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豊橋鉄道 モ801号車~今後登場予定の新型低床車との競演にも期待したい、1両だけの部分低床車は…

2008-08-30 | 鉄道[東海]

 

MAKIKYUが今月半ばに名古屋・岐阜方面へ出向いた際には、青春18きっぷを用いていた事もあって、途中の列車乗換駅の一つ・豊橋で途中下車したのですが、豊橋は規模はさほど大きくないものの、路面電車が走る街の一つとして知られています。

この路面電車は豊橋周辺で鉄道(渥美線)や、路線バス(現在は豊鉄バスに分社化)も運行する豊橋鉄道(豊鉄)によって運行されていますが、同社は名鉄グループである事もあって、近年廃線となった名鉄岐阜600V線区(揖斐線・美濃町線など)からの比較的新しい転属車両によって、既存車両の過半数が取り替えられており、数年前とは随分様相が変化しています。

名鉄から移籍した車両の大半はモ780形と呼ばれる車両ですが、1両だけモ800形と呼ばれる車両が含まれており、駅前で路面電車が発着する様子を眺めていたら、丁度この1両だけの珍車がやってきましたので、名鉄時代にはMAKIKYUが乗車する機会は無かったこの車両に、初めて乗車してみました。

モ800形は2000年に美濃町線用に3両が製造された部分低床車で、片側3つの扉の内中央扉付近のみがノンステップとなっており、車内も中央扉付近から両端に向かうにつれてスロープ状になっているなど独特な雰囲気でしたが、台車も運転台側と中央扉側で車輪径が異なる特殊なモノを用いているなど、他に類を見ない異色の車両です。

またモ800形は日本の路面電車では結構よくある旧型の車体更新(機器流用)ではなく、VVVFインバーター制御(IGBT)を用いた純新車ですので、この車両が導入された際は、美濃町線は暫く安泰と感じたものですが、不運にも導入から僅か5年で美濃町線は廃線となっています。

名鉄では他に転用可能な路線も存在しない事から、まだまだ新しい車両にも関わらず、あっさりと廃車の扱い(最近の名鉄は苦境にも関わらず、さほど古くない車両でも結構廃車になっている事は、この車両に限った事ではありませんが…)になっていますが、僅か5年しか使用おらず、日本の路面電車においては最新鋭の部類に入る車両という事もあって、3両全てが解体は免れ、名鉄グループで軌道線を運行している豊鉄に1両と、福井鉄道(福鉄)に2両が譲渡されています。

その内豊鉄にやって来た車両がモ801号車なのですが、「TOYOTETSU」ロゴなどが追加されただけでほぼそのままの装いで用いられており、またモ800形と共に豊鉄に移籍したモ780形や、福鉄に譲渡された岐阜600V線区車両各形式は大きく装いを改めている事から、この車両は岐阜の路面電車を偲ぶにも、うってつけの存在と言えます。

ただ車体長の関係などで、井原から運動公園前方面へ分岐する急曲線を曲がる事が不可能な事もあって、運用は駅前(豊橋駅)~赤岩口間に限られているのは残念な話で、使い勝手も決して良い車両ではない様ですが、今後豊鉄では低床の新製連接車の導入も予定されている事(電停に告知が貼られていました)から、この車両との低床車競演が見られる日が来るのも待ち遠しいですし、第二の活躍の地となった豊鉄では、末永く活躍する事を期待したいと感じたものです。


赤い電車(旧)谷汲駅~往時を偲ばせる雰囲気は充分ですが…

2008-08-28 | 博物館・保存施設等

先日岐阜県の揖斐川町コミュニティバスに関する記事を公開した際には、旧名鉄谷汲線駅舎と、かつて活躍していた車両が保存されている事にも触れましたが、MAKIKYUが谷汲山でバスを乗り継ぐ際には、乗り継ぎ時間に余裕があった事もあり、旧谷汲駅舎と保存車両を視察する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

旧名鉄谷汲線・谷汲駅は旧谷汲村(現在は揖斐川町に合併)の中心部に位置し、現在谷汲地区を発着する揖斐川町コミュニティバスのターミナルになっている谷汲山停留所からも徒歩で数分、また樽見鉄道谷汲口駅からのバスで谷汲山の一つ手前の停留所「谷汲」の目の前にあります。

谷汲線の末期は名鉄一の閑散路線で沿線も非常に侘しく、現在谷汲の地では鉄道(少々離れた谷汲口駅を発着する樽見鉄道はありますが…)はおろか路線バスすら廃止→コミュニティバスに転換、また谷汲線のルートを辿る代替バスも路線廃止となっている状況です。

そのため趣味的には非常に面白く趣のある路線であった半面、MAKIKYUが廃止確定後の末期に一度だけ乗車した際には、21世紀初頭まで残り、それも概ね1時間間隔で列車が運行されていた事には感心させられた程です。

その使用車両も末期は専らモ750形と呼ばれる戦前製の古豪が用いられ、時にはこれまたモ750形に劣らぬ相当な年代物の、丸みを帯びた優美なスタイルを誇るモ510形と呼ばれる車両も運用される状況でした。

谷汲線廃止後もモ750形は21世紀まで生き延びた希少な古豪という事もあって、谷汲線廃線時まで活躍した車両の内1両(モ755号)が谷汲駅跡に保存されており、もはや稼動する事は叶わないものの、現役時代を上回る程の美しい姿となっているのは喜ばしい限りですが、末永く良好な状態で保存するには止むを得ないとはいえ、車両上部に設けられた屋根の支えが車両側面にもあるために、全貌を眺めたり、現役時代さながらのシーンを撮影するのが難しいのは難点です。

