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大邱南部ターミナルと発着するローカルバス~現在路線は換乗センター発着に

2016-12-25 | バス[大韓民国]

今月13日に韓国・大邱(Daegu)では、基幹駅となっている東大邱(Dong-Daegu)駅に隣接して東大邱駅複合換乗センター[동대구역복합환승센터]が開業、日本ではまだ情報も余り出回っていませんが、韓国のニュース記事などでは盛んに取り上げられ、個人ブログなどでの情報も散見する様になっています。

この換乗センター開業に伴い、東大邱駅周辺に点在していた幾つもの小規模な高速バスターミナルと東部市外バスターミナル、そしてこれらとは少し離れた所に位置していた南部市外バスターミナルが統合移転しています。

MAKIKYUも以前東大邱駅前の高速バスターミナルから錦湖高速の高速バスに乗車した事がある他、先月の訪韓時には南部市外バスターミナルに足を運び、南部ターミナル発着のバスに乗車する機会もありました。


南部市外バスターミナルは大邱市内に幾つも存在する市外バスターミナルの中では最も小規模、地下鉄2号線の駅から徒歩でもすぐに移動できる大通りに面していながらも、ターミナル内だけ時が止まっているのでは…と感じる古風な雰囲気の漂うターミナルで、市外バスは慶山(Gyongsan)バスが運行する清道(Cheongdo)などへ向かう路線が発着していました。


発着路線数や便数は少なくターミナル内は閑散としており、閉鎖が近かった事もあってか、化粧室の個室内にトイレットペーパーが用意されていない有様だったのは閉口したものでしたが、待合室座席の中には優等高速バスの廃車発生品と思われるものも鎮座しており、これは結構印象的でした。

慶山バスの使用車両は、市外バスでも市内座席バスに近い雰囲気の車両ばかりを用いており、市外バスでは高速バスと大差ない雰囲気の車両が多い今日では、非常に際立つ存在と言っても過言ではない状況です。

 
ターミナル内では現代・大宇双方の車両を見る事ができ、その中でも現代車はNEW SUPER AERO CITYよりも車長が短いGREENCITYも停車、この車両は趣味的に注目の車両が多い慶山バス市外バス車両の中でも特にローカルムードが強く、注目の存在と感じたものでした。

また南部ターミナル内には慶山バスが運行する市外バスだけでなく、清道郡の郡内バスも1日9本程度乗り入れ、このバスは清道郡の豊角(Punggak)との間を結んでいました。
(この路線は現在換乗センター発着に変更)


このバスは現代製のGREENCITYが用いられており、大型の市内バス車両が多数行き交う大邱市内において、郡部から細々と乗り入れる小柄なバスは一際目立つ存在と感じ、路線的にも気になりましたので、南部ターミナル→豊角でこのバスにも乗車したものでした。

南部ターミナル~豊角間は、慶山バスも慶山・清道経由で運行する市外バスを運行していましたが、清道郡の郡内バスはほぼストレートに南下するのに対し、慶山バスの市外バスはコの字型に大回りする運行形態となっていました。

そのため市外バスよりも郡内バスの方が所要時間も短く、運賃も安いという奇妙な状況になっているのも大きな特徴で、市外バスの方は全線通しよりも専ら区間利用向けと言った印象を受けたものでした。


そして郡内バスで南部ターミナルから1時間強の豊角は、小規模なバスターミナルがある片田舎、外国人が足を運ぶ機会は余りなさそうな所という雰囲気で、このターミナルを起点に運行する郡内バスが幾つか存在する他、清道ターミナル(清道駅とは徒歩2分程度の距離)との間を結ぶ郡内バスも発着、この区間は先述の市外バスとほぼ重複する運行形態となっています。


MAKIKYUが豊角に足を運んだ際には、その後清道へ移動し、清道駅から釜山市内まで列車(ムグンファ号)に乗車→釜山港から高速船で帰国したものですが、豊角~清道の郡内バスでは南部ターミナル→豊角間で乗車した車両と同タイプが活躍していました。

