MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

2015年を振り返って

2015-12-31 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」へアクセス頂き、ありがとうございます。

個人的には大変な事も色々あった1年でしたが、趣味的には注目の話題も数多い1年となった気がします。


今年は各地へ足を運ぶ機会があったものの、ブログ記事作成が追い付かず…という事も多々ありましたが、鉄道関連では3月の北陸新幹線金沢開業と、これに伴う並行在来線の経営分離などは、かなり大きな話題と感じた方も多いと思います。


MAKIKYUも北陸新幹線長野以遠の新規開業区間をはじめ、経営分離され第3セクター鉄道となった区間の一部にも乗車する機会があり、これに関しても来年取り上げる事が出来れば…と感じています。

高速鉄道関連の大きな話題と言うと、日本国内での注目度は北陸新幹線よりもずっと下がりますが、隣国・韓国でも4月に全羅道方面への湖南(Honam)高速鉄道が開業、同時に既存の京釜高速鉄道から分岐して浦項(Pohang)へ向かう東海(Donghae)線方面のKTX運行も開始されています。


こちらも湖南高速鉄道を運行する一部列車では、既存KTX-山川(Sancheon)とは装いが異なる改良版車両が導入されています。


KTX-山川の改良版車両は座席も既存車両とは異なるモノに改められており、今まで韓国を走る高速鉄道車両の座席はイマイチと言う印象が強かったのですが、この車両は座席の居住性が随分改善されたのも高く評価できると感じています。


韓国では大邱市において韓国初のモノレール(跨座式)も開業、訪韓時にはこちらも乗車機会もあり、このモノレールに乗車する事で、MAKIKYUの跨座式モノレール乗車は日本・中国に続き3か国目となりました。


日本国内の新線開業は北陸絡みがかなり注目されますが、これ以外に仙台でも東北本線と仙石線の間を短絡する線路を敷設、この区間を経て東北本線仙台駅~仙石線石巻駅間を結ぶ「東北仙石ライン」が運行開始、JR以外でも仙台初のリニア地下鉄となる仙台市営地下鉄東西線も開業し、仙台周辺も動きの多い1年だったと感じています。


都市圏輸送において今まで比較的古参の車両が多数残存しており、一部では「国鉄」とも言われていたJR新潟地区と広島地区において、新型車両(E129系/227系)が大量導入されたのも注目で、こちらも何度か乗車機会がありました。


古参車が多い傾向にある関西の私鉄でも、阪神と南海で新形式車両が登場、阪急や京阪でも新型車両導入が進むなど、サービス向上や省エネルギー化の動きが随所で見られます。


一方近鉄では特急車のリニューアルや塗装変更などを打ち出したものの、一般車両に関しては結構な経年車でも更新修繕の動きがあり、一部では古参車がまだまだ活躍しそうな気配も感じます。

近場(首都圏)の話題としては、新規営業開始区間こそなく線増と列車運行体系変更のみながら、首都圏JRで「上野東京ライン」が運行開始したのも大きな話題と感じています。


運行開始から間もない時期に、臨時快速列車で車両変更によって急遽651系が充当されたのも注目を集めましたが、都心跨ぎでの移動利便性が向上した反面、輸送障害発生時のダイヤ乱れ波及が大規模になり、東京都心からの帰宅時に始発で座れる列車が減少するなど一長一短で、賛否両論が分かれる所かと思います。


また小田急電鉄で中堅格1000形車両のリニューアル進行をはじめ、JR車両(E233系)の試運転が頻繁に見られるようになり、年末に発表された来春のダイヤ改正もかなり大規模、複々線化計画完成を再来年に控える状況で、ここまで大規模な改正が…と感じた方も少なくないと思います。


小田急グループ各社でも、箱根登山鉄道で久々に登場した新型車両(3000形アレグラ号)への乗車機会があり、大山ケーブルでもアレグラ号と同じデザイナーによる新型車両が登場したのも大きな話題と感じています。


路線バス関連では、9月に運行体制の大規模刷新実施、BRT「萬代橋ライン」運行開始と郊外路線の再編を行った新潟交通グループを巡る動きが、個人的にはかなり大きな話題だったと感じています。

運行体制の大規模刷新直後は、ICカードシステムのトラブルなどで芳しくない状況に陥り、全国的に報道される状況にもなってしまいましたが、BRTの一部便に輸入連接車も導入するなど力の入れようは相当と感じています。


海外からの輸入車両は新潟交通の連接バスだけに限らず、西日本で電気バス導入の動きもあり、京都急行バス(プリンセスライン)と北九州市交通局の海外製電気バスに乗車する機会もありました。

前者は中国製、後者は韓国製でデザインや内装なども大きく異なっていますが、前者に関してはまだブログ記事化も出来ていませんので、これも機会があれば取り上げたいと思っています。

 
またバス全体の動きとは異なりますが、一部では「キングオブ高速バス」とも言われ、高速乗り合いバス最長路線としても知られる西日本鉄道の「はかた号」(福岡<博多・天神>~東京<新宿>間)への乗車も、個人的には印象的な出来事の一つだったと感じています。


近年マイブーム化しつつある離島巡りに関しても、今年は訪問島数こそ少なかったものの、今まで未訪だった島根県の隠岐各島へ足を運ぶ機会があり、離島航路や島内バスへの乗車なども印象的でした。

海運関係では国内航路で幾つかの新造フェリーも就航開始、その中には今年乗船機会のあった船もあり、これも機会があれば取り上げたいと思っています。


その一方で日本と中国を直航する数少ない国際旅客航路の一つ・オリエントフェリー「ゆうとぴあ」(下関~青島)が11月上旬に今年限りでの休航を発表、今月運航休止となってしまい、中国内は相次ぐ高速鉄道(CRH)開業などで移動利便性が向上する一方、日中間の距離は遠ざかる一方と感じてしまうのは残念と感じています。

