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成田スカイアクセス・試運転を視察

2010-04-30 | 北総監獄

数日前MAKIKYUは所用で首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ出向く機会があったのですが、その際には所用ついでに7月開業予定の成田スカイアクセス(京成成田空港線)の試運転を視察してきました。

成田スカイアクセスの試運転は、7月開業予定の印旛日本医大~(成田)空港第2ビル間だけでなく、既存の「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)区間にも跨って行われています。

そのためMAKIKYUが利用した北総監獄内の「開発を止めた某鉄道」の駅においても、試運転列車の運行を行っている旨を伝える案内放送が時折流れる状況で、実際にホームで列車を待っている間にも、試運転列車の姿を見かける程でした。

試運転列車の運行は、主に営業列車の運転本数が少ない昼間に行われる事もあって、この時間帯は試運転列車の姿が非常に目立ったものです。

特に既存営業区間の末端1駅間は、営業列車の運転本数が限られる事(時間によっては40分程運転間隔が開きます)もあって、もしかしたら試運転列車の運転本数の方が多いのでは…と感じた程で、「余りに高過ぎる運賃を取りながらこの程度のサービス」と思われる方も多いかと思いますが、これだけ試運転列車を走らせる余裕があるのなら、もう少し営業列車の本数を増やして欲しいといった意見・要望が出てこないのか気になったものです。

 
ちなみに先日成田スカイアクセスの試運転を目撃した際には、成田スカイアクセスの大目玉と言える新型AE車(座席指定制の有料特急で使用)の姿は目撃できず、既存の京成電鉄新型通勤電車・3000形を少し手直しした程度の空港アクセス用車両・3050形の姿ばかりが目に付きました。

試運転列車はLEDによる試運転表示以外に、「試運転」と書かれた紙を何枚もガラスに貼り付けていたのが印象的で、3050形の他に3000形6両編成の稼動も目撃していますが、こちらは成田スカイアクセスの新規開業区間営業運転開始後にも出番があるのか気になる所です。

先日の試運転における主役ともいえる3050形は、外観や座席モケットなどに多数の飛行機のイラストが描かれ、飛行機が好きでない人間にとっては余り有難くない雰囲気を放っているのが特徴ですが、フルカラーLEDによる行先表示や車内LCDモニターなどは、新型AE車と共に京成電鉄初登場(他社からの乗り入れ車両を除く)になります。

とはいえフルカラーLEDによる行先表示や、車内LCDモニターなどは他の大手私鉄などでは既に数年前から導入されているものですので、京成ではようやく…といったところで、それ以外は3000形と大差ない車両ですので、余り新鮮味を感じる車両ではないと感じたものです。

またMAKIKYUが成田スカイアクセスの試運転を視察した日は丁度休日で、「「開発を止めた某鉄道」では発売期間・発売日を限定した1日乗車券(さわやかきっぷ)が発売されていたことから、辺境を走る鉄道の末端駅で「村」から「市」になったばかり、大した見所もない上に運賃が高過ぎて容易に近づけない印旛日本医大駅も、久々に視察して来ました。

 
この駅は成田空港方に新線が敷設されると共に、引き上げ線も2線出来るなど、特徴的な駅舎が特徴の駅自体はさほど変化がないものの、成田空港方を見渡すと随分変わったものと感じたものです。

そして印旛日本医大駅以東の新線は、軌道や架線の構造が素人目にも「開発を止めた某鉄道」の既存区間とは大きく異なる事が一目で分かる程違うものとなっており、駅にある制限速度標識と共に、新型AE車が160km/hで走行予定の区間である事を強く感じたものです。

  
しかしながらこの区間でも、通勤型車両は120km/hでの運行予定となっており、標準軌(軌道幅1435mm)にも関わらず、通勤型車両による一般列車は「つくばエクスプレスより遅いのに運賃は高い」という状況が不可避の様ですが、京成電鉄や「開発を止めた某鉄道」の通勤型車両の中には、標準軌の大手私鉄車両にしては高速域での性能が芳しくない車両が混在していますので、120km/hでの運転すらまともに出来るのだろうかと気になったものです。

成田スカイアクセスは7月の開業を前に、もう間もなくダイヤの発表なども行われ、大手私鉄一の俊足を誇る新型AE車の営業開始などは期待したいものですが、一方で余りに高過ぎる「開発を止めた某鉄道」の運賃は、通学定期を除くと僅かに値下げされる程度に留まりますので、公共交通不毛の地と言える北総監獄の惨状は相変わらずという事になります。

そのためMAKIKYUには余り縁のない話とはいえ、首都圏各地~成田空港間を成田スカイアクセス経由で移動し、航空機で海外へ飛び立つ方々からは、こんな所は足早に通り過ぎたいという衝動に駆られ、途中下車して寄り道する気は起きないでしょうし、ましてや北総監獄に身を置く事など以ての外と感じてしまうのは、成田スカイアクセスが開業しても相変わらずだろうと感じてしまったものでした。

それにしてもつい数年前は気配すらなかった成田スカイアクセスも、あっという間にその姿を現すとは、辺境の地と言える北総監獄とその周辺地域らしいもので、一部で提唱されている都営浅草線の別線建設による空港間速達化などは、もし実現するとしても成田スカイアクセスとは比べ物にならない労力を要するだろうと感じたものです。

また成田スカイアクセス開業によって、趣味的な楽しみは増えますが、空を飛ぶ(航空機に搭乗する)のが駄目なMAKIKYUとしては、実用面では使い物にならない路線が一つ増えるだけと感じる面もあり、同感と感じる方も居られるかと思います。

日本から海外へのアクセス強化も航空利用者向けばかりでなく、船便利用者向けにもっと良いアクセス(日本国内で船舶利用者の出入国者数が最も多く、MAKIKYUが海外旅行の際に出入国で最もよく利用している博多港ですら、公共交通の便は西鉄の路線バスのみです)が出来ないのかとも感じてしまったものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何お考えでしょうか?


