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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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日田バス・杖立線~高速バスの延長線ともいえる一般路線

2008-11-29 | バス[九州本土]

 

先日日田市内を走るコミュニティバス「ひためぐり」号に関して取り上げましたが、今月上旬にMAKIKYUが日田を訪れて「ひためぐり」号に乗車した後は、日田バスで県境(大分県/熊本県)を越えて杖立へ向かい、更にそこで産交バスに乗り継いで阿蘇方面へ抜けました。

日田から杖立へ向かう路線(杖立線)は、杖立こそ有名な温泉地とはいえ、日田市内を抜けるとずっと山の中を走っていく路線と言っても良い状況ですので、運行本数も1日5往復と、決して本数も多いとは言えない状況になっています。
(他に杖立の少し手前までは、日祝日運休の栃原線と呼ばれる路線も並行しており、運行時刻を考えると、生活路線としてはこちらの方が使い勝手は良いかもしれません)

しかしながら杖立は観光地としては重要な地位を占めている事もあり、福岡からのアクセスを確保する事もあってか、日田~杖立間を結ぶ路線自体は一般路線ながらも、その大半の便は高速バス(ひた号)として福岡まで直通運行を行っています。

そのため杖立線自体の乗客数は決して多いとは言えず、日田バス一般路線の主力となっている小型車でも充分な輸送量ですし、杖立へ向かう道路は、所々で大型車同士の行き違いが困難な箇所が存在する状況にも関わらず、山間を走るローカル路線には場違いな大型車両が充当されているのが特徴で、西鉄バスカードなども使用可能(日田バス一般路線で西鉄バスカードが使える路線は、高速車両充当路線と、朝倉街道・久留米へ向かう急行便程度です)となっています。

ちなみに高速用車両は福岡~日田間がメインで、杖立まで足を伸ばす便が少ない事もあってか、日田~杖立間では音声合成装置に車内放送のデータが入っていない様で、マイクによる案内を行っていたのも印象的でした。

MAKIKYUが日田に到着した際には、阿蘇方面への接続がない杖立行(日田始発・杖立からの折り返しは福岡行きひた号)が丁度発車時刻を迎えており、この便には日田バス塗装の高速車が充当されていましたので、その後にやってくる福岡からの杖立行(阿蘇方面接続)も同等の車両がやってくるのかと予想していました。

しかしながらMAKIKYUが乗車した福岡からの便は、親会社の西鉄そのものと言っても良い車両に「日田バス」の社名が表記された車両で、車内にまで「西日本鉄道」の表記が見られる状況でした。
(MAKIKYUが実際に姿を目撃してはいないものの、日田バスでは高速だけでなく一般路線でも、西鉄そのものと言っても良い車両が存在している様です)

また日田~杖立間は高速バスの延長線ながらも一般路線ですので、ひた号でよく走っている路線タイプの高速車両(西工B型)が充当されれば、なかなか様になりそうな感を受けたものですが、この車両は西鉄運行便(これも運行は日田バスが受託しているのですが…)に充当されており、杖立へ向かう便は今のところ日田バス運行便に限られていますので、当分見る機会はなさそうです。
(その内日田バスにも西工B型の新車が導入されるか、西鉄から譲渡車が出てくれば話は別ですが…)


大人気のエゾモモンガ、ロボットの2の舞に~Kitacaが発売制限に

2008-11-26 | ニュース記事講評

今日ネット上でニュースを覗いていた所、先月JR北海道で発売開始されたICカード乗車券「Kitaca」が発売休止になるという情報が出ており、気になってJR北海道HPにアクセスしてみると、こちらにも「【お詫び】Kitaca発売制限実施のお知らせ」なる告知が出ていました。

発売停止となる理由は、以前首都圏の私鉄・バス事業者で発売しているPASMOが一時発売休止になったのと同様に、「見込みを大幅に上回る売れ行きで、在庫が僅少になった」との事で、Kitaca定期券(定期券を組み込んだKitaca)を除くSF機能のみのカードが発売休止になる事も、PASMO一時発売休止の時と同じ有様です。

そのためPASMOが発売開始当初にやらかした、長期にわたる発売制限で商機を逃がした大失態の2の舞と言っても過言ではない有様ですが、Kitacaに描かれたキャラクター・エゾモモンガが人気で、これを目当てに道外の人間が北海道土産として買っていく事例も多く、これが発売制限の一因となっていると言われる辺り(勿論近い将来に予定されているSuicaとの相互利用開始で、首都圏などでもJR乗車などで使える様になる事も大きいかと思いますが…)は、ロボット(PASMOのキャラクター)との大きな違いかもしれません。

また今回のKitaca発売休止はPASMOの時と異なり、現段階ではKitacaと相互利用を行っているICカードが存在しない事(来年Suicaと相互利用予定)も、PASMOの時より更にタチが悪いと言えます(PASMO一時発売休止の際は、相互利用を行っているSuicaがJR駅で容易に入手でき、実質的に代替可能な状況でした)が、Kitacaの発売制限解除とSuica相互利用開始のどちらが先になるのかも気になるものです。
(後者が先になってしまうと、道内の人間ですら内地(北海道では本州などの道外地域を、この様に呼称する人が結構います)に渡ってSuicaを入手し、これを使い続ける事例も多くなりそうですが…)

あとKitacaとは別件で余談になりますが、MAKIKYUが今月北海道とは全く逆方向の九州へ出向いた際には、西日本鉄道(西鉄)のICカード乗車券「nimoca」を入手(勿論現地で「スターnimoca」と呼ばれる記名カードへの手続きも済ませましたが、駅の券売機では対応しておらず、定期券窓口での手続きとなりますので、PASMO/Suicaの記名カードへの変更に比べると厄介です)し、現段階では首都圏では全く使い物にならない(こちらも将来的にはSuicaとの相互利用計画あり)が故に、訳あって最近では欠かせない仕事道具の一つとして重宝している有様です。
(PASMOエリアで使用できず、ICカードリーダーが反応するカードであれば、別にnimocaでなくても良く、MAKIKYUの手許にあるカードでは、首都圏でもそこそこ使えるICOCAでも用をなすのですが…)

