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湘南モノレール5000系~従来車とは一味異なる1編成だけの新型車

2007-01-31 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

  

昨日MAKIKYUは所用で横浜市内と湘南の某所へ出向いていましたが、その際にはせっかくの機会という事で大船~湘南江ノ島間を運行し、日頃滅多に利用しない懸垂式モノレール(車体の上にレールがあり、車両がレールの下にあるタイプのモノレール)の湘南モノレール(MAKIKYUが以前乗車したのは2年以上前だった気が…)にも乗車して来ましたが、その際に乗車した車両が今日取り上げる5000系です。

5000系は近年まで非冷房車が残存していた湘南モノレールにおいて、その取替えを兼ねて2004年に製造された車両ですが、現在主力となっている500形と呼ばれる車両が製造された昭和末期から随分時間が経過した後に製造された事もあって、イメージ的には500形を踏襲しつつも進化した感があり、現代の趨勢に合わせた様々な変化が見られます。

走行機器は一般の鉄道でも近年は殆どの車両が用いているVVVFインバーター制御となり、扉が両開き式になったのが大きな特徴ですが、自動放送装置の設置をはじめ、バリアフリー対応でドアチャイムやLED案内表示装置などが設置された事も特質すべき点で、これらは皆湘南モノレールでは初採用されたものです。

またクロスシートの座席配置も500形の向かい合わせから、車両中央のみが向かい合わせでそこから一方向き座席が並ぶ集団見合い配置に変更されたのも特徴で、また内装も500形のベージュ系化粧板に赤モケットの座席から、グレー系の化粧板にブルーのモケットに変更されて大分イメージが変わっています。

ただグレーの化粧板は無地となっている事もあってか、起点の大船駅で接続し、平成生まれにも関わらずもうじき廃車と言われている某線の電車を連想させられ、この内装は少々重苦しい印象を受けてしまう気がします。

この5000系、MAKIKYUはこの車両が大船を出発していく姿を目撃していましたので待ち伏せ、暫くしてやって来た折り返しの列車に乗車(昼間は37分程で車両が一巡します)しましたが、現在は湘南モノレールでは主力の500形に混じって一編成のみが活躍している状況ですので、よほど運が良くないと偶然出くわす事はなく、また検査などで入庫してしまうと一日中待っても全く遭遇できない可能性すらあります。

そのため乗り難い車両で、また湘南モノレール自体が一応観光路線を名乗ってはいるものの、実態は大船から西へ拓けた鎌倉山などのベッドタウンへ向かう生活路線の感が強い鉄道ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様もなかなか乗車される機会がないという方が多いかと思いますが、皆様が湘南モノレールを利用され、その際にこの車両が稼動している姿を見かけましたら、是非一度乗車して従来車両とは一味違った雰囲気を堪能されては如何でしょうか?

写真は大船駅に到着する5000系と車内の様子です。


神戸電鉄5000形~全電動車方式を採用したVVVFインバーター制御の神鉄最新型車

2007-01-30 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

先日はMAKIKYUが昨年末に三木鉄道を取り上げた事もありますので、今日はその後にも乗車した神戸電鉄(神鉄)5000系を取り上げたいと思います。

この車両は90年代中頃から製造され、現在神鉄で運行されている車両の中では最新鋭の部類に入る車両(ここ数年神鉄は車両新製がありませんが…)ですが、デザイン的にはこの車両が登場する少し前に公園都市線開通に伴って製造された2000系と酷似しており、番号を見なければ素人目には識別できない位よく似ています。

両者の違いとしては、2000系は3両と4両の2種類の編成があるのに対し、5000系は4両固定編成のみである事と、5000系は下回りにVVVFインバーター制御(GTO)を用いている点が異なります。

5000系はVVVFインバーター制御車にも関わらず全電動車方式を採用しているのが大きな特徴で、阪神普通車の様な高加速が求められる車両以外では極めて稀な部類に入りますが、これは50‰の急勾配が続く神鉄の路線特性の表れとも言えます。
(似た様な事は南海高野線の2000系電車などにも言え、これは乗り応えがありますが、神鉄の路線は都市近郊の通勤電車が走る路線にしては異例なまでに過酷です)

MAKIKYUは日頃首都圏を活動しており神鉄への乗車も指の数程度ですので、この車両への乗車も昨年三木鉄道乗車の際に粟生線で乗車したのを含めても数回しかありませんが、阪急系らしく木目調の化粧板でまとめられた高級感のある内装(製造時期によって木目の色調などが異なり、個人的には後期の濃い色が特に好みです)や、GTO素子を使用したVVVFインバーター制御ならではの走行音などは好感を持てるもので、MAKIKYUとしては神鉄の中で最も気に入っている車両です。

また5000系は4両編成ながらも、近年は朝ラッシュ時間帯の一部を除く神鉄全列車でのワンマン運転実施に伴いワンマン化改造されているのも特徴で、最近関西私鉄では神鉄に限らずワンマン運転が随分増えている様ですが、地下鉄以外の都市型鉄道で4両ワンマンというのは首都圏の人間には異例に感じます。
(首都圏でも東武東上線の末端区間などに事例はありますが…)

神鉄ではまだ1970年前後に製造された古い車両も結構走っていますが、この車両もそれなりに走っており、現在では基本的には3両編成しか入線しない北摂ニュータウンを走る公園都市線以外では何処でも出没して各種別(といっても昼間は普通と準急のみですが…)で運用されますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も神鉄に乗車される機会がありましたら、是非この5000系に乗車されてみては如何でしょうか?


