MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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ダイヤ乱れにより突如運行された「通勤準急 新宿 ゆき」~途中2度の種別変更も

2020-05-27 | 小田急グループ

昨日早朝、小田急線は祖師ヶ谷大蔵駅で人身事故が発生し、この影響で事故現場付近は暫くの間運転見合わせ。

その後7時頃に全線運転再開となったものの、ダイヤ乱れは朝ラッシュ時間帯を直撃し大混乱、特急ロマンスカーと千代田線直通列車の全面運休をはじめ、その他の列車も運休や大幅遅延、種別行先の変更などが多発する状況でした。

小田急線は首都圏屈指の輸送人員を誇る路線だけあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中にも、この人身事故の影響で通勤などに影響が出た方も居られるかと思いますが、MAKIKYUも昨日所用で都心方面へ出向いており、この人身事故によるダイヤ乱れの影響を被ったものでした。

ちなみにMAKIKYUが平日朝ラッシュ時間帯に都心方向へ向かう際は、所要時間は快速急行などに比べると長いものの、本厚木か海老名から始発で乗車すればほぼ確実に座れ、混雑率も低い千代田線直通通勤準急を愛用しており、昨日もこの通勤準急を利用したものでした。

ただ人身事故の影響で千代田線直通は中止となっていたため、通常は設定がない「通勤準急新宿ゆき」として運行。


フルカラーLEDの表示幕や車内LCDモニターはきちんとこのイレギュラーにも対応しており、通常ダイヤでは乗り入れる事がないメトロ車両による(小田急)新宿ゆきは異質な光景と感じたものでした。

車内では登戸から先は各駅停車で運転予定という案内があり、その後更に代々木上原から先は急行で運転予定という案内も入りました。


通常ダイヤの途中駅種別変更列車(新宿発だと快速急行小田原ゆき→新松田から急行小田原ゆき、急行唐木田ゆき→新百合ヶ丘から各駅停車唐木田ゆきなど)では、LCDモニター装備車両だと種別変更の旨も案内表示が出るものの、ダイヤ乱れによるイレギュラーな種別変更という事もあり、この表示はなく種別変更駅で表示がいきなり別種別に代わる状況でした。


列車は運行状況次第で種別/行先が変更される場合もある旨も案内されていましたが、車掌案内で事前に伝達された通りの種別変更で新宿まで運行、実態は各駅停車新宿ゆき→代々木上原から急行新宿ゆきで運行されたと言っても過言ではなく、これなら本厚木出発時点で臨時各駅停車新宿ゆきとして運行しても良かったのでは…と感じたものでした。

一応通過駅はあるものの、以前設定されていた区間準急よりも停車駅が多く、こんな運行形態の列車に始発~終点まで乗り通したのは初めてでしたが、ダイヤ乱れの影響で列車詰りが発生し、断続的に駅間抑止なども発生したため、結局始発~終点まで2時間を要し、平時の各駅停車よりも所要時間はずっと長い有様でした。


新宿駅では特急ロマンスカー専用ホームとなっている2番ホームに到着、到着時点で表示は折返しの「回送」に切り替わっているのは少々残念でしたが、それでも日頃姿を現す事はまずない東京メトロ車の姿は新鮮で、この姿を手持ちのカメラやスマホなどで撮影する人物の姿も散見したものでした。

また乗車した車両は車内フリーwifiが使える東京メトロ車だった事(小田急所属の車両でフリーwifi装備は特急ロマンスカーのみ/JR東日本から乗り入れて来るE233系もフリーwifi未装備)と、また学校などは休校が続いているため平時より乗客が少なく、経堂辺りまで空席が散見される状況だったのは幸いでした。


それでも朝からこんなイレギュラーな事態に見舞われると、新宿に就いた途端「疲れた」と感じ、改札脇に置かれていた遅延証明書の遅延時分欄は「90分」にパンチ穴が開いている有様でしたので、昨日のダイヤ乱れは相当と感じたものでした。