豊角発の清道・慶山経由南部ターミナル行市外バス(慶山バス運行)も、MAKIKYUの訪問時には市内バスに近接する時間の運行便があり、南部ターミナルから乗車したバスと違う車両に乗車した方が面白そうという事で、豊角→清道では郡内バスを見送り、その後を運行する市外バスに乗車したものでした。


これも本当はGREENCITYが充当されれば最高と思っていましたが、乗車便は残念ながら大宇の大型新鋭車両でした。


市外バスは停車停留所が少なく、市内バスに近い雰囲気の車両ながらも2+2列のリクライニングシート装備車という事もあり、郡内バスよりは少々割高な運賃設定になっています。


市内バスで一般バス(立席バス)を見送って座席バスに乗車する様な感覚ですが、それでも豊角のターミナルで購入した市外バス乗車券(他でまとめて発券した乗車券を手売りで発売・発券日は9月1日の模様)は1500Wでした。

韓国ではバス運賃の値上げが相次ぎ、日韓の物価差を考慮したとしても、20分程度の乗車で割高なバスの運賃が日本の初乗り程度の現状は、バス運賃に関してはまだまだ割安、運賃が次々と上昇し市内でもワンコイン突破は当たり前の日本の地方バスとは大違いと感じたものでしたが、韓国の地方は足を運んだ事がない土地も無数に存在しますので、機会があれば他も色々訪問できれば…とも感じたものでした。


韓国で活躍し始めた2階建てバス~広域急行路線で活躍する輸入車両

2016-12-09 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、「韓国まで行く足の一つ」でもある西日本鉄道の2両連接バス「Fukuoka BRT」に関して取り上げましたが、九州とは玄界灘を挟み対岸の大韓民国(韓国)でも、以前試行的に2両連接バスが導入され、ソウル市内などで運行していた事がありました。

しかしながら韓国では2両連接バスは定着せず、短期間の運行で終焉を迎えてしまったのは残念な限りですが、鉄道路線網がまだまだと言う状況で公共交通におけるバスの比重がかなり高い土地柄もあってか、日本とは比べ物にならない程多数のバスが運行する「バス大国」となっており、バスでの旅客輸送の需要も日本とは比べ物にならない程多く存在しています。

韓国の国産バス車両は平屋の単車ばかりですが、シティーツアーなどでは既に2階建てバスの活躍が散発的に見受けられ、今夏には市内バスでも一部路線で運行を開始、この2階建てバスは韓国バスファンの間でも大きな注目を集めています。

現段階での韓国市内バスにおける2階建てバスの導入は、首都圏(ソウルとその周辺)が大半を占めており、他は釜山の1路線で1台が活躍する程度です。

首都圏では幾つか存在する2階建てバス運行路線の中でも、最も稼働台数が多いのはソウル市内の光化門(Gwanghwamun)~ソウル市の西郊に位置する金浦(Gimpo)市の漢江新都市を結ぶ8601番の広域急行バスで、この路線では現在4台が稼働、運行開始から日が浅い事もあり、車両の2階前部「慶 祝」と한글で記された掲示も見受けられたものでした。


8601番の終点は、この路線をはじめ金浦市内のバス路線を多数運行する金浦運輸の車庫になっており、仁川(Incheon)広域市との境界近くに位置、外国人特に旅行者は余り足を運ぶ機会のない所ですが、仁川市内在住の知人同行でこの車庫へ出向き、知人が会社側の許可を得て車庫内での車両を撮影する事もできました。


2階建てバスは昼間時間帯の運行がなく、朝夕の繁忙時間帯に重点運行しており、8601番でも大半の便は平屋車両で運行、こちらは最近数を増やしている現代UNICITYが多数活躍しています。

8601番で活躍する2階建てバスはVOLVO製で、欧州製なのかそれとも中国製なのか気になったものでしたが、同行した知人に尋ねたら中華圏でも大陸本土ではなく、台湾島で製造された車両との事でした。


台湾島で製造された車両と言う事もあってか、車体後部にはパンダのイラストと共に「祝您身体健康,万事如意」という漢字表記と、ピンイン(ローマ字)・한글での読み仮名(zhu nin shen ti jang kang  wan shi ru yi/쭈닌센티지엔캉 완쇠루이)が記されていたのも印象的でした。