  

また谷汲線廃止の頃には想像できなかった事ですが、その後谷汲線と接続していた揖斐線・黒野~忠節間と岐阜市内線も2005年に廃止となっており、これによって用途廃止となったモ510形(514号車)も新たに保存車両に加わっていますが、こちらは比較的撮影しやすい状況となっているのは喜ばしい事です。

あと旧谷汲駅跡は現役当時の車両だけでなく、駅舎や駅構内の表記なども現役時代さながらの状況ですので、今でも電車が発着していても…という雰囲気を漂わせており、駅構内こそ架線が撤去されている他は往時のままといった印象ですが、駅舎の看板は「赤い電車(旧)谷汲駅」(現行ロゴ入りの名鉄谷汲駅看板も駅舎内には存在していますが…)となっており、駅構内を外れた所で線路も途切れている様を見ると、随分寂しいものです。

  

ちなみに谷汲駅舎は現役時代末期の運賃表なども残っており、これを見ると現在の谷汲は鉄道廃止後、岐阜・名古屋方面との公共交通のアクセスが随分不便になったと感じさせられ、今では随分足を伸ばし難い状況の谷汲ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岐阜を訪問され、樽見鉄道や養老鉄道などに乗車される機会がありましたら、是非揖斐川町コミュニティバスで谷汲の地を訪れ、「赤い電車(旧)谷汲駅」で谷汲線が走っていた頃を偲ばれてみては如何でしょうか?


江ノ島線を走った60000形・MSE~運転日が平日限定だったのは惜しまれますが…

2008-08-27 | 小田急グループ

  

先月後半から今月22日までの間、小田急線では平日のみ多摩線・唐木田~江ノ島線・片瀬江ノ島間を走る臨時特急「湘南マリン号」が運転され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、この列車の姿を目撃された方も居られるかと思いますが、MAKIKYUはこの列車に乗車する機会こそなかった(MSE自体も一度しか乗車していないのですが…)ものの、運行最終日にその姿をようやく目撃することが出来ましたので、少々遅くなりましたが取り上げたいと思います。

湘南マリン号は、日頃江ノ島線からの直通列車が運転される事がない多摩線との直通列車として注目される存在であった一方、観光向けの列車であるにも関わらず、車両運用の関係もあるのか、運転日は平日のみに限定されていた事は惜しまれる限りでした。

ただ日頃江ノ島線には入線する機会がない、地下鉄直通特急に用いられる最新型ロマンスカー・60000形MSEが用いられた事(運行初日のみ20000形RSEでしたが、これも通常江ノ島線には入線しない車両です)は大いに注目すべき点で、MAKIKYUが大和駅でその姿を見た際も、なかなか面白いモノを見れたと感じたものですが、江ノ島線沿線に最新鋭の「青いロマンスカー」を宣伝する効果もあるといえ、MAKIKYUが湘南マリン号運行最終日に大和駅でその姿を目撃した際も、この列車に注目している乗客の姿が見られたものです。

MSEの列車名称・行先案内などはLEDを使用している事もあり、列車自体はしっかりと「湘南マリン」表示(文字は何故か赤色でした)を出していましたが、駅構内の案内表示装置などは対応できないのか、種別は「臨時特急」という案内のみ(行先・停車駅はきちんと案内されており、日頃大和駅ではまず見かけない小田急永山・小田急多摩センターといった停車駅案内が出ていました)となっていました。

また案内放送(自動)では唐木田行きにも関わらず「新百合ヶ丘行き」と流れ、その後マイクで唐木田行きである事を案内している様は印象的で、この様子はイレギュラーな列車である事を象徴しているかの様でしたが、今後もこの様な通常の定期列車では考えられない様な臨時列車の設定に期待したいと感じたものです。

写真は日頃入線しない江ノ島線・大和駅に停車中の、前後で姿が異なり「湘南マリン」表示を出したMSEと、比較的最近更新されたLCDモニター案内表示装置による「臨時特急・唐木田」の案内です。


揖斐川町コミュニティバス~2つのローカル線を移動するにも有用なコミュニティバス

2008-08-26 | バス[東海]

  

「MAKIKYUのページ」ではここ最近、何度かに渡って樽見鉄道に関する記事を公開しましたが、MAKIKYUが樽見鉄道に乗車した際には、終点の樽見駅まで乗車した後、来た道を谷汲口駅まで折り返す行程で移動しました。

その後は同駅から揖斐川町コミュニティバスに乗車し、谷汲山で乗り換えて揖斐駅(養老鉄道:旧近鉄養老線)へ抜けたのですが、今日はこのコミュニティバスに関して取り上げたいと思います。

揖斐川町コミュニティバスは、かつて名阪近鉄バスが路線バスとして運行を行っていた揖斐川町内の路線(現在揖斐川町に合併された旧谷汲村などを含む)を、コミュニティバスとして再編したバスです。

かつて名阪近鉄バスの一般路線が幾つも発着していた揖斐駅前を発着する各路線をはじめ、旧谷汲村内を走る名阪近鉄の路線バスなども全てこのコミュニティバスに移行していますので、このエリア内で一般路線バスの運行が存在しない状況(不定期運行の岐阜乗合・岐阜~谷汲間を除く)となっており、名鉄揖斐線代替路線の揖斐~黒野方面行きですら一般路線として成り立たない状況(それどころか名鉄谷汲線代替の黒野~谷汲間は、バス路線そのものが消滅しています)ですので、このエリアにおける公共交通を取り巻く状況が芳しくない事を実感させられます。

