一昨日MAKIKYUは茨城方面へ出向いており、その目的の一つは水郡[Suigun]線に登場した最新型気動車・キハE130形乗車でしたが、一昨日(19日)に営業を開始したばかりのこの車両にMAKIKYUも早速乗車出来ましたので、今日はこの最新型気動車について取り上げたいと思います。
この車両はJR東日本が発注した気動車では初めて片側3扉となり、車体はステンレス製となっているのが特徴ですが、最新鋭車両だけに環境負荷低減形のエンジンを装備し、車椅子対応トイレを設置するなど近年のバリアフリーにも対応しており、また水郡線で現在多数が稼動しており、その他のJR東日本非電化線区でも活躍しているキハ110系列との併結(編成美はイマイチですが…)やワンマン運転にも対応しています。
先日運転を開始した車両を含めて10両以上の車両が既に水郡線営業所に配属されており、一昨日は営業運転に入っている車両以外にも常陸大子[Hitachi- Daigo]にある水郡線営業所に留置されている車両や、常陸大子駅構内でキハ110系と組んでの試運転を行っている車両、それに水戸で停車中の車両も見かけられる状況でした。
塗装は現在水郡線で多数が活躍し、この車両の導入と共に花輪線などの他線区へ順次玉突き転置となるキハ110系列の白と黄緑色のスマートな印象とは様相が随分異なり、ブラックフェイスの前面窓下と各扉部分に黄色を配して戸袋付近はブルー、窓周りはブラックアウトとした上で窓の上下は赤という非常に派手な装いですが、この装いはMAKIKYUも比較的好感を持っているキハ110系列に比べると随分鬱陶しく感じてなりません。
MAKIKYUとしては窓の上下の赤色が余計で、この赤色がなければ装いもそれなりかと感じますが、これでもこの塗装は一応公募で選ばれたモノですので、乗客の中にはこの塗装に好感を持っている方もそれなりに居る様です。
車内は近年JR東日本が導入している常磐線普通列車用の新型電車E531系などとよく似ており、座席の形状などはJR東日本ではお馴染みのラウンド形タイプが用いられ、つり革も吊り輪が黒色でやたらと目立つ特徴的なモノが用いられるなどの共通点が見られて車内の造作も似ていますが、ドアチャイムは東北地区で用いられている701系電車や水郡線でも運行されているキハ110系列などと同タイプ、荷棚は一般的なパイプを用いたタイプで、座席下のヒーターもクロスシート部分のみが片持ち式でロングシート部分は一般的なタイプになっているなどの特徴もあります。
客用扉の客室側扉全体を黄色く塗装して視覚障害者対策としているのも大きな特徴ですが、如何にも取って付けたという印象を受ける黄色いラインを貼り付け、車両によっては早くも剥れかかっている醜態を晒しているE531系や、中央線に導入されたばかりで客用扉部分をわざわざ化粧板張りにしながらも、隅だけに黄色いラインが施されて中途半端な感を受けるE233系に比べるとデザイン的にも随分見栄えがすると感じられ(JR九州を連想させられる気もしますが…)、今後登場する新形式への波及や上記2形式の仕様変更にも期待したいものです。
またこの車両の座席配列は、両開き3扉車で占有スペースの大きい車椅子対応トイレを装備しているにも関わらずボックスシートの数だけはキハ110系列と同等数を確保していますので、その分ロングシートに大きなしわ寄せが及んでその分着席数が随分減少しているのは大問題であると感じます。
クロスシートは頭の当る部分がやたらと硬く、これは余り好感の持てるものではありませんので、むしろ1人掛けのクロスシート部分はロングシートにする事で着席定員を増やした方が妥当な気がしますし、中扉付近に補助席を設置し、大半の駅で中扉が締め切りとなるワンマン運転列車を中心に補助席使用を行って閑散時間帯の着席定員増加を図っても良いのではと感じます。
それと運転席が全室式となった上に前面窓位置がやや高くなり、その上助士席方の前扉後側は両側共に座席が設置されていない(片側はトイレで止むを得ませんが、もう片側も排気管(?)の出っ張りがあります)事もあって、前面展望もキハ110系列に比べて劣るのも難点であるかと感じます。
ただ両開き3扉車という事もあって、ラッシュ時間帯には4両編成程度の列車がそれなりの本数で運行され、それでも水戸周辺では比較的混雑している様に見受けられる水郡線の混雑対策には有用であると感じられますし、また車掌乗務時でも自動放送(この形式のワンマン列車にはまだ乗車して居ませんので、ワンマン放送は未確認ですが…)が流され、音質もキハ110系列のワンマン放送(これが悪過ぎるだけかもしれませんが…)に比べると良好な事、それに運賃表示記下部には表示文字数が少ないながらもLED案内表示装置が装備され、次駅案内などをスクロール表示している事などは評価すべき点であると感じます。
このキハE130系は今後運用に入る車両が順次増加し、またこれから両運転台のこの車両以外にも同スペックで色違い・片運転台のキハE131+キハE132も導入されて今後の活躍が期待されますが、現段階で水郡線以外にこの車両の導入予定はない模様で、当面は水郡線のみ(厳密に言うと東北本線安積永盛~郡山の1駅間も含まれますが…)でしか乗車できない車両になりそうですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も水郡線に乗車される機会がありましたら、是非この車両の乗り心地を試されては如何でしょうか?
(運行初日は稼動数や使用列車がかなり限られている状況でしたが、3月のダイヤ改正頃には水郡線列車の過半数がこの車両での運行になる様ですので、その頃には割合容易に捕獲可能かと思います)
写真は水戸駅近くに停車中のキハE130系(敷地外からフェンス越しに撮影)と常陸大子駅でキハ110系と併結試運転を行っているキハE130系、それとキハE130系の車内の様子です。