MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

常陸小川駅に保存のDD901号機関車が…解体中の姿に遭遇

2007-02-28 | 博物館・保存施設等

 

昨日MAKIKYUは3月一杯で廃線となる鹿島鉄道乗車へ出向き、その際に乗車した車両の一つを今日の記事でも取り上げていますが、鹿島鉄道の鉾田行き列車乗車中に常陸小川駅を通った際には、貨物輸送の廃止後に廃車されたものの、その後常陸小川駅で静態保存されていたDD901号ディーゼル機関車の真横に重機の姿が…

しかも機関車の両側のボンネット部分が外され、運転台部分だけが残存している状況でしたので、最初は何をしているのだろうかと気になったのですが、ボンネットのあった部分には何人かの作業員がバーナーの火花を散らして作業しており、最悪の結末―解体の真っ最中と言う有様でした。

その後石岡方面へ向かう列車に乗車し、常陸小川駅に到着した際には機関車の運転台部分も無くなり地面に転がされている状況で、下回りだけが無残に残る状況に変貌しており、あっという間の解体劇には驚かされました。

MAKIKYUとしては、鹿島鉄道の廃線後に既存営業車やこの保存車の処遇がどうなるかは気にしていましたが、まさか廃線を来月に控えた今の時期にあっさりと解体されたのは誠に残念で、この機関車の姿を楽しみにこれから鹿島鉄道訪問を…と考えられていた方の期待を裏切る事にもなりますので、色々事情があって解体は止む無いという状況であったとしても、せめて廃線前の名残乗車でやってくる大勢の人々に姿を披露して貰い、解体は廃線後にしてもらいたかった気がします。

また画像は昨日の解体中シーンと共に、保存されていた往時の姿(列車内から撮影したものです)を掲載しますので、まだこの機関車を見た事が無く、一度この機関車の保存されている姿を見たかったという方は宜しかったらご覧頂けると幸いです。


鹿島鉄道キハ430形~加越能鉄道からやって来た湘南形気動車

2007-02-28 | 鉄道[北関東]

   

昨日MAKIKYUは3月末で廃線となる茨城県の鹿島鉄道乗車へ出向いており、石岡~鉾田間の往復で乗車して最後の乗り納め(だと思います)をして来ました。

この鉄道は以前にも何度か乗車し、現在稼動している4形式中の3形式(KR-500形・キハ600形・キハ714号)は既に乗車した事がありましたが、キハ430形と呼ばれる車両だけは乗車した事が無く、是非この車両に乗車できれば…と考えており、乗車する列車にどの車両が来るのか気になっていましたが、幸いにも直ぐに乗車する列車でこの形式が充当され、MAKIKYUは晴れて鹿島鉄道4形式全ての乗車達成となりました。

そんな事もありますので、今日はこのキハ430形について取り上げたいと思います。

この車両は1957年に2両が東急車輛で製造され、近年まで軌道線(万葉線)を運営し、現在はバス専業事業者となっている富山県の加越能鉄道の鉄道線・加越線(石動Isurugi~庄川町)が導入した車両で、70年代前半の加越線廃線時に2両共関東鉄道に引き取られ、鉾田線分社化(鹿島鉄道発足)前からずっと霞ヶ浦の畔を走っていますので、50年にも及ぶ車生(これはかなり長寿の部類に入り、同年代の現存
車両はかなり少ないですが、鹿島鉄道には更に古い車両も走っています)の大半を茨城の地で過ごしている事になります。

デザインは登場当時に国鉄をはじめ、各地の私鉄でも流行していた湘南形と呼ばれる前面2枚窓の非貫通形で、側面は16mの短い車体両端に扉を配し乗務員室扉が設けられていないのが特徴ですが、車両のスペックはこの車両が登場する少し前に同じ東急車輛で製造された東武熊谷線(廃止:現在熊谷~妻沼間には東武系列の朝日バスが多数運行されています)の車両とほぼ同等です。

この様な特徴を持つ車両ですので、ワンマン化改造は比較的容易に実施できたものの、小型であるが故に冷房装置搭載が難しい事もあって非冷房車のままで、またラッシュ時の収容力にも難がある事もありますので、近年は主に夏場以外の昼間の列車に充当されるといった状況になっています。

この車両は概ね50kmを越える速度を出すと縦揺れが激しくなる特性もあり、居住性は決して良いとは言えませんが、加速時のエンジン音もキハ600形と同様に素晴らしくなかなか乗り応えはありますので、レールファンには最高の車両です。

ただこの車両は稼働率が低いとはいえ、車内の化粧板などは張りかえられているのか割合綺麗で、つり革を支える金具の形状も鹿島鉄道の他形式車両に比べるとスマートな印象ですので、内装は古い割には結構見栄えがする様に感じますが、つり革の高さが所々で異なっている辺りは独特で、今や少なくなった板張りの床や網棚(金網ではありません)なども古き良き時代を連想させるものがあります。