MAKIKYUが金浦市内の車庫で2階建てバスを撮影した際には、14時過ぎと言う事もあり4台全てが車庫内にいる状況で、各車両共に車型は同型でしたが、前面のVOLVOマークは複数のバリエーションが存在しているのも特徴と感じたものでした。


またこの車庫内で管轄するG6000番でも2階建てバスが活躍、こちらは車庫が起終点ではなく金浦市内の起終点~車庫間は回送運行する路線ですが、京畿道広域急行バス標準塗装の8601番とは異なる装いの2階建てバスを見る事も出来ました。


そして15時台になると、車庫から出庫してソウル市内へ向かう8601番で2階建てバスが実車運行開始、同行した知人と共に2階建てバスに乗車して光化門へ向かったものでしたが、車内の1F~2F間を結ぶ階段が2箇所設けられていたのも大きな特徴と感じたものでした。


車内の座席は、韓国のバスでは一般的なビニール張りとなっており、SUIJIN GROUP(金浦運輸が属するグループ)という名称とロゴが記されているのも特徴、窓下化粧板も柄入りで少々高級感があると感じたものでした。

ちなみに8601番は郊外~都心部を乗り換えなしで直結、この路線は高速道路こそ経由しないものの、バイバス経由で速達運行を行っており、日本では同類の路線は少ないものの、韓国の首都圏では無数の路線が存在する広域急行バスの一つで、所要時間は片道1時間半程度、日本の路線バスなら長大路線の部類に入りますが、韓国では標準的なレベルの路線です。

   
車窓も金浦市内の開発から日が浅い団地群・漢江沿いのバイバス・ソウル市内のバス専用中央レーンなど、韓国の首都圏路線バスでは典型的な風景とも言える景観が拡がっていますが、平屋バスでは見慣れた感のある風景でも2階建て車両の上層階から眺めると、少し異なった趣があると感じたものでした。

韓国の首都圏では地下鉄・電鉄の新線も次々と開通、最近では軽電鉄も幾つか開業するなど、鉄軌道系交通機関も随分整備されてきた感がありますが、それでも都市圏人口や輸送需要などを踏まえると、まだまだ不充分と言わざるを得ない状況です。

既存路線も急行運転を行う路線が少ない、また乗り換えを好まない乗客が多く、日本のJR普通列車グリーン車や各種ライナー列車、私鉄有料特急の様な特別料金を徴収する着席サービスも限定的である上に、高速道路やバイパスが発達した土地柄と言う事もあり、広域急行バスの需要は相当なものとなっています。

都市近郊で比較的長距離を着席運行するバス路線のニーズが高く、また韓国でもバス乗務員確保の問題も生じている現状を考慮すると、着席大量輸送を少ない台数で実現する事は多大なメリットがあり、至る所でバスの台数が多過ぎて交通渋滞を引き起こす現状も踏まえると、今後多数の路線で2階建て車両導入が進行すれば…とも感じたものでした。

また韓国ではシティーツアーなどの観光バスに続き、広域急行バスでも2階建てバスが導入されたものの、バス大国だけあってこれまた相当数が走っている高速バスや市外バスなどの都市間バスでは2階建て車に遭遇した事がなく、こちらも今後2階建て車両の導入余地があるのでは…とも感じたものでした。


韓国内を走る中国製マイクロバス

2016-05-21 | バス[大韓民国]

3月に「MAKIKYUのページ」では、京都急行バス(プリンセスライン)で活躍する中国製電気バスに関する記事を公開しましたが、近年では日本国内だけでなく隣国・大韓民国(韓国)でも中国製バスが数を増やしています。


韓国で多数活躍しているのは大型電気バスではなく申龍(Ssangyong)製のマイクロバスで、MAKIKYUも昨年ソウル市内でマウルバスに乗車した際、この車両に乗車する機会がありました。