ちなみにnimocaは西鉄100周年記念の特別デザインカードですら容易に入手できる状況で、よかネットカードなどの磁気カードの割引に比べて、ポイント付与が不利な事や、まだ利用エリアが限られている事(鉄道も現段階では貝塚線を除く西鉄電車のみ・バスは福岡や北九州エリアで順次導入中の状況で、まだ使えない車両が多数存在しています)などが大きな要因と推測されますが、見込みを大幅に上回って発売制限ともなればかえって困るものの、導入路線・エリア拡大と共に売れ行きを伸ばしていく事に期待したいと感じたものでした。


日田市コミュニティバス「ひためぐり」号~レトロ調車両で運行される観光路線バス

2008-11-26 | バス[九州本土]

  

今月上旬にMAKIKYUがJR九州の特急「ゆふDX」号に乗車して日田(Hita)に辿りついた後は、SUNQパスを用いて杖立でバスを乗り継ぎ、阿蘇方面へ向かうルートを辿ったのですが、日田到着後は日田バスセンター(日田駅のすぐそばにあります)から出発する阿蘇方面接続の杖立行き日田バスまで時間が空いていた事もあり、空き時間を利用して「ひためぐり」号に乗車する機会がありました。

「ひためぐり」号は日田市が日田バスに運行を委託しているコミュニティバスで、主に日田市中心部を廻る路線設定は、生活路線としての機能もあるものの、豆田町周辺などの古い町並みが残るエリアをはじめ、日田の観光スポットを結ぶ役割も果たしています。

余所者が公共交通を利用して市内を廻ろうにも、路線バスの系統や運行本数が少ない日田の現状(日田駅前のバスターミナルを発着する路線は、福岡行き高速バス(ひた号)だけは毎時2~3本が発着していますが、市内や近郊を走る路線バスはどれも運行本数は決して多いとは言えない状況です)を踏まえると、市内観光には必須の交通手段になっています。

そのため観光客向けにひためぐり専用の一日乗車券が設定され、福岡方面からは高速バス・ひた号往復と「ひためぐり」号がセットになった乗車券(日田めぐりんキップ)まで発売されている程ですが、コミュニティバスとはいえ観光的要素も強い事もあって、この他に九州内の高速・路線バスが乗り放題になる「SUNQパス」も利用可能となっています。

またひためぐり号はレトロ調の専用車両が充当され、特徴的な外観だけでなく、車内も木材をふんだんに使用した独特な雰囲気になっているなど、バスファンでなくても乗車そのものが一つの観光になる様な車両が充当されている点も評価できるもので、古い町並みが残る豆田町周辺を走る姿が似合う印象を受けましたが、2段ステップのバスで小柄ながらも、しっかりとリフトが備え付けられているのも特徴と言えます。

ちなみにMAKIKYUのひためぐり号乗車は、日田バスセンターでのバス待ち時間を利用し、月隈公園まで乗車しただけでしたので、日田を再訪問する機会があれば、他方面へ向かうルートへの乗車や、豆田町周辺の散策などもしてみたいと感じたものですが、月隈公園へ向かうルートは所要時間も日田駅から10分程度と手頃ながら、乗車するだけで古い町並みが残るエリアの車窓観光も出来ますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も日田を訪問される機会がありましたら、是非「ひためぐり」号に乗車してみては如何でしょうか?

写真は「ひためぐり」号で用いられるレトロ調バスとその車内、バス最後尾から眺めた豆田町の町並みです。


にしてつクイズトライアルに当選!!~景品の卓上カレンダーが本日到着

2008-11-24 | Weblog

今年2008年は大手私鉄の一つに数えられ、またバス事業者としても日本一の規模を誇る事で知られる西日本鉄道(西鉄)が創立100周年を迎えた年ですが、この事は西鉄沿線やネット上などで盛んに告知され、西鉄HP内でも100周年記念サイトが開設されています。

また様々な記念商品の発売や、100周年を記念したイベントの開催などもありますので、九州の方をはじめ、それ以外の地域に住む方でもご存知の方も多いかと思います。

様々な記念イベントの一つとして4月~9月までの間には、「にしてつクイズトライアル」と呼ばれ、西鉄に関する3択のクイズを出題するサイトが期間限定で開設されましたが、これは福岡(天神)をスタートして天神大牟田線を1駅ずつ進み、3択のクイズを幾つかクリアするとチェックポイント(二日市・久留米・柳川・大牟田)にたどりつく事が出来、正解すると1問毎に1駅ずつ進める反面、誤答数が規定数を超えるとゲームオーバーになるもので、先へ進むにつれて誤答が許される数が少なくなるため、MAKIKYUも大牟田までたどり着いたのは指の数も…という状況でした。
(西鉄電車・バスに関する事はある程度知っていても、それ以外の難問・奇問も多く、何度も挑戦していると見覚えのある問題なども出てくるものの、沿線や周辺地域の事情に疎い九州外の人間にとっては結構難易度が高いものでした)

大牟田までたどり着くと、エンディングの後に名前と共に誤答数や総回答時間などの記録を残す事が出来ると共に、各チェックポイントをクリアすると抽選で当たる景品への応募権(応募回数に制限はなく、クイズに再挑戦すれば複数応募も可)も獲得できる事もあって、MAKIKYUもにしてつクイズトライアルに何度も挑んでいた人間の一人でしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、クイズトライアルに挑戦して景品への応募をされた方も居られるかと思います。

第1~3弾まで2ヶ月毎に変わる景品は、難易度の高いチェックポイントに到達する程豪華になる事(大牟田賞(大牟田までたどり着いた際の応募権)ではSUNQパスなどが景品となっていました)もあって、この事も多くの人々を惹きつける一因となっていたにしてつクイズトライアルでしたが、MAKIKYUは幸運にも抽選で当たる景品に当選し、先月その告知メールを受けていたのですが、今日ようやくその景品を手にする事が出来ました。
(景品は一昨日福岡から発送されたもので、昨日には横浜に到着していたのですが、昨日はあいにく用務で不在だった事もあり、今日手にする事が出来た次第ですが、MAKIKYUは以前JR九州の新幹線試乗を当てた事もありますので、九州とは何かと縁があるのかもと感じてしまいます)