伊賀鉄道200系・車内の様子

2010-04-25 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

昨日取り上げた伊賀鉄道200系電車ですが、この形式の現行稼動編成は「忍者列車」を名乗って活躍しているだけあり、目を引く派手な車体ラッピングだけでなく、車内も忍者列車らしく手を加えられたものとなっているのが特徴です。


しかしながら「忍者列車」への改装に当たって加えられた装飾を除くと、伊賀鉄道の路線条件に適応した運賃箱収受式ワンマン運転(整理券方式)への対応が目立ち、新たに設置された運賃表示器が、JRのワンマン列車や路線バスで広く用いられているモノとはやや異なる雰囲気なのは気になったものですが、比較的東急時代の雰囲気が強く残っていると言えます。


車内の化粧板やロングシートの座席モケット、床材をはじめ、実質的に近鉄の1支線と言っても過言ではない路線にも関わらず、東急線で用いられているドアステッカーまでそのまま使用されている程です。

そのため日頃乗り慣れた首都圏の電車に乗車しているかと錯覚してしまう程で、遠方の電車に乗車していると言う感触は乏しいと感じたものですが、伊賀神戸(Iga-Kanbe)で伊賀鉄道から近鉄電車に乗り換えた際には、こちらは如何にも関西の電車と言う雰囲気が強いものですので、物凄いギャップを感じたものでした。

しかしながら首都圏の電車に乗車しているかと錯覚しそうな200系も、一部座席がクロスシートに取り替えられており、この点は東急時代とは大きく異なると言えます。

近年東急線から地方私鉄へ譲渡された車両の中では、一部座席がクロスシートに取り替えられた事例として、系列の伊豆急行へ譲渡された8000系電車の事例もあります。

伊豆急では関東の西武鉄道で特急車の座席交換に伴って発生した余剰品を活用しているのに対し、伊賀鉄道は一応三重県とはいえ実質的に関西の一部と言っても過言ではない事もあるのか、こちらは京阪電車の9000系オールロングシート化に伴って発生した座席を取り付けています。

この座席が取り付けられたのは、たまたま車両譲渡と座席放出のタイミングが重なっただけなのか、それとも関西同士という事も関連しているのかは分かりませんが、如何にも首都圏の電車と言う雰囲気が強い200系電車においても、関西の電車と言う事を感じさせる数少ない部分と言えます。

とはいえ京阪9000系電車の座席モケットはさほど年数を経ていない割には退色が激しく、同種の座席・モケットを採用した京阪京津線の地下鉄直通用電車(800系)も、後に座席モケットが交換されている程です。

そのため伊賀鉄道で京阪9000系の座席を再用するに当たっても、モケットは既設のロングシートに合わせたオレンジ1色のモノに交換され、意外と京阪電車の発生品と言う雰囲気はしないものですが、これに加えて警笛が近鉄タイプに改められているなど、見た目は如何にも関東風の電車ながらも、乗ってみると首都圏と関西の大手私鉄を融合した印象を受けたものでした。

伊賀鉄道では今後も200系電車を導入し、老朽化が進む既存の860系電車を順次取り替える計画となっていますが、今後も同仕様で登場するのか、また異なる仕様で登場する事になるのかも気になる所ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も興味がありましたら、是非一度伊賀鉄道の新鋭・200系電車に乗車してみては如何でしょうか?


伊賀鉄道200系「忍者列車」~近鉄系の鉄道にも関わらず…

2010-04-24 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、東急から秩父鉄道に移籍し、第2の活躍を始めた8090系(秩父鉄道7500系)などに関する記事を取り上げましたが、今月MAKIKYUは秩父鉄道以外でも東急から移籍し、最近になって新天地で第2の活躍を始めた車両に乗車する機会がありました。

その車両は三重県の伊賀鉄道(元近鉄伊賀線)で活躍する200系電車で、現在も池上線や東横線の地下鉄日比谷線直通電車などで運用中の1000系電車の一部が首都圏を離れ、新天地で第2の活躍をはじめたものです。

1000系電車は軽量ステンレス製のVVVFインバーター制御車で、まだまだ使える車両にも関わらず早くも第一線を…というのが実感ですが、既に長野県の上田電鉄へ移籍した事例もありますので、1000系の他社転出は伊賀鉄道で2例目になります。

ただ上田電鉄は東急グループの事業者で、子会社支援の要素もありますので、まだまだ第一線で活躍できる車両を敢えて放出する事も理解できますが、伊賀鉄道は東急系の事業者でないどころか、関西私鉄の中で最大規模を誇る近鉄の一路線と言っても過言ではありません。

そのため実質的に大手私鉄間の車両売買を行ったというにも等しく、その上近鉄は近畿車輛という鉄道車両製造メーカーも系列に従えている程ですので、東急車輛製の東急車で、まださほど古くないVVVFインバーター制御車が譲渡対象となる今回の伊賀鉄道移籍は、極めて異例の移籍事例と言えます。

異例の移籍が実現した理由としては、伊賀鉄道(元近鉄伊賀線)が標準軌の近鉄本線系各線とは異なる狭軌線区で、車両限界も近鉄標準の21m級車両が入線できない規格ですので、近鉄から車両を捻出するのが困難な事に加え、東急で丁度やや小柄な18m級車体の1000系が持て余し気味になった事が大きいと言えますが、それでも伊賀線既存車両(860系)よりは大柄ですので、一部駅のホームを削るなどの工事が必要となり、このために特定日の昼間時間帯一部列車を運休させる工事を行った程です。

この異例の移籍劇は驚いた方も多いかと思いますが、伊賀鉄道に移籍した東急1000系は新たに200系の形式を与えられて昨年末から活躍を開始し、2本目の編成も今年春に稼動を開始しています。

現在活躍する200系は2本共に、既存の860系一部編成で見られる忍者のイラストをデザインした「忍者列車」となっており、MAKIKYUが今月乗車した200系「忍者列車」は、昨年末から走り始めた編成の方でした。


東急1000系では一般的な左右非対称の前面形状の車両ですが、外観は忍者デザインのラッピングに加え、東急時代より随分小さくなり、LED化された前面の行先表示や、使用を取り止めて跡が残る側面行先表示部分が非常に目に付きます。


