先月MAKIKYUは今春開業したばかりの北海道新幹線に乗車機会がありました。
北海道新幹線は料金面では東北新幹線との跨ぎ利用で若干の割引が適用されるものの、特急料金は㎞通算されず別料金(運賃部分は㎞通算)となっており、分割民営化以降に開業した他新幹線(北陸・山陽~九州)と同様の扱いになっています。
列車の運行面では大半の列車は東北新幹線に直通運転、車両も東北新幹線と共用となっており、開業区間も青函トンネルを挟む新青森~新函館北斗間の部分開業のみ、北海道の基幹都市・札幌と東北新幹線沿線各都市の移動では、新函館北斗駅で新幹線と在来線特急に乗り継ぐ必要があります。
この様な状況に加え近年のJR北海道を取り巻く諸問題も影響してか、比較的近年開業した九州や北陸などの新幹線に比べると、盛り上がりも今一つという印象があります。
ただそれでも今までに比べると「近くて遠い北の大地」という印象が強かった北海道内各地への道程が、以前より随分便利になったと感じたのは事実で、近年在来線特急で相次いだ重大インシデントが、新幹線において発生しない事を強く願いたいものです。
前置きが少々長くなってしまいましたが、この北海道新幹線は東北新幹線と車両を共用しており、運行距離比率なども影響してか、運行車両の大半はJR東日本所属のE5系車両となっています。
しかしながらJR北海道も4編成(1編成10両-計40両)だけながら、E5系とほぼ同仕様の自社所属車両・H5系車両を導入しており、MAKIKYUが北海道新幹線に乗車した際には、この数少ないH5系に乗車する事ができました。
導入数が少なく車両の独自開発を行うのは厳しい上に、運用差替やミニ新幹線車両との混結なども考慮すると、JR東日本で実績のある車両と同等の車両を導入するのは必然で、H5系は北陸新幹線でJR東日本とJR西日本がE7系/W7系として、両者で同等の車両を走らせているのとほぼ同様の状況です。
とはいえE7系/W7系や東海道・山陽新幹線のN700系などとは異なり、車体塗装は窓下の帯色を変えているのが大きな特徴(E5系はピンク・H5系はパープル)で、車体側面にも北海道をイメージしたロゴを配しています。
車内に足を踏み入れると、普通車の客ドアは内側が黄緑色に塗装され、これもベージュ色のE5系とは異なったものです。
客室内も座席数や座席形状などはE5系と同等ながら、床材も雪の結晶をイメージした模様が入れられるなど、こちらも内装は完全共通仕様のE7系/W7系に比べると、JR北海道の個性を感じられる仕上がりになっていると感じたもので、LED蛍光灯を採用した関係で、天井周りの雰囲気がやや変化した点も注目と感じたものでした。
またMAKIKYUが先月北海道新幹線を利用した際には、JR東日本の株主優待乗車証(自社線内のみ料金を含めて2割引・1度に2枚まで利用可能)を用いた事もあり、新青森を境に北海道新幹線を含む以北のJR北海道区間と、新青森以南の東北新幹線を含むJR東日本区間で乗車券を分割して購入したものでした。
この事もあってか、新函館北斗から乗車したはやぶさ号(東京行)は新青森で下車、その後青森市内に数時間滞在してから新青森始発の東北新幹線で帰京していますが、帰京の際に乗車したはやぶさ号も北海道新幹線区間とは別編成ながら、こちらもJR北海道所属のH5系でした。
新青森から乗車した新幹線は、株主優待乗車証利用で料金も割引される事もあり、グリーン車を利用(株主優待乗車証2枚利用の場合はグリーン料金も4割引)したものでしたが、グリーン車デッキの客ドアは内側が赤紫色に塗装され、これもE5系とは異なるものです。
客室内に足を踏み入れると、こちらもLED蛍光灯採用に伴う天井構造の変化に加え、床敷物が流氷をイメージした柄になっているのが目立つと感じたものでした。
(E5系グリーン車は見た事があるだけで未乗ですが…)
ちなみにH5系はE5系と同様に「グランクラス」も設定されていますが、こちらはグランクラス利用客以外の見学目的での客室内立入りはご遠慮下さいという掲示が目立つ状況、専任アテンダント乗務もあって視察も困難な状況だけあり、こちらの画像はありませんのでご了承下さい。
このH5系は基本的にE5系の仕様を踏襲しながらも、可能な範囲で北海道らしさを出すという点では、他のJR複数社共同設計車両よりも一歩上を行く存在と感じたものでしたが、車内放送はチャイムも含めてE5系と全く同一、その上北海道新幹線区間でも東北新幹線区間と同一と言うのは、少々残念と感じたものでした。
(E7系/W7系やN700系では所属会社毎に車内放送チャイムが異なっており、個人的にはJR西日本の車両で用いているチャイムが好みです)
またH5系は新幹線50年の歴史において、初めてJR他社の新幹線車両と併結して運行を行う形式になったというのも注目点で、MAKIKYUが大宮駅ではやぶさ号から下車した際には、後部にJR東日本所属車両(E6系)を従えた姿を見る事も出来ました。
途中で社籍が変わった事(国鉄→JR各社への転換を除く)により、2社の所属歴(JR東海→JR西日本)を持つ新幹線車両には以前乗車した事もありますが、1列車で2社の新幹線車両が併結した列車に乗車したのは当然初めてで、H5系の運用数が少ない事もあってか、このシーンも注目と感じたものでした。
新青森以北の今春開業した北海道新幹線区間の様子に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
昨日東京から新大阪へ向かっていた東海道新幹線・下り「のぞみ」号の車中において乗客に死傷者が発生した事に関しては、既にニュースなどでも大々的に報じられていますので、ご存知の方も多いと思います。
(写真は事故車両と同形のJR東海所属による運行のN700系「のぞみ」号・先月岡山駅にて撮影したイメージ画像で、事件該当とは別編成です)
最初「東海道新幹線の車中において白煙が発生、心肺停止の乗客」というニュースタイトルを聞いた際には、以前JR北海道の気動車特急で何度か発生し、大きく報じられた車両トラブルと類似した事案が新幹線でも…と想像したものでした。
(新幹線は「電車」ですので、気動車特有の燃料漏れやエンジン過回転による加熱に起因した事故はまず発生しませんが…)
しかしながら様々なニュース報道などを見ると、自殺志願者が車中で焼死を図ったとの事で、JR側過失による車両や軌道などのトラブルや、運行側の手違いによる事故ではありませんので、今回の事案は「事故」ではなく「事件」と言っても過言ではないと感じます。
自殺志願者が自ら命を絶つのは致し方ないにしても、他に巻き添えで一酸化中毒とみられる症状により死亡した乗客がいる事や、それ以外にも乗客の中で大勢の死傷者が発生した事は遺憾です。
またMAKIKYUは東海道新幹線を利用する機会がここ最近は年に数回程度、先月も一度利用機会がありましたが、その際には横浜市内におけるJR在来線が複数路線でダイヤ乱れとなり、新幹線発着駅の新横浜駅に到達するまでに予想以上の時間を要したため、指定席利用だったものの指定列車に乗り遅れるという有様でした。
指定列車乗り遅れの際には、当日中の後続列車自由席のみ利用可能という条件付の乗車票を所持(旅行会社の個人型パッケージ商品利用)していましたので、新横浜駅から後続列車の自由席を利用したのですが、「のぞみ」号の自由席車は基本的に博多方の3両(1~3号車)となっています。
今回の事件が発生したのも、この自由席の中で先頭に位置する1号車で、MAKIKYUは乗り遅れや予定変更などで「のぞみ」号の自由席車を利用する事もしばしばありますので、自殺志願者がもう少し早く自殺計画を実行しようとしていたならば…と考えると恐ろしい限りです。
車両自体の難燃性が極めて高い事や、緊急停止した地点が地上だった事などは不幸中の幸いだったと思いますが、過去に韓国・大邱(Daegu)の地下鉄1号線で発生した放火事件では、異常発生後の対向列車入線に加え、車両自体の難燃性や避難誘導の問題などもあり、200名近い死者を出す大惨事に至っていますので、一歩間違えればこの事件と同レベルの大惨事にも発展しかねなかったと言っても過言ではありません。
現時点では故意に車内で問題を発生させる人物に対しての有効な予防策も乏しく、鉄道事業者や国土交通省なども頭を抱えていると報じられる状況ですが、こんな事が続くと中国高鉄(CRH)の如く乗車前に手荷物検査などのセキュリティチェック導入も必要となってしまいます。