中国鉄路の動車組・藍箭~広州―深センを走る異例ずくめのオススメ車両

2007-01-29 | 鉄道[中華人民共和国]

   

今月海外関連の鉄道ニュースでは中国・台湾省の新幹線開業が大きな話題となっていますが、昨日は大陸本土でも新幹線E2系をベースとしたCRH2と呼ばれる新型の動車組(電車や気動車の事を中国ではこの様に呼称します)が稼動を開始しています。
(ただ中国大陸本土の鉄道は標準軌という事もありますので、現段階では一般の列車と同じ線路を運行します)

中国は大陸本土と島嶼(台湾島)の双方で同月に新幹線が運行を開始するという異例の展開となりましたが、島嶼の方は色々トラブルが相次ぎ予定が大幅に遅れて今年まで伸びた様で、新幹線の営業開始が大陸本土と同月になるとはMAKIKYUも最近まで予想していませんでしたが、中国大陸本土の鉄道(中国鉄路)も侮れないものです。

大陸本土では上海近郊の列車で運行を開始した様で、「MAKIKYUのページ」のリンク先サイトを運営されている方の中には南京へ向かう列車に早速乗車された方も居られますが、MAKIKYUはさすがに中国内に居る訳ではなく、また当面は旅行等で中国へ出向く予定もありませんので、当分の間はこの新型車に乗る事もないと思います(その内乗車できれば嬉しいのですが、実現するのかどうかは未知数です)が、今日はせっかく大陸本土の動車組が話題になっている事ですので、MAKIKYUが昨年夏に乗車した「藍箭」と呼ばれる動車組について取り上げたいと思います。
(ちなみにCRH2に関しては、リンク先サイトになっているdayuan様の「中国留学と中国鉄路の日記」で詳しく取り上げられていますので、興味のある方はこちらを参照して下さい)

藍箭は中国の大陸本土でも南に位置する広東省の省都・広州と、香港に隣接する国境(?)の街・深センの間を結ぶ特快列車に運用されている車両ですが、動車組とは言っても片端(広州方)に電気機関車が連結され、その他の車両は全て付随車(モーターなし)という動力集中方式を採用していますので、日本の感覚からすると客車列車に近いものですが、機関車牽引列車ばかりで動車組が極端に少なく、また運行している動車組も電気を動力とするものに限ればこの藍箭以外の大陸本土勢は失敗ばかり(1編成だけ試作したものばかりで、営業に供された車両も整備の悪さや酷使が影響してかあっという間にダウン。MAKIKYUも乗車を狙った「中華之星」や「中原之星」といった車両はことごとくスカしています)ですので、昨日運行を開始したばかりの新型動車組を除くと、大陸本土の列車(地下鉄や路面電車などを除く)では希少な「電車(EMU)」となっています。

この藍箭はドイツのICEを真似たとも言われ、デザイン的には何処となくそれを連想させるものがありますが、車内は座席なども見た感じは似た様なモノ(東アジアから出た事がないMAKIKYUは、当然ICEには乗車した事がありませんので、雑誌などで見たモノからの推測ですが…)を採用しているのが特徴です。
(ちなみに座席にカバーがかかっているのは中国鉄路では恒例で、マナーの悪い一部の人民対策の様です)

これは方向転換不可能とはいえ僅かにリクライニングする機能も付いた一方向き座席で、MAKIKYUが今までに乗車した中国鉄路の座席車の中では最も高級に感じる事もあって、車両等級は「一等軟座」と呼ばれるごく一部の限られた列車にだけ連結されている高級車両扱いとなっています。
(日本の感覚で言うとDXグリーン車みたいなもの、ただそれでもグレードは特急普通車より劣ります)

ただ藍箭の運行区間が短い事や、この車両が一等軟座のみで構成されている事もあってか、中国鉄路では本来硬座(普通車相当:長距離列車などは凄惨な状況です)にしか乗車できない「無座」(指定なし)での乗車を認めているという異例の扱いを行っているのも特徴(運賃はしっかり一等軟座で課されます)で、さすがに高額な一等軟座(しかもこの区間は他に比べて運賃が高めに設定されています)で立席(空席があれば座れます)では余りと考えたのか、MAKIKYUが昨年夏に乗車した際には通路やデッキに丸いプラスチックの塊がゴロゴロしていました。(ちなみに硬座にこの様なサービスはありません)

MAKIKYUがこの塊を最初に見たときは、バケツか何かが転がっているのかとも思いましたが、これはよく見ると真ん中に小さな穴が開いており、「健康椅」と書かれたシールが貼られていましたので補助椅子的な存在のイスなのですが、このイスの何処が「健康」なのかはMAKIKYUには理解不能で、またこのイスのサービスは藍箭(もしくはこの区間の他車両使用の特快列車も含めた)オリジナルのサービスなのか、それとも真似たと言われるICEで実用化されているアイディアを真似たのかも気になります。
(もしこの記事をご覧の方でICEに乗車された方が居りましたら、是非コメント頂けると幸いです)

また藍箭はこの他にも行先表示が中国鉄路では一般的なサボではなく、運行区間が決まっている事もあってかドアにステッカー表示となっていたり、時速200km/h運行を行っている事も注目で、塗装も他の列車では見られない藍箭オリジナルカラーになっているなど、単に「動車組」だから珍しいという事ではなく、中国鉄路の他列車では見られない様々な特徴があり興味深い車両です。

その様な車両ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様が広州や深センへ行かれる機会がありましたら、是非乗車をオススメしたい車両で、この2都市間の移動をはじめ、広州~香港を移動(深セン~羅湖の国境を徒歩で通過)する際にもオススメです。(香港から日帰りで乗車狙いも充分可能です)

ちなみにこの藍箭は編成が複数(それでも1桁ですが…)ある事や、比較的短い区間(それでも130km程ありますが…)を何度も往復する事から、充当される列車は多数あります(充当列車は列車番号T800番台の大半となっている様です)が、このエリアでは新幹線車両とは別の新型高速車両が導入される模様で、また藍箭自体もメンテナンスに問題があるのか、車齢の割に余り状態が良くない様に見受けられ、今後何らかの動きが生ずる可能性は充分考えられますので、乗車を望まれる方はなるべく早い内に行動された方が良さそうです。