また外観も稼働率が低い車両とはいえ結構よく整備されている事もあってか綺麗な印象を受け、地方私鉄のこの手の車両でよく見られるボロボロといった印象を感じる事が無いのも好感が持てる気がしますが、近年は2両在籍するキハ430形の内、431号が下半分を緑色に改めた装いに塗り替えられ、また432号は関東鉄道時代からの朱色とクリームの塗装(関鉄本体ではこの塗装を復元させたJR譲渡車両が2両あるのみで、鹿島鉄道でも他は714号のみです)ですが、これも近年は前面の塗り分けを改めるなどの変化が見られる点も興味深いものがあります。

それにしてもこの車両も21世紀の今まで走り続けたと思うと驚異的ですが、3月末の廃線と共にお役御免となってしまうのは確実で、車歴や設備面を考えると他鉄道や海外への譲渡と言った事もまずあり得ないと推測しますが、鹿島鉄道の沿線、或いはかつて走っていた加越線沿線にでも里帰りするなどして何処かで保存でもされるなら嬉しい気がします。
(ただ常陸小川駅に保存されていたDD901があっさりと解体されてしまいましたので、あまり期待できない気もしますが…)

写真は昨日乗車した432号の外観と車内の様子、431号に関しても廃線前に別途取り上げられれば…と思っています。
それにしても「みなさま さようなら」という表示を見ると、MAKIKYUは随分寂しく感じてしまいますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何なものでしょうか?


松江市営バス(1)

2007-02-27 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では島根県東部を走る一畑バスについて昨日も取り上げましたが、島根県の県都・松江では市営バスも運行されていおり、今日はこの松江市営バスを取り上げたいと思います。

市営バスは市内の北部・南部(概ねJR山陰本線が境界です)それぞれを循環運行し、200円均一の運賃で乗車できる北・南循環線(乗り継ぎの際には割り引きもあります)をはじめ、島根大学方面へ向かう路線や、八束方面へ向かう路線などを運行しています。

ただ松江市内では一畑バスが結構な勢力となっていますので、松江を訪問して路線バスに乗車する場合でも、利用する機会は意外と少ないかもしれませんが、松江市営バスでは一畑バスと同様にしまね共通バスカードが通用し、一畑グループで発売している「パーフェクトチケット」も使用できるのが特徴で、事業者が異なっても乗車券類が共通使用できる事は評価に値する気がします。

車両面でも島根では希少な大型ノンステップバス(山陰では土地柄もあって大型路線車自体が少なめです)も運行しているのが特徴で、この他にも全国的にも比較的少ないAEROSTARのMMと呼ばれる三菱製の大型ショート車(大型車並みの車体に中型車の下回りを用いた車両です)を多数使用している点は興味深いものです。

ちなみにこの写真の車両はAEROSTAR MMですが、写真のK型だけでなくM型も使用しており、どちらもMAKIKYUが昨年松江を訪問した際に乗車しましたが、それなりの数が稼動している様です。(松江市営バス自体がさほど大規模ではありませんので、沢山という程ではありませんが…)

わざわざ無線LANに~PC改悪は困ったもので…(ボヤキ)

2007-02-26 | Weblog
現在MAKIKYUが収監されている首都圏の辺境・北総監獄にある収容房(千葉ニュータウンにある自宅)では昨日、MAKIKYUが所用で出払っている間にPCネット接続のADSL→光通信を用いた無線LANへの切り替えが行われていたのですが、家人が接続方法の要領を得ていないのかなかなかネット接続がうまく行かず、その後MAKIKYUが何とか接続にこぎつけたのですが、その際に新しいウイルスバスターのダウンロードも行う事になり、これが曲者…

というのも、これが収容房内の共用PCに常駐していたSpybot(スパイウェア対策ソフト)と同時使用出来ない上に、OS(Windowsを使用しています)にSP2を追加しないと使い物にならないという厄介者で、止む無くSpybotの削除とSP2の追加を行う羽目になりましたが、お陰で容量の小さいボロPCにえらく重たいSP2が居座り、その上ウイルスバスターもえらく重たいと来ていますので、無線LAN導入でネット接続が早くならない所か、逆にPCの処理速度大幅低下という惨状が発生する有様です。
(お陰で随分な時間にこの記事を執筆する状況になっています)

これは家人の一人が今後ノート型PCを使用するという事由もあり、そちらは随分スムーズに使える様なのですが、MAKIKYUとしては大昔のダイヤルアップ接続は損害としてもADSLなら充分過ぎる程で、ボロくてショボイPCではそれ以上望めないですので、MAKIKYUにとっては改悪以外の何物でもなく随分と困ったもので、北総監獄を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に乗り入れてくる某大手私鉄中堅格の車両を連想させられます。

写真が以前「MAKIKYUのページ」の別記事でも取り上げたその問題車両で、好みが大きく分かれる「ブカブカ」した異様な感触の座席への取替えは、MAKIKYUとしてはもう改悪以外の何物にも感じられません。

どちらも本当に余計な改悪はしないで現状維持に努めて、と言いたい所ですが、改悪されてしまった後では…せいぜいボヤキをどこかで吐く位しか出来ないのは寂しいものです。

まつえウォーカー(一畑バス)

2007-02-26 | バス[中国]
「MAKIKYUのページ」では最近中国(中華人民共和国)関連の記事が続いていますが、今日は昨年MAKIKYUが中国へ行く途中に立ち寄った場所の一つでもある日本の“中国”地方にある松江市内を運行し、以前何度か取り上げた一畑バスが運行する循環バス・まつえウォーカーについて取り上げたいと思います。

