先日MAKIKYUは所用で都内を駆け回り、その際朝早くからという事で辺鄙な北総監獄(千葉ニュータウン)からではどうにもならず、池袋のネットカフェで夜を越す日もありましたが、その所用の際には地下鉄有楽町線を利用する機会もありまして、同線に何度か乗車した内の1回は東京メトロの最新型車両・10000系が出没。
MAKIKYUがこの車両に乗車するのは2回目でしたが、この機会に今日は東京メトロ10000系に関して取り上げたいと思います。
この車両は現在建設中の13号線(仮称:池袋~渋谷間を明治通り沿いに建設中=現在の都営バス池86系統が概ねこの経路です)用に製造され、今年秋から運行が開始されたばかりの最新型車両で、現在は有楽町線で活躍し、東武東上線へ乗り入れる列車にも使用されます。
この車両は最新型と言う事で当然下回りはVVVFインバーター制御(IGBT)を用いており、車体はアルミ合金製で営団時代からの流れを継いでいる部分も見られますが、車内には最近の首都圏通勤電車で採用事例が増加しているLCDモニターが東京メトロでは初めて採用されています。
また東京メトロ発足以降初の新形式車両(他の新製車は営団時代から製造されている形式です)という事もあるのでしょうか、左右対称の前面デザインやボルスタ(揺れ枕)付きの台車など、近年の営団車両では見られない特徴が幾つもあり、内装も随分異なる特徴的なモノとなっています。
外観のデザインは近年コストダウン型の質素な車両が増大している首都圏の通勤電車にしてはかなり凝った感じで、前面の形状などはかなり見栄えがするもので、また車体側面上部の13号線ラインカラーも地下線内で見るとなかなかインパクトのある感じです。
内装はこの車両の特徴を強く位置づけるもので、営団時代の車両とは全く異なるモノとなり、天井の形状やデザインなどはあまり類を見ない独特な感じで、蛍光灯も間接照明風に取り付け角度を変えるなど工夫されていて、天井高さも営団時代の車両(天井高さは割合低めで、東京メトロに乗り入れる東急の車両などと乗り比べをされると、顕著に感じるかと思います)より随分と高くなっています。
荷棚も一般的な網棚(営団車両の中にはデザイン的に一工夫された網棚が用いられている車両が多く、見た目も良いと思います)ではなく強化ガラスを用いた独特のモノで、車端部の仕切り扉もガラスを多用した開放感のある独特な感じとなっています。
しかしつり革を吊っているパイプが天井からかなり低い位置まで釣り下がり、座席脇の仕切りや座席間にある仕切り棒が荷棚上まで伸びるなど、車内はパイプだらけで鬱陶しく感じられ、せっかく開放感のある独特なデザインを用いている部分が多数あるにも関わらず、これを台無しにしている感があります。
また車内の化粧板は車端部の木目部分は悪くないと思いますが、車両側面のモノはグレー単色の柄無しで素っ気無く、また地下線内では非常に暗く感じられ、化粧板には首都圏でもトップクラスを争う程こだわっていた営団の車両とは全くの別世界です。
それと座席はメーカー標準品を用いている関係もあるのでしょうが、詰め物の厚さが薄すぎる上に形状があまり良くないですので、長時間の乗車には少々厳しく感じられ、またドアチャイムも営団時代に多用されていたモノとは異なり、JR某社と同じ安っぽいモノが使用されているなど、乗車していて少々頂けないと感じられる部分もあります。
現在はまだ数本が稼動を開始したばかりで、当面はホームドア導入によって対応できず、東西線への転属を余儀なくされている07系の玉突き(07系は東西線の老朽車5000系を代替)で時々有楽町線~東武東上線で走っているだけですが、近い将来には13号線開通に伴って大量増備が見込まれ、今後の活躍にも期待できる車両です。
見た目はかなり良い車両で、内装も随分工夫されている部分があり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会があれば是非一度乗車するだけの価値はある車両かと思いますが、今後の増備では上記で指摘した欠点、特に鬱陶しく感じる車内パイプの配置と素っ気無い化粧板を何とか改善して頂きたいと感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(上記2点が解決できれば、首都圏トップクラスのグレードを誇る通勤車両になるかと思います)
写真は東武東上線に乗り入れた東京メトロ10000系とその車内の様子です。
MAKIKYUの周囲には10000系よりも写真のバックに写っている車両の方が良いと言っている者もいます。
(これも十人十色という事でしょうか?内装や走りっぷりを絶賛している様です)