(写真は左上から順に、有楽町駅発車待ちの北総監獄中央駅行深夜急行バス、北総監獄中央駅到着時の様子、有楽町駅マリオン前乗り場の北総監獄中央駅行案内が標記されたポール、北総監獄中央駅方面と表示された深夜急行バスの字幕、深夜急行バス使用車両の同形車両[写真は昼間に成田空港~柏駅系統に充当されたもの]、北総監獄中央駅にある深夜急行バスの魅力を宣伝する写真付きポールです。深夜急行バスの特性上、写真撮影も深夜帯に及んでいますので、一部見苦しい写真もありますがご了承下さい)
今日MAKIKYUは首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ出向く所用があったのですが、その際には横浜市内を日が変わる頃に出発した事から、当然ながらこんな時間では終電でも北総監獄まで辿り着く事は出来ず、都心を抜けられれば上等といった状況でした。
ただ16日から辺境の地・北総監獄にも深夜急行バスが走り始めましたので、急用ではなく夜が明けてからの出発でも良かったものの、せっかくの機会という事で、まだ辺境の地を走り始めたばかりの深夜急行バスに乗車してみましたので、今日取り上げたいと思います。
このバスは有楽町駅を1時(朝)に発車し、その後経由する京成上野駅も1時20分発と運行時刻は極めて遅く、京浜東北線の北行上野行終電でも間に合う程の時間帯を走っているのですが、今まで平日夜に有楽町駅・上野駅~松戸・五香(ごこう)駅間を運行していた深夜急行バス(土休日や年末年始などは運休となります)を、16日から北総監獄まで延長運行したもので、今までの終点であった五香駅以降、新たに六実駅・新鎌ヶ谷駅・白井駅に停車し、北総監獄中央駅が新たな終点となっています。
これは五香行深夜急行バスの運行会社が2月に、京成バスから京成グループの成田空港交通に移管となっており、移管後は五香駅到着後に北総監獄を通り抜け、延々と成田方面まで回送していた様ですので、それなら回送区間の一部を実車運行として延長して、少しでも新たな顧客の確保を…と考えた様で、そうでなければさほど大きな需要が存在するとは考えられない辺境の地・北総監獄への深夜急行バス運行は実現していなかった可能性が大きそうです。
北総監獄まで乗車する人間はさほどいないにしろ、乗車日は給料日後の金曜日という事もあり、途中の松戸市内までの乗客で定員超過になってしまうと…という万一の事も考え、MAKIKYUは未明に始発の有楽町駅から乗車したのですが、やはり金曜日(正確には土曜未明ですが…)だけあって普段より乗客は多かった様で、座席も有楽町始発時点で半数強が埋まりましたが、MAKIKYUを含め27名の乗車があった模様です。
他方面への深夜急行バスもほぼ同時刻に発着する有楽町駅では、同じ乗り場に京成バスの千葉行きも発着しており、こちらは北総監獄中央駅行の後ろに着車していましたが、この行先名は千葉市内の千葉中央駅と紛らく(鉄道でも実際に千葉中央駅と間違って「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に乗車してしまう乗客や、その逆に北総監獄を目指す乗客が千葉中央に行ってしまう事がある様です)、また成田空港交通のバスも京成バスと同じKanac塗装という事もあって、千葉方面の乗客が何人も千葉方面へ行くのか訪ねている状況でした。
北総監獄中央駅行深夜急行バスの使用車両は、昼間北総監獄を発着する成田空港・京成成田駅~北総監獄中央駅・柏駅(一部便は更に松戸まで)や、成田空港~千葉市内などを走るリムジンバスなどで使用される車両で、座席は一般的な横4列のリクライニングシートながらも、トイレ付き(少々狭いですが…)となっている点は有難いものです。
これは発車後に有楽町駅の少々離れた乗り場からほぼ同時刻に発車し、やはり京成上野駅を経由する事から、今日は北総監獄中央駅行の前を走っていた東武バスイーストの柏行(ミッドナイトアロー柏号)で使用していた路線タイプ車両(いすゞERGA・観光バス塗装の深夜高速バス仕様)と比べると、結構見栄えのするものでした。
また有楽町駅を発車すると、本来であれば最初に京成上野駅に停車(乗車のみ)するのですが、金曜日で多数の乗客が見込まれる事があって、上野駅に臨時の増便が出ており、こちらもパッと見た印象は有楽町駅発と同程度の乗車率という感じでしたが、上野からの乗客は増便だけで足りる事もあって、有楽町発の便は京成上野駅を通過し、最初の停車は京成金町駅でした。
