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Twilight Express・遂に廃止~バス車内でもこのニュースが…

2014-05-29 | 鉄道[近畿・JR]

現在日本国内における最長旅客列車(運行距離・所要時間の双方)としても知られ、大阪~札幌間(北陸本線・羽越本線・室蘭本線経由)を運行しているJR西日本の寝台特急列車「Twilight Express(トライライトエクスプレス)」の来年春限りでの運行廃止が遂に正式発表され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でもご存知の方は少なくないかと思います。

Twilight Expressは近年運行開始したばかりの超豪華クルーズトレイン「ななつ星」などに比べれば、既存寝台車両の改造車だけあって、設備面などでの見劣りは否めませんが、この列車とJR東日本の「カシオペア」を除けば、日本国内の列車ではかなり豪華な部類に入る列車かと思います。

MAKIKYUは日頃首都圏に身を置いている事もあり、北海道へ向かう寝台列車も「北斗星」は何度か利用した事があるのですが、Twilight Expressは運行区間の関係もあってか、何度か姿を見た事はあるものの乗車した事はなく、来年春までの運行となるとそれまでの間に乗車する機会も…という状況です。

既存寝台車両の改造車であるが故に、車両の老朽化が進んでおり、今後青函トンネルの新幹線対応や北陸本線の一部区間移管なども絡むと、廃止の情報自体は何時報じられても不思議ではなく、遂に公式情報が出たと感じたものでした。

現状や今後の状況を踏まえると、廃止自体は止むなしとも感じますが、列車の設備面に加えて、日本海に沈む夕日を眺められる海沿い区間を走るなど、運行路線・区間も注目の列車ですので、今後直接的な代替列車の設定は難しいにしても、今後JR西日本でも登場予定となっているクルーズトレインの運行において、Twilight Expressの運行区間を意識した列車設定が行われるのか否かも気になる所です。
(ただTwilight Expressの運行区間は、今後第3セクターに移管される区間や、JR東日本区間など他社区間も多い状況ですので、物理的制約はないにしても、自社線内運行に比べるとハードルは高くなります)

ちなみにこのニュースは、昨日MAKIKYUが乗車した首都圏某大手民営バス車内のモニター(デジタルサイネージ)でも報じられており、写真はモニターに表示されたTwilight Express廃止を報じるニュース画面ですが、この画面では廃止理由を「車両の老朽化が理由」と報じており、他の理由もあるにしろ、主因である事は確かだと思います。

この様な情報が出てくるとなると、状況が比較的類似している「北斗星」の動向も気になりますが、こちらも現状が長く続く事は考え難く、今後の展開が気になるものです。


(お断り)Twilight Expressの運行地域は近畿~北陸~東北~北海道と多岐に跨り、デジタルサイネージのニュース記事は運行地域とは異なるエリアを運行する路線バス車内で撮影したものですが、起点かつJR西日本の拠点が大阪となりますので、この記事は「近畿」扱いとさせて頂きます。


丸濱産業(有)奈留島バス~小さな島を走るマイクロバス

2014-05-28 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、五島旅客船「ニューたいよう」に関して取り上げましたが、この高速船が寄港する奈留島は、島の名前を聞く事自体が初めてと言う方も少なくないかと思います。

奈留島は五島列島の中でも大きな島である中通島と福江島のほぼ中間辺りに位置しており、一応博多と長崎を発着するフェリーも1日1回ずつ寄港するのですが、それ以外の島外とを結ぶ航路は専ら福江発着(福江~奈留間or福江~奈留~若松島間)となっています。

本土と奈留島の間を直結する高速船などはありませんので、非常に足を運び難い島で、「離島の離島」と言っても過言ではない状況です。

以前は島全体が「奈留町」という一つの自治体でしたが、近年の市町村合併により、現在は福江島などと同じ「五島市」の一部となっています。

かつては人口1万人程度を数えた事もある様ですが、現在の人口は3000人台となっており、島内にある信号機は1つだけであるなど、典型的な離島となっています。

しかし小さな島とは言えども、港などのある中心部から島内全域へ徒歩で移動できる程ではなく、離島にしてはそれなりの人口もある事から、少ないながらも中心部から島内各地への路線バス運行もあり、丸濱産業という事業者が運行を行っています。

丸濱産業は奈留島内でタクシー運行も行っている事業者で、路線バスは車体に事業社名ではなく、通称の「奈留島バス」と標記しているのも大きな特徴ですが、バス車内にはきちんと「丸濱産業有限会社」の社名標記も存在しています。


島内の道路事情は、中心部でも車両同士の行き違いが困難な箇所も存在し、バス路線経路中に狭い曲がり角などもある事から、使用車両は過疎地の路線バスでは典型的なマイクロバスとなっていますが、専らいすず車が使用され、それも観光バスを連想させる様な車高の高い車両が主体となっています。

 
MAKIKYUが奈留島バスに乗車した際も、この車高が高い車両に当たり、このタイプが奈留島バスの主力になっていますが、車高が高いだけでなく床面も高床ですので、ステップ数も多く、乗降の際も観光バスや都市間バスを連想させる状況でした。


しかしながら観光バスの様な見た目の車両ながら、乗車時間は全区間を乗り通してもさほど長くない事から、座席は簡素な印象のビニール張りとなっているのも特徴で、利用者も殆どが島内客という事もあってか、車内放送案内などが存在しない辺りも、小さな島を走る路線バスらしいと感じたものでした。

ただMAKIKYUが乗車した車両では、多区間後払い制という事もあってか、当然ながら整理券発行機が装備されている他、次停留所名も文字案内されるデジタル運賃表示器や、自動両替装置付運賃箱などは備えられていました。


また運行車両だけでなく、バス停ポールや車両の行き先案内なども簡素なものとなっており、市町村合併で奈留島町役場は存在しないにも関わらず、今日でも「役場前」という名前のバス停が残存している辺りなども、離島のバスらしさを感じたものです。

車両前面に表示される行先案内も、汐池方面の循環路線では「汐池」表示のみであるなど、路線自体が限られる小さな島の中を走る路線バスらしいと感じたもので、奈留島港ターミナルへ向かう便に関しては、「波止場」という行先表示を出しているのも大きな特徴です。


専ら航路時刻に合わせた運行という事もあってか、早朝や深夜などの運行時間外以外でも、路線バスが運行されない時間帯も存在しており、その時間は港から中心部へ向かって歩き、旧役場などのある島内中心部を抜けた所に位置する営業所(港からは徒歩で移動すると20分程度です)に、路線バス車両が勢揃いする光景を見る事も出来ます。