写真は藍箭の外観(制御車と動力車)、ドアの行先表示ステッカーと座席(通路には健康椅も…)です。


東葉高速鉄道2000系~運賃に見合ったサービス提供を目指し、内装は独自性を追求した新型車両

2007-01-28 | 北総監獄

昨日は東京メトロ5000系電車が永年活躍してきた東西線からもうじき引退という事で、それにちなんだ撮影会が開かれ、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には参加された方も居られるかと思います。(MAKIKYUはあいにく所用で参加出来ませんでしたが…)

ちなみに東西線では5000系の置き換えで05系と呼ばれる車両(先頭形状が変化した後期製造車両は新05系と呼ばれる事もあります)が導入されています(最近は有楽町線から07系の転属もありましたが…)が、相互直通運転を行っている東葉高速鉄道も開業時は旧営団から購入した5000系の改造車である1000系と呼ばれる電車を導入しており、こちらも最近になって東京メトロと同様に車両置き換えを実施して一足早く昨年末には車両置き換えを完了しています。

この車両置き換えに伴って導入された2000系と呼ばれる新車は昨日MAKIKYUも所用の帰りに乗車し、東西線の撮影会へ行かれた方の中にも往復の道程で乗車された方が居られるかと思いますが、05系の最新バージョンと同等の車両という事もあり、外観は塗装が異なる事を除くと、JR線乗り入れに対応していない事以外は05系とほぼ同様で、性能的にも全く同一です。

これは独自車両を設計するのに比べるとコストダウンに貢献している様ですが、車内外のデザインはベースとなっている車両の完成度が高い事もあって、神奈川県内元中小の某大手私鉄新車とは異なり、内容的には概ね満足の行くものと感じます。

また車内は構成こそ東京メトロ車両と同等とはいえ、内装でさほど余計なコストを掛けずとも独自性を出している事は大いに評価できる事で、グレー系の化粧板に緑系の座席モケット、そしてブラインドは黄色といったオリジナリティを感じるモノになっていますが、座席はメーカー標準品を用いている関係で形状が今一つと感じられ、はめ込まれる様な感触の座り心地は少々頂けず、これは数少ない難点という気がします。
(それでも首都圏某大手私鉄で最近流行の「ブカブカ」した異様な感触の座席よりは良い気がしますが…)

これは東葉高速鉄道の10km程北側を走り、余りに高額な運賃で悪評名高い北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の親会社と内装どころかドアステッカーまで同一で全くやる気の感じられない最新型車とは大違いで、これは競合他社の存在が影響しているからなのかも知れません。

ただ東葉高速鉄道が他社に比べて運賃面では割高で不利(それでも普通運賃はTX・SR・りんかい線などよりは高いですが、「開発を止めた某鉄道」に比べればまだ多少は安いです)な分、車両面と利便性の付加価値といった高品位なサービス提供で選ばれる鉄道を目指している事の現われとも感じますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も東西線や東葉高速線でこの2000系を見かけた際は、是非乗車されて同社の心意気を感じ取ってみては如何でしょうか?

そして近隣の「開発を止めた某鉄道」にも少しはまともなサービスを期待したい所ですが、ここは「高過ぎる・運行本数が少ない」といった状況は相変わらずで何を期待してもダメそうなので、もう諦めるしかない気がします。

なおこの記事は「北総監獄」に隣接する市町村を走る電車ということで、「北総監獄」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


三木市みっきぃバス~神鉄と三木鉄道のアクセスとしても活躍するコミュニティバス

2007-01-27 | バス[近畿]

今日は兵庫県を走る第3セクター鉄道・三木鉄道に関する記事を取り上げましたが、現在取り上げたい記事が山積している状況ですので、三木鉄道を取り上げたついでに三木駅を発着する「みっきぃバス」と称するコミュニティバスについても取り上げたいと思います。

これは三木市が地元の神姫バス分社である神姫ゾーンバスに運行を委託しており、「みっきぃバス」という名称は「三木」から来ているものと思われますが、人によっては名前から連想させられるであろう黒耳の「鼠」が徘徊しているテーマパーク(日本では千葉県の京葉線沿線某駅周辺が有名です)とは特に関係ない様で、「みっきぃバス」で使用されている小型ノンステップバスは専用塗装を纏っているとはいえその手の装飾はありません。

「みっきぃバス」のルートは複数存在しますが、その内三木営業所を基終点に市民病院を廻るルートが三木鉄道三木駅を経由し、また神戸電鉄(神鉄)の三木上の丸駅のすぐそばに位置する「上の丸」停留所も経由しますので、このルートは神鉄と三木鉄道の間のアクセスとしても活用できます。
(「みっきぃバス」はこの他に神鉄志染駅方面へ向かう路線などがあります)

この市民病院を廻るルートは運賃も150円均一で神姫バスの回数券も使用可能な様ですが、ICカード読取機は設置していません(神姫バスが運行する他市町村のコミュニティバスの中には、ICカード対応車もある様ですが…)ので、NicoPaと称する神姫バスICカード乗車券や、神姫バス一般路線で通用(割引なし)するICOCA・PiTaPaの使用は出来ず、また運行日は平日昼間のみに限られて土日・祝日は運休になりますので、利用の際は注意が必要です。

この「みっきぃバス」はMAKIKYUが三木へ出向いた際には偶然丁度良い時間の便がありましたので乗車できましたが、運行日や時間帯が限られていますので、利用を検討されている方は事前に運行時刻を三木市HP―三木市への交通手段―コミュニティバスの項目で調べてから乗車された方が良いかと思います。
(この「みっきぃバス」が運行されていない時は、神鉄~三木鉄道間は徒歩で移動する事も不可能ではない様ですが、悪天時などは大変かと思います)


三木鉄道~軽快気動車1形式のみが走る短距離ローカル線

2007-01-27 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

「MAKIKYUのページ」では先週、地方の第3セクター鉄道が苦境に陥っているニュースを取り上げ、その中で廃線が検討されている路線の一つとして、先週取り上げた若桜鉄道以外にも幾つかの鉄道の名前が挙がっていましたが、このうち三木(みき)鉄道に関しては先月乗車する機会もありましたので、今日取り上げたいと思います。

