数日前MAKIKYUは所用で首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)へ出向く機会があったのですが、その際には所用ついでに7月開業予定の成田スカイアクセス(京成成田空港線)の試運転を視察してきました。
成田スカイアクセスの試運転は、7月開業予定の印旛日本医大~(成田)空港第2ビル間だけでなく、既存の「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)区間にも跨って行われています。
そのためMAKIKYUが利用した北総監獄内の「開発を止めた某鉄道」の駅においても、試運転列車の運行を行っている旨を伝える案内放送が時折流れる状況で、実際にホームで列車を待っている間にも、試運転列車の姿を見かける程でした。
試運転列車の運行は、主に営業列車の運転本数が少ない昼間に行われる事もあって、この時間帯は試運転列車の姿が非常に目立ったものです。
特に既存営業区間の末端1駅間は、営業列車の運転本数が限られる事(時間によっては40分程運転間隔が開きます)もあって、もしかしたら試運転列車の運転本数の方が多いのでは…と感じた程で、「余りに高過ぎる運賃を取りながらこの程度のサービス」と思われる方も多いかと思いますが、これだけ試運転列車を走らせる余裕があるのなら、もう少し営業列車の本数を増やして欲しいといった意見・要望が出てこないのか気になったものです。
ちなみに先日成田スカイアクセスの試運転を目撃した際には、成田スカイアクセスの大目玉と言える新型AE車(座席指定制の有料特急で使用)の姿は目撃できず、既存の京成電鉄新型通勤電車・3000形を少し手直しした程度の空港アクセス用車両・3050形の姿ばかりが目に付きました。
試運転列車はLEDによる試運転表示以外に、「試運転」と書かれた紙を何枚もガラスに貼り付けていたのが印象的で、3050形の他に3000形6両編成の稼動も目撃していますが、こちらは成田スカイアクセスの新規開業区間営業運転開始後にも出番があるのか気になる所です。
先日の試運転における主役ともいえる3050形は、外観や座席モケットなどに多数の飛行機のイラストが描かれ、飛行機が好きでない人間にとっては余り有難くない雰囲気を放っているのが特徴ですが、フルカラーLEDによる行先表示や車内LCDモニターなどは、新型AE車と共に京成電鉄初登場(他社からの乗り入れ車両を除く)になります。
とはいえフルカラーLEDによる行先表示や、車内LCDモニターなどは他の大手私鉄などでは既に数年前から導入されているものですので、京成ではようやく…といったところで、それ以外は3000形と大差ない車両ですので、余り新鮮味を感じる車両ではないと感じたものです。
またMAKIKYUが成田スカイアクセスの試運転を視察した日は丁度休日で、「「開発を止めた某鉄道」では発売期間・発売日を限定した1日乗車券(さわやかきっぷ)が発売されていたことから、辺境を走る鉄道の末端駅で「村」から「市」になったばかり、大した見所もない上に運賃が高過ぎて容易に近づけない印旛日本医大駅も、久々に視察して来ました。
この駅は成田空港方に新線が敷設されると共に、引き上げ線も2線出来るなど、特徴的な駅舎が特徴の駅自体はさほど変化がないものの、成田空港方を見渡すと随分変わったものと感じたものです。
そして印旛日本医大駅以東の新線は、軌道や架線の構造が素人目にも「開発を止めた某鉄道」の既存区間とは大きく異なる事が一目で分かる程違うものとなっており、駅にある制限速度標識と共に、新型AE車が160km/hで走行予定の区間である事を強く感じたものです。
しかしながらこの区間でも、通勤型車両は120km/hでの運行予定となっており、標準軌(軌道幅1435mm)にも関わらず、通勤型車両による一般列車は「つくばエクスプレスより遅いのに運賃は高い」という状況が不可避の様ですが、京成電鉄や「開発を止めた某鉄道」の通勤型車両の中には、標準軌の大手私鉄車両にしては高速域での性能が芳しくない車両が混在していますので、120km/hでの運転すらまともに出来るのだろうかと気になったものです。
成田スカイアクセスは7月の開業を前に、もう間もなくダイヤの発表なども行われ、大手私鉄一の俊足を誇る新型AE車の営業開始などは期待したいものですが、一方で余りに高過ぎる「開発を止めた某鉄道」の運賃は、通学定期を除くと僅かに値下げされる程度に留まりますので、公共交通不毛の地と言える北総監獄の惨状は相変わらずという事になります。
そのためMAKIKYUには余り縁のない話とはいえ、首都圏各地~成田空港間を成田スカイアクセス経由で移動し、航空機で海外へ飛び立つ方々からは、こんな所は足早に通り過ぎたいという衝動に駆られ、途中下車して寄り道する気は起きないでしょうし、ましてや北総監獄に身を置く事など以ての外と感じてしまうのは、成田スカイアクセスが開業しても相変わらずだろうと感じてしまったものでした。
それにしてもつい数年前は気配すらなかった成田スカイアクセスも、あっという間にその姿を現すとは、辺境の地と言える北総監獄とその周辺地域らしいもので、一部で提唱されている都営浅草線の別線建設による空港間速達化などは、もし実現するとしても成田スカイアクセスとは比べ物にならない労力を要するだろうと感じたものです。
また成田スカイアクセス開業によって、趣味的な楽しみは増えますが、空を飛ぶ(航空機に搭乗する)のが駄目なMAKIKYUとしては、実用面では使い物にならない路線が一つ増えるだけと感じる面もあり、同感と感じる方も居られるかと思います。
日本から海外へのアクセス強化も航空利用者向けばかりでなく、船便利用者向けにもっと良いアクセス(日本国内で船舶利用者の出入国者数が最も多く、MAKIKYUが海外旅行の際に出入国で最もよく利用している博多港ですら、公共交通の便は西鉄の路線バスのみです)が出来ないのかとも感じてしまったものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何お考えでしょうか?