その上旧谷汲村の中心部では名鉄谷汲線はおろか、その代替バスですら廃止となっている状況ですので、樽見鉄道谷汲口駅と、近鉄揖斐駅へ抜けるこのコミュニティバスが、現在岐阜市内や名古屋など、他エリアへ抜ける唯一の公共交通と言っても過言ではない状況となっていますが、どちらも本数は決して多いとは言えず、岐阜・名古屋方面への現行アクセスはコミバス+複数社の鉄道乗換えという状況ですので、所要時間や運賃をはじめ、運行本数などの利便性も、今世紀初頭までの名鉄の鉄路が通じていた頃に比べ、大幅に低下している事は否めません。

ただ揖斐川町コミュニティバス自体は、一般路線からの移行によって、運賃の大幅値下げが断行されており、エリア別ワンコイン(エリアは合併前の旧自治体区分)となっており、MAKIKYUが乗車した谷汲口駅~谷汲山間は100円(旧谷汲村内)、谷汲山~揖斐駅は200円(旧谷汲村~揖斐川町跨ぎ)と非常に割安な運賃設定となっているのは有難いものです。

一般路線時代と同様に、揖斐川町コミュニティバスは名阪近鉄バスが引き続き運行しており、車両もMAKIKYUが目撃した限りでは、コミバスでは一般的なマイクロなどではなく、経年車(見た目はさほど古さを感じませんが、写真の車両も既に大都市圏では退役している平成5年式です)ながらも比較的グレードの高い日野製中型車を使用(名阪近鉄に限らず、この一帯の一般路線車は比較的高グレードな車両が多数走っています)している点などは評価できるものです。

とはいえ見た目は行先表示に「揖斐川町コミュニティバス」表示が出ているだけで、外見は名阪近鉄の一般路線と何ら変わりない車両を用いているにも関わらず、同社の回数券は使用不可能(金券式:大垣などでは現在でも引き続き通用)となっている点は要注意(車内放送でも案内あり)です。

この揖斐川町コミュニティバスは先に触れた通り、本数の少なさは難点で、谷汲山で乗り継いで樽見鉄道~養老鉄道間を移動するにも、時間帯が限られますが、現在はどちらも一本線となっている2つのローカル線を乗り歩く際には利用価値があります。

また谷汲(谷汲口駅からのバスで谷汲山の一つ手前に「谷汲」停留所があり、「谷汲山」から徒歩でも至近です)では旧名鉄谷汲線駅舎と、かつて活躍していた車両が保存されていますので、コミバス乗換えの合間にこれらを見物し、かつて谷汲の中心部に通じていた鉄路を偲ぶのも悪くないものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も樽見鉄道や養老鉄道に乗車する機会がありましたら、是非もう一歩足を伸ばして揖斐川町コミュニティバスにも乗車してみては如何でしょうか?


樽見鉄道 ハイモ295-516号車~標準色を纏う最新型車両

2008-08-25 | 鉄道[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、樽見鉄道を走るハイモ295形気動車に関して取り上げましたが、この形式の車両は先日取り上げたハイモ295-315号車が導入された後にもう一両導入されています。

その車両がハイモ295-516号車で、2005年に2軸レールバスの代替で導入されたこの車両は、現在の樽見鉄道においては、最新の車両となっています。

先日取り上げたハイモ295-315号車と比べると、行先表示機にLEDが用いられている事や、側面の客窓が一枚窓になっている事などが、外観上の大きな違いとなっており、車体長が延伸されている事も大きな特徴となっています。

またMAKIKYUは本巣駅での列車交換と、谷汲口駅でのバス待ち時間に稼動している姿を目撃しただけで、実際に乗車する機会はなかった事もあり、車内の様子などは実際に確認できていないものの、最新型車両だけあって、バリアフリー対応の深度化も進められている様です。

ただ塗装はハイモ295-315号車などで用いられている池田満寿夫デザインではなく、水色に赤と白帯の発足当時からの樽見鉄道標準色が用いられており、先に導入されたハイモ295-315号車の方が見栄えが…と感じる人もいそうですが、樽見鉄道の旅客車両における塗装選定の基準がどの様になっているのかも気になる所です。


樽見鉄道 ハイモ295-315号車~外観塗装は随分特徴的な車両ですが…

2008-08-22 | 鉄道[東海]

 

先日MAKIKYUが岐阜県を走る第3セクター鉄道・樽見鉄道に乗車した際は、途中の本巣駅で車両交換となる列車に当たり、本巣までは既に取り上げた「モレラ岐阜」広告車両・ハイモ230-314号車に乗車したのですが、本巣以遠で乗車した車両が、今日取り上げるハイモ295-315号車です。

この車両は1999年に、2軸レールバス代替用に製造されたLE-DCと呼ばれる車両で、同種の車両が他の第3セクター鉄道でも、幾つかの路線で活躍していますが、この車両もバス用部品などは用いつつも、先代ハイモ230形をはじめとするLE-carと呼ばれるレールバスに比べると、本格的な鉄道車両と言えます。

見るからに天井が低く、車内も路線バスを思わせるハイモ230形に比べると、居住性も大幅に改善されており、塗装も特徴的な池田満寿夫デザインになるなど、内外共に今までのレールバス車両に比べると、随分見栄えのするものになっています。

ただ車内は今までのレールバスと同様に相変わらずトイレの設置はなく、座席も都市圏の通勤型車両の如くオールロングシートと、設備面は必要最小限とも言える簡素なものとなっていますので、内装も特徴的な外観塗装の如く、もう一工夫あっても…と感じたものでした。


ハイモ230-301号車~現在の樽見鉄道では最古参の稼動車両

2008-08-21 | 鉄道[東海]