鉄道をはじめとする公共交通機関は「安全第一」、お客様を目的地まで確実にお届けする事が最重要ですので、すぐに乗車券を買って乗れるという新幹線の大きなメリットを犠牲にしても、今後旅客の安全を確保するためにセキュリティチェックを実施という可能性も否定できませんが、今後同種事件の報を再び聞かずに済む事を願いたいものです。
そして今回の放火事件の巻き添えで不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷した乗客の方々が早期に回復される事を願うばかりです。
昨年秋に東海道新幹線・東京~新大阪間開業から50周年を迎え、今年は北陸新幹線・長野~金沢間が開業、また山陽新幹線全通から40周年という節目の年であるなど、最近新幹線に関する大きな話題が続いています。
今後も来年には青函トンネルを通り、北の大地・北海道にも新幹線が初めて到達する予定であるなど、まだ暫くは新幹線に関する大きな話題が続きそうな状況で、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いと思います。
これらに関連した話題の一つとして、造幣局が「新幹線鉄道開業50周年記念百円クラッド貨幣」という記念硬貨を発行した事も注目を集めており、今日から各地の銀行窓口などで引き換えが開始されています。
MAKIKYUは引き換え開始日となった今日、窓口営業時間内に銀行へ足を運ぶ時間が確保できた事もあり、早速引き換えに出向いたものでした。
新幹線鉄道開業50周年記念百円クラッド貨幣は、表面が国鉄時代に開業した東海道・山陽・東北・上越各新幹線と、開業したばかりの北陸新幹線で活躍する車両をデザインした計5種類、裏面は各硬貨共に同一デザインで、数年前に全廃となった元祖新幹線・0系を描いたものになっています。
(写真は新幹線鉄道開業50周年記念百円クラッド貨幣5種と共に、比較対照用に通常の100円硬貨も1枚写っています)
東海道新幹線のN700Aや東北新幹線のE5系、北陸新幹線のE7/W7系などは主力車両として順当な選択だと思いますが、山陽新幹線の500系は現在短編成化されて一部のこだま号で活躍する程度、上越新幹線のE4系も東北新幹線から転用のE2系へ代替が進む状況ながら、趣味的には非常に注目の車両ですので、これらを硬貨デザインに起用した辺りは、財務省もレールファンの心理を突いて…と感じたものでした。
ちなみにMAKIKYUが銀行窓口へ出向いた際にも、他に新幹線鉄道開業50周年記念百円クラッド貨幣への引き換えで窓口へ出向いている人物の姿を見かける程で、足を運んだ支店の一つでは、引き換え開始当日の入荷数は各400枚、各硬貨1枚ずつの5枚セット(500円)で1人2セットまでという案内が出ていた程、MAKIKYUは2つの銀行支店で2セットずつ、計4セット入手したものでした。
造幣局HPでは「上記以外の路線については、今後政令で定めるとともに財務省から改めて発表される予定です」という案内も見受けられたもので、今後他の新幹線などに関する同種記念硬貨の発行にも期待したいと感じたものでした。
この記念硬貨は取扱銀行窓口などへ足を運ぶ事が可能であれば、在庫がある限り額面金額のみで引き換えが可能(各硬貨共1枚ずつの5枚セットなら500円)ですので、この記事を見て興味を持たれ、まだ手元にないという方は、是非銀行窓口へ足を運び、入手されるのも…と思います。
また既に新幹線鉄道開業50周年記念百円クラッド貨幣を入手されたという方は、もし宜しければ記念硬貨に関する感想コメントなども頂けると幸いです。
今日から首都圏では超高額運賃で悪評名高く、辺境北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)が、更なる運賃値上げを行い、「驚愕の悪夢」とも言える凄惨な状況になっています。
(一方首都圏都市鉄道の中で、中距離運賃が比較的割安な事でも有名な東京メトロは、1日乗車券の値下げを断行しており、こちらは福音と感じる方も少なくないと思います)
千葉県内をはじめ首都圏各地にお住まいの方や、公共交通事情に詳しい方であれば、、「驚愕の悪夢」とも言える凄惨をご存知の方も多いと思いますが、一方西日本に目を移すと、山陽新幹線が来る3月15日で全線開業から40周年を迎える事を記念し、沿線の岡山~福岡地区を対象に、山陽新幹線を利用した関西への旅の魅力を伝えるTVCMの放映を昨日発表、今日からオンエアとなっています。
(写真は「MAKIKYUのページ」使用画像の中で、山陽新幹線の開業当初と、開業40年を経た現在を代表するイメージ画像です)
日頃首都圏に身を置くMAKIKYUは、このCMを直接TVで見る機会はまずないのですが、「あしたセレンディピティ」という特設サイト内でも、このCM動画を見る事が可能になっており、開設されたばかりの特設サイト内にあるこの動画を早速見たものでした。
大阪市内の名所をはじめ、近年大改装された大阪駅の様子などが映るCMはJR西日本らしいと感じたもので、CM映像と共に流れる楽曲「Serendipity」の歌声などもなかなか良いものと感じたものです。
「私鉄王国」とも称され、国鉄→JRへの転換後はJRの躍進も…という関西は、首都圏と並び都市鉄道が発達しており、見所も多数存在しますので、大阪をはじめ京都・神戸など各地のどこかを毎年1~3回程度は訪問、訪問回数も既に30回以上は…という状況ですが、それでもまた行きたいと感じるエリアです。
日頃首都圏に身を置くMAKIKYUが、山陽新幹線を利用して関西へ足を運ぶ機会はまずなく、むしろ関西以遠へ向かう際に東海道新幹線から直通の「のぞみ」号に乗車する事が大半、関西へ向かう際にはJR在来線か東海道新幹線ばかりと言う状況ですが、このCMを見るとますます関西へ足を運びたいと感じたもので、興味がある方は「あしたセレンディピティ」という特設サイトへ是非アクセス頂き、サイト内のCM動画も是非見て頂ければ…と感じたものでした。
ちなみに特設サイト「あしたセレンディピティ」のアドレスは以下の通りです。
http://ashita-serendipity.jp/
秋田新幹線開業に合わせて導入された「E3系」電車は、今年に入ってから最新鋭のE6系電車への代替がはじまり、先行導入車の「R1」編成は昨日ラストラン、その惜別セレモニーも催された事がニュースで報じられており、ご存知の方も多いかと思います。
この様なニュースを聞くと、比較的新しい路線と言う印象がある秋田新幹線も、車両代替を迎える時期になり、開業から結構な年数を経たものと感じる一方で、走行距離や車両使用状況などが、在来線とは比べ物にならない過酷な条件下で運用される新幹線車両の寿命が短い事を改めて実感させられます。
MAKIKYUも秋田新幹線こそ乗車機会は少ない状況ですが、少し前の3連休には所用で秋田市内まで足を運ぶ機会があり、その際にはE3系の代替で導入されている新在直通用の最新鋭車両・E6系にも初乗車する機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。
E6系はフル規格用の新鋭車両・E5系と併結し、従来以上の高速運転(最高速度300km/h以上)に対応した車両で、この事もあってかE5系と同様に先頭車は「鼻が異様に長い」スタイルとなっています。
この特徴的な形状の影響で客室空間が狭くなるために、先頭車両の座席定員がかなり少なくなっているのが大きな特徴で、定員減に対処するためにE3系(秋田新幹線用)より1両長い7両編成となっており、在来線区間の一部駅ではホーム延伸工事も行われた程です。
E6系は屋根上と共に先頭部が真っ赤な装いとなっていますので、前面を見ると天狗を連想させる風貌と言っても過言ではなく、新幹線車両にしては比較的ソフトな印象の先代車両・E3系に比べると、外観はかなり強烈なインパクトのある車両と感じます。
ただ車両側面は淡い装いとなっており、鮮やかな緑色が特徴的なE5系と併結した際には、控えめな印象を受けるもので、E5系に比べると地味な存在の脇役的車両という印象を受けます。