またMAKIKYUが伊賀鉄道に乗車した日には、活躍を開始して間もない2本目の編成も稼動しており、途中駅ですれ違う姿も目撃しましたが、こちらは東急1000系の中でも少数派の中央に貫通扉を配した左右対称の前面形状を持つ車両で、忍者のデザインも異なりますので、1本目の編成とはやや雰囲気が異なるものです。

この200系電車は、今後も老朽化が進む860系電車を代替する目的で導入予定があり、もうまもなく伊賀鉄道の主力と言える存在になる事はほぼ確実と言えますが、今後の導入車両も1編成毎に異なるラッピングを施した姿で登場するのか、それとももう一つの東急1000系移籍先である上田電鉄の様にほぼ東急時代の装いで活躍する編成が登場、或いは伊賀鉄道標準塗装が登場するのかも気になる所です。

車内の様子に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


秩父鉄道 7000系電車~今後の勢力拡大はどの程度?

2010-04-21 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日MAKIKYUが秩父鉄道を利用した際には、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げ、今春に運行開始したばかりの7500系電車と共に、昨年運行開始した7000系電車にも、初めて乗車する機会がありました。


7000系は元東急8500系電車で、車体形状やデザインなどの外観は7500系の種車となった8090系とは大きく異なるものの、下回りなどはほぼ同等の車両です。


見た目こそ先日取り上げた7500系とは大きく異なり、車内の雰囲気などもやや異なりますが、それ以外は大差ないものです。

ただ8500系は元々両先頭車が電動車となっている事もあり、秩父鉄道でも3両編成の両端が電動車となっており、中間に付随車(モーターなし)を組み込む編成になっています。

そのため羽生方先頭車がクハ(モーターなし)となっている7500系とは、編成の車種構成が異なっているのも特徴ですが、7000系導入前の秩父鉄道現行車両(客車などを除く)は、3両編成中のどちらか1方の先頭車がクハ(1000系(元国鉄101系)は羽生方・5000系(元都営6000系)と急行用の6000系(元西武新101系)は三峰口方)となっていますので、この車両が登場したお陰で各駅停車は3両どの位置で待っていても、モーターなし車両に当たる可能性が生じた事になります。

現在7000系は2本が活躍しているのですが、まだ2本しか存在しないにも関わらず、1編成の先頭車は8500系原型の貫通型、もう1編成の先頭車は中間車を先頭車化改造した非貫通型となっており、同一形式を名乗りながらも、その姿は大きく異なるのも特徴です。

MAKIKYUが乗車した7000系は後者の編成(写真もこちらの編成です)でしたが、この編成の前面は窓周りを黒く塗る事で、遠くから見ると3つの窓が一つの窓であるかの様に錯覚させる一方で、貫通路があるかの如く飾りをつけると言う窓周りの処理と逆行する事もしており、非常に奇妙な印象を受けたものです。

貫通型の編成も熊谷駅で停車している姿を目撃していますが、こちらも窓周りを黒く塗るなど、こちらも怪奇な印象を受けたもので、貫通型の方は窓回り無塗装のままの原型通りの方が…と感じたものです。

またどちらの編成も、前面だけ緑系グラデーション帯を纏っていますが、7000系は帯の下部がV字形になっているのが特徴で、「大井町線の色違い」という印象を強く受けた7500系に比べると、秩父鉄道オリジナルの雰囲気を感じます。

ただ側面はステンレス無塗装となっていますので、押しボタン式の半自動ドアスイッチなどがやや目立つ他は、東急時代の雰囲気を強く残しており、車内も秩父鉄道での使用に際して最小限手を加えただけという印象を受けたものです。

そのため東急の装いそのままといった印象を受ける長野電鉄への8500系譲渡車(改番こそあるものの、形式名も同一です)に比べると変化が見られるものの、乗車していると東急線そのままの雰囲気で、外に広がる車窓だけが…という状況ですが、この車両に乗って元国鉄や元都営の車両、西武線からの直通電車をはじめ、貨物列車やSLとも並ぶとなると凄まじいもの(それでも遥か遠く赤道直下の地で活躍する車両に比べれば、凄まじい部類には入らないかもしれませんが…)で、東急線とは別の世界で活躍を始めた事を強く実感させられるものです。

7000系は今後も、老朽化が進行している1000系の取替用に増備が続く公算が高いと思いますが、今後も現在導入されている2編成どちらかと同一形態の車両が勢力を増やすのか、それともまた異なったタイプの車両が登場するのか気になると共に、東急での8090系退役→7500系導入も並行して行われるかと思いますので、7000系がどの程度まで勢力を拡大するのかも気になる所です。


秩父鉄道 7500系電車~東急から移籍したばかりの最新型車

2010-04-19 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日MAKIKYUは久々に、埼玉県内を走る秩父鉄道を利用する機会があったのですが、その際には今年春に走り始めたばかりの秩父鉄道での最新型車両・7500系にも乗車する機会がありましたので、取り上げたいと思います。


この車両は元東急8090系電車で、今もなお大井町線で活躍しており、軽量ステンレス製車両の元祖とも言える車両ですが、さほど古い車両という印象ではない同系も、最初に製造された編成は既に製造から30年を経ています。

この事もあって近年怒涛の勢いで新車が導入されている東急では、8090系も運用離脱となる車両が出る程で、JRの「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」をはじめ、近年低コスト型車両の大量導入が続く首都圏では、軽量ステンレス車と言えども…という事を実感させられます。

しかしながら運用離脱となった8090系も、先に8500系電車が同社7000系として移籍した秩父鉄道において、第2の活躍舞台を見出す事が出来たのは幸いと言えます。

秩父鉄道の路線条件もあって、大井町線時代の5両→3両へ短縮されると共に、余剰となった中間車は廃車となっていますが、3両編成化に伴って8090系では初めて先頭車が電動車となった車両(三峰口方の先頭車両)が登場しているのも大きな特徴です。


