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退役となった流星号~遂に101系にも廃車・これで残る3両編成は…

2010-08-30 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

千葉県の松戸市と流山市に跨る路線を持ち、東京都心から比較的近い所を走っていながらも、今日でも自動改札機は導入されず、窓口では硬券乗車券を発売するなど、一昔前の様な雰囲気が漂う事でも知られている総武流山電鉄(MAKIKYUにとっては、今でもこの名称が頭をよぎります)→流鉄ですが、先日流星号と呼ばれる車両が退役となりました。

流星号は元西武101系の譲渡車で、移籍後は装いを流鉄ならではの派手な装いに改めると共に、編成を流鉄では最大両数となる3両編成に短縮して活躍して来ましたが、近年では近隣に新線が開業した事なども影響し、流鉄の輸送人員は大幅に減少した事もあって、2両編成によるワンマン運転が主体となっており、3両編成の出番は大幅に減少しています。

MAKIKYUが先月久々に流鉄を利用した際にも流山駅に留置されており、ワンマン運転には運用できない3両編成の流星(同系車でも4両でのワンマン運転を行っている実績がある程ですので、その気になればワンマン改造も不可能ではないはずですが…)は、見るからに持て余している印象を受けたものです。
(写真も先月流山駅で留置されている姿を撮影したものです)

この事もあってか、今度流鉄では2両編成の新編成導入と引き換えに、流星が退役する事となり、昨日さよなら運転が行われた様ですが、これで流鉄に残る3両編成は1編成のみとなりますが、「流星」は流鉄で比較的近年退役となった元西武701系や801系などとは異なり、西武101系は本家西武鉄道でも極一部とはいえ、まだ活躍中の車両が存在している程です。

車齢を考えると引退しても不思議ではないとはいえ、大手私鉄の中には同世代の車両を最近になって大規模リニューアルを施し、本線系統で大活躍している路線も存在する事(さすがに首都圏の路線ではありませんが…)などを考えると、一昔前は非冷房・釣り掛け駆動車も活躍していた流鉄にしては、随分新しい車両が引退するという印象が否めないものです。

また流鉄では元西武101系にも遂に退役編成が発生する一方で、2両編成のワンマン運転対応車も昨年登場した新101系改造車・5000系「流馬」を除くと、元西武701系や801系といった首都圏の通勤輸送を担う路線にしてはかなりの古参に入る車両ですので、こちらは2両ワンマン車という事でしばらく活躍が続くのか気になるものです。

あと松戸市内では流鉄とは直接接続しないものの、高額運賃で悪評名高く、北総監獄(千葉ニュータウン)へ向かう「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)という中小私鉄が存在しており、この路線は最近になって日本国内の私鉄で最速を誇る列車が走る経路の一部にもなっている事は、ご存知の方が多いかと思います。

この鉄道は流鉄と異なり、一般列車でもそこそこの性能が要求されるにも関わらず、未だに7260形と呼ばれる「流星」よりも古く陳腐な車両が活躍しており、しかも他線に直通運転を行って都心にまで顔を出す有様ですので、こんな車両を走らせ続ける事が、高額運賃に見合うサービスなのかと思うと、呆れる限りと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
(その気になれば2ヶ月程前に神奈川県内でさよなら運転を行い、本家からは姿を消した赤い電車を購入する事で、陳腐極まりない車両を淘汰する事も出来たはずですが…)


長町ループバス「ながまちくん」~富沢地区を走るミニバス路線

2010-08-27 | バス[東北]

もう一月程前の事になりますが、MAKIKYUが先月末に仙台を訪れた際には、「ながまちくん」と呼ばれるミニバス路線にも乗車する機会がありました。

このバスは長町ループバスと名乗っているだけあり、市内南部の長町や富沢の一帯を循環運行しており、運行は仙台市内やその周辺地域などで幅広く路線バスを運行している宮城交通が行っています。

MAKIKYUは長町駅から富沢地区へ向かう際、片道だけ利用したのですが、富沢では地域内に細かく停留所が設けられ、中にはその気になれば地下鉄の富沢駅から徒歩でアクセスする事も不可能ではない停留所も存在していますが、「ながまちくん」は長町駅や長町南駅に停車し、長町~富沢地区内の交通機関として路線が設定されている事もあってか、地下鉄富沢駅には直接入らない路線設定となっています。

とはいえ余所者にとっては盲腸線の様に感じてしまう市営地下鉄南端部で、「ながまちくん」を使えば来た道をそのまま返さずに、富沢地区への移動で片道ずつ異なるルートを使えるのは大きなメリットです。

運賃支払い方法も全線150円の均一運賃だけあって、仙台市内を走る一般路線バスでは一般的な整理券方式の後払いではなく、前乗り中降りの運賃前払いとなっているのが大きな特徴です。