三木鉄道は旧国鉄から経営分離された第3セクター鉄道で、厄神~三木間を運行する全長6km強のローカル線ですが、近年成田空港建設の見返りで建設され、全列車が京成線に直通して実質的に京成の一支線と化している千葉県の芝山鉄道を除くと全国の3セク鉄道では最も小規模な部類に入り、3セク以外の鉄道を含めても三木鉄道より小規模な鉄道は、和歌山県の紀州鉄道など数える程です。

三木鉄道沿線は大阪や神戸といった大都市からもさほど離れてはいないのですが、起点の厄神で加古川線に接続するとはいえ、これも近年電化されたとはいえローカル線で使い勝手が良いとは言えず、また大阪や神戸方面から厄神回りではかなりの大回りを強いられる状況です。

また終点の三木でも市内中心部を走り神戸へ直結する神戸電鉄(神鉄)が頻発している上に駅の立地も良いとは言えず、神鉄とは駅も離れており結節性は今一つ、沿線も自家用車の使用が多い上に割合平坦で自転車の使用も割合容易、三木鉄道の全長も短く他線の駅へ向かうのもさほど困難な状況ではありません。

その上に国鉄時代は列車の運行本数も極めて少ない状況だった様ですので、利用不振にならないのが不思議といっても過言ではない状況でしたが、三木鉄道移管後は駅(停留所)の増設や運行本数の増便(概ね毎時1本運行されています)が行われていますが、それでも余り利用は振るわない様です。

またバスでも充分な程度の乗客数(MAKIKYUが乗車した際は昼下がりという事もあり、利用客は指の数で足りる程でした)という事もあって、三木市長(3セク鉄道で地元自治体が株主ですので、自治体が強大な権限を持っています)が廃線を打ち出しています。

この様な路線ですので三木鉄道移管当初からコスト低減に努め、使用車両も小型軽量のレールバスを導入してワンマン運行を行い、運賃収受は全て車内精算にするなど可能な限りの合理化を図っています。

ただレールバスは導入コストが安いだけでなくだけでなく、寿命もバス並みに短い事から早くも取替え時期に来てしまい、90年代後半には早くも軽快気動車に置き換えられていますが、この軽快気動車が写真のミキ300形です。

現在三木鉄道で運行される車両はこのミキ300形一形式のみとなっており、塗装も在籍車両全てが同じ塗装となっていますが、この車両は3セク用に設計されたメーカー標準仕様をそのまま取り入れた関係なのか、極めて短い距離を運行する鉄道であるにも関わらず、車内中央部にはボックスシートが配列されたセミクロスシートになっているのも特徴です。

また近隣を走り三木鉄道と比較される事も多い3セクの北条(ほうじょう)鉄道をはじめ、幾つかの3セク鉄道で色違いの同形車両が走っており、三木鉄道に乗車された事がない方でも、何処かで見た様な車両という印象を受ける方が多いかと思います。

この三木鉄道は沿線も平凡な田舎の風景が広がる地味な路線で、運行車両も現在はこの軽快気動車のみですが、いつまで運行し続けるかも予断を許さない状況で、大阪辺りからは比較的訪問も容易な場所を運行していますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?


東京メトロ5000系~東西線を永年走り続けた車両も遂に引退

2007-01-26 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

東京メトロでは先日、渋谷~池袋間を建設中の13号線(仮称)と称されていた路線の正式名称が「副都心線」に決まった様で、その関連もあって現在有楽町線には新型の10000系電車(以前取り上げた記事はこちら)が導入されていますが、それと引き換えに今まで永年使用されていた車両の玉突き淘汰も行われており、今日はその淘汰対象になっている東京メトロ5000系電車を取り上げたいと思います。

この車両は営団地下鉄(現東京メトロ)東西線用に同線開業当初から導入され、その後も長い間増備が続いた事もありますので、東西線の顔とも言える車両で、営団初の20m4扉車である事も特徴です。
(この車両規格は以後開通する営団~東京メトロの路線全てで採用されています)

一時期は千代田線でも使用(現行の北綾瀬支線ではなく代々木上原~綾瀬間)されていましたが、この車両が導入される数年前に日比谷線に導入された3000系(現在は一部が長野電鉄で活躍)に比べると、造形の容易化によるコストダウンを図る為に前面は切妻のシンプルな形状となり、デザイン的には実用一辺倒の前面はデザイン的に今一つといった印象を受けます。
(これがこの車両の個性という捕らえ方もありますが…)

この車両は製造年代が多岐に跨る(昭和50年代に製造された車両もあります)事から、途中で仕様の変更が行われ、戸袋窓が廃止された車両も存在する事や、写真のステンレス車体(これが大半です)以外に、以後の営団~東京メトロ車両で全面採用されているアルミ合金製車体を試行的に採用した車両が存在する事も特徴です。

また近年は写真の車両の様に冷房改造(一部は未改造のまま引退)も行われ、車内も更新された車両(これは一部で、編成内で混在している事も多いです)が存在するなど、一応現代のサービス水準に近づける努力もなされて、東西線と直通運転を行う東葉高速鉄道に譲渡された車両(1000系:大々的に更新された車両ですが昨年末に引退しています)も含めて多数が東西線を走っていましたが、05系列の大増備や乗り入れ先であるJRの車両代替(E231系800番台)が行われる様になると、それらに比べて随分陳腐な車両という印象が否めないのも事実です。

そのためMAKIKYUも東西線を利用する際にこの車両がやってくると、よほど急ぎの時でもない限りは敬遠して次の列車を待つ有様で、この様な車両が営団→東京メトロへの引継ぎ時に継承された事自体が不思議な感じもしますが、ここ最近の東京メトロマークを付けた5000系は数が少ない(東葉へ譲渡された車両以外はこの時点で大半が引退済)事もあって、この車両は一部のレールファンから絶大な人気を誇っていた様です。

時々東西線を利用し「敬遠…」と記しているMAKIKYUは、陳腐な印象が強いこの車両の退役は個人的には歓迎で、今後の東西線におけるサービス向上に期待したい所ですが、この車両に思い入れのある方も結構居られる様で、もう昨年末から告知されていますのでご存知の方が多いと思いますが、東京メトロも全面引退に先立って明日(27日)には深川車両基地において「さようなら東西線5000系 車両撮影会&工場見学会」を実施する様です。

MAKIKYUは土休日に都合が付け難いのが現状ですので参加予定はありませんが、5000系に思い入れのある方でこの日に都合がつく方は、参加されてみては如何でしょうか?
(ちなみにイベントの概要を知りたい方は、ここをクリック!)