このバスはJR松江駅を起終点に松江城や松江しんじ湖温泉駅(一畑電車の始発駅)などを廻る周遊バスで左右双方向の廻り方で運行しており、所要時間は一周約40分程度、車両も一般路線では少数派のいすゞ中型・ERGAMIOの低床車で専用塗装を纏った車両が使用されています。

このバスは観光向けに運行されている事もあってか運行時刻に早朝や深夜は含まれず、18時前後で運行が終了してしまうのが難点ですが、運賃は150円均一(JR~一畑電車の駅間移動でも一般路線より安く乗車できます)と割安で専用の一日乗車券(400円)も設定されており、この他にしまね共通バスカードやパーフェクトチケット(一畑電車・バスと松江市営バスが乗り放題になる乗車券です)での利用も可能となっています。

このバスの運行区間では途中、小泉八雲記念館近くの塩見縄手と呼ばれる所では城下町らしい趣が感じられ、また宍道湖の湖畔を通る所では湖を見渡せるなど、このバスに乗車するだけでもちょっとした市内観光が格安で楽しめ、特にバス好きでない方でもそれなりに楽しめる路線かと思います。
(バス好きな方がそうでない方を同行して松江を訪れた際も、このバスなら恐らく同行者を納得させられると思います)

MAKIKYUも夏に松江を訪れた際には列車の乗車前に多少時間が空き、また暑さで外を歩く気にはならない状況でしたので、その際に「まつえウォーカー」に乗車して絶好の市内観光地視察となりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も松江を訪問された際には、是非この「まつえウォーカー」へ乗車されてみては如何でしょうか?

芭石鉄路(5)~車内から見た情景 PARTⅡ

2007-02-25 | 鉄道[中華人民共和国]
「MAKIKYUのページ」では最近、中国・四川省を走る芭石鉄路に関する記事を幾つか取り上げていますが、ここでは車内から見た情景のPARTⅡとして、列車走行中と停車中の様子について幾つか取り上げさせて頂きたいと思います。

  

1枚目の写真は列車走行中のシーンで、この鉄道の列車はかなりゆっくりと走っていにも関わらずよく揺れますので、乗車中はこの程度の写真でも結構撮り難く、また窓から身を乗り出すものなら、先頭は小型とはいえ本物のSLですので煤煙の奇襲を受けてしまいます。

2枚目の写真は途中站(名前は忘れてしまいましたが…)に停車している際のシーンで、大きな荷物を持った下車客が列車の脇を歩いている様子は、如何にも生活感溢れるといった感じですが、列車が停車している所もホームというよりはただの線路脇といった感じで、素朴な印象が軽便SL列車の旅を更に盛り立ててくれる気がします。

3枚目の写真は起点站(実態は山奥の終点です)の一つ手前に位置し、芭石鉄路の「芭」の由来にもなっている芭溝站ですが、これもまた生活感が感じられてなかなか良い感じでした。

ちなみにこの写真はMAKIKYUが昨年夏に乗車した際のモノで、生活感溢れる長閑な感じは好感を持てるものでしたが、観光客が多数押し寄せるとなると様相は一変してしまう様で、この様なシーンとは程遠い状況になってしまいますが、今後もこの魅力ある鉄路が生き残るためには、観光化で頑張っていくしかない部分も有り、何とも難しいものです。

芭石鉄路(4)~主役の貨物列車にはELも…

2007-02-25 | 鉄道[中華人民共和国]

  

先日取り上げた芭石鉄路ですが、この鉄道は旅客列車の他に貨物列車も…というより貨物列車の方が主役となっている鉄道で、貨物列車は主に石渓站周辺の区間を運行しています。

貨物列車が多数運行している石渓周辺は電化されているのが特徴で、ナロー電化区間を走るSL(蒸気機関車)というのは余り事例がなく独特な感じですが、勿論電化線区という事でSLだけでなくEL(電気機関車)も使用されており、MAKIKYUが石渓站で旅客列車を待っている間にはELとSLが牽引する貨物列車がそれぞれ一本ずつ走る姿を目撃していますので、この地へ出向く機会があるなら、それなりの頻度で貨物列車が走る姿を見る事は可能かと思います。

写真は石渓站に入線するEL牽引とSL牽引の貨物列車で、こうなるとDL(ディーゼル機関車)の存在も気になる方が居られるかと思いますが、DLは廃車体と思われる荒廃した姿の車両が石渓站に留置されている姿を目撃しているものの、この鉄道で現在稼動しているDLはない模様です。(写真3枚目が荒廃した姿を晒しているDLです)

それにしてもEL牽引の貨物列車、これはMAKIKYUが連結されている貨車の数を数えた時は確か50両程度の両数を繋いでいた気がしますが、軽便鉄道とはいえこれだけの両数で走る姿となるとかなり迫力あるもので、芭石鉄路はこういった列車にも注目したいもので、有名なSL牽引の旅客列車が走るこの路線を更に面白いものにしている気がします。

ただ旅客列車の牽引には用いられないのが残念な点で、SL以外に途中までの電化区間の区間列車でEL牽引列車でも設定されれば…と思ってしまいますが、ここからさほど遠くない(それでもバス乗り継ぎで2時間程かかりますが…)沙湾という所ではこのELの色違いが旅客列車を牽引する鉄道もあり…これも可能であれば来月辺りに取り上げたいと思っています。


