先日「MAKIKYUのページ」では、中国湖北省の省都・武漢市内を走る現代有軌電車に関して取り上げましたが、昨夏MAKIKYUが中国へ足を運んだ際には、湖北省の南隣に位置する湖南省の省都・長沙市にも足を運んでいます。
長沙では現代有軌電車こそ運行していないものの、近年では地鉄はじめ、長沙市内と近郊都市を結ぶ都市圏鉄道も開業しており、後者は長距離輸送を中心に中国全土に幅広いネットワークを持つ中国鉄路が運行しています。
長株潭城際鉄道と呼ばれるこの都市圏鉄道は、長沙西站を起点に長沙站を経て株州市(株州南站)と湘潭市へ向かう路線が存在、南側で2又に分かれる路線形態となっており、両路線を合わせた総延長は100㎞強に及びます。
2系統共に運行本数は概ね毎時1本程度の不定間隔、その上長沙西~長沙間は運行本数も限られており、長沙以南のみを運行する列車も多数存在。
乗車券も中国鉄路の長距離列車などと同様の実名制車票となっており、長沙市内の地鉄や市内公交汽車(路線バス)などで利用可能な交通カードは利用できず、駅構内にもその旨を示す案内看板が見受けられる状況。
近年開業した路線だけに設備面は真新しい反面、使い勝手に関しては遠方へ向かう列車に近い状況と感じさせられ、今後利便性の改善余地が大いにあるのでは…と感じる状況でした。
車両は中国鉄路が近年、短距離路線向けに導入を進めている動車組・CRH6型が活躍中、その中でも「CRH6F」と呼ばれる車両が用いられており、MAKIKYUは長沙で初めてこの車両に乗車したものでした。
以前MAKIKYUが乗車、その際の状況等を記事で記したCRH6A型(該当記事をご覧になりたい方はこちらをクリック)では、扉幅がやや広めとは言え片開き2扉で中途半端な感が否めず、両開き扉車や3扉車が出ても…と感じた位ですので、乗降性に優れた両開き3扉(先頭車のみ2扉)のCRH6Fを見て「やっぱり出て来たな…」と感じたものでした。
車内に足を踏み入れると、座席などは以前乗車したCRH6Aと同種の固定式クロスシートが2+2列で並び通路幅も広めに確保、各座席にコンセントも設けられています。
車端部に折り畳み式ロングシートを配している事なども同様ですが、CRH6Aに乗車した時と同様、座席に関しては転換式もしくは回転式にするなど、もう一工夫欲しかったな…とも感じたものでした。
長沙地区独自塗装とも言える白・メタリックに青の細帯と言う装いだけでなく、車内設備面でも追設で給水/給湯機が設けられていたのも特徴的で、水を飲むだけでも出費を要する土地(水道水は飲用不適)という土地柄も考慮すると、これは結構評価できる事とも感じたものでした。
路線運行形態は課題山積の反面、車両面では座席を除けばまずまずと感じたものですので、これからの中国近郊輸送の切り札的存在として数を増やすのか否かも気になる所で、今後も機会があれば中国の城際鉄道各路線に乗車、その際の様子なども取り上げる事が出来れば…と思っています。
CRH6Fや長沙地区だけに限らず、中国各地の城際鉄路に関しての感想や思い出話などがありましたら、コメントも是非どうぞ。
先月「MAKIKYUのページ」では、中国湖北省の省都・武漢を走る車都現代有軌電車に関して取り上げ、その際には「別の場所でも現代有軌電車の新路線が開業」と記しましたが、この現代有軌電車(ライトレール)が、今日取り上げる武漢光谷有軌電車です。
光谷有軌電車は名前の通り武漢市の光谷地区を走るライトレール路線、昨年一部区間が開業したばかりの新路線で、今後更なる路線拡張も予定されています。
光谷地区は地鉄も2012年に開業したばかりで日が浅く、まだまだ発展途上の感が強い所ですが、地鉄や有軌電車の新路線整備に加え快速公交(BRT)路線も存在し、目覚ましい勢いで発展を続ける中国の典型と言っても過言ではない地域の一つになっています。
交通網整備もまだまだ…という状況で、武漢市内中心部から光谷地区まで伸びる地鉄2号線は光谷広場站が終点、今後延伸計画があるものの有軌電車とは直接接続しておらず、徒歩連絡で両線を乗り継ぐにも15~20分程度は要するのでは…と言う状況になっています。
MAKIKYUが地鉄2号線に終点の光谷広場站まで乗車、その後有軌電車に乗継しようとした際も、有軌電車への乗継案内などは見当たらず、徒歩移動するのも厄介そうという状況。
地鉄站出口のすぐ近くにあるバス停の経由地案内を見て、785路なら何処かで有軌電車の電停近くを通るだろうと推測、乗車したら10分程で有軌電車の姿が見えたのでバスを下車し、すぐ近くの電停から有軌電車に乗り換えたものでした。
ちなみに写真は785路を下車したバス停の経由地案内をトリミングしたもの、もし光谷広場駅からバスで有軌電車の電停を目指したいという方が居られましたら、参考にして頂けると幸いです。