来年の公共交通を巡る話題は、北海道新幹線の新函館北斗延伸と、これに伴う接続各線のダイヤ改正が最大の目玉と感じていますが、近年ニュースなどでも大々的に取り上げられているJR北海道を巡る諸問題が、新幹線運行に大きな影響を及ぼす事がない事を願うばかりです。


北海道では今月都心部で短距離ながら廃止区間が復活、環状運転実現となった札幌市電も注目と感じており、遠方だけあって足を運ぶのも少々厄介な所と感じていますが、機会があれば北海道新幹線と共に乗車できれば…と感じています。

また関西では来春に開館予定の京都鉄道博物館や、名称が「ジョイントライナー」と正式決定し、関西では神姫バスに続き2例目となる近江鉄道の連接バス運行開始(滋賀県草津市内)なども注目と感じており、これも機会があれば足を運びたいと感じています。

近場では今月大規模改正を発表した小田急線の来春ダイヤ改正において、昼間時間帯の快速急行大増発をはじめ、東京メトロ千代田線を介しJR常磐線との間で3社車両による相互直通運転も開始されますので、これも注目と感じています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、充実した年だったと感じる方をはじめ、大変な1年だったと感じる方など様々かと思いますが、今年1年を振り返って感じた事などがありましたら、コメントもどうぞ。


惜別・オリエントフェリー「ゆうとぴあ」(2)~船内編

2015-12-28 | 船舶[海外関連]

先日「MAKIKYUのページ」では、山口県・下関~中国山東省・青島間を結び、惜しくも休航となってしまったオリエントフェリー「ゆうとぴあ」に関して取り上げましたが、今日は先日記事の続編で船内の様子を取り上げたいと思います。


「ゆうとぴあ」は新日本海フェリーの国内航路で就航していた「ニューはまなす」が船名や船籍を変えて就航していた事もあり、乗員は全て中国人であるものの、船内の雰囲気は日本国内を就航する長距離航路と大差ないと感じたものでした。
(日本語会話に関しては船員によって差があり、日常会話なら全く問題ないレベルの船員もいる一方で、殆ど通じず漢字筆談となる場合などもあり、新鑑真などMAKIKYUが乗船した事がある他の日中航路に比べると、通用度はやや低いと感じたものでした)

 
船内の案内表記も元々日本語と英語が併記された所に、後から中国語が追加された箇所も多く見受けられ、船内にある毛布には前事業者・新日本海フェリーのロゴや社名も見受けられるなど、前身の面影も至る所に…と感じる状況でした。


船室は最も割安な2等Bが、いわゆる「雑魚寝」の大部屋(写真・カーペット敷き)、次いで割安な2等Aがカーテンで通路とベッドを仕切れる2段ベッドが並ぶ船室となっています。


MAKIKYUは夜行フェリー、それも特に乗船時間が長い航路の場合は、高額な上級船室を用いる事はまずないものの、極力雑魚寝は避けて少しランクアップした船室を利用する様にしており、オリエントフェリー乗船時も2等Bと2等Aの料金格差は僅少(片道正規運賃で1000円)でしたので、2等Aを利用したものでしたが、この区画は旅客利用が少なく輸送力を持て余している事もあってか、上段ベッドは布団や寝具などを撤去して荷物置場として用いている状況でした。

1等以上の上級客室に関しては、基本的に下等船室乗客は立入禁止となっており、画像もありませんが、甲板から眺めた限りではホテルのツインルーム相当の部屋という雰囲気と感じたものでした。

元々長距離を運航するフェリーとして建造された船だけあり、展望サロンやシアタールームなどのフリースペースも設けられ、シアタールームでは夜にカラオケ大会(無料:中国の歌謡曲が主体ですが、日本のJ-POPなども多数あり)も開催、中国人乗客が歌う中国の歌謡曲などを多数聴く事もできました。


展望サロンは2等室のあるフロアの前方に設けられ、陸から離れた海域を航行する時間が圧倒的に長い「ゆうとぴあ」では、入出港時前後(写真は下関入港日の朝に撮影)を除くと陸地を眺める機会は少ないですが、昼間ずっと2段ベッドで過ごすのはさすがに…という事もあり、海況が穏やかな昼間はここで過ごす時間も結構ある状況でした。
(海が大時化+体調不良も重なり、殆ど1日中ベッドの中で過ごす日もあったのですが…)


この展望サロンは日本国内航路を就航する太平洋フェリーの古参船「きたかみ」の展望サロンと類似した雰囲気も感じ、この他フロント近くにもソファーやベンチが多数設置、ここで日本語会話が可能な中国人乗客などと何時間も会話…という事もあり、これも長時間乗船となる国際航路の旅ならではと感じたものでした。


この一帯には中国語の雑誌などが多数置かれ、その中には見覚えのある漫画本も紛れていましたが、この漫画本を開いた際、その中に登場するキャラクターの一人が「小林」と呼ばれているのは少々意外と感じたものでした。
(ちなみにこの漫画の韓国語版では日本語とほぼ同等の読み方「크리링」、主人公は漢字表記を韓国語読みした「손오공」と呼ばれていますが、一方で他の漫画の韓国語版では漢字名が存在するキャラクターでも、日本語の読み方を韓国語表記した「모리 란」といった呼び方がされており、海外におけるキャラクター呼称の差異は結構興味深いものです)


また乗船中に運動したい乗客向けに、ジムトレーニングマシンなどが置かれた空間も設けられ、これに加えて卓球台が設けられている辺りは、中国を発着する航路ならではと言う雰囲気も感じたものでした。

写真を見て感じた方も居られると思いますが、就航開始から30年弱が経過している事もあってか、やや草臥れた雰囲気を感じたもので、船内に大浴場は設けられているものの、シャワールーム(個別ブース)が設けられていないのも、古参の船ならでは…と感じたものでした。