メルシーカードやスキップカードなどの宮城交通・仙台市営両者で共通利用可能な磁気カード類の利用も可能ですが、「ながまちくん」専用車は専ら運賃前払いで用いられる事もあって、運賃箱に追設されたカードリーダーの向きはきちんと前払い用になっていたのは感心したもので、日頃横浜市内で運賃前払い(しかも後払いの路線では使われない車両)にも関わらず、つい最近まで運用されていた磁気カードのリーダーが後払い用に設定されていて使い難かったバスを数百台単位で走らせている民営某社は一体…と感じてしまったものです。
(余談ながらこの民営某社では、前払い路線でしか使わない車両にも関わらず、前ドア近くに現状では必要ない整理券発行機や後払い時の乗車用ICカードリーダーをつけた車両が、今でもゴロゴロしています)

また使用車両はコミュニティバスなどでは典型的なサイズで、中型路線車を更に短くした車両といっても良い車体長約7mの低床小型車で、仙台で活躍する路線バス車両の中ではそこそこ新しい部類に入ります。

平成一桁年製のバスがまだ多数活躍している仙台では、個人的には乗車した際の面白さはやや…と感じてしまう面もありますが、それでも全国各地で見慣れたいすゞERGAMIOもありふれた中型と異なり、7mは製造中止となってあまり遭遇しない車両(探せばそれなりには走っていますが…)になっていますので、特徴的な装いだけでなく車両自体も趣味的にはそれなりに興味を引く存在となっている点も注目です。

この「ながまちくん」は概ね40分間隔で休日運休、運行時間帯も昼間時間帯に限られるのは難点ですが、運賃は150円均一と比較的割安な設定になっており、長町駅でJRから乗り継いで富沢地区へ向かう際などには、所要時間や本数の面では地下鉄に比べて不利なものの、時間が合えば利用価値は充分ありますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も仙台市南部の富沢地区へ出向く機会がありましたら、是非「ながまちくん」の利用を検討してみては如何でしょうか?


光州広域市の幹線バスと支線バス

2010-08-22 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、光州広域市を走る幹線急行バスに関して取り上げましたが、現在光州広域市の市内バスは路線の性質別に色彩を分ける事で、どの種類の市内バスなのかを一目で見分ける事が出来ます。

その中でも昨年MAKIKYUが乗車した幹線急行バスは、Seoulなど首都圏の広域急行バスと同系統の色彩とも言える赤系統の装いですが、その他の種類のバスとしては幹線バスと支線バスが存在しており、Seoulなどで運行している循環型と呼ばれる区分が存在していないのが特徴です。
(光州では循環型の区分こそ存在しないものの、循環運行を行う市内バスは存在します)

その内支線バスはSeoulの支線バス(グリーンバス)とほぼ同様の役割を果たしていると言え、色彩が緑系統を用いている点も共通します。


また韓国ではバスの使用年数が短く、日本の様な古参車の地方転用といった現象も見られない事もあって、支線バスでも比較的新しい車両が活躍する姿も見られたものでした。

そして市内バスのメインとなっているのは、幹線バスと呼ばれる区分のバスで、Seoulの幹線バス(ブルーバス)に相当する性質の路線ですが、幹線急行バスや支線バスが同区分に属するSeoulの市内バスと同系統の色を用いているのに対し、このバスは黄色系統の装いとなっているのが特徴です。


この黄色系統の装いは、路線再編以前から光州広域市の市内バスで良く見られた塗装と変わらず、幹線急行バスや支線バスに比べると、やや新鮮味が薄いと感じるものですが、他種別のバスと共に幹線バスでも系統や行先・経由地を示すステッカーが最近のSeoul市内を走る市内バスを思わせる様式となっている車両が大多数を占めており、この姿を見ると以前との違いを感じさせられたものです。


しかしながらMAKIKYUが光川洞のバスターミナル(U-Square)前で見かけた幹線バスの中でも、路線が光州広域市内で完結せず、隣接する和順(Hwasun)郡へ向かうバスの中には、行先表示も路線再編以前の光州市内バスで良く見られたサボを用いた車両(以前記事として取り上げた際の画像はこちらをクリック)も見かけたもので、この様なバスも今後新様式のステッカー貼り付けに改められるのか気になる所です。


光州広域市を走る幹線急行バス~系統表記などはやや難点ですが…

2010-08-20 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では仙台市営バスの姉妹都市バスに関して取り上げましたが、仙台市の姉妹都市の一つになっている光州(Gwangju)広域市(광주광역시)は昨年MAKIKYUが韓国へ出向いた際にも訪れており、その際に乗車した路線バスなどはまだ取り上げていませんので、少々取り上げたいと思います。

光州広域市は人口約140万人、韓国南西部の湖南地方(全羅道)では最大の都市としても知られていますが、光州はSeoulからは南へ約300km、釜山からも西へ200km以上離れており、韓国を訪れた事があっても、光州をはじめとする湖南地方へは足を運んだ事が…という方も多いかと思います。

MAKIKYUは何度も足を運んでいる都市の一つですが、団体旅行で光州が組み込まれている事は余りない様で、光州へ足を運ぶ日本人は大半が個人旅行での訪問になると思いますので、日本での知名度はまだまだ低いのが現状です。