ちなみに今回当選したクイズトライアルの景品はさすがに大牟田賞ではなく、第3弾の久留米賞で、西鉄100周年オリジナル卓上カレンダー(クイズトライアル限定の非売品)に、プレゼント当選のお知らせが同封されていました。

100周年オリジナル卓上カレンダーは非売品と言う事もあって、その内容が気になる方も居られるかと思いますが、1・2月を飾る九州鉄道線(現天神大牟田線の前身)の電車(写真)をはじめ、今はなき福岡市内線(西鉄が運行していた路面電車)やトレーラーバスなど、かつて西鉄で活躍した電車・バスの写真(どれもMAKIKYUが生まれるより前のものばかりですが…)で構成されていてなかなかの逸品です。

ただ欲を言うのであれば、「My Calendar」(こちらを参照)を元に作成している事もあって、カレンダー自体に西鉄ロゴや100周年ロゴが見受けられない点が少々残念に感じたもの(当選のお知らせには西鉄ロゴ&100周年ロゴがありましたが…)でしたが、MAKIKYUはまだ来年のカレンダーを用意していなかった事もあって丁度よく、あと一月強に迫った2009年は、このカレンダーが部屋を飾る事になりそうです。


堀川バスで活躍する首都圏中古車~久留米市内では西鉄バスに紛れながらも…

2008-11-22 | バス[九州本土]

MAKIKYUが今月上旬に九州を訪問した際には、先日取り上げたJR九州の特急列車「ゆふDX」号に乗車する前に、西鉄久留米駅からJR久留米駅まで路線バスで移動したのですが、今日はその際に乗車した堀川バスに関して取り上げたいと思います。

堀川バスは福岡県南部の八女市に本社を置くバス事業者で、福岡県は日本最大手のバス事業者でもある西鉄の勢力があまりに強大過ぎる事に加え、堀川バスは一般路線のみで高速バスなどを運行していない事、これに加えて地盤の八女周辺でも筑後地域の中心都市である久留米市と八女市を結ぶ路線は、西鉄による運行(厳密に言えば堀川バスでも朝夕の入出庫を兼ねて、久留米~八女間を運行する便も僅かに存在していますが…)で、同社の主要路線的存在で羽犬塚~八女(福島)間などを運行する羽矢線などでも毎時2本程度の運行ですので、九州外の方の中にはその存在自体が…という方も居られるかと思います。

その中でも久留米へ乗り入れる路線は久留米線と呼ばれ、JR久留米駅~西鉄久留米駅~鑓水間(一部は更に八女(福島)まで)を結ぶこの路線は毎時概ね2本程度が運行され、多数の西鉄バスが走り回る久留米市内で、赤とクリーム色の特徴的な装いの車両が西鉄バスに紛れて走る姿は、異色の存在となっています。

堀川バスでは西鉄バスカードやよかネットカードなどは使えないものの、西鉄バスと並行する区間では運賃も当然ながら同額に設定されており、「SUNQパス」(九州内の路線バスが乗り放題になる乗車券)も通用しますし、JR久留米駅~西鉄久留米駅間のみでの乗車も勿論可能となっています。
(この事は当たり前に感じるかと思いますが、福岡県内では近年まで走っていた前原方面~福岡市中心部を走る昭和バス(現在は路線再編で高速道路経由の特急バスが運行され、福岡市中心部へ乗り入れる一般路線は消滅しています)の様に、市内中心部相互間での利用が制限されていた事例もあります)

西鉄久留米駅でJR久留米駅方面へ向かうバスの時刻を見た際にも、丁度良い時間に堀川バス便が出ていた事(同区間は西鉄バスであればかなり頻発しており、こちらは時刻表いらずという程ですが…)もあり、MAKIKYUはなかなか乗車機会に恵まれなかった堀川バスに初めて乗車したものでした。

使用車両も以前は観光バス格下げ車両なども使用していた事で知られていますが、現在路線で活躍している車両は専ら路線バスタイプとなっており、自社発注車もそれなりに活躍しているのですが、首都圏からの中古車が多く見られるのも特徴(堀川バスの車両台数自体が決して多くはないですので、数としてはさほどでもないですが…)で、MAKIKYUが乗車したバスも神奈川県内からの移籍車でした。

乗車した車両はさほど古い車両ではないとはいえ、どちらかと言うと余りメジャーな存在ではない大型ショート車(大型車並みの車幅があるものの、長さは大型車と中型車の中間程度、またエンジンも中型用を搭載)で、それも西日本車体工業製車体のバスがゴロゴロしているエリアですので、ただでさえ久留米市内では異色の存在となっている堀川バスの存在を、更に際立たせるものとなっていた様に感じたものです。

またこの車両の前事業者をはじめ、神奈川県内の幾つかの事業者ではお馴染みの特徴的なウインカー音なども健在(中古で地方に流れたバスでは、他社でも時折このウインカー音を聞く事がありますが…)で、車内の様子もさほど変っていないだけに、神奈川県内で路線バスに乗車している様な錯覚を感じる程でしたが、すれ違うバスは西鉄バスばかり…という様は少々不思議に感じたものでした。

堀川バスは営業エリアや事業規模などを考えると、福岡県内をはじめとする九州の方でも乗った事がないという方も大勢居られるかと思いますし、まして九州外に居る人間ともなれば尚更ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も筑後エリアを訪問される機会がありましたら、是非堀川バスにも乗車してみては如何でしょうか?