北総監獄を走る電車~N:7000形

2007-02-24 | 北総監獄

  

今日は来月14日をもっての引退とさよなら運転の告知が先日行われ、昨日MAKIKYUも所用の帰りに止む無く乗車した、余りに高額な運賃で悪評名高い北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)が開業当初に導入し、開業以来今日まで走り続けた7000形電車に関して取り上げたいと思います。
(ちなみに「N」とは都営浅草線に乗り入れする各社の運用番号の内、「開発を止めた某鉄道」を示すものです)

この車両は「某開発鉄道」(社名から「開発」の2文字が外れたのは近年です)の北初富(現在は新京成のみの駅ですが、「某開発鉄道」開業当初はここから現在の新鎌ヶ谷駅(当時は未開業)まで新京成線の北側を走る高架線が伸びていました)~小室間が開業した1979年に6両3本が導入されています。

Σ形と呼ばれる奇抜でヘンテコな形状の前面と、コルゲートが目立つステンレス製の側面外板が特徴ですが、開業当初のこの鉄道の奇抜さは車両の外観だけに留まらず、他線に比べて極めて高額な運賃(開業後も値上げが相次ぎ、この鉄道の象徴となっています)や遠隔監視の精算システム(これは途中で頓挫しています)、この時期はまだ余り普及していなかった自動改札機の導入(その割にⅡ期線区間では箱型改札が導入され、自動化は他線より遅い位でした)にまで及んでいます。

こんな鉄道ですので車両の奇抜さも外観だけでなく、当然客室設備にも及んでいまして、つり革を設置せずに金属パイプを張り巡らせた鬱陶しさを感じる車内や、空調設備を完備しているという事で大半の客室窓を固定式とするなど、この時期に他鉄道が導入した車両とは随分な違いが見られます。

ただ天井は冷房吹出口が出っ張って目立ち、非冷房車からの改造車かと思わせる状況であるなど、冷房車でも平天井の車両が増えていた時期にしては時代遅れと感じる面も見受けられ、MAKIKYUとしては奇をてらっただけで全体的には出来栄えの悪い車両である感を受けますが、それでも奇抜な外観が人気を博したのか、翌年には何故か本来は前年に登場した優秀な車両に贈られる筈の鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。

導入後暫くは大きな変化もなく、「某開発鉄道」と当時相互直通運転線区であった新京成線を走り、松戸~北総監獄間の片田舎を走り続けていましたが、90年代に入り「某開発鉄道」のⅡ期線(京成高砂~新鎌ヶ谷)が開通して京成線経由で都心直通(都営浅草線乗り入れ)が行われる様になると、これに対応して編成が8両に増強され、各編成の中間に2両ずつ(計6両)新造車を組み込んでいます。
(7000形の廃車はこの中間車にも及び、この車両は平成になってからの製造にも関わらず廃車となり、それも譲渡先などは無く既に4両は解体されています)

登場時の79年を除くとこの新造車が7000形唯一の増備となり、この車両は窓サッシが通常の開閉可能な2段窓になって車内も登場時からつり革が装備されているのが特徴ですが、これは79年に導入された車両の奇抜な作りが見事に失敗した事を実証しており、79年に導入された既存車両も都心方面の混雑に対応できないと考えてか、この時期につり革が設置されています。

また乗り入れ先となる某大手私鉄が先頭車両を電動車(モーター付き車両)にする事に拘っている事もあり、その後これに関連して従来は付随車(モーターなし車両)となっていた先頭車を電動車化し、付随車の位置を入れ替える大掛かりな工事も実施されています。

その後は近年まで大きな動きもなく、「某開発鉄道」の社名から「開発」の2文字が外れた際に車体側面の社名プレートがステッカーで「開発」の2文字を外した新社名に改められ(旧社名が透けて見えます)、またK'SEIグループのステッカーが貼り付けられるなど、多少の変化があった程度ですが、大きな更新工事が実施されなかった事もあって老朽化が進み、昨年には2編成が7500形導入(莫大な負債を抱える「開発を止めた某鉄道」の何処にこの様な資金があるのか知りたいもので、こんな資金があるなら運賃値下げに回して頂きたいものです)された事もあって同数が代替廃車となって現在1本が残るのみとなっていますが、この車両も来月には退役となる予定です。

この車両は製造以来大きな更新工事を受けていない事や、手入れの悪さなども起因してか外観は帯色のカラーテープが色落ちしており、昨日残存している編成に乗車した際には帯色の窓下水色部分が真っ白という有様で、車内も汚れが目立つなどかなり荒廃した印象を受けます。

それに他社では類を見ないΣ形の奇抜な外観は皮肉にも余りの高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」の象徴として多数の沿線住民からも不評を買っている事もありますので、中途半端に延命工事を施して不評を買い続けるよりは、大きな手を加えずに原型に近い形で早々と退役させた方が良いのかもしれません。