ちなみに5000系は東西線からは3月で全面引退となる様ですが、その後も千代田線の北綾瀬支線(3両編成の短い電車が綾瀬~北綾瀬の1駅間を走るだけですが…)では当面運行される模様で、また最近引退した一部編成は、東葉で退役した同形と共にインドネシアへ輸出されていますので、同形に興味のある方は東西線での引退後、こちらを訪問されるのも良いかもしれません。
(北綾瀬はともかく、インドネシアは遠過ぎてMAKIKYUは行けませんが…)

写真は昨年西船橋駅に停車中の、冷房装置や東京メトロマークが付いた近年の5000系です。


KCR塗装のKMB

2007-01-25 | バス[中華人民共和国]
「MAKIKYUのページ」では香港を走る路線バスとして、今までにKMB(九龍巴士)とKCR(九廣鐵路)の路線バスを取り上げてきましたが、香港を走るバスの中にはKMBのバスにも関わらず、KCR塗装を纏った車両が存在します。

このバスは九廣鐵路が九鐵接続巴士として東鐵尖東站~西鐵南昌站間を結ぶ路線や、新界東部の大埔墟站周辺を走る路線などが該当し、これらのバスはKCR塗装にも関わらずKMBのマークが側面に付いているのが特徴です。(写真では分かり難いですが…)

このバスはKCRが運営を行いKMBへ運行を委託している為なのか、KMBのバスにも関わらずKCR電車・バスが乗り放題になる九鐵本地線乘車證(一日乗車券)が通用し、また八達通(オクトパス・ICカード)でKCR電車へ乗り継ぐ際の優恵(割引や免費の事を、香港ではこの様に呼称します)対象にもなっているのが特徴です。(通常のKMBバスでKCRの一日乗車券は通用しません)

そのためMAKIKYUが大埔墟周辺でこの九鐵接続巴士に乗車した際は、他の系統のバスが多数運行されている場所であるにも関わらず、八達通の優恵を狙って他系統のバスをパスし、このバスを選んで乗車する乗客が多数居るのを目撃しています。

香港人の間でこのバスの周知度は結構高い様ですが、一日乗車券はあまり人気がないのかこれで乗車する乗客はMAKIKYUだけで、他に利用している乗客は全然見かけませんでした。(物好きは使うのでしょうが…)

関鉄グリーンバス(1)~この姿は既に過去のモノですが…

2007-01-24 | バス[北関東]

先日「MAKIKYUのページ」では茨城県で運行しており、3月末で運行終了(廃線)が確定している鹿島鉄道に関する記事を取り上げましたが、現在この沿線で路線バスを運行(MAKIKYUも先日乗車しました)している会社が、鹿島鉄道と同じ関東鉄道の分社でもある関鉄グリーンバスです。

グリーンバスの路線は石岡や鉾田を拠点に、一部は土浦や水戸まで足を伸ばす路線もあり、今後鹿島鉄道に代わって運行される代替バス(石岡~小川~玉造町~鉾田など)もこの会社の担当となりますが、公共交通離れが著しく鉄道が廃線に追い込まれる地域を運行している事もありますので、使用している車両も古参車両が多く、東京都内などの事業者から移籍した車両も使われています。

ちなみに写真の車両はつくばエクスプレス開業の翌月に、同線乗車の後で立ち寄った鉾田営業所(許可を得て撮影・鹿島鉄道鉾田駅に隣接)で撮影したものですが、この写真の日野Rainbow RJは一つ目(ライトが片側1灯)のかなり古い車両で現存していないかと思いますし、また表示している行先も廃止された系統のものですので、この姿はもう日常目にする事は出来ず、過去を知る者にとっては懐かしの1枚です。

あと余談ですが、MAKIKYUが鉾田営業所でこの写真を撮影した後で回数乗車券を購入した際には、関東鉄道本体とは異なる関鉄グリーンバス独自の回数券(本体と異なる表紙付きで地紋も異なり、関鉄グリーンバス社名入りですが、券種構成は同じです)を販売していましたが、これは関鉄本体の運行するバスでも使用可能ですので、関鉄のバスに時々乗車(茨城県南をくまなく運行していますので、特定の路線を頻繁に利用する訳でなくても年に数回茨城へ行かれる方は、回数券の利用がオススメです)されるという方は、ここで回数券を購入するのも良いかと思います。
(本体での使用可否は購入時と乗務員から確認済み:実際に関鉄本体のバスで関鉄グリーンバスの回数券を使用した事もあります)


鹿島鉄道キハ600形~終焉が迫る日本一古い気動車

2007-01-23 | 鉄道[北関東]

  

先日「MAKIKYUのページ」では茨城県を走る水郡線で運行を開始したばかりの最新型気動車・キハE130系に関して取り上げましたが、茨城県内にはこの車両とは対照的な古豪車両も走っており、先日こちらにも乗車してきましたので取り上げたいと思います。

この車両は現在鹿島鉄道を走っているキハ600形と呼ばれる車両で、元は鉄道省(→国鉄)で使用していた車両ですが、この車両は戦前製に製造された非常に古いモノで、現在日本で最古参の部類に属する気動車を複数形式用いている鹿島鉄道の中でも最古参の車両です。

