MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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沖縄都市モノレール「ゆいレール」(設備編)

2013-06-29 | 鉄道[九州・私鉄等]

現在沖縄本島を運行する唯一の鉄道となっている「ゆいレール」、今後浦添市内まで延伸予定があるものの、他に延伸や他路線の建設・
開業予定は聞かず、当分沖縄唯一の鉄道として走り続ける事になりそうです。

その運行車両に関しては、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、専ら2両編成のモノレールが全区間各駅停車で運行するだけの、最も単純な運行スタイルとなっており、設備面でも跨座式モノレールの典型と言った雰囲気を感じます。


MAKIKYUが最初にゆいレールに乗車したのは、那覇バスターミナル最寄駅にもなっている旭橋駅から、この駅は那覇バスターミナル前駅と言っても過言ではない立地です。


駅自体は駅舎・駅構内などに特に沖縄らしさを感じる事はなく、他の跨座式モノレールと大差ない気がしますが、ホームドアが完備されているのは、ゆいレールが今世紀になってから営業開始した比較的新しい路線だけあると感じます。


旭橋駅では案内表示なども至って平凡な印象を受け、入線した列車に乗車しないと沖縄らしさを感じる事は…という所ですが、ゆいレールの終点・首里駅の駅名標示板は土地柄を感じさせるもので、他の駅も含めてこのデザインでも…と感じる所です。
(ただ沖縄ならではの高温多湿、温暖な気候だけでも、本州人にとっては日常とは違い過ぎる環境ですので、写真では余り沖縄らしさを感じられなくても、実際に足を運べば沖縄へ来た事を実感できるかもしれません)

ちなみにMAKIKYUがゆいレールに乗車した際には、乗車前に那覇バスターミナルで調達したゆいレール・那覇バス(那覇市内)が乗り放題で1000円の「バスモノパス」を利用したのですが、ゆいレールは全駅で自動改札機が設置されているものの、この乗車券はスクラッチ式で利用日を削る方式の非磁気化券ですので、自動改札脇の有人通路を利用する事になります。
(バスモノパスは那覇バスだけでなく、ゆいレール各駅でも購入可能です)

またゆいレールではバスモノパス以外にも、自社線専用の1日乗車券も発売しており、こちらは自動改札機対応の磁気券ですが、バスモノパスとは異なり、日本国内の公共交通機関で発売している1日乗車券にしては珍しく、入場時から24時間利用可能となっているのが大きな特徴です。

仮に昼12時に使い始めた場合、翌朝でも利用できるのが大きな特徴で、首里城などの入場料割引特典(バスモノパスは適用外)もありますので、単純に1日乗車券として考えるなら、ゆいレールの他に那覇バス(那覇市内の大半は220円均一)を2回以上利用するならバスモノパスの方が…と考えてしまうかもしれませんが、使い方次第ではゆいレールのみの1日乗車券を利用した方が割安になる場合もあります。
(ゆいレールでは1日乗車券以外に2日乗車券(48時間有効)の設定もあり、那覇バスの那覇市内路線バスのみ利用可能なフリー乗車券
設定もあります)

そしてこの乗車券を利用して最初に向かったのは赤嶺駅、ゆいレールが運行している沖縄本島自体が、日本国内では特異な立地ですので、その最南端の駅は日本最南端の駅となっています。

ゆいレールは昼間でも10分毎程度と、都市内鉄道だけあって比較的至便で、途中下車して1~2本後の列車に乗車するのも容易ですので、沖縄へ足を運んだ暁には、鉄道ファンであれば是非訪問したい駅と言えます。
(これが「JR日本最南端の駅」ともなれば、列車本数が僅少ですので、途中下車して1本後の列車となると、かなり厄介な話になるのですが…)


赤嶺駅の駅舎や駅設備自体は、特に変哲のない都市近郊モノレールの典型と言った感がありますが、駅構内にはきちんと日付入りで記念撮影用ボードも設けられており、このボードと共に写った訪問記念撮影も、同行者がいない一人旅などの場合、駅係員の方に頼む事も出来ます。


改札を出て駅ロータリーに出ると、社名表記などのない正真正銘の「日本最南端の駅」を示す標柱もあり、「N 26°11′36″ E127°39′38″」と記された経緯度を見ると、時計時差のない日本国内とは言えども、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、随分遠くまで来たものと改めて実感させられます。
(南九州の鹿児島からでも730km強、フェリーで丸1日を要しますので、首都圏からは韓国などへ足を運ぶよりも遥かに遠く、はるばる遠く沖縄まで足を伸ばすのは、異国へ足を運ぶも同然です)


赤嶺駅に立ち寄った後は、隣駅でゆいレールの起点にもなっている那覇空港駅へ向かったものでしたが、こちらもゆいレールの特異な立地が影響し、日本最西端の駅となっており、改札脇には日本最西端を示す標柱が壁面に埋め込まれています。


那覇空港駅の駅舎は、東京モノレール羽田空港国際線ターミナル駅程の至便性はないものの、連絡通路を介して空港ターミナルビルと直結しており、航空利用者にとっては随分便利にできています。

MAKIKYUが沖縄入りに利用し、1系統だけの路線バス(那覇バス101番)も本数僅少、おまけに運行時間帯が限定されて休日は全便運休となり、この路線が利用できない場合は安謝橋まで20分程度の徒歩移動か、タクシー利用を余儀なくされる那覇新港(安謝)の交通利便性の悪さに比べると、同じ那覇市内にある本州や九州方面から沖縄への玄関口にも関わらず、利便性には雲泥の差を感じます。

とはいえ再び沖縄本島を訪問する機会に恵まれるとするならば、利便性の悪い那覇新港利用に固執する気はありませんが、個人的にはこの駅から沖縄旅行が始まる事がなく、また最西端に向かってゆいレールに乗車できれば…と感じています。
(勿論沖縄旅行のフィナーレをこの駅で迎えるのも、個人的には勘弁願いたいものです)

また那覇空港駅へ到達した後は、徒歩10分程度の沖縄都市モノレール本社(車両基地)内にある資料館などを視察し、今度は首里までの全区間を乗り通したものでしたが、資料館は土休日閉館となり、平日昼間のみの開館ですので、訪問希望の方は要注意です。
(那覇空港駅からのアクセスは、那覇空港駅にも案内があります)


沖縄都市モノレール「ゆいレール」(車内編)

2013-06-26 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたゆいレールは、現段階では那覇市内のみを運行しており、全線乗り通しても30分程度、専ら短距離の都市内移動に用いられる路線と言う事もあり、日本の都市交通では一般的なロングシート主体の座席配置となっています。


しかしながら運転台背後だけはクロスシートが設置され、この部分は床も若干段上げされているなど、都市内交通機関ながらも観光客などが乗車した際に、少し嬉しく感じる展望区画が存在している点は、機能性ばかりを追及して無機質な印象の都市鉄道が多い中で、評価に値すると感じます。
(余りクロスシートが多いと、今度は混雑時の車内流動などに問題が生じますので、現状の設備や路線特性などを踏まえると、クロスシートの設置数や配置区画も、妥当な気がします)

座席自体はロングシート・クロスシート共にほぼ同タイプで、設置方向を変えただけと言う印象がありますが、客窓が大きい事も影響してか、背もたれが非常に低いのが大きな特徴です。

座席の座り心地も「薄く硬い」もので、ベンチにモケットを貼っただけと言っても過言ではない雰囲気ですが、市内交通機関で全線乗り通しても30分程度、短時間乗車が多い路線である事を考えると、充分許容範囲と感じます。