車庫内に停車している車両の中には、MAKIKYUが乗車した車高の高いバスではなく、年式的にもやや古く、車高も他車両より低い車両も1台停車していましたが、こちらは自動両替器付運賃箱などの装備はなく、小さな島の中を走る小規模なバスながらも、全く同一の車両のみで揃えているのではなく、バリエーションが存在するのも特徴です。

この奈留島バスは主に島内住民向けに運行している事もあってか、丸濱産業のHPなどは見当たらないどころか、ネット上でダイヤを検索してもなかなかヒットせず、MAKIKYUも実際に奈留島へ足を運び、奈留島港ターミナル内の観光案内所でようやく運行時刻表を入手できるという有様でした。


そのため奈留島の路線バス時刻を知りたくても、なかなか情報が…という方も居られるかもしれませんので、バス車内に貼り出されていた運行時刻表の画像(2014年3月撮影)を公開しますので、もし奈留島へ足を運び、島内路線バスに乗車する計画を立てている方が居られましたら、参考にして頂けると幸いです。
(この画像はMAKIKYUが任意で公開した非公式情報です。
今後ダイヤ変更などがあるかもしれませんが、この時刻表を基に行動され、画像と異なるダイヤで路線バスが運行された場合に蒙った損害などに関しては、MAKIKYUは一切責任を負いませんので、悪しからずご了承下さい)


五島旅客船「ニューたいよう」~離島間を結ぶ高速船

2014-05-25 | 船舶[日本国内]

3月にMAKIKYUが長崎県の五島列島を訪問した際には、行きは福岡(博多)からの野母商船「太古」を利用して青方(中通島)へ向かい、帰りは福江から長崎へ九州商船のジェットフォイル「ぺがさす」を利用したものでした。

「MAKIKYUのページ」でもこの2つの船に関しては、既に取り上げていますが、MAKIKYUが3月に五島列島へ足を運んだ際には、この2つの船以外に上五島(新五島町)~下五島(五島市)間を結ぶ旅客航路にも乗船しています。

五島列島各島のアクセスは、新上五島町に属する中通島と若松島の間に若松大橋が架かり、両島間を自家用車や路線バスなどで移動可能な他は、専ら船での移動となり、新上五島町~五島市間を移動するとなると、ほぼ確実に何らかの船に乗船する事になります。
(中にはヘリコプター利用と言う事例も稀にあるかもしれませんが、少なくとも公共交通機関利用となれば、定期航路が唯一の足となります)

両市間の移動では、青方・若松~奈留・福江間で「太古」に乗船したり、奈良尾~福江間で「ぺがさす」に乗船して移動する事や、「ぺがさす」と同じ九州商船が運航するフェリーで奈良尾~福江間などを移動する事も勿論可能ですが、これ以外にも若松・土井ノ浦~奈留~福江間を運航する五島列島内のみのローカル航路も存在しています。

このローカル航路は「五島旅客船」という事業者が運航しており、同社はHPも存在しない上に、五島列島内のみのローカル航路を運航する事業者と言う事もあり、九州商船などに比べると知名度は劣りますが、新上五島町~五島市間の定期航路は各船合わせても便数は決して多いとは言い難い状況ですので、利用時間などによっては非常に重宝する存在です。


この五島旅客船が運航する航路で就航している船の一つに、「ニューたいよう」と呼ばれる高速船があり、MAKIKYUはこの船を利用して若松島・土井ノ浦~福江間を移動したものでした。


MAKIKYUが「ニューたいよう」に乗船した際には、途中で寄港する奈留島で一旦下船し、島内を廻った後再び「ニューたいよう」に乗船したのですが、写真は土井ノ浦~奈留間で「ニューたいよう」に乗船した際の乗船券で、短距離航路と言う事もあってか、乗船券(乗下船時に回収されてしまいますので、手元には残らず画像だけです)も割合シンプルな印象を受けたものでした。

「ニューたいよう」が寄港する奈留島は、辛うじて本土と直結するフェリーの運航も存在するものの、ジェットフォイルなどの就航はなく、「離島の離島」と言っても過言ではない程足を運び難い島になっており、若松島も一応若松大橋によって中通島と繋がっているものの、こちらも「離島の離島」と言っても良い位の状況です。


そのためかなりのローカル航路とも言えるのですが、「ニューたいよう」は2000年就航と決して新しいとは言い難い船ながらも、船内も比較的綺麗と感じたものです。


船内客室は高速船だけあり、座席主体となっているものの、前方にはカーペット敷き区画も設けられています。

 
航海中に客室からデッキへ出る事も可能であるなど、ジェットフォイルに比べるとゆとりを感じたもので、デッキには郵便輸送用のボックスも設置され、これも離島間航路らしい光景と感じたものでした。

船体の関係もあって、「ニューたいよう」では自動車航走こそ出来ませんが、高速船ならではの俊足(ジェットフォイル程ではありませんが…)と共に、離島間の足としては比較的ハイレベルなサービスを提供している部類と感じ、海況が穏やかであれば、この船で本土~五島間を乗船しても良いのでは…と感じる程でした。


また五島旅客船では「ニューたいよう」と共に、「オーシャン」という名称のフェリーも若松~奈留~福江間で運航しており、こちらは各島間の所要時間こそ「ニューたいよう」より長くなるものの、フェリーだけあって自家用車の航走も可能となっています。

MAKIKYUはダイヤの関係で「オーシャン」に乗船する機会はなく、若松や奈留へ足を運ぶ機会自体もそう滅多にないと思いますので、今後も乗船機会はなさそうな気がしますが、もしまた奈留などへ足を運ぶ機会があれば、「ニューたいよう」と乗り比べるのも…と感じたものでした。


九州商船・ジェットフォイル「ぺがさす」~福江島へ向かう最速航路

2014-05-21 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUが3月に「太古」で五島列島入りし、各島を廻った際には、往路は博多~五島列島へ向かう野母商船のフェリー「太古」に乗船し、既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、本土へ帰還する際には、九州郵船のジェットフォイル・ぺがさすを利用したものでした。

九州郵船は長崎~福江間をはじめ、佐世保~有川(中通島)間などにもフェリーや高速船を運航しており、本土~五島列島間を移動する場合、同社の航路利用が最もメジャーな方法となります。