何度も乗船していると言っていた乗客からは「年々汚くなっている」という話が聞かれ、日中間を運航する国際航路でも、新鑑真などに比べると船内の手入れなどは…と感じたのは少々残念でした。
 
この「ゆうとぴあ」は乗船時間が長い航路という事もあり、食堂も設けられていましたが、船内での食事に関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の駅長が交代

2015-12-26 | ニュース記事講評

今日ネット上のニュース記事を見ていたら、昨日付で公開された気になる記事がありましたので、取り上げたいと思います。

(以下青文字部分が記事抜粋です)

愛らしい2代目猫駅長「らぶ」就任 会津鉄道芦ノ牧温泉駅

会津鉄道芦ノ牧温泉駅のネコの名誉駅長として親しまれてきた「ばす」に代わり、見習いだった「らぶ」が二代目の駅長に就任した。24日、会津若松市の同駅で就任式が行われた。
 
らぶは1歳8カ月の雄。列車の見送りなどネコ駅長の心得を学んできた。式では大石直会津鉄道社長から辞令が交付された。クリスマスツリーなどを飾り付けたサンタ列車に乗り込み、二代目としての初仕事に臨んだ。
 
ばすは約16年前から駅に住み着き、平成20年に名誉駅長に就任。推定17歳以上の雌で、人間の年齢に換算すると90歳以上になるという。高齢化で衰弱し、今回の交代となった。

引退後も「芦ノ牧温泉駅初代ご長寿あっぱれ名誉駅長」として駅で暮らす。
 
記事URLはhttp://www.minpo.jp/news/detail/2015122527632です。

(記事抜粋は以上)

MAKIKYUは何度か会津鉄道に乗車、その際には芦ノ牧温泉駅で下車し、ばす駅長と面会した事も1度あります。

ねこ駅長と言うと近年逝去し、ニュースでも大々的に取り上げられた和歌山電鐵・貴志駅の「たま駅長」が余りに有名過ぎる存在で、たま駅長亡き後も後任の猫駅長が就任していますが、ばす駅長も遂に引退か…と感じますが、結構有名な存在だけあり、ここで取り上げた記事以外でもネット上では駅長交代に関する記事が幾つも見受けられます。

執務体制も晩年は立派な駅長室に籠っている事が多く、メタボの話も持ち上がった「たま駅長」とは大きく異なるものでした。


一応駅待合室内に駅長室が設けられているものの、MAKIKYUが芦ノ牧温泉駅を訪問した際に「ばす駅長」は駅の外を徘徊、駅員の方が何度か「ばす」と呼び掛けて、ようやく駅待合室に現れる状況でした。
(写真はMAKIKYUが芦ノ牧温泉駅に足を運んだ際に撮影した、駅長として執務に励んでいた「ばす駅長」の姿と駅待合室内に設けられた「駅長室」、どちらも過去記事で用いた画像の再掲です)

この執務状況はたま駅長とは異なり、猫駅長らしい気まぐれな執務とも感じたものでしたが、後任の「らぶ駅長」に関しても何らかの機会があり、執務を拝見する機会があれば、その際には「MAKIKYUのページ」でも取り上げられれば…と思います。

MAKIKYUは芦ノ牧温泉駅での乗降はおろか、会津鉄道への乗車自体が数回程度、現段階で会津へ足を運ぶ予定はありませんので、取り上げるとしても相当先になる可能性が高いと思いますが…


「ふるさと納税」今年も利用しました

2015-12-23 | Weblog

gooブログの「お題投稿キャンペーン」は、たまに気になるお題が出てきますが、昨日お題として「ふるさと納税を利用しますか?」というお題が出ており、これは気になったものでした。

   
MAKIKYUの回答は「はい/Yes/네/是」で、昨年関連ブログ記事を公開した事もあり、画像もその際に用いたモノの再掲です。
(『関連記事(1)関連記事(2)』←記事名部分をクリックすると、該当記事へリンクします)

昨年の納付先は埼玉県鶴ヶ島市と鳥取県米子市の2箇所でしたが、今年はこの両市に加えて福岡県大牟田市も加わり、合計3自治体へふるさと納税を行っています。

身内の中には居住自治体に世話になっており、他自治体へふるさと納税を行う事で居住自治体への納税額が減少するのは…と言っていた人物もいますが、個人的には任意で利用するなら興味深い制度と感じています。

またネット上でクレジットカード決済可能な自治体も数多く存在、MAKIKYUもふるさと納税の納付(寄付)を行う際に利用していますが、自治体によってふるさと納税に積極的な所とそうでない所の差が激しいのが現状です。

納税(寄付)先の選定理由としては返礼品(自治体によってはなし)内容だけでなく、寄付金の使途や納付利便性なども考慮しており、来年以降も2年続けての納付となった鶴ヶ島市と米子市に引き続き納付するのか、それとも他自治体を選ぶのかはまだ分かりませんが、来年以降も機会があればまた「ふるさと納税」の制度を利用したいと思っています。


惜別・オリエントフェリー「ゆうとぴあ」(1)

2015-12-22 | 船舶[海外関連]

山口県・下関~中国山東省・青島間を結び、オリエントフェリーが運航する国際航路「ゆうとぴあ」は、中国事情に精通されている方をはじめ、船旅に対して関心を抱いている方であれば、存在をご存知の方も多いと思います。

オリエントフェリーでは先月上旬、急遽今年限りでの運行取り止め(休航)を発表、このリリースを見て驚いた方も居られるかと思いますが、日本発の「ゆうとぴあ」航海は明日(23日)が最後となります。
(オリエントフェリーHPをご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

MAKIKYUはこの「ゆうとぴあ」には1往復だけ乗船機会がありましたので、「MAKIKYUのページ」でも「ゆうとぴあ」惜別企画として何度かに渡り、乗船した際の様子や感想などを取り上げたいと思っています。