JR九州 キハ183系1000番台気動車~コロコロと装いを変える異端気動車

2008-11-19 | 鉄道[九州・JR]

今月上旬にMAKIKYUが九州を訪問した際には、久留米~日田間で久大本線を利用する機会があったのですが、その際には1編成しか存在しておらず、遠方の人間にとっては乗り難い列車の一つである特急「ゆふDX」号の運行時間帯だった事もあり、この列車に乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

「ゆふDX」号は現在博多~大分間を、久大本線経由で結ぶ特急列車「ゆふ」号3往復の中で、半数に当たる列車を「ゆふDX」号として運転しているもので、両者は運転時刻こそ同一ですが、「ゆふDX」号に充当するキハ183系1000番台気動車が1編成しか存在しない事もあって、奇数日と偶数日で充当車両や編成、列車名を変える異色の列車(キハ183系1000番台車の検査時など、「ゆふDX」号の設定そのものが存在しない日も存在します)として知られています。

このキハ183系1000番台気動車は、定期特急列車などで多数が大活躍している旧国鉄~JR北海道の「キハ183系」の構造を基本に設計した事もあって、同系の1000番台という付番となっています。

キハ183系気動車の大多数が活躍する北海道とは遠く離れた九州の地に、4両1編成のみが導入され、名鉄パノラマカーや小田急ロマンスカーの如く展望席を設けた車両である上に、電車(485系)との併結も可能な構造となるなど、北の大地を走るキハ183系気動車とは同一形式ながら、大きく異なる車両となっています。

ちなみにこの車両はJR発足からまもない1988年に「オランダ村特急」へのアクセス用列車として製造され、導入当初は赤・白・紺色の3色塗装を纏っていましたが、その後同列車の廃止に伴って長崎方面から久大本線方面に転用、「ゆふいんの森Ⅱ世」として外観を緑色に金帯の装いに改めています。

ただこの装いでの活躍もキハ72形気動車「ゆふいんの森Ⅲ世」が導入される事で終止符を打ち、再び長崎方面へ戻されて登場当時に近い装いに改められると共に、大村線を走る特急「シーボルト」号として活躍する事になるのですが、これも長続きせずに再び久大本線方面に転用、今度は「ゆふDX」号として活躍する事になって現在に至っています。

2004年の「ゆふDX」号への転用時には、最近のJR九州らしい車内リニューアルなども行われており、外観も九州新幹線「つばめ」号などで用いられている「古代漆色」と呼ばれる深みのある赤色1色という強烈な装いに改められたのですが、これも今年に入ってから塗り替えられています。

今年の塗り替えで塗装変更は5回目、コロコロと装いを変えているこの異端車両は、一体何度塗り替えをすれば気が済むのか?と感じてしまう程ですが、今度は黄色1色と言うこれまた目立つ装いとなっており、4両1編成しか存在しない異端車の存在を、一般にも強くPRするものとなっています。

また「ゆふDX」号への転用時には、先頭部の展望席は普通車指定席扱いながらも、割増料金が適用される「パノラマシート」となっているのも大きな特徴です。

先日乗車した際には当初乗車予定がなく、当日の気紛れで乗車する事になった上に、乗車区間が短く、周遊きっぷのゾーン券(フリー区間内で通用期間中であれば、特急も普通車自由席は無制限に利用可能です)を所持していた事もあって、自由席(「ゆふDX」号は真ん中の2両が自由席で、両端の車両が指定席となります)を利用したMAKIKYUも、割増料金適用となるパノラマシートの様子を視察してきましたが、この区画の座席は2+1配列でそれなりにゆとりはある様に感じられたものの、JR九州ではお馴染みの木材を用いた鉄道車両離れした感のある座席は背もたれも小さく、リクライニングや方向転換・回転機能も見受けられないなど、前面展望以外のメリットは…と感じる状況でした。

そのため最前部となる展望席区画は良いとしても、後向きとなる車両の最後部展望席などは、わざわざ割増料金を払ってまで利用する価値があるのか疑問に感じる所ですが、こちらも利用客の姿が散見されたのは意外に感じたものでした。

ちなみに「ゆふDX」号は車両自体も既に製造から20年を経ており、非電化ローカル線である久大本線を走る列車である事から、博多~大分間のアクセスとしては、新型の振り子式電車が多数走る日豊本線経由の特急「ソニック」号に比べると所要時間・車両設備の両面で見劣りする事は否めず、久大本線を走る特急列車としても、全席指定席制の観光特急「ゆふいんの森」号に比べると、設備面ではやや苦しい面がある事も事実です。

とはいえ九州内やその周辺の人間でもなければ特殊な運行形態故に、コロコロと装いや用途を変えて活躍する異端気動車への乗車機会は限られますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会があれば、是非一度乗車してみるのも面白いかと思いますが、この車両が現在の運行形態や装いで当面落ち着くのか、今後更なる変化が起きるのかも気になるものです。


福岡シティループバス「ぐりーん」~内外を改装した専用車両で運行される観光巡回バス

2008-11-18 | バス[九州本土]

   

MAKIKYUが今月上旬に九州を訪問した際は、福岡市内で9月下旬から走り始めた観光巡回バス「ぐりーん」に乗車する機会がありましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

「ぐりーん」は博多駅(博多駅交通センター)を起終点に、天神地区や福岡タワー周辺(ヤフードームなどがあるエリアです)をはじめ、中心部の観光スポットなどを1周約80分で循環運行する観光巡回バスで、運行は福岡市内の大半の路線バスを運行している西日本鉄道(西鉄)が行っています。

観光向けに特化して運行しているバスである事に加え、福岡が異国に近い土地である事(福岡から韓国釜山までは200km強・ソウルでも500km強しか離れておらず、釜山までは高速船でおよそ3時間という近さ、また釜山から高速列車で約3時間のソウルでも、直線距離は東京の約半分です)も影響してか、外国からの観光客の利用なども想定して日本語に加え、英語と韓国語の放送案内などが行われる事も特徴となっています。
(余談ながら福岡では西鉄の一般路線バスでも、博多港国際旅客ターミナル(中央ふ頭)を発着する系統などでは、一部韓国語放送やハングルの表示などが用いられています)

車両は「ぐりーん」専用の車両が4台用意されていますが、この専用車両は「ぐりーん」運行に際して新造されたものではなく、既存の中型ワンステップ車両を改造したものとなっているのが特徴で、この専用車両の外観は、塗装を除くと西鉄で活躍する路線車と大差ないものになっています。

「ぐりーん」の表記ロゴなどが目立つ特徴的な外観を見ただけで、気付かれる方も居られるかと思いますが、この車両の内外のデザインはJR九州の鉄道車両や駅施設、ジェイアール九州バスやJR九州高速船「Beetle」などのJR九州グループをはじめ、福岡市営地下鉄七隈線のデザインなども手がけ、九州の公共交通機関(最近では九州以外に岡山などでも…)ではお馴染みの某デザイナーが手がけています。