昨日「MAKIKYUのページ」では、「モレラ岐阜」広告車両になっている樽見鉄道のハイモ230-314号車に関して取り上げましたが、このハイモ230形は車両によって導入時期が異なる事もあって、導入時期によって幾つかの差異が見られます。

その中でも同形で最初に導入されたハイモ230-301号車は、MAKIKYUが樽見鉄道に乗車した際に稼動している姿は見なかったものの、MAKIKYUが乗車した際に車両交換となった車庫所在駅・本巣駅に停車している姿を目撃しています。

現在の樽見鉄道で活躍する旅客用車両の中で最古参となるこの車両は、客用ドアも引戸ではなく折戸を用いており、昨日取り上げたハイモ230-314号車と比べても、更に簡素な車両という印象を受けます。

また乗務員室扉の有無や、前面ライト形状なども異なっており、その上外観塗装も車両毎に異なっていますので、同形式ながらも様相が異なる車両という感を受けますが、この形式はレールバス故に寿命はバス並で老朽化も激しく、特にその中でも最初に導入されたハイモ230-301号車などは、あとどの位活躍し続けるのかも気になります。

あとハイモ230-301号車側面には「いつまでも走れ、未来へと…」と記され、貨物輸送の廃止で樽見鉄道の経営状況も芳しくないと言われていますが、近隣を走る私鉄(こちらは県都へとつながっており、樽見鉄道よりも運行頻度や乗客数はずっと多いものでした)の廃線もあった事などを考えると、その二の舞になる事だけは避けて欲しいと感じるものです。


樽見鉄道 ハイモ230-314号車~「モレラ岐阜」広告車両

2008-08-20 | 鉄道[東海]

 

先日MAKIKYUが中京方面へ出向いた目的の一つに、未乗で残っていた岐阜県内を走る第3セクター鉄道・樽見鉄道と長良川鉄道に乗車する事がありましたが、その内前者で乗車した車両の一つが、ハイモ230形と呼ばれるレールバスです。

この車両は樽見鉄道発足当初に導入された2軸レールバス・ハイモ180形(現在は全て引退)の後継版とも言える存在で、80年代中頃~90年代初頭にかけて計4両が導入されていますが、ハイモ180形が余りに小さ過ぎた事もあって、一応ボギー車となっています。

それでも全長は15m級とかなり小柄で、車内設備もトイレなしのオールロングシート、バス用部品を多用した簡素な印象(この車両に乗車すると天井の低さをはじめ、照明や窓周りなど至る所にバスを連想させられます)が強い車両という事もあって、全線乗り通しでも1時間程度ではさほどの実害は無いとはいえ、居住性はお世辞にも良いとは言えないものです。

ただ「レールバス」と言われるだけあってバス用部品を多用しており、寿命もバス並みである事が災いして、全国各地で第3セクターが発足した昭和末期~平成初頭に導入された同種車両が、新鋭軽快気動車への代替などで次々と退役していく中で、今でもこの様な車両が主力として活躍している路線は少なくなって来ています。

そのためこの様な車両は希少な存在になりつつありますので、20年程前の第3セクター鉄道が次々と誕生した頃を思わせる車両という点では、希少な存在になりつつありますし、また樽見鉄道にはその後導入された新形式もありますので、乗り比べも面白いものです。

またハイモ230形は、各車両毎に増備時期が異なる事もあって、車両毎に細部が少しずつ異なっており、外観塗装も車両毎に全て異なっているのも特徴ですが、MAKIKYUが乗車した車両は沿線の大型ショッピングモールで、至近に同駅名の停留所も存在する「モレラ岐阜」の広告車両で、この様を見ていると広告車両を別としても、標準塗装は一体どれなのか?と感じてしまう程でした。
(樽見鉄道の標準塗装は一応水色と赤色ですが、広告車両以外に池田満寿夫デザインの車両も複数走っており、現役車両は少数ながらも彩り豊かです)

ちなみにMAKIKYUが樽見鉄道に乗車した際は、一応全国版の時刻表上では大垣~樽見間を走る一本の列車の様に扱われていながらも、途中の車庫所在駅・本巣で車両交換となるダイヤに当たり、本巣以遠は別の車両に乗換えとなったのですが、これは運行本数も限られ、乗車機会も余りない樽見鉄道で様々な車両に乗車するには絶好の機会で、本巣以遠で乗車した車両に関しては、近日中に追って別記事で取り上げたいと思います。

写真はMAKIKYUが乗車した「モレラ岐阜」広告車両のハイモ230-314号車と、その車内の様子です。


静岡駅前に現れた富士急高速バス~PASMO/Suicaは使えますが…

2008-08-18 | バス[東海]

先日MAKIKYUは青春18きっぷで名古屋・岐阜方面へ出向いたいましたが、その際に途中下車した静岡駅では、丁度駅前に富士山へ向かう富士急の高速バスが…

静岡市内を走る路線バスは、一般路線に関しては専ら静鉄グループのしずてつジャストラインが運行しており、静岡県内の富士急グループ運行範囲は富士・富士宮・沼津・御殿場などの富士山周辺ともいえる県東部となっています。

静岡駅前を発着する高速バスも、東名ハイウェイバスはJRグループによる運行ですので、静岡駅での富士急の存在感は非常に薄いですが、その上やって来た車両が奇抜なキャラクターデザイン(前面中央に描かれたキャラクターが、持っている文字にも注目)となっていましたので、静岡駅前では珍しい富士急のバスが、尚更目立つ状況となっていました。

