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一畑電車 デハニ50形~営業運転から退役した古豪も

2016-08-21 | 鉄道[中国]

先日「MAKIKYUのページ」では、東急1000系のリバイバル塗装車と、近年東急→一畑電車に移籍した同系に関して取り上げましたが、これに続き久々の新造車導入も告知されるなど車両更新が進み、一畑電車の顔ぶれが次々と変化しつつあります。

その一方で現在主力となっている元京王車両などが大量導入されるまでの間、永年活躍していた昭和初頭に導入された古豪の一部が、営業運転こそ行っていないものの綺麗な状態で姿を留めています。

昭和初期に自社発注された車両も扉数などにより幾つかのバリエーションが存在し、現存する「デハニ50形」は客用扉が2箇所+小荷物室を併設し荷物室扉が存在、今世紀に入ってもイベント運転などで活躍する程でしたが、保守面や安全基準強化の影響などもあり、2009年で営業線での運転を終了しています。

 
しかしながらデハニ53号は車両基地のある雲州平田駅に常駐、車庫内に営業線とは線路が繋がっていない短距離の体験運転専用線を設け、低速(最高速度15㎞/h)ながらも体験運転用車両として稼働、希少な車両の動態保存としても注目の存在となっています。

MAKIKYUが昨年一畑電車を利用した際には、乗車だけでなく「運転」もしたものでしたが、気動車は何度か運転した事があっても「電車」は初めてでした。

 
希少な古豪の見学・乗車・運転と3拍子揃った体験運転会参加は決して安くないものの、わざわざ遠く島根まで足を運んだ甲斐は充分にあったと感じたものでした。


デハニ53号のブレーキは、MAKIKYUが今まで体験運転で動かした2種類の気動車と同種の「自動空気ブレーキ」で、旧式ながらも今でも気動車や路面電車では現役で用いている車両も数多く存在しています。

同じ自動空気ブレーキでも以前運転した気動車2種類に比べると応答性は遥かに良好と感じた反面、ブレーキハンドルが重なり位置から少しでもずれると空気圧が下がりブレーキの利きが弱まるなど、感触は随分異なると感じたものでした。


またデハニ50形はデハニ53号車だけでなく、デハニ52号車も現在出雲大社駅構内に静態保存されていますが、こちらも屋根付きで保存され、保存状態も見た目は博物館収蔵車両並と感じたものでした。


体験運転用に用いられているデハニ53号車とは同年代に製造された同一形式ながらも、内外に様々な差異が見受けられるのも興味深い所です。

デハニ50形は今日でも綺麗な姿で姿を留めている事自体が奇跡的とも言え、それも同一形式で2両も残存、その両者が異なる形で保存されているのは異例と感じます。

一畑電車の事業規模や経営状況なども考慮すると相当な事かと思いますが、他地方私鉄でも希少な旧型車両を活用する施策の一つとして、一畑電車に続いて体験運転専用車として整備する様な動きが出てこないのかも気になったものでした。


一畑電車2100系「ご縁電車しまねっこ号」~ゆるキャララッピングを施した人気編成

2016-08-08 | 鉄道[中国]

昨年MAKIKYUが一畑電車に乗車した際には、現段階では最新型の1000系電車(元東急1000)や、観光向けに特別仕様とした5000系電車(2編成中1編成は更に内装木質化工事を実施)だけでなく、それ以外の車両にも乗車機会がありました。

現在一畑電車では元京王線車両が編成数・両数共に最多数派となっており、先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた5000系以外にも、種車や性能は同等の2100系が4編成活躍しています。

2100
系は先に導入された2編成は京王線時代と同様の3扉車、その後導入された2編成は5000系と同様に中央扉を埋めた2扉車となっています。

どちらもオールロングシート車として導入、その後2扉車の1編成は改装されて「楯縫号」となり、この編成中の1両のみは観光向けの利用を想定した特別仕様となっていますが、この編成は朝ラッシュ時の限定運用のみで用いられる事が多く、他編成に比べて稼働率が低い車両となっています。

ちなみに2100系は各編成共に黄色と白を基調に、扉部分が青色、車体側面下部がグレーの装いで登場していますが、現在は編成毎に異なる装いに改められ、2100系で「一畑電車新標準色」とも言えるこの塗装は見られない状況になっています。


その中でも現在人気を博しているのが、島根県のゆるキャラ「しまねっこ」をラッピングした「ご縁電車しまねっこ号」で、昨年MAKIKYUが一畑電車に乗車した際には、この編成にも乗車機会がありました。

レールファンではない観光客の人気も高い事から、観光向けに利用し易い時間に設定されている休日の松江しんじ湖温泉~出雲大社前間を結ぶ急行電車には、この編成が充当される事も多く、MAKIKYUがこの急行に乗車した際にも、この「ご縁電車しまねっこ号」に当たったものでした。


この編成は「しまねっこ」のラッピング施行だけでなく、床材もご縁電車にちなみ、あみだくじを描いたものになっています。


しまねっこのぬいぐるみが座席に鎮座しているなど、見た目だけでなく乗って楽しめる電車となっており、車内には今流行の
形つり革も見受けられたものでした。


また「ご縁電車しまねっこ号」として運行している編成は、前面や側面はピンク色を基調としたラッピングが施されているものの、連結面部分のみ「一畑電車新標準色」のままとなっているのも大きな特徴で、これは評価が大きく分かれる所かと思います。

この「ご縁電車しまねっこ号」は5000系や楯縫号などに比べ、設備面では平凡ながらも人気を博している事から、最近導入が進む1000系でも第3編成は同種ラッピングを施し「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」として走らせている程です。

1000
系は第12編成の外観差異が乏しく、趣味的な面白みはイマイチと感じていましたので、第3編成でしまねっこのラッピングを施したのは、個人的には評価できる事と感じています。

ただ元南海車両に続き、元京王車両(2100系・5000)も新造車導入などで一部編成代替と言われていますので、その中に「ご縁電車しまねっこ号」が含まれている事に対する代替策としての対応なのか否かも気になる所ですが…


一畑電車 1000系電車~外観は様変わりした一方で内装は…

2016-08-01 | 鉄道[中国]

先月「MAKIKYUのページ」では、一畑電車で活躍する特別仕様車・5000系に関して取り上げましたが、現在一畑電車は車両代替進行期という事もあり、事業規模の割には車両バラエティが豊富で、趣味的には非常に面白い状況になっています。

今後久々の自社発注新車導入が行われる事も発表されていますが、現在営業列車として活躍する車両は全て他社からの移籍車両となっています。

その中で最も新しい車両は
1000系と呼ばれる車両で、MAKIKYUは昨年夏久々に一畑電車へ乗車した際、初めて同系に乗車したものでした。

この車両は元東急1000系電車で、一畑でも同型式を名乗っていますが、元中間車だった車両を先頭車化改造しており、車番などは東急時代そのままではなく改番されています。

