福井では最近になってJR越美北線の災害不通区間が再開となった事が話題となっていますが、私鉄に関しても最近は動きが激しく、福井を基点に武生へ至る福井鉄道も近年名鉄岐阜市内線が廃止となった事で余剰となった車両を譲受して過半数の車両を入れ替えるなど、数年前とは様相が一変しています。
しかし名鉄岐阜市内線から移籍した車両は路面電車形の小型車両という事もあり、収容力に限りがあって多客時には対応しきれない事から、既存の車両も一部はラッシュ用に残され、稼働率は低いながら現在でも活躍しています。
その一つが200形と呼ばれる車両で、MAKIKYUは姿を見ただけで乗車した事はないのですが、この車両は1960年代に3本が製造された自社発注車両で、一部では路面区間を走る車両にも関わらず高床式で折りたたみステップを装備している事や、ボックスシートを設けている事は異例ともいえ、2車体3台車の連接車となっている事も大きな特徴です。
またこの車両は名鉄移籍車導入前のクリーム色と紺色という福井鉄道オリジナル塗装を今でも残している編成が1編成存在し、現在残存している他形式でこの塗装は見られませんので、これも非常に貴重な存在ですが、他の2編成も最近になって現在各地の鉄道で流行っている旧塗装リバイバルとなったり、名鉄移籍車と同じ新生福鉄をアピールする新塗装になるなど、現在は3編成全てが異なる装いとなっています。
また各編成が全面広告などではない美しい姿という事で、ファンからは絶大な人気を誇る事もあって、3編成を並べての撮影会なども最近開催され、「MAKIKYUのページ」リンク先サイトの管理人様をはじめ、多くの方々が参加された様で、現在福鉄で最も注目される存在にもなっています。
ただ200形も割合最近まで全面広告車が存在しており、これも今では見られない貴重な姿になってしまいましたが、MAKIKYUが昨年末に福井を訪問した際にその姿に遭遇して何気なく撮った姿がここに取り上げている写真で、この時はリバイバル塗装が出てくる事は頭の片隅にもなく、それどころか広告宣伝の為に敢えて昼間に200形を走らせる状況になっていたのは驚かされたものです。
最近は広告が外された事によって稼働率が低下した事が少々惜しい気もしますが、これも稼働率や走行距離を減らす事で老朽化の進行を低減するための方策であるなら評価できなくもない話ですし、かなり古い車両ですが、昔ながらの福鉄(名鉄移籍車導入後に残った他形式も、割合最近名古屋から移籍してきた車両ですので…)を今に伝える貴重な車両として、今後も末永く活躍する事を期待したいものです。