そのため車内は一般の西鉄バスとは大きく異なり、木材などを多用した独特な内装に改装されている事も大きな特徴になっており、座席をはじめ、つり革やブラインドに至るまで、このデザイナーが最近手がけた鉄道車両や路線バスでよく見られる特徴的なものに変化しています。

挙句の果てには「ぐりーん」専用車の中でも一台だけは、非常に特徴的な緩やかに曲線を描くような配列のロングシート配列になった車両も存在している様ですが、MAKIKYUが乗車した際は、残念ながらこの車両には遭遇できませんでした。

また「ぐりーん」は一般路線バスとは異なる250円均一の運賃設定、それも九州では異例の「前乗り中降り・運賃前払い」となっているのも特徴で、バスカードやよかネットカードなどの磁気カード類、最近導入が進んでいるICカード乗車券「nimoca」にも対応していない上に、福岡都心フリーエリアの路線バスが乗り放題になる一日乗車券や各種定期乗車券などの類にも対応していません。
(追記:2010年に入ってから、nimocaなどのICカードにも対応しています)

現金乗車と専用一日乗車券「ぐりーんパス」(700円:「ぐりーん」の他に福岡都心フリーエリアの西鉄バスも利用可能ですので、「ぐりーん」への乗車が可能な代わりに、通常の一日乗車券より100円割高です)、それと「SUNQパス」(九州内の一般路線・高速バスの乗り放題乗車券)のみ通用となっている事も大きな特徴です。

この様に利用可能な乗車券類などが限られ、運行本数も平日30分毎・休日20分毎と通常の路線バスに比べると限られている中で、「ぐりーん」専用車両も中型ですので、収容力を懸念した事も影響しているのかもしれませんが、MAKIKYUが乗車した際は平日の昼時だった事もあって乗客数は指の数程で、特殊な運賃体系も災いしてか、意欲的な改装車両も、余り乗客の姿が見られなかった事は少々残念に感じたものです。
(追記:記事公開後運行形態の変更が行われ、平日は運行日が限定されています)

この事は平日だった事に加え、時間帯も影響しているのかもしれませんが、福岡市内では博多駅や天神地区などを100円で循環する系統をはじめ、西鉄の一般路線各系統は比較的多くの乗客で賑わっている印象がありますので、特殊な運賃体系が災いしているのかも…と感じてしまったものです。

もし休日でも空気を運ぶ様な状況になっているのであるとすれば、運賃の値下げ(一般路線と同額)や通用乗車券類の拡大(一日乗車券や市内フリー定期券でそのまま、或いは追加料金支払いで乗車可能に)などの施策も望まれる所です。

走り始めてからまだ日が浅いこの福岡シティループバス「ぐりーん」の今後が気になると共に、大改装された専用車両が有効に活用される事に期待したいと感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も福岡を訪問される機会がありましたら、是非この観光巡回バス「ぐりーん」に乗車してみては如何でしょうか?


西鉄バスの新塗装「スマート・ループ」~節目の年に登場した新車は外観だけでなく…

2008-11-17 | バス[九州本土]

 

先日北九州市内を走る西鉄の電車代替バスに関する記事を掲載した際に、新塗装「スマート・ループ」に関しても少々言及しましたが、MAKIKYUが今月上旬に九州へ出向いた際には、福岡市内でこの新塗装のバスにも乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。

この車両は西鉄100周年となる今年の6月から走り始め、MAKIKYUは今月ようやくその車両に乗車する事も出来たのですが、白をベースに側面は5色、前面と最後尾はその内の3色を用いたラインが、徐々に幅が狭まる独特なもので、シンプルながらも他に類を見ないデザインは独創的です。

またこの新型車では外観だけでなく、内装も「動くリビングルーム」をモットーに刷新されており、車内も床材の色分けや照明配列の変更、座席形状の変化やドア開閉警告音の変化(ブザー→チャイム+音声案内)に改められるなど、至る所に従来車との変化を感じさせられたもので、決して豪華な車両ではないものの、都市内を走る路線バスとしての理想形を徹底的に追求した車両と言う印象を受けたものです。

この事はバス車体製造メーカー(西日本車体工業)を系列に従える西鉄だからこそ実現できたのかもしれませんが、他社では見られない取り組みも数多く見られ、日本一の規模を誇るバス事業者・西鉄のこれからを担うに相応しい車両と感じたものです。

ちなみに「スマート・ループ」と呼ばれる新車両は、福岡市内や北九州市内などで続々と登場しており、見慣れた赤白の塗装に変わり、これらの街中がスマート・ループで埋め尽くされる日もそう遠くないと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も福岡県内の各都市を訪問される機会がありましたら、是非今までの西鉄バスとは大きく様変わりした「スマート・ループ」に乗車してみては如何でしょうか?

写真は博多駅前を走る「スマート・ループ」(MAKIKYUが乗車した車両とは別の車両です)と、従来車とは様変わりした車内の様子です。


ジェイアール九州バス・直方線~豪華車両も出没する長大路線

2008-11-15 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では筑豊電気鉄道(筑鉄)で最近続々と走り始めている「レインボー電車」に関する記事を掲載しましたが、MAKIKYUが今月上旬に筑鉄に終点の筑豊直方(Chikuho-Nogata)まで乗車した後は、徒歩でJR直方駅前まで向かい、その後に福岡方面へ移動するスケジュールでした。

通常直方~福岡市内間を移動するとなれば、快速・普通列車で博多まで片道910円のJR福北ゆたか線(普通乗車券利用の場合は大回りとなる折尾経由での乗り換えルートでも同額で、時間帯によってはこちらの方が有利な場合もあります)か、天神まで片道1100円を要するものの、往復割引やスーパー回数券などの割引乗車券の設定もあり、バスカード(1000円カードでも1100円利用可能で、乗継割引も利用可能です)やよかネットカードも利用可能な西鉄の高速バスを利用する方法が一般的です。