 
現代などの韓国メーカーが製造した車両とは、デザインなどは大きく異なるものの、ソウルの支線バスではお馴染みの黄緑1色の装いや、ビニール張りとなった座席モケットなどはソウルの支線バスでは典型的な仕様で、存在自体が非常に際立つ京都急行バスの電気バスなどに比べると、地味な存在と感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが乗車した路線は、ソウルメトロ3号線の弘済(Hongje)駅周辺を運行する「西大門08」番で、指導運転士が助士席で運転指導を行いながら、見習運転士が乗務するバスだった事も影響しているかもしれませんが、発進時の衝撃などが気になったものでした。

この申龍製マイクロバスは、ソウル市内のマウルバス以外でも韓国内の幾つかの路線で市内バスとして運行、また貸切車両として導入された事例も存在しています。

MAKIKYUが2014年に済州島へ足を運んだ際には、島内の有名な観光地の一つ・城山日出峯(Seongsan-Ilchulbong)の入場ゲート近くにある駐車場で、貸切車両として活躍する申龍製バスの姿を目撃しています。


用途が異なる事もありドア形状などが異なっている他、左右のミラーも中国のバスでよく見かける特徴的な形状となっており、マウルバス仕様の車両に比べると、中国のバスにより近い雰囲気と感じたもので、ハングル表記がなければ中国のバスと錯覚する程でした。

韓国は日本と異なり、中国大陸本土と同様の右側通行ですので、日本に比べて中国製バスの導入がより容易な環境とも言えますが、今後韓国や日本国内で中国製バスの導入事例が増えていくのか否かも気になる所です。

中国でも最近は大陸本土で製造した右ハンドル(左側通行車)が澳門で多数活躍、この車両を日本向けに仕様変更して導入する事業者が続出しても不思議ではない気もしますので…


済州島・西帰浦市を走る市内バス~運行地域は限られるものの…

2015-02-28 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国済州島・済州(Jeju)市を走る市内バスに関して取り上げましたが、済州島では済州市だけでなく、西帰浦(Seogwipo)市内でも市内バスが走っています。

西帰浦市内を走る市内バスは、旧市街や中文(Jungmun)地区、両者間を結ぶ路線などが存在しているものの、これらから離れた地区では専ら市外バスが地域の足を担っています。

旧市街~中文地区間の移動では、両者は速達便と緩行便の様な棲み分けがされており、市内バスを利用するのは大抵地元客、市外バス運行区間でわざわざ市内バスを利用する外国人観光客は少ないと思います。


ただ物好きのMAKIKYUは両者の乗り比べも兼ねて、昨年6月に済州島を訪問し中文地区→旧市街へ移動する際に、敢えて西帰浦市内バスに乗車したものでした。

西帰浦は地方都市と言う事もあり、車体長がやや短い大型ショート車が主流を占めており、MAKIKYUが西帰浦市内で乗車した市内バスは、全て大型ショート車でした。


その中でも中文地区→旧市街へ移動する際に乗車した市内バスは、市内バスにしては少々豪華な座席が装備されているのも特徴と感じたものでした。


済州島の路線バスは、市外バスや済州市内バスも含め、LCDモニターによる次停留所名案内装置が取り付けられていたのも有難いと感じたものでしたが、済州名物のオレンジを基調としたデザインも、土地柄が現れていて好感が持てると感じたものでした。


運賃箱も韓国の市内バスでよく見かけるただの箱ではなく新型運賃箱が装備され、済州島内を走る市外バスや済州市内バスと同様にT-moneyなどの全国交通カードにも対応、離島の地方都市ながらも侮れないと感じたものでした。
(済州島内の市外バスと済州市内バスの運賃箱は、ただの箱でした)


西帰浦市内バスは、この路線以外に旧市街でも乗車機会があり、こちらも大宇製の大型ショート車に当たったものでした。

年式こそ新旧が混在しているものの、西帰浦市内ではこの車種が最もよく見かける存在と言っても過言ではありません。


ただ中には韓国では比較的少数派の大宇製大型ワンステップ車(それでもバス大国の韓国だけあり、全国各地を探せば結構な数が走っています)の姿も見かけたもので、この車両は少々際立つ存在と感じたものでした。