ただ「開発を止めた某鉄道」にはこの車両よりも更に陳腐でサービス面で問題があり、また性能やエネルギー効率の面でも難のある7250形と呼ばれる親会社から借用している老朽車を未だに運行しており、それも花形の特急などで頻繁に使われている状況ですので、7000形を退役させる前にこの車両をまず退役させるべきで、廃車の手順を踏み違えている様に感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(まして高額な運賃を徴収するなら尚更で、運賃に見合うサービスに努めて頂きたいものです)

画像は現存している7003編成の奇抜な外観と、作りの悪さと荒れ果てた印象を受けるその車内、色が剥がれかかった場所も散見される帯色のカラーテープです。


はい!カード~パンダフルライフもこの車両では…

2007-02-24 | 北総監獄

 

昨日もMAKIKYUは所用の帰りに止む無く高額な運賃を支払い、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、極めて高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)に乗車しましたが、その際には風前の灯火といった状況で荒廃した姿を晒しながら最後の活躍をし、今日の別記事でも取り上げている7000形と呼ばれる車両に乗車していまして、その車内で見かけた広告の一つを取り上げたいと思います。

それは「京成パンダ」と呼ばれるキャラクターが宣伝し、来る3月18日に導入予定のICカード・PASMOとセットになったカードの宣伝広告ですが、この「京成パンダ」は「ワンダフル」と「パンダ」を掛け合わせる為に無理矢理登場させたのか随分苦し紛れな印象を受けますし、この顔つきは「可愛い」と評する人もいる様ですが、MAKIKYUとしては少々怖いと感じます。

またこの広告は「はい!カード」と言う事で入手したカードと共に入手したPASMOで乗車できる電車だけに限らず、この写真の車両(製造当初はつり革が設けられず、その代わりに設けられた鬱陶しさを感じる特徴的な捕まり棒が1枚目の写真に写っています)の様に恐らくPASMO導入前に一般営業運転を終え、「パンダフルライフ」を満喫できないと思われる形式の車両にも掲載されているのは皮肉な所です。
(一般営業運転終盤では使えなくてもPASMOを持っている、という可能性はありますが…)

一般営業運転を終えてお払い箱になった後、3月25日に予定されている最後のさよなら運転でようやく「京成パンダ」が持っているカードとPASMOを手にした乗客を多数乗せるのでしょうが、その際には専用乗車券のみでPASMO利用での乗車は出来ず、この広告も虚しさを演出する代物となりそうです。
(まあそれでもこの広告を見てカード申し込みをする人が居るなら、それは一応効果有りなのかもしれませんが…)

ちなみにMAKIKYUが昨日乗車した際、この車両の車内広告には特に永年の活躍を労う(北総監獄の囚人(住民)にとっては、労うというよりは嫌悪の対象ですが…)趣旨の広告などは見かけられず、数年前に旧塗装を復活させて有終の美を飾った首都圏某大手私鉄車両の様な華やかさは感じられませんでしたが、来月に入ってからはヘッドマークなどが取り付けられるという話も出ていますので、その際は車内も何か動きがあるのかどうか気になります。


芭石鉄路(3)~車内から見た情景

2007-02-23 | 鉄道[中華人民共和国]
今日は芭石鉄路を走る旅客列車の客車に関する記事を取り上げましたが、他に(3)としてMAKIKYUが昨年乗車した際に車中から撮影したシーンを幾つか公開したいと思います。

 

1枚目の写真は始発の石渓站から少々進んだ所に位置し、ここまでの貨物列車も多数運行されている躍進站に停車中の様子で、架線が張られた構内にナローSLという組み合わせは中国広しといえども余り見かけることは出来ないシーンで、勿論現代の日本では現役のSL自体が存在しませんので、この様な風景を見る事は叶いません。

2枚目の写真は列車走行中のモノで、山中の勾配を上がって行くシーンは非常に風情あるものと感じる方も居られるかと思いますが、芭石鉄路の客車は低速にも関わらず非常に居住性が悪く、凄まじい騒音を放ちながらガタガタ揺れる車内で写真を撮ろうとするにも、振動で体やカメラが揺さぶられて大変なものです。

また調子に乗って窓から身を乗り出しているものなら、前方の牽引している機関車はSLですので、煤煙に混じった煤の奇襲を受けてしまい大変ですが、こんな体験はなかなか出来るものではありません。

3枚目の写真は菜子場という停留所に停車した際のモノですが、ここは站名標が無ければ站であるかどうかも分からない何とも質素な感を受けますが、一応站名標は最近整備されたのか随分綺麗なモノになっており、ガタガタの列車とは対象的な感じです。

またこんな山奥でも道路が整備されておらずこの鉄道のみが交通手段となっている事から人の乗り降りは結構有り、また大きな荷物を背負った乗客の姿が散見されるのも特徴です。

ただ最近はこの鉄道もかなり有名になってきているのか、この様な長閑なシーンばかりではなく、観光客が押し寄せて通勤列車さながらの混雑になっている事もある様で、その点は少々惜しまれる気がします。

芭石鉄路(2)~客車の様子

2007-02-23 | 鉄道[中華人民共和国]

    