ちなみにこのバスは静岡駅前を発着していながらも、富士急がPASMO加盟事業者という事もあって、首都圏の鉄道・路線バスで幅広く通用するPASMO/Suicaも通用し、その事を告知するステッカーもしっかり貼られていますが、MAKIKYUは今回旅程の関係もあってこのバスに乗車こそしなかったものの、記念にPASMOへのチャージ(履歴が残ります)もしたものです。

ただ静岡ではJR線でSuicaの利用こそ可能なものの、PASMOは通用しませんし、一方地場で発売しているJRのICカード(TOICA)はPASMOエリアでの利用が出来ませんので、富士急の牙城ともいえる県東部でもPASMO利用者がどの程度いるのか気になりますし、静岡駅発車時点でPASMOでの乗車と見られる乗客の姿も見なかった事から、静岡市内でのPASMO利用はまず…という感じでした。

また静岡では現在静岡~清水間の電車と、周辺一帯の路線バスを運行する静鉄グループがスルッとKANSAIに加盟している事から、独自カードのLuLuCa(静鉄のみ通用)以外に、名古屋圏の近鉄と同様にPiTaPa!及び相互利用を行っているICOCAの利用が可能(TOICAは不可)になっており、PiTaPa!はJR東海での利用こそ不可能なものの、ICOCAはJR東海(TOICAエリア)の利用も可能になっています。

そのため現在JRが発行するICカードの中では、ICOCAが名古屋圏・静岡圏双方のJR東海エリア内では最も利便性の高いICカードという状況になっており、静岡県東部では富士急グループ路線バスの利用、また県東部から比較的至近なエリアを走る小田急線・箱根登山バスなどをはじめとする首都圏私鉄・バスなどの利用や、首都圏JR線でのSuicaグリーン券システム利用(TOICAは可能ですが、ICOCAでは不可です)を考えると、Suicaの利便性も高いと言えます。

定期券の組み込みを別とすれば、地場で発売しているICカード(TOICA)は、現在相互利用を行っているJR3社が発行するICカード乗車券の中で最も後発にも関わらず、最も使い勝手が悪いという皮肉な結果になっています。

現在行っているICカードの相互利用範囲を拡大(ICOCA・Suica・TOICA・PASMO・PiTaPa!の各ICカードエリア全てで相互利用を行うのは、運賃収受体系が特殊なPiTaPa!の他エリア利用を除くと、システム的にもさほど難はなさそうな気がします)し、利用路線毎にICカードを使い分ける状況(特にICカードは一部の例外(エクスプレスICカード+ICOCAなど)を除き2枚以上重ねての使用が不可ですので、日頃ICOCAとPASMOを使い分けているMAKIKYUも、利用時にはわざわざ利用するICカードを財布から取り出す状況ですので尚更です)から早く開放される事に期待したいと感じたものです。


このつり革は?~つり革の取り付け方法に注目

2008-08-17 | Weblog

14日~16日(昨日)までの3日間、MAKIKYUは青春18きっぷを使って少々遠出しており、その事もあって「MAKIKYUのページ」更新も…という状況ですが、近日中に3日間の旅行中に乗車した列車やバスなどに関する記事も取り上げて行きたいと思っています。
(他にもネタは山積しており、最近多忙な事もあって記事作成が追いつかないのですが…)

ところで3日間の旅行中は、青春18きっぷで乗車できるJR線以外にも、幾つかの私鉄や路線バスなどを利用したのですが、青春18きっぷとは別途で乗車した私鉄の中には、つり革の取り付け方法が某鉄道ではよく見られるものの、他鉄道ではあまり見られない独特な形態となっているモノも散見したもので、写真も某鉄道のとある車両に乗車した際のものです。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、写真を見ただけで「MAKIKYUがどの辺りへ出かけたか」を割り出せる方も居られるかと思いますし、中には毎日乗っている電車が…という方もいるかと思います。

一応クイズ記事として掲載したいと思いますが、どの路線を走っている電車であるかなどの回答に関しましては、コメント欄にコメントを頂く形で募り、明日夕方~夜にかけて公開したいと思います。

ちなみにヒントは、車番とその字体が特徴的な事と、この写真の車両は平成生まれらしくない走行音を奏でている事が挙げられます。


日の丸自動車興業・スカイバスTOKYO~決して割安なバスではありませんが…

2008-08-14 | バス[首都圏]

   

昨日「MAKIKYUのページ」では東京駅周辺を走る無料循環バス「丸の内シャトル」に関する記事を取り上げましたが、MAKIKYUが今月初めにこのバスに乗車した際には、このバスは日の丸自動車興業が運行受託している事もあって、車内にもスカイバスTOKYOの案内パンフが置かれていました。

また「丸の内シャトル」乗車時には、東京駅近くの乗り場に停車しているスカイバスTOKYOの実車を目にする機会もありましたが、ここで次発便の空席を聞いた所、その時はまだ空席があるとの事で、せっかくの機会という事でMAKIKYUも乗車しましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

スカイバスTOKYOとは、東京駅を起終点に皇居周辺などを約50分程で廻る遊覧バスで、運賃は1200円を要しますので、東京駅周辺を走り運賃無料の「丸の内シャトル」や、200円均一の都営観光路線バス「東京→夢の下町」などと異なり、決して割安なバスとは言い難いものです。

ただ天井のない2階建てバスを用いており、スカイバスという名前の由来もここから来ている様ですが、こんな車両は国内各地を探しても他に類がなく、日本初を謳っているだけあって、個性の強さと希少性は「丸の内シャトル」や「東京→夢の下町」に劣らないものがあります。