硬さだけならば一部乗客からは「ベンチ」とも言われ、JR某社が最近登場させた新型一般型電車で採用している木材をふんだんに用いたハイバックロングシートと比べても…という部類ですが、こちらは背もたれが小さいために、余り腰に干渉しない事もあり、見た目の豪華さや華やかさこそJRのロングシートに劣りますが、実質的な座り心地という観点では上等な印象があり、材質だけでなく形状も座席の座り心地に大きく影響する事を痛感させられます。
(逆に余り軟らか過ぎる座席も考え物で、首都圏の標準軌某大手私鉄で最近増殖している「ブカブカ」したロングシートに比べれば、好みが大きく分かれる木材をふんだんに用いたJRのハイバックロングシートや、首都圏の一部鉄道で導入され、「岩」などと言われている座席でも個人的にはまだ評価できると感じていますが…)


導入年次や座席形状などを踏まえると、座席支持方法は最近流行の片持ち式でも不思議ではない気がするのですが、座席下に空間が確保されるタイプではないものの、普通ならその場合足元にあるはずのヒーターが見受けられず、暖房関係が貧弱に感じられるのは、高温多湿でまず降雪など考えられない南国の車両ならではで、日本の鉄道車両にしては珍しいのでは…と感じます。

またドア付近を見渡すと、ドア上に千鳥配置された案内表示装置は次駅などが点灯するマップ式のみ、最近の車両にしては簡素な印象があり、LEDやLCDモニターが見当たらないのは、運行系統が単純な路線と言う事も影響している気がしますが、今後浦添方面へ延伸されるとなれば、その際にはLCDモニターなどに取り替えられるのかも気になる所です。


そしてドア横の手すりは、首都圏の一部通勤電車など、A-Train標準仕様車でよく見受けられる柱を兼ねた特徴的なもので、実際に持つとなると…という代物です。

つり革配置も前後方向のみで関西の電車などに近い見付けですので、見た目は悪くないものの、混雑時の機能性という観点では…という印象を受けます。

内装も割合シンプルながらも、荷棚も特徴的な形状をしており、化粧板は車端壁面だけ随分明るい色を採用、ドア部分も色彩を変えているなど、無造作な印象ではなくデザイン面での配慮も伺えます。

市内交通機関だけあって豪華さはなく、シンプルで機能性を配慮しながらも、デザイン面での配慮も怠っておらず、遠方から訪問した旅客が乗車した際にも印象に残る車両となっている点は、沖縄では久々の旅客営業鉄道となったゆいレールの意気込みが…と感じたものです。

ゆいレールは路線特性や開業からの月日が浅い事、車両のバリエーションが限られる点など、趣味的な面白さという点では…という印象
があり、乗る事自体を目的とするよりは、都市内交通機関としての迅速さや定時制といった利便性が評価される路線と言う印象があります。

そのためゆいレール乗車だけを目的に、本州などからはるばる沖縄まで足を運ぶのは厳しいかと思います(鉄道以外の魅力は色々あり、
他の目的と合わせての訪問となる事が大半かと思います)が、国内では特異な環境の地を走る車両ならではの特徴などもあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も沖縄へ足を運ぶ機会がありましたら、一度は是非乗車を…と感じたものです。


沖縄都市モノレール「ゆいレール」(外観編)

2013-06-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

4月にMAKIKYUが沖縄県・沖縄本島を初訪問、晴れて国内全47都道府県訪問達成となりましたが、その際には当然ながら沖縄本島を走る唯一の鉄道・沖縄都市モノレールにも乗車し、国内全47都道府県での鉄軌道乗車も達成しています。
(その代わり海外はまだ2カ国しか訪問しておらず、訪問国が増える見込みも当分ないのですが…)

「ゆいレール」という如何にも沖縄らしさ(奄美辺りでもアリかもしれませんが…)を感じさせる愛称名が付いたモノレールは、沖縄を訪問した事がなく、正式な社名を知らなくても愛称名だけは聞いた事が…という程の知名度がありますが、東京都内の某新交通システムの様な社名変更にまでは至っていません。

新しい路線と言う印象がありますが、8月で開業から10周年を迎え、永らく鉄道の走っていなかった沖縄でも、那覇市内の移動手段としてはすっかり定着しています。

現在の運行区間は那覇空港~首里間、今後首里以遠で浦添市内まで延伸する計画があるものの、現段階では那覇市内のみの運行となっています。

基本的に途中駅始発・止めの列車はなく、全列車が全区間運行する各駅停車という単純明快な運行形態は、開業時から変わっておらず、始発駅の那覇空港を除くと行先毎に発着番線が固定されている事もあってか、車両の車外に行先表示が見受けられないのも特徴です。


車両は1000形と称する1形式のみ、開業から日が経ってから1編成増備されていますが、現在2両編成で運行している各編成はどれも大差なく、多くの路線と多彩な車両バリエーションを誇る沖縄本島各社の路線バスに比べると、趣味的ない面白さと言う点では見劣りが否めません。
(MAKIKYUは残念ながら遭遇機会がなかったのですが、後に増備された1編成は若干のマイナーチェンジが行われている様です)

 
濃淡グレーをベースに赤いラインが入る装いが標準塗装で、この装いの編成に当たる事が大半ですが、中には首里城などのデザインを施したラッピング編成も存在しており、車種面でのバリエーションに乏しいゆいレールにおいて、彩を添える存在となっています。

車内の様子などに関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


マルエーフェリー・琉球エキスプレス~運航時間帯は至便なものの…

2013-06-21 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUが4月に奄美・沖縄へ足を運んだ際には、鹿児島からのフェリー(奄美海運・フェリーきかい)に乗船して奄美大島・名瀬へ向かい、奄美大島を巡った後に沖縄へ向かったものでした。

奄美大島~沖縄本島間をフェリーで移動する場合、鹿児島~沖縄航路は基本的に毎日就航ですので、最もメジャーな方法になるのですが、この船は鹿児島~奄美大島・名瀬間で夜行運航となり、奄美諸島の島々に寄港する名瀬~沖縄本島(那覇)間では、上下便共に昼間時間帯の航海となります。

鹿児島~那覇間は片道1日強を要していますので、この鹿児島~沖縄航路で奄美大島~沖縄本島間を移動するとなれば、フェリー乗船だけで丸1日を費やす事になります。

本土から遠く離れた奄美諸島や沖縄の遠さを実感したり、足を運び難い奄美諸島の島々を眺めながらのクルージングを楽しみたい向きには、またとない航路ですが、限られた日程を有効に使いたい場合などには、非常に都合の悪い運航スケジュールですし、名瀬・那覇共にかなり早い時間(特に5時台出航となる名瀬発)となるのも、大きな難点です。

しかしながらこの鹿児島~沖縄航路以外にも、東京と大阪・神戸からそれぞれ沖縄本島へ向かう航路が就航しており、両航路も鹿児島~沖縄航路の一部便運航を行うマルエーフェリーが運航しています。

中には奄美大島に寄港せず、本土~那覇間直行となる便もあるのですが、東京航路の一部便と大阪・神戸航路の大半は奄美大島・名瀬港に寄港し、大阪・神戸発着便はその途中で徳之島・沖永良部島にも寄港する便が過半数を占めています。

両航路共に1艘ずつの運航で、おまけにどちらも国内フェリーの中では長距離航路として知られる存在ですので、運航日が月に6回程度の不規則運航となっているのが難点です。

ただ大阪・神戸航路は沖縄行の奄美大島寄港が21時台、沖縄発も16~18時台ですので、奄美大島~沖縄間を夜行移動でき、時間を有効に活用できる利点があります。

MAKIKYUはこの利点を生かし、大阪・神戸航路の運航日に合わせて旅程を組んだ程ですが、この航路で就航している船が「琉球エキスプレス」で、如何にも沖縄(琉球)へ向かう船と言うネーミングと感じます。
(ただ船名に「琉球」を冠しながらも、船籍は沖縄県内ではなく鹿児島県奄美市なのですが…)