そのためSeoulなどに比べると街中で日本語を見かける機会は少なく、韓国旅行初心者(特にハングルが読めない場合)にはやや厳しい面もありますが、それでも韓国は観光での外国人受け入れ体制が整っている事もあり、駅前の観光案内所などでは日本語が通用する辺りは、日本の同規模都市で殆ど韓国語が通用しないのに比べると、遥かに進んでいると言えます。

この光州広域市とその周辺の公共交通は、鉄道もKORAILが湖南(Honam)線にSeoul(龍山Yongsan)~光州や木浦(Mokpo)間を結ぶ高速列車(KTX)や一般列車を多数走らせ、釜山などの慶尚道方面へ向かう慶全(Gyongjeon)線もありますが、KORAILは首都圏の広域電鉄を除くと専ら中長距離輸送に特化していると言っても過言ではないため、地域内交通機関としては殆ど機能していない状況です。

また光州広域市内には現在1路線だけ地下鉄が走っていますが、列車は4両編成でワンマン運行を行い、最近になって転落防止対策でホームドアなどの設置が進行している事や、駅ホームは将来の増結に備えて長めに設計されている辺りは、偶然なのか姉妹都市の仙台を走る地下鉄に通ずるものがあります。

地下鉄は仙台とは対照的に市内を東西に結ぶルートを構成しており、市内中心部と市庁(市役所)やKORAIL光州松汀(Gwangju-Songjeong)駅の間を移動する際などに至便で、路線が分かりやすく案内もしっかりしていますので、外国人にも使い易く有用な市内交通機関ですが、1路線だけでは移動可能な範囲に限りがあります。

少々前置きが長くなってしまいましたが、この様な状況ですので、光州広域市内とその周辺部の公共交通機関は、専ら路線バスが担っており、日本に比べて鉄軌道系交通機関が少なく、車社会の韓国の典型といった様相を呈しています。

この光州広域市内を走る路線バスは、2006年末になってSeoulの市内バスに類似した運行システム大幅改編が行われ、MAKIKYUが2004年に初めて光州広域市を訪れた時などと比べると、随分大きく変化しています。

この運行システム改編後、MAKIKYUが光州の市内バスに乗車したのは昨年が初めてで、それも市内中心部の錦南路一帯から光川洞(Gwangcheon-dong)のバスターミナル(U-Square)へ移動する際に1度乗車しただけですが、写真がその時に乗車したバスと同一系統・同一車種(現代AEROCITY)のバスです。


光州ではSeoulと類似した運行システム導入により、路線性質毎にバスの車体色が分けられ、赤系統は幹線急行バスと呼ばれる基幹系統になりますが、Seoulやその周辺地域でよく見かける赤一色の様な装いではなく、路線の性質を表す色と白などを組み合わせた装いとなっているのは大きな特徴です。

またSeoulや釜山などで相互利用できるT-moneyなどのICカードは利用出来ないのは残念(光州広域市の市内バスと地下鉄で相互利用可能なICカードは発行されています)ですが、座席バスや広域急行バスと称する特別な追加料金を要するバスではないにも関わらず、ハイバック型のややグレードが高い座席を装備していたのも好感が持てたものです。
(余談ながらMAKIKYUが運行システム改編前に光州の市内バスに乗車した際にも、この手の車両に当たった事があります)


あと韓国の路線バスで使用している運賃箱は、単純な箱に釣銭機を別途取り付けたタイプが主流を占めていますが、光州で乗車したバスの運賃箱は金額検知機能付きの新型が用いられていました。

MAKIKYUが昨年仁川(Incheon)で見かけた新型運賃箱の様なICカードリーダー一体型(この運賃箱を取り上げた記事はこちらをクリック)とも異なり、この運賃箱は初めて見かけたものでしたが、今後この種の新型運賃箱導入が他都市で進行するのかも気になったものです。

光州広域市の市内バスは、系統番号の付番もSeoulの様な数字のみ(数字に意味を持たせてあり、番号を見ただけで路線の運行方面がある程度割り出せる仕組みになっています)ではなく、写真の「先端09」の様に日本の路線バスでよく見かける「地名など+番号」となっており、地名などの部分がハングル表記のみであるなど、外国人が観光で訪問した際にはやや利用し難い面もあるのは難点ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も光州を訪問する機会がありましたら、是非幹線急行バスをはじめとする市内バスにも乗車してみては如何でしょうか?