このバスに乗車すると、2階建てで車高が比較的高い事もあり、2階席の天井から街路樹の枝などが手に届くような状況ですので、走行中はシートベルト着用と共に、立ち上がったり手などを伸ばさない様に案内している点は、このバスならではと言えます。

また天井のないバスですので、当然2階席には冷房の設置もありませんが、その代わりにうちわを配布している点も独特ですし、スカイバスTOKYOのベース車両自体も国産車両ではなく、かつて上野~浅草間で活躍していたNEOPLAN製2階建て車両ですので、その点でも希少な存在ですので、この車両は元が路線用だけにさほど豪華な車両ではありません(グレード的には香港などでゴロゴロしている2階建てバスと同レベルで、座席は背もたれの低いビニール張り座席が並んでいます)が、遠方から東京を訪問した観光客でなくても、一度乗車するだけの価値は充分にあるものと感じたものです。

ちなみにこのバスの乗車方法は、2階席からの展望を売りにしている事もあって、予約順に列に並ぶ方式になっており、予約の早い乗車券を持っている人から順に好きな座席を選べる方式となっていますが、乗車券を持っていても発車10分前の集合時間に現れず、発車直前に飛び乗ろうとすると、予約順に関係なく余った座席のみという事になりますので要注意です。

写真はスカイバスTOKYOの使用車両(これと若干異なる車両も走っています)と2階席車内、走行中の車内から眺めた車窓の様子です。


丸の内を走る無料巡回バス・「丸の内シャトル」~無料バスとはいえ使用車両は…

2008-08-12 | バス[首都圏]

 

先日「MAKIKYUのページ」では東京駅(丸の内北口)~両国駅間を走る都営バスの観光路線バス・東京→夢の下町に関して取り上げ、この路線で使用される専用車両は異色の存在ですが、このバスの起点となる東京駅丸の内口周辺では、更に異色な存在のバスが走っています。

東京→夢の下町よりも…というと、どんなバスだろうかと気になる方も居られるかと思いますし、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にご存知の方も居られるかと思いますが、東京→夢の下町を凌ぐ程の異色なバスとは、左右非対称の特徴的な前面形状を持つニュージーランド・Designline製のノンステップ車両で、外観だけでなく内装の作りも、日本の一般路線バスとは大きく異なっています。

この様な車両は日本では殆ど走っておらず、見かける機会もなかなかないだけに、非常に存在感を感じるものですが、もう運行開始から5年を経ているにも関わらず、この特異な車両はまだ日本の国産路線バスでは出回り始めたばかりの、シリーズ式ハイブリッドバスとなっている事も大きな特徴となっています。

またこのバスが運行される「丸の内シャトル」と呼ばれる路線は、東京駅(三菱ビル・新丸ビル)や大手町(読売新聞)・日比谷・有楽町(新国際ビル)などを循環運行しています。

日の丸自動車興業が運行を行っているこの路線は、昼間概ね15分間隔程度で運行していますが、運行経費を沿線企業などの協賛金で賄っている事もあって、運賃は無料となっている点も大きな特徴で、このエリアを動き回る際には非常に有難いものです。

あと東京駅周辺では、JRの線路を挟んで反対側の八重洲側でも「メトロリンク日本橋」と呼ばれる同種の無料巡回バス(東京駅八重洲口・日本橋駅・新日本橋駅・宝町駅などを循環運行)が走っており、こちらでもこの特異な車両が活躍しています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も東京駅周辺へ行かれる機会がありましたら、是非日本の路線バスとは大きく様相の異なるニュージーランド製ハイブリッドバスに乗車してみては如何でしょうか?


イブニングライナーに乗車して~料金設定などを考えるとまずまずですが…

2008-08-09 | 北総監獄

昨日「MAKIKYUのページ」では、京成電鉄AE100形電車に関して取り上げましたが、この車両を用いる列車はメインの空港連絡特急「スカイライナー」の他に、朝の上りに運転される「モーニングライナー」、夕方の下りに運転される「イブニングライナー」があります。

「スカイライナー」は920円もの特急料金が必要(途中の船橋乗降でも500円)なのに対し、残りの2列車は停車駅などが異なるものの、同じ車両で400円の特急料金で乗車出来ますし、「モーニングライナー」は時間的に乗車も…という状況ながら、「イブニングライナー」は時間的にも丁度良いという事で、昨日MAKIKYUは「イブニングライナー」でAE100形に乗車してきました。

「モーニングライナー」「イブニングライナー」は特急料金や停車駅以外に、座席指定ではなく座席定員制となっている事も、「スカイライナー」との大きな違いといえるのですが、MAKIKYUが「イブニングライナー」に乗車した始発の京成上野駅では、列車入線前(発車の15分以上前)から乗車口に列が出来る状況で、未だに限られた乗車口からの乗車時に入鋏を行っている状況ですので、座席数自体は確保されているものの、指定号車の乗車位置(京成上野駅乗車の場合は1~3号車)に早く並ばないと、任意の座席にありつけないのは難点です。

  

特急券も「スカイライナー」と異なり、スカイライナー特急券の自動発売機では取り扱っておらず、それどころか京成上野駅では「イブニングライナー特急券は改札を入り、ホームにある特急券売機でお買い求め下さい」という案内まで出ている有様で、乗車前に事前に特急券を…と思っても、随分不便なのは気になったもので、その特急券も普通乗車券サイズ(それでも京成独自の地紋が用いられているのは注目です)の小柄なモノ(スカイライナーは定期券サイズ)になっているなど、スカイライナーとは同じ車両を用いながらも、様々な点で扱いが異なっています。