これ以外にも秩父鉄道での使用条件に合わせたワンマン化(車内での運賃収受はなし)や、半自動押ボタン式スイッチの取り付け、それにドアチャイムや自動放送装置(従前の秩父鉄道車両で使われているバス用ではなく、英語放送入りとなっている点も注目です)が設けられるなどの変化が見られます。


とはいえ編成短縮と、最低限秩父鉄道での使用条件に合わせた改造を行った他は、内装も東急線時代と大差なく、ドア窓に貼られたステッカーまで東急仕様になっている程ですので、前面の緑色グラデーション色のカラーテープなども大井町線の色違いを連想させられ、概ね東急線時代の雰囲気を良く留めていると言えます。

こんな電車が元国鉄や都営、西武譲渡車の面々と共に活躍し、更に西武線からの直通電車や貨物列車、それにSLとも姿を並べるとなると、一体何処の路線と感じてしまう程ですが、今では秩父でしか見られない旧国鉄101系(1000系)をはじめ、様々な車両との顔合わせを見ていると、鉄道模型を並べているかの様な錯覚を感じてしまいます。

この様なシーンが東京都心から日帰りでも訪問できるエリアで、常に繰り返されているのは秩父鉄道の面白い点で、旧国鉄101系に代わって今後普通列車の主力になるであろう東急8000系列の導入が進む今日は、車両バラエティの面でも最も面白い状況と言えます。

また今回の7500系登場で、東急8000系列の運行は3編成目となりますが、そのどれもが異なる姿となっている点や、8090系を種車とする車両だけが別形式として区分されている点も興味深い所ですが、今後8500系と共に8090系の移籍も進んで7500系が数を増やすのかも気になる所です。

それにここまで東急8000系列を揃えたのであれば、今度は8590系(8090系の前面貫通路付きとも言える車両で、現在大井町線や田園都市線で活躍中です)も移籍させれば尚更面白くなるのでは…と感じたものですが、東急の車両取替時期などを考えるとこれは微妙な所で、今後も暫く続く事が予想される秩父鉄道以外の他者移籍も含めた、東急8000系列の転用劇に注目していきたいものです。


富士宮駅の「富士宮焼きそば」~営業時間が限られるのは難点ですが…

2010-04-17 | 日本国内その他

 

今年春の青春18きっぷ有効期間最終日だった10日、MAKIKYUは1回分を使い残していた18きっぷを使って身延線などに乗車していたのですが、その際には富士宮駅で路線バス(運賃別払い)→身延線への乗り換え時間が20数分あったものでした。

丁度昼時という事もあって、最近有名になった「富士宮焼きそば」でも食べれれば…と思っていたのですが、乗り換え時間を考えると街中まで出向いて店を探すには難があり、身延線の列車を遅らせるのも、頻発している富士方面ならともかく、西富士宮以遠の山間部に入る列車は限られますので、これを遅らせるのも…という状況でした。

そのため富士宮まで来ても焼きそばは…とも思ったのですが、とりあえず駅改札前まで出向き、それからどうしようか…と思っていた所、改札の目の前に「富士宮やきそば」のスタンドが…

列車の時間も気になる状況でしたので、列車の乗車時間を伝えて直ぐに出来るか聞いた所「大丈夫」との事でしたので、早速並盛(450円)の焼きそばを注文して列車入線までの時間に昼食としたもので、並盛で足りないという方は、600円の大盛を注文しても良いかと思います。

MAKIKYUは以前にも富士宮に隣接する富士市内の大型ショッピングセンター内にある富士宮焼きそばの店(富士宮に拠点を構える店舗の出店)で、「富士宮焼きそば」を食べた事があり、コシのある面や油かす・ねぎなどの入った独特な焼きそばは印象に残っていただけに、機会があれば是非本場の富士宮でも…思っていましたので、絶好の機会でしたが、駅改札前にある軽食スタンドがそばやうどんではなく、焼きそばとなっている辺りは、さすが富士宮と感じたものです。

ちなみにこの店では店内飲食だけでなく、テイクアウトも可能となっており、乗車列車の時間が迫っている時などは、持ち帰りで購入して車内で味わう事も可能ですが、身延線の列車も特急ならともかく、普通列車は通勤車両同然のオールロングシート車もやって来ますので要注意です。

オールロングシート車も身延線では基本的にトイレ設備がある点はせめてもの救い(静岡地区の東海道本線では、トイレすらない車両に2時間以上乗り続ける羽目になる事もあります)ですが、頻発しており所要時間も短い富士~西富士宮間はともかく、本数が少なく乗車時間も長い身延・甲府方面に足を伸ばす列車にも充当され、MAKIKYUが富士宮から乗車した3両編成の身延行列車も、鄙びた雰囲気の路線には似つかわしくない新型のロングシート車でしたので、これだと車内に焼きそばを持ち込んで食すのも難ありなのは困りモノです。
(身延・甲府方面は時刻表の列車番号で「G」が付く列車を狙えば、オールロングシートというハズレを引く可能性は低いです)

またこの焼きそばスタンドは、富士宮駅改札のすぐそば(改札外)にありますので、列車旅の途中で立ち寄るにはこれ以上の立地は…という程の好立地ですので、身延線を乗り通す旅行の途中で立ち寄るのもおススメですが、営業時間が昼間に限定されており、夕食の時間帯にここで「富士宮焼きそば」を調達できないのは難点と感じたものでした。

「富士宮やきそば」は他の焼きそばとは大きく雰囲気の異なる独自色の強い焼きそばで、その事もあって近年一躍有名になっているかと思います。

MAKIKYUも機会があれば富士宮の街中など他の場所でも…と思ったものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も富士宮周辺を訪問する機会がありましたら、是非一度「富士宮焼きそば」を食してみては如何でしょうか?