東急時代の形式にちなんで敢えて1000番台を付番したのか、それとも空きの番号帯を充当したためにたまたま一畑でも1000系になったのかは気になる所です。


前面は今までに東急から各地の地方私鉄へ移籍した中間車の先頭車化改造車の大半と同様に、原型とは大きく異なる機能本位の簡素な形状で、貫通型の様にも見える非貫通型車となっています。


近年東急から上田電鉄へ譲渡された車両も同種の前面形状となっており、1000系は今後他の地方私鉄にも移籍予定ですので、今後各地でこのスタイルを見る機会が増えるのか否か気になります。

最初に導入された編成と2番目に導入された編成の装いはステンレス車にも関わらず、一畑電車で昔活躍していた車両(現在でも保存車などで現存)と同様のオレンジに白帯となっています。
(
3編成は「しまねっこ」をデザインした異なる装いとなっています)

これは一畑電車HPで公募した3案の中で最も得票数の多い塗装案を起用したものですが、ビード付きステンレス車で銀色のステンレス地が全く見えない装いは、個人的には少々違和感があり、昨年夏時点で活躍していた2編成が共にこの装いと言うのも…と感じたものでした。
(
過去に活躍した車両の装いを踏襲するのであれば、第2編成はアイボリーにブルー細帯でも良かった気がします)


また一畑電車で活躍する元京王車などは、一畑電車移籍に合わせて内装の大改装も実施していますが、東急1000系はまだ首都圏でも第1線で多数活躍する車両という事もあってか、種車とは大きく異なる前面形状や装いとは裏腹に、内装に関しては東急時代と大差ない雰囲気となっています。


東急時代とは路線特性や用途が大きく異なるだけに、LCDモニターによる運賃表示器や自動両替機付運賃箱、整理券発行機などの車内収受式ワンマン運転関連装備が目立ちますが、それ以外はほぼ東急時代を踏襲している状況ですので、日頃東急多摩川線や池上線を利用している方が、島根へ足を運んでこの車両に乗車しても、地元の電車に乗車していると錯覚するのでは…と感じる程です。

東急1000系譲渡の先行事例となった伊賀鉄道(三重県)の様に、一部座席の取換えなどがあっても良かったのでは…と感じる程ですが、一畑電車どころか山陰地区の一般車両で定期運行を行う電車では初のVVVF(山陰地区は電車運行自体が少ないエリアですが…)で、長期に渡る活躍も見込まれる車両ですので、今後大きな動きが出てこないのかも気になる所です。


一畑電車5000系「出雲大社号」~もう1編成はロマンスカーとして活躍

2016-07-23 | 鉄道[中国]

先日「MAKIKYUのページ」では、一昨年内装の木質化改造を施行した一畑電車の5000系電車に関して取り上げましたが、同系は2編成が導入され、内装の木質化改造を施行したのは1編成のみですので、もう1編成は一畑電車導入時仕様のまま活躍しています。

5000系自体が元々観光輸送を考慮した特別仕様車で、特別料金を徴収する列車として運用される車両を除くと、破格の設備を誇る豪華車両となっており、塗装も他車両とは異なる独自塗装を纏うなど、一畑電車の花形的存在と言っても過言ではない車両です。


この事も「しまねの木」を名乗る内装の木質化改造車も、外見はほぼ従来通りのまま活躍する一因なのでは…と感じる程で、現在一畑電車で活躍する2編成の5000系が並んだ姿を見ても、外見は車番と前面に掲げられたヘッドマークの差異を除くと差異を探すのが…と感じる程です。


内装木質化を施行していない編成も、車内に足を踏み入れると座席配置は2+1列配置のクロスシート主体、出入口付近にロングシートを配したセミクロス配置、出入口付近と通路の幅を確保しているのは、車内収受式ワンマン運行となる路線の特性が大きく表れていると感じます。


クロスシートは2人がけ・1人がけ共に進行方向に合わせて向きを変えられるのは、途中駅(一畑口)で進行方向が変わる路線の性質も考慮しているのでは…と感じますが、このクロスシートは1人掛けが転換式、2人掛けが回転式と異なるタイプを用いているのも大きな特徴です。

 
2人掛けの回転座席は、かつて小田急のロマンスカー・3100形(NSE)で用いられていた廃車発生品で、今日では博物館などでの収蔵車両は別として、現役で用いられる車両は数少なくなってきた非リクライニング仕様となっています。

車両自体も初期の冷房車で天井周りなども現代とは大きく異なるなど、至る所で高度経済成長期を連想させる雰囲気を漂わせており、古参車両好きの方にとっては、非常に興味深い車両なのでは…とも感じます。

ただ一畑電車での導入から15年以上が経過、それ以前の京王時代から数えると45年以上が経過しており、旧営団地下鉄の廃車発生品を用いた下回りも車体以上に古いものです。

京王5000系の地方移籍車でも、近年では同時期に京王から譲渡+旧営団地下鉄の下回りを組み合わせた車両が、富士急行で何編成も離脱しています。

一畑電車でも京王からの譲渡車と同時期に導入された元南海車両の離脱が相次いでおり、東急からの移籍車両に次いで久々の新造車導入が公式発表されるなど、今後急速に車両代替が進む事は確実な情勢です。

先日取り上げた「しまねの木」を用いて大規模な内装改造を施行した編成に関しては、まだ暫くの活躍が見込まれますが、内装木質化改造を行っていない編成に関しては、一畑電車で何時まで走り続けるのかも気になる所です。


一畑電車5000系改装車両「しまねの木」~改装工事は隣県で実施

2016-07-14 | 鉄道[中国]

近年は「ばたでん」と呼ばれる事も多い山陰唯一の電化私鉄・一畑電車、以前は「一畑電気鉄道」が正式社名でしたが、近年では分社化により「一畑電車」という通称と勘違いしそうな名前が正式社名となっています。

日頃首都圏に身を置くMAKIKYUは遠方という事もあり、乗車したのは数度程度ですが、首都圏私鉄からの移籍車両導入事例が幾つも存在する路線ですので、首都圏在住でも親近感を感じるという方は決して少なくないと思います。

首都圏からの移籍車両も全事業者は様々ですが、その一つで現在も活躍している5000系は、元々京王電鉄で使用していた5000系電車の車体と、旧営団地下鉄(現東京メトロ)の廃車発生品(日比谷線3000)を用いた下回りを組み合わせ、1990年代に導入された車両です。