そして785路を下車してすぐに向かった電停は「雄楚大道站」、日本ではまだ実用路線が存在しないものの、近年の中国ではありふれた存在になっている充電式架線レストラムと言う事もあり、電停のみに架線が設けられています。
電停以外では架線が存在しない芝生が敷かれた軌道をはじめ、一部では高架線も存在、これらを真新しい有軌電車が走る様は、中国の事情に精通した人物以外が見たら驚くだろう…とも感じる光景かと思います。
運行車両は車都現代有軌電車とは異なる5車体連接車を用いており、装いは白一色にシンプルなものとなっています。
運賃は武漢通(武漢市内の地鉄やバスなどで通用するICカード)での支払をはじめ、近年の中国では凄まじい勢いで普及しているQRコード決済(支付宝/微信支付)にも対応、車都現代有軌電車と同じく、乗車口付近にQRコードリーダーが設置されています。
しかしながら現金乗車の場合は運賃箱に直接投入するのではなく、電停に設けられた自動券売機でQRコードが印刷された乗車券を購入、乗車時に入口付近にあるQRコードリーダーにタッチする方式を用いているのは独特で、このQRコードが印刷された乗車券は、乗車後の乗車記念品としても有用と感じたものでした。
電車内は乗務員室が全室式、座席は硬いプラスチック製のベンチという辺りは、中国における現代有軌電車の典型といっても過言ではなく、クロス/ロング両座席を織り交ぜた配置は、超低床車ならではの構造的制約が現れているとも感じたものでした。
また日本の様に車内収受式ワンマン運転を行う訳ではないにも関わらず、最前部/最後部の客扉は狭い片開扉。
おまけにドア付近に柱もあるため、両開扉を用いている中間車に比べ、混雑時は最前部と最後部付近での乗降に手間取るのも難点と感じたもので、今後この点を改良した車両が出るのか否かも気になったものです。
中国で現代有軌電車を複数路線運行する都市は他にも幾つか存在するものの、複数種の現代有軌電車を乗り比べる事が出来る都市はまだ限られており、車都現代有軌電車とは様々な差異がある光谷現代有軌電車は非常に興味深い存在と感じたものです。
他にも武漢は色々面白いものがあり、機会があれば再訪し、まだ未乗の区間などにも乗車できれば…と思いますが、中国は各地で様々な新路線が開業、ここもあそこも…と言う状況ですので、再訪機会は巡って来るのか…
昨年末の紅白歌合戦ではAqoursが初出場、「君のこころは輝いてるかい?」を歌唱し、ご覧になられた方も少なくないと思います。
このAqoursが登場するアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」はアニメ放送本編が約1年前に終了、そして明日劇場版新作「Over the Rainbow」が公開、MAKIKYUの周囲には熱心なラブライバー(ラブライブ!シリーズのファン)もおり、劇場版新作の公開を心待ちにしているという話を伺っており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、近日中に是非この劇場版新作を見に映画館へ…という計画を立てている方が居られるかと思います。
この劇場版新作公開を記念し先月、「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台近くを走り、事業者としても「ラブライブ!サンシャイン!!」応援を宣言している伊豆箱根鉄道ではラッピング電車「Over the Rainbow号」が運行開始しています。
MAKIKYUは先月駿豆線を利用する機会があり、その際にはこの「Over the Rainbow号」にも乗車機会がありましたが、伊豆箱根鉄道における「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング電車は「Over the Raibow号」が第3弾となります。
伊豆箱根は鉄道だけでなく、系列の伊豆箱根バスや伊豆箱根タクシーでも「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両を複数台運行しており、関連施設「三津シーパラダイス」なども「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の展示などが多数ありますので、伊豆箱根×ラブライブ!サンシャイン!!も随分定着した感があります。
伊豆箱根グループは本社のある静岡県以外に、MAKIKYUが身を置く神奈川県内でも鉄道・バス・タクシーなどの運輸事業を営んでいますが、「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両の運行区域は、「ラブライブ!サンシャイン!!」の主舞台が沼津市という事もあり、どれも静岡県内(タクシーは乗客の要望次第で他の都県に跨って運行する事も)となっています。