ただこの車両はかなりの旧型車でありながらも、幾度もの改造の過程で冷房化やワンマン化改造も行われ、車体も鹿島鉄道では最も大型で収容力がある事から、他の旧型気動車と異なり稼働率は結構高く、また2両在籍している事もあって、朝~昼過ぎ位までの間に鹿島鉄道を訪問すると大抵稼動している姿を見かける事が出来ます。
(夕方以降になると、稼動車両は新型のKR-500形のみの事が多い様です)

ちなみにこの車両は他の鹿島鉄道を走る旧型気動車と同様に床は板張りで、また走行音(加速時に駆動装置の関係なのか、つりかけ式か直角カルダン式駆動の電車を連想させる様な音がします)や重たい走りっぷりも独特で素晴らしいですので、稼働率が高い車両でありながらも、この車両に当たると非常に有難く感じます。

また鹿島鉄道の中ではMAKIKYUが最も気に入っている車両でもありますので、先日鹿島鉄道に乗車して稼働率が低いキハ714号(湘南形の前面で、ワンマン改造されていない車両です)と2両編成でこの車両がやって来た時も、途中駅でこちらへ乗り移った程です。

ただ車齢は70年にも達しており、相当老朽化も進んで改善勧告が出ているという話もありますし、またこの車両が走る鹿島鉄道自体も3月末で運行終了(廃線)となってしまいますので、残念ながらこの車両の活躍も終焉を迎える事になりそうです。

さすがにこれだけ古い車両ですと、鹿島鉄道廃線後にはどう考えても他社への譲渡といった事は考え難く、残念ながら廃車になる公算が極めて高いですが、随分改造されているとはいえ戦前の面影を残す貴重な車両ですので、せめて解体を免れて何処かで保存される事を望みたいものです。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にこの車両には乗車されたという方も居られるかと思いますが、なかなか乗り応えのある車両ですので、3月末の運行終了までにMAKIKYUも機会があれば再度乗車したいと思っていますし、皆様も茨城方面を訪れる機会がありましたら乗車されてみては如何でしょうか?
(特に首都圏にお住まいでこの車両に乗車された事がない方は是非乗車を!絶対オススメの車両です)

写真は玉里駅に停車中の602号とその車内、そして榎本駅に入線した601号です。


瀋陽市内を走る路線バス(6)

2007-01-22 | バス[中華人民共和国]
今日は昨年も何度か取り上げてきた、中国・瀋陽市を走る路線バスの続編について取り上げたいと思います。

写真の車両は昨年MAKIKYUが瀋陽へ行った際、宿泊していた瀋陽北駅前のホテル脇を通りかかったバスを偶然撮影したもので、MAKIKYUはこの車両には乗車していませんが、瀋陽市内を走る路線バスの中では比較的程度が良い部類に入り、グレーとブルーの塗装も見栄えは悪くないと感じます。

ただこれでも非空調車で、瀋陽に限らず中国東北地方の路線バスで冷房付き車両は非常に少ないですが、南方の地方などでは空調車もそれなりに走っており、これは土地柄の表れと感じます。

なお瀋陽市内を走る路線バスに関しての記事は、ここで一旦打ち切りにしたいと思いますが、今後は「MAKIKYUのページ」で今まで取り上げていない中国他都市を走る路線バスに関して時折取り上げていく予定です。

JR東日本・キハE130形気動車~水郡線に登場した最新型車両

2007-01-21 | 鉄道[北関東]

    

一昨日MAKIKYUは茨城方面へ出向いており、その目的の一つは水郡[Suigun]線に登場した最新型気動車・キハE130形乗車でしたが、一昨日(19日)に営業を開始したばかりのこの車両にMAKIKYUも早速乗車出来ましたので、今日はこの最新型気動車について取り上げたいと思います。

この車両はJR東日本が発注した気動車では初めて片側3扉となり、車体はステンレス製となっているのが特徴ですが、最新鋭車両だけに環境負荷低減形のエンジンを装備し、車椅子対応トイレを設置するなど近年のバリアフリーにも対応しており、また水郡線で現在多数が稼動しており、その他のJR東日本非電化線区でも活躍しているキハ110系列との併結(編成美はイマイチですが…)やワンマン運転にも対応しています。

先日運転を開始した車両を含めて10両以上の車両が既に水郡線営業所に配属されており、一昨日は営業運転に入っている車両以外にも常陸大子[Hitachi- Daigo]にある水郡線営業所に留置されている車両や、常陸大子駅構内でキハ110系と組んでの試運転を行っている車両、それに水戸で停車中の車両も見かけられる状況でした。

塗装は現在水郡線で多数が活躍し、この車両の導入と共に花輪線などの他線区へ順次玉突き転置となるキハ110系列の白と黄緑色のスマートな印象とは様相が随分異なり、ブラックフェイスの前面窓下と各扉部分に黄色を配して戸袋付近はブルー、窓周りはブラックアウトとした上で窓の上下は赤という非常に派手な装いですが、この装いはMAKIKYUも比較的好感を持っているキハ110系列に比べると随分鬱陶しく感じてなりません。

MAKIKYUとしては窓の上下の赤色が余計で、この赤色がなければ装いもそれなりかと感じますが、これでもこの塗装は一応公募で選ばれたモノですので、乗客の中にはこの塗装に好感を持っている方もそれなりに居る様です。

車内は近年JR東日本が導入している常磐線普通列車用の新型電車E531系などとよく似ており、座席の形状などはJR東日本ではお馴染みのラウンド形タイプが用いられ、つり革も吊り輪が黒色でやたらと目立つ特徴的なモノが用いられるなどの共通点が見られて車内の造作も似ていますが、ドアチャイムは東北地区で用いられている701系電車や水郡線でも運行されているキハ110系列などと同タイプ、荷棚は一般的なパイプを用いたタイプで、座席下のヒーターもクロスシート部分のみが片持ち式でロングシート部分は一般的なタイプになっているなどの特徴もあります。