この時期には一畑電車だけでなく、幾つかの地方私鉄で同種車両導入が行われていますが、一畑電車が同時期に導入した京王線の車体+営団の下回りを組み合わせた2100系と異なり、5000系は観光輸送を強く意識した車内設備に改装されているのが大きな特徴です。


この5000系は2編成4両が導入されていますが、その内の1編成(デハ5009+デハ5109)2年前に地元・島根県産の木材をふんだんに使用した内装に大改装されています。

京王線の車体+営団の下回りを組み合わせた観光向け車両で、ドア数の削減(3ドア
2ドア)を行い、内装に木材をふんだんに用いた車両としては、富士急行が運行する「富士登山電車」が非常に際立つ存在で、元々首都圏の大量輸送向けに導入した車両も、改装次第でここまで変わるのか…と感じた程です。
(
以前「MAKIKYUのページ」で公開した「富士登山電車」に関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)


一畑電車5000系の改装車両も、内装の激変ぶりは「富士登山電車」と双璧を成す存在と言っても過言ではなく、化粧板や床材をはじめ、荷棚やつり革に至るまで様々な所で「しまねの木」や木目調シートを用いた内装は、他に類を見ない非常に強烈な印象の車両と言っても過言ではないと感じた程です。


主体を占めるボックス席は、ボックス毎に合板の仕切りで半個室上に区分され、木製テーブルも設けられるなど、グループでの行楽利用に適した設備に改められています。

 
各ボックスの間には窓上の荷棚とは別に、荷物置きが設けられているのは、他の車両では余り類を見ないこの改装車両ならではの特色で、高い位置にある荷棚への荷物上げ下ろしが負担に感じる客層にも考慮したのか…とも感じたものです。

特徴的なボックス席は合板の仕切りが存在する事で、通路を挟んだ反対側の車窓を眺め難く、改造車故に座席と窓割が一致しないのも難点ですが、全座席をボックス席とはせずに、ドア付近の一部はロングシートとしたセミクロス配置となっていますので、ボックス席を好まない客層向けにも配慮している辺りも評価できる点と感じたものです。

「富士登山電車」が京王5000系改装車両における「東の横綱」なら、こちらは「西の横綱」と言っても良い程ですが、外観に関しては元々観光電車として他車両と差別化した装いで導入した事から、改装前のデザインや装いを堅持しています。

そのため「しまねの木」と記した木製ヘッドマークが装備されている事を除くと、木質化改装を行っていないもう一編成と大差ない状況ですので、この点は「富士登山電車」に比べるとインパクトがやや薄いと感じる方も少なくないと思います。

また5000系の京王
一畑への譲渡時における改造は、地方私鉄譲渡車両の改造実績が豊富な京王系列の京王重機で実施していますが、一昨年の木質化改造は京王重機ではなく近隣の米子市(鳥取県・安来市等島根県の自治体とも隣接)に位置するJR西日本系列の「後藤工業」で実施しています。


車内には「KEIO」ロゴ付きの京王重機プレートと共に、後藤工業のプレートが並んで掲出されていましたが、後藤工業はJR関連会社という事もあってか、車内はJR西日本で活躍する車両を連想する部分が散見されたのも大きな特徴です。


ちなみに後藤工業は今秋以降、一畑電車では久々に導入される予定の新型車両(単行運転可能なステンレス製車両)の発注先にもなっており、先日概要なども公式発表されています。

この公式発表ではプレスリリースに添付されたイメージ図に問題があり、当該イラストの削除と後藤工業公式HPにおけるお詫び掲載となったのは残念な限りで、同社で同種事案が再発しない事と、新型車両自体の納入や運行予定などに影響が及ばない事を願うばかりです。


JR西日本・境線を走る妖怪列車~以前とは様変わりした姿に

2015-10-05 | 鉄道[中国]

先月「MAKIKYUのページ」では、隠岐汽船の高速船「レインボージェット」に関して取り上げましたが、現在本州本土から隠岐へ向かう航路は、境港か七類港のどちらかから出航しており、MAKIKYUが本州本土~隠岐間を移動する際は、往復共に境港発着の航路を利用したものでした。

七類港は一応松江市内に位置し、隠岐からの航行距離も境港よりは短いものの、松江市内中心部へ向かう利便性は境港と大差ないか劣ると感じる上に、米子(更に乗り継いで京阪神や首都圏方面などへも)などへ向かう際には不便な場所ですので、個人的にはできる事なら隠岐航路は極力境港発着が…と感じています。
(境港~松江間はJR米子乗継と一畑バスの直通便という選択肢があり、その気になれば日の丸バスの米子乗継(乗り合いバス手形所持者以外はまず考えないと思いますが…)も可能ですので、県境を跨ぐとは言えども両都市間の移動は比較的至便です)

境港の隠岐汽船ターミナルはJR駅のすぐ近くで両者の乗継も至便、手配の関係で本州本土側での前後泊も米子市内という状況でしたので、米子~境港間の移動ではJR境線を利用したものでした。

JR境線は以前にも一度だけ乗車した事があり、その際に乗車した妖怪列車に関しては、既に「MAKIKYUのページ」で取り上げた事がありますが、もう20年以上続く妖怪列車は途中でデザインが変わっており、現行デザインになってからの乗車は、6月の隠岐訪問時が初めてでした。
(以前公開した妖怪列車(ねこ娘)に関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)


現在の境線では平日昼間は1両ワンマン運行、この列車には単行運転可能なキハ40形のラッピング車4両のいずれかが充当され、音声合成による車内放送も鬼太郎の声で流れるなど、列車好きだけでなく鬼太郎ファンにも楽しめる列車となっています。

朝晩などの一部列車や車両検査時には、妖怪列車以外で運転される列車も一部存在しますが、境線では通常8割以上の列車が妖怪列車になっていますので、妖怪列車以外の車両に乗る方が難しいといっても過言ではない状況です。

 
MAKIKYUが6月に境線に乗車した際には、往復共に境線利用だった上に、2両運行の列車にも当たりましたので、主人公の鬼太郎をラッピングした列車だけ乗車機会がない状況でした。


他のキハ40形ラッピング車3両全てに乗車しただけでなく、米子駅での2→1両への減車時には車両切り離しではなく、車両交換で対応していましたので、鬼太郎ラッピングの車両も撮影する事ができました。

 
このラッピング車両は外観だけでなく、車内も座席モケットや天井などに外観ラッピングと同じキャラクターがデザインされており、車両毎に異なるモノとなっているのも注目ですが、かなり賑やかな印象ですので、好みが分かれる所だと思います。


キハ40形妖怪列車は結構な評判という事もあり、近年ではこれに加えて比較的車両数に余裕がある片運転台・両開き扉のキハ47形2両も、キハ40形とは異なるラッピングを施した妖怪列車として運行しています。