両者は福岡市内のターミナルも博多/天神と異なり、途中の経由ルートも異なる事から、用途に応じた棲み分けが出来ていますが、直方~福岡市内間の公共交通を用いて移動するとなれば、主流となっているこの2ルートの他にも、ジェイアール九州バス・直方線を用いる方法があります。

主流となっている2ルートを共に以前利用した事があるMAKIKYUとしては、第3のルートとも言え、一応全国版の時刻表にもダイヤが掲載されているジェイアール九州バス・直方線は気になる存在で、先日このルートを用いて直方から博多まで移動しました。

現在ジェイアール九州バスが運行する福岡県内の各路線を総称し、直方線と呼ばれるこの路線は、その基幹ルートとも言える博多~直方間の直方本線をはじめ、飯塚線・福間線といった支線も存在しており、直方本線自体も区間便(博多駅~山の神間や、脇田温泉・福丸~直方駅間など)が主体となっています。

そのため直方本線を乗り通そうと思っても、全線を通して運行する便は1日10往復に満たない状況ですし、それなりの距離があるだけに2時間弱の時間がかかり、運賃も距離を考えるとさほど高いとは言えないものの、長大路線だけに片道1300円を要します。

単純に直方~福岡市内間の移動手段として用いるにはやや難ありで、MAKIKYUが乗車した際も全区間乗り通す乗客は皆無、それどころか山越え区間では乗客数も指の数に満たない状況でしたので、バス自体は直方~博多間を通し運行しつつも、その途中停留所間での利用が殆どという状況ですが、直方周辺の筑豊エリアの長閑な風景をはじめ、全線通し便のみが走り、本数が極端に少なくなる脇田温泉~山の神間の山越え(脇田温泉周辺では、よくこの狭い道を大型車で…と思う様な区間もあります)、そして福岡市郊外を抜けて都心部も走るなど、車窓はかなり変化に富んでおり、乗り応え充分なルートという印象を受けたものです。

使用車両もJR九州グループならでは…と言える真っ赤な装いのバスが活躍し、日本最大の規模を誇る西鉄バスがゴロゴロ走る福岡市内でも、少ない運行本数ながらも存在感を示すには充分と言えます。

MAKIKYUが乗車した際は、路線バスながらも扉は前ドア1箇所のみ、車内も2人がけのリクライニングシートがずらりと並び、その内装もこのバスとほぼ同時期に登場したJR九州485系電車の改装車両・RED EXPRESSや、その少し後に運航開始した高速船「Beetle」の改装前などを連想させられるシックなもので、下手な高速バスを凌ぐ程の豪華車両が運用されていました。

直方線では福岡市内ですれ違った便でも、同種の車両が用いられている姿を目撃していますので、福岡市内でこの車両はラッシュ時には果たして…と感じる反面、豪華な設備故に、これなら車両面だけならJR福北ゆたか線(817系と呼ばれる革張りの転換式クロスシートを装備した新型車両をはじめ、快速・普通列車にしてはかなりのグレードを誇る車両が大活躍しています)や高速バスにも匹敵するものと感じましたが、直方線ではこの車両以外にも一般の大型路線車や中型車なども充当されますので、どの車両に当たるかは運次第といった所です。

また直方線では九州内の路線・高速バスが乗り放題となる「SUNQパス」(北部九州版・全九州版の双方)をはじめ、JRの福岡ゾーンや九州ゾーンの周遊きっぷ(ゾーン券:MAKIKYUが先日乗車した際は前者を利用しました)も通用しますので、遠方から福岡や筑豊エリアを訪問し、これらの乗車券を持っている場合などは是非オススメの路線ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も直方~福岡市内間を移動する機会がありましたら、是非ジェイアール九州バス利用のルートも検討してみては如何でしょうか?

(ちなみに写真は直方の車庫内で、許可を得て撮影したものです)


北九州市内を走る電車代替バス~代替系統には特徴的な車両も…

2008-11-13 | バス[九州本土]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、福岡県を走る筑豊電気鉄道(筑鉄)の旧型車両・2000形に関して取り上げ、この車両はかつて隆盛を誇った西鉄の北九州市内線(路面電車)を彷彿とさせるものがありますが、連接車も多数運行していた北九州市内線は近年全廃となっています。
(最後は黒崎~折尾間が単車のみの活躍で残存する状況でしたが、小倉の砂津~黒崎間は十数年前まで電車が走っていました)

この代替として西鉄は日本最大のバス事業者という事もあって、自社の路線バスを走らせ、近年はこれも北九州地区のバス事業一括分社化で西鉄バス北九州が運行しているのですが、94年の砂津~黒崎間の電車廃止・代替バス運行開始時には、今でこそ一般的とはいえ、その当時はまだ普及率がさほど高くなかった低床ワンステップバスを大量に導入したのが特徴です。

それもただのワンステップバスではなく、中型車両をベースに車体の長さを伸ばしたタイプの車両(これも最近は低コストでノンステップ車を導入する手法としてよく用いられますが…)を導入しており、この様な取り組みを先駆けて行う事が出来る辺りは、車体メーカー(西日本車体工業)を傘下に持つバス会社ならではという感がありますが、この車両は一般の西鉄バス路線車とは異なり、白と薄緑色の電車代替バス専用塗装を纏っているのが特徴です。

この塗装のバスは西鉄でも北九州地区の電車代替系統のみで見られるのですが、代替バス運行開始当初に導入された車両の他にも、比較的近年になって導入された大型車の一部にも採用され、こちらも西鉄では数少ない中引戸のノンステップバスが一部導入されるなど、異彩を放つ存在となっています。
(比較的近年導入された車両の中には、勿論ワンステップ車も存在していますが…)

ただ電車代替バスの運行区間でも、必ずしもこの塗装の車両が用いられる訳ではなく、今月MAKIKYUが九州を訪問した際には、電車代替系統のバスに乗車する機会は無かったものの、MAKIKYUが以前黒崎~小倉方面へ向かう西鉄バスに乗車した際には、一般的な赤白塗装の車両が充当されていましたので、電車代替系統でも必ず充当される訳ではない点は要注意ですが、結構な本数が運行されている系統ですので、その気になれば比較的容易に乗車する事も出来ます。
(こんな事を言っているMAKIKYUも、電車代替バス塗装の車両を何度も目にしていながら、未だに乗車した事は無いのですが…)