新在直通用車両だけに車体幅が狭く、フル規格新幹線区間では各ドア下に設置されたステップが跳ね上がり、ホームとの段差を解消しているのも大きな特徴です。
車内に足を踏み入れると、車体幅の狭さ故に普通車の座席配置は2+2列、在来線特急に乗車している様に錯覚させられます。
暖かみのある内装や、デッキと客室を仕切るドアの下部に描かれた稲穂のイラストなどは、乗った瞬間から「秋田」を連想させる車両と言っても過言ではなく、比較的好印象を受けたものです。
また座席自体もE5系と同様に、特徴的な形状の「可動式枕」が装備されているのも特徴で、これは好みが大きく分かれる代物かと思いますが、個人的には座席を倒しても頭の倒れる角度が小さくなる事もあってか、見た目はともかく実用的にはない方が…と感じます。
ちなみにMAKIKYUがE6系に乗車したのは、画像を見て気付いた方も居られるかと思いますが、同系限定運用となる新在直通運転の「スーパーこまち」号ではなく、東北新幹線内のみを運行する「やまびこ」号です。
(秋田まで足を運ぶのに「邪道」という声も出るかもしれませんが…)
案内表示器に関しては最近の新幹線では一般的な「文字サイズの大きなフルカラーLED」、在来線ではLCDモニター装備車両が一般的な今日でも、日本の高速列車における車内案内装置は何故かLED表示ばかりで、そろそろLCDモニターが出てきても…と感じます。
(高速列車も韓国のKTXは、初代と山川(後に増備された車両)共にモニター案内なのですが…)
乗車した「やまびこ」号は、途中駅ではE2系+E3系の併結列車にも追い抜かれる「下克上」状態で、こんな光景が見られるのは、車両代替の過渡期ならではと感じたもので、停車駅が多く乗車時間は長くなる「やまびこ」号は、E6系の初乗車を堪能するにも絶好と感じたものでした。
E6系が通常「スーパーこまち」「こまち」号で運用される場合は、基本的に全席指定席となりますが、「やまびこ」号で新在直通用車両を併結して運行する場合、新在直通用車両は基本的に自由席となります。
MAKIKYUが乗車した「やまびこ」号は臨時列車で、編成が長く供給座席数が多い事もあってか、乗客数が多く指定席完売の列車が続出している3連休初日でも、下りの大宮出発時点でも自由席の半分も埋まらず、2人がけ座席はグループ客の乗車を除くと、殆どがゆったりと過ごせる「ひとりだけシート」状態でした。
仙台を過ぎたら各号車共に数人程度しか乗っていない状況で、この「やまびこ」臨時列車は多少の時間的余裕があれば穴場的存在と感じ、料金が少し安くなる上に好きな座席を選べ、「わざわざ指定席券を買わなくて良かった」と感じる状況でした。
また普通車だけでなくグリーン車も車体幅が狭いにも関わらず2+2列、設備的にはE5系などに比べると見劣りが否めないにも関わらず、終点盛岡までわざわざこのグリーン車に乗車している乗客が見受けられたのは少々驚きで、わざわざE6系の初乗りを目論む乗客は、MAKIKYU以外にも幾人も…と感じる状況でした。
E6系に乗車した際の感想としては、在来線特急の一般的レベルなどと比較すればまずまずで、内装の雰囲気なども悪くないと感じたものですが、シートピッチなどの面で同世代のフル規格車両・E5系に比べると見劣りが否めず、東北新幹線内のみの利用でE5系+E6系の併結編成による列車に乗車する際、同じ料金・混雑率であれば、E6系を選ぶのは…と感じたものでした。
新在直通用車両の客室設備が若干見劣りするのは、座席定員が少なく在来線区間への直通需要がある車両を、フル規格新幹線内だけの指定席利用客にはなるべく選ばせず、意図的にフル規格車両へ誘導しているのでは…とも勘ぐりたくなる程です。
とはいえシートピッチなどで設備的に見劣りが否めない車両を、料金がやや低額で、短距離利用客が多い傾向にある自由席車として運用するのは賢明な策かと思います。
新在直通用車両を輸送力の増強が必須な時期の臨時列車に、フル規格車両の増結車として運用するのも、需要に合わせて供給座席数を増やすという点では評価できる事と感じます。
秋田新幹線ではE6系導入に伴い、E3系が代替対象になり、これらの中には後に増備されて経年の浅い車両も含まれていますが、性能上今後東北新幹線E5系に併結しての運用は難しくなり、東北・秋田新幹線以外で運用できないのであれば、余剰廃車も免れない状況です。
しかしながら上越新幹線では不恰好な外観に加え、性能面でも芳しいとは言い難く、居住性も余り評価できないものの、供給座席数に関しては他車両の追随を許さない全車2階建てのゲテモノ車両が主力を占めており、近年この車両の運用離脱も始まっています。
これを単純に現在上越新幹線への転用が進むE2系(10両編成)で代替するともなれば、相当な増発でもしない限りは供給座席数の大幅減少にもなります。
E3系の居住性も大曲方普通車の長時間乗車などはやや難ありですが、全車2階建てのゲテモノ車両に比べれば遥かに良好かと思いますし、運用上の物理的制約も殆どないかと思います。
そのためE6系導入で余剰となる経年の浅いE3系の一部車両を、上越新幹線のラッシュ時や繁忙期における自由席車として運用し、輸送力増強用として活用できれば…と感じますが、こんな事を感じているのはMAKIKYUだけでしょうか?
今月MAKIKYUが新潟県の佐渡島へ足を運んだ際には、佐渡島・両津港への航路が出航する新潟までの往復は、日程の関係などもあって、往復共に上越新幹線を利用したものでした。
(首都圏~新潟程度の距離であれば、時間に余裕があれば個人的には青春18きっぷ設定期間に普通列車乗り継ぎで移動しても充分、また期間・対象便限定で大幅割引となっている高速路線バス(池袋~新潟間2900円:西武バスや新潟交通などが運行し、一部便は3列席車充当)の利用も検討したい所ですが…)
上越新幹線の高崎以遠は、久々に乗車したものでしたが、現在この区間で走っている車両は2形式あり、そのどちらも最近は東北新幹線から退き、専ら上越新幹線での運用に従事しています。
その一つが200系電車で、同系は東北・上越新幹線開業に合わせて導入され、その後暫くの間増備が続いた車両で、増備分はJR化以降に製造された車両も含まれますが、基本設計は国鉄由来のもので、当然ながら直流電動機を装備した車両です。
東海道・山陽新幹線ではJR東海はおろか、古い車両を長く使い続ける事では有名で、今でも在来線ではかなりの古参車両がゴロゴロしているJR西日本ですら、200系より後に登場した国鉄末期設計の100系電車や、JR化後に設計された270km運転対応のVVVF車・300系電車を全廃しています。
その一方、在来線では次々と車両を入れ替えているJR東日本が、車両寿命の短い新幹線において、未だに200系電車を使い続け、国内最後の国鉄型新幹線車両、かつ直流電動機を装備した新幹線車両が東京駅まで乗り入れてくる姿が今日も見られるのは、奇跡的と言っても過言ではない気がします。
200系は大半が既に廃車となり、東北・上越新幹線開業時に導入された車両こそ絶滅しているものの、未だに活躍が見られるのは、2000年前後に一部編成で大規模な車両更新・延命が実施された事も影響しており、現在活躍する200系電車は、全てこの車両更新工事を施行した車両となっています。
車両更新工事施行車両は、E2系などに良く似た装いに改められ、200系の原型車が消滅した今日では、原型車両と同じ白と緑色の装いに戻された編成も僅かに存在しています。
側面の行先表示もLED化されるなど、原型とは大きく姿を変えていますが、かつての字幕時代の車両種別表示窓(自由席/指定席)を埋めず、LED化してもこの表示窓を残している一方で、その隣にある行先・列車名表示のLEDでも交互表示で車両種別を表示しているのは、少々違和感を受けます。
この車両更新工事施行車両は、客室設備もE2系レベルの座席の交換され、天井回りも原型とは大きく異なるなど、車両更新工事施行時期の新車レベルと言っても過言ではない程のグレードを誇っており、徹底したリニューアル振りはJR西日本も真っ青…という程です。
(写真はグリーン車内の様子です)
ただ輸送力確保の意味合いもあってか、空間的なゆとりと言う点では、JR西日本が末期は専ら山陽新幹線内のこだま号に充当していた0系や100系の短編成改造車に軍配が上がるのは惜しい限りです。