先日「MAKIKYUのページ」では中国・四川省を走る芭石鉄路に関する記事を取り上げましたが、(2)では旅客列車で使用される客車について取り上げたいと思います。

この鉄道で使用される客車はマッチ箱を連想させる様な小型の客車を連ねており、これは大半が2軸車なのですが、2軸車は似た様な外観ながらもよく見ると窓数や車長などに差異が見られ、また2軸車主体の中に少々大柄なボギー車が1両だけ混じっているなどなかなか興味深いものです。

ただこれだけ小型の客車を使用しているにも関わらず各車両に乗務員を乗せている事(人海戦術に長けた中国では国鉄の列車でも一般的ですが…)や、各駅の乗降口が片側に限られている事から、扉は片側だけに設けられているのも特徴として挙げられます。
(日本では片側の扉のみを使用する路線として関東鉄道竜ヶ崎線などがありますが、これでも一応扉は両側に存在します)

またこの鉄道は20km程度の距離を片道1時間以上かけて運行し、非常に遅いにも関わらず、列車が走り出すと共に凄まじい騒音と振動が襲ってくる状況で、これは金具を引っ掛けただけと言っても過言ではない走行中は凄まじい音を放ちながら前後に激しく揺れる簡素な連結器や、スプリングなどないに等しい直に振動を伝える下回り(2軸車が大半ですが…)など、列車の乗り心地は快適とは程遠い凄まじいダイナミックなもので、よくこの様な鉄道が21世紀の今でも走っているものと感心させられる程です。

この様な車両ですので当然空調なども装備されておらず、車内の座席も木製の簡素なものですので、長時間の乗車は堪えると推測されますが、往復2時間半程度であればこの様な客車への乗車もなかなか面白いものです。
(ただ中国では時速400km以上を誇るリニアモーターカー(上海で走っています)や最近運行開始した新幹線形車両の様な最先端の鉄道もありますので、新旧様々な鉄道が楽しめるのも中国の醍醐味かもしれません。)

しかし外国人がこの鉄道の旅客列車に乗車する際は、地元住民に比べて大幅に高額な外国人運賃(片道15元)を請求される事と共に、自由に好きな車両を選んで乗車する事は出来ず、中ほどに連結された「工作車」というプレートが掲出された車両に案内されるのは惜しまれる事ですが、この工作車は見た所では特に他の車両と大きく違う訳でもなさそうですので、外国人の乗車をこの車両に限定しなければならない理由が何処にあるのか気になります。

写真は客車全景(ドア側とドアのない側)と中程に1両だけ連結されたボギー客車、外国人が案内される工作車の外観と車内の様子です。


西鉄300形~宮地岳線を走る古参車両

2007-02-22 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日は昨日「MAKIKYUのページ」で西鉄宮地岳線→貝塚線への路線名改称に関する記事を取り上げた事もありますので、宮地岳線を走る古参車両・300形に関して取り上げたいと思います。

この車両は元々大牟田線(現:天神大牟田線)用として1940年代に製造された古参車両で、70年代~80年代にかけて宮地岳線に転属していますが、元々標準軌(線路幅:1435mm)の大牟田線を走っていた車両を狭軌(1067mm)の宮地岳線に転用した事から、転用時に一部下回りの交換なども行われています。

この形式は車両によって車長などに差異があり、また幾度もの改造もあって外観も車両によって異なる事から雑形車といった印象を受けますが、前後で前面形状が異なる編成も存在する姿は見応え充分で、大半の編成は今や数少ないつりかけ式駆動のモーターを装備している事もあって、懐かしい走行音を奏でている事や、厳つい姿の台車を装備している事も魅力的です。
(ごく一部カルダン駆動に改造された編成も存在します)

また旧型ながらも現在稼動している車両は全て冷房改造が行われて夏場でも快適に過ごせますし、ワンマン運転に伴って用意された案内テープも、香椎花園前到着時と終着時に地元歌手による曲のチャイムが流れ(最近はそれ以外の駅の案内放送でも天神大牟田線と同様のチャイムが流れます)、夏場の冷房が効いた車内でつりかけ駆動のモーター音が響き、独特のチャイムが流れるワンマン放送に耳を傾けながら身を任せる様は宮地岳線ならではといった感があり、乗り応えもなかなかです。

しかしながら、宮地岳線の西鉄新宮以遠廃線と貝塚線への路線名改称に伴い、残存区間でも平日ラッシュ時間帯を中心に減便が行われますので、稼動車両数も大きく減少する事は必須で、またこの300形はかなり老朽化も進んでいる事から、残念ながら大半の編成(もしかしたら全編成?)が宮地岳線という路線名と共に現役を退く事になりそうです。

そのためこの車両が多数活躍する姿が見られる日はそう長くなく、現段階でも既に一部に廃車が発生している状況ですので、新生貝塚線での活躍は専ら後進(それでも充分古い車両ですが…)に託す事になりそうですが、宮地岳線が最後の日を迎えるまでの残された期間の活躍に期待すると共に、この様な魅力的な車両が活躍していた事を記憶に留めておきたいものです。
(貝塚線改称後も何編成か走り続けてくれれば嬉しいのですが、少なくともつりかけ駆動車はさすがに厳しいでしょうし…)

写真は305+355編成の貝塚方先頭車355号・反対側の前面(昨日の記事で画像掲載)とは様相が大きく異なるのが特徴で、如何にも改造車といった感を受けるこの前面も独特の魅力があります。