その中でもジェットフォイル・ぺがさすは花形的存在と言っても過言ではなく、長崎~福江間を移動する際には、最速で移動できる交通手段となっています。
(長崎空港~五島福江空港間に小型機による定期航空便もありますが、長崎空港の立地が市内から離れている事も考慮すると、他航空便との乗継利用や大村市周辺~福江間の移動はともかく、長崎市内中心部~福江間の移動であれば、ジェットフォイル利用の方が早く移動できる事が多いです)

運賃も長崎~五島航路はフェリーが近年長崎県の補助による新船就航→運賃値下げが行われた事もあり、これと比べると倍額以上(6000円弱)になりますので、離島航路のジェットフォイル故に決して安いとは言い難いかもしれませんが、それでも国内ジェットフォイルの元祖・佐渡汽船の新潟~両津航路は、長崎~福江間の半分強の距離ながらも6000円超、距離的には長崎~福江間と似た様なレベルの東海汽船・東京(竹芝)~伊豆大島間が7000円超といった事を踏まえると、健闘している部類かと感じます。
(中通島の奈良尾寄港便だと、長崎~奈良尾間では長崎~福江間と同額では少々割高な印象がありますが、こちらは同島の中心となっている青方・有川までの高速船利用者専用シャトルバス運行もあり、奈良尾~青方・有川間のバス運賃が4桁に達する事も考慮すると、シャトルバス利用も含めればそこそこの運賃設定かと思います)


この長崎~福江航路で就航するジェットフォイル・ぺがさすは「ぺがさす」と「ぺがさす2」の2隻が就航しており、両者共に白と緑を基調とした装いに赤いラインが入る装いとなっています。


ただ「ぺがさす」の前面が赤く塗られている部分が、「ぺがさす2」では緑色に塗られ、後部の斜めライン塗り分けも異なるなど、似た様な印象の船ながらも良く見ると船名だけでなく、外観に差異が見受けられるのも興味深いものです。


ちなみにMAKIKYUが乗船したのは「ぺがさす2」の方で、福江→長崎の奈良尾経由便に乗船したものでしたが、ぺがさすは両者共にボーイング製ではなく川崎重工にライセンス移管されてから竣工した事もあってか、側面後部には「KAWASAKI JETOFOIL」の標記が見受けられるのも特徴です。


船内へ足を踏み入れると、座席はリクライニング機能のない比較的簡素なもので、シートピッチも観光バス並みであるなど、余り長時間乗船を想定したものではなく、本土と離島間を速達する事に特化した船と言う印象を受けたもので、設備的には国内航路ジェットフォイルの標準レベルといった所かと思います。

高速航行で本土~離島間を速達する事に特化した船だけに、フェリーの様な充実した飲食や物販などには程遠いものの、船内では菓子類や飲料などの販売も行っていました。


この物販では売店ブースなどは設けておらず、1階出入口近くに冷蔵庫と棚のみが設けられ、係員がこの近くの空席に待機して対応と言うスタイルとなっていたのは特徴的と感じたものでした。


1階からの乗下船となる辺りも、ジェットフォイルでは一般的なもので、ぺがさすでは2階は出入口扉(オプション設定)も存在していないのですが、オプションで出入口扉が設定されることもある2階前部には、向かい合わせとなる座席も設けられており、この区画は大人数でのグループ利用や、空いていて複数席を利用できる時には良いものの、満席に近い状況で相席となり、逆向きで座る事になるのは…と感じたものでした。

またジェットフォイルでは1階前部座席から前方展望を楽しめる船と、この部分の窓が塞がれている船の双方が存在しているのですが、ぺがさすでは1階前部座席からの前方展望を楽しむ事も可能な構造となっています。


MAKIKYUがぺがさすの乗船券を購入した際には、2階座席が指定されていたのですが、乗務員の方に断りを入れた上で、1階前方の空席を利用したもので、1階前方座席から前面展望が楽しめるジェットフォイルに乗船し、この区画の座席に座れると嬉しいと感じたものでした。

五島へのアクセスはジェットフォイル以外にも複数の手段があり、まだ足を運んでいない所も多数と言う状況ですので、機会があれば再び五島列島へ足を運び、その際には長崎~福江間のフェリーや、佐世保~中通島間を運航する航路などに乗船するのも…と感じたものでした。


三重交通・中勢営業所で活躍する一般路線車

2014-05-18 | バス[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、11日に三重交通・中勢営業所(三重県津市)で開催された「バス感謝祭」に関して取り上げましたが、この会場となった中勢営業所は公共交通の便が芳しいとは言い難い立地である上に、会場内や周辺に駐車場なども設けられていない状況でした。
(一応路線バス運行はあるのですが、営業所出入庫は回送車が多いために運行本数は非常に少なく、とても多数のイベント訪問者に対応できる便数とは言い難い状況です)

そのため主に大阪・名古屋方面などから近鉄線などの公共交通機関を用いて訪問するイベント参加者向けに、津駅西口から概ね10分毎程度の間隔で無料の臨時シャトルバスが運行され、他に自家用車利用者向けにメッセウイング・みえからの無料シャトルバスも運行されていました。

所要時間はどちらも片道20分程度、イベント参加者向けの無料シャトルとしては比較的乗車時間が長い部類に入ると思いますが、MAKIKYUはイベント会場の中勢営業所への往復に、津駅西口からのシャトルバスを利用したものでした。

このシャトルバスはシャトル専属で運行される便だけでなく、通常は回送となるバスを活用しての運行も行われていた様で、その事もあってか多客が見込まれるイベント輸送にも関わらず、収容力の点ではやや劣る中型車などの充当も見受けられたものでした。


充当車両の年式は新旧様々で、乗車車両は往路がV8エンジンを搭載したキュービックの末期車、復路がトルコンAT装備のキュービック初期ノンステップ車、どちらも年式的には大都市圏排ガス規制区域での登録は…という車両ですので、できればなるべく古参車に当たれば嬉しいと感じるMAKIKYUとしては、まあ当たりと言った所でした。

 
復路で乗車したキュービックの初期ノンステップ車は、大型車にしては収容力の面で見劣りが否めないものの、車内の低床空間が広く確保されており、車内後部の段差に関する配慮は評価できると感じたもので、他の便では現在主力となっているエルガの姿などは何台も…という状況でした。


またメッセウイング・みえ発着の無料シャトルバスには、V8エンジン搭載前のキュービックや、事業者限定バスコレ第2弾のモデル車両となった富士重工業7E(これも年式や車長などにバリエーションが存在するのですが…)の姿も見受けられ、営業所内でも数台姿を見かけた7Eは一台位展示した方が…とも感じたものでしたが、こちらの方が古参車充当率が高い様に見受けられたものでした。