「琉球エキスプレス」という名前を聞くと、結構豪華そうな船なのでは…と感じる方も居られるかもしれませんが、船体こそ6000tを越える大型フェリーながらも、貨物や車両の積載スペースが多く取られ、旅客定員は大型船の割には少なめとなっており、外見も見るからに貨物輸送重視のフェリーと言う風貌です。

おまけに大阪・神戸から奄美・沖縄ともなれば結構な長時間航海になるにも関わらず、食堂(レストラン)を設けていないなど、付帯設備を簡略化した「カジュアルフェリー」となっており、どちらかと言うと船旅を楽しむ雰囲気ではなく、貨物輸送のついでに旅客輸送も扱っているといった感があります。


客室も定員が限られるだけでなく、ベッドや個室の数が限られ、大半はカーペット大部屋の2等和室、名瀬からの乗船ではこれしか選択肢が…という状況でした。

そのため設備面では余り感心できる船ではありませんが、多数設置されている自動販売機類や、案内所の物販コーナーで最低限度の食料(カップラーメンやニチレイのホットメニュー、長期保存可能な菓子パンなど)は確保でき、シャワールームの設備もありますので、一部のJR夜行寝台列車(これが酷過ぎるだけですが…)などに比べれば、まだ許容範囲といった所です。


食堂が設けられていない事もあり、案内所近くに多数のテーブルやベンチなどが置かれ、フリースペースとなっているのですが、この空間に置かれた電子レンジ数の多さも、食堂などの設備がなく、弁当類などを持参する旅客が多い事を想定しているのでは…と感じたものです。

この様な船ですので、運航時間帯の良さを除くと利点は…と感じる所で、2等和室利用でも鹿児島~沖縄航路途中下船制度の適用対象外であるなど、鹿児島~奄美大島~沖縄を移動する際に利用するとなれば、運賃面でも割高になってしまう難点もあります。
(奄美大島・名瀬~沖縄本島・那覇間のみの利用であれば、どの航路でも同一等級であれば運賃は同一です)

おまけに沖縄本島・那覇の発着港が鹿児島~沖縄航路(那覇ふ頭)とは異なる那覇新港(東京~沖縄航路もこちらを発着)となり、那覇新港の利便性も非常に宜しくないという難点があります。

一応定時運航であれば、平日なら辛うじて那覇新港ターミナルのすぐそばにあるバス停(埠頭入口)から、那覇バス郊外線(101番)を利用する事もできるのですが、埠頭入口バス停を発着する路線はこの1系統のみしかなく、運行本数も少ない上に、休日は全便運休となります。

MAKIKYUが琉球エキスプレスを下船した日は平日で、一応那覇バス101系統の運行自体はあったのですが、到着が遅れた影響で乗車予定だったバスには乗れず、その後の便を待つとなれば相当な時間待つ羽目に…という有様でした。


那覇新港は本土からのフェリー発着港の一つで、沖縄の玄関口となるターミナルは、遠方から訪れた観光客の印象を大きく左右するのでは…と感じます。
(MAKIKYUの様に沖縄へ初めて足を運ぶ人物が、那覇新港を利用するケースもありますので…)

沖縄は「観光立県」として他県からの観光客受け入りにも力を入れている地域かと思いますので、人口30万人クラスの都市とは思えない程大規模な空港(那覇空港)だけでなく、フェリーで本土から足を運ぶ観光客の事も考慮し、旅客港の整備や利便性向上にももう少し…と感じてしまったものです。

琉球エキスプレスから下船した乗客も、迎えの車などがある場合を除くと、路線バス利用もままならない有様だけあり、殆どがタクシーに乗り換えて…という状況で、フェリー自体の設備面だけでなく、那覇新港の利便性と言う観点でも、船旅に不慣れな人物の利用は余り勧められないと感じてしまったものでした。
(MAKIKYUは結局那覇新港ターミナルから国道58号線と交わる交差点まで、延々と20分程度徒歩で移動する事になり、安謝橋バス停から東陽バスで那覇市内中心部へ移動したのですが、安謝橋バス停を発着する便は沖縄本島の4社各系統が頻発しており、こちらは時刻表要らずで利用できます)

琉球エキスプレスは奄美大島~沖縄本島を移動するには、運航時刻故に便利な存在であるだけに、船内設備は致し方ないにしても、鹿児島~沖縄航路に限定されている途中下船制度の適用対象に含めたり、交通利便性の悪過ぎる那覇新港のアクセスを改善(シャトルバスを運行するなど)するなど、もう少し利用しやすくなれば…と感じたものでした。

沖縄発着の貨客船は、近年有村産業の様に廃業となったり、貨物船に鞍替えして旅客輸送を中止する事業者も存在し、宮古島・石垣島など八重山方面はとんでもない状況になっている事を踏まえると、琉球エキスプレスで旅客輸送が行われているだけ良いのかもしれませんが…


奄美名物「けいはん」~奄美大島へ足を運ぶ機会があれば是非…

2013-06-19 | 日本国内その他

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方が「けいはん」と聞いたら、まず思い浮かべるものはどんなものでしょうか?

MAKIKYUが普通に考えたら、「京阪電車」や「京阪バス」など、関西の公共交通を運営する事業者や、その系列会社などを思い浮かべ、関西にお住まいの方などは、特に鉄道やバスなどの公共交通に感心を持たれていなくても、まず真っ先に京阪グループを連想されるかと思います。

関西にお住まいの方や、公共交通に関心を持たれている方でなくても、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、MAKIKYUと同感という方も多いかと思いますし、「けいはん(Keihan)」とPCなどで文字変換した場合でも、特に辞書登録などをしているのでなければ、「京阪」が真っ先に出てくるかと思います。

4月にMAKIKYUが足を運んだ鹿児島県の奄美大島でも、島内路線バスを運行している道の島交通において、京阪バスから移籍した三菱製小型路線車も活躍している様です。

しかしながら奄美大島において、島人(シマンチュ)の方が「けいはん」と聞いて、道の島交通で活躍する特定の車両を連想するのは、道の島交通の関係者を除けば…という状況かと思いますし、京阪グループの各業務に従事する方が奄美大島へ足を運んでも、路線バスを思い浮かべる事は余りないかと思います。

それなら奄美大島の「けいはん」とは何?と思われる方も居られるかと思いますが、奄美大島で一般的な「けいはん」は「鶏飯」の事で、こちらはMAKIKYUの手元にあるPCの文字変換では、残念ながら直接「けいはん」と入力しても変換できません。

「けい」→「鶏」、「はん」→「飯」で変換する事はできますが、「とり」「めし」と入力した方が手っ取り早く、名前の通りご飯の上に鶏肉などを乗せた料理の事です。


奄美大島で島らしい名物料理と言えば、真っ先に名前が挙がる程で、MAKIKYUの仕事先に居る鹿児島県出身者(奄美大島ではなく本土出身ですが、奄美へ足を運んだ事もあるとの事)も賞賛している位ですが、島内中心都市の名瀬(旧名瀬市・現在は市町村合併で奄美市の一部)では多数の飲食店で鶏飯を提供している他、MAKIKYUが名瀬で宿泊したホテルの朝食バイキングでも、和洋様々な料理と共に、鶏飯の姿もありました。
(MAKIKYUが宿泊した「ホテルニュー奄美」は、名瀬の中心市街地に立地し、空港行バスが発着する「(ホテル)ウエストコート」にも隣接、鹿児島~沖縄航路などのフェリーが寄港する名瀬新港へも徒歩10分程度の好立地です。
設備面でも新しく綺麗な上に、MAKIKYUが利用したプランでは、朝食バイキング込みでもシングル1泊5000円以内で宿泊できましたので、また奄美を訪問したら再度利用しても…と感じたものでしたが、最近名瀬では離島にしては珍しく、幾つものビジネスホテルがサービス合戦を繰り広げている様です)