仙台市営の姉妹都市バス~馴染みない都市が多いものの中には…

2010-08-17 | バス[東北]

MAKIKYUが先月末に仙台を訪問した際には、市内各地を走る仙台市交通局の路線バス(仙台市営バス)に何度も乗車したものでしたが、仙台市は世界各地の様々な都市と姉妹提携しており、市営バスでもこれを記念した姉妹都市バスを走らせています。

姉妹都市バスは各姉妹都市毎に1台ずつが割り当てられ、姉妹都市名と共に各都市の市章と各国言語での「こんにちは」を意味する言語が標記されているのが特徴で、どちらかと言うと一般的な広告類などのラッピングバスには余り良い印象を持っていないMAKIKYUとしても、この様なバスはなかなか面白く、他都市の市営バスでも似た様な試みがあっても…と感じるものです。
(国内の路面電車では、九州で類似した趣旨の電車を走らせている都市が存在しているのですが…)

この姉妹都市バスは各都市毎に1台ずつしか走っていない上に、各バス毎に所属営業所・出張所が全て異なりますので、2台以上が一斉に並ぶ機会自体が少なく、まして目当ての都市のバスを狙うともなれば、余程運が良くない限りなかなか遭遇できないのが現状です。

ただ仙台市営バスは各営業所・出張所共に仙台駅周辺の中心部に足を伸ばす路線を持っていますので、仙台駅前やその周辺に暫くいれば、姉妹都市バス各車両のどれかに遭遇する事は出来、MAKIKYUが仙台を何度も訪問している際には、大抵姉妹都市バスのどれかには遭遇している程です。

 
MAKIKYUが先月仙台を訪問した際、最初に遭遇した市内バスは「ACAPULCO号」で、その次に姿を現したのは「DALLAS号」、どちらもMAKIKYUには馴染みのない遥か彼方の都市ですので余りピンと来ませんが、特にDALLASの方は「HELLO」という言葉は馴染みあり過ぎて余り異国感を感じない事や、仙台市営バスの中では見た目が比較的新しい部類に入るNEW AEROSTARという事もあって、個人的にはややイマイチな印象です。


そしてMAKIKYUが先月乗車した姉妹都市バスは「RIVERSIDE号」で、見た目は普通の市営バスと異なるとはいえ、乗ってしまえば普通のバスと大差なく、広告スペースを活用し、各都市のギャラリー位はあっても…と感じたのは惜しい限りです。

ちなみにRIVERSIDEはDALLASと同じUSAの都市ですが、DALLAS以上に馴染みがなく、この姉妹都市バスが走っていなければMAKIKYUには都市の存在すら…という有様ですが、この街はカリフォルニア州のロサンゼルスから100km程離れた所に位置している様です。

またMAKIKYUには馴染みのない都市のバス紹介ばかりが続きましたが、仙台市は現在世界7都市との姉妹提携を行っているだけあって、姉妹都市は遥か彼方の西半球ばかりに偏在している訳ではなく、仙台から最も近い姉妹都市としては、光州(Gwangju)広域市(광주광역시)があり、勿論市営バスの姉妹都市バスの一員として光州号も活躍しています。

光州はMAKIKYUも何度か足を運んだ事があり、現在地下鉄が1路線だけ走っている地方中核都市という点も仙台と重なりますが、海外と言っても遥か彼方の都市ばかりではなく、この様な馴染みある都市のバスも活躍しているのは喜ばしい限りです。


光州号の出没が暗くなった後だったのは少々惜しい限りで、カタカナで「コウシュウ」と書かれた標記もやや違和感を感じてしまいますが、今度このバスには昼間の明るい時間にも遭遇したい感じたものです。

あと姉妹都市バスは今回取り上げたバス以外にも、長春・Мінск(ミンスク)・RENNESといった姉妹都市のバスも活躍しており、この記事だけを見ると西半球の都市が多そうな印象を受ける姉妹都市バスも、実は東半球の都市が過半数を占めています。

今回遭遇する機会がなかったこれらの都市のバスも、特に長春はMAKIKYUも訪れた事がある街だけに多少は馴染みがあり、次回以降の仙台訪問の際には長春号にも是非遭遇したいと感じたものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何でしょうか?


平成筑豊鉄道400形気動車~様々なカラーバリエーションが存在する主力車両

2010-08-13 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、北九州を走る平成筑豊鉄道の500形気動車に関して取り上げましたが、同社では500形は1両しか存在していないものの、車両形状や性能面では同等の400形と呼ばれる気動車が多数存在し、現在の主力車両となっています。


この400形は2007年から導入され、平成筑豊鉄道発足時から運行していた軽快気動車(LE-DC)の老朽取替えを目的に次々と増備されています。

今や平成筑豊鉄道では殆どの列車が400形で運行される程にまで勢力を拡大しており、MAKIKYUが2ヶ月程前に平成筑豊鉄道に乗車した際とは、車両面では数年前とは大きく様変わりした事を実感したものです。

「平成」を冠する事業者名だけあって新しい鉄道会社と言う印象が強い平成筑豊鉄道も、もう車両取替えとなると結構な年数を経ていると感じると共に、バス並と言われるLE-DCの寿命の短さを痛感(首都圏などの大都市圏では、バスも12年以上経過した車両は車検が通りませんが、福岡県内では平成初頭のバスもゴロゴロしており、九州内ともなればまだ昭和製のバスすら存在している状況です)させられるものです。

