2月にMAKIKYUが韓国を訪問した際には、釜山やソウルなどの大都市だけではなく、地方にも足を伸ばしているのですが、その際には以前から存在が気になっていたKORAILの「慶北観光 循環テーマ列車」にも乗車する機会がありました。
(慶北(Gyongbuk)は慶尚北道(Gyonsang-buk do)の略称です)
この列車は名前の通り慶尚北道内を循環運行する観光向け列車で、慶北地域の中心都市・大邸(Daegu)にある東大邸(Dong-Daegu)駅を起終点に、東大邸~[京釜線]~金泉(Gimcheon)~[慶北線]~栄州(Yeongju)~[中央線]~北永川(Buk-Yeongcheon)~[大邸線]~東大邸の時計回りと、折り返しで逆ルートの半時計回りで各1周ずつ運行しており、両列車共に途中の栄州で列車番号が変わります。
(写真は慶北観光 循環テーマ列車の側面サボです)
運行ルート的には、大幹線の京釜線と亜幹線の大邸線区間はそこそこの旅客列車が走る区間であるものの、それ以外の区間は旅客列車の運行本数自体が限られて非常に乗り難い区間で、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、慶北線や北永川~大邸線間の短縮線に乗車した事がある方は少数かと思います。
そのためこの列車の設定によって、非常に乗り難い区間の運行本数が増えるだけでも大いに歓迎できる事ですが、車両面でも慶北観光 循環テーマ列車専用に用意された車両が用いられており、この列車の存在価値を更に高めるものとなっています。
使用車種は統一号(廃止)→通勤列車の大幅削減により、大量の余剰車が発生した都市近郊型ディーゼル動車(CDC)を改造、ムグンファ号用に仕立てたRDCと呼ばれる車両で、最近慶尚道や全羅(Jeolla)道方面の地方都市間を結ぶムグンファ号でよく充当される車両です。
しかしながらRDCで一般的な装いではなく、慶北観光 循環テーマ列車用の特別塗装となっているのが特徴で、4両編成で1両ずつ異なる装いは非常に目を引くものです。
CDC時代には様々なカラーバリエーションが楽しめたものの最近は…と感じる方には、江原(Gangweon)道の東海(Donghae)沿いを走る「パダ(海)列車」と共に、見るだけでも楽しめる車両かと思います。
(以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた「パダ列車」に関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)
また慶北観光 循環テーマ列車は一応臨時列車扱いながらも、パダ列車の様な特別仕立ての観光列車(団体臨時列車扱いで一般列車とは別体系の特別運賃適用)ではなく、通常のムグンファ号と同等の運賃で乗車できるのも魅力です。
MAKIKYUが購入した乗車券の列車名も「ムグンファ」とハングルで記されていた程で、インターネットで検索すると列車時刻等が出てくると共に、主要駅の自動券売機(日本のJRにおいて俗に「MV」などと呼ばれ、「指定席自動券売機」「みどりの券売機」などと呼ばれる機械に類似したモノ)でも時刻検索や乗車券購入が可能ですが、韓国で発売されている市販の時刻表には運転時刻等の掲載がありませんので、乗車を検討している方は要注意です。
この列車の車内の様子は、近日中に別記事で取り上げたいと思います。