また名瀬の市街地だけでなく、島内各地の様々な飲食店で「鶏飯」を提供しており、中には鶏飯の専門店も幾つか存在します。


その中でもMAKIKYUが足を運んだのは、龍郷町の屋入(Yanyu)にある「ひさ倉」で、名瀬でも島人との会話で店の所在地を言っただけでも店名が出てくる程、鶏飯の本場・奄美大島でも鶏飯専門店としてはトップクラスの知名度を誇ります。

 
鶏のスープ・ご飯・鶏肉などの具材が別々に提供され、それらを自分の好みで盛り付けて食すのが本格的な鶏飯のスタイル、そしてスープが味の決め手になると言われ、「ひさ倉」の場合は鶏飯用に鶏を自家飼育している程(HPに記載あり)している程です。

ひさ倉」の鶏飯は950円、島人が毎日昼食で足を運ぶ価格とは言い難いですが、たまに少し豪華な食事を楽しみたい時や、遠方から奄美を訪問した観光客が、奄美大島の島らしい料理を堪能するとなれば、価格設定も決して悪くない気がします。

ひさ倉」の鶏飯は、スープも割合あっさりとした印象でしたが、島人から聞いた話では、店によってはもっとこってり味だったり、濃い味だったりと様々、好みも人それぞれの様です。

奄美大島では他にも「元祖」を名乗る赤木名(名瀬から道の島交通路線バス利用の場合、北大島線(佐仁行)の赤木名下車)の「みなとや」をはじめ、幾つもの店で鶏飯を提供していますので、また奄美大島へ足を運ぶ機会があれば、他の鶏飯も…と感じたものです。

ちなみにMAKIKYUが足を運んだ「ひさ倉」は、道の島交通の名瀬(ウエストコート)~空港間を運行する空港線と、名瀬(与儀又)~赤木名~佐仁間を運行する北大島線の2路線が通る「屋入」バス停のすぐそばです。

バスの車内放送(乗務員の方の肉声マイク案内)でも「屋入 鶏飯ひさ倉前」と案内がある程、2路線を合わせると毎時1~2本の運行がありますので、事前にバス時刻を調べておけば、路線バスでの訪問も比較的容易です。
(自家用車・レンタカーで名瀬~笠利方面(空港など)を移動する場合でも、龍郷町役場から笠利方面へ向かう途中の国道沿いですので、航空機&レンタカー利用で奄美を観光する方でも、比較的足を運び易いかと思います)

また奄美大島以外でも、鹿児島市内などにも幾つか鶏飯をウリにしている飲食店が存在している様で、鹿児島~奄美大島~沖縄本島間を結ぶフェリーでも、マリックスラインの船内食堂(洋上レストラン)で鶏飯の取り扱いがあります。


マリックスラインの鶏飯(700円)は、MAKIKYUも乗船時に試してみましたが、既に盛り付け済の状態で提供され、スープも少なめで濃い味、値段も違いますので、本場の専門店に比べると…という気がしました。

とはいえ奄美大島へ足を運ぶ予定はないものの、鹿児島からフェリーで沖縄へ足を運ぶ予定があり、一度鶏飯を試してみたい…といった方にはおススメのメニューかと思いますし、限られた条件下での営業となる船内食堂において、奄美の名物料理を提供しているのは、大いに評価できる事と感じたものでした。
(鹿児島~沖縄航路を共同運航しているマルエーフェリーの船内食堂では、MAKIKYUが見た限りでは残念ながら鶏飯はありませんでした)


奄美大島ではこの「鶏飯」以外にも、沖縄などにも存在する「油ソーメン」(写真:ソーメンを肉や野菜と共に炒めたモノで、脇にあるアオサの天ぷらともずくの酢の物はサービス品、これらも奄美ならではの食物です)など、比較的手頃な値段で堪能できる名物料理が幾つもあります。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も奄美大島へ足を運ぶ機会がありましたら、道の島交通の路線バスや数々の観光名所などと共に、是非鶏飯(けいはん)を試してみては如何でしょうか?


安中榛名駅とボルテックスアークの路線バス

2013-06-17 | バス[北関東]

MAKIKYUが今月初めに週末パスを利用し、信州方面へ足を運んだ際には、殆どが普通・快速列車利用で、優等列車の乗車距離はJRより私鉄の方が…という状況でした。

そんな状況ながらも、JRで僅かに優等列車を利用したのが軽井沢→安中榛名の新幹線1駅間で、僅か10分程度の乗車、自由席の特定特急料金でも840円という金額は、新幹線の定価は決して安くなく、高付加価値をウリとしている事を改めて実感させられます。
(同程度の乗車時間でも、博多南線の如く在来線扱いになれば料金は格段に下がるのですが…)

またMAKIKYUは軽井沢駅を利用した事は何度もありますが、新幹線単独駅となっている安中榛名駅は、以前にも新幹線で通った事こそあるものの、駅自体の利用は初めてという状況でした。


この安中榛名駅は停車列車も限られ、駅周辺も軽井沢の別荘地を連想させる雰囲気の住宅などがチラホラ見受けられる程度、非常に閑散とした状況で、新幹線各駅の中では乗降客が非常に少ない駅としても知られており、駅構内にある自動改札機の少なさなどは、利用の少なさを象徴している様にも感じたものです。

自家用車普及率が際立って高い群馬県という事もあってか、新幹線単独駅にも関わらず、新幹線に接続する公共交通機関も路線バスが僅かに走る程度、余所者が利用するには極めて不便な駅と言わざるを得ない状況です。

そんな安中榛名駅を発着する僅かな公共交通機関が、信越本線磯部駅との間を結ぶボルテックスアークの路線バスで、安中榛名駅では新幹線以外の公共交通機関はこの1路線のみとなっています。

MAKIKYUは通称「アークバス」とも呼ばれるボルテックスアークの路線バスには今まで乗車した事がなく、この路線の存在も気になっており、新幹線以外の公共交通機関は他に選択肢なしという状況ですので、磯部駅までアークバスに乗車したものでした。

始発の安中榛名駅ではMAKIKYU以外の乗客は皆無、途中の道端で1名の乗客を拾う自由乗降バスならではの光景を目撃した後、他に乗降はなく終点の磯部駅に到着となる状況でした。

 
充当車両は一時首都圏の某大手私鉄グループバス会社が大量導入した事でも知られ、近年排ガス規制の影響で地方転出も相次ぐ日産ディーゼル製の小型車で、コミュニティバスなどでも比較的良く見られる車両です。

マイクロバスはおろかワゴン車でも足りる程度の乗客しか乗車していない状況では、この車両でも上等過ぎると感じたものでしたが、乗車したのは学生などの利用が少ない日曜日でしたので、平日ラッシュ対応や居住性(中型以下の車両の中では、個人的には比較的良好な部類の車両と感じています)などを考えると、この程度の車両が妥当なのかもしれません。

PASMOや群馬県共通バスカード(ぐんネット)などは使えませんが、運賃設定も初乗り100円、全区間乗車でも300円と比較的低額に抑えおられており、その運賃も大人普通運賃は50円単位で区切りの良い金額となっている辺りも評価できると感じたものでしたが、土地柄故に運行本数が限られ、特に土休日は最終便の運行も比較的早く終わってしまうのは難点です。

路線の終点・磯部駅の手前には磯辺温泉があり、温泉街の狭い路地を通り磯部駅到着となりますが、磯辺は温泉マーク発祥の地としても知られている様で、随所にこの事を告知した看板などが見受けられます。

 
終点・磯部駅は如何にも地方の田舎駅といった印象、走っている列車や駅周辺の雰囲気共々、始発の安中榛名駅とは対照的と感じたものです。

MAKIKYUはこの後信越本線で高崎へ抜け、その後高崎線で帰路に就いたものでしたが、普通列車利用での高崎~長野方面通り抜けルートの定番とも言える、横川~軽井沢間JRバス利用に比べると割高にはなるものの、高崎~軽井沢間を新幹線で移動するよりは割安です。