伊豆箱根バスの「レトロバス」~バス事業80周年を記念したリバイバル塗装車

2010-04-16 | バス[東海]

 

今年春の青春18きっぷ有効期間は、MAKIKYUは公休日(仕事柄休日が一定せず、土日=休みではありませんので…)の関係で余り遠出には使えなかった事もあり、日帰りで比較的近場へ出向くのに使うのがメインという状況でした。

その日帰り旅行での使用は、横浜からはさほど遠くないものの、JR会社間の境界を跨ぐ事もあり、青春18きっぷシーズン外では割安なフリー乗車券などが限られてしまう静岡県方面へ、1ヶ月強の有効期間内に2回出向く事になったのですが、その内3月に静岡県内へ出向いた際には、静岡市まで足を伸ばしています。

この日は静岡鉄道の長沼車庫で、リバイバル塗装車両の撮影会が開催されていた事もあり、MAKIKYUはこのイベントにも参加し、その様子を「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、この日はこの静岡鉄道リバイバル塗装編成以外に、伊豆箱根バスでもリバイバル塗装車に遭遇しており、今日はこちらを取り上げたいと思います。

伊豆箱根というと、西武グループの交通事業者として知られ、近年鉄道から分社化されたバス部門は、ライオンズカラーの装いは見るからに西武グループという雰囲気を放っていますが、バス事業は既に開業80周年を迎えています。

近年になってリバイバルブームを意識したのか、開業80周年を記念して「レトロバス」と称し、昭和時代の装いを纏ったバスを数台走らせており、MAKIKYUは以前この装いのバスを大場駅前で目撃した事もあったのですが、特別塗装で数が限られているだけあって、今まで乗車する機会はありませんでした。

先月静岡まで出向いた際にも、昼間に東海道本線を利用し、東京・横浜方面~静岡方面を移動する際には乗換えとなる熱海駅で一旦途中下車したら、駅近くの車庫でこの装いのバスを目撃したものでした。

このバスの様子を伺うと、比較的至近の時間に近場の熱海後楽園へ向かうバスに充当される様子でしたので、熱海では特に先を急ぐ状況でもなかった事もあり、少し時間を確保して熱海後楽園まで乗車したものでした。

このレトロバスは最新型車両を旧塗装で導入した訳ではなく、また特定の年式・車種を選定した訳でもありませんので、以前大場でレトロバスを目撃した際は中型車だったものの、今回熱海で乗車した車両は日産ディーゼル製の大型車でした。

それも西武バスから移籍した車両で、座席を増設しているものの西武時代の雰囲気を随所に感じる車両でしたが、地方ではまだまだ普通に走っている年式とはいえ、大都市圏の排ガス規制区域からは既に姿を消し、PASMO取扱車にしては結構古参の部類(平成4年式)に入る車両というのも注目点と言えます。

旧年式大型車が好きなMAKIKYUとしては、PASMOで乗車(バス共通カードを買い貯めしていますので、7月まではバスでの使用機会は限られそうですが…)するバスにしては結構な当りと感じたもので、この手の特殊塗装車らしく車内にも過去のバス写真などが多数掲げられていましたので、特に古参バスが
好きでなくても楽しめのでは…と感じたものです。

また今回「レトロバス」に乗車した路線は、区間が短いだけあって所要15分程度、運賃も220円と手頃にレトロバスを楽しめたものでしたが、列車では幾度も通る熱海も、市街地へ足を伸ばす機会は皆無でしたので、起伏のある独特な雰囲気の熱海の街中の様子を眺めるにも最適で、「レトロバス」でなくても熱海で時間が空けば、手頃に乗車できる路線として良いのでは…と感じたものでした。

ただ熱海駅~熱海港・熱海後楽園間の路線は伊豆箱根バスと東海バスグループによる共同運行となっており、昼間は概ね交互での運行となっている様子でしたが、熱海駅の熱海後楽園行バス停にある時刻表には運行事業者がどちらか記されていない上に、PASMOは伊豆箱根バスの方でしか通用しません。

その上東海バスが駅前の案内所や車内などで発売している紙製回数券(案内所では20円券の綴りで200円という低額券もあります)は、逆に伊豆箱根バスで通用しないなど、乗車する便によって使用する乗車券を使い分けないといけない点は不便に感じたもので、PASMOを所持した東京方面からの不慣れな観光客が多い土地柄も考えると、乗車券類の相互利用が難しいのであれば、せめてどの会社が運行する便なのかを各バス停やHP(こちらも時刻掲載のみです)で明記して欲しいと感じたものでした。
(市街地にあるバス停では伊豆箱根・東海それぞれのポールが並んで立っている所もあり、全てのバス停で該当する事ではないのですが…)


JR東海 キヤ95系気動車に遭遇

2010-04-12 | 鉄道[東海]

   

今年春の青春18きっぷ有効期間最終日だった10日、MAKIKYUは身延線などの乗車に出向いていたのですが、その途中の沼津駅では、キヤ95系と呼ばれる車両に遭遇したものでした。

キヤ95系はJR東海が導入した検測用車両で、1996年に登場してからJR東海各線をはじめ、一部の乗り入れ線区などでも軌道や電気関係の検測を行っています。

その後近年もう1編成が増備され、現在2編成が活躍しているとはいえ、非営業用の検測用車両故に運用区間が幅広く、運転日も不定期という事もあって、神出鬼没の車両と言えます。

こんな車両ですので遭遇機会は限られ、MAKIKYUも車両の存在自体は知っていたものの、姿をじっくりと眺める機会は今までなく、先日沼津駅で偶然発見した際に、初めて実車の全貌を確認したものでしたが、ホームから離れた奥の方にある側線に停車していましたので、車内の様子などを覗く事が叶わないのは少々残念でした。

MAKIKYUはこの様な検測用車両には、JRでは西日本のキヤ141系と2回ほどすれ違った事がありますが、この時は単線区間で対向列車乗車中の行き違いだった事もあって、その姿をじっくりと観察する事は叶わない状況でしたので、JRの検測用車両をじっくりと観察するのは先日が初めてでした。
(私鉄であれば小田急のクヤ31号「テクノインスペクター」に遭遇し、その際の様子を「MAKIKYUのページ」記事(該当記事はこちらをクリック)として取り上げた事もあるのですが…)

このキヤ95系は形式名の通り気動車で、広域にわたって様々な特性の路線を運行するJRらしいと言え、デザインも機能本位のシンプルな印象であるものの、黄色1色に塗られた前面はインパクトが強いと感じたものです。