また最近西鉄バスでは「スマート・ループ」と呼ばれる新塗装の車両が続々と導入され、この車両も電車代替系統に充当されている姿を目撃していますので、電車代替バス専用塗装も今後続いていくのか、それとも新塗装への塗り替えなどで数年で姿が見られなくなるのかも気になる所です。

写真は電車代替バスの主力となっている中型長尺ワンステップバスと、西鉄では見る機会が少ない中扉引戸ノンステップバスです。


筑豊電気鉄道2000形「レインボー電車」~装いを改めた古参電車

2008-11-12 | 鉄道[九州・私鉄等]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、下関市内を走る2階建てロンドンバス・ルートマスターに関する記事を掲載しましたが、MAKIKYUがこのバスに乗車した後は九州へ向かい、その際に乗車した電車の一つが筑豊電気鉄道(筑鉄)です。

筑鉄は全線専用軌道でありながらも、かつて隆盛を誇った西鉄北九州線(現在は全廃)と直通運転を行っていた事もあって、路面電車型の車両を用いているのは大きな特徴で、それも開業当初は西鉄からの乗り入れや借入車両に頼り、自社の車両を持たない鉄道と言う点で非常に異色な存在でしたが、その後親会社の西鉄から譲渡された車両が活躍する様になり、西鉄北九州線が全廃となった今日では、当然ながら全車両が自社車両によって運行されています。

その活躍車両は現在3000形と2000形の2形式が存在しており、両形式共に釣り掛け駆動の車両ですので、今時珍しく全列車が釣り掛け駆動の車両のみで運行される路線となっており、その上路面電車型の車両が活躍する路線でありながらも全列車に車掌が乗務し、ワンマン運転が行われていない点も異色と言えます。

その中でも3000形は車体更新され、下回りは旧式ながらも外観はそこその近代的な印象であるのに対し、2000形は冷房化改造をはじめとする様々な改造を経ながらも、1950年代~60年代に製造された西鉄時代からの古風な印象を比較的よく保っており、最近になって「土手ノ内」駅が「希望が丘高校前」駅に改称された今日でも、今や電車や路線バスなどで見る機会はかなり少なくなった字幕式の運賃表示器が用いられている事も、非常に希少な存在と言えます。

3車体連接という長さも、かつて隆盛を誇った西鉄北九州線や福岡市内線(こちらも現在は全廃)を連想させられるものがあり、収容力がある事を生かし、平日朝ラッシュ時などには今でも大活躍していますが、見るからに古めかしい車両で、サービスレベルの面では3000形に比べて見劣りする事は否めない事もあるのか、昼間や休日などは稼働率が極端に減少するのも事実です。

また親会社・西鉄天神大牟田線の旧特急用車両2000形(現在は主に急行で使用)や、同貝塚線各車両と同じクリームに赤帯の通称「黄電(きなでん:画像はこちら)」と呼ばれる装いも、3000形に比べると古風な印象が否めない事もあり、最近になって編成が7編成と言う事もあって、「レインボー電車」と称して一編成毎に異なる装いを施し、7編成で虹を構成する7色が揃うと言う新塗装へのイメージチェンジが進行しています。

MAKIKYUが先日久々に筑鉄に乗車した際には、休日ダイヤで運行本数が少なくなっている事もあって、2000形がやって来た事自体驚いたものでしたが、すれ違った他の列車は3000形ばかりで、2000形の他編成は楠橋の車庫に留置されている状況でしたので、運用本数が少ない休日の筑鉄に乗車し、レインボー電車(赤)に乗車できた事は幸いに感じたものです。

新塗装には賛否両論が出るかもしれませんが、古風な印象を残しながらも、新塗装でイメージチェンジを図った2000形が、3000形と共に末永く活躍する事に期待したいと感じたものです。


ようやくネット環境復帰です

2008-11-10 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」にアクセス頂き、ありがとうございます。

先月下旬のPCモニター不具合の件は、ノートPCへ衝撃が加わった事が影響し、液晶モニターが損傷したもので、これに加えて所用が立て込んでいた事もあって、暫くの間「MAKIKYUのページ」の更新も…という状況でした。

そのため日頃アクセス頂いている皆様にも、新たな記事などを提供できない状況が続いておりましたが、ようやくネット環境復帰となりましたので、その旨お伝えしたいと思います。

ちなみに今回のモニター不具合の件は、ノートPCのモニターを修理・交換するとなると、メーカー(SHARP)に問い合わせた際の概算では、その修理費用だけでも現在MAKIKYUが使用している安物PCの購入費用に相当する程でした。

また修理にも結構な日数を要する事もありましたので、それではさすがに…という事で、ノートPCのモニター修理は断念し、新たなPCの購入も検討した程でしたが、外部出力を通じて別のモニターに接続する事で、とりあえず自宅内での使用は可能な事から、ノートPC自体は現状(モニター損傷)のままとした上で、デスクトップ用のモニターを別途用意する事で、ネット環境復帰となりました。

そのためノートPCを用いていながらも、PCを持ち運んで使用する事が極めて困難な状況となり、損傷したモニターの脇に別途設置したモニターを用いる事も、文章入力・作成時などの使い勝手の点ではやや難ありで、ノートPCの脇にデスクトップ用のモニターがある様は少々異様なものです。
(写真はモニターが破損(上部1割程度のみ機能しており、その下の黒っぽい線が入っている部分と、その下の白くなっている部分などは、機能を損傷している状況です)した現在使用中のノートPCと、新たに用意したデスクトップ用のモニターです)

ただPC本体自体は幸いにも使用可能な状況であったため、2万円強程度の出費で済み、データの破損なども免れたのは不幸中の幸いでしたが、今回の件ではPCの脆弱さと共に、ネット環境が確保できない事の不便さを、身を持って痛感させられたものです。

あと記事更新に関しては、MAKIKYUは今月初頭に九州方面へ出向いていた事もあり、この関連記事(既に1記事のみ公開していますが…)をはじめ、取り上げたい事柄は山ほど…という状況で、近日中に本格的な記事公開を再開したいと思っていますので、今後も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。