 
営業所内では他に三菱の初期大型ノンステップ車や、鈴鹿市のコミュニティバスに充当される鮮やかな装いのリエッセなども見る事ができ、これらは立入禁止区画に停車していましたので、会場内から規制ライン越しに…という状況でしたが、展示車両の撮影は神都バスを除くと…という状況でしたので、車両撮影はこちらの方が…とも感じたものでした。

車両自体は一般的な路線車仕様ながらも、特別塗装の外観故に撮影向きとも言えるリバイバル塗装車などは、規制ラインのすぐ外側で車内非公開状態で展示するか、洗車体験(車庫内での短時間乗車ですので、特に豪華な車両などを充当する価値は低い気がします)に充当しても…と感じたもので、バス感謝祭の車両展示方法や、展示車両選定などは少々難ありと感じたものでした。

ただ中勢営業所は便の悪さなどもあり、日頃首都圏住まいの余所者が訪問する機会はまずない所ですので、津市への訪問自体が限られるMAKIKYUにとっては、先日のバス感謝祭は貴重な機会になったと感じ、首都圏に限らず他地域で開催されるイベント参加も機会があれば…と感じたものでした。


三重交通「バス感謝祭」の様子

2014-05-16 | 交通関連イベント等


先日「MAKIKYUのページ」では、11日に津市内にある三重交通・中勢営業所で開催された同社「バス感謝祭」で展示された「神都バス」に関して取り上げましたが、今日はその続編でそれ以外の展示車両や、会場内の様子などを取り上げたいと思います。

 
神都バス以外で展示対象となった車両は、一般路線車では天然ガスバスやハイブリッドバスなどの低公害車両や、アンパンマンバス・リバイバル塗装車などの特別塗装車が展示されていました。

特に後者は限られた存在で、日頃首都圏に居る身としては、余程運良く遭遇するか狙い撃ちでもしないかぎりは、まず遭遇機会のない車両ですので、神都バスの様に特定時間帯だけドアを閉めて、撮影者の便宜を図る撮影タイムが設けられれば…とも感じたものでした。


アンパンマンバスはファミリー向けイベントへの登板にはうってつけの車両かと思いますが、三重交通の路線車としてはありふれた存在のエルガながらも、座席モケットや注意喚起のステッカーなども特別仕様となっており、大人気を集めていました。
(ただ余り清潔感を感じないキャラクターの図柄もありますので、ここが外れ席として敬遠されないかという問題もありますが…)



三重交通の花形的存在と言え、独立3列席の座席を装備した夜間高速車や、観光バスでは少数派の車椅子対応リフト装備車なども展示されていました。


会場が営業所内という事もあり、車両展示だけでなく整備工場の公開や、洗車体験なども行われており、MAKIKYUは洗車体験には乗車していないのですが、こちらは一般路線車ではなく観光型車両、それも新型ガーラが充当されていました。

この会場内ではスタンプラリーや各種物販なども行われ、飲食物販も営業所周辺の食事処などは…という状況の中勢営業所周辺では必須と言えますが、スタンプラリーのスタンプは文字のみの味気ないもので、これはもう一工夫あっても…と感じたものでした。


スタンプラリーは3箇所のスタンプを押すと、その後抽選会に参加する事ができ、抽選会景品の中にはホテル宿泊券や、ロープウェイ往復券などの豪華景品もありましたが、MAKIKYUが手にしたのは参加賞とも言える70周年記念バスシールでした。
(ただ上級景品は三重県内やその周辺ではないと…というものも幾つもある状況でしたので、余所者にとってはシールの方が…という向きもあるかもしれません)

ちなみにスタンプラリー台紙などと共に写っているバスコレクション(通称バスコレ)は、会場内で発売された事業者限定版の第2弾ですが、今回のイベントではモデル化された2台はどちらも会場展示対象になっていなかったのは少々残念と感じたものです。

また会場への無料シャトルバスをはじめ、中勢営業所で活躍する一般路線車に関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


三重交通グループ70周年記念・バス感謝祭で展示された神都バス

2014-05-13 | 交通関連イベント等

今月11日(日)には三重県の県庁所在地でもある津市の郊外にある三重交通・中勢営業所において、創立70周年記念を兼ねたイベント「バス感謝祭」が開催され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、このイベントへ足を運ばれた方も居られるかと思います。

MAKIKYUは仕事柄休日が一定しておらず、常に土日休みではありませんので、専ら土休日に開催される交通系イベントに関しても、都合が付けば時折足を運ぶ程度という状況ですが、丁度イベント開催日の11日とその前日はたまたま休みでしたので、このバス感謝祭に足を運んだものでした。

ちなみにMAKIKYUがバス関連のイベントへ足を運ぶのは、約1年前に小田急バスが登戸営業所開所を記念し、新装オープンとなる登戸営業所で開催した「小田急バスフェスタ」以来、この日は神奈川県内の他所でも鉄道系イベントが複数開催されましたので、どのイベントに足を運ぶか迷われた方も居られたかと思います。

現在横浜市内に身を置くMAKIKYUにとっては、今回三重交通がイベントを開催した津はちょっと遠いと感じたもので、遠距離を割安に移動できるJRの格安乗車券・青春18きっぷ設定時期からも外れているため、昨年の登戸に比べると、移動交通費も桁が一つ違う状況でした。
(それでも昼過ぎまでイベント会場に身を置きながらも、その後特別料金不要列車のみを乗り継いでの日着も充分可能な状況でしたので、日本国内全体を見渡せば近い方ですが…)

この三重交通のイベントでは、他の同種イベントなどと同様に、様々なバス車両の展示や各種物販などが行われ、会場の中勢営業所は公共交通の便が非常に悪い事もあってか、津駅(西口)などから無料の臨時シャトルバス運行も行われたものでした。

車両展示は近鉄バスや奈良交通、名阪近鉄バスなど近鉄グループ他社の競演などはなく、あくまでも三重交通のみでしたが、その中でも一番の目玉的存在は通常伊勢地区を運行している「神都(Shinto)バス」で、イベント開催日はイベント展示の為に本来の運行をわざわざ運休にした程でした。

車両展示も途中2度の撮影タイム実施が案内されていましたが、見学を一時中止して撮影者の便宜を図ったのは神都バス1台のみ、そして神都バスのエピソードなどを案内するという状況でしたので、三重交通側の神都バスに対する思い入れは相当なモノと感じたものでした。