ちなみにこの400形は、新潟トランシス製の標準仕様気動車(NDC)だけあり、似た様な車両が各地の第3セクター鉄道でも導入され、比較的質素な仕様の車両が多いのも特徴ですが、平成筑豊鉄道の400形もその典型と言える存在で、同じNDCでも極めて豪華な雰囲気の500形とは大きく異なります。

客室内は水色無地の化粧板が一昔前の通勤列車を連想させられますが、路線特性を考慮してかトイレは設置されず、座席も殆どがロングシートであるなど、主に短距離乗車向けに設計されている事を強く感じさせられます。


ただ座席は殆どがロングシートとはいえ、オールロングシートではなく、片側1ボックスずつだけクロスシートを設けているのが特徴で、JRなどでは片側2ボックス程度のクロスシートを設けた車両は結構良く見かけますが、真ん中辺りに1ボックスだけ、それも左右のボックスがずれた座席配置は異色で、こんな車両はなかなか見かけないだけにインパクトがあります。

また外観も標準塗装は黄色を基調にした装いとなり、開業当初に導入されたLE-DCとは随分様相が異なりますが、標準塗装以外にもLE-DC時代と同様に平成筑豊鉄道のマスコットキャラクター「ちくまる」をデザインした車両が存在するほか、ラッピングによる広告車両なども存在しています。


そのため座席配置を除くと、比較的単調な雰囲気が否めない標準仕様気動車ながらも、様々なカラーバリエーションのお陰で結構バラエティに富んでいます。

筑豊では「平成」を冠さない電気鉄道(平成筑豊鉄道とは直接の接続駅こそありませんが、直方は両者の駅間を徒歩で移動する事も充分可能です)でも、最近になってやたらとカラーバリエーションが充実していますので、どちらも見た目で利用客を楽しませるという点では共通しています。

筑豊地区の鉄道でカラーバリエーションが増加しているのはただの偶然なのか、それとも近隣事業者の施策に影響を受けて相次いで…というのかは分かりませんが、九州はJRも派手さで目を引く車両が多いだけに、他事業者の影響もあるのでは…と感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


平成筑豊鉄道500形気動車「へいちく浪漫号」~1両だけの豪華気動車

2010-08-10 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

今年の夏は記録的な猛暑と言われており、MAKIKYUも異常な暑さで体力が低下気味、仕事以外での外出頻度もやや減少している有様ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何でしょうか?

また猛暑と共に、局地的な集中豪雨などによる災害が多発している事も困ったもので、鉄道もJRでは三重県内で昨年発生した災害の復旧工事を行わず、一部区間を恒常的なバス代行としているローカル線が存在している上に、今年夏には閑散線区として知られる非電化ローカル線(一路線は一応地方交通線ではなく「幹線」扱いで、他に電化路線でも一部区間不通が長期化している路線があります)が相次いで災害による運休→バス代行という状況になり、現在JRでは本州内旅客3社全てで列車が運行できない路線が存在する異常な状況になっています。

JR線は地方の閑散ローカル線でも事業者としての規模が大きく、その公式HPなどでも情報が告知されるため、災害による運休情報なども比較的知れ渡っていますが、現在他に北九州の第3セクター鉄道・平成筑豊鉄道でも一部区間の不通→バス代行が続いています。

こちらも不通区間の復旧までに数ヶ月かかる見込みと案内されており、復旧の見込みを告知しているだけまだ良いのかも知れません(近年九州では災害復旧に要する多額の費用を懸念し、復旧することなくそのまま廃線となってしまった路線も存在する程です)が、現在この様な状況で旅客に不便を強いている事へのお詫びも兼ね、平成筑豊鉄道では1日フリー乗車券を期間限定で特別割引するなどの努力もしており、幾つかのJR線と共に早急な災害からの復旧を望みたいものです。

ところでこの平成筑豊鉄道ですが、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUにはかなりの遠方で、ちょっと乗りに行くという距離ではありませんので、応援も兼ねて乗りに行くのもかなり厳しいですが、MAKIKYUも今までに3回程利用した事があり、比較的最近では2ヶ月程前にも利用する機会がありました。

その際には田川線の現在災害で不通となっている区間にも乗車しているのですが、この時に乗車した車両が500形と呼ばれる気動車で、1両しか存在しないこの形式の気動車は、「へいちく浪漫号」と呼ばれる愛称も付けられています。

「へいちく浪漫号」は、現在平成筑豊鉄道で主力となっている新型気動車・400形と車体形状や性能面では同等の車両で、400形自体も各地の第3セクターで近年導入が進んでいる新潟トランシス製標準仕様気動車(NDC)の一派ですので、見た目は何処のローカル線で走っていてもおかしくない雰囲気を受けます。

しかしながら愛称に「浪漫」と言う語句が入る事もあり、外観をレトロ調に仕上げているだけでなく、車内も2人掛けの転換式クロスシートがずらりと並び、テレビなども設置されるなど、内装も比較的簡素な印象の車両が多いNDCの中では、異色とも言える程凝ったものとなっているのが大きな特徴です。