こちらは姿を見て撮影しただけで、乗車機会はなかったのですが、2両運行となる事も多い現状では、こちらをラッピングした車両を更に増やしても…と感じたものでした。


また境線は車両面だけでなく、各駅毎にキャラクター名(米子→ねずみ男駅、境港→鬼太郎駅など)を冠している事なども注目で、これに加えて近年米子空港駅の開設と一部区間の線路移設なども実施、米子空港駅開業後の乗車も初めてでした。

JR各線は大半の路線に乗車した事がある身でも新鮮に感じる状況でしたので、境線に乗った事はあるけど最近は縁がないという方も、再訪して楽しめるのでは…と感じたものでした。


米子駅で遭遇したキハ189系

2015-08-01 | 鉄道[中国]

MAKIKYUが2か月ほど前に米子市(鳥取県)と島根県を久々に訪問した際には、往復の道程で岡山駅発着のJR特急「やくも」号を利用し、この列車に関しては先月「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、往路は同列車を途中の米子駅で下車したものでした。

久々に下車した米子駅では、ホームを降りた途端に普段は米子で見かけない「キハ189系」の姿があり、予想外の遭遇に少々驚いたものでした。

同系は近年まで活躍していた国鉄型気動車・キハ181系の老朽代替で製造された新型の特急用気動車で、現在は専ら特急「はまかぜ」に用いられていますが、MAKIKYUは同列車への乗車自体がキハ181系時代末期に一度だけですので、まだ乗車した事はない車両です。


それどころかマトモに写真撮影した事すらない状況でしたので、絶好の撮影機会と感じたものでしたが、同系を最初に撮影する場所が米子駅になるとは…とも感じたもので、定期運転では実現しえない米子地区で定期運行している「やくも」号用の381系電車との並びなども見られたものでした。


米子駅ホームで見かけたキハ189系は、その後停車ホームを去り、一旦松江方に向けて動き出したのですが、程なくして折り返して今度は駅構内の留置線に移動、撮影会と言っても過言ではないポジションに停車したものでした。


この日の天候も光線状態をあまり気にしなくて済む薄曇りでしたので、車両撮影には絶好の条件が揃い過ぎたといっても過言ではない状況となり、MAKIKYU以外にも日頃定期運用では姿を見せない車両が出没した事に気づき、留置線に停車したキハ189系を撮影している人物も見受けられる状況でした。

米子駅ではこの車両以外にも、数々のキャラクター列車などにも遭遇し、彼の地を訪問するのも久々だった事もあってか、やくも号を下車してから30分以上は駅構内に…という状況でしたが、他の車両などに関しても、気が向いたら追って別記事で取り上げたいと思います。


JR西日本381系「ゆったりやくも」~国鉄型車輌ながらも車内設備は…

2015-07-23 | 鉄道[中国]

先月MAKIKYUが山陰方面へ足を運ぶ際には、個人型の旅行会社ビジネス向けパッケージ商品(往復JR+宿泊がセットで割引)を利用した事もあり、往復の道程は新横浜~(新幹線)~岡山~(特急やくも)~米子・出雲市という行程でした。

新横浜~岡山間は直通「のぞみ」号で約3時間、これに対し中国地方内の岡山~出雲市間は在来線利用という事もあり、特急でものぞみ号乗車時間と大差ない約3時間を要します。

そのため福岡県内など北部九州へ行くよりも、距離的には近くても感覚的には遠いと感じる程で、ビジネス向けパッケージ商品の設定価格も博多などへの往復よりも割高になりますので、様々な面で足を運び難い所と感じ、こんな状況もあってか、先月の山陰訪問は久々、島根県内へ足を運んだのは9年ぶりという有様でした。

首都圏や京阪神などから、島根県東部(松江・出雲など)や同県と隣接する米子(鳥取県)などへ足を運ぶ場合、公共交通機関利用だと先月MAKIKYUが利用した岡山まで新幹線+特急やくも号へ乗り継ぎという方法が最も一般的なルートになると思います。

岡山で新幹線と接続し、陰陽連絡を担う特急「やくも」号は昼間概ね1時間毎に運行、国鉄時代末期に電化されて電車が用いられているなど、陰陽連絡を担う鉄道ルートの中では突出した存在と感じます。

車両面では国鉄時代末期の電化から今日に至るまで、ずっと381系と呼ばれる電車が活躍を続けており、全国各地でJR発足後に導入された車両が多数活躍する今日では、同系は現在活躍するJR在来線特急車両の中では古参の部類に入ります。

そのため381系の姿を見ると陳腐感が否めず、MAKIKYUは今まであまり乗車意欲の湧かない車両と感じており、紀伊半島方面への特急「くろしお」号などで活躍する同系が、北陸方面からの転用車で取り換えとなるのも当然と感じています。


しかしながら「やくも」号で活躍する車両に関しては、数年前に大規模なリニューアルが実施され、塗装以外の外観や性能などは「くろしお」号などと大差ないものの、車内設備に関しては別物と言っても過言ではない進化を遂げており、通称「N40」などとも呼ばれる一般車両の大規模リニューアルで定評あるJR西日本ならではと感じたものです。


大規模リニューアルを行った「やくも」号用の381系電車は、塗装も改められると共に「ゆったりやくも」という名称がつけられ、車外にはイラスト入りのロゴも見受けられると共に、名称の通り座席の居住性は大幅に改善、普通車でも非常にゆったりとした空間を提供する車両へ進化を遂げています。


普通車における居住性改善策としては、座席数を減らしてシートピッチを拡大する事に加え、国鉄型車両などの古参車両では座席下の足元が狭い車輌が多いものの、これを最新型車両などと同様に足元が広く確保された座席に改める事で、数値上のシートピッチ拡大以上の居住性向上を実現しており、普通車でもシートピッチが広くゆとりある新幹線から乗り継いでも、遜色ないレベルと感じたものでした。


国鉄型車両のリニューアルでは内装や座席取換を行っても、座席下の足元が狭く、特別料金を徴収する車両でこれでは…と感じる事例も多々ありますが、この点「ゆったりやくも」はJRが「ゆったり」と謳うだけあると感じたものでした。


ただ座席は新車と遜色ないレベルにまで飛躍的進化を遂げたとは言えども、デッキなどを見渡せば古参車両の雰囲気は否めず、元々は特徴的なブラインドが装備されていた客窓周りや、構造を大幅に改めて見付けを改善した天井などは、かなり苦心していると感じたものです。


案内設備面でもJR西日本は自動放送に対して余り積極的でない事もあり、ゆったりやくも用のオリジナルチャイムは用意されているものの、自動放送は実施されておらず、それどころか客室端に「指定/自由席」を案内するLED表示器は設置されているものの、その隣に存在しても不思議ではない次駅案内などは装備されていない辺りも、少々物足りなさを感じたものです。