 
この神都バスは、かつて伊勢市内を走っていた路面電車を模したデザインとなっており、実車運行時は上げないポールや、取り外すライトなどが展示用に用意されており、写真の左側が実車モード/右側が展示モードです。


車両自体はありふれたいすずのワンステップバス・エルガの新車に改造を施したもので、点検などで最後尾のエンジンルームを開ける際には、後部が出っ張った特殊形状故に専用の棒が用意され、この棒でボタンを押す事でエンジンルームの扉を開ける実演も行われたものでした。


また標記類などにも拘りが見受けられるだけでなく、1台だけの特殊車両で車体形状も特異な事もあってか、車両清掃の際には洗車機を通さずに全て手洗い・磨きしている事が案内され、その手入れも相当手間をかけている様です。


車内に足を踏み入れると、木床に青色無地モケットの座席という内装は、個人的には何となく小湊鉄道バスの古参車両を連想したものでしたが、床は昔ながらの独特な匂いを放つ油塗りではなく、もう少し高級感を感じさせるものでした。


木目の化粧板や金メッキの手すり、白熱灯などは昔ながらの車両と言うよりは、近年幾つかの路面電車で見受けられるレトロ調電車の様な雰囲気とも感じたもので、撮影タイムの際にはドアを開閉し、中扉を閉めた直後に路面電車の如く「チンチン」とベルの音が鳴る様も実演されたものでした。

この神都バスは改造費用も含め、1台約7000万円程する様で、この価格は元々高額な車両にソーラーパネルを搭載し、拘りのデザイナーが内装を徹底的にテコ入れした両備バスの未来型バス「SOLARVE」や、神奈中や京成バスなどが導入している輸入連接バス(ベンツ・CITARO)などに匹敵する状況ですので、幾ら大改造を施したレトロ調バスでも、ここまで高額になるのか…とも感じたものです。

設備的には昔の路面電車を模したというだけあり、大半がロングシートで設備的には決して豪華とは言い難い反面、運行時には運賃の他に割増料金を徴収しているのも大きな特徴で、導入費が高額故に…とも感じます。

要特別料金の観光列車は、近年各地で運行され、伊勢・志摩でも近鉄の古参通勤型車両の改造車が運行されている程ですが、要特別料金の観光路線バスは珍しい存在かと思いますので、機会があれば一度伊勢で路線運行している際に乗車してみるのも…と感じたものでした。

神都バス以外のイベント展示車両や、イベントの様子などは、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


神姫バス「オレンジアロー 連 SANDA」号~関西初登場の輸入連接バス

2014-05-10 | バス[近畿]

先日「MAKIKYUのページ」では、3月にMAKIKYUが阪急宝塚線で乗車した最新型車両・1000系電車に関して取り上げましたが、MAKIKYUがこの車両に阪急宝塚線の終点・宝塚まで乗車した後は、JRに乗り換えて北摂ニュータウンの玄関口・新三田へ足を運んだものでした。

同駅でJR列車を降りた後には、同駅を発着する路線バスに乗り換えたのですが、現在新三田駅をはじめ、三田市内を運行する一般路線バスの大半は兵庫県内に拠点を置く民営バス事業者としては最大手の神姫バスが運行しています。

北摂ニュータウン内各地から新三田駅など各鉄道へのアクセスや、北摂ニュータウン内~神戸三宮への高速バス路線などは、専ら同社による運行となっています。

北摂ニュータウン内を走る神姫バスの一般路線に関しては、MAKIKYUは以前にも乗車した事がありましたが、昨年から関西では初の輸入連接バス運行も行っています。


このバスは公募により「オレンジアロー 連 SANDA」号と言う随分長い名称が付けられ、これは多数の名称応募があった中で、複数の名称案を組み合わせた事に起因していますが、バス自体の長さが2車体で全長18mというだけでなく、名称が長い事も大きな特徴と言えます。

 
車両自体はドイツから輸入したベンツ・CITAROで、既にMAKIKYUが身を置く首都圏では神奈川中央交通(神奈中)と京成バスで同種車両が活躍しており、MAKIKYUもこの両者には乗車した事がある他、岐阜乗合自動車(岐阜バス)でも同型車が活躍しています。
(MAKIKYUは岐阜バスの連接車にはまだ乗車しておらず、手元に同社ICカード(Ayuca)もありますので、機会があれば是非一度乗車したいと思っています)

既に導入実績のある3社では、車両自体だけでなく、装いも他の一般路線車とは大きく異なる単色塗装となっており、神奈中や京成バスの連接車は、運行エリアでは非常に目立つ存在となっています。

神姫バスでもこれらと同様に単色の装いとなっており、他の一般路線車とは大きく異なる車両だけに、非常に目を引く存在となっていますが、単色でもオレンジ色となっている辺りは、神姫バス一般路線車のイメージを踏襲しており、神姫バスらしさを感じる所です。


車内に足を踏み入れると、こちらもオレンジや黄色を組み合わせた座席モケットは華やかな印象を受けるもので、神奈中や京成バスで活躍する同型車に比べると、やや派手な雰囲気と感じたものでした。


日本の国産バスとは大きく異なる座席や、非常口を設置する代わりにハンマー(非常時にガラスを割って避難)を設置している辺りも、神奈中や京成バスの同型車と同様ですが、車両前方に前向き2人がけ座席を多数設置しているなど、車内の座席数を多く確保している辺りは、国産の大型路線車を可能な限り走らせてもまだ多客を捌く事ができず、輸送力に目をつけて連接バス導入に至った、幕張新都心の京成バスなどとは異なる路線特性も影響していると感じたものでした。


また「オレンジアロー 連 SANDA」号は、車内運賃表示器(LCDモニター)や案内放送(音声読み上げソフト使用?)などのワンマン関連装備も、他の三田地区を走る神姫バスとは異なるモノを用いており、「オレンジアロー 連 SANDA」号乗車を目当てに三田地区へ足を運ぶ場合、他の一般路線と乗り比べるのも面白いのでは…と感じたものでした。

輸入連接バス運行は、今後他地域でも幾つかの導入・運行予定もある様で、その際にはCITAROやNEOPLAN(神奈中の茅ヶ崎営業所が運行する湘南台駅~慶応大学間で運行)とは異なる車両が導入されるのでは…という話も聞くものの、まだ日本国内では限られたものとなっており、今後どれだけ連接バス運行が増えるのかも気になる所です。