メトロ車両による(小田急)新宿入線は、MAKIKYUが乗車した限りでは昨日で3回目、今回は平常ダイヤでの運用差替ではなく、ダイヤ乱れによる運行変更ですので、設定要因自体は喜べるものではありませんが、平時でも何本か(小田急)新宿に乗り入れる運用設定はあっても良いのでは…とも感じたものでした。

ちなみに以前MAKIKYUが(小田急)新宿駅に乗り入れる東京メトロ車両に乗車した際も、その時の様子を取り上げた記事を作成・公開していますので、興味のある方は併せてご覧頂けると幸いです。


16000系 各駅停車経堂ゆき→経堂から準急新宿ゆき (2017年12月)
https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20171201

6000系 多摩急行新宿ゆき (2006年5月)
https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20060514


ウラジオストク市内を走る路線バス~主流は韓国車

2020-05-20 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ウラジオストク市内を走る路面電車に関して取り上げましたが、路面電車は現在郊外を走る6系統一路線のみの運行となっています。

そのため市内交通機関の主流は路線バス、MAKIKYUが昨夏ウラジオストクに到着した際、最初に利用した交通機関も、ウラジオストク駅(Вокзал)~バリャエヴァ (ул. Баляева)間を結ぶ「7T」系統の路線バスでした。

この系統は路面電車代替路線の一つで、終点のバリャエヴァバス停は、現存する路面電車6系統の始発電停、ミンヌイ・ゴルトク(Минный городок)電停と徒歩2~3分程度の所にあります。

乗り通すと昼間時間帯でも40分程度、道路が空いている早朝深夜などであれば、所要時間はもう少し短いと思いますが、ダイヤには余裕があるのか、途中バス停で時間調整を何度も行っていたのは印象的でした。


MAKIKYUが乗車した車両は、最近韓国では見る機会がなくなった現代AEROCITYシリーズの経年車、外見も見るからに草臥れた印象が否めませんが、最近の韓国では聞く機会も減った一昔前の三菱エアロスター加速仕様車によく似た走行音はいいなと感じたものでした。

  
車内に足を踏み入れると、韓国語の注意表記なども見受けられ、韓国で使用していた車両の中古だろうと推測される状況でしたが、座席配置は韓国の市内バスでは余り見かけないものとなっており、ロシアで増設したものなのかも気になったものでした。


車内掲示の「23руб」は23ルーブルの事、昨夏時点での市内バス運賃は23ルーブル(約40円程度)の均一運賃となっており、1乗車1~2元程度の中国市内公交汽車よりはやや割高なものの、韓国の市内バスなどと比べても割安な設定。

前乗り前払いが殆どの韓国や中国の市内バスとは異なり、均一運賃ながらも日本だと関西の公営系事業者などに多い中乗り前降りの後払い方式となっているのが大きな特徴です。

ICカードリーダーの姿は見かけないどころか、定期券や回数券の類すら見かけず、皆現金で運賃を支払っていましたが、運賃箱は設置されておらず、その代わりにシフトレバー脇に机を設け、ここに運賃を置く→釣銭が発生する場合は、運転士が釣銭皿にある釣銭を渡す方式となっておたのが印象的でした。
(23ルーブルという細かい単位故に、30ルーブルや50ルーブルなどで釣銭をもらう乗客が非常に多く見られ、運転士が終点到着後収受人員分の乗車券をまとめて発券&釣銭皿に小銭を振り分けしている姿も目撃したものでした)


ちなみに7T系統では車型・塗装なども様々な車両が用いられており、車両を見て路線を識別する事は困難、車外の掲示(写真)などが頼りになる状況でした。


他車両の中には、ウラジオストクの市内バスで最もよく見かけるシルバー一色の現代大型車をはじめ、同型車の塗装違いなども活躍。


また大型車だけでなく中型車も混用されており、使える車両を片っ端からかき集めた様な印象を受けたもので、その中には韓国では近年見る機会がなくなった起亜製車両の姿も見受けられたものでした。