381系は登場当時と比較すると、「ゆったりやくも」への改造以前にも短編成化による増発、一部列車におけるパノラマ型先頭グリーン車導入、シートピッチ変更などは行われ、「ゆったりやくも」改造時にグリーン車連結位置統一(中間車→先頭車)、逆に元グリーン車(中間車)の普通車化など幾多の改造が行われていますので、窓割が合わない座席が非常に多い車両になっていると感じたものでした。


その中でも元中間グリーン車(サロ)を改造した普通車(サハ)は、他車両と窓形状などが異なり、見た目のバラエティという点では非常に興味深い車両ですが、電動車へ好んで乗車する事も多いMAKIKYUとしては、この車両は最大のハズレ車両と感じたものです。

往復共に指定座席はこの車両に当たってしまいましたが、他車両に空席が多数存在した事もあり、他車両へ移動する有様で、パノラマ型グリーン車を組み込んでいない「ゆったりやくも」でよく見かける編成は、出雲市方(1号車)から順に先頭グリーン車(クロ)+( ★ )+元グリーン車改造付随車(サハ)+中間電動車(モハ)+制御電動車(クモハ)の4両編成、MAKIKYUが乗車した「やくも」号は往復共にこの編成でした。

この編成が6両編成で運行する場合には、( ★ )部分に普通車の電動車(モハ)ユニット2両が加わりますが、この他に国鉄型特急車では一般的な両端制御車(動力なし)、中間が全て電動車という編成も存在します。

4両だと岡山方1両、6両だと岡山方2両が自由席となり、グリーン車は確実に制御車(クロ・モーターなし)ですが、普通車指定席はどの車両が電動車かは編成によって異なる状況です。

ただどの編成でも指定席は3号車を狙えば、余程の事がない限りは元から普通車の電動車になりますので、個人的には今後「ゆったりやくも」で指定席を利用する際には、極力この号車を指名買いしたいと感じたものでした。

また381系は「振り子車両」としても有名な存在で、特に制御付ではない自然振り子式という事もあってか、一部では「列車酔い」の話も持ち上がる程、車内放送でも「少し揺れます」という案内を何度も聞く状況でしたが、着席している限り個人的にはこの点はさほど…と感じたものでした。

走行時に台車からカタカタという音が聞こえるのは少し気になったものでしたが、加減速の際の衝動なども、顕著と感じる485系などに比べれば遥かに良好と感じたものでした。

国鉄型車両ならではの雰囲気が感じられる面も多い一方で、最新型に劣らない座席でゆったりとくつろげる「ゆったりやくも」は、改造車ならではの苦心ぶりも見られるものの、JR化後に登場した下手な特急車両よりも好印象を受けたものでした。

充当座席による当たり外れも大きく、最新型車両に比べると見劣りが否めない部分も存在するものの、趣味的にも興味深い列車と感じたものですので、機会があれば再度乗車しても…と感じたものでした。

ただ同じ381系を用いていても、まもなく車輌取り換えとなる「こうのとり」号の一部列車などは、同区間を走る一部の一般車両と比べても「下剋上」状態かと思いますので、こちらはわざわざ特急料金を支払い、好んで乗車する気にはなれないのですが…


今日で開業100周年・JR山陰本線「大田市」駅

2015-07-11 | 鉄道[中国]


先月MAKIKYUは久々に島根県内へ足を運ぶ機会があり、その際には大田市(Odashi)駅も初めて利用する機会がありました。


大田市駅は島根県大田市の基幹駅で、「大田」ではなく「大田市」と名乗っているのが特徴的ですが、人口希薄で閑散とした石見地方一帯の中では主要駅の部類に入る事もあり、特急を含めた全列車が停車、また大田市発着となる普通列車も数本設定されています。


先月大田市駅を利用した際には、7月11日に開業100周年という垂れ幕も掲げられていましたので、丁度100周年となる今日取り上げられれば…と思い、記事公開させて頂きました。


大田市駅は地方亜幹線の典型的な駅と言っても過言ではない雰囲気で、駅構内の配線は駅舎側ホーム1線と島式ホームに2線、いわゆる国鉄型配置の典型駅となっています。

主に上り列車が発着する島式ホームへは、駅者側ホームから跨線橋を跨いで移動する必要があり、エレベーターやエスカレーターなどの設置もありませんので、バリアフリーとは言い難い状況です。

近年ではこの様な駅で敢えて構内踏切を設置し、段差解消を図った事例もありますので、列車運行本数や利用者層などを考慮すると、今後構内踏切設置の検討余地ありかもしれません。


駅構内に設けられた跨線橋には、現役最古の鋳鉄製門柱という案内板も掲げられており、この門柱の製造は1890年となっていますので、大田市駅が開業するよりも20年以上も前になり、この門柱が製造された頃に生存していた人物で存命の人物は…という程です。

 
大田市では近年、市内に位置する石見銀山跡とその周辺が世界遺産にも認定され、石見銀山目当ての観光客も増えていますが、この事も影響してか、島式ホームには石見銀山に関連したモニュメントの姿も見受けられ、駅前には大田市マスコットキャラクター「らとちゃん」の石像も見かける状況でした。

また駅前は中心市街地の衰退という、地方の典型的な状況に陥っており、駅前にあったスーパーも近年閉店となっています。


そのため駅前で軽食類を調達したいと思っても、すぐ近くで可能な所は駅向かいのバスターミナルを兼ねた石見交通営業所内に設けられた売店程度という有様ですので、松江や出雲方面から列車で大田市へアクセスする場合には、これらの駅から列車に乗車する前に調達しておいた方が良いかもしれません。


ちなみにMAKIKYUは、石見銀山観光を済ませてから、石見交通の路線バス(写真)で大田市駅(バスターミナル)へ向かったものでしたが、石見銀山観光の後に大田市駅へ移動するのであれば、銀山観光の中核となる大森地区で食事や買い物(選択肢は余り多くないですが…)で済ませた方が良いかもしれません。

ただ駅舎内には観光案内所も設けられており、駅前でのバスへの乗継も比較的至便ですので、乗り換え地点としては悪くない印象を受けたもので、MAKIKYUが銀山へ足を運ぶ際の往路で利用した大田市内の仁万駅に比べれば、様々な面での利便性は雲泥の差と感じたものでした。

あと「大田」というと島根県の大田市ではなく、大韓民国(韓国)の大田(Daejeon)広域市を連想される方も少なくないと思いますが、こちらは地下鉄も走る韓国有数の大都市だけあり、MAKIKYUも何度か足を運んだ事があります。