横川~軽井沢間JRバスには既に何度も乗車しており、安中榛名駅やボルテックスアークの路線バスにも興味が…という方や、磯辺温泉に立ち寄られれたいという方などは、是非この方面へ足を運ばれる際に一度利用してみては…と感じたものでした。

(お断り)記事内容的には鉄道・バス双方に跨りますが、この記事は路線バス扱いの記事とさせて頂きます。


マリンビューワーせと~古仁屋を発着する水中観光船

2013-06-14 | 船舶[日本国内]

MAKIKYUが4月に鹿児島県の奄美大島へ足を運び、瀬戸内町の古仁屋まで足を伸ばした際には、大島海峡を挟んだ対岸の加計呂麻島へ向かうフェリーの他に、古仁屋港周辺を遊覧する水中観光船にも乗車したものでした。


この水中観光船が「マリンビューワーせと」で、MAKIKYUが乗船したピンク色の「ニューせと」と、似た様な風貌ながらも水色の装いで、大きさも一回り小さい「せと2」の2艘が活躍しており、一風変わった風貌は観光船としての存在感を存分にPRするのに役立っていると感じますが、公式HPでは「クジラの形をした船」と称しています。


○Aマークや「A"LINE」と記された船体は、運営会社のカケロマリゾートが奄美大島への航路を担うマルエーフェリー・奄美海運をはじめとするマルエーグループの一員である事を認識させられ、マルエーグループのフェリー船内でも、この遊覧船の宣伝告知が見受けられる程です。

遊覧コースも2コースが存在する様で、どの船でどのコースへ向かうかはその時次第、公式HPでは遊覧時間60~70分と案内されています。

公式HPで告知されている遊覧船の出航時刻次第では、古仁屋から加計呂麻島へのフェリーに乗船したい場合や、名瀬へのバス時刻が迫っている場合などは、下船後に乗り換えるのはギリギリか間に合わないかも…という便もあります。

そのためMAKIKYUが古仁屋に足を運んだ際には、マリンビューワーせとに乗船しようか否か迷っており、この運航時間が最も気がかりだったのですが、窓口で係員に尋ねると「大丈夫」との事、公式HPの案内では実際の遊覧時間より多少余裕を持って案内している様で、時間的に微妙な状況の時には、下船後の乗り継ぎ交通機関出発時刻を伝えた上で、係員と相談すれば何とかなるケースもあるかと思います。
(こればかりはその日の乗船人数や海況、遊覧コースなどによっても左右されるかと思いますので、確実に大丈夫とは言えないのですが…)

そしてMAKIKYUが乗船券を買い求めると、もう乗船時刻が迫っている事もあり、乗船後程なく出航、古仁屋港を出ると大島海峡を南へ10分強航行、そして多数の珊瑚が見られる海域を15分程度遊覧してから、また来た道を戻る形で古仁屋港へ帰着、実際の乗船時間は50分程度といった所でした。
(遊覧コースによっては、珊瑚ではなく熱帯魚観賞がメインになる様で、もし気になる方は乗船前に係員の方に尋ねられると良いかと思います)


このマリンビューワーせとは、船底がガラス張りの「半潜水式」となっており、多数の珊瑚が見られる海域で船底のフロアに降りると、ダイビングなどで自身が労して海底へ潜らなくても、海底の様子を手頃に見る事が出来るのが大きな売りですが、この船底のフロアにずっと居ると、地下道の中を歩き回った後に地上へ出る時の如く、方向感覚が…という状況に陥ります。


おまけに高速航行(普通の船の速度ですので、せいぜい時速40km弱ですが…)で港~多数の珊瑚が見られる海域の間を移動する際には、ガラス越しに見える光景は泡だらけですので、多数の珊瑚が見られる海域を漂い遊覧する時以外は、上のフロアに居た方が…と感じたものです。


ただ多数の珊瑚が見られる海域では、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUが普段目にする事が…という南国の海ならではの様々な珊瑚をはじめ、時折派手な色をした熱帯魚の姿も見る事ができるなど、はるばる遠く奄美まで足を運んだら、一度はこの光景を…という世界を堪能できたものでした。

ちなみに「マリンビューワーせと」の乗船料金は、通常大人一人2500円と決して安くないのですが、当日有効となる道の島交通の路線バスフリーパスを提示すると1割引(団体料金適用)になります。

奄美・沖縄旅行から帰還後、この方面に詳しく、何度も足を運んでいる人物に写真を見せたら、ダイビングで奄美・沖縄など南の海へ幾度も足を運んでいる事もあり、「こんな船には乗船しない」という声も出たもので、ダイビングなどで自身が海に潜るのに比べれば…と捉える向きもある様です。

とはいえ自身が海に潜る事は考えておらず、手頃に南の海の姿を…と考えているのであれば、古仁屋まで足を運んだら一度乗船する価値はあり、変わった船に乗船できるという点でも、注目の存在と感じたものでした。


奄美大島・瀬戸内町内を走る瀬戸内海浜バス

2013-06-12 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、奄美大島・瀬戸内町の古仁屋と、大島海峡を面して向かい合う加計呂麻島の島内を運行する加計呂麻バスに関して取り上げました。

瀬戸内町では奄美大島のほぼ全域にわたって路線バスを運行する道の島交通と、加計呂麻島を運行する加計呂麻バス以外にも、瀬戸内海浜バスと言う事業者による路線バス運行が行われています。

奄美大島では基幹都市の名瀬(奄美市:旧名瀬市)でも現在道の島交通1社による運行ですので、瀬戸内町は自治体規模の割には、路線バス運行事業者の数が多い町とも言えます。

その代わり現在、奄美大島の島内全市町村で路線バスを運行している道の島交通は、名瀬~古仁屋間の幹線(南大島線)のみの運行となっています。

古仁屋発着の瀬戸内町内路線に関しては、かつては旧奄美交通などが運行していましたが、旧奄美交通→道の島交通への路線移管実施以前に、瀬戸内海浜バスへの移管が行われており、加計呂麻島を除く瀬戸内町内の路線バスは、基本的に瀬戸内海浜バスによる運行となっています。

同社の路線は、片道運賃が1000円を越える西古見などへ向かう足の長い路線と、古仁屋の町内のみを運行する路線(高丘住宅~運動公園)があり、MAKIKYUは後者のみ1度乗車機会がありました。

前者は運行本数がかなり限られ、終点まで乗車したら折り返し便がなく、古仁屋へ戻って来れない便もあるなど、余所者にとっては非常に利用し難い印象がありますが、後者は土地柄の割にはそこそこの便数が走っていると感じたものです。


MAKIKYUが古仁屋へ足を運んだ際には、西古見へ向かう便には真っ白な装いの日野リエッセ(トップドア)が用いられており、マイクロバスは他に紫色の日野レインボーRBも活躍していました。


マイクロバスは比較的足の長い路線に充当される事が多い様で、古仁屋の町内を運行する路線や、古仁屋~ヤドリ浜間の路線では、ワゴン車による運行となっている事が多い様です。
(時には町内路線でマイクロバスが運用されたり、逆に足の長い路線にワゴン車が充当される事もある様です)


MAKIKYUが乗車した瀬戸内海浜バスもワゴン車の方で、瀬戸内海浜バスの社名標記と、マグネットによる行先表示が、辛うじて路線バスである事を認識させられる程度です。

奄美大島では道の島交通でも、車内において音声合成装置などによるバス停案内放送がない状況ですので、当然ながら瀬戸内海浜バスでも案内放送はありません。

それどころか運賃は区間制ながらも、整理券の発行や運賃表示器の設置もなく、運賃箱も両替機能などを有しないただの箱であるなど、路線バスと言うよりも定時運行・定額運賃の乗合タクシーと言った印象が強いと感じたものです。