 
現代製の市内バス車両も、乗車機会こそなかったものの、旧市外中心部では姿を散見し、済州市と同様に装いも色々…という状況でした。


また西帰浦市内では、幾つかの観光スポットを巡り、市内中心部ではオルレ市場と言う市場内も散策したものでした。

 
ここでは1時間程度適当にぶらりと市場内を散策しておやつなどを買い食い、地元民が仕込んでいたキムチのおすそ分けも頂く状況でした。

韓国へ足を運ぶと市内バス乗車と共に、現地人にとってはありふれた日常と感じる事も面白く、観光名所巡りだけでなく土地の日常を体感するのも一興と感じたものでした。


済州市内を走る市内バス~大宇製2段ステップ車が主力ながらも…

2015-02-23 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが昨年6月に韓国・済州島を訪問した際には、島内の移動手段として主に市外バスを利用し、島内各地を移動したものでしたが、済州(Jeju)・西帰浦(Seogwipo)の両市街地周辺では、市外バスの他に市内バスも運行しており、こちらにも乗車機会がありました。

済州市の市内バスは、市外バスと異なり前中扉車が用いられ、韓国の市内バスでは標準的な前乗り中降り、市外バスと同様にT-moneyなどの交通カード利用も可能となっています。

済州市中心部では、市外バスの停車停留所相互間であれば、市内区間のみで乗車する事も可能なものの、概ね市内バスの方が運賃が割安に設定されており、市内区間のみの利用で両者が併走する区間であれば市内バスの方が…という状況になっています。

MAKIKYUは済州港や新済州方面へ足を運ぶ際に、旧市街から市内バスを利用した程度ですが、路線によっては空港を経由するものもあり、外国人向けとは言い難い面もあるものの、空港~済州市内間の足としても利用されています。


車両は韓国の市内バスで典型的な、現代や大宇製の2段ステップ車が主流を占めており、市内バス用の車両は専ら前中扉車となっています。


市外バスと同様に大宇製の方が多い様に感じ、現代製はは比較的新しい車両しか目にしませんでしたが、三菱エアロスターを連想させるデザインの、比較的年式の古い車両も存在しているのか気になります。


済州島から離れ、木浦へ向かう高速船に乗船する前に、済州市内中心部からふ頭へ向かう市内バスに乗車した際には、大宇製ノンステップ車に当たり、2段ステップが主流ながらも、低床車も散見する状況でした。

 
近年韓国の市内バスでよく見られる、路線性質別の塗装統一は行われておらず、事業者によって塗装が異なる辺りは、日本の中堅事業者数社が路線バス運行を担う地方都市を連想させられたものでした。

市外バスと同一事業者が運行するバスの中には、市外バスと同様の塗装をしたバスも活躍しており、系統や扉数を別とすれば、これは市外バスと車両面では大差ない様にも見受けられたものでした。

また西帰浦市でも市内バスに乗車する機会がありましたが、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


済州の市外バスターミナル~都市規模の割には…

2015-01-07 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国・済州(Jeju)島を走る市外バスに関して取り上げましたが、この市外バスの運行拠点となっているのは、済州市にある済州市外バスターミナルで、ここは空港リムジンバスを除く済州市発着の市外バス各路線が発着します。

済州市は人口40万人を超えており、国際空港もあるなど、離島にしてはかなり大きな街ですので、この街を発着する都市間バスのターミナルというと、結構な規模が…と感じる方も居られるかもしれません。

しかしながら済州島は橋やトンネルなどで本土と直結しておらず、本土との往来は海を越えなければならない「非架橋離島」ですので、市外バスは全て島内のみで完結しています。


おまけに乗降可能停留所が限られている本土の市外バスと異なり、市内各地に市外バス停留所が設けられている事もあってか、街の規模が大きい割にはバスターミナルの規模は小さく、本土の「郡」クラスの規模と言っても過言ではありません。


済州市外バスターミナルの立地も、旧市街の外れに位置し、旧市街中心部から済州市のもう一つの繁華街になっている新済州地区や、空港へ向かう途中と言う、やや中途半端な所にありますので、路線によっては旧市街中心部での乗降可能な事も考慮すると、わざわざターミナルまで出て来て市外バスに…という事も、市外バスターミナルが振るわない要因かもしれません。