 
MAKIKYUが韓国各地を動き回る際も、メインは鉄道利用ですので、当然ながら基幹駅の大田駅は何度か利用しており、大田広域市は韓国鉄道(KORAIL)の本社所在地としても知られています。

 
漢字表記では自治体名が同名の「大田」でも、基幹駅や周辺の雰囲気などは大違いで、KORAILの大田駅の画像も比較対象用に何枚か掲載しますので、興味のある方は日韓両国の「大田」を見比べて頂ければ…と思います。

先月MAKIKYUが島根へ足を運んだ際には、今まで足を運んだ事がない所にも多数足を運んでおり、取り上げたい事は多数ある状況ですが、未だに画像整理すら…という有様です。

今日から記事更新やコメント対応なども再開しますので、機会があればボチボチ取り上げて行きたいと思いますが、取り上げたい事は山積していながらも、記事作成が追い付かないのが現状で、ネタ切れ…などと記している方が羨ましく感じてしまう程です。

記事更新はスローペースになるかもしれませんが、今後も引き続き「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。


JR美祢線・ようやく復旧へ~西日本の不通区間は解消されるものの…

2011-08-25 | 鉄道[中国]

昨年発生した災害に加え、今年3月の東日本大震災による地震・津波被害や夏の豪雨などにより、現在日本国内では東日本を中心に不通となっている鉄道路線が多数ある事は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知かと思います。

その中でも昨年夏の集中豪雨による橋脚損傷などで長期の運休を余儀なくされ、1年以上の間列車運行ができない状況が続いていた山口県の美祢線(厚狭~美祢~長門市)は、9月26日始発から全線で運転再開となる事が、昨日JR西日本HPにて発表されました。

美祢線は時刻表では一応黒線で示され、幹線扱いになっている路線とは言え、全区間が単線非電化となっています。


近年の定期旅客列車は基本的に軽快気動車・キハ120形が1~2両程度でワンマン運転を行い、それも概ね2時間に1本程度と言う路線ですので、かつての貨物輸送の関係で幹線扱いになっているとはいえ、実態は閑散ローカル路線の1つとなっています。

MAKIKYUも一度だけ乗車した事がありますが、JR西日本のローカル線名物とも言え、崖のある所などで25km/h程度と極端に速度を落とした徐行運転を行う箇所も幾つも見られた程で、決して本数も多いとは言い難い列車も1両ワンマンでありながら、輸送量的にはバスでも充分では…と感じる程でした。

そのため昨年の災害で復旧見込みが立たないと聞いた時は、台風による甚大な被害を受け、復旧せずに廃線となってしまった高千穂鉄道の2の舞にならない事を願っていましたが、長らくバスによる代行輸送が続いていた状況からの脱却に目処が付いたのは一安心です。

またJRが発表した災害復旧後の美祢線ダイヤを見ると、復旧と併せて改良工事を行い、極端な徐行箇所が減少した事が功を奏したのか、決して利便性が高まったとは言い難いものの、若干の所要時間短縮が図られています。

これに加え、時刻表を見るとJR西日本のローカル線では【毎週第○△曜日運休】という案内を良く見かけ、美祢線も例外ではありませんが、少し前なら定番だった「代行輸送はありませんのでご注意下さい」といった案内は姿を消し、決して旅客流動の大きな路線ではないにもかかわらず、「☆印は運休日にバス代行輸送」という案内が見られるのも評価できる所です。
(本来なら公共交通機関として、常に安定した輸送を確保するのが当然の話ですが、JR西に限ってはそうでない状況が少し前は当り前でしたので…)

今回の美祢線復旧発表により、JR西日本管内では不通区間は無くなり、また長期に渡るバス代行が続くJR東海・名松線の末端区間(家城~伊勢奥津)も、再開までの道程は長いものの、5月に復旧へ向けた合意がなされるなど、本州内JRでは東日本を除き、鉄路復旧の見込みが立っています。

しかしながらJR東日本では3月の東日本大震災による津波被害が余りに大きく、被災地域も広域に跨っており、三陸沿岸を走る第3セクターの三陸鉄道も、津波被害によって過半数の区間が不通のままとなっています。

これに加えて震災に関連した福島の原発事故、更に新潟県などでの集中豪雨によっても不通区間が多数発生しています。

原発関連は一般人の立入自体が制限され、事態収拾による放射線量の低下と、その後の除染などに相当な時間を要する見込みですので、手の施し様がありませんが、津波被災区間の中には今でも再開見込みどころか、代行輸送が行われずに定期券・回数券のみの路線バス振替となっている路線が幾つも存在しています。

また新潟方面でも一部で代行バスの運行が行われていますが、未だに代行バスすら運行されずに不通となっている線区も存在しています。

地域内での路線バス運行なども限られ、公共交通機関を用いてたどり着く事ができない駅も発生する有様で、鉄路の復旧見込みが当分立たないのであれば、早急に代行輸送を開始するなど、地域の足を確保する事に尽力して頂きたいものです。
(秘境駅とも言われ、冬季閉鎖となる人里離れた県境の1駅は別格ですが…)


JR可部線が延伸~輸送基盤の脆弱さが気になりますが…

2011-02-04 | 鉄道[中国]

 

今日ネット上のニュースを見ていたら、JR可部線が現在の終点・可部駅から延伸され、廃線となった区間の一部が復活するという記事が出ていましたので、取り上げたいと思います。
(以下の青文字が記事抜粋部分です)


JR廃線、初の復活…広島市の可部線(読売新聞)

広島市は、8年前に廃止されたJR可部線の可部―旧河戸(こうど)間(安佐北区)約2キロを電化して復活させる方針を固めた。

2011年度に着工、13年度の完成を目指し、JR西日本の事業化判断を待って運転を開始する見込み。国土交通省によると、廃止路線の復活はJRでは初という。

市などによると、可部駅から西に延びる廃線敷を活用し、新駅は終点と中間の2駅を設置。この区間で1日平均約2000人の利用を見込んでいる。

事業費の3分の1を国が負担し、残りを市とJR西で負担する方向で協議する。可部線は赤字のため、03年11月末、未電化区間の可部―旧三段峡(46.2キロ)間が廃止に。

旧河戸駅周辺は商業施設や住宅地などの開発が進んでおり、住民から再開を望む声が上がっていた。市とJR西などは08年に協議会をつくり、10年2月、電化延伸案をまとめていた。

(ここまでが記事抜粋)