日本側の発着港となっている下関港は、下関駅から徒歩数分の所に位置しており、「ゆうとぴあ」に乗船した事がない方でも、このターミナルへ足を運んだ事があるという方も決して少なくないと思います。
 

下関港国際ターミナルは「釜山・青島へ」という標記も見受けられ、日本発着の国際航路としてはトップクラスの地名度や歴史を誇り、基本的に毎日就航となっている釜山航路(関釜フェリー)と共に、下関市の友好都市にもなっている青島への航路が就航している事を強くPRしている雰囲気を感じたものでした。


中国側の発着港となっている青島港は、青島火車站(青島駅)から市内公交汽車(路線バス)で10分程、最寄りのバス停「海員」から徒歩5分程度の所に位置しており、港周辺は飲食店などは余り多くない(現地系コンビニなどがあり最低限の食料調達などは可能)ですが、青島火車站周辺との間を結ぶアクセスは決して悪くない立地です。


ターミナル内にある地図に国際航路の就航先として威東(Weidong)海運が運航する韓国・仁川などと共に下関への航路が記されていましたが、休航後も友好都市間を結ぶ国際航路が運航していた痕跡を留め続けるのか気になる所です。

ちなみにオリエントフェリーの下関~青島航路就航は1998年、その後2002年に同じSHKライングループ内の新日本海フェリーにおいて、日本国内航路(新潟~小樽)で用いていたフェリー「ニューはまなす」が移籍、「ゆうとぴあ」(船籍はパナマ)に改称して運航を開始し、現在に至っています。


ニューはまなすの就航は1987年ですので、就航開始から30年弱が経過、フェリーの中ではかなり古参の部類に入る存在となっており、近年の需要減と合わせて休航の要因になってしまったのでは…とも感じます。

日中間航路はハウステンボス関連会社が長崎~上海間で運航した貨客船も短期間で運航取り止め、神戸~天津間を結ぶ「燕京(YAN JING)」も2012年に運航終了となっていますので、ゆうとぴあの休航で残る航路は関西~上海間を結ぶ「新鑑真」と「蘇州號」の2航路(新鑑真は日本側発着地が神戸と大阪が隔週で入れ替わり・蘇州號は大阪発着)のみとなってしまいます。

関西発着の2航路は片道45時間程度を要し、日本発着の定期旅客航路ではどちらも運航時間・航行距離共に最長クラスに属するだけに、どちらも週1便ずつの運航となっていますので、週2便運航していた「ゆうとぴあ」を合わせると毎週4便が就航していた日中間国際旅客航路は、来年からは半分の2便に激減してしまいます。

ただ下関港からは有名な釜山航路(関釜フェリー)が毎日就航、下関からさほど遠くない博多港からは釜山へ向かう高速船(JR九州高速船「BEETLE」と、共同運航を行う未来高速「KOBEE」)が毎日複数便就航しています。

これらの航路で韓国・釜山へ向かい、その後韓国内を列車などの陸路で移動すれば、韓国の首都・ソウル市内からも都市交通(広域電鉄・市内バス)を利用して容易に足を運べる仁川港から出航する中国行国際フェリーに乗り継ぐ事ができます。

仁川発国際フェリーの行先は東北地方や山東半島の様々な都市をはじめ、それ以外も天津や連雲港など様々な行先が存在、毎日複数便が就航するなど、日中間どころか日韓間とも比べ物にならない程充実しています。
(東北地方は大連や丹東など、山東半島は煙台や威海など。一覧は仁川港国際旅客ターミナルHP(한국어)をご覧下さい)

そのため関釜フェリーやBEETLE+韓国内の陸路移動+威東海運を乗り継げば、「ゆうとぴあ」休航後に下関~青島間を陸路と海路の乗継で移動する事が可能で、個人的には最も容易な代替移動手段かと思いますし、他に仁川~山東省他都市への国際航路利用+山東省内を列車や長途汽車(高速バス)などを利用する方法も、「ゆうとぴあ」休航後の代替手段として利用価値ありかと思います。
(威東海運HPをご覧になりたい方はこちらをクリックして下さい-※English・한국어・中文のいずれかです)
 
しかし威東海運のフェリー予約や乗船は、日本国内で取り扱っている箇所が存在せず、Eメールや韓国か中国への国際電話などで直接予約・現地発券か現地入りした後の手配となり、威東海運以外の韓中間国際航路会社に関しても同様です。

そのため日本語を用い、日本国内で乗船券が容易に手配可能だった「ゆうとぴあ」に比べると面倒な印象が否めず、「ゆうとぴあ」での日中間直航に比べると韓国内を陸路移動する手間も要しますので、乗継を含めた移動時間も長くなる事を考えると、不便さが否めないのも事実です。
(MAKIKYUが以前単独で威東海運の仁川~青島航路に乗船した事もありますので、韓国内を単独で動き回れる方なら無問題かと思いますが、海外旅行未経験の方が初めての海外旅行で威東海運のフェリー予約や乗船を行うとなれば、一人旅などの場合は少々ハードルが高いと思います)


また関釜フェリーやBEETLE+韓国内の陸路移動+威東海運などをセットにした乗車船券も販売されていません(それどころか近年、日韓共同きっぷすら廃止される状況です)ので、下関→青島(或いはその逆)という表記の乗船券も当然ながら見納めとなってしまい、私用の旅行であれば「ゆうとぴあ」が就航しないなら今後中国、特に青島へ足を運ぶ気になれないという方も出てくるのでは…と感じます。
(写真は氏名や日時など一部分を塗消加工・また特別企画乗船券につき所定運賃とは異なる金額で発券された乗船券画像です)