この手のバス運行は、車長がかなり長くなる上に、連接部で車体が右左折時に屈折するなど、車両感覚が大きく異なり、実際に車庫内で連接バスのハンドルを握ったことがある知人も「グネグネして恐ろしい」と話していた程です。

安全確認にも一層の注意を要するなど、現場側の負担は大きくなると思いますので、運行事業者によっては連接バス運行に対する手当支給なども行っている状況で、MAKIKYUも大型2種免許持ちの身ながら、この手のバスを乗りこなすのは容易ではないと感じるのですが…


阪急電鉄 1000系電車~神宝線用の新鋭車両

2014-05-07 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

3月にMAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、先日取り上げた大阪市営地下鉄・御堂筋線の31系電車と共に、昨年末から阪急電鉄で走り始めた神宝線(神戸線・宝塚線とその支線を合わせた総称)用の新鋭車両・1000系電車にも初めて乗車したものでした。

阪急電鉄はJR某社の如く、新車導入では「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した電車を怒涛の勢いで導入するのではなく、独特の個性を放つ拘りの車両を少しずつ導入していく傾向もあってか、登場から日が浅い今日では神戸線と宝塚線で8両1編成づつが運行しているのみとなっています。

そのため検査時や予備車などに回された場合などは、1日中待っていても姿を見る事が出来ず、ラッシュ時のみの運用に充当された日の昼間なども同様ですので、なかなか捕まえ難い存在で、特にMAKIKYUの様に沿線とは遠く離れた遠方から訪れた人間にとっては尚更と言う状況です。

そんな中でもMAKIKYUが先月阪急電車を利用した際には、利用時間帯もデータイムだったものの、運良く宝塚線の運用で1000系が運用されており、同線の急行で初めて1000系の乗り心地を堪能したものでした。

1000系導入の報を初めて聞いた際には、神宝線用の9000系電車導入からさほど年月を経ておらず、9000系自体も他社最新型車両と比較しても見劣りしないどころか、国内の通勤型車両としては最高水準の部類に入る車両と感じている程ですので、わざわざ9000系とは異なる新形式を…と感じたものでした。


また構想図を見た際には、7000系リニューアル車にも何となく似た様な雰囲気を感じ、9000系よりも簡素なイメージを受けたものでしたが、実際に実車を目にしたら、確かに9000系の様な豪華さは感じなかったものの、LEDを用いた前面ライト形状など、一見シンプルに見える車両ながらも、良く見ると特徴的と感じる部分もあります。
(最近首都圏では、「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した車両など、やって来ても見ただけでウンザリという新型車両がゴロゴロしており、関西でも他大手私鉄では似た様な状況の路線も存在しているのですが…)

車両側面を見ても、ドア窓は一時新車だけでなくリニューアル車などでも導入された下方拡大タイプではなく、通常サイズに戻っており、客窓も阪急では主流のドア間の各窓が独立したタイプではなく、9000系などと同様の連窓となっています。


そして行先表示器は種別と行先それぞれを別個に表示する阪急では主流のタイプではなく、一部の古参車両の如く種別と行先を一つの表示器で同時に表示するタイプに改められているなど、こちらも阪急電車にしてはややシンプルな印象を受けたものです。

車両の機器配置も近年の阪急電車では標準的な、両端に電動車を配した編成ではなく、電動車は中間に集約した編成となっているのも、古参車両に近い編成構成に逆戻りしていると言っても過言ではない状況ですが、MAKIKYUの知人の中には、「先頭電動車でモーター音を聞きながら前面展望を楽しむ事が…」と嘆いている者も居り、どの様な意図で編成構成が変更されたのかも気になる所です。

車内に足を踏み入れると、木目の化粧板にオリーブグリーンの座席モケットといった特徴は、マルーン1色の塗装にアルミの窓枠といった外観と共に、阪急電車らしさを感じさせる特徴は従来車と同様です。

1000系デビューを告知する中吊りなどが随所に見受けられる辺りは、まだ運行開始から日が浅い新形式車両ならではの光景ですが、新型車でもこの様な告知を余り行わない車両も多いですので、阪急側の1000系に対する思い入れや力の入れ様を感じたものでした。

ロングシートの座席は数名分毎に仕切りを設けて定員着席を促進しているものの、各地で流行している窪みを設けたバケットタイプではなく、従来車と同様にふかふかとした座り心地を誇り、軟らかめな座席ながらも安定感のある座り心地は、非常に上質感を感じるものでした。
(ただ近年硬い座席が増えている中で、これに対抗するかの如く、単に柔らかければ良いとばかりに、首都圏の標準軌某大手私鉄では「ブカブカ」した感触のバケットシートを続々と導入していますが、これは安定感に欠け非常に不快と感じており、個人的にはこんな代物ならまだ合板の背ずりが前後に軋むJR某社最新鋭一般車両座席の方がまだマシと感じています)


座席脇の袖仕切りが大型化されているのは、近年の首都圏では一般的ながらも、関西ではまだ少数派で、阪急では1000系が初となりますが、この袖仕切りも木目の化粧版が貼られている辺りは、阪急の拘りが感じられる気がします。

天井を見渡すと、京都線用の特急車両・9300系ベースの2重天井・間接照明を用いた先代車両・9000系の様な華やかさはなく、それどころかそれ以前の各車両の様な蛍光灯グローブ付きでもない直接照明となっていますので、通勤電車でも高級な印象が強い阪急電車にしては随分簡素と感じる向きもあるかと思います。

しかしながらグローブ付き蛍光灯に近い見つけの形状をしたLED蛍光灯を採用していますので、グローブ付き蛍光灯に比べてやや細い事を除けば、シンプルな構造ながらも見栄えの点では大差ない仕上がりとなっており、他社でも今後もっと同種のLED蛍光灯が普及すれば…と個人的には感じたものです。
(東武野田線の新鋭車両・60000系のLED蛍光灯が比較的良く似た雰囲気となっており、簡素な印象が強い韓国・KORAIL広域電鉄の通勤車両なども、割合この蛍光灯とよく似た印象のLED蛍光灯を用いている事で、車内の見栄えが随分良くなっていると感じます)

また最新鋭車両ながらも、自動放送装置は装備しておらず、次駅案内などは車両によるマイク案内となっている辺りは、関西ならではという気もしますが、ドア上にはLCDモニターによる案内装置も装備されており、多言語表示対応で外国人利用などもある程度想定した案内が行われています。