とはいえバス大国の韓国だけあり、日本の地方都市にあるバスターミナルと比べれば、規模的にはそこそこと言えるのですが、済州島と比較される事が多い沖縄本島の那覇バスターミナルに比べると…と言った所です。

那覇バスターミナルは乗り場数が多いだけでなく、ターミナル内に多数のバスが停車・待機している事で、規模が大きく見えるのでは…とも感じますが、済州バスターミナルの場合はターミナル内ではなく、至近(徒歩5分圏内)に幾つものバス事業者が車庫を構えており、バス車庫の隣は別事業者の車庫と言う状況になっています。

この済州バスターミナルは、規模こそさほど大きくないとは言えども、ターミナル内でも軽食店舗などが幾つか営業しており、済州名物としても知られているコギククス(コギは肉、ククスは麺の事です)と呼ばれる、豚骨スープにバラ肉が入った麺料理(麺はそうめんの様な感じです)はターミナル内でも食す事が出来ます。
(ソウルや釜山など他地域では、コギククスを提供している食堂は済州料理を扱っている店など極一部に限られますが、済州では非常にメジャーな存在で、有名店も存在する他、島内各地でコギククスの標記を出した食堂を見かけます)


唐辛子の粉末がたっぷりと入り、キムチが添えられている事をはじめ、金属製の器や箸で提供される辺りも韓国的です。

コギククスはソウルや釜山でも余り見かけない程ですので、日本では韓国料理店でも見かける機会は…という状況ですので、好みが多少分かれるかとは思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も済州島へ足を運ぶ機会がありましたら、是非一度試食をおススメしたいと思います。


また済州市だけでなく、済州島第2の都市・西帰浦(Sogwipo)市にも市外バスターミナルがあり、以前は旧市街の中央ロータリー脇に位置していた様ですが、現在は旧市街と中文(Chungmun)地区のほぼ中間、ワールドカップスタジアムのすぐ脇に移転しています。


こちらは済州市外バスターミナル以上に小規模で、ワールドカップスタジアムへ足を運ぶか、市外バス同士を西帰浦で乗り継ぐ時以外は、観光客には余り用がなさそうな所で、周囲は飲食店なども少なく、ターミナル内は閑散とした印象を受けたものでした。


済州島を走る市外バス(2)~大型ショート車編

2015-01-04 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、済州島を走る市外バスに関して取り上げましたが、済州島の市外バスは、韓国他地域の市外バスでは比較的少数派の大型ショート車も多数活躍しています。
(ただバス大国の韓国ですので、探せば全羅道など地方を中心に走っており、比率は小さくても結構な数が活躍していると思います)


大型ショート車は700番や780番など、専ら大型車が運用される路線を除く市外バスで活躍しており、MAKIKYUが昨年6月に済州島を訪問した際には、済州~城山(Seongsan)港間の710番や、済州~南朝路(Namchoro)経由~西帰浦(Seogwipo)間の730番で乗車したものでした。

市外バスの中では運行本数が少なく、旅客需要も少なめの路線に充当されている傾向がありますが、少なくともMAKIKYUが乗車した2路線は、道路条件的には大型車でも特に問題ない様に感じたものでした。

特にJHフェリーの城山港入港時刻に近い710番は、フェリーからの乗継客などで立席客多数、乗りきれずに積み残しまで出している有様でしたので、状況に応じて大型車を充当しても…と感じたものでした。
(710番は便数も決して多いとは言い難く、1本逃がすと結構な待ち時間になりますので、大型車運行が難しければ増車なども検討余地ありかと思います)

 
ちなみに車両に関しては、4事業者による運行=4種類の塗装が存在する事や、現代製は比較的新しい車両しか目撃していない点など、大型車と同じ様な傾向がある様に見受けられたものでした。


またMAKIKYUが済州から730番の市外バスに乗車した際には、730番の途中停留所で一旦下車し、その後西帰浦へ向かう730番のバスに乗車したのですが、偶然にも2回の乗車は同一車両(写真)でした。


車内は韓国では典型的な雰囲気のビニール張りとなっており、市外バスと言うよりも座席バスと言った雰囲気ですが、1時間以上乗車しても最大運賃3300Wというのは、物価を考慮しても乗り得感があります。