個人的にも次々と新路線が開業する中国高鉄(CRH)などで、中国内の移動利便性が飛躍的に向上する一方で、日中間の心理的な距離が遠くなってしまい、日中間で友好都市としての交流を続けている下関・青島2市間を直航する交通手段が途絶えてしまう「ゆうとぴあ」休航は非常に残念と感じています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で「ゆうとぴあ」に乗船された事がある方が居られましたら、是非その際の感想などをコメント頂けると幸いです。

また船内の様子などに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


各地で来春のダイヤ改正発表~小田急線も結構な動きが…

2015-12-19 | 小田急グループ

昨日JR旅客各社をはじめ、国内各地の鉄道事業者で来春の同日にダイヤ改正を行う各社でも、ダイヤ改正の概要が次々と公式発表され、これらの情報をご覧になられた方も少なくないと思います。

JR各社の中では北海道新幹線新函館北斗開業と、これに伴う関連線区のダイヤ変更が最大の話題として注目を集め、それ以外にも東海道本線で米原駅を跨いで運行する昼行定期電車の消滅や、肥薩線八代~人吉間における定期優等列車の消滅なども、個人的には結構大きな話題と感じています。

JR各社で大規模なダイヤ変更が行われる線区や、これらの路線と相互乗り入れを行う関連線区では、大規模な動きが生じるのは必然ですが、それ以外でも小田急電鉄の公式発表はかなり大規模なダイヤ改正、再来年の下北沢駅周辺複々線化完成を前に、来春にここまで大規模なダイヤ変更が行われるとは…と感じています。

以前から発表されていた海老名駅への特急ロマンスカー停車や、最近試運転の姿も頻繁に見られるようになっていた、地下鉄千代田線を介したJR常磐線との3社車両による相互直通運転開始などは概ね予想通りの内容だったものの、昼間時間帯の新宿発着快速急行10分間隔化や、江ノ島線内における快速急行20分間隔化などで、快速急行が大増発される事はかなり大胆と感じたものでした。

開成~足柄間の小田原線内末端での急行停車がなくなり、同区間各駅に停車する列車が各駅停車のみになるのも、停車本数が確保されるなら種別毎の停車駅明確化という点では良いと思いますし、本厚木以東での混雑が際立っている町田・相模大野~小田原間を6両編成で運行する急行(開成~足柄間各駅に停車)の10両編成置き換えも実現するなら、尚の事と感じます。


また新宿発着快速急行増発も影響してか、小田急の列車種別では比較的新しい部類に入ると共に、割合地味な存在だった「区間準急」が全廃となるのも大きな話題と感じています。


今まで撮影した小田急線各列車の画像などを見ると、区間準急関係は意外と少ないな…と感じており、特に種別幕がLED式ではなく字幕式が充当された区間準急ともなると、実車で見かける機会自体が余り…という状況です。

 
 ありふれたLED式でも、写真の向ヶ丘遊園行などは見かける機会も滅多に…という状況ですが、現在8両編成の運用は基本的に各駅停車と区間準急のみですので、今後8両編成による準急や急行などの設定がなければ、8両固定編成しか存在しない2000形は、ほぼ各停専用車になってしまうとも感じたものでした。


ちなみに「区間準急」という種別は、小田急以外でも幾つかの大手私鉄で運行しており、写真は区間準急が多数設定され、MAKIKYUが区間準急に何度か乗車した事がある路線の一例ですが、こちらは区間準急の種別英訳が小田急とは異なるのも大きな特徴と感じます。

ただ現段階で最も区間準急の乗車回数が最も多いのは小田急線、それ以外は首都圏・他地域双方共にたまに乗車機会があるという程度ですので、小田急線で区間準急が廃止となると、区間準急という種別の自体が滅多に乗車機会のない列車になってしまうとも感じたものでした。

来年春の小田急線ダイヤ改正に関する感想や見解をはじめ、この記事の冒頭で触れたJRダイヤ改正内容や、それ以外の国内他社も含めた来年春のダイヤ改正における感想や見解などがありましたら、これらに関するコメントも歓迎いたしますので、是非どうぞ。


(お断り)記事内容は多数の地域に跨るものとなっていますが、メインで取り上げた内容が小田急線関連となっていますので、「小田急グループ」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


西日本鉄道「はかた号」~「キングオブ深夜バス」としても有名な国内最長クラスの高速乗合バス

2015-12-16 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では、先月MAKIKYUが乗車した新潟交通の「新潟~池袋線」に関する記事を取り上げましたが、先月に続き今月もMAKIKYUは長距離を運行する高速乗合バスに乗車する機会があり、その際に乗車した路線が今日取り上げる「はかた号」です。

「はかた号」は福岡(博多・天神)~東京(新宿)間を運行、一時期は首都圏方の事業者と2社共同運行を行っていた時期もありましたが、近年は福岡に拠点を置き、バス事業においてはグループ全体で国内最大規模を誇る西日本鉄道(西鉄)による単独運行となっています。

西鉄グループでは一時期、4列席車による福岡~首都圏間の廉価路線「Lions Express」を西武バスグループと共同運行しており、この路線は東京(池袋)だけでなくさいたま(大宮)まで足を延ばしていましたので、この路線が存在していた時期は、「はかた号」は運行時間や距離の面で国内最長ではない状況でした。

「Lions Express」の運行終了後は再び国内最長距離を運行する高速乗合バスに返り咲き、所要時間も最長クラスの存在ですので、一部では「キングオブ深夜バス」とも呼ばれる存在になっています。


日本最大のバス事業者が運行する、日本最長の高速路線バスという事で、長距離高速バスを多数抱える西鉄グループの中でも「はかた号」は特別な存在として扱われており、通常は「はかた号」専用に用意された専用塗装車が充当され、近年では三菱製のスーパーハイデッカー車が充当されています。
(繁忙期の増便時などは、他の長距離路線で用いている車両なども充当されます)