可部線廃線区間の一部復活による延伸は、以前から様々な話が出回っているものの、現段階ではJR西HPでは公開されていませんので、公式発表が待ち遠しいものです。

MAKIKYUは可部線可部以遠の非電化区間は、乗車機会がないまま廃線を迎えてしまった事もあり、廃線区間の一部が乗車できる様になるという意味でも興味深い話です。

ただ可部線はMAKIKYUが昨年末に広島へ出向いた際にも乗車したものの、私鉄買収線区と言う事も影響してか、現存区間は一応電化しているものの全線単線、ホームも4両分しかなく輸送力が限られるなど、輸送基盤の脆弱さが気になります。

おまけに使用車両もJRの地下鉄千代田線直通用車両が代替を迎えている今日において、現在代替廃車が進んでいる203系の導入によって締め出された古参車両の改造車が未だに主力の座を占めており、MAKIKYUが昨年末に可部線に乗車した際にも、この車両に当たったものでした。

しかも昼間は20分間隔とやや運転間隔が開く上に、2両と言う短い編成(それでもワンマン運転でないのは意外な気もしますが…)で混雑が常態化しています。

可部線沿線は市内中心部への直通運転を売りにしている路線バスも頻発し、大町駅で接続して広島市内中心部と郊外を結ぶ新交通システム・アストラムラインは結構な高頻度で走っている事などを考えると、地方私鉄を思わせる雰囲気は趣味的に面白いとはいえ、沿線の開発程度の割には都市交通としての質は決して良いとは言い難いのが現状です。

そのため可部以南は現状のままで、廃線区間を一部復活させて延伸しても都市交通として見劣りする事は否めず、脆弱な輸送基盤で延伸による乗客増にも対応できるのか気になる所です。

またJR西日本の広島地区ローカル輸送は、今日でも旧国鉄からの継承車両が殆どを占めているなど、大都市圏輸送にしては他都市圏に比べて…というのが現状である上に、その中でも可部線は芳しくない状況ですので、廃線区間復活だけでなく、既存区間の脆弱な輸送基盤や車両面での質的改善にも期待したいと感じたものでした。

写真は昨年末に広島駅で撮影した可部線列車、現在広島地区では単色化が進行しており、黄色1色となった車両も結構見かけたもので、可部線でも現在新旧2色の105系電車を中心に、ラッシュ時間帯などには他形式の活躍も見られます。

そのため塗装変更中の今日は非常に彩り豊かで、見ている分には非常に面白いのですが、元地下鉄直通用電車の改造車はいつ廃車になっても不思議ではないだけに、白に青と赤帯の装いのまま、「河戸」の行先を掲げる姿が実現するのか否かも気になる所です。


水島臨海鉄道 キハ200形気動車~ラッシュ時のみ稼動する古参車両

2011-01-19 | 鉄道[中国]

   

もう一月近く前の事になりますが、MAKIKYUが先月岡山・広島方面に出向いた際には、倉敷市内を走る水島臨海鉄道にも乗車する機会がありました。

同鉄道は非電化単線ながらも、旅客列車は昼間でも毎時2本程度設定され、地方私鉄にしては比較的至便な路線ですが、この旅客列車の大半は単行運転可能なワンマン運転対応の新型軽快気動車によって運行され、1両ワンマンの列車も多数存在しています。

しかしながら沿線が工業地帯という土地柄もあって、平日の朝夕には車両の増結も行われ、軽快気動車だけでは数が不足する事から、この時間限定で古参車両も稼動しています。

MAKIKYUが水島臨海鉄道に乗車したのは平日朝だった事もあり、この古参車両にも乗車したものでしたが、キハ200形と呼ばれる古参車は元国鉄→JRのキハ20形で、同形式は随分前にJR線上からは姿を消しています。

JR以外の鉄道に譲渡された車両も、数年前までは長崎県の島原鉄道で結構まとまった数が稼動していたものの、こちらも南目線廃止と運命を共にしており、現在では水島臨海鉄道と茨城県のひたちなか海浜鉄道(旧茨城交通)の2路線のみとなっていますので、非常に希少な存在です。

そのためこの様な車両に乗れる事自体が有り難く、その上水島臨海鉄道ではラッシュ時の輸送力確保列車への充当を目的としているために、ひたちなか海浜鉄道の車両とは異なり、単行運転可能な気動車にも関わらず、ワンマン運転対応改造が施されていない事も大きな特徴です。

キハ20系列の大きな特徴とも言える勿論手動のプレスドアなども健在で、簡易型冷房装置の設置やトイレ撤去などの改造が行われているとはいえ、ひたちなか海浜鉄道で活躍中の車両以上に、昔ながらの国鉄気動車の雰囲気を非常に強く感じるところも注目点です。

また水島臨海鉄道では現在4両が健在で、その内の2両が平日に稼動する運用のため、所要両数に比べて車両数に余裕があるのですが、現在この内の2両が水島オリジナルの白と青の装い、残る2両が国鉄旧塗装の朱色とクリーム色の装いになっています。

運用時にはどちらか一方の装いで統一された2両で走る事が多い様で、国鉄旧塗装の方が圧倒的人気を誇りますが、MAKIKYUが先月乗車した際には各塗装1両ずつの混成編成となっており、どちらの装いも見てみたいMAKIKYUには最高の組み合わせと感じたものでした。

あともう一つのキハ20形が活躍する路線として知られるひたちなか海浜鉄道では、新型の軽快気動車との組み合わせも見られ、この様な編成も趣味的には非常に面白いものですが、水島では見た目はひたちなか海浜鉄道とよく似た軽快気動車も、ブレーキに電気指令式を採用しています。

そのため両者が併結して運転する姿が見られない点は少々残念で、運用上も平日の限定運用のみで乗車し難いのは難点ですが、古参気動車だけにいつまで活躍が見られるのか気になるものの、暫くの活躍に期待すると共に、イベント等で休日にも稼動する事に期待したいと感じたものでした。


岡山市内を走る「たま」電車~本家和歌山電鐵程の派手さはないものの…

2011-01-14 | 鉄道[中国]

 

昨年末にMAKIKYUが岡山・広島方面へ出向いた際には、岡山市内で両備グループの注目的存在として知られる岡山電気軌道の路面電車「MOMO」と、創立100周年を記念して登場させた両備バスの未来型バス「SOLARVE」に乗車し、これらは既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、他に乗車機会はなかったものの、岡山電気軌道の市内電車で活躍する「たま」電車の姿を見る事も出来ました。

「たま」といえば両備バスや岡山電気軌道と同じ両備グループの和歌山電鐵で、貴志川線の終着駅・貴志駅の駅長を勤めている事で有名で、今や日本一有名な駅長(さらに役員にまで出世していますが…)であると共に、猫としての知名度でも恐らく国内トップクラス、海外にまでその存在が知れ渡っている程ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、ご存知の方が多いかと思います。