この様な車両・運行形態でコストを下げる事により、路線運行維持が実現しているのかと思うと、少々複雑な心境ですが、一部デマンド区間(予約制)などがあるものの、基本的に定時定路線運行で、余所者でも予め時刻を調べ、その予定に合わせて行動すればほぼ確実に乗車できるという点は、離島と言う土地柄を踏まえると大いに評価できる気がします。
(離島に限らず地方では路線バスが廃止→デマンドタクシー化され、事前予約が必須な上に、路線によっては地元住民しか予約ができないなど、実質的に余所者が公共交通を利用できない事例も数多く、その場合はレンタカーなどしか交通手段の選択肢が存在しない事になりますので…)


また瀬戸内海浜バスでは2台の日野製マイクロバスと、最低3台は確認済のワゴン車による乗合運行だけでなく、小規模ながらも貸切バス運行も行っており、ネット上でも余り取り上げられる機会のない事業者かと思いますので、こちらの写真もついでに掲載します。

奄美大島では幹線を運行する道の島交通でも、一部路線を除くと予め時刻を調べておかないと…という状況で、「離島の割には割合至便」とは言っても、本土に比べると公共交通の利便性は大きく劣ります。

まして瀬戸内町内の支線を運行する路線バスで、特に観光名所などを結ぶわけでもないとなれば、地元住民を除くと利用機会は非常に限られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も瀬戸内町を訪問する機会がありましたら、加計呂麻島を走る加計呂麻バスと共に、瀬戸内海浜バスへの乗車も検討してみては如何でしょうか?


アルピコ交通 上高地線「なぎさTRAIN」

2013-06-10 | 鉄道[甲信越]

今月初めにJR東日本が発売する「週末パス」を利用した際には、利用対象路線の一つとなっているアルピコ交通(上高地線)の電車にも乗車したものでした。

長野県に縁のある方や、バス事情に詳しい方を除くと、アルピコ交通と聞いてもピンと来ないという方も居られるかと思いますが、松本電気鉄道などをはじめとする「アルピコグループ」の各社(他に川中島バス・諏訪バス)を合併し、2011年に社名を改めたもので、アルピコ交通への社名改称後も、愛称名として旧各社の名称も併用されています。

このアルピコ交通における交通事業の主体は、高速道路経由で都市間を結ぶ高速バスや上高地などへ向かう観光路線、松本市周辺を運行する生活路線などの「路線バス」ですが、他にも基幹となる会社の旧社名が「松本電気鉄道」ですので、社名の通り松本~新島々間で鉄道1路線も運行しています。
(かつては他に松本~浅間温泉間などを結ぶ路線もあったのですが、現在運行しているのは1路線のみです)

現在運行している1路線は「上高地線」という路線名が付けられていますが、この電車だけで有名な上高地まで足を運ぶ事はできず、上高地へ向かう場合は終点の新島々駅で同じアルピコ交通が運行する路線バスに乗換となります。

とはいえ松本~上高地間のアクセスとしては、路線バスと合わせて重要な役割を担っている他、松本の近郊電車としての役割も担っています。

現在では全線単線・2両編成のワンマン電車が毎時1~2本程度走る典型的な地方私鉄と言った状況ですが、1999~2000年にかけて車両入れ替えが行われ、現在に至っています。


現在運行に供される車両は3000系1形式のみ、高速バス運行で協力関係にある京王グループの京王井の頭線で用いていた車両の改造車で、同形の改造車はアルピコ交通以外にも幾つかの地方私鉄で活躍しています。

MAKIKYUはアルピコ交通の鉄道線はおろか、車両入れ替えで元京王車が走る様になってからの上高地線乗車自体が初めてと言う有様でしたが、他の京王3000系移籍各社では、全て元京王3000系改造車に乗車していますので、先日のアルピコ交通電車乗車で、ようやく京王3000系移籍各社の元京王3000系乗車を達成できたものでした。

 
幾つかの地方私鉄への譲渡例が存在する京王3000系の中では、改造内容は他社と類似したものが多く、電車に乗っている限りでは、アルピコ交通移籍車ならではの特徴は余り感じないものです。

とはいえ運転台がワンハンドルタイプに改められている事(残念ながら写真はありませんが…)や、ステンレス車にも関わらず車体を白く塗装している点は、京王3000系の他社移籍車には見られない特徴と言えます。


また現在2両4編成(8両)が活躍するアルピコ交通3000系は、編成による差異なども少なく、他形式の活躍もありませんので、車両バラエティという点でも地味な印象が否めないのですが、MAKIKYUが乗車した列車は「なぎさTRAIN」として前面マークの掲出や車体ラッピングが施されていました。


なぎさTRAINでは、車体ラッピングが側面最前部ドアの窓ガラスにまで及んでおり、車窓を楽しむ向きには不適ですので、この点は評価が大きく分かれるのでは…と感じたものでしたが、車両面では単調な印象が強い上高地線において、彩を与える存在としては評価できる電車と感じたものでした。

ちなみにアルピコ交通の通常運賃は主力事業の路線バスと同様に、電車も決して安いとは言い難く、運行本数も決して多いとは言えない路線ですので、沿線に所用が存在するか、上高地へ観光に出向くのでなければ、週末パスの様な乗車券がないと、松本駅で姿を見かける機会はあっても、なかなか乗車する機会のない路線と感じます。

この様な路線にふらりと乗車できるのも、週末パスの一つのメリットで、JR線で遠くへ足を運んで距離を稼ぐだけでなく、幾つもの地方私鉄に乗車できる点は、大いに評価できると感じたものでした。

上高地観光や沿線への所用などがなくても、週末パスで松本へ足を運ぶ機会がありましたら、この「なぎさTRAIN」をはじめとするアルピコ交通の上高地線電車にも乗車してみては如何でしょうか?


先週は週末パスで小旅行~逆さ富士の姿も…

2013-06-08 | Weblog

JR東日本では週末の土日2日間、首都圏や甲信越・南東北方面のJR線普通列車(別途料金を支払えば、特急やグリーン車などの利用も可)と、一部の地方私鉄が乗り放題になる「週末パス」を発売しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、実際にこの「週末パス」を利用した事がある方も多いかと思います。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、今週末に週末パスを利用して小旅行に足を運ばれている方も居られるかもしれませんが、MAKIKYUも先週末は丁度土日休みになった事から、この週末パスを利用して小旅行に出向いていました。
(MAKIKYUの場合は仕事柄土日定休ではない不規則勤務ですので、週末パスを利用できる土日連休となる事は、時々しかないのですが…)

その際には富士山の景観を堪能できる事をウリとしている観光列車(別途料金を支払えば、週末パスでも乗車できます)の車中から、水面に上下反転した富士山の姿が映る「逆さ富士」の姿も見る事ができたものでした。


風が吹いて水面が波打っている時などは、綺麗な逆さ富士を見る事はできず、いつでも見れる訳ではない事もあり、観光列車の客室乗務員も盛んにこの事を宣伝している状況でした。

また富士山の景観を堪能できる事をウリとしている観光列車以外にも、先週末は週末パスで乗車可能な様々な列車に乗車、また幾つかの路線バス(別途運賃支払い)も利用したものでしたが、中には写真の様な光景も見られたものでした。


JR線でこの駅名を見ると、走っている車両は国鉄から継承した古参車が思い浮かぶ方が多いかと思いますし、実際にその割合がかなり高くなっていますので、MAKIKYUも国鉄から継承した両開き3扉の近郊型電車が真っ先に思い浮かびます。

MAKIKYUもこの国鉄から継承した両開き3扉の近郊型電車で、写真の駅を通った事は何度もあるのですが、写真は国鉄から継承した両開き3扉の近郊型電車とは大違いの車両で運行される列車に乗車した際、車内設置のLED表示装置に表示された次駅名表示です。