金町駅と松戸本町(松戸駅から徒歩3~4分程度)は、五香行深夜急行バスが北総監獄中央駅まで延伸になると共に、降車だけでなく乗車も可能になった停留所で、双方共に降車客の姿が散見される状況でしたが、この2停留所から乗車する乗客の姿は見られませんでした。
その後の各停留所では降車のみの扱いとなり北松戸駅入口・新松戸駅・八柱駅入口・常盤平駅などを経由し、パラパラと降車する乗客の姿が散見されましたが、既存区間の終点である五香駅では4名が下車、新たに延伸となった区間への乗客はMAKIKYUを含め6名でしたが、六実駅での降車客はいなかったものの、新鎌ヶ谷駅でまず1名、そしてよくこんな辺境に深夜急行バスが…と感じてしまう「開発を止めた某鉄道」に沿う国道464号を走り、北総監獄に入った白井駅でも1名が降車、そして3時過ぎに到着となる辺境の終点・北総監獄中央駅まで乗り通す乗客も、MAKIKYU以外に3名もいたのは意外(他に上野発の増便利用客も居たかもしれません)でした。
乗車した感想としては、北総監獄中央駅まで乗車する場合に有楽町駅から2500円、京成上野駅から2200円という運賃設定は、鉄道利用の2倍強ですので、頻繁に使う交通機関とは言えませんが、タクシー利用(MAKIKYUはJR発行のタクシー伝票で、東松戸~北総監獄中央駅間をタクシーで深夜帯に移動した事がありますが、この程度の区間でもメーターは深夜割増で7000円を越えており、都心からでは20000円程度になる様です)などに比べれば遥かに安価で、知っていると夜遅くなった時などは随分便利なものでは…と感じました。
ただ各停留所のポールで乗車場所の写真・発車時刻を大きく掲載し、深夜急行バスの魅力を宣伝しているにも関わらず、まだ北総監獄へ延伸されて間もない事もあってか、今日会った北総監獄服役囚(千葉ニュータウン住民)も、横浜から訪れたMAKIKYUがこの深夜急行バスに乗車した話を聞いた事で、初めてこのバスの存在を知った有様でした。
また松戸本町からは北総監獄中央駅まで1000円で乗車でき、特に松戸~北総監獄中央駅間は普通に電車で移動した場合でも、「開発を止めた某鉄道」が法外に高い事もあって760円(新鎌ヶ谷乗り換え)を要する事を考えると、運行時間や車両グレードの割には随分乗り得な印象があり、松戸本町の発車時刻も1時57分とかなり遅く、都心方面からの終電が結構遅い松戸行のJR終電からでも充分に余裕を持って乗り換えできて利用価値は相当ありそうです(MAKIKYUは時折北総監獄へ出向く所用がありますので、機会があれば今後松戸本町からの深夜急行バス利用も…と考えています)が、松戸本町からの乗客が見られなかった事も、北総監獄が車社会で、公共交通への関心度が低い地域である事も影響しているとはいえ、知名度はまだまだなのでは…と感じたものです。
それにしても印西という辺境の町では、既にJR成田線終電後に我孫子駅~竜角寺台間で、ニュー東豊による深夜バス(MAKIKYUはこれも一度乗車した事がありますが…)が運行されており、これも市役所に近い木下駅まで我孫子から1000円で乗車でき、JR常磐線我孫子行終電接続という極めて遅い時間に運行(最終便は印西市内を2時台に走行します)していますので、これだけでも土地柄を考えると上等過ぎると言えますが、北総監獄にも深夜バスが運行される事で、印西市内に極めて遅い時間帯の深夜バスが2系統も走る事になります。
果たしてこんな辺境の町に、複数の深夜バス系統が必要なのか?という疑問もありますが、今回の深夜急行バスは回送の有効活用と言う事も考えると、北総監獄延伸はなかなかの英断であると言え、土地柄や運行時間帯を考えると満員御礼とは行かないと思いますが、今後知名度が向上して乗客が増加する事にも期待したいもので、現在横浜にいる身とは言え、時折所用で北総監獄を訪れる機会がある人間の一人としては、今後この形態での運行が継続される事に期待したいと感じたものです。
追記:印西市内では一時期2系統もの深夜バスが走り回る状況になっていましたが、さすがに辺境の地に2系統の深夜バスは過剰だったのか、2008年後半にニュー東豊によるJR成田線終電後の深夜バスは運行取り止めとなり、印西市内を走る深夜バスは北総監獄中央駅行の成田空港交通による深夜急行バスのみとなっています。