イベント兼用車とはいえ、全国各地の第3セクター鉄道で活躍するNDCの中でも、設備の豪華さという観点では恐らく2番手位(一番手はまだ姿を見た事もないのですが、元中京圏大手私鉄特急用気動車の代替で、大手私鉄乗り入れにも使われる車両かと思います)と感じる程の意欲作です。

平成筑豊鉄道は観光色が薄く、利用客も専ら短距離客と言う事や、優等列車や観光列車(近年北九州市の委託で運行している元貨物線のトロッコ列車を除く)の類は存在せず、専らワンマン運転の普通列車ばかりという事も考えると、路線の特性もあってトイレが設置されていないとはいえ、普通列車で20~30分程度の乗車では、直ぐに降りるのが惜しいと感じてしまう程でした。

また九州ではJRをはじめ、一部の第3セクター鉄道や路線バスにも、随所に散りばめた英文字やロゴ、近年ではこれに加えて内装に木材を多用する事も特徴の某デザイナーが絡んだ車両が大増殖していますが、「へいちく浪漫号」は九州で大勢力となっている某デザイナーが絡んでいないにも関わらず、内外共に人目を引く車両と言うのも大きな特徴と言えます。

平成筑豊鉄道は第3セクター鉄道の中ではそこそこの規模を誇りますが、「へいちく浪漫」号はその中で1両しか存在しない車両だけあり、平時は一応運用がHPで公開(現在は暫定ダイヤなので期待できませんが…)されるとはいえ、余所者にはなかなか乗り難い存在です。

遠方で日頃利用機会の乏しい路線と言う事も考えると、MAKIKYUは再び「へいちく浪漫」号に乗車する機会があるのだろうか…という程ですが、この車両をはじめとする平成筑豊鉄道の伊田線~田川線列車が、早く再び直方~行橋間を通し運行出来る事を望むと共に、また「へいちく浪漫」号に乗車する機会に恵まれるのであれば、直方~行橋間を通して乗車してみたいとも感じたものでした。


愛子観光バス~仙台第3の路線バス事業者

2010-08-07 | バス[東北]

 
MAKIKYUが先月末に仙台へ出向いた際には、仙台市内で何度も路線バスを利用する機会があったのですが、その際には市内各地を走る大手事業者の仙台市交通局や宮城交通の他に、愛子(Ayashi)観光バスが運行する路線バスにも乗車する機会がありました。

愛子観光バスは名前の通り、仙台市西部の愛子周辺で観光バスを運行する事業者ですが、比較的近年になって路線バスにも参入しています。

愛子観光バスは仙台駅前のバスロータリーにこそ入らないものの、仙台駅や市内中心部でも時折姿を見かけ、市営バスや宮城交通とは異なる黄色のバスは異色の存在です。

MAKIKYUも仙台を訪れた際には、何度かその姿を目撃していましたので、非常に気になる存在だったのですが、実際に乗車するのは先日が初めてでした。

ちなみに現在愛子観光バスが運行する路線は、仙台駅前~愛子駅~錦が丘を結ぶ1路線のみですので、MAKIKYUが乗車したのも当然この路線になります。

仙台駅前を出発したバスは、広瀬通一番町に停車した後、仙台発着の高速バスが仙台宮城ICへ向かう際にも経由する自動車専用道路の仙台西道路(有料道路ではありませんが、首都圏の高速を名乗る自動車専用道路より快調に走れます)に入り、仙台宮城ICを過ぎて暫く走った栗生(Kuriu)まで停車せず、このバス停までの普通運賃も350円になる程ですので、一般路線バスとは言え結構早いものです。


MAKIKYUは愛子駅まで乗車したのですが、乗車したのが土曜日の早朝と言う事もあって、愛子駅までもほぼ時刻表通り25分もかからずに到着した程で、市内中心部から結構離れている印象が強い愛子も、意外と近いものと感じた程でした。

さすがに仙台~愛子間のみの利用では、運行本数や運賃面などでJR仙山線に軍配が上がるものの、仙山線は単線で曲線が多く、速達性に難がある事もあって、これなら愛子駅西側にある新興住宅地の錦が丘一帯からは、愛子駅で仙山線に乗り換えず、市内中心部へ直接乗換なしでバス利用でも充分使えると感じた程でした。

また使用車両も運行当初は仙台市営バスの中古車(三菱AEROSTAR K)を使用していたものの、路線バス事業がそこそこ軌道に乗っている事もあるのか、その後順次新車に取替えが進み、現在一般路線で使用している車両は、全ていすゞERGAに統一されています。

このいすゞERGAも初期のV8エンジン搭載車ではなく、比較的新しい直6エンジンを搭載したタイプのワンステップ車で、MAKIKYUが日頃活動している首都圏など大都市圏では非常にありふれた車です。