この系列自体は以前にも何度か乗車した事があるものの、次駅名などを表示するLED表示装置を車内に備えた電車で、写真の駅を通り停車する列車に乗車したのは、MAKIKYUは先日が初めてと言う状況でした。
(国鉄から継承した両開き3扉の近郊型電車では、現在も殆どの車両で車内にLED表示装置はありませんので…)

この列車は運行時間の関係で少々使い難い感があるものの、有効期間内であれば、青春18きっぷなどでも乗車可能で、結構乗り得な列車と感じたものでしたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、この「乗り得列車」に乗車された事がある方は、宜しかったらその際の感想などをコメント欄にもどうぞ。

また現在順次公開中の奄美・沖縄(予定)関連の記事と合わせ、この小旅行に関連した記事も並行して順次公開したいと思います。


加計呂麻島を走る加計呂麻バス~人口2000人に満たない離島ながらも…

2013-06-07 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、奄美大島・古仁屋から加計呂麻島へ向かう町営フェリー「フェリーかけろま」に関して取り上げましたが、このフェリーかけろまが就航する加計呂麻島は人口2000人に満たない離島で、行政的には古仁屋などと同じ大島郡瀬戸内町に属します。

古仁屋自体が奄美大島(離島)ですので、加計呂麻島は「離島の離島」と言っても過言でなく、古仁屋自体も決して足を運び易い所ではありません。

奄美諸島在住者や出身者、奄美大島などに知人が居住している方や、島旅が好きな方などを除けば、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、足を運ばれた事がないという声が多数かと思いますし、中には「加計呂麻島」という名前を聞いても、具体的な場所が思い浮かばないという方も居られるかと思います。

しかしこの小さな離島・加計呂麻島でも、古仁屋への航路が発着する瀬相・生間両港を結ぶ路線をはじめ、両港から島内各地へ向かう民営路線バスが運行しており、島内全路線は加計呂麻バスが運行を行っています。

島の規模などを踏まえると、本土から遠く離れた人口の少ない離島において、民営の路線バス運行が行われている事自体が驚異的と感じる程です。

使用車両は奄美大島の道の島交通でもお馴染みの存在になっている日産シビリアンが主力となっており、旧奄美交通に吸収され、昔奄美大島内の一部路線を運行していた旧林バスの装いを今日まで残しているのも大きな特徴と言えます。


MAKIKYUもフェリーかけろまで加計呂麻島へ足を運んだ際には、加計呂麻バスにも一度乗車したのですが、各路線は瀬相・生間両港で古仁屋からのフェリー発着に合わせて運行しており、フェリー到着後程なく、複数台のバスがほぼ同時刻に島内各方面へ向かうダイヤを構成しています。


MAKIKYUが加計呂麻バスに乗車した際は、主力シビリアンの中でも、古参の部類に属する車両に当たり、車体脇に錆が見受けられる状況などは、潮風に吹かれる過酷な離島の環境下で、永年走り続けてきた車両ならでは…と感じたものでした。


ただシビリアンも年式は様々で、行先表示は車内ガラス内側に出しているため、前面上部にコブの様な行先表示器こそ存在しないものの、道の島交通の主力車とほぼ同レベルと感じる車両も活躍しています。

シビリアン以外にも、マイクロバスは日野リエッセが1台在籍している様で、貸切などの際には優先的に充当される様ですが、こちらは残念ながら姿を見る事はできず、予備車として車庫で待機している事が多い様です。

この他一部便はワゴン車による運行となっており、実際にワゴン車が「路線バス」として稼動している姿も目撃しています。


奄美諸島では加計呂麻島よりもはるかに大きく、人口も多い喜界島や沖永良部島(船で通過しただけで、実際に島内へ足を踏み入れた事はないのですが…)でもワゴン車による路線バス運行が当り前になっている様ですので、むしろワゴン車よりもマイクロバスによる運行の比率が高くなっている事は、加計呂麻バスが離島のバスにしては健闘している部類である事を示しているかの如く感じたものです。

ちなみにMAKIKYUが乗車した加計呂麻バスのシビリアンでは、奄美大島の道の島交通ですら音声合成装置などによる車内放送がない位ですので、当然ながら車内放送も存在せず、それどころか乗客の大半が顔見知りの常連客と言う事もあり、時折余所から加計呂麻島へ足を運び、バスを利用する観光客などが乗車した時だけ、適宜案内を行う形態をとっています。

過疎地だけあって当然ながらほぼ全線が自由乗降、常連客の場合は特に行先などを告げなくても、自宅の目の前でバスが停車する辺りは、如何にも離島のバスと言った印象があり、また乗客だけでなく荷物輸送も行っているのも大きな特徴です。


運賃収受も車内に運賃箱の設置はなく、乗務員が直接収受する形態となっており、釣銭用の小銭も携帯しているのですが、車内には今時なかなか目にする事がない旧式の手動両替器も設置され、この両替器は今日でも実際に使用可能な状態になっています。
(MAKIKYUも運賃支払い時に、乗務員の方に頼んで使い方を実演して頂いたのですが、写真では見えない側にレバーがあり、両替対象の小銭を機器上部に入れた後、レバーを操作すると機器下部から小銭が排出されます)

加計呂麻バスではこの手動両替器だけでなく、車内前方の行先表示器の上にも気になるアイテムがありました。

この棒は「ハブ取り棒」なのですが、猛毒を持つ事で有名なハブは国内では奄美諸島と沖縄県の一部だけに生息しており、加計呂麻島もその一つです。


乗務員氏から伺った話では、夕方の最終便運行時などに時折路上にもハブが出没するらしく、実際にハブ取り棒を使って捕獲する事もあるそうです。

ただハブは猛毒を持っており、実際に奄美諸島でも農作業中などに、年間数十件程度のハブ被害が出ています。
(MAKIKYUの知人の中にはハブ取り棒を用い、ハブを捕獲した経験を持つ人物も居ますが、捕獲に慣れていない余所者がハブ捕獲を目論む事は、やめた方が良いと思います)


またMAKIKYUが加計呂麻島バスで乗車した路線は、途中かなり狭い悪路も通り、中にはマイクロバスでもギリギリ…と感じる箇所も存在する程で、昨年の奄美豪雨で被災した箇所の修復が終わっておらず、未だに路肩などが崩れたままの痛々しい姿も何箇所かで目にしたものでした。

加計呂麻バスは極めて過酷な環境下で運行しており、運営維持自体も並大抵ではないかと思いますが、車両面ではマイクロバスが主体ながらも、趣味的に注目すべき点も幾つもあります。

加計呂麻島は非常に足を運び難い所ですので、MAKIKYUが再び訪問する機会はあるのかどうか…と感じていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方ももし加計呂麻島へ足を運ばれる機会がありましたら、是非一度加計呂麻バスにも乗車してみては如何でしょうか?