阪急電車のLCDモニターは、9000系などで用いているLCDモニターも比較的特徴的なモノでしたが、1000系ではこれとは異なる横長のLCDモニターが採用され、各地で様々な車両に乗車し、LCDモニターを装備した車両にも多数乗車しているMAKIKYUでも、この様なLCDモニターを見たのは初めて…と感じるものでした。


このLCDモニターは形状が特徴的なだけでなく、4ヶ国語表示となっているのも特徴で、日本の鉄道における韓国語表示では次駅を「다음」と案内する事が多いのですが、到着前の案内表示は韓国内の表示と同様に「이본역」と表示している辺りも評価できると感じたものでした。

近年路線バスでもLCDモニターを用いた運賃表示器が多数導入され、モニターを2つ連ねたタイプも良く見ますが、今後阪急1000系のLCDモニターに類似したタイプが出回っても…と感じ、他鉄道の新鋭車両でも同種LCDモニターの採用例が続く事はないのかも気になる所です。

1000系電車に乗車した際の総体的な感想としては、先代9000系列の様な豪華さは薄れてシンプルな印象ではあるものの、さりげなく個性を感じる部分も見られ、時代の流れに合わせた新機構を取り入れつつも、安っぽく貧相な印象は感じない阪急電車ならではの特徴を踏襲した新時代の通勤車両と言う印象を受けたものでした。

近年貧相で安っぽく、個性に乏しい「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、これに類似した電車に乗車する事が多くウンザリしているMAKIKYUとしては、久々に嬉しいと感じる通勤型の新形式車両とも感じたものです。

機会があれば兄弟分とも言える京都線の新鋭車両・1300系にも乗車してみたいものですが、首都圏在住で関西へ足を運ぶ機会自体が限られる事もあり、MAKIKYUがこちらに乗車するのは、もう暫く先の事になりそうです。 


ソウルメトロ・2号線で追突事故発生~他にNYでも地下鉄事故が…

2014-05-04 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先月大韓民国(韓国)では清海鎮(Cheonghaejin)海運が運航する仁川(Incheon)~済州(Jeju)間貨客フェリー「セウォル」号が、全羅南道・珍島(Chindo)沖で転覆・沈没し、その後の対応にも問題があったため、現在確定しているだけでも200名を超える犠牲者が出る程の大惨事となっています。

この事は韓国内に限らず、韓国外でも大きく報じられており、「MAKIKYUのページ」でも既にこの事故に関連した記事も取り上げていますので、アクセス頂いている皆様方もご存知かと思います。

韓国社会におけるセウォル号沈没事故の衝撃は極めて大きく、事故後次々と明るみになった清海鎮海運の杜撰極まりない運航体制は言語道断で、セウォル号と共に仁川~済州間を運航し、一部では兄弟船とも言われる「オハマナ」号の運航停止・特別監査は当然と感じます。

清海鎮海運以外の公共交通機関各事業者における安全確保も特に注目されている最中、今月に入ってから首都ソウルにおいて地下鉄の追突脱線事故が発生しています。

今月はソウルだけでなく、米国New Yorkでも地下鉄脱線事故が発生した事が報じられ、こんな短い期間に次々と事故が発生するのは…とも感じますが、現在報じられている限りではセウォル号沈没事故とは異なり、両国を代表する2都市でほぼ同時期に発生した地下鉄事故では、共に死者発生の報を聞かないのが不幸中の幸いと感じます。

今回事故が発生したソウルメトロ2号線は、ソウル市内を環状運行する循環線区間と、車両基地への入出庫を兼ねた2線の支線から構成され、比較的歴史の浅いソウルの都市鉄道においては老舗格的存在で、ソウル市内の公共交通機関各路線の中でも非常に利用が多い路線の一つとなっています。

MAKIKYUがソウルへ足を運ぶ際には、市内宿泊場所の関係などもあり、2号線は必ず乗車する路線という程ではないのですが、それでも何度も乗車した事がある路線で、今回事故が発生した上往十里(Sang-Wansimni)駅を利用した事はないものの、循環線区間に存在する同駅は何度か通った事があります。

そのためMAKIKYUは米国へは足を運んだ事はなく、New Yorkは馴染みの薄い遠方の土地と感じる一方、ソウルは異国とは言えども訪問回数は2桁に達し、その中でも実際に何度も利用している路線で発生した事故だけに、上往十里駅の追突脱線事故は非常に身近な所で…と感じます。

今回の追突脱線事故は信号や保安装置(ATSなど)が正常に機能していれば、ブレーキが利かないなどの車両故障がない限りまず発生しない事故で、信号や保安装置が故障していたか、或いは意図的に保安装置が機能しない状況で運行したのが事故の主因かと思います。

信号や保安装置の故障も恐ろしい話ですが、意図的に保安装置が機能しない状況で運行したのであれば、安全意識の欠如によって発生した人災と言わざるを得ない事になります。

少なくとも「人災」ではない事を願うと共に、事故原因の究明と十分な再発防止策が講じられ、再び同種事故の報を聞かない事と、負傷者の早期回復を願うばかりです。

ちなみに今回追突脱線事故が発生した2号線は、ソウルの都市鉄道においては老舗格的路線と言う事もあり、開業当初に導入された車両は経年で置き換えられており、その後導入された車両も新型車両への取替えが進み、現在は10両編成で運行される循環区間充当車両だけでも、新旧合わせ複数種の車両が入り乱れて活躍する路線となっています。


今回の事故該当車両は、衝突側・被衝突側共に現行車両の中では古参に属する部類の車両で、両車種共に以前「MAKIKYUのページ」でも類似車両に関して取り上げた事がありますが、一方は2号線開業当初に導入された車両と類似したデザインで、地下鉄車両ながらも日本ではありえない「前面非貫通車」となっています。
(韓国では前面非貫通の地下鉄車両がソウルメトロ2号線だけでなく、釜山(Busan)や大邸(Daegu)でも運行しています)


もう一方の編成も、前面非貫通の先頭車を含む古参車両の編成で、後年組み込まれた比較的経年の浅い車両を寄せ集め、一部中間車の先頭車化改造などを行った編成で、これらの古参編成はクリーム色と緑色の装いとなっているのも大きな特徴です。
(2号線の新型車両はラインカラーの緑帯を巻いたステンレス車体です)

ちなみにこの記事で使用している画像は、過去の既公開記事でも使用した2006年撮影の聖水(Seongsu)支線(聖水~新設洞(Sinseoldong)間)活躍車両です。