そのため「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング電車の運行は全て駿豆線、その中でも第1弾の「恋になりたいAQUARIUM」ラッピング電車は好評につき運行予定期間を延長して運行したものの、ラッピングフィルム耐久性や車両検査の兼ね合いなどもあって今春でラッピング電車としての運行を終了、現在は神奈川県内を運行する某中小私鉄(箱根観光輸送でライバル関係にある事業者や、静岡県内の東海道本線沿線を走る一部バス路線などでライバル関係にある事業者と同じグループ)に近似していると言われる塗装で注目を集める存在になっています。
第2弾「HAPPY PARTY TRAIN」は一昨年春に登場、こちらは今日でも駿豆線定期列車に用いられており、同線運行車両の中でも注目を集める車両になっていますが、「ラブライブ!サンシャイン!!」の人気度や劇場版新作公開などを懸案すると、恐らく第3弾も昨年中には…と思っていました。
(以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた「HAPPY PARTY TRAIN」に関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)
そして先月第3弾「Over the Rainbow号」の運行が公式発表された際には、やっぱり出たか…と感じたものでしたが、今までの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両は2編成ともに3000系がラッピング対象編成として選定されたのに対し、今回7000系がラッピング対象に選定されたのは少々意外と感じたものでした。
というのも、同系は中間車が片側2扉(先頭車は他形式と同じ片側3扉)、3両合わせて片側8扉ですので、「ラブライブ!サンシャイン!!」のAqoursメンバー(主要キャラ)数が9名、各扉にAqoursメンバーを1名ずつ配するとなると…という事で、MAKIKYUは3000系もしくは1300系(元西武新101系)をラッピング対象にするだろうと推測しており、同じ事を考えた方も少なくないと思います。
ちなみに各車両におけるメンバー配置は、「HAPPY PARTY TRAIN」と同様に三島方先頭車に(高校)2年生3名、問題の中間車に1年生3名、修善寺方先頭車に3年生3名となっています。
問題の中間車に描かれる1年生3名は、内2名を同じドアの左右に配する事で対処しているものの、ラッピング対象車両を全車3扉車にする事は出来なかったのだろうか…とも感じ、このデザインはラブライバーの間でも評価が分かれる所だと思います。
車内はこの手のラッピング電車らしく、中吊りにAqoursメンバー紹介などが掲載。
劇場版新作の広告塔的存在という事もあり、各客ドアの窓ガラス下に劇場版新作登場シーンの幾つかを取り上げたステッカーも貼付されています。
劇場版新作登場シーンの紹介スペース確保という点でも中間車2扉だと…という評が出ても不思議ではない気がしますが、劇場版新作登場シーンはAqours9名だけでなく、北海道出身の2人姉妹なども登場、劇場版新作の公開を期待している方にとっては乗り甲斐のある電車なのでは…とも感じたものです。
(ネタバレ防止で敢えて新作紹介スペースを少なくするため、敢えて中間2扉の7000系をラッピング対象にしたのであれば大したものですが…)
個人的な評としては、全車3扉車・ドア毎に異なるメンバーを用いたドアステッカーを掲出している「HAPPY PARTY TRAIN」に比べると、急ごしらえで企画したラッピング電車という印象が否めないと感じたものですが、「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両を2編成運行
とする事で、1編成が検査などで運休となった際も、もう1編成で遠方から訪来するラブライバーの期待に応える体制が再構築された辺りは評価できる事かと思います。
ラブライバーの間でも2本の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング電車のどちらが良いかは評価が割れる所かと思いますが、「Over the Rainbow号」に対する感想や「HAPPY PARTY TRAIN」との乗り比べをはじめ、「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両関連(伊豆箱根や鉄道以外でも可です)の感想などがありましたら、コメントもどうぞ。