またキヤ95系は3両で1編成を構成しているのですが、MAKIKYUが遭遇したDR1編成は片方の先頭車に架線検測用のパンタグラフを1基装備していますので、見た目は電車かと錯覚しそうな雰囲気があります。

3両編成だけあって中間車も存在するのですが、この中間車は日本の気動車にしては珍しい付随車(エンジンを搭載しない車両で、現在メジャーな存在と言える車両は、JR北海道の札沼線で活躍するキサハ144形程度です)となっており、しかも検測用車両だけあって「キサヤ」という聞き慣れない形式となっています。

その上この「キサヤ」は軌道検測用台車を装備しているために、機関車の如く1両に3つの台車を装備しており、如何にも奇妙な風貌となっていますので、非常に目立つ存在と言えます。

こんな車両ですので、非営業用の検測用車両で乗車機会はまずないとはいえ、見るからに異様な雰囲気を放つ風貌は興味をそそるものですが、JRでは東海以外の他社でも、先述のキヤ141系などの同種車両が存在しますので、他の検測用車両をじっくりと眺める機会も…と感じたものでした。
(出来る事なら運行中に乗車できれば尚更ですが、さすがにそこまで望むのはまず不可能ですので…)


東京モノレール・列車代行バスに乗車~運転本数は限られるものの…

2010-04-10 | バス[首都圏]

   
 

今日は今年春の青春18きっぷ有効期間最終日で、MAKIKYUはまだ手元に1回分が未使用だった青春18きっぷがありましたので、この1回分を使用して身延線などに乗車したのですが、その後夜に都心へ戻った後は青春18きっぷが通用するJR線以外に、東京モノレールにも乗車する機会がありました。

東京モノレールは今日、午後から羽田空港の国際線新ターミナル駅(天空橋~新整備場間)建設に伴う線路切替を行うため、昭和島以南の区間で列車を運休し、他鉄道(京急など)に振替乗車を行うと共に、運休区間でバスによる代行輸送を行う事は、以前から様々な所で告知していましたので、ご存知の方も多いかと思います。

MAKIKYUが東京モノレールに乗車したのは20時過ぎで、今日は浜松町~天空橋間での利用でしたので、線路切替工事による運休対象区間が含まれています。

同区間は都営浅草線(大門)~京急線経由などでの振替乗車も可能でしたが、振替乗車ルートは普段でもその気になれば乗れるのに対し、代行輸送は滅多に体験できないという事もあり、モノレールと代行バスを乗り継ぐ行程を選択したものでした。

今回の東京モノレール代行輸送においては、代行バスが単純に列車運休区間各駅を結ぶ運行形態ではなく、運休区間の一つ手前にある流通センター駅を起点に循環するルートと、京急の駅と整備場を結ぶ2ルートの3ルートで運行されたのが大きな特徴です。

MAKIKYUはその内前者の代行バスに、流通センター駅→天空橋駅間で乗車したのですが、この代行バスは今回の代行輸送におけるメインルートともいえる存在で、流通センター駅を出るといきなり羽田空港へ向かい、第2・第1両ターミナルに停車した後、新整備場を経て天空橋駅に到達(その後昭和島駅を経て流通センター駅へ)しますので、普段ならモノレールで3駅の流通センター~天空橋間は、夜間で道路が空いていたにも関わらず、40分以上の時間を要したものでした。

昭和島以南の区間を利用する乗客の大半は航空旅客と空港関係者で、都心方面~羽田空港間は鉄道による振替輸送も行われた事から、この代行バスは30分毎と、都内にしては閑散ダイヤでの運行でした。

代行バスの利用区間によっては、MAKIKYUの様に通常より所要時間が大幅に長くなる事から、利用客はごく僅かな途中駅間の利用者を除くと、運休を知らずに乗車した乗客の救済と、物好き以外は殆ど…という雰囲気でした。

そのため代行バスは座席が埋まるかどうかという程度の乗客数で、浜松町から乗車したモノレールの乗客も、大半は天王洲アイルで下車している状況でしたので、MAKIKYUが乗車した夜の時間帯においては、振替輸送を確保しておけば土曜日だけあり、この程度の代行輸送でも充分と言う事を実証していた様にも感じたものでした。

ちなみに今回の代行輸送は、MAKIKYUが乗車した流通センター駅発着の循環ルートをはじめ、整備場関連のピストン輸送も、見た限りでは京浜急行バス大森営業所のみ目撃していますが、土曜日である事や代行輸送の規模を考えると、同所だけでも充分と感じる雰囲気でした。

また代行輸送を行う各停留所では、東京モノレール係員が案内と運賃収受を行っていたものの、代行バス自体には東京モノレール係員は乗務せず、運賃収受こそ行わない(運賃箱の金庫もセットしない状況で運行)ものの、通常の路線バスと同様のワンマン運転を行っていたのも特徴でした。

写真は代行輸送として運行する京浜急行バスと、バス側面に貼られた経由地案内、今回の列車運休に関する告知です。

あとおまけとして普段ならまず有り得ない、普通昭和島行の表示ばかりが並ぶ浜松町駅の発車案内(しかも「羽田空港へは品川駅から京急線をご利用下さい」という、いつもこんな案内を流したら京急が大喜びしそうな内容の案内も出ていました)と、代行バス乗車途中に目撃した線路切替工事の様子を捉えた写真も公開しておきます。


非電化線区を走行するライナー列車「ホームライナー太多」

2010-04-07 | 鉄道[東海]

数日前MAKIKYUは青春18きっぷを利用し、関西方面へ出向く機会があったのですが、その際には途中で以前から気になっていた列車の一つでもあった「ホームライナー太多」号に乗車する機会がありました。

この列車は名古屋~美濃大田間を多治見廻り(中央本線・太多線経由)で運行しており、中央本線と太多線に跨って運行される唯一の定期列車で、非電化線区を走る数少ないライナー列車としても知られていますが、ライナー列車の特性上休日運休(名古屋発は土曜日も)となっています。