ウラジオストク駅~路面電車6系統電停間を結ぶ路線は他にも幾つかあり、またウラジオストク駅には発着しないものの、駅から少し北側に歩いた所に位置する中心街を経由する路線もありますので、路面電車乗車の序に様々な路線バスを乗り比べる事もできます。


写真の31系統は路面電車の終点電停・サハリンスカヤ(Сахалинская)で撮影したウラジオストク駅行、ウラジオストクで最もよく見るシルバー1色の現代製大型車ですが、広告付となっており、この車両以外にも広告付車両は時折見かけたものでした。

この車両は割合新しい車両ながら冷房装置は搭載しておらず、現代がロシア向け輸出仕様として製造した車両かと思いますが、ウラジオストクの市内バスは大半が非冷房車、もしくは冷房付車両でも未使用で窓を開けて走っている状況でしたので、夏場の特に暑い時間帯に乗車する際は要注意です。


7T系統や31系統以外の市内バス路線も、活躍する車両の主流は大型車で、中には韓国で見た事がある装いの車両も散見する状況。


それ以外も韓国製の現代と大宇が大半を占める状況でした。


ただ中にはMAN製車両の姿なども目撃し、これは数が少ないだけに際立つ存在とも感じたものでした。


また大型車が主流とはいえ、路線によってはミニバスも用いられており、こちらも一度だけ乗車したものでした。

韓国マウルバスの様に割安な運賃設定にはなっておらず、運賃は大型車で運行している市内バス路線と同額でしたので、大型車充当路線と重複する区間のみを乗車するなら、個人的には大型車の方が…とも感じたものでした。

昨夏のロシア訪問ではウラジオストク市内以外にも、近隣都市の市内バスや都市間バスにも乗車する機会がありましたので、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


ロシア・ウラジオストクの市内電車

2020-05-10 | 鉄道[その他海外]

現在世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルス、日本でも緊急事態宣言が出され学校や公共施設の閉鎖が相次ぎ、外出自粛要請が発令されるなど、様々な影響が出ています。

日本の隣国の1つ・ロシアでは感染者が10万人を突破、感染者が人口大国の中国を上回った事がニュースで報道されており、ロックダウン(都市封鎖)継続中であるなど、現状は日本とは比べ物にならない程深刻と感じられ、世界各地でコロナ禍が何時まで続くのか…と思うと気が滅入るものです。

ちなみにロシアはMAKIKYUも昨夏初めて足を運んでおり、その際に乗船したDBSクルーズフェリーに関しても、既に「MAKIKYUのページ」で取り上げていますが、昨秋から休航になっていたDBSクルーズフェリーは先日韓国海洋水産部に運航免許を返納、航路廃止となった事も報じられており、コロナ禍が災いしてしまったのか…と思うと残念な限りです。

このDBSクルーズフェリーが休止ではなく「廃止」になった事で、日本から直接ロシアへ向かう定期旅客航路は消滅、「近くて遠い国」という印象が否めないロシアが、心理的にはまた遠くなってしまう様にも感じますが、コロナ禍が静まった後に新たな運航引受会社が現れ、日露航路が再開される事を願うばかりです。

随分前置きが長くなってしまいましたが、昨夏MAKIKYUがロシアへ足を運んだ際に乗車した交通機関などのブログ記事化はまだ全然…という状況、そして現状では当分彼の地に足を運ぶのも難しいと思いますが、今日はMAKIKYUがロシアへ上陸した後に初めて乗車した鉄道でもあるウラジオストクの市内電車を取り上げたいと思います。

ウラジオストクはかつて多数の市内電車が運行、その中には国際フェリーターミナルも至近のウラジオストク駅に乗り入れる系統も複数存在していましたが、今世紀に入ってから路線廃止が相次ぎ、現存するのは市内東側を走るミンヌイ・ゴルトク(Минный городок)~サハリンスカヤ(Сахалинская)間を結ぶ6系統のみとなっています。