済州の市外バスは韓国他地域の市外バス(基本的に乗車前に窓口か券売機で目的地までの乗車券を購入)とは異なり、車内精算制となっていますので、信用先払い(乗車時に行先を申告)で不慣れな外国人にはやや使い難い面もあるものの、市内座席バスに近い感覚で気軽に乗車でき、Tマネーなどの交通カードが通用するのも嬉しい所です。

一般路線車が好きなMAKIKYUとしては、余程の長時間乗車などでなければ、市内バス車種ベースの着席重視仕様車は歓迎で、この点でも済州の市外バスは趣味的に注目と感じたものでしたが、観光・高速系車種が好きな方にとっては…という面もあり、好みが分かれる所かと思います。

また730番市外バスに乗車し、途中停留所で下車した際には、この停留所近くにある某テーマパークに数時間滞在したのですが、このテーマパークに関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


済州島を走る市外バス(1)~大型車編

2014-12-29 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが6月に初訪問した大韓民国(韓国)最大の島・済州(Jeju)島は、韓国本土とは架橋などによる陸続きではない「離島」という事もあり、島外との間を結ぶ陸路交通は存在しておらず、本土との移動は必然的に海を越える事になります。
(MAKIKYUが乗船した旅客航路に関しては既に取り上げましたが、済州へ足を運ぶ際には全羅南道各地、或いは釜山(Busan)から出航するフェリーなどの旅客航路を利用するか、さもなければ済州国際空港発着の航空便を利用する事になります)

そのため済州島を運行する陸上交通は、専ら島内移動で用いられる状況で、島内には旅客鉄道や高速道路もありませんので、公共交通は専ら一般道路を運行する路線バスと言う事になります。

済州島内の路線バスは、大きく分けると済州島の2大都市・済州市と西帰浦(Seogwipo)市の市内を運行する「市内バス」と、両都市間をはじめ島内各地と済州市の間などを運行する「市外バス」の2種類に分けられ、この他に済州国際空港~西帰浦市中文(Chungmun)地区の観光団地などを結ぶ「空港リムジンバス」が存在します。

MAKIKYUは韓国本土~済州島を移動する際、往復共に済州国際空港は利用していませんので、6月の済州島訪問時には空港リムジンバスには乗車しておらず、済州・西帰浦の両市内バスと市外バスのみの乗車でした。

その中でも市外バスは島内各地を多数運行していますので、観光で済州島を訪問した場合、団体旅行で専用車による移動が手配されているか、レンタカーを借りるのでなければ、韓国在住者がフェリーに自家用車を載せてこない限り、済州市外へ足を運ぶ場合に必須の交通手段となっています。

韓国の市外バスと言うと、概ね高速・観光用車種、そして時々市内バス車両ベースのトップドア・リクライニングシート車で運行しており、各都市内ではバスターミナルと他に1~2箇所程度に停車し、都市間を直結するバスという事になります。

しかしながら済州島では、済州市や西帰浦市の中心部やその周辺以外では市内バスが運行していない事もあり、それ以外の地域における市内バス的な役割も果たしています。

市内バス運行区域内でも、停車停留所数こそ市内バスよりは少ないものの、多数の停留所に停車するなど、韓国本土の「広域急行バス」「座席バス」に相当する役割も担っており、運賃も事前乗車券購入ではなく車内精算であるなど、他地域の「市外バス」とは随分様相が異なるものになっています。

日本に例えるならば、済州島の「市内バス」と「市外バス」は、沖縄本島那覇市の「市内線」と「郊外線」の差異にも似ている部分があり、市外バスで充当される車両は概ね市内バスタイプの車種ながらも、トップドアで2列の座席がズラリと並ぶ「着席重視仕様」となっています。
(沖縄本島の郊外線も、近年は大都市圏中古車の流入が多くなっていますが、元々郊外線様に導入された車両はトップドアの着席重視仕様車です)