聖水支線はソウル市内を走る都市鉄道の中では、最短の部類に入る4両編成での運行となっているのも特徴ですが、ソウルメトロをはじめとする韓国の地下鉄は日本とは比べ物にならない勢いでホームドア設置が急速に進み、現在では同じアングルでの撮影は…という状況になっています。
(スクリーンタイプのホームドアが導入されれば、車両の駅撮りには非常に有り難くない存在ですが、ホームドア形状の是非はともかく、ホームからの転落による人身事故などの輸送障害が近年多発している状況を鑑みると、ホームドア設置可能箇所への設置自体は、安全性が高く安定した輸送を実現するには重要な事かと思います)

安全面などで現在色々問題になっている韓国の公共交通機関も、日本より進んだ部分もあり、この事は鉄道や船舶だけでなく路線バスなどでも同様ですが、日韓両国で互いに良い面を生かし、取り入れつつも各種の問題点を着実に改善し、今後両国の公共交通機関がより良いものとなる事を願いたいものです。


(追記)今回の事故はネット上のニュース記事などを見ると、「人災」ではなく信号機データ変更の際にデータ入力ミスがあり、事故の数日前から保安装置が正常に作動しない状況になっていた事が主因の様です。


小田急1000形・今年度からリニューアル開始~12月に2編成8両が登場見込み

2014-05-02 | 小田急グループ


小田急電鉄の通勤型車両・1000形電車は、小田急初のオールステンレス車として登場時は随分驚かされたものでしたが、現在の小田急線では中堅格的存在の車両で、首都圏在住の方はお馴染みの方も多いかと思います。

VVVFインバーター制御車という事もあり、古参車がゴロゴロ走っている路線を利用している方から見れば、比較的新しい車両と感じる方もいるかもしれませんが、登場から既に20年以上が経過していますので、車内に足を踏み入れると、最近は少々草臥れた印象を受ける事が多いと感じていました。

また小田急では現在最古参、かつ通勤型では唯一の鋼製車体塗装車となっている先代の8000形電車が近年リニューアルされ、新車同然どころか、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」やその部品を多用した類似車両など、近年首都圏で大増殖している低コスト型新型車両よりも、デザインや内装、居住性などあらゆる面で優れているのでは…と感じる程です。
(導入費や運行費など、コスト面では「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などは多大なメリットがあるかと思いますが、個人的には同じ運賃を払って乗るならできれば…と感じる所です)

そのため1000形もそろそろリニューアルの話が出ても…と感じていたのですが、先月末に小田急電鉄HPでも公式に1000形リニューアルの概要が発表され、今年12月に運用開始予定となっています。

今回の1000形リニューアルでは、先代8000形リニューアルの際と同様に下回りの更新(8000形では例外もありますが…)が行われ、それもVVVFインバーター制御装置の半導体素子に、世界初の大容量フルSiC(炭化ケイ素)を適用した新装置が採用され、現行最新型車並みではなく、最新型車以上の装備となるのも大きな特徴です。

全密閉化モーター採用など、近年の新形式やリニューアル車では小田急が積極的に取り入れている施策も継続され、1000形は元々VVVFインバーター制御の省エネルギー車ながら、更に消費電力が20~36%も削減されるのも注目点と感じます。

ニュースリリースでは特に記載が見当たらないものの、下回りの更新を伴うリニューアルが行われた8000形各編成の如く、運転台取替と各種モニター装置の装備、ブレーキの電気指令化などが行われるのか否かも気になる所です。

外見も恐らく2000形一部編成の如く、フルカラーLEDを採用した行先・種別表示や、色合いの異なる窓下帯などの差異が出てくると思いますが、デザイン的には元々の完成度が高い車両だけに、大規模リニューアルの割には、8000形リニューアル車と同様に、外見は従来とさほど変わらない車両に仕上がる公算が高いと推測しています。

下回りだけでなく、内装に関しても大幅なテコ入れが行われ、LED蛍光灯やLCDモニターといった近年の最新型車両では標準的になっている装備や、近年2000形車両で導入が進んでいる座席脇の袖仕切り大型化などが行われ、インテリアデザインのイメージを見ると車端部の窓が貫通路以外に見当たらない事から、車端窓の閉塞も施されそうです。


インテリアデザインの構想図(写真)を見ると、つり革の吊り輪が優先席付近以外は水色に改められるというのは独特と感じる一方、吊り輪は近年首都圏では勢力を増やしている三角形ではなく、丸い吊り輪と言うのも注目点です。

座席も近年の小田急通勤型車両でよく見られる赤系モケットではなく、青緑色のモケットが採用され、鋼製車体・直流電動機の車両で用いられていた紺色の座席モケット→1000形以降の赤系モケット(8000形でも末期導入の一部車両のみ赤系)への変更以来、久々のイメージチェンジとなります。

化粧板も3000形車両の如く、ドア付近だけ配色が異なる様に見受けられるのも注目点で、「壁面は木目のデザイン」「天井には風をイメージしたラインを表示」などと謳っているだけに、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の大半などの大きな特徴と言える、無機質で貧相な印象のインテリアとは大きく異なる雰囲気となりそうです。

個人的にはご贔屓の路線でありながらも、最新型車・4000形電車に関してはJR車両ベースという事もあり、千代田線から乗り入れてくる東京メトロの最新型車両・16000系電車などに比べると…と感じていましたが、1000形のリニューアル車両に関しては、首都圏通勤型車両の中ではかなり上等と感じる16000系電車と乗り比べても、遜色ない仕上がりになりそうです。
(4000形電車は今後のJR直通を見据え、敢えてJR車両ベースにしている面もあるかと思いますので、こちらは今後JR直通開始で小田急車両初の千葉県内営業運転などで、本領発揮に期待したい所です)

12月の再登場が待ち遠しく感じ、リニューアルされて再登場した暁には是非一度乗車して、リニューアル前との違いや良さを存分に堪能したいものです。

ちなみに1000形車両のリニューアルは、2014年度は2編成8両が対象となる事が発表されていますので、まずは2編成併結の8両編成で各駅停車に運用されたり、10両編成急行系列車の新宿方に連結される4両編成車が対象になりますが、今後6・8・10両の各編成も順次リニューアルが行われる事になります。


ただニュースリリースで発表されている対象車両としては、(除くワイドドア車36両)という特記もあり、他車両とは勝手が異なる上に、一部車両の中間車化やドア幅縮小改造などで、非常に不恰好な姿を晒しているワイドドア車はリニューアル対象から除外となっていますので、現在6両6編成が活躍しているワイドドア車がこれから先、何時まで活躍し続けるのかも気になる所です。