先月20日から今年夏の「青春18きっぷ」(JR全線の普通列車が乗り放題になる格安な企画乗車券:期間内の任意5日(回)利用可能で11500円)が利用可能となり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、この乗車券を利用して旅行を計画されている方や、もう既に旅行を楽しまれている方も居られるかと思います。
MAKIKYUも今夜から青春18きっぷを利用し、旅行に出かける計画(今月は旅行が続き更新頻度もやや低下する見込みですが、悪しからずご了承下さい)を立てているのですが、今日は青春18きっぷを利用して旅行する際などに厄介な存在となる車両の一つとも言える、JR四国のキハ40形気動車に関して取り上げたいと思います。
キハ40系列は国鉄時代末期に製造された一般型気動車で、国鉄時代に製造された車両ながらも、今でもその大半が残存しており、JR化後に多数の新形式が登場している今日においても、1~2両編成の短編成で運行可能な事もあって、非電化線区では今でも重宝される存在となっています。
北海道から九州まで日本国内各地のJR線で活躍し、キハ40形に至っては旅客6社全てに在籍している程の車両ですので、お馴染みの方も多いかと思いますし、MAKIKYUも今年夏に青春18きっぷで乗車する可能性も…という程です。
全国各地で活躍する車両の中には、ワンマン化改造や冷房装置取り付け、エンジン換装などを施された車両も多く、ある程度の経年を経ている車両ですので、地域の実情に合わせて様々な改造が行われています。
そのため原型を留めた車両は稀有と言っても良い程ですが、車両形態や塗装などはかなりのバリエーションがありますので、趣味的には面白い存在と言えますが、中には非常に厄介な存在と言える車両も存在しています。
その一つがJR四国に在籍しているキハ40形で、MAKIKYUは今年夏に四国を訪問する予定はないのですが、四国を旅行中の知人から厄介な車両に遭遇したという嘆きの報を受けた事もありますので、今日の記事として取り上げた次第です。
JR四国のキハ40系列は、両運転台の単行運用可能なキハ40形の他に、片運転台で両開き扉を装備したキハ47形も存在しており、キハ47形は徳島と松山に配置されているものの、両運転台のキハ40形は徳島のみの配置となっています。
この2形式は共に四国という土地柄もあり、JR化後の比較的早い時期に冷房化改造が実施されていますが、JR四国では他のJR各社とは異なり、2両編成以上でのワンマン運転を実施していない事(2両編成の後部車両を回送扱いとして、前1両のみ営業扱いでワンマン運転を実施する列車は存在しています)もあって、必然的に2両編成以上での運用となるキハ47形には、ワンマン改造車が存在していないのは一つの特徴と言えます。
またキハ47形はトイレ設備を有した車両は設備が存置されているものの、キハ40形はご丁寧にもわざわざトイレ設備を撤廃しているのも大きな特徴で、JR四国の普通列車用車両は、元々トイレなしで製造された国鉄分割民営化直前に製造された車両や、JR化後に製造された車両が多い中で、旧来の国鉄型車両だからトイレの心配はしなくても…と思っていると、非常に痛い目に遭います。
ちなみにキハ40形の中でも、トイレ設備の撤廃改造を行った車両は、四国以外にJR東日本の烏山線(栃木県:宝積寺~烏山)などにも存在しているのですが、烏山線の様に運行距離が短く、乗車時間も1時間に満たない路線なら、さほど実害もないと言えます。
四国の徳島地区でも、鳴門線の様に運行距離・乗車時間が短い路線に限定して運用するのであれば、トイレなしでもまだしも…と思うのですが、徳島地区は路線・区間によっては列車本数が限られる上に、徳島線や牟岐線などで、片道2時間以上の乗車となる普通列車も多数存在しています。
しかもキハ40形が所定で運用される列車だけでなく、本来はキハ47形2両編成(片方の車両はトイレ付き)で運用される列車にも、元々の車両スペックは大差ない車両だけあって互換性がありますので、キハ47形の代わりにキハ40形を2両連結して充当する事もあり、これは非常に厄介なものです。
知人からの報も、数少ない徳島線の阿波池田まで足を伸ばすキハ47形充当列車(徳島線の普通列車は、1500系や1200系といったJR化後に製造された車両が大半を占めています)で、キハ40形2両の姿を見たというもので、当初は徳島線のキハ47形充当列車に乗って徳島から阿波池田へ…という計画もあった知人は、計画を変更して別の列車に変えた様です。
短距離列車や運転本数の多い大都市近郊線区ならまだしも、閑散線区で長時間運行となる列車では非常に厄介で、駅の時刻表などで「トイレ設備はありません」と明記してあっても…という程(MAKIKYUもJR他社の超閑散線区で雪の舞う寒い時期、トイレなし車両に3時間以上乗り続けて大変な思いをした事があります)です。
まして車両運用の都合で、日によってトイレの有無が異なるというのは非常に困ったもので、近年ではローカル用のトイレなし車両が西日本各地のJR線で問題化し、改造でトイレを設置した車両も見受けられる様になっていますが、徳島地区でもキハ40形の一部にトイレを再設置(トイレ撤廃車両の再設置は余り聞かないですが…)し、せめて所定編成でトイレ設置となっている列車だけでも、トイレなしの惨状を解決できないものか…と感じたものです。
(JR四国はキハ40形以外にもトイレなし車両が各地で多数運用されており、長時間乗車でトイレなしも当たり前…という状況ですので、JR側や四国内の利用者はさほど気にしていないのかもしれませんが…)
写真は徳島地区で活躍するキハ40形の2両編成(写真は高松駅に停車中の高徳線列車)と、比較的似た印象ながらも片運転台でやや中央寄りに両開き扉が設置されているキハ47形(写真は松山地区の車両ですが、徳島地区の車両も外観は同等)です。