ダイヤは名古屋郊外の居住者向けに設定されているため、下り列車(美濃太田行)の太多線内はとても余所者が使える運行時間帯ではないものの、上り列車(名古屋行)は現行ダイヤでは下り「ムーンライトながら」号から普通列車を介し、乗り継ぐのに丁度良いダイヤとなっています。

そのため中京圏外の居住者でもその気になれば比較的容易に乗車でき、MAKIKYUが乗車したのも当然上り列車の方で、MAKIKYUが美濃太田へ向かう際には岐阜廻り(高山本線経由)のルートを利用したのですが、このルートだと美濃太田での乗継時間が3分と短く、この短い乗継時間でライナー券を購入(グリーン車[指定席で青春18きっぷでの利用は不可能です]以外は、事前に岐阜などの他駅でライナー券を購入する事も出来ません)して別のホームへ移動しなければなりません。

「ムーンライトながら」号から乗り継ぐ場合は多治見廻りの方が早く美濃太田入りが可能ですが、これだと来た道を返すという事で面白みに欠けると感じてしまいますので、好みが分かれる所ですが、始発の美濃太田から全区間の乗車に拘らなければ、名鉄で犬山を経て新可児へ抜けるルートなども使えます。


車両はワイドビューひだ・南紀号で使用されるキハ85形を用いており、何度か高山本線や紀勢本線を利用した事があるとはいえ、これらの路線に乗車する際は専ら青春18きっぷを利用し、普通列車に乗車しているMAKIKYUは、キハ85形の姿は幾度となく見ているものの、実際に乗車したのは初めてという有様でした。

列車名も特急運用時は、先頭部はイラスト入りで名称が標記された幕が出てくるのですが、「ホームライナー太多」号では専用の幕は用意されず、単に黒字に白文字でホームライナーと表示されているだけなのは少々味気ないもの(側面もホームライナー表示のみで行先表示なし)で、車内のLED案内表示装置も列車名や駅名表示は無表示での運行という有様でした。
(余談ながらライナー列車でもJR東日本の「湘南ライナー」などは、ライナー専用のイラスト入り字幕が用意されています)

編成は5両での運行となっており、朝ラッシュ時間帯には10両編成の列車が次々と走り、中京圏屈指の混雑線区としても知られる中央本線では極めて短い部類に入りますが、それでも太多線内ではホーム長さが足りずに一部駅でドアカット(一部号車のドアを締切)している有様でしたので、太多線内の設備を考えるとこれ以上の編成で走らせる事は厳しいと言えます。

5両の中で多治見寄りの1両はグリーン車となっており、残りの4両は普通車、車内はワイドビューを名乗る車両だけに座席が段上げされており、一部車両の車端にある車椅子対応座席だけ段上げされていない点は特徴的です。

 
車内を見渡すと、天井などは東海道新幹線の300系を連想させられるものがあり、普通車は全体的に落ち着いた雰囲気の車両が殆どを占めていましたが、MAKIKYUが乗車した1両だけはやや派手な雰囲気となっており、また乗車した編成には連結されていなかったものの、キハ85形普通車の中には赤系統の座席モケットを採用し、更に派手な印象を受ける車両も存在しています。


多治見方先頭のグリーン車は非貫通型となっているために、編成の両端で先頭形状が異なるのも特徴で、グリーン車は2+1列の豪華な設備を誇っています。

しかしグリーン車は割高なグリーン料金を要するだけに、列車の特性上利用率は悪く、美濃太田出発時点では乗客の姿は皆無、多治見駅停車時点でも数名乗客の姿が目撃できる程度でしたので、「ホームライナー太多」号に必須の設備とは言い難いものです。


これなら普通車を増やすか、グリーン車なしの4両で運行して太多線内ドアカットを解消した方が…とも感じてしまいますが、「ホームライナー太多」号自体が特急(ワイドビュー)ひだ号の間合いで走らせている事や、運転台付き車両を確保する事を考えると、グリーン車を外すのは厳しいかと思いますので、ライナー向けに普通車より少し割増した程度の料金で利用できるようにするなど、空気を運ぶよりはもう少し利用促進を考えても…と感じたものでした。

ちなみに上り「ホームライナー太多」号は美濃太田を出発すると、多治見までの太多線内は各駅に停車し、多治見から先の中央線内は、名古屋市内の大曽根までノンストップの運転形態となっています。

太多線は一応名古屋の通勤圏に含まれるとはいえ、非電化単線で普通列車のみのローカル線ですので、行き違い設備すらないホーム1本の無人駅も存在し、こんな駅に5両編成の特急車両が停車するのは、場違いな雰囲気を感じてしまいます。

この様な駅では当然乗車前にライナー券を購入するのは不可能な事もあり、4両の普通車は指定席と自由席に分かれており、座席の確保が保障されないとは言え、「ホームライナー太多」号では乗車後に車内でライナー券を購入する事も可能です。

この点は首都圏のライナー列車などとは異なる特色と言え、車内では無人駅からの乗客向けに「**駅からご乗車のお客様は、○号車△番~□番の座席に…」といった案内もありましたので、無人駅向けの座席枠も存在している様です。

太多線内各駅に停車して多治見に到着した後は、ここで進行方向が変わる事もあって7分も停車するのですが、座席は回転可能なものの、美濃太田出発時点で逆向きとなっており、太多線内からの乗客は殆どがそのまま座っていましたので、折り返しの際に座席の向きを変える乗客は少なく、乗り慣れた乗客が殆どと言う雰囲気を感じたものでした。

多治見での停車時間の間には、名古屋方面への快速列車が先発し、こちらに乗り継ぐ方が名古屋市内への到着は早く、この様なダイヤ設定を見ると「ホームライナー太多」号は速達性を考慮していない列車である事が明確と言えます。


快速は10両編成にも関わらずかなりの混雑で、MAKIKYUもこんな列車には乗りたくないと感じる状況でしたので、多治見からもライナー券を購入して「ホームライナー太多」号に乗車する乗客の姿が多く目に付いたものです。