(新幹線も首都圏通勤ラッシュ輸送の一端を担っている事を踏まえると、空間的ゆとりを多少犠牲にしてでも、座席数確保を優先する必要があり、致し方ない事なのですが…)
また現在は全て10両編成での運行となっている200系電車は、編成中の大半(9両)が普通車となっており、MAKIKYUが乗車したのも当然この普通車になりますが、同じ普通車でも見た目こそ整合性を取っているものの、乗車した編成ではよく見ると座席が2種類存在している状況でした。
一方はJR東日本名物の座面スライド機能を装備し、リクライニングとは別にもう一つボタンが存在するタイプで、JR東日本だけでなく、E2系ベースの中国鉄路・CRH2型でもこのタイプの座席を装備しています。
もう一方は3人がけも含めてリクライニング機能を装備し、背面テーブルも装備した回転式座席ながらも、座面スライド機能がなく、座面スライド機能付き座席に比べるとやや古めで、若干の見劣りが否めない座席で、真ん中当たりの車両でこの座席が見受けられたものでした。
MAKIKYUが乗車した列車は、自由席が多い区間列車の「たにがわ」号(越後湯沢駅で新潟からの「Maxとき」号から乗り換え)で、自由席車で2種類の座席を選択できる状況でしたが、上越新幹線では足の長い「とき」号では自由席車の数が少なく、同列車では指定席になる号車で、自由席よりグレードが劣る座席を装備した車両が存在するのは、少々感心できないと感じたものでした。
とはいえ上越新幹線で現在主力を占めている全車2階建て車両(8両編成or2編成併結の16両編成)に比べると、空間的なゆとりなどは200系の方が断然上等と感じ、ハズレ座席に当たったとしても2階建て車両に比べれば…と感じたものです。
しかしながら古参車両である上に、直流電動機装備でエネルギー効率も決して良いとは言い難い車両ですので、現在200系を充当している一部列車において、来年1月末に東北新幹線から転属したE2系電車への置き換えが数日前に発表され、MAKIKYUが乗車した「たにがわ」号もこの置き換え対象列車に含まれていました。
車両の経年や運行コストに加え、編成や乗車定員などを考えると、E2系転配による車両置き換えは、200系が優先的に対象となってしまうのは止むを得ないのかもしれませんが、居住性という観点で見れば、全車2階建て車両の方を先に…と感じてしまいます。
200系は車両更新工事施行からも既に10年以上が経過しており、E2系が上越新幹線に転配される状況では、退役も致し方なく、むしろよく今日まで活躍し続けたと感心する程で、今後全面退役までに再度乗車機会が訪れるのか否か…という状況ですが、上越新幹線を利用する機会があるならば、個人的には是非200系充当列車を選んで乗車したいと感じたものでした。
(お断り)200系新幹線は首都圏~甲信越(新潟県)に跨って運行していますが、この記事のカテゴリーは甲信越扱いとさせて頂きます。
先月MAKIKYUが韓国まで足を運んだ際、その道中で西日本鉄道(西鉄)の「FUKUOKA 1DAY PASS」を利用して、今月限りで一部区間廃止となり、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げた八木山線などの西鉄バスや、西鉄電車などを利用して福岡県内を動き回っていた日がありました。
その際には西鉄グループだけでなく、夜に別途運賃・料金を支払って博多駅からJR博多南線にも乗車したもので、この時には16日にさよなら運転、定期運転は今日で終了となる100系車両に乗車したものでした。
100系は16両・2階建て車両を組み込んだ堂々たる編成で東海道新幹線を駆け抜けていた頃と、晩年の短編成で山陽新幹線の「こだま」で活躍した列車を合わせても、MAKIKYUが乗車したのは指の数程度という車両でした。
とはいえ開業当初から延々と0系の増備が続き、永年フルモデルチェンジが行われず、0系同士での車両代替と言う異例の事態になっていた東海道・山陽新幹線において、登場当時は斬新さを感じたシャープな前面形状に、2階建て車両も組み込んだ編成は、幼い頃のMAKIKYUにとって格好良く、未来へ向けてひた走る新時代の新幹線という印象を強く受けたものでした。
設備面でも大柄な車体や全盛期の2階建て車両など、300系以降の東海道・山陽新幹線車両は機能重視の車両が主流を占める中、ゆとりを感じる車両という印象があります。
また晩年の活躍では、行先表示が3色LED式に改められ、先頭車化改造車も登場すると共に、新幹線最短の4両編成も出てくるなど、JR西日本らしさを感じる面が幾つもありましたが、客室設備も全車普通車ながら2+2列の座席に交換された事で、さらにゆとりを感じる車両になったと感じたものでした。
山陽新幹線「こだま」や博多南線では、専ら短時間乗車になるものの、もっと乗っていたいと感じる新幹線車両としては、九州内で活躍し、
こだわりのデザイナーが手がけた800系と双璧をなす存在と感じ、300系ですら引退する今日では致し方ないとはいえ、全廃はやや惜しいものです。
(この点博多南線の約200km北を走る動力集中方式の高速列車は、見た目や客室の雰囲気こそ独特なものの、車内空間の居住性は正反対で、余り高い評価は出来ないと感じています)
一時期黄緑色を基調とした装いとなり、100系最後の活躍舞台となったJR西日本のこだま号用車両も、往年の装いに戻されて有終の美を飾る事になり、最後にリバイバルカラーとなった車両に乗車できたのは幸いでした。
初期車両hJR化以前からという新幹線車両にしては長寿を誇り、今日の新幹線車両とは異なる特徴を持った100系は、既に一部が中京地区の博物館に展示されており、この博物館を訪れれば、今後も全盛期の活躍ぶりを偲ぶ事が出来るのも幸いですが、往年のぶりは頭の片隅にも留めておきたいものです。
MAKIKYUは数日前、所用で横浜駅周辺へ出向く機会があったのですが、その際に横浜駅でJRの改札を出ようとした所、グランクラス紹介イベントの告知を見つけたものでした。
(現在このイベントは終了しています)
この告知を見ると、イベントはすぐそばの西口コンコースで行われており、丁度イベントを実施している時間と言う事もあり、同行していた知人を誘い、このイベントに足を運んだものでした。
グランクラス紹介イベントでは、告知通り東北新幹線の最新型車両・E5系のダイヤブロック展示や青森県観光PRのパンフ配布などが行われ、イベント会場に設置されたモニターでE5系車両やグランクラスの案内を放映すると共に、今日注目を集めているE5系新幹線のグランクラス座席も、車内に設置されている座席と同等品の2人がけ1脚(実車では通路を挟んで2人がけと1人がけの横3列配置で、車両定員は18名)が展示されていました。
E5系新幹線自体は、MAKIKYUも昨年秋に北海道へ足を運んだ帰りに「はやぶさ」号で一度普通車に乗車しているのですが、グリーン車を凌ぐ設備で注目を集めている目玉のグランクラスは、乗降口に専任アテンダントがいる上に、反対側のグリーン車内から客室に入ろうとしても、車両間の貫通扉の先にもう一つ扉が設けられ、この扉にはご丁寧にも「ご利用以外の見学はご遠慮下さい」というステッカーが貼られていた程ですので、駅ホームで外から眺めるだけという有様でした。
そのためレカロ製という事でも話題のグランクラス座席は、窓越しに撮影した写真が僅かに…という有様ですので、このイベントで実物が展示されているとなると、通常はすぐそばで実物を撮影するのが難しいこの座席を撮影するまたとないチャンスと感じたものでした。
またグランクラス座席は展示しているだけでなく、NRE関係者による実演を交えた取り扱い説明の後、イベント見学者も着席体験が可能(希望者の人数が多い場合は着席人数限定の可能性ありと言う案内がありましたが…)となっており、MAKIKYUも同行していた知人と共に、グランクラス座席に初めて着席したものでした。
グランクラスの座席は、MAKIKYUが以前一度だけ利用した事があり、やはりグリーン車の上を行く設備を売り物としているDXグリーン車(JR九州787系電車の一部に設置)と同様に、リクライニング機能などは電動式となっており、普段はせいぜい新幹線・特急普通車利用が上等というMAKIKYUとしては、この様な座席を利用する事は殆どなく不慣れな事もあってか、DXグリーン車利用時と同様に少々違和感を感じたものでした。