この専属車両は夜間高速バスとして一般的な独立3列席に加え、前方2列(計4席)は個室型の「プレミアムシート」となっているのが大きな特徴で、この座席は通常運賃に加えて+5000円、幅運賃制を導入している「はかた号」では片道17000円~20000円を要し、早期購入割引対象からも除外されるなど、運賃面でも際立った存在になっています。

高速バスというと廉価な印象が強い中で、異色の存在とも感じる「プレミアムシート」ですが、MAKIKYUが「はかた号」を利用する際には乗車当日まで予定が確定しない上に片道のみ利用、そうなると早期購入割引や旅行会社パッケージ商品の利用などは厳しく、プレミアムシート利用でも新幹線の回数券バラ売りよりは若干割安ですので、空席があれば利用するのも…と思っていました。

乗車当日の午前中に西鉄の窓口で「はかた号」の空席状況を尋ねたら、「プレミアムシート」も1席だけ空席ありとの事で、「はかた号」に乗車するだけの時間も確保できる状況でしたので、なかなか利用する機会のない「プレミアムシート」を試してみました。


西鉄窓口で購入した乗車券(画像の日付部分は塗消加工しています)は、券面に「プレミアムシート」表記などはなく、席番と販売金額を除くと、ビジネスシートと大差ない状況なのは少々物足りないと感じたものでしたが、乗車時に回収され、またネット予約での自宅などでの乗車券を印刷する事も当たり前の状況では、致し方ないのかもしれません。
 

そして夕方博多駅交通センターへ足を運び、いよいよはかた号乗車となりますが、プレミアムシートは合板の仕切りとカーテンで個室状態にする事が出来る構造(上部で僅かに透明となっている部分があり、休憩後に乗務員が車内を巡回する際には、在席有無を確認する事が可能な構造)となっており、これだけでも一般席(ビジネスシート)とは別格の存在である事を実感させられます。


座席は白い革張り、LED読書灯や電動リクライニング機能も装備され、JR東日本が一部の新幹線車両で導入している「グランクラス」の座席を連想したものでした。


専任アテンダント配置やプレミアムシート利用者向けの飲食物配布などはありませんが、プレミアムシートのみの付帯サービスとして、座席脇にiPad端末(ネット接続は1回30分×1日3回まで)が備え付けられています。


この他にビジネスシート利用者を含め、各乗客に対してミネラルウォーターやアイマスクなどの配布が行われていましたが、以前実施されていた軽食類の配布などは現在廃止されていますので、途中で食料調達が必要になった場合は、夜と朝に各1回停車するSAでの開放休憩時間(佐波川SA/静岡SA・各15分程度)を利用し、SA内にあるコンビニで各自調達する事になります。


座席のリクライニング角度は深夜帯に座席を最大まで倒した際、思った程は…と感じる面もありましたが、個室形状になっている事もあって前後の利用者に気兼ねする事がない上に、足元の空間などは広さも充分確保されており、今までに乗車した路線バスの座席の中では最上級と感じたものでした。


合板の仕切りとカーテンで通路と仕切られた構造は個室感覚で高級感が漂い、周囲の目を気にしなくても済むのが大きな利点となる反面、通路を挟んだ反対側の車窓を眺めるのが困難なのは難点で、MAKIKYUは博多発の「はかた号」が出発翌朝に通過する富士山南麓一帯は幾度も通過していますのでさほど問題ないものの、九州や海外などから「はかた号」に乗車し、初めて首都圏を目指す途中で富士山を眺めたいと思う場合などは…とも感じたものでした。
(MAKIKYUが乗車したプレミアムシートは進行方向右側・新宿行だと富士山は進行方向左側となります)

またMAKIKYUは「はかた号」の一般席(ビジネスシートと呼称)はまだ利用した事がありませんが、「はかた号」と同じく西鉄が運行しており、運行距離や方面も近い状況にある高速路線バス「博多・フジヤマExpress」は以前1度乗車した事があります。
(この路線は富士急グループと共同運行で、両者の車両が隔日運行となっていますので、乗車日次第では西鉄ではなく富士急の車両に当たります)


ビジネスシートの設備は、夜間高速バスでは一般的な独立3列シートを配した「博多・フジヤマExpress」と大差ない雰囲気と感じたものでしたが、「はかた号」のビジネスシートは座席モケットが革張りとなっており、やや高級感が漂う雰囲気になっています。

「キングオブ深夜バス」と呼ばれる路線の専属車両であると共に、「博多・フジヤマExpress」+JR御殿場線普通列車+小田急線急行等の乗継で博多・天神~新宿間を乗り継いで移動(御殿場・松田~新松田乗換)するよりも少々割高になる事が多い分、若干の差別化が図られているのでは…とも感じたものでした。

乗車した際の感想としては、夜間運行が主体となる路線で、明るい時間の運行は静岡県内と関東地方という状況、ましてプレミアムシート利用で合板の仕切りなどが存在する事もあってか、車窓面などは余り…と感じましたが、 以前「博多・フジヤマExpress」に乗車した事があり、その際にも乗車前に予想していた程は疲れなかったと感じる身(多少の疲れは感じましたが…)ですので、新宿到着10分強の遅れで国内最長クラスとなる15時間弱の乗車でも、その気になればまだ乗っていられると感じたものでした。

ただ近年は首都圏~福岡県内間の往復新幹線(直通のぞみ号限定)+九州内宿泊がセットになったビジネス向けパッケージ商品(1人用)が33000円程度で出回り、この商品の宿泊費が5000円程度=新幹線片道が実質14000円程度で乗り遅れ時に当日中の後続列車自由席も利用可能、これが更に若干割引される状況になっています。
 (2人以上での利用で乗り遅れ時の救済なしであれば、更に割安なパッケージ商品も多数存在しています)

