重点運用されており、MAKIKYUが金屋口から乗車した藤並行きのバスは、山間部の清水方面からの便でROSAだったものの、金屋口~藤並間で有田鉄道の路線バスに乗車する場合、結構高い確率でこの車両に当たる様です。
あと有田鉄道では一般路線や観光巡回バスの運行以外に、観光バスによる貸切輸送も行っており、車庫内には路線バスと共に、観光タイプの車も何台か姿を見る事が出来ました。
こちらは小さいバスばかりの路線系とは異なり、大型ハイデッカー車なども活躍していますが、路線車とは異なる塗装ながらも緑系を基調とした装いとなっており、おまけとしてこちらも一枚取り上げておきたいと思います。
先月MAKIKYUが和歌山県の有田川町を訪れた際には、往路はJR紀勢本線の藤並駅から、先日取り上げた有田川町観光施設巡回バス(無料)を利用したのですが、有田川町・金屋口からの復路は丁度良い時間に観光施設巡回バスの便がない事もあり、有田鉄道の路線バス(金屋口~藤並間320円)に乗車しましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。
藤並~金屋口間はかつて有田鉄道が鉄道を走らせていた事でも知られており、MAKIKYUは残念ながらこの路線には乗車機会がないまま廃線となってしまいましたが、末期は休日全列車運休になると共に、運行本数も極めて限られていた事でも有名でした。
(ただ利便性を確保するために定期券類などは両者共通化し、鉄道・バスの相互乗車も可能になっていた様ですので、有鉄自身で公共交通としての役割は充分に果たしており、JR某社のローカル線区の様な代行輸送なしの特定日運休という惨状でなかった事は評価すべき点です)
そのため現在藤並~金屋口間を運行する有田鉄道の路線バスは、有田鉄道線が健在だった時代から、鉄道を補完していた程ですので、かつて存在していた鉄道線の代替も果たしています。
鉄道線の代替バスともなれば、地方でもそこそこの需要が存在する路線という印象が強いですが、有田鉄道の路線バスは大型はおろか、中型すら見かけない程で、藤並~金屋口間に限れば道路条件も極端に劣悪ではないのですが、見かけるバスはマイクロバスばかりで、鉄道線の代替バスらしからぬ印象を受けたものでした。
MAKIKYUが乗車したバスも、有田鉄道では主力を占める三菱ふそう製のマイクロバス(ROSA)で、緑と白の装いの車両がやって来ましたが、路線バスよりも自家用で使われる事が多いROSAとはいえ、前面上部には行先幕を掲げ、側面にもサボを掲出(JR藤並と言う表記は関西らしいですが、JR部分だけ青色というのもポイントです)している辺りは、ROSAでも路線バスである事を強く実感させられます。
また同種の塗り分けでオレンジ色や水色の同形車両も存在しており、どの様な基準で色分けしているのかも気になる所ですが、こちらは高速道路を経由して和歌山市駅まで足を伸ばす路線に充当されている姿も目撃しています。
この手の車両が高速道路を走る片道1時間以上の一般路線に用いられ、しかも大手私鉄のターミナル駅に顔を出すというのは極めて異色ですので、本数が少なく乗り難い路線とはいえ、機会があればこの路線への乗車も試してみたいものです。
車内に足を踏み入れると、ROSAだけあって路線バスよりは送迎車の様な雰囲気が強いですが、整理券発行機や自動両替装置付運賃箱、運賃表示器などの各種ワンマン機器が並ぶ姿は、外観の行先幕などと共に路線バスという事を実感させられ、その中でもMAKIKYUが乗車した車両の運賃表示器は比較的最近普及が進むLCDモニターとなっており、運賃区数が多い事もあって20区分ずつに分けて表示していたのが特徴的でした。
バスが走り出すと路線バスらしく、観光施設巡回バスにはない音声合成装置による各停留所名の案内なども行われ、この案内放送も関西では良く聞くもののそれ以外では…という如何にも関西圏を感じさせる放送というのも好感を感じたものです。
有田川町への公共輸送は観光施設巡回バス・路線バス共に有田鉄道が運行を行っており、後者は区間毎に所定の運賃が必要となりますが、藤並~金屋口(鉄道交流館)間などでは、観光施設巡回バスが運行していない時間帯の移動選択肢が広がると共に、金屋口から高速道路を経由して和歌山市駅へ至る路線や、山間部へ向かう路線なども興味深いものです。
また藤並~金屋口間の路線は土地柄もあって決して至便とは言い難いものの、有田鉄道の路線バスでは最も容易に乗車できる区間で、観光施設巡回バスとの乗り比べや、有田鉄道線の面影を求めながらの乗車も面白いかと思います。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も有田川町を訪れる機会がありましたら、是非有田鉄道の路線バスに乗車してみては如何でしょうか?