そしてAE100形に初めて乗車した感想としては、有料特急では標準的な回転式リクライニングシートが並ぶ車内は、座席の間隔等はまあまあといった所で、リクライニングの角度もそこそこですので、居住性は決して悪くない気がしましたが、座席下部は比較的古いタイプの座席を装備した特急車両の典型ともいえる、足を伸ばせない構造となっているのは難点といえます。

これは欧米などからやって来た大柄な外国人などが乗車したら、余り芳しくない評価を受けそうで、欧米人などは逆向きも割合平気な様ですので、日本や韓国で評判が思わしくない固定式座席を装備した車両の方が、足元が広くて良いと捉える向きもありそうです。
(MAKIKYUとしては大半の車両が固定式座席で、非常に高い特急料金がかかるAE100形の競合列車には、とても乗車する気にはなれないのですが…)

 

座席上の荷棚以外に各車両端に設けられた荷物棚などは、如何にも空港連絡特急らしいと感じたものですが、車内のデザインは全体的に機能本位に出来ており、有料特急車としての華やかさには欠けるのでは…と感じたもので、これは西の私鉄空港特急(南海ラピート)の内外共に強烈過ぎる個性的なイメージと比べてしまうからなのかもしれません。

また8両もの編成にも関わらず、トイレが中程の4号車のみにしか設けられていない事(この号車内に幾つかが集約された構造になっています)は不便に感じたと共に、未だに喫煙車を2両(1・8号車と両車端で通り抜ける事がないのは幸いですが…)も連結していますので、この様な問題点は、既に車両デザインが発表されている新AE車で改善される事に期待すると共に、時代の趨勢や、現状ではせいぜい1時間程度と比較的短い乗車時間などを考えると、喫煙車は直ぐにでも止めて欲しいと感じたものです。

この様に今後の改善に期待したい部分や、特急券発売方法などで「イブニングライナー」は「スカイライナー」との格差を感じた面もありますが、運行時間帯の関係で車窓を楽しむのは厳しいものの、AE100形へのお試し乗車目的であれば充分過ぎるもので、イブニングライナーの運賃+特急料金の合計は、MAKIKYUが昨日乗車した京成上野~京成成田間61.2kmでは、運賃810円+特急料金400円(合計1210円)となります。
(スカイライナーの場合は特急料金920円ですので、運賃+特急料金の合計は1730円)

ちなみに他私鉄の同程度の距離で、運賃+特急料金(名鉄は特別車料金)の合計を比較すると… 

小田急・新宿~秦野 61.7km 650+600=1250円 
東武・北千住~館林 67.5km 780+1000=1780円
名鉄・神宮前~豊橋 62.2km 1020+350=1370円
近鉄・鶴橋~名張 66.1km 980+870=1850円

といった具合で、イブニングライナーでは比較的運賃の安い小田急や、運賃は高いものの実質的な特急料金といえる特別車料金が、長距離乗車では比較的割安になる名鉄とほぼ同水準と言えますので、この程度の料金であれば悪くないものと感じましたが、スカイライナーの特急料金は海外へ飛ぶ人間をターゲットにしているだけあって、私鉄特急の中でも割高な部類に入る東武や近鉄に匹敵し、決して安いとは言えない状況です。
(それでも成田空港~東京都心で競合する特急列車やリムジンバスなどに比べれば、まだ割安な部類に入るのですが…)

今後高額運賃で知られ、北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)を走る様になれば、高速運転による所要時間短縮や、新型車導入によるサービス向上が行われるにしても、現在のスカイライナー以上の運賃+特急料金を要する事になるのはほぼ確実かと思いますので、どの程度の運賃設定になるのか気になるものです。
 
それと余談ながら、現在「開発を止めた某鉄道」で走っている特急列車は、京成を含む複数社局に跨って運転される要因もあるにしろ、印旛日本医大~西馬込間57.5kmで1270円を要していますので、これは特急料金不要とはいえ、車両の質を考えると論外(特に「開発を止めた某鉄道」の車両の場合は尚更)と感じていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は、如何感じているでしょうか?


京成電鉄 AE100形電車~今後の去就が注目される空港特急用車両

2008-08-08 | 北総監獄

今日MAKIKYUは所用で千葉県方面へ出向き、上野から京成電鉄を利用したのですが、今までその姿を幾度も見ていながらも、主たる用途が空港連絡用というMAKIKYUとは無縁の世界という事(それでも南海ラピートには2回程乗車していますが…)や、その気になれば近場でいつでも乗車する事が…という事で、なかなか乗車する機会がなかった有料特急用車両・AE100形電車に乗車する機会がありましたので、少々取り上げたいと思います。

この車両は90年代前半に、スカイライナーの輸送力増強や、初代スカイライナー(AE形)の代替で導入された有料特急用車両で、京成電鉄では初めて本格的にVVVFインバーター制御を取り入れた車両(それ以前にも試行的に改造した車両があり、この車両は近年退役しています)にもなっています。

その後通勤型車両・3700形や、高額運賃で有名な北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の一部車両でも、ほぼ同等の下回りを用いた車両が導入されていますので、性能的には通勤車両と大差なく、走行音もMAKIKYUにとって初めて乗車する車両でありながらも、聞き慣れた音が聞こえて来ますので、何となく奇妙な感じがしたものです。

AE100形より後に導入開始された3700形などは、地下鉄直通にも用いられている車両ですし、AE100形自体も前面に非常用貫通路が設けられている事もあって、車両自体は地下鉄浅草線直通も可能な設計となっており、浅草線を介して成田空港~羽田空港間の京成・都営・京急3社に跨る有料特急でも走らせれば、それなりに需要もありそうな気がしますが、地下鉄直通の有料特急が小田急~東京メトロ千代田線の間で運行される様になった今日でも、未だに浅草線直通有料特急が登場する話は出ておらず、登場以来ずっと京成線内のみで活躍し続ける状況になっています。