そのため夜行バスへの乗車、それも最長路線という話題性や楽しみはあるにしても、幾ら列車やバスが好きでも夜を越すなら座席よりはホテルのベッドの方が快適な事は言うまでもない話で、事前に予定が決まっていてビジネスパックが利用可能な状況なら、価格面などを考えると個人的には「はかた号」利用は少々厳しいとも感じたものでした。
(予め乗車日が確定できる帰省の学生などであれば、ビジネスシートの早期購入割引などは利用価値大だと思いますが…)

とはいえ片道のみ当日購入の場合などは、福岡~東京間で「はかた号」はプレミアムシート利用でも新幹線バラ売り回数券などに比べて運賃面などで優位、北九州地区では新幹線の東京行最終よりも遅い時間に出発→大幅遅延がない限りは新幹線の東京行始発よりも早く都内に到着できるメリットもあります。

バスへの長時間乗車は好き嫌いがかなり分かれる所かと思いますが、個人的には首都圏~九州間を結ぶ移動交通手段としては最有力とは言い難いながら、状況次第では「はかた号」も選択肢の一つとして利用価値アリと感じたものでした。

また記事中でも触れた「博多・フジヤマExpress」に関しても、機会があれば別記事で取り上げたいと思います。


(お断り)「はかた号」は九州~首都圏に跨って運行する高速乗合バスですが、「九州本土」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


新潟交通・高速バス「新潟~池袋線」~割安運賃ながらも3列シート車充当の3社共同運行路線

2015-12-10 | バス[甲信越]

先月MAKIKYUが新潟県内へ足を運んだ際には、帰路で日頃よく利用するJR(鉄道)ではなく、新潟~池袋間を運行する高速乗合バスを利用したものでした。

この路線は新潟県大手2社(新潟交通・越後交通)と首都圏側西武バスの3社が共同運行、新潟方2社と西武が半々の比率で運行、新潟方2社も両者で半分ずつの便を受け持つ運行体制となっています。


高速バスの中では結構な歴史を誇る路線ですが、近年では高速乗合バスの一部路線で導入されている「幅運賃」が導入されており、最も安い日時・時間帯の便だと池袋~新潟間を3100円で乗車可能となっています。

MAKIKYUが利用したい時間帯の便が丁度この最安価格で運行する便だった事もあり、大手3社の3列席車による運行でこの価格なら試しに利用する価値は充分あると感じ、初めて乗車したものでした。
(幾ら首都圏~新潟間が3000円程度でも、以前問題になった千葉県印西市の某社バスなどなら願い下げですが…)


MAKIKYUが乗車した便は新潟交通担当、同社は一般路線・高速共にいすず車の印象が強くUD車も散見、県内路線などでは通称「セレガーラ」と呼ばれるJバス新型車両をはじめ、古参車両も結構よく見かける状況です。


しかしながら池袋線に充当される車両は、現在は基本的に三菱新鋭車(エアロエース)で、最近導入された車両の座席は独立3列仕様、座席モケットにはローマ字で「NIIGATA KOTSU」と表記されているのも大きな特徴です。


エアロエースの昼行3列席車は、以前大分バス(とよのくに・スーパーノンストップ)でも乗車した事がありますが、こちらは2+1列配置でトイレは車両中央部に設けられているのに対し、こちらはトイレも最後部設置でしたので、昼行便のエアロエース3列席車と言っても随分雰囲気が異なると感じたものでした。


約5時間という比較的長距離の運行ながらもワンマン乗務員交代なしという事もあり、途中休憩を2回挟む運行形態となっており、越後川口と上里の両SAで休憩時間が確保されています。


前者は新潟~池袋線運行会社の一つ・越後交通が運営するレストランや売店なども設けられているのですが、休憩で立ち寄った時間帯には焼きたてパンのタイムセール(1個100円)も実施されており、大きなリンゴの切り身が入ったアップルパイなどは定価だと結構な値段がするものの、これが割引価格で100円はかなりお得と感じたものでした。

またこの路線は新潟~池袋間を直結するだけではなく、高速道路上などに多数の停留所が設けはられており、途中停留所での乗降が結構見られたのも大きな特徴で、これは新幹線などと競合するのではなく、棲み分けを図り細かな流動需要に応えるという点でも、有用と感じたものでした。

乗車便は3100円と言う距離の割にはかなり割安感を感じる価格設定だけあって、湯沢出発時の空席は指の数も…という状況で、かなり盛況と感じたものでした。

高速バスの性質上定時性の見劣りは否めず、若干座席下の足元が狭い気もしましたが、3100円~と言う運賃設定と基本的に3列シート車での運行である事を考慮すれば、時間的余裕がある時は利用価値の大きい路線と感じたものでした。

もう少し上ランクの運賃設定で運行している便でも車両設備などを考慮すると、機会があればまた利用しても…と思いますが、先月は3社共同運行の中でも新潟交通便乗車でしたので、今度乗車するなら出来れば越後交通か西武バスの運行便に乗車し、両者を乗り比べたいと感じたものでした。


(お断り)新潟~池袋線の高速バス運行区間は甲信越・北関東・首都圏の各地域に跨っていますが、新潟交通運行便に乗車した事も考慮し、「甲信越」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


新潟市内で見かけた新潟交通の路線車(三菱・UD車編)

2015-12-07 | バス[甲信越]

先日「MAKIKYUのページ」では、新潟交通の路線車に関する記事を取り上げましたが、新潟市内を走る路線車はいすず車が過半数を占める状況ながらも、三菱やUD(旧日産ディーゼル)の車両も結構な数が稼働しています。

こちらもいすずと同様に旧年式車が前後扉、その後前中扉となり最近は低床車の導入も…という状況です。

少し前の記事で取り上げたエアロスターKなどは結構な古参車ですので、廃車や地方転出が進んでおり、新潟市内で見かける機会も随分減って来た気がしますが、新潟駅前でも時々姿を見る機会がありました。