座席自体のサイズやリクライニング角度は非常に大きく、また今回のイベント展示では座席1脚のみの展示で全く有り難味を感じないものの、バックシェルタイプで後方に気兼ねせずに存分にリクライニングできるのも特徴で、広いシートピッチとあわせ、グリーン車を凌ぐ最上級車両の座席ならではと言えます。
ただ座席モケット自体は本革を用いているものの、白色はやや重厚感に欠ける上に、2段階折り畳み式で前後スライドも可能なテーブルも、一般的なFRP製(?)という事もあり、座席のスペックはともかく、最上級車両ならではの重厚感は、木材をふんだんに用いたDXグリーン車座席の方が…と感じてしまったものでした。
(上写真はグランクラスではなく、以前DXグリーン車に関しての記事を取り上げた際に使用したDXグリーン車座席の画像(再掲)です)
またグランクラスでは車内設備だけでなく、専任アテンダントによる様々なサービスも売り物となっており、来月のダイヤ改正以降E5系で運転される「なすの」号では付帯サービスを省略する事もあってか、他列車よりもグランクラス料金を2000円引きで設定する事なども、付帯サービスに力点を置いている事の表れと言えますが、イベント会場ではグランクラス旅客向けにサービスされる飲食物に関しての紹介もありました。
グランクラス乗客(3月改正以降の「なすの」号を除く)は、軽食サービスがあり、イベント会場ではモニター放映による案内だけでなく、実際に提供している和食の1例を公開しており、季節や列車の進行方向(下り/上り)でメニューを変えるなどのこだわりがある様ですが、和食の1例を見ると食材はそれなりに高級ながらも、ご飯の量が随分少なく、本当に「軽食」といった雰囲気でした。
飲み物もアルコール類を含むフリードリンク、それも専用のガラス製容器で提供されるというこだわりぶりで、イベント会場で説明を担当したアテンダント曰く、シードルがおススメ…との事でしたが、日頃酒類とは無縁なMAKIKYUとしては、もしグランクラスに乗車する機会があったとするならば、ソフトドリンクばかりの利用になりそうです。
このグランクラス紹介イベントは横浜駅西口コンコースと言う屋外、それも底冷えする寒い日の夕方で日陰になる場所という事もあり、空調が効いて高級感のある内装を誇るであろうグランクラス車内とは大違いで、余りの寒さで快適とは程遠い環境という事もあって、実際にグランクラスを利用してみない事には、その真価を評価するのは…と感じてしまったものです。
普段の乗務とは異なる底冷えする屋外の会場で、グランクラスの魅力を説くアテンダントの方々なども大変だろうと感じたものでしたが、MAKIKYUの会社内でも「最近グランクラスに乗車して…」といった話が飛び交っていますので、機会があれば一度は試してみたいものです。
先月MAKIKYUが北の大地から帰還する際には、札幌~函館間で特急「スーパー北斗」号に乗車し、函館駅で特急「スーパー白鳥」号に乗り継ぎ、終点の新青森駅で更に東北新幹線に乗り継ぐ行程を取ったものでした。
東北新幹線の八戸~新青森間は昨年12月に開業を迎えたばかりで、先月新青森から東北新幹線に乗車し、この新規開業区間を利用する事で、一時的に途絶えていたJR完乗(定期旅客列車の走る区間で、連絡線などの類を除いた話ですが…)を再び達成できたのですが、その際には3月に営業開始したばかりの新形式・E5系電車や、同系限定で運転される最上級列車「はやぶさ」号にも初めて乗車したものでした。
この車両は高速走行時の騒音対策なども影響してか、先頭車の外観は最近の新幹線らしく、デザイン的には余り感心できない雰囲気となっていますが、先頭部がやたらと長い事もあってか、先頭車の客室面積は非常に狭くなっているのも特徴で、既存のE2系と並ぶと違いは一目瞭然です。
この狭い中途半端な区画の片方は、グリーン車を凌ぐ最上級車両「グランクラス」となっており、JR九州の787系電車で運転される一部特急列車に連結されている「DXグリーン車」のJR東日本版とも言える存在です。
このグランクラスは10両編成の10号車に設けられ、9号車に特別車両のグリーン車、そして8~1号車は普通車となっており、MAKIKYUが乗車したのは普通車の8号車でした。
普通車は標準サイズの新幹線では典型的な、横3+2列配置の座席配列になっていますので、ほぼ同時期に運行開始した九州新幹線「さくら」号などで用いられるN700系(7000/8000番台)の横4列席になっている指定席車に比べると、設備的には見劣りしてしまい、グレーの座席モケットも経年が進むと汚れや退色が目立たないか気になる所です。
しかしながらMAKIKYUは余り効能を感じなかったものの、枕部分が可動式になっているのは独特で、内装も荷棚部分に木目を用い、天井の木目部分の通路側はミラー仕上げにしているのも特徴的です。
荷棚下の空調噴出口も、飾り板を付けて目立たない様に仕上げているなど、通勤型電車で余りに簡素過ぎて貧相な印象の車両ばかりの印象が強く、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」を多数走らせている会社の車両にしては、随分凝った造りという印象を受けたものです。
新幹線などの高速列車はどちらかと言うと機能重視で、簡素な印象の車両が多い中、結構凝った造りで、暖かみのある雰囲気と感心したのは普通車車内だけでなく、デッキやグリーン車車内も同様です。
グリーン車も見た限りでは、既存車両より随分グレードアップしていると思います(MAKIKYUが比較対象できる車両は、東海道新幹線の300系と700系程度ですが…)が、グリーン車の上を行く車両が連結されている事もあってか、やや色褪せた印象を受けてしまうのは、DXグリーン車が連結されているJR九州の787系車両充当特急のグリーン車と同様です。
割安な設備を求める乗客→普通車/高価でも高品質な設備とサービスを求める乗客→グランクラスという事も影響してか、設備的には結構なレベルと見受けられるにも関わらず、乗車率が芳しくない様に感じたのは惜しい限りです。
そしてこのE5系では「グランクラス」が鳴り物入りの目玉として様々な所で取り上げられ、ご存知の方も多いかと思いますが、9号車のグリーン車から貫通路を経て10号車へ向かい、10号車側の扉が開くと、その先にはもう一つ扉が設けられています。
この扉には「ご利用にはグランクラス券が必要です」という案内のステッカーが貼られており、その下には「ご利用以外の見学はご遠慮下さい」という但し書きまで記されており、グランクラスの乗客以外は客室を通る事も…という状況になっています。
おまけに反対側の出入口扉には常時アテンダントが立っているなど、その気になれば比較的容易に様子を視察できるグリーン車とは大違いで、車端で通り抜けの必然性がない車両である事もあって、限られた乗客だけの空間という雰囲気を非常に強く放っていたものでした。
そのためグランクラスの客室内に立ち入って様子を視察する事はできず、終点の東京駅で折り返し整備中に、窓越しに様子を眺めた程度ですが、折り返し整備中には定員18名の狭い区画にも関わらず、グランクラスだけで複数人の清掃員が座席や肘掛などを入念に拭いており、この様な姿を見るだけでもJR側の相当な意気込みを感じたものでした。
MAKIKYUは日頃時間的余裕があれば、新幹線や特急よりも青春18きっぷなどを利用し、普通列車を利用する方が…というタイプですが、グランクラスでは設備面だけでなく、アテンダントによるミール・ドリンクサービスなども供されている事も話題になっています。
今後東北新幹線を利用する際、丁度良い時間帯のグランクラス連結列車(E5系充当列車)で窓側1人席のグランクラスに空席でもあれば、一度この車両に乗車し、JR側が意図する最上級の車両とはどの様なものかを、一度体感するのも…と感じたものでした。
ただはやぶさ号では新青森~東京間を普通車で乗り通しても、個人的にはかなり早いと感じたもので、グランクラス乗車では設備やサービスを堪能する間もなく目的地到着という事にもなりかねない気がします。