そのため趣味的な面白さと言う点では今一歩ですが、仙台では東北では比較的車両状態の良好な仙台市営バスでも、首都圏などの排ガス規制区域では登録できない年式の古参2段ステップ車が結構活躍しており、宮城交通ともなれば最近中京圏のグループ会社から中古車がゴロゴロ移籍している有様ですので、地域性や事業規模などを考えると、かなり意欲的と言えます。


ただ車両自体は新型で統一されているとはいえ、路線が一路線のみに限られている事も影響してか、行先表示は字幕式となっており、古参車でもLEDに統一されている仙台市営バスや、やはり仙台圏では殆どがLEDとなっている宮城交通とは異なるのは意外な感じがしたものです。

この愛子観光バスは仙台市交通局・宮城交通で共通利用できる各種磁気カード類(スキップカードなど)の利用対象外となっているのは残念なもので、運行路線も郊外の錦が丘と愛子駅や市内中心部を結ぶ一路線のみ、観光とも縁が薄い路線という事から、他所者が利用する機会は非常に限られると思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も仙台を訪れる機会がありましたら、一度愛子観光の路線バスにも乗車してみては如何でしょうか?


JR東日本・仙台地区のジョイフルトレイン「こがね」(2)~車内編

2010-08-04 | 鉄道[東北]

昨日「MAKIKYUのページ」で取り上げたJR東日本の「こがね」ですが、この車両は現在こそ普通車扱いとなっているものの、かつてはグリーン車扱いとして運行していたジョイフルトレインだけあり、車内設備は改造種車のキハ58系列原型とは大きく異なり、外観以上に特徴的なものとなっています。


客室は客窓が固定窓に改められたとはいえ、種車同様の上下方向の幅が小さい窓となっており、今日では古さを否めないと共に、展望性にもやや難があり、種車の面影を強く感じる部分も見受けられますが、座席は非常にゆったりとしたリクライニングシートが2+1列で並んでいます。

この座席は、特急グリーン車でも横4列席の車両が大半を占めるJR東日本においては、極めて豪華な設備と言っても過言ではなく、しかも2+1列の座席配置も、単に2人掛けと1人掛けの間に通路を配したレイアウトではなく、片隅に通路を配している上に、2人掛けと1人掛けを交互に配するという非常に特徴的な座席配置となっており、こんな座席配列の車両は他に類を見ない独特なものです。

その上各座席も前後に向きを変える事が出来るだけでなく、45°ずつ座席を動かして任意の向きで固定できる用になっており、この構造も影響してか座席の回転レバーは台座ではなく座席下部に設けられ、MAKIKYUも最初回転レバーが何処にあるのか探してしまう程でした。


45°ずつ座席を動かして任意の向きで固定できる座席だけあり、横向きや斜め向きのポジションにする事も出来ますので、特徴的な座席配置と共に非常に独自色が強く、一度乗ったら忘れられない程です。

しかしながらジョイフルトレインへの改造からも、既に20年もの月日が経過している事もあってか、異音を立ててがたつく席も見受けられ、おまけにしっかりと固定されない座席もあるなど、痛みの見受けられた外観に劣らず、こちらも経年劣化を感じる部分が見受けられたのも事実です。

占有空間が極めて広く、定員の限られた豪華車両とはいえ、これではグリーン車扱いとするのは厳しく、普通車扱いへの格下げも妥当な所と感じたものでした。


また各車両のデッキと客室の間には、自動ドアが設けられているのですが、こちらも故障箇所が複数あり、「自動ドア故障中 ドアの開閉は手動でおねがいします」という掲出を幾つも見かけたもので、経年で老朽化が進行した車両が、引退を前に最後の活躍をしている事を強く実感したものでした。

あと「こがね」の車内設備は客室内だけでなく、先頭車前部の展望スペースも大きな特徴と言え、運転席はガラス張りの半室式となっています。

 
このため最前部の右半分は乗客向けの展望スペースに充てられ、展望スペースにはソファーに加え、最前部に丸椅子が2脚してあり、運転席や右半分の展望スペースは高運転台構造ではなく、しかも大型ガラスを採用しているために前面展望は極めて良好なものとなっています。

JR東日本が近年キハ40系列を改造して走らせている観光列車用気動車は、最前部に展望スペースこそ設置しているものの、全室運転台である上に、高運転台構造だけあって前面展望はイマイチと感じますので、この点は大いに評価できるものです。

とはいえ近年JRでは前面に展望スペースを設けた車両でも、踏切事故対策などで使用中止としている事例も存在し、やはり前面展望をウリとしており、それなりの乗客保護機構が備わっている小田急ロマンスカーでも乗客が負傷し、対策を迫られる事にもなりましたので、そこそこの速度で運行する列車という事も考えると、この展望スペースの構造は賛否が分かれる所で、この様な車両が今後出てくる可能性も低いのでは…と感じたものでした。

この様に「こがね」は非常に独自色が強い車両で、今となっては普通車扱いだけあって、「こがねふかひれ」号の座席指定券さえ購入すれば、非常に割安な青春18きっぷなどでも乗車できる列車にしては、破格の設備を誇る乗り得列車と感じたものでした。