両電停共にウラジオストク駅から市内バス1本で行く事ができるとはいえ、中心部から離れた郊外間を結ぶ路線ですので、レールファン以外の観光客は余り利用機会がないのでは…とも感じたもので、その分生活路線としての雰囲気を存分に感じられたものでした。

車両や軌道の状態はお世辞にも良好とは言い難く、そう遠くない時期に大規模改修か路線廃止が行われても不思議ではないと感じたものでしたが、1系統のみながら複数種の車両が活躍しており、趣味的には面白い路線と感じたものでした。


MAKIKYUが最初に乗車した車両は、見るからに古めかしい車両という雰囲気の丸っこい車両。

後で調べたら形式名はРВЗ-6 (RVZ-6)との事で、1960年~87年とかなり長期に渡って製造された車両です。


終端駅ではラケット状に周回して折り返す事から、この車両だけに限らず、各車両共に運転台と乗降扉は片側のみに設置されており、この辺りも日本とは大きく異なる異国の電車らしさと感じたものでした。

旧ソ連各地に6000両以上が導入された様ですので、大ベストセラー車両と言っても過言ではない存在ですが、経年による老朽化で退役車が相次ぎ、現在活躍している車両は非常に少なくなっており、ウラジオストクでは少数派でした。


車掌が乗務して乗車券販売で車内を巡回する事から、運転席と客席は完全に仕切る事ができる構造になっているのも大きな特徴です。


車掌が販売する乗車券は感熱紙を用いたレシートの様なモノ、QRコードが印刷されているのが特徴で、ウラジオストクで利用した市内交通は路面電車だけに限らず、路線バスとケーブルカーも同種の乗車券でした。


車内の座席はクッション性皆無の一方向きクロスシート、日本の路面電車に例えると岡山市内を走る超低床電車と大差ないレベルという印象。

見るからに古めかしい車両ながらも、駆動方式は吊り掛け式ではなくカルダン駆動になっているため、軌道状態の悪さに起因する振動などは結構激しいと感じる一方、加減速音に関しては、日本の旧型単車に比べると遥かに静かとも感じたものでした。


6系統の主力車両は、こちらも1960年代~90年代まで長期に渡って製造され、如何にも共産圏の電車という雰囲気の角張った風貌の電車・KTM-5型。


装いは広告電車などではないにも関わらず不統一、様々なバリエーションが存在しており、趣味的には面白い反面、メンテナンスなどを考慮すると統一した方が良いかも…とも感じたものでした。

こちらは15000両以上が製造され、旧ソ連各地で導入された様ですので、スケールの大きさは桁違いと感じます。


角張った風貌の車両はKTM-5型以外にも、同型の後継版とも言えるKTM-8型も導入されており、こちらは1988年から20年近くに渡って製造、見るからに古めかしい2形式に比べると程度の良い車両とも言えます。

単車ながらも乗降扉が4箇所存在、中2扉が両開き式になっているのが大きな特徴で、車内収受式ワンマン運転が当たり前の国ではまずこんな車両は造らないだろうな…という雰囲気ですが、メンテナンスや過酷な環境が影響してか、これも年式の割には結構ガタが来ている様に感じる車両が幾つも見受けられたものでした。

このウラジオストク市内電車6系統、MAKIKYUが乗車した後に中古車両が導入された様で、これにより状態の悪い車両が一部代替された様ですので、現在は雰囲気も幾分変化している様です。

現在の世相故に暫くは足を運べそうにないのは残念な限りですが、ウラジオストクでは少数派のРВЗ-6にも乗車でき、ロシア入国当日、早速乗りに行った甲斐があったと感じたものでした。

またウラジオストクの市内交通は市内電車が現在1系統しかない事から、主流は路線バスとなっており、その中にはウラジオストク駅と市内電車の電停を直結する路線もありますが、この路線をはじめとした市内バスに関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。