グランクラスに乗車するのであれば、個人的にはやや所要時間が長くて特急料金もやや安く、最近一部列車に充当されるようになった「はやて」号の方が狙い目と感じますが、現段階では物珍しさと希少性もあって注目されているグランクラスも、今後E5系が増備されて連結列車が増えた際、決して割安とは言い難い現行料金(グリーン料金+5000円)で利用がどれだけ定着するのか気になる所です。
先月MAKIKYUが九州へ出向いた際には、九州新幹線で全通と共に新たに走り始めた「さくら」号で、同列車運転開始と共に運転を開始した九州~山陽新幹線直通対応の新型車・N700系8000番台車に乗車しましたが、「さくら」号の一部列車(九州新幹線内のみ運転)や、各駅停車タイプの「つばめ」号の大半では、全通前から活躍している800系車両も充当されており、時刻表の「6両編成グリーン車なし」表記などで充当車両を見分ける事が出来ます。
800系は九州新幹線新八代~鹿児島中央間開業時やそのすぐ後に導入され、その後昨年にも全通後の運用増を見越した増備車が導入されていますが、昨年増備された車両は前面ライト部分や側面ラインの塗りわけなどが異なっており、外見でも容易に見分ける事が出来ます。
座席は2+2列配列のゆったりとした座席が並んでおり、全車普通車ながらもハイグレードな設備が特徴ですが、単にグレードが高いだけでなく、座席や窓のブラインドなどに「木」をふんだんに用いるなど、800系自体がJR九州独自の車両だけあって、某デザイナーが手がけたJR九州の車両ならではの強烈な内装となっています。
そのため様々な車種が存在している新幹線の中でも、インパクトの強さはダントツといった雰囲気がありますが、昨年増備された車両ではただでさえ強烈過ぎる800系の内装が、更にインパクトの強いものとなっており、その違いはマイナーチェンジともいえる外観よりもずっと大きなモノになっています。
MAKIKYUが先月九州新幹線でこのタイプの車両に乗車したのは、全通前の昨年に乗車した時以来2回目、どちらも自由席の利用になり、先月はたまたま増備車両の方に当たったのですが、九州新幹線全通後に山陽新幹線と指定席車両の位置・方向を統一するために、全通前とは逆に鹿児島中央方が自由席に改められたため、以前は指定席券を買わないと乗車できなかった号車に、自由席利用で乗車する事が可能となっています。
そこでMAKIKYUが乗車したのは、座席がモケットではなく革張りとなった2号車で、革張りというと在来線特急用の885系が有名ですが、885系よりも後に登場した車両だけあって、腰掛けた後に体が滑る感触が気になる事(885系はかなり完成度の高い車両ですが、この点が少々惜しい所です)もなく、また好みが分かれる革張り座席(個人的には好きですが、知人の中には余り好みでないと言っている者がいます)だけでなく、モケット座席を装備した号車もあり、自由席利用で空いている時であれば、好みに応じてどちらかを選択できる点も好ましいものです。
座席の厚みやリクライニング角度こそグリーン車には劣るとはいえ、車内の雰囲気なども含めると、グリーン車並かそれ以上なのではと感じたもの(新幹線のグリーン車は、300系と700系しか乗車した事がないのですが…)で、これまた好みが大きく分かれるかと思いますが、一部のデッキに面した壁面が金箔貼り(それ以外も木材を使用)の豪華な雰囲気となっている点も、他の車両では類を見ない独特なものです。
また乗車した列車は昼間の「つばめ」号だった事もあって乗車率は低く、半数以上の座席が空席という状況でしたので、好みのポジションを容易に確保でき、熊本~博多間の九州新幹線各駅の様子を眺めながら、ゆったりと車中の一時を過ごせたものでしたが、新幹線では各駅停車でもあっという間だったのは惜しい限りで、機会があれば博多~鹿児島中央間の通し乗車でも…と思ったものでした。
MAKIKYUが九州新幹線に乗車した際の感想としては、車両面では山陽直通用のN700系も決して悪い車両ではないものの、豪華な座席に独特な内装を誇る800系に比べると…と感じてしまったものです。
800系はメカニズム的には700系に準拠しており、N700系よりも一世代前の車両になりますが、乗客の立場から見て見劣りするのは、両数や収容力に起因する部分を除くと、3色LED表示の側面行先表示位では…と感じており、以後九州新幹線を利用する機会があれば、MAKIKYUは専ら普通車利用という事もありますので、なるべく800系充当列車を狙って乗車したいと感じたものでした。
ただハイグレードな800系の中でも、充当編成は日によって変わりますので、革張り座席や金箔の壁面などは狙っても確実に堪能できる訳ではなく、800系の中でも更に特徴的な内装を増備車に当たるか否かは運次第というのは惜しい限りです。
先月MAKIKYUが九州へ足を運んだ際に乗車し、先日取り上げた九州新幹線の「さくら」などに用いられるN700系7000/8000番台は、東海道・山陽新幹線用のN700系と比べると、編成両数が短い事や、装いが異なる事に加え、車内設備に大きな特徴があります。
普通車でも専ら自由席車として用いられる1~3号車では、東海道・山陽新幹線用のN700系普通車の色違いで、温かみのある内装は東海道・山陽新幹線用のN700系普通車より少し見栄えが良いと感じるものです。
(比較対象用に、東海道・山陽新幹線用N700の普通車内画像(右側)も掲載します)
とはいえ色彩以外はすっかり乗り慣れた「のぞみ」のN700系と大差なしという印象を受け、照明部分や木材の使用などの差異が見られるとは言え、全車普通車ながらも全席2+2列シートの既存九州新幹線車両・800系に比べると、大幅なグレードダウンは否めません。
通路を挟んで3人掛けの方が青系、2人掛けの方が赤系統の市松模様となった座席モケットを採用しており、敢えて運行2社のイメージカラーを採用したのか否かも気になるものです。
この座席モケットは号車毎や運行事業者毎に色彩を分けるのではなく、同一号車の左右で色分けしている点が特徴的ですが、青系のモケットを用いている座席の方が数は多くなり、運行2社の力関係を感じてしまう様にも見えてしまうのは気になる所です。
また普通車普通車でも主に指定席として運用される4~8号車では、2+2列のゆったりとした座席配列になっており、車内の色彩も九州新幹線の最優等列車「みずほ」を連想させられる雰囲気と感じたものですが、座席自体も東海道・山陽新幹線用のN700系普通車用とは大きく異なるものを用いています。
こちらは座席のリクライニング角度がさほど大きくない点などは、グリーン車との差別化を図っている気がしたものの、普通車としてはかなりのグレードを誇ります。
MAKIKYUが博多~鹿児島中央の九州新幹線全区間で、「さくら」号に乗車した際には、「宮崎・鹿児島のんびりきっぷ」を利用しており、この乗車券では基本的に自由席利用ではあるものの、差額を支払って「指定席料金券」を購入するとこちらを利用する事ができます。
そのため乗車前に指定席料金券を購入し、指定席を利用したものでしたが、この座席は自由席+510円の追加料金をはるかに越える価値があり、普通運賃で山陽新幹線の普通車指定席を利用する際には、是非選んで乗車したい車両と感じたものでした。
(ただMAKIKYUが山陽新幹線を利用するのは、大抵東海道~山陽新幹線直通「のぞみ」利用限定で割安に設定されたパッケージ商品利用で、JRが設定する企画乗車券類でも直通「のぞみ」限定商品が幾つも存在しますので、その場合は残念ながら不可能な話ですが…)
この様な車内構成は、JR西日本が以前から走らせている700系7000番台「ひかりRail Star」に近いものですが、これに加えてN700系7000/8000番台では1両の半室だけながらも、グリーン車が設けられているのも大きな特徴となっています。
MAKIKYUがその様子を覗いた時は、「つばめ」での充当時だった事もあってか利用客の姿も見られず、全区間を乗り通しても1時間台の九州新幹線内のみを走る列車では、グレードの高い普通車指定席で充分と言う気もします。
とはいえ関西方面~南九州ともなると、そこそこの乗車時間だけあって、比較的グレードの高い普通車指定席を越える選択肢があるのも、他交通機関にはない快適性やゆとりを提供する観点で、大いに意義があるかと思いますが、MAKIKYUがこの座席を利用する機会は果たしてあるのか…とも感じてしまったものです。