下関市内を走る2階建てロンドンバス・ルートマスター

2008-11-08 | バス[中国]

  

MAKIKYUは今月初めに九州方面へ出向いており、その際には往路に寝台特急はやぶさ・富士号を利用したのですが、この列車を下関で下車(その後の九州入りは普通列車使用でした)した後は、今年になってから下関市内を走り始めた2階建てバス・ルートマスターに乗車する事ができましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

ルートマスター(Routemaster)は、イギリスのAEC(Associated Eqipment Company)が1950年代~60年代にかけて製造した2階建てバスで、最盛期には2700台以上が路線バスとしてロンドン市内で活躍していた様ですが、2005年まで(それでも車齢を考えると驚異的ですが…)に第一線からは退いています。

しかしながら第一線を退いた後も、ロンドン市内の観光路線をはじめ、一部はロンドンバスの活躍を後世に伝えるプロジェクトの一環として外国の自治体にも送られる程で、現在パリやモスクワなどでもその姿を見る事が出来る様ですが、外国へ送られた車両(合計6台ある様です)のうち1台はイギリスから遠く離れた日本に到来し、現在下関市内で活躍しています。

ルートマスターがかなりの古参車である事に加え、運転席と客席が完全に分離され、車両後部に一箇所だけある乗客用の出入口は、扉が設けられていないといった車両構造上の問題もある事から、一般の路線バスとして用いる事は到底不可能ですので、さすがに一般路線と同様の活躍は期待出来ない車両ですが、下関市が土休日限定で下関市内やその周辺の路線バスを運行するサンデン交通に運行を委託し、観光客向けに下関駅~城下町長府間(途中唐戸のみ停車)を4往復運行しています。

車両構造上の問題もあって運転士の他にもう一人運賃収受・案内などを行う要員が乗務し、自動両替器・カードリーダー付きの運賃箱をはじめとするワンマン機器などは搭載していない事もあって、サンデン交通をはじめとする山口県内各社で通用する山口県内共通バスカードの使用は出来ないのですが、定期観光などではなく路線バスとして運行しています。

そのため運賃は同区間を走る一般路線と同額(全区間乗車の場合350円)に設定されており、下関市内の一部区間が乗り放題となる1日乗車券や、最近通用エリアが拡大して九州内以外に下関周辺でも利用可能となった「SUNQパス」(九州内の路線・高速バスなどの乗り放題乗車券)なども通用しますので、時間が合えば、希少なルートマスターにも手頃に乗車できる事は有難い限りです。

ちなみにルートマスターはエンジンを前部に置いて後輪を駆動する仕組みを採用した事もあって、下関市内では未だに一般路線では2ステップ車が主流となっている状況の中で、1階部分はワンステップとなっている事は評価すべき点で、車高が4380mmとかなり高い事から、一部の高速バスなどで見られる国産2階建て車(車高3.8m程度:これは日本の道路法規も関係しているのですが…)などに比べ、2階建て車ながらも頭上に圧迫感を感じない事も好感を感じたものです。

一方で全長は8.4m程度と中型路線バス程度しかなく、ノッポな割には小柄な車両ですので、一般路線で用いられている大型車(車体長10m以上)などと並ぶ様は非常に奇妙なもので、また元々活躍していたロンドンの土地柄も影響してか、車内は冷房が装備されていません(扇風機は付いていましたが、これも元々装備されていたものなのか気になります)ので、下関での夏場の乗車は少々厳しいのでは…と感じたのも事実です。

また下関駅から乗車する場合は乗車整理券(運行当日の8時40分から各便の整理券を、下関駅前の案内所で配布:首都圏方面からははやぶさ・富士号を利用すると丁度良い時間です)が必要となり、発車10分前の乗車開始時には整理券番号順の乗車となる点は要注意です。

とはいえMAKIKYUの訪問時には満員御礼で機関車交換となる下関駅ではかなりの混雑となっていた寝台特急はやぶさ・富士号とは異なり、ルートマスターは希少な車両にも関わらず、整理券配布時にも混雑は見られなかったのは意外でしたが、乗車時間が近づく頃に整理券配布を申し出る乗客の姿も見受けられ、下関周辺ではそれなりの知名度もある様でした。

ただルートマスターに便乗していた下関市役所の方(観光振興課と思われる方でした)が乗客にアンケートを取っていた際も、MAKIKYUが「横浜から」と言ったら、遠方からの乗客は少ない様で驚いていた程でしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も下関やその周辺を訪問される機会がありましたら、是非希少な2階建てロンドンバス・ルートマスターに乗車してみては如何でしょうか?

あと別件ですが、まだPC復旧までもう暫く時間を要する見込み(あと1週間程度かと思います)で、ネット環境復旧の際にはその旨お知らせしたいと思います。


現在本州の末端にいますが…

2008-11-01 | Weblog
来年春に廃止予定の寝台特急に本州の末端まで乗車し、下車後に訳あって発生した少々の空き時間を利用して、現在PCから投稿しています。

PCの復帰&本格的な更新再開は今月中頃になる見込みですので、日頃「MAKIKYUのページ」にアクセス頂いている皆様にはご迷惑お掛けしますが、それまでもうしばらくお待ち頂ければ…と思います。

ところで来年春に廃止予定の寝台特急、MAKIKYUのこの列車への乗車は昨年に続いて2回目(昨年公開した九州・鉄道カテゴリー内に該当記事が幾つかあります)ですが、日頃乗車不振が続くと言われているこの列車も終焉が話題となり、また3連休という事も重なってか、満席御礼となっており、MAKIKYUも乗車変更で後日B寝台(開放室)を確保するのがやっと…という状況でした。

また下関駅での機関車交換の際も、昨年乗車した時とは比べ物にならない撮影者で群がり、これだけの賑わいぶりなら今後も…と感じた程でしたが、下関到着前には先頭車両デッキはおろか、客室通路にまで撮影目当ての乗客が溢れかえり、その盛況ぶりは下関から航路が出ている某大陸国家の長距離列車を思い出させる程でした。

今回の旅行に関してはまだまだ西へ向かう予定で、更新もPC故障の影響などでしばらく先になりますが、今月中には記事公開を開始したいと思っています。