「開発を止めた某鉄道」7000形・来月遂にさよなら運転

2007-02-21 | 北総監獄

既にご存知の方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」でも時折取り上げ、来月引退と以前から騒がれていた、高額運賃で悪評名高い北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の7000形の来月14日での現役引退と、その後25日にさよなら運転&撮影会開催が昨日付けで「開発を止めた某鉄道」HPで発表されています。

HPによると「長い間の活躍に感謝を込めるとともに多くのファンの声に応えて」
3月25日(日)にさよなら運転と撮影会を開催とありますが、「開発を止めた某鉄道」の余りに高額な運賃の被害者でもあるMAKIKYUはこの車両に関しては何の感謝もなく、むしろ腹立たしい存在以外の何物でも有りません。

ちなみにこの車両のさよならイベントでは最初にイベント用のヘッドマークを付けた7000形車両に乗車して印西牧の原~矢切間を1往復し、ラストランを楽しんだ後に車両基地へ向かい基地内で写真撮影、そして最後にまた印西牧の原駅に戻る行程で実施され、参加費は大人1520円(小児760円)との事で、昨年東京都交通局車両のさよなら運転で「開発を止めた某鉄道」を含む3社局に跨っての運行が行われ、様々な問題が発生した事を踏まえると、「開発を止めた某鉄道」線内のみでの運行というのは妥当な所と言った気がします。

ただ参加費1520円というのは印西牧の原~矢切間の片道運賃相当額で、この列車の運行日は日曜日で割引率の高い土休日割引回数乗車券(片道10回分の値段で15回分乗車可)の通用日である事や、「開発を止めた某鉄道」では時折1000円で土休日などに一日乗り放題の乗車券を発売する事を考えると割高な価格設定という気がしますが、普段は一般客が乗車できない印西牧の原~印旛車両基地間を「開発を止めた某鉄道」の運賃で別途計算すると片道200円(往復400円)程度になる事も考えると、参加費はまあこの程度といった感もしますが、それにしても首都圏の通勤鉄道でたかだか往復50km程度乗車するだけでこの値段は余りに高過ぎ呆れたものです。

MAKIKYUは日頃「開発を止めた某鉄道」の高額運賃に苦しめられている状況で、この車両に関しては怨みはあっても愛着など有りませんので、敢えて更に高い参加費を払ってこのイベントに参加する気は全く有りませんが、このイベントは定員350名で、26日~3月9日までに「開発を止めた某鉄道」宛てに往復はがきで申し込み、当選者のみ参加可能(まあ高額運賃で悪評名高い鉄道ですので、定員割れという可能性もありますが…)となっており、「開発を止めた某鉄道」HPに応募方法等の詳細が出ていますので、興味のある方は応募されるのも良いかもしれません。

写真は来月25日のさよなら運転にも登場する7003編成(他の2編成は既に廃車済)です。


西鉄宮地岳線・路線名変更へ~新路線名は貝塚線

2007-02-21 | 鉄道[九州・私鉄等]

今年は来月末限りで廃線となる路線が3つも有り誠に残念な話ですが、その一つである西鉄宮地岳(みやちだけ)線は西鉄新宮~津屋崎(つやざき)間が部分廃線となり、この区間にある駅で終点津屋崎の一つ手前には「宮地岳」という駅も存在します。

そのため来月の部分廃線後は宮地岳まで行かないにも関わらず「宮地岳線」を名乗るのか、それとも路線名が変更されるのかが気になっていましたが、今日西鉄HPを見たところでは、昨日付のニュースリリースで廃止となる西鉄新宮以遠への代替バスに関する情報と共に、貝塚線への路線名変更に関する記事が掲載されていました。

これによると、今回の西鉄新宮以遠廃止・路線名の貝塚線変更と同時にダイヤ変更が行われ、現在昼間・土休日13分間隔で運行されているダイヤが15分間隔と若干減便されるほか、平日ラッシュ時の運行本数も10分間隔(現在は貝塚~三苫間の区間列車を含めて6.5分間隔)と減便になり、これに関連して香椎花園前駅の交換設備も撤廃となります。
(他に早朝深夜の貝塚発初電繰り下げや貝塚行き終電繰上げなども行われますが、これは実質的に出入庫列車ですのでさほど実害はなさそうです)

昼間15分間隔のダイヤは本数こそ減少するものの、貝塚で接続する福岡市営地下鉄との接続という面では現行の乗車列車によってバラバラという状況から見て大きく改善されますし、列車によっては結構な交換待ち時間が生じていた状況も改善されて所要時間も短縮されます。

現状データイムは2両編成のワンマンカーでも座席が埋まらない程度の乗車率ですので混雑が懸念される事も殆どなく、この多少の減便は殆ど実害ナシと言ってもよく、分かり易く使い易いダイヤ実現と言う意味では、一歩前進という気もします。

ただ朝ラッシュ時間帯の10分間隔への減便は、新宮以遠からの乗客が至近距離を平行して走るJRや、西鉄新宮以遠廃止に伴ってラッシュ時間帯のみ新設され、津屋崎~天神間を都市高速経由で直結する路線バスへの転移などを見込むとしても随分減少している印象を受け、現在ラッシュ帯を中心に数編成が稼動している3両編成の稼働率を上げるなり、既存車両の組み換え等で増結を行うなどの施策が行われるのか否かも気になります。