車体長も長尺と短尺が混在するなど、似た様な見た目でもバリエーションが存在する事や、死角確認窓が塞がれたタイプになっている事なども特徴ですが、旧年式車故に何時大量代替が行われても不思議ではない気がしますので、興味のある方は早めに乗車・撮影をしておいた方が…と思います。



エアロスターMに関しても、少し前まで導入されていたエアロスター(通称ニューエアロスター)までの過渡期に導入された車両だけあり、稼働数や比率は余り高くないですが、郊外だけでなく新潟駅前まで乗り入れる路線で活躍する姿も目撃しており、こちらも結構注目の存在では…と感じています。


その後のエアロスターは、旧年式車に比べると標準的な仕様で落ち着いた気がしますが、いすず車に比べると脇役的存在という感が否めず、探せばそれなりには走っているものの、嫌でも次々と…という程ではない印象を受けたものでした。


UD
車も新発田から足を延ばす路線などで古参車が稼働しており、機会があれば今後この車両で新潟~新発田を乗り通すのも…と感じたものでしたが、車齢などを考慮すると活躍はそう長くないのではという印象も受けたものでした。


こちらもやや年式が新しくなると前中扉車となりますが、これでも富士7Eボディだと大都市圏では淘汰が進む年式の車両ですので、前後扉車などに比べると注目度は下がるものの、こちらも注目の存在と感じたものでした。


その後は西日本車体工業(西工)製ボディの車両も導入され、96MCもそこそこの数が走っていますが、今後中古車導入などで数を増やすのかも気になる所です。
(数が少なく見かけただけで撮影できていませんが、関西から流入した58MC+三菱ふそうの前後扉車の姿も見かけていますので…)



また比較的新しい車両の中には、現在は廃止されたりゅーとリンク用に導入された西工ボディのノンステップ車(以前乗車した際はふそうマークのOEM車でした)も多数稼動しており、この車両は既存車両とは大きく異なる装いで目立つ存在ですが、現在では他車両と混用している状況で、何のための特別塗装なのか…と感じる状況になっています。


最新型ではないものの比較的新しい部類の車両で、バリアフリー対応車ですので、数台程度をBRT「萬代橋ライン」の一般車運用向けに転属させて使っても悪くないのでは…と感じたものですが、特に他車両と塗装面で識別する必然性が薄い現状において、今のままの塗装で走り続けるのかも気になったものです。

新潟交通の路線車に関しては、一般路線車以外に高速バスも利用する機会があり、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


新潟市内で見かけた新潟交通の路線車(いすず車編)

2015-12-02 | バス[甲信越]

先日「MAKIKYUのページ」では、新潟市内で9月に運行開始したBRT「萬代橋ライン」と、同路線に接続する路線の乗換地点になっている青山を発着する新潟交通路線バスの一般路線車に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが新潟へ足を運んだ際には、それ以外にも新潟交通の一般路線に乗車する機会がありました。

新潟交通の路線バスは、過半数をいすず車が占めており、新潟交通の一般路線車というと個人的にはまずいすず車が思い浮かぶ程です。

その中でも大型路線車・キュービック前後扉車は以前発売・通用していた磁気バスカードの絵柄にも用いられており、今日では排ガス規制区域の大都市圏では姿を見る機会のない車両ながらも、今でもかなりの数が稼働しており、至る所で姿を見る事が出来ます。


特にV8エンジン搭載車よりも前の世代の車両は、車齢20年超えとなりますので、比較的古参車も多い新潟交通グループの中でも古い部類に入り、子会社(新潟交通観光)が管轄する営業所に配転された車両も数多く存在しますが、一部は新潟市内の本体管轄営業所でも活躍しており、MAKIKYUが今月新潟市内へ足を運んだ際には、両者で乗車機会がありました。


V8エンジン搭載(1995年以降)のキュービックは、前後扉車→前中扉車への移行時期の導入という事もあり、車両総数に占める比率は決して高くないものの、様々なバリエーションが存在するのが特徴です。


V8エンジン搭載車初期のキュービック前後扉車も、側面窓割がそれ以前の車両と異なりますので、比較的容易に見分ける事が出来ます。

キュービックも末期になると、ワンステップ車で導入されており、こちらは窓形状などが異なっていますので、雰囲気が随分異なるものとなっており、それ以前の車両に比べると、見栄えは格段に良くなったと感じます。


新潟駅前でこの車両を撮影した際には、丁度方向幕を回転させている最中だった事もあり、朝ラッシュ時に数本程度運行しているだけの系統表示も見られたものでしたが、「モーニングライナー」という名称を見ると、何処かの大手私鉄を連想してしまったものでした。
(地元の方はまずこんな事は考えないと思いますが…)


いすず車を継続的に大量導入している事もあり、大型路線車はエルガも多数活躍しており、今日の新潟市内ではキュービックよりもこちらを見かける機会の方が多い位ですが、これも大都市圏では除籍が進行している初期のV8エンジン搭載車から、最新型に至るまで各年式が存在しています。


ワンステップ車の比率が高いですが、ノンステップ車もそれなりに走っており、ノンステップ車の一部は、BRT「萬代橋ライン」の一部便でも活躍している姿を見たものでした。
(写真の車両はBRTには充当されず、BRT充当車両は前面窓下にBRT表示の看板(裏は社紋)が掲げられています)

また今日でもキュービックが多数活躍するなど、古参車も多い状況と言う事もあってか、エルガの中には少数ながら大都市圏から移籍した車両も流入しており、今後は同県内を走る越後交通の様に、かなりの数の中古車が流入するのかも気になったものでした。

この他に中型車(エルガミオ)が稼働している姿も僅かに目撃したものでしたが、こちらは今回撮影する事はできず、いすず車が多い割には数が少ないと感じたものでした。

最多勢力となっているいすず車以外の一般路線車に関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。