ただ種車が今となっては骨董車両と言っても過言ではない、古参のキハ58系列であるだけに、居住性はお世辞にも良いとは言えず、老朽化も影響してか走行中の振動などは結構なもので、さほど古くない車両でも次々と廃車に追い込んでいるJR東日本にしてはよく今まで活躍し続けたと感じ、老朽化による内外各所の痛みなども考えると、今年末限りでの引退も止む無しと感じたものでした。

「こがね」引退までに残された日もそう長くはないですが、最後まで無事に走り続ける事を願うと共に、MAKIKYUが「こがねふかひれ」号に乗車した際はそこそこの乗車率だった様に見受けられた事から、「こがね」が引退した後も気仙沼線では定期快速列車「南三陸」号の座席指定車だけでなく、新型リゾート気動車導入によって捻出される車両などを活用し、座席指定制の観光向け臨時快速列車の設定に期待したいと感じたものでしたが、興味のある方は是非一度「こがね」が最後の活躍をしている臨時快速列車「こがねふかひれ」号に乗車してみては如何でしょうか?


JR東日本・仙台地区のジョイフルトレイン「こがね」(1)~外観編

2010-08-03 | 鉄道[東北]

 

先月20日から今年夏の青春18きっぷ利用期間が始まり、時期が夏休みという事もあって、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、青春18きっぷを利用し、JR線の普通列車を乗り継いで各地へ出向かれている方も多いかと思います。

MAKIKYUは仕事持ちの身で、猛暑の最中とはいえ長期休暇とは行かないのですが、先月末には青春18きっぷを利用し、「MAKIKYUのページ」更新が途絶えた数日間、仙台周辺へ出向いていました。

仙台周辺へ出向いた理由の一つとしては、気仙沼[Kesennuma]線を走る全車座席指定制の臨時快速列車「こがねふかひれ」号(仙台~気仙沼線経由~気仙沼)への乗車も目的の一つでしたが、今日はこの列車に用いられている「こがね」と呼ばれるジョイフルトレインに関して取り上げたいと思います。

「こがね」は2003年に営業開始して今日に至っていますが、「こがね」として営業開始する前は「グラシア」と呼ばれるジョイフルトレインとして活躍していた事でも知られています。

「グラシア」時代も車両形状自体は現在の「こがね」とは大差ないのですが、ライトグレーとチェリーレッド(ピンク色に近い赤色)の装いだった事もあり、現在とはやや雰囲気が異なっており、登場当時はグリーン車扱いだった事も大きな特徴でした。

「グラシア」は1989年に当時多数が活躍していたキハ58系列の気動車3両を改造し、「モダン」「ソフト エレガント」を改造コンセプトとしているだけあって、前面形状などは種車とは大きく異なるデザインに改められると共に、改造当初には改造車ながらも「キロ59」という専用の形式が与えられたのも特徴です。

その後「グラシア」時代末期に普通車扱いに格下げとなった後も「キロ」→「キハ」へ改められただけでキハ58形には戻らず、「キハ59」という希少形式(他にはかつて北海道で活躍したキハ56形改造のリゾート気動車・「アルファ・コンチネンタル・エクスプレス」が該当)として今日まで活躍しています。

しかしながら種車がキハ58系列という事もあり、窓回りやドア形状、屋上の空調などは種車のキハ58系列の雰囲気が強く残っています。

キハ58系列自体が大幅に数を減らし、希少な骨董気動車とも言える状況においては、改造から20年以上の年月が経過した今日、改造コンセプトの「モダン」とは大きく離れ、古参車という雰囲気が否めない状況で、大幅な改造が行われているとはいえ、希少なキハ58系列として注目される存在にもなっています。

そのためいよいよ今年限りで引退と言う事が発表されても驚かず、さほど古くない車両ですら次々と引退に追い込まれているJR東日本にしては、むしろよく「こがね」は今日まで走り続けたと感心する程ですが、古参車だけあって車体には素人目にも痛みなどが見受けられる状況でした。

また「こがね」は元々1編成しか存在しないジョイフルトレインである上に、特徴的な前面形状も目を引くものですが、中間に組み込まれるキハ29形1両も、今日のJR東日本で活躍するキハ40系列改造気動車とは異なり、運転台を完全に撤去して中間車としているのも大きな特徴です。

MAKIKYUが「こがねふかひれ」号に乗車した際は、この中間に組み込まれているキハ29形に当たったのですが、運転台を撤去した気仙沼方は客ドアを撤去した部分だけ、幕板も下に張り出しています。

おまけに屋上の冷房装置も、良く見ると気仙沼方の1台だけ編成内の他の冷房装置とは異なるものを載せており、後から適当な部品を取り付けたという雰囲気が強く感じられ、如何にも改造車と言う雰囲気を強く感じたのも興味深いものでした。

「こがね」は車内に足を踏み入れると、こちらも外観以上に独特で興味深い車両ですが、こちらに関しては続編記事として近日中に別記事で公開したいと思います。