それどころか現在「開発を止めた某鉄道」を延伸し、成田空港へのバイパスルートを建設する工事が現在行われており、この新ルートが完成・開業した暁には、高速運転に対応した空港連絡用新型特急車両の導入が公式に発表されており、AE100形は空港連絡輸送の主力から外れる事は、ほぼ確実な情勢となっています。

新ルート開業後も京成線内の有料特急として用いられるのか、それとも先代AE形の様に下回りを通勤車両に譲って退役してしまうのかも気になる所で、今後の去就が非常に気になる車両ですが、車齢を考えればまだ使える車両ですし、比較的近年になって客室リニューアルなども行われていますので、出来る事であれば車両スペックを生かして、地下鉄直通有料特急として活躍する事を願いたいもので、それが叶わないとしても、京成線内での活躍に期待したいものです。

あと近日中に別記事で、AE100形使用列車に乗車した際の感想などを記したいと思います。


都営バス・東京→夢の下町~異色の観光路線バスは…

2008-08-06 | バス[首都圏]

   

先日MAKIKYUが東京都心へ出向いた際には、東京都交通局の各交通機関(上野モノレールを除く)が乗り放題となる「都営まるごときっぷ」を使って都内を動き回っていたのですが、その際には4月に運行を開始した観光路線バス「東京→夢の下町」に乗車する機会もありましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

「東京→夢の下町」は東京駅(丸ノ内北口)~両国駅間を、日本橋・秋葉原・上野・合羽橋(Kappabashi)・浅草を経由して運行するバスで、「S-1」という系統が付けられていますが、昼間30分間隔という分かりやすい運転間隔で運転されるこの路線は、観光路線バスとは言っても通常の23区内都営バスと同じ200円均一で乗車でき、バス共通カードやPASMOでの利用は勿論、割安な「都営まるごときっぷ」などの一日乗車券や、フリーカード(23区内都営バス全線が乗車可能な定期券:通勤用は持参式)などでも乗車できる点は、非常に有難いものです。

車両も首都大学東京との産学連携によるデザインのバスを使用しており、ステンレスの外板が目を引くレトロ調デザインは、一般の都バスとは全くの別物ですので、一目で「東京→夢の下町」である事が識別でき、観光路線バスに相応しいものと言えますが、これが新造車両ではなく、一般の都営バスで使用していた日野製ノンステップの中型ロング車・レインボーHRの改造である点は驚かされ、よくここまで改造したものと感心させられます。
(普通に考えればこれだけ特徴的なバスは、路線車ベースにしても最初からこの様な形態で登場します(中型中古車を改造した松本電鉄100円バスなどの例外はありますが…)し、排ガス規制が厳しく車両使用年数が限られる大都市圏では尚更という気がするのですが…)

このバスは外観だけでなく、車内もかなり特徴的なものとなっており、ゆったりとした配列の座席や間接式の照明などは、都バスをはじめとする一般路線バスとは随分異なるものですが、つり革に至るまで独自のモノを用いている程で、車両デザインに関しては相当なこだわりを感じさせられます。

また現代の水準に見合う観光路線バスという事で、バリアフリー対応などは勿論ですが、日本語以外にEnglish・한국어・中国語の4ヶ国語で案内放送を行い、LCDモニターでもこれらの案内を行っていますが、これは日本の公共交通機関の外国語対応では、一般的レベルといえるLEDによる英語字幕案内のみの都バス一般路線や、自動放送による英語放送(浅草線と新宿線に乗り入れる京王車両を除く)とLEDによる英語字幕案内が行われている都営地下鉄などに比べて、外国人観光客への対応という観点では非常に優れており、国際都市・東京に相応しい観光路線バスと言えます。

一般路線と同等の運賃で乗車でき、割安な一日乗車券類なども通用する路線で、これだけの多言語によるサービスを行っている点は、非常に評価できると感じたもので、隣国の首都・Seoulを走る観光向け路線バス(Seoul City Tour:MAKIKYUは乗車した事はありませんが、日本語による放送も行われている様です)などは一般路線とは別運賃で、非常に割高な価格設定(現地の物価はおろか、日本の感覚から考えても…)となっており、一般路線バスとは乗車券類の互換性などもありませんので、「東京→夢の下町」を見習って欲しいと感じたものですが、外国語案内放送の内容は、한국어の次停留所案内で、彼の地では一般的な「이번」(イボン)ではなく、一つ先の停留所を案内(韓国の市内バス車内放送では、次の停留所名を案内した後に、その次の停留所名を案内する放送が一般的です)する際によく用いられる「다음」(タウム)を用いている点などは、外国語には疎いMAKIKYUでも少々違和感を感じるものでした。
(彼の地からの訪問客が乗車した際は、意味は一応通じそうですが…)

あと「東京→夢の下町」は停車停留所数を絞り、実質的に急行運転を行っていると言っても過言ではない運行形態となっていますので、速達性と共に、観光客向けに鉄道並みの分かり易さを実現しており、車内で日本語をはじめ、English・한국어・中国語による路線沿線の案内パンフを配布するなど、案内面は至れり尽くせりという感があります。

東京に慣れている方は勿論、東京での路線バス乗車は初めて…という地方や海外からの訪問者にもおススメできる路線と感じましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、割安価格で多種多様な交通機関への乗車が楽しめる「都営まるごときっぷ」などで東京を廻られる機会がありましたら、是非「東京→夢の下町」への乗車を検討してみては如何でしょうか?