このN700系7000/8000番台に乗車した感想としては、普通車指定席のグレードの高さは評価でき、自由席車も東海道・山陽新幹線用の車両よりはやや見栄えがすると感じたものの、全車普通車ながらも全席2+2配列座席を採用した800系に比べると、設備的にはやや見劣りすると感じたものです。
(山陽新幹線区間での座席数確保と、九州新幹線内における設備的制約を考えると、致し方ない所かと思いますが…)
また比較的グレードの高い普通車指定席は、その気になれば物理的には乗り入れる事も可能な東海道新幹線内で乗車できれば…とも感じる反面、設備面だけでなくデザインにおいても特徴的な九州新幹線内用車両・800系に比べると、やや見劣りしてしまうと感じたのも事実(800系が突出している事が大きく、N700系も決して設備的に劣るものではないのですが…)です。
JR西日本/JR九州の2社間で仕様統一を図った事もあり、どちらかと言うとJR西日本の車両思想が強く、MAKIKYUが乗車したのはJR九州所属の8000番台車でしたが、自動放送冒頭の車内チャイムで、辛うじてJR九州車と感じる程度でした。
(個人的には山陽新幹線を走る3社車両の車内チャイムは、JR西日本のチャイムが一番気に入っているのですが…)
某デザイナーが関わる事で、特徴的な車両を次々と走らせているJR九州の車両にしては、随分大人しい車両と感じてしまったのも事実で、九州新幹線内のみの利用、それも特に自由席利用ともなれば、極力800系使用列車を選んで乗車したいと感じたものでした。
N700系7000番台は今後も増備計画があり、これによって今後山陽~九州新幹線直通列車の増発も見込まれますので、関西~南九州間をはじめ、各地から九州方面への新幹線利用の利便性向上・利用拡大にも期待したいと感じたものです。
先月MAKIKYUが九州へ足を運んだ際には、3月に晴れて全線開通となった九州新幹線に、新規開業区間を含む全区間で乗車したものでした。
その際には九州新幹線全通と共に走りはじめた新名称の列車「さくら」号に、博多~鹿児島中央の九州新幹線全区間で乗車したものでした。
その内山陽~九州新幹線直通の「みずほ」「さくら」の全列車と、九州新幹線内を走る「さくら」の過半数、そして「つばめ」の一部では、九州新幹線全通・山陽新幹線直通開始に伴って導入された新型車両が使用されています。
この新型車両は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」などでお馴染みのN700系の一派でありながらも、編成両数や塗装、車内設備などが異なるために別番台となったN700系7000番台/8000番台と呼ばれる車両です。
N700系は最近になって、JR東海から新仕様の車両(N700A・1000番台)の登場も発表されましたので、まだ新しい車両と言う印象が強いN700系も、早くも様々なバリエーションが…という事になります。
ちなみに九州新幹線用のN700系7000/8000番台は、所属会社の違いによってJR西日本/JR九州で番台が分けられています。
前者がJR西日本、後者がJR九州の車両となる点は、東海道・山陽新幹線用のN700系で、JR東海とJR西日本の所属車両で番台が分かれているのと同様ですが、両者の外観上の違いは、側面に小さく書かれたJRマークの色が異なる程度です。
そのため余程意識していないと、特徴的な色合いや「WEST JAPAN/KYUSHU」のロゴなどで、山陽~九州新幹線直通運転用車両である事は嫌でも意識されられる反面、どちらの会社に所属していの車両かも気にならない程に仕様が統一されています。
(列車に乗っていれば、多少は意識させられる場面もあるのですが…)
またN700系では側面の行先表示にフルカラーLEDが用いられ、MAKIKYUが乗車した九州新幹線のメインともなる列車「さくら」では、列車名に相応しくピンク地で列車名が表示されています。
九州新幹線の他種別では「みずほ」こそ列車名と違和感のない色が用いられているものの、「つばめ」では各駅停車タイプという事で山陽新幹線の「こだま」とイメージの統一性を持たせるためか、列車名から連想する色とは異なるイメージとなっているのも特徴的と感じたものでした。
(「つばめ」はグリーン車なしの800系6両で運行する列車が大半で、N700系による運行は少ないのですが、この中にはJR西日本所属車両による運行も存在する点は注目です)
このN700系7000/8000番台は、車内設備に大きな特徴が見られるのですが、こちらに関しては近日中に別記事で取り上げたいと思います。
昨日(11月30日)限りで定期運転を終了し、後は今月運転される臨時「ひかり」号としてのさよなら運転を控えるだけとなった0系新幹線ですが、この事はニュースなどでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もご存知かと思います。
今でこそ新幹線は当たり前の存在となっていますが、40年以上も前の東海道新幹線開業から20年余りに渡って増備が続いた0系新幹線は、昭和時代における日本の高度経済成長の象徴とも言える存在で、最後まで大きな事故もなく走り続けたと共に、後に登場した新幹線各形式の開発の土台にもなり、新幹線に触発されて海外でもTGVなどの高速鉄道が運行を開始するきっかけになるなど、その功績は計り知れないものがあります。
JR西日本HP内にも0系新幹線の引退を記念した特設ページが設けられ、既にこの特設ページをご覧になられた方も居られるかと思いますが、「0系新幹線に思いをのせて」という投稿欄の繁盛振り(投稿は4日まで受け付けており、投稿するともれなく記念乗車証も交付されます:またMAKIKYUも「新幹線にひとこと」の13**番目に投稿していますので、暇な方は探してみて下さい)などを見ても、如何に多くの人々に愛され、多大な影響を与えた車両である事を改めて認識させられます。
ちなみに0系が定期運転を終了した昨日は、MAKIKYUは首都圏で仕事と言う事で、最後の定期列車(岡山発博多行こだま号)の運行終了などは見届けていませんが、この列車の終点・博多駅ではまだ落成してからまもない山陽~九州新幹線直通用の新型車両(N700系8両編成)との顔合わせが実現し、0系充当の最終列車が到着するホームなどは、相当な賑わいとなった様です。
0系が定期列車としての運行を無事に終了した事は、一つの時代の終わりを告げる出来事とも言え、今まで長い間新幹線の線路上を走り続けた事をいつまでも記憶に留めておくと共に、今後予定されている臨時「ひかり」号さよなら列車(全車指定席:指定席券はあっという間に完売した様です)も無事に運行され、長い間活躍し続けてきた0系が有終の美を飾る事を望みたいものです。
また「MAKIKYUのページ」内でも、今年に入ってから2回ほど0系に乗車した際に、乗車した0系の様子などを取り上げた記事(以下に記載)を掲載していますので、興味のある方はこちらもご覧頂ければ幸いです。
JR西日本・新幹線0系電車~永年走り続けた元祖新幹線もまもなく…(08年6月2日)
[この記事では近年のグレーと黄緑色の装いとなった0系新幹線や、2+2配列の座席が特徴の車内の様子などを取り上げています]
リバイバル塗装となった山陽新幹線・0系電車(08年10月5日)
[クリームと紺色のリバイバル塗装となった、0系新幹線に関して取り上げています]
写真は9月末に0系に乗車した際、姫路駅停車中に撮影したリバイバル塗装の0系新幹線と、「こだま・博多」の行先を掲出した行先表示です。
なお「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、0系新幹線に関する思い出などがありましたら、昨日の定期運転終了に関する事柄以外でも歓迎致しますので、コメントも是非どうぞ。
先月下旬にMAKIKYUが北近畿方面へ出向いた際には、大阪まで横浜神奈交バス(神奈中グループ)の夜間高速バス「ハーバーライト大阪号」を利用し、この高速バスに関する記事も取り上げましたが、バスを降りた後はJRで新大阪駅へ向かい、そこから山陽新幹線を利用しています。
この際にはリバイバル塗装に改められ、最後の活躍をしている0系新幹線(定期列車からは11月限りで退役し、その後12月中に臨時列車での運行が予定されています)に遭遇する事ができました。