また西鉄新宮以遠廃線と共に、既存区間でも平日ラッシュ時間帯を中心に減便となりますので、現在宮地岳線を走っているつりかけ式駆動車をはじめとする旧型車両群(割合新しい600形でも首都圏私鉄で廃車になる車両よりも古い状況ですが…)もそろそろ見納めになりそうで、今後どの様な動きが生ずるのかも気になります。(写真は去就が注目され、以前MAKIKYUも宮地岳線で乗車した古豪300形です)

今後貝塚線として再出発する宮地岳線、宮地岳線という名前を聞きなれた身にはどうもピンと来ない路線名という気もしますが、今後も残存する既存区間が地域の足として親しまれて走り続けると共に、異国(貝塚線沿線から韓国・釜山までは直線距離で200km程・西鉄以外のどの大手私鉄路線よりも近いです)に最も近い大手私鉄路線としても末永く健闘する事を願いたいものです。


芭石鉄路~四川省にあるSLの走るナロー路線

2007-02-21 | 鉄道[中華人民共和国]

  

「MAKIKYUのページ」では時折中国に関する記事を公開していますが、今日は昨年夏にMAKIKYUも訪問し、四川省にあるSL(蒸気機関車)の走る軽便鉄道として中国の鉄道に関して詳しい方の間では有名な、芭石鉄路について取り上げたいと思います。(「芭石」で検索するとネット上でも多数の情報がヒットします)

この鉄道は四川省の省都・成都市から南へ約200km(都市間バスで3時間ほどかかります)、大仏で有名な楽山市からも南東へ60km程離れた*健為という田舎街へ出て、更にそこから石渓行きのローカルバスに乗り継いだ嘉陽という所(芭石鉄路の站名は石渓です)を起点(公式にはこちらが終点ですが…)に、芭溝(これも終点は更に先の黄村井という所です)までの間約20kmを結ぶナローゲージ(線路の幅が狭い)の山中を走る軽便鉄道です。

この路線は石渓周辺こそ電化されているものの大半の区間は非電化で、また旅客列車は全線通しで運行される列車が1日4往復という事もあり、現在でもSLが現役で用いられているのが特徴です。

この様な鉄道は中国広しといえども今では貴重な存在となっており、一時期は沿線の道路整備と共に廃線も検討(現在この鉄道に並行するバスなどが走行可能な道路は一部を除いてありません)されていた様ですが、近年は希少なナローSLが旅客列車を牽引する鉄道として注目を集め、中国内だけでなく遠く欧米からも乗客がやって来る状況になった事もあって廃線の話は立ち消えとなって21世紀を迎えた今日でも奇跡的に生き残り、荒れ放題だった設備面も多少手直しが加えられる様になっています。

そのため四川省を訪れた際に日程が確保できるなら是非一度乗車しておきたい鉄道の一つで、MAKIKYUも昨年夏に乗車して来ましたが、牽引するSLはC2と呼ばれる中国軽便鉄道の事業用専用線などでは一般的なタイプで、小さいながらも本当のSL(何処かの島国を走る路面電車のSLもどきDLとは訳が違います)だけあって走行音は生き物さながら、その代わり客車に乗車していても機関車の煙突から出てくる煤が飛散してきて頭は真っ黒に汚れる有様ですが、現代の日本では日常こんな事はまず有り得ませんので、非常に貴重な体験が出来ます。

またこの鉄道に地元住民が乗車する場合は1元程度の運賃で乗車できる様ですが、外国人が乗車する場合は片道15元(約250円)という特別運賃が適用されるのも難点で、この金額は中国の物価からするとかなり割高で、日本の割安な私鉄(東急など)で同距離を乗車した際の運賃に匹敵します(それでも首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などに比べればずっと安いですが…)が、現代の日本では絶対体験できない現役の軽便SL列車を堪能でき、路線維持に貢献出来る事や、観光関係は全般的に割高で、芭石鉄路沿線からさほど離れていない(それでも50km以上はありますが…)楽山にある有名な大仏の法外な入場料(確か70元(日本円に換算して1000円を超えます)位だったと思います)などを考えれば妥当な金額設定かもしれません。

ちなみにこの鉄道へのアクセスですが、成都から日帰りとなると芭石鉄路や都市間バス運行時間帯の関係もあって、現地まで貸切車でも使わない限りはかなり厳しく(昼過ぎの三次車に乗車後、都市間バスを乗り継いでで成都まで戻る事は順調に行けば一応可能でMAKIKYUも実践していますが、帰還できなくなる可能性もありますのでオススメしません)、楽山からでも丸一日は要する状況ですので、訪問を検討される方はできれば*健為か芭石鉄路の沿線(一応宿泊施設は存在する様ですが、かなり限られる様です)で一泊する事をオススメしたいと思います。

写真は途中駅で停車中の芭石鉄路旅客列車と、同線のタイムテーブル(簡字体で表記されていますが、漢字なので何とか分かると思います:訪問予定の方は参考までに…)です。

また芭石鉄路やその関連記事に関しては、後日更に取り上げたいと思います。

注)文中の「*健」は「イ」の部分が「牛」です。