客用扉の客室側扉全体を黄色く塗装して視覚障害者対策としているのも大きな特徴ですが、如何にも取って付けたという印象を受ける黄色いラインを貼り付け、車両によっては早くも剥れかかっている醜態を晒しているE531系や、中央線に導入されたばかりで客用扉部分をわざわざ化粧板張りにしながらも、隅だけに黄色いラインが施されて中途半端な感を受けるE233系に比べるとデザイン的にも随分見栄えがすると感じられ(JR九州を連想させられる気もしますが…)、今後登場する新形式への波及や上記2形式の仕様変更にも期待したいものです。

またこの車両の座席配列は、両開き3扉車で占有スペースの大きい車椅子対応トイレを装備しているにも関わらずボックスシートの数だけはキハ110系列と同等数を確保していますので、その分ロングシートに大きなしわ寄せが及んでその分着席数が随分減少しているのは大問題であると感じます。

クロスシートは頭の当る部分がやたらと硬く、これは余り好感の持てるものではありませんので、むしろ1人掛けのクロスシート部分はロングシートにする事で着席定員を増やした方が妥当な気がしますし、中扉付近に補助席を設置し、大半の駅で中扉が締め切りとなるワンマン運転列車を中心に補助席使用を行って閑散時間帯の着席定員増加を図っても良いのではと感じます。

それと運転席が全室式となった上に前面窓位置がやや高くなり、その上助士席方の前扉後側は両側共に座席が設置されていない(片側はトイレで止むを得ませんが、もう片側も排気管(?)の出っ張りがあります)事もあって、前面展望もキハ110系列に比べて劣るのも難点であるかと感じます。

ただ両開き3扉車という事もあって、ラッシュ時間帯には4両編成程度の列車がそれなりの本数で運行され、それでも水戸周辺では比較的混雑している様に見受けられる水郡線の混雑対策には有用であると感じられますし、また車掌乗務時でも自動放送(この形式のワンマン列車にはまだ乗車して居ませんので、ワンマン放送は未確認ですが…)が流され、音質もキハ110系列のワンマン放送(これが悪過ぎるだけかもしれませんが…)に比べると良好な事、それに運賃表示記下部には表示文字数が少ないながらもLED案内表示装置が装備され、次駅案内などをスクロール表示している事などは評価すべき点であると感じます。

このキハE130系は今後運用に入る車両が順次増加し、またこれから両運転台のこの車両以外にも同スペックで色違い・片運転台のキハE131+キハE132も導入されて今後の活躍が期待されますが、現段階で水郡線以外にこの車両の導入予定はない模様で、当面は水郡線のみ(厳密に言うと東北本線安積永盛~郡山の1駅間も含まれますが…)でしか乗車できない車両になりそうですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も水郡線に乗車される機会がありましたら、是非この車両の乗り心地を試されては如何でしょうか?
(運行初日は稼動数や使用列車がかなり限られている状況でしたが、3月のダイヤ改正頃には水郡線列車の過半数がこの車両での運行になる様ですので、その頃には割合容易に捕獲可能かと思います)

写真は水戸駅近くに停車中のキハE130系(敷地外からフェンス越しに撮影)と常陸大子駅でキハ110系と併結試運転を行っているキハE130系、それとキハE130系の車内の様子です。


昨日は18きっぷで茨城へ~欲張りなMAKIKYUは日本最古と最新の気動車双方に乗車

2007-01-20 | Weblog

  

昨日は今日(20日)まで有効の青春18きっぷが1回分残っていた事もあり、
MAKIKYUは茨城方面へ出向いていました。

これは6日からE531系グリーン車の連結開始(3月のダイヤ改正まではお試し期間
として普通車扱いで開放)や、3月一杯で運行を終了する鹿島鉄道訪問をはじめ、茨城交通も訪問したかった事などが大きな要因ですが、水郡線に導入の新車・キハE130形が昨日から運行開始と言う事もあり、せっかくの機会なのでそちらも視察できれば…という事で、随分色々欲張って来ました。

ちなみに昨日の行程は以下の通りで、―が鉄道(特記なきものはJR普通・快速列車)、=が路線バス、…が徒歩・自転車で、鉄道の☆とバスは別料金です。

北総監獄(千葉ニュータウン)…布佐=(阪東自動車)=新木[あらき]―我孫子[あびこ]―天王台―取手―石岡―(☆鹿島鉄道・キハ602+キハ714)―小川高校下…常陸小川=(関鉄グリーンバス)=高浜―(E531系グリーン車)―水戸(キハE130形撮影)―勝田…日工前―(茨城交通湊線)―那珂湊=(茨城交通)=勝田―常陸多賀―大甕[おおみか]=(日立電鉄交通サービス・東真弓経由)=太田営業所/常陸太田―上菅谷―磐城塙―(新鋭キハE130形)―常陸大子(車両交換)―水戸=(茨城オート)=赤塚―我孫子―布佐…北総監獄

今回の行程は色々予定していた事を、MAKIKYUの気が向くがままに実行したら成り行きで行程が出来上がったという感じで、MAKIKYUは昨日水戸周辺をずっと行動している予定でこの様な行程になる事は予想もしていませんでしたが、水郡線の新鋭・キハE130形の運行が常陸大子→水戸→郡山→常陸大子と通称太田線区間(上菅谷~常陸太田)を除く水郡線内を1往復するだけで、夕方には常陸大子で車両交換という事が発覚したため、急遽予定を変更して県北から更に福島県内まで足を伸ばす事になった次第です。
(それでも青春18きっぷですので、追加料金は発生していませんが…)

それにしても今の時期の茨城県は、日本最古の気動車(戦前製の鹿島鉄道キハ600形)と最新の気動車(キハE130形)の双方が存在するという凄まじい状況ですが、鹿島鉄道の旧型気動車群はなかなか魅力的で、この2者以外にも茨城交通なども面白いですので、「MAKIKYUのページ」にもよく来られる某氏には水戸発の水郡線キハE130形使用列車乗車を勧められましたが、これに乗車するとなると他の予定に色々な制約が出てきてしまう事もあり、欲張りなMAKIKYUの様な人物はなかなか一つだけには絞れず、お陰であちこちを駆け回る状況になっています。
(それに鉄道だけでなく路線バスも楽しむ予定でしたので…)