多治見を過ぎて中央本線に入るとライナー券の拝見があり、愛知県内に入って高蔵寺を過ぎると、多治見を先発した快速列車と「ホームライナー太多」号の間に普通列車が割り込みます。

普通列車は名古屋まで「ホームライナー太多」号より先着するダイヤとなっている事もあり、混雑とは無縁の空間でゆったりと過ごせるものの、この列車に前方を押さえられてノロノロ運転が続きますので、ライナー料金は完全に設備料金と感じさせられるものです。

そして名古屋市内に入ると、大曽根や千種で下車する乗客の姿も目立ち、名古屋到着時には座席の半分以上が空席という状況でしたが、編成が短い事もあってか多治見~大曽根間では結構な盛況ぶりで、行き違い設備すらないホーム1本の無人駅にも停車し、5両編成ですらドアカットを行わなければならない駅に停車する列車らしくない気もしますが、多治見からも多数の乗客が乗車した状況を見ると、中央本線が中京圏屈指の混雑線区と言われるだけあると感じたものでした。

またMAKIKYUは「ホームライナー太多」号でキハ85形気動車にも初めて乗車したのですが、普通車は310円のライナー料金さえ支払えば、美濃太田~名古屋間の1時間半近い時間、割安な青春18きっぷを利用して乗車する事も可能で、中央本線内の多治見~名古屋間でも、内外装の色彩などが通常車両と異なる程度の3ドア近郊型車両に同じ310円を払うよりは、ずっと乗り得と感じるものです。

非電化単線の太多線内を各駅に停車し、中央本線では前方を走る列車の続行で走るダイヤでは、車体傾斜を装備していない気動車の中では国内屈指の性能を誇るキハ85形の高速性を体感するのは不可能です。

休日運休という運転日の制約もありますが、キハ85形へのお試し乗車にも丁度良いのでは…と感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も興味がありましたら、是非一度「ホームライナー太多」号に乗車してみては如何でしょうか?


小田急2000形・袖仕切り交換車両に乗車

2010-04-05 | 小田急グループ

数日前MAKIKYUは青春18きっぷを使用し、18きっぷ利用者の間では定番とも言える全車指定席制の臨時快速「ムーンライトながら」号に乗車する機会がありました。

下りの「ムーンライトながら」号は、以前横浜辺りで日付が変わる時刻設定だった事もあるものの、現在は東京から結構離れた小田原が日付変更後最初の停車駅となっており、東京や横浜辺りから小田原まで普通乗車券を用意し、小田原から青春18きっぷを使い始める場合でも、結構な出費を強いられる事になります。

そのため比較的運賃が安い小田急線で小田原まで先回りし、小田原駅で「ムーンライトながら」号を待つ乗客の姿が多く見られるものです。


MAKIKYUも「ムーンライトながら」号を利用する際には、小田急線で小田原まで移動する事が多く、先日も小田急線ルートを利用したのですが、その際に幾つか乗車した車両の中には、2000形と呼ばれる車両にも乗車したものでした。
(余談ながら現在2000形は、基本的に小田原駅まで運行する列車には充当されませんので、当然ながら小田原線途中駅間での乗車です)

同形はほぼ各駅停車専用(各停同然の区間準急も含めて)の車両と言っても過言ではなく、8両固定編成が9本存在するのみ、運行区間も限られる上にデザイン的には1000形と大差ない事もあって、意外と注目される事は少なく、小田急線を走る各形式の中では比較的地味な存在と言えます。

ただ1000形とデザインは良く似ていても、1600mmのドア幅や行先表示にLEDを用いているなどの差異があり、小田急の通勤型車両では初めて電気指令式ブレーキを採用している事も大きな特徴となっています。

初期編成の登場時にはまだ珍しかったIGBT使用のVVVFインバーター制御車で、起動時の走行音が製造初年の割に比較的静かな事や、暖色系ながらも爽やかさを感じさせる内装などを見ると、製造初年から15年も経た車両とは思えず、むしろ近年の低コスト型車両よりも出来栄えが良いのでは…と感じる程ですので、小田急線をご贔屓とするMAKIKYUにとっても好感度の高い車両の一つです。

8両編成のみで比較的用途が限られる事や、まだ更新時期に達していない事もあって、製造当初からの動きも少なく、通勤型車両各形式を対象としたパンタグラフのシングルアーム化や、小田急グループのブランドマーク貼り付けを別とすると目だった動きは乏しく、初期編成の登場時ドア上に設置されていた地図式の案内表示器が撤去された事や、行先表示LEDの経年劣化に伴うフルカラーLEDへの交換などが、他形式に比べて少ない2000形の変更点と言えます。


しかしながら先日2054Fに乗車した際には、初期編成ではない事もあって上記の動きはないものの、座席脇の袖仕切りが大型化されたものに交換されており、月に1~2回程度小田急線を利用するMAKIKYUも、これは初めて見かけたものですので、少々驚いたものでした。

座席脇の袖仕切り大型化は、近年の首都圏通勤型電車における流行となっており、首都圏各者の新形式ではこの傾向が強く見られ、既存車両でも更新工事と共に交換される事はよくある事です。

また京王8000系の様に更新工事を行わなくても、座席脇の袖仕切りを大型化する事例が存在する事や、JRにおいて既存袖仕切りに加えて透明の仕切りを追設した車両が多数見受けられる事などを考えると、小田急線で同様の動きが出る事自体は特に不思議とは言えません。


しかしながら近年大々的な更新工事が施行され、下回りの交換と共に内装の大刷新まで行われた8000形ですら、袖仕切りは金属製パイプのみという状況の中で、大型ではないもののそれなりの仕切りがある2000形が、袖仕切りだけ大型化したモノに交換されたのは少々不思議に感じたものです。

この袖仕切り大型化は試行的に施行したものなのか、それとも今後2000形他編成(先日目撃した限りでは。LED行先表示がフルカラー化されている2052Fでも袖仕切りは既存タイプでした)や、2000形以前の既存通勤型各形式にも取り入れられるのかも気になる所です。

写真は袖仕切りが大型化された2054F車内の様子と、同編成の外観(以前撮影したもので、先日乗車した際の写真ではありません)です。