0系自体が現在残り3本と言う状況ですので、使用列車は非常に限られており、新大阪から西へ向かう列車では、朝の博多行き2本に限られる状況(新大阪着は朝と深夜に1本ずつ)、それと岡山以西で若干と言う有様ですので、乗車・撮影泣かせの存在と言え、新大阪駅を発着する0系の姿を見るのも関西在住であればまだそれ程でも…といった所ですが、首都圏からともなれば前日に大阪入りして泊り込むか、朝早く大阪に到着する夜間高速バスを利用しなければ厳しいのが現状です。
(後はムーンライトながら号→名古屋で新幹線乗り換えや、サンライズ瀬戸・出雲号で岡山へ行くと言った方法もありますが…)
ただそれだけの苦労をしても、リバイバル塗装に改められた美しい装いの0系に出会えれば、わざわざ遠路はるばる足を伸ばした甲斐が…と感じたもので、先日は北近畿方面へ出向くと言う制約もあって、新大阪~博多の全区間乗車(乗車時間はのぞみ号の東京~博多に匹敵する程です)は到底叶わないものの、せっかくの機会と言う事で短い時間ながらも、姫路まで0系を用いた列車の一つ・こだま639号に乗車してきました。
リバイバル塗装となって最後の活躍をしている0系は、内装や座席などは原型とは大きく異なるものに改められているものの、車内チャイムもJR西日本の新幹線車両で現在一般的に用いられている「いい日旅立ち・西へ」ではなく、以前使用していたタイプが用いられているなど、「見るだけでなく、乗って楽しめる存在」となっている事にも好感を感じたものです。
とはいえまだ11月末の定期運転最終日まで時間がある事や、新大阪発車時点では少し前に出発する「ひかりレールスター」を利用(通過駅へは途中でこだま号に乗り継ぎ)すれば、西明石以外の各駅への利便性が良い(その上こだま639号のすぐ後にもひかり号が続いており、この列車に西明石で抜かれます)など、決して使い勝手の良い列車ではない(足の遅さも起因してひかり・のぞみ号退避時間が長めに取られている駅が多数ありますので、停車駅での撮影には非常に好都合です)事もあってか、ホームで停車中の0系をカメラに収める姿は多数見受けられたものの、乗客の姿がまばらだったのは気になったものです。
また0系自体はリバイバル塗装編成が出始めた4月にも乗車し、この際に乗車したJR西日本オリジナルカラー(一部では某大手都市銀行の様な塗装と言われていますが…)の0系は既に姿が見られなくなっていますので、4月にこの編成に乗車できた事も今思えば非常に幸運だったと感じていますが、こちらに関して以前取り上げた記事もありますので、宜しかったらこちらも合わせてご覧頂けると幸いです。
もう一月程前の事になりますが、MAKIKYUが4月末に広島周辺へ出向いた際には、首都圏からの往路は、夜行寝台「サンライズ出雲号」と新幹線を岡山駅で乗り継ぐ行程で移動し、その際は九州方面へ向かうはやぶさ・富士号と異なり、サンライズ出雲・瀬戸号と新幹線の乗り継ぎは乗継割引も適用になりますので、MAKIKYUもこの制度を有り難く活用したものです。
岡山~広島間で新幹線を利用した際には、朝の岡山から下り方向(広島・博多方面)へは0系充当列車が2本運転されていますが、最も古い0系は車両の老朽化や、N700系車両導入による500系一部編成の編成短縮(16→8両)と山陽区間こだま号転用によって、永年走り続けた0系も今年秋には現役引退が確定しており、既に現在も少数が活躍するだけでなかなか乗り難い状況です。
ただ朝の岡山から下り方向(広島・博多方面)へは0系充当列車が2本運転されています(市販のJTB時刻表などにも充当車両が明記されていますので、時間さえ合えば捕獲も割合容易です)ので、MAKIKYUもこの列車を狙って乗車したものです。
0系は20世紀における世界の鉄道において、非常に大きな出来事とも言える1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業に合わせて製造開始された車両で、その後モデルチェンジを重ねながらも、国鉄末期の1980年代中頃までずっと製造されていた新幹線車両で、新幹線といえば「元祖新幹線」とも言えるこの車両がまず頭に浮かぶ方も多いかと思います。
製造時期が多岐に跨っている上に、超高速走行で走行距離も在来線の比ではなく、車両への負荷も大きい新幹線においては、車両の寿命も非常に短く、一般的にその寿命は一部で使い捨て電車や粗製乱造車両とも言われ、平成生まれの軽量ステンレス製VVVFインバーター制御車にも関わらず、早くも廃車解体に追い込まれているJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の元祖にも匹敵しますので、開業当初に導入された0系車両などは、同じ0系によって老朽取替えが行われた程です。
この事は1960年代の新幹線開業当初にしては、車両設計レベルも相当なものだった事の証とも言えますが、それでも1980年代にもなると客室設備などのグレードは開業当初の車両より向上しているとはいえ、様々な点で陳腐化も否めない状況になり、異例の同形式による老朽取替えまで行われた0系も、国鉄民営化を控えた1980年代中頃には製造が打ち切られています。
1980年代中頃の製造打ち切りまでの間には、延べ3000両以上が増備され、モデルチェンジの早い今日の状況を考えると、この記録が破られる事は当分なさそうですが、新幹線車両の寿命を考えると、物持ちの良さで知られ、驚く程の更新工事を施工して車両を長く使い続ける傾向があるJR西日本といえども、製造から20年以上が経過した今もなお活躍している0系が存在している事自体が驚異的とも言えます。
ちなみに今日活躍している0系は全て6両編成に短縮された編成で、3月のダイヤ改正時点で6両5編成(計30両)という少数勢力になってしまい、風前の灯とも言える状況で最後の活躍をしていますが、かつて組み込まれていたグリーン車や食堂車といった車両は既になく、普通車のみとなっています。
普通車のみが残存している0系も、今活躍している車両は通路を挟んで両側に2人掛けのリクライニングシートが並ぶなどグレードは高く、時間に余裕があればひかり号などの速達列車に比べて乗り得に感じる程で、内装も奇数号車と偶数号車で化粧板や座席モケットの色彩が異なるものとなっているのが印象的な反面、原型とは大きく異なるものとなっていますが、それでも船底形になっている天井をはじめ、車内へ足を踏み入れる際のデッキなども年代を感じさせられるものです。
塗装もグレーとグリーンを基調としたJR西日本オリジナル塗装(一部では「合併劇を繰り返した某大手都市銀行」をイメージするとも言われていますが…)に改められましたが、4月以降に0系全面引退となる秋まで使い続ける編成は3編成は順次今流行のリバイバル塗装に変更され、かつての紺色にアイボリーの装いが復活していますが、その一方で残る2編成はグレーとグリーンの装いのまま、今月には活躍を終えると発表されています。
4月に山陽新幹線で0系に乗車した際には、このリバイバル塗装編成も…と思ったのですが、やって来たのはJR西日本オリジナル塗装のR63編成、この装いの0系もまもなく姿が見られなくなりますので、こちらも良いものと感じたものです。
MAKIKYUの乗車した車両は昭和58年製造というプレート(勿論これ以外に車両更新のプレートもありましたが…)が付いており、昭和58年(1983年)というともう25年前ですので、この年代の車両はJR在来線や地下鉄・私鉄でも退役車両が幾つも発生している程で、山陽路で比較的ゆったりとした運用に用いられているとはいえ、新幹線車両にしては驚異的な長寿とも言えますが、R63編成はリバイバル塗装への変更対象からは外れている模様で、もうまもなく退役ですので、新幹線車両にしては随分長い間活躍したこの車両を労いたいものです。
また秋まで活躍する0系も無事に運行を終了し、有終の美を飾る事を願うと共に、機会があれば退役までの間にもう一度0系に乗車し、山陽路を走る新幹線の旅をのんびり(新幹線ですのでそれなりに早いですが…)と楽しみたいたいものた感じたものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非現役引退前に0系新幹線に乗車されてみては如何でしょうか?