ちなみに昨日の水郡線キハE130形使用列車は水戸756着と923発、それに郡山1555発の3列車で、東京方面から日帰りで茨城方面を訪問し、水戸周辺の他路線と合わせて乗車するには少々厳しいダイヤですが、この車両は今後増備が見込まれますので、近々容易に乗車できる様になりそうです。

また今日は本当はこの行動記録以外に、昨日乗車した交通機関なども取り上げたいのですが、これから所用もありますので、勝手ながらこれらの特集記事は明日以降にさせて頂きたいと思います。

写真は昨日MAKIKYUが下車した茨城県の民鉄・鹿島鉄道の小川高校前駅(未来へ走れと出ていますが、もうすぐ廃止になってしまうのは惜しいです)と茨城交通の那珂湊駅(駅構内の様子で、小世帯ながらも多彩な塗装の気動車が並んでいます)、日立電鉄常北太田駅[現・日立電鉄交通サービス太田営業所](ホームが辛うじてかつて鉄道が走っていた事を証明していますが、随分寂しい光景です)です。


リンク先サイト追加のお知らせ(070119)

2007-01-19 | Weblog
皆様、いつも「MAKIKYUのページ」にアクセス頂きましてありがとうございます。
本日より以下のサイト様をリンク先として追加致しましたのでご案内致します。

「中国鉄道倶楽部」(borgen様)
http://railway.org.cn/

このページでは中国鉄路(中国国鉄)に関して詳細に取り上げられ、MAKIKYUも中国を旅行する際には随分と参考にしたもので、中国の鉄道に関心のある方をはじめ、中国へ行かれる予定のある方は必見のサイトです。

現地発の情報は他に類を見ない相当なもので、今日の記事で取り上げた社会主義全盛時代を思わせる旧型の客車(緑皮車)をはじめ、最近各地で次々と運行開始されている新鋭の列車まで取り上げられ、これらの列車利用を検討されている方には参考となる詳細な情報も多数公開されています。

なおこのサイトへのリンクにつきましては、トップページのBOOKMARKに1週間~10日程度は周知期間として掲載するほか、リンク集(0)から随時リンク可能です。

「MAKIKYUのページ」では鉄道・バス関連サイトや韓国・中国関連サイトをはじめ、それ以外の内容を取り扱ったサイトを含めてリンク先サイト様を引き続き募集しておりますので、「MAKIKYUのページ」へのリンク希望の方はコメント欄或いはメール(連絡先は「このページについて」の項目に記しています)にてお知らせ下さい。

写真は昨年運行を開始した、重慶~成都間を走る2階建て客車組み込みの快速列車(城際列車)です。(画像は以前、「MAKIKYUのページ」の中国鉄路乗車記で使用したものです)

またリンク先サイトとは別件ですが、「MAKIKYUのページ」TOPの表題を現行の実態に合わせ、一部改題させて頂きました。(ページ名称は従来通りです)


中国鉄路 YZ22形客車(2)

2007-01-19 | 鉄道[中華人民共和国]
写真はYZ22形の車内(外観は(1)をご覧下さい)ですが、中国鉄路の硬座車は3人掛けと2人掛けのボックス席が並び、背もたれはほぼ直角で肘掛がないのが特徴です。

25形の最近の車両などは座席もモケットが張られ、座席自体も多少改善されたものがありますが、旧型の22形では座席表面は写真の様な薄緑色(中には違うものもあります)のビニール張りとなっており、せいぜいその上にカバーが掛かっていれば上等といった所です。

座席自体も硬座というだけあって詰め物は殆ど入っておらず(最近首都圏で増えている某メーカー標準品の方がまだ良い気が…)板の上にビニールを張っただけと言っても過言ではない硬いモノで、また客車の定員も車両が大柄とはいえ1両当たり120人前後という有様ですので、座席の間隔も決して広くはありません。

内装は化粧板などに複数のバリエーションがあり、木目調の化粧板を使用したモノなども見かけますが、写真の車両の様な薄緑色の格子模様入りのモノが最も一般的で、この化粧板を見ると小田急線の8000形通勤車(未更新車)を思い出す気がします。(こんな事を考えるのはMAKIKYUだけでしょうか?)

また最近ではこの22形客車も一部は更新工事が施行され、中には空調改造を施されて塗装も変更(オレンジ色)された車両もありますが、更新されていない車両は窓枠などがボロボロで窓の開閉にも難儀し、見るからにオンボロといった感じの車両も多数見受けられます。

MAKIKYUもこのYZ22形には短区間のローカル列車(所要1~2時間程度の慢車など)で何度か乗車した事がありますが、短距離乗車で車内の混雑もさほどでなければ、日本や韓国の列車に比べると大幅に劣るものの、何とか許容範囲といった所です。
(ただ大半の車両は非空調車ですので、夏の華中や華南では大変です)

またこの車両は短距離列車に限らず夜行列車でも多数運用され、中には車中2泊となる長距離の普快(広州~重慶や成都~上海など)で運用されるモノもあり、こういった列車は寝台車と併結して硬座車が数両が連結されます。

この手の列車は運行中、常に多数の無座(立席)客が通路を占拠し、ここで夜を越すのはかなり厳しい感じがしますが、運賃が安い事もあってこれで乗り通す乗客も結構居り、日本人旅行者の中にも玄人を自負されている方などは、これで夜を越す事こそ中国旅行の醍醐味…と言う方も居られる様ですが、貧弱で中国旅行経験の浅いMAKIKYUの様な素人にはとても真似できない気がします。

ただ「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で中国鉄道旅行の玄人を自認されている方や、ハードな旅が好きな方は夜行列車でこの硬座に乗車されるのも良いかと思いますし、そうでない方も短距離で乗車する分には人民の庶民生活が垣間見えて面白いかと思いますので、皆様も中国へ行かれた際は是非乗車されてみては如何でしょうか?