公式サイトリンク集を小変更~未乗事業者に「★」を追加しました

2013-06-06 | Weblog

MAKIKYUは4月に沖縄県・沖縄本島を訪問し、晴れて日本国内全47都道府県訪問を達成した事もあり、国内の鉄軌道やバス事業者に関しては、比較的知名度の高い大手・中堅事業者に関しては、大半の事業者で何処かの路線は…という状況です。

とはいえまだまだ未訪の離島なども数多く存在しており、それ以外でも幾つか未乗のバス事業者やケーブルカーなどが存在、船舶関連などはまだまだ…という状況です。

そのため公式サイトへのリンク集に掲載している日本国内交通事業者の中で、MAKIKYUが利用した事がない事業者に関しては、事業者名の左脇に「★」を付ける事で、未乗事業者を一目で分かるようにしてみました。
(なお海外の交通事業者サイトに関しては、この取り扱いの対象外とします)

なお同時にJR CYBERSTATIONなど、交通事業者以外のサイトに関しては、サイト名左脇に「△」を付ける事で、交通事業者公式HPと識別できる様にしています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、「★」の付く事業者は殆どないという方から、MAKIKYUと同程度、まだまだ「★」の付く事業者の方が多い…という方など様々かと思います。

現在未乗の事業者で、今後利用機会に恵まれた際には、予告なしに「★」を削除する闇更新を実施したいと思っていますので、皆様も公式サイトへのリンク集を利用される機会があり、もし暇でしたら、事業者名脇の「★」にも注目してみて頂ければ…と思います。

また公式サイトへのリンク集で、HPアドレス変更などでデッドリンクなどが生じている箇所がありましたら、その旨お伝え頂けると幸いです。


加計呂麻島へのメインアクセス・フェリーかけろま

2013-06-04 | 船舶[日本国内]

4月にMAKIKYUが奄美大島を訪問し、道の島交通のフリーパスを利用して2日間島内を廻った際には、同社路線バスを利用し、南西部の瀬戸内町へも足を伸ばしたものでした。
(名瀬からは所要約80分・運賃は片道1500円を越えますので、この様なバスに乗車すると、奄美大島が離島の中ではかなり大きい島である事と、フリーパスの威力を実感させられます)

瀬戸内町の中心・古仁屋(Koniya)は、名瀬に比べると小規模な街ながらも、鹿児島発着の奄美海運(喜界航路)も寄港し、コンビニやファミレスもあるなど、本土から遠く離れた離島の街にしては、結構栄えている印象を受けたものです。

島内最大の街・名瀬に比べると、はるかに小規模な街ながらも、離島で中核都市以外にもこれだけの街が存在する辺りは、奄美大島が様々な意味で規模の大きな島である事を意味すると言っても過言ではない気もします。
(離島の街と言うと、本土との航路が発着する島で一番繁栄している街でも、コンビニやファミレスなどは存在しない街も多くありますで…)

この古仁屋の街からは、鹿児島発着の航路以外にも、周辺の島々へ向かう航路が幾つか発着しており、その一つが大島海峡を挟んで向かい合う加計呂麻島への航路です。

古仁屋~加計呂麻島間の航路は、定期船(町営フェリー)が大島海峡に面し、島の中央付近に位置する瀬相へ4往復、同じく大島海峡に面するものの、島の南側に位置する生間(Ikenma)へ3往復の計7往復が就航しています。


就航船は基本的に「フェリーかけろま」1艘だけですので、古仁屋からは瀬相行きと生間行きが交互に発着する運航形態となっています。

古仁屋からの距離が近い生間の方が、所要時間や運賃の面では優位ですが、加計呂麻島は古仁屋から肉眼で見渡せる程近い所ですので、古仁屋~瀬相間を乗船しても運賃は350円、所要時間も片道30分以内で収まります。

運航本数が限られ、名瀬方面との道の島交通路線バスとの接続も、必ずしも良好とは言い難いのが難点ですが、古仁屋へ足を運ぶ機会があれば、上手く時間が合えば、ついでに加計呂麻島へ足を運ぶ事も比較的容易と感じます。


ちなみにこの町営フェリーは、乗船時間も比較的短い事もあり、船内客室はモケットではなくビニール張りの座席が並び、比較的簡素な印象を受けたものです。


とはいえ他に甲板にもベンチなどが設置されており、穏やかな陽気の日はこちらで大島海峡を吹き抜ける潮風に当たりながらの航海も悪くないかもしれません。

また加計呂麻島へのアクセスは、町営フェリーが最もメジャーな方法で、MAKIKYUは加計呂麻島へのアクセスは往復フェリー利用でしたが、他に古仁屋から水上バスや海上タクシーの運航もあります。

こちらは一応ダイヤに基づいて定期運航されている船もあるものの、小型船ですので当然車両航走はできず、定員も少ない船ですので、定員に達して乗船できない可能性もあります。

しかしながらフェリー出航時刻まで時間が空いており、すぐに出航する船がある時などは、水上バスの利用も便利かと思いますし、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も加計呂麻島へ足を運ぶ機会がありましたら、一応状況次第では町営フェリー以外の足もある事を知っていると便利かと思います。


道の島交通の路線バス(4)~マイクロバス編

2013-06-01 | バス[九州離島・沖縄]

4月にMAKIKYUが訪問した奄美大島で、島内各地を運行する道の島交通の路線バスは、空港線を除く殆どの路線でマイクロバスを見かける程ですが、今日はこのマイクロバスに関して取り上げたいと思います。

名瀬から古仁屋や佐仁に至る幹線でも、マイクロバスによる運行が決して珍しくない状況になっており、名瀬~古仁屋間での小型車やマイクロバスによる運行も当り前、早朝のフェリー接続便でマイクロバスが充当される事もしばしばの様です。
(ただ通学ラッシュなどで多客が見込まれる便には、極力輸送力を確保できる車両を充当している様です)


マイクロバスの中でも、最も多数派を占めているのは日産シビリアンで、旧岩崎バス時代に10台以上が導入され、ジャーニーLR(中型車)・キュービックLV(大型車)・元名古屋市営小型車(日野製)と並び、道の島交通の主力車両と言える存在になっています。


前面上部にコブの様に出っ張った行先表示器を装備した車両が大半を占め、白に青と水色のラインを纏った装いは、どの車両も大差ない印象を受けます。

とはいえ側面には島内各地の名所などのデザインを用いたラッピングが施され、車両によってデザインが異なりますので、この部分ラッピングのお陰で、各車両に辛うじて個性が生じており、シンプル過ぎる真っ白なバスなども、この位のラッピングがあれば…と感じます。

MAKIKYUは道の島交通のシビリアンには、名瀬の市内線で一度乗車しただけですが、音声合成による車内放送のない道の島交通でこの手の車両に乗車となると、整理券発行機と運賃表示器の存在が、辛うじて路線バスである事を意識させられると言っても過言ではなく、送迎バスにでも乗車している様な錯覚を覚えます。


またシビリアンの様に多数活躍している訳ではないものの、車庫内でシビリアンと同じ塗装のレインボーRBの姿も見かけ、この車両は結構な古参車ですので、あとどの程度活躍するのか気になる所です。

旧奄美交通でもシビリアンこそ導入していないものの、スペック的には大差ない三菱ローザを数台導入、道の島交通に引き継がれています。

決して新しいとは言えない車両で、既に運用離脱車両も発生している様ですが、こちらは数台が旧奄美交通塗装のままで活躍しています。


MAKIKYUが名瀬市内から古仁屋方面へ向かう便に乗車した際、このローザに当たり、これも1時間以上の路線で使う車両では…と感じたものですが、座席などは特に硬く長時間乗車には…という訳ではありませんので、先日取り上げた元名古屋市営バスとどちらが良いかとなると、好み次第と言った所かと思います。

この他撮影は出来ていないものの、路線バス用のマイクロバスとしては最定番車種とも言える日野リエッセも、道の島交通では恒例の真っ白な装いで何台か活躍する姿を目撃しています。

これは中古導入された車両の様ですが、小柄ながらも立席乗車も可能で、路線バスとしての乗降性も考慮した車両ですので、最近の道の島交通の車両導入傾向を踏まえると、小型と並び今後続々と数を増やす可能性が…と感じたものでした。

名瀬の短距離市内路線であれば、この手の車両で運行コストを低減しつつ、運行頻度を確保するのも悪くない気がするのですが、佐仁や古仁屋などへ向かう足の長い幹線では、居住性を考えると…といった所です。

道の島交通では空港線を除くと、どの路線にどの車両が入っても…と言うのが現状で、ダイヤ毎にある程度充当車両を限定するなど、路線特性に応じた車両充当を行えば…と感じる所です。
(現状でも名瀬にある2箇所の車庫以外に駐在している車両で運行されるダイヤなどは、ある程度充当車両は固定されている様ですが…)