和歌山電鐵ではこの「たま」をデザインした「たま電車」を走らせており、車両自体は南海電車のお古ながらも徹底した改装で内外共に非常に個性的な車両となっており、この電車に関しても以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた事がありますが、昨年同電鐵の「いちご電車」と共に発売されたNゲージサイズ(150分の1スケール)のディスプレイモデルも、「たま電車」の方はあっという間に店頭から姿を消した事などからも、相当な人気振りが伺えます。

両備グループの本拠と言える岡山でも、「たま」の人気にあやかって「たま電車」登場後に同種デザインの路面電車を登場させていますが、こちらは「たま」と名乗っているものの「たま電車」とは標記しておらず、同種デザインながらも本家和歌山電鐵で活躍する「たま電車」とは差別化が図られています。

また先月MAKIKYUが初めて「たま」電車に遭遇した際には、乗車機会こそなかったものの、起点となる岡山駅停車中に車内の様子も伺うことができたのですが、車内は座席モケットが「たま電車」でも見られる独特なものに改められ、天井などに「たま」のイラストが貼られるなどの特徴が見られたものでした。

ただ「たま電車」の様な大規模な改装は行なっておらず、岡山電気軌道でもモダンなデザインの新型低床車「MOMO」や、非冷房の旧型車両を大改装した「KURO」などに比べると、同社では一般的な旧型車下回りを転用した車体更新車だけあって、インパクトは薄い印象もあります。

とはいえ岡山電気軌道は日本全国の路面電車の中では極めて小規模であるにも関わらず、様々な種類の電車が走り回る様は非常に興味深いもので、機会があれば「たま」電車にも乗車してみたいと思ったものでした。


Merry Christmas!~先日イルミネーション電車に遭遇

2010-12-24 | 鉄道[中国]

現在冬の青春18きっぷシーズンという事もあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、青春18きっぷを利用して既に何処かへ行かれた方や現在旅行中の方、そしてこれから何処かへ行こうと計画をしている方なども居られるかと思います。

MAKIKYUもつい先日、青春18きっぷを利用して岡山・広島方面まで足を伸ばしていましたが、その際に途中下車して街中に繰り出し、路面電車に乗車した際には、偶然イルミネーション電車に遭遇する事が出来ましたので、このイルミネーションの様子をクリスマス記事として取り上げたいと思います。

MAKIKYUが乗車したイルミネーション電車は、外観こそ特に装飾されていないものの、車内に足を踏み入れるとLED電球をはじめとする様々な装飾が施されており、その様は車外からでも非常に目立つ程でした。

 
ましてこの電車の車内に足を踏み入れるとなれば、その装飾の見事さは相当なモノで、見事なイルミネーションに偶然遭遇した乗客が、電車の天井に向けてカメラを向けている姿も散見された程でした。

ちなみにこのイルミネーションが施された電車は、以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があり、MAKIKYUは以前にも2回程乗車した事がある岡山電気軌道の低床電車「MOMO」で、イルミネーションは当然ながら期間限定となっています。


「MOMO」は車内外のデザイン自体が、JRの特急や観光列車などをはじめとする各種車両や国際航路などのデザインを手がけた事で知られる某デザイナーによる拘りの作品で、まして1編成しか運行していない広告塔的存在の電車ですので、他所から岡山を訪れた場合、この電車に乗車するだけでも、充分な価値ありと言える車両です。

先日乗車した際は、イルミネーションのお陰で以前「MOMO」に乗車した時とはまた違った雰囲気を感じたもので、日常生活では余りクリスマスを実感する事がない身としては、普段なかなか乗車機会のない路線で随分良いモノを見れたと感じたものでした。

ただ岡山電気軌道は日本国内各地で運行している路面電車の中でも、規模が極めて小さい事で知られており、MAKIKYUはこのイルミネーション電車に始発の東山から終点の岡山駅まで乗り通したのですが、それでもあっという間というのは惜しい限りです。

現在国内で活躍中の電車では異例とも言え、「MOMO」の特徴的過ぎる座席の材質などを考えると、高速運転で知られる首都圏の標準軌某大手私鉄で最近出回っている「ブカブカ」した異様な感触の座席などより余程良いと感じるとはいえ、余り長い時間の乗車ではなく、あっという間と感じてしまう位の方が良いのかもしれませんが…


災害被災の呉線・ようやく全線で運転再開~今日の活躍ぶりも記録は早めに…

2010-11-01 | 鉄道[中国]

 

今年夏は大雨の影響により土砂災害等が発生し、JR線の中にはこの影響によって今もなお不通となっている路線が幾つか存在していますが、そんな中でJR西日本の呉線は、不通(バス代行)が続いていた一部区間の復旧工事がようやく完了し、晴れて今日から運転再開となっています。

呉線広以東は一応電化線区ではあるものの、閑散としたローカル線区といった印象が強く、決して利便性の高い路線ではないものの、鄙びた雰囲気と瀬戸内海沿いに走る景観は魅力的です。

ただ土地柄もあってかワンマン運転列車が多く、ワンマン運転対応の関係で105系と呼ばれる通勤電車が主体となっているのは少々惜しい所です。

MAKIKYUが呉線広以東の区間に乗車した際には、105系(左側写真)を含む写真の2車種(写真は呉線ではなく、どちらも広島地区の他線区列車に充当された際のものです)に当たっていますが、一方は既に今では見られない装いで、もう一方も今後の単色化進行により、あと数年で見納めとなりますので、様々な装いの電車が入り乱れる今日の活躍ぶりも早めに記録しておきたいものです。

また呉線全線の運転再開により、長らくの間運休となっていた観光列車「瀬戸内マリンビュー」の運転もようやく再開となります。

MAKIKYUも以前、長期不通区間を含む呉線広以東の区間には乗車した事があるものの、最近は久しく利用機会がない事もあってか、瀬戸内マリンビューにはまだ乗車した事がなく、それどころか瀬戸内一帯も最近は新幹線で通過するばかりで立ち寄る機会がありませんので、機会があれば瀬戸内マリンビューの指定席に乗車し、風光明媚な瀬戸内海沿いの車窓を楽しみたいものです。

この呉線復活後もJR西日本では全線不通が続く非電化線区が存在し、JR東日本でも同様の線区が存在していますが、これらの路線や復旧放棄(バス代行輸送常態化)のJR東海某非電化線区末端区間などは、未だに復旧見込みの話も聞きません。

復旧放棄線区・区間はともかく、JR西日本HPやJR東日本HPの列車運行情報の項で、遅延・運休などの異常を示す項目が完全に消えるのはいつになるのか気になる所ですが、どちらも存続自体が疑問視される路線ですので、再び鉄路に列車が走る事で異常を示す項目が消える事を願いたいものです。