ただ市内バス並行区間では、韓国本土を走る市内バスの「一般バス」と「座席バス」の如く、同一区間乗車でも市外バスではやや割高な運賃が適用されると共に、5段階の区間制となっている運賃は前払い(信用方式:乗車時に行先を申告して該当運賃を支払い)になっている辺りは、沖縄本島の郊外線などとは大きく異なる点で、韓国語会話ができない外国人にとっては、少々使い難い面もあります。
(済州島は外国人観光客も多い事から、言葉は通じなくても外国人慣れしている部分もあり、会話ができない場合は行先を記した紙片を提示するか、地図を指差しするなどすれば、何とかなると思います)

市外バス車両は市内バス様車種ベースと言うだけでなく、座席にリクライニング機能の備わっていない車両も含まれており、離島故に乗車距離や時間が限られる事も影響していると感じますが、他地域の市外バスに乗り慣れた方が済州の市外バスを見ると、車両面での見劣りは否めないかもしれません。

路線によって車両サイズが異なり、島内の海岸線沿いを1周する道路を東回りと西回りそれぞれの経路で半周し、済州~西帰浦を結ぶ「700番」や、済州市外バスターミナルを起終点として、西帰浦市の旧市街地や中文地区などを循環運行する「780番」などでは、専ら大型車が用いられています。

済州の市外バスは、路線によって事業者が別れているのではなく、各路線を幾つかのバス事業者が共同で運行する形態となっており、この点も1つの系統を複数事業者で共同運行する事も多い、沖縄本島の郊外線バスと類似しています。

よく見かける事業者・塗装が4通りと言うのも、何となく沖縄本島を連想する面があるのですが、車両使用年数が短い事もあり、極端に古い車両などは見かけず、当然ながら中扉付き車両の中扉封鎖→座席設置と言った車両などは存在しません。


ちなみに韓国の国産2大メーカー(現代・大宇)の車種を使用していながらも、日本の三菱エアロスターに良く似た雰囲気の現代製古参車が市外バスで活躍する姿も目撃しておらず、台数が多い割に車種のバリエーションは…とも感じたものでした。
(市内バスではエアロスターに良く似た雰囲気のエアロシティが活躍する姿も目撃しているのですが…)

  
ただ大宇の方は、最新鋭から比較的古い車種まで、大きく分けて3タイプに分類できる現行車種全てが揃っています。

稼動数も大宇の方が多い様に感じたもので、事業者によっては大宇ばかりを見かける状況でしたが、現代ばかりと言う所はなく、緑色の大宇車もそこそこ見かけたものでした。

また車長が短めの車種も、済州では市外バスで多数活躍しており、MAKIKYUはこちらも乗車機会がありましたが、このバスに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


楸子島を走る島内バス(+α)

2014-12-27 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、シーワールド高速フェリーが韓国・木浦(Mokpo)~済州(Jeju)間で運行している双胴型高速船「ピンクドルフィン」に関して取り上げましたが、同船が途中で寄港する楸子(Chuja)は、行政上は「済州道」に属しており、上楸子島と下楸子島という比較的大きな2つの有人島と、周囲に多数点在する無人島で構成されています。

非常にメジャーな観光地としても知られる済州島とは異なり、韓国在住者でも足を運んだ事がない人物の方が多数なのでは…と感じる離島で、外国人旅行者の訪問などはほぼ皆無に等しく、それどころか存在自体を知らない方の方が多いかと思います。

楸子群島の中でも、上楸子島と下楸子島の2島間は架橋によって実質的に陸続きとなっており、人口2000人台の離島ながらも、島内路線バスの運行もあります。


ピンクドルフィンの(上)楸子島寄港時には、楸子島停泊中や着岸直前などに、楸子交通とハングルで記された建物や、現代製市内バス車両の姿なども目撃する事ができました。

ネット上の情報(韓国語)を調べると、島内バスは7時~21時頃まで概ね1時間間隔程度で運行している様で、人口2000人台の離島でこの運行頻度と使用車両であれば、日本の同規模離島に比べ、島内公共交通の充実度は遥かに高いのでは…と感じたものです。
(バス交通の充実度は島内におけるスクールバス運行や著名な観光地の有無、本土との距離や往来頻度など、島の人口規模や大きさ以外の要因によっても変わりますので、一概には言えない部分もあるのですが…)

 
島内で営業しているコンビニの姿も見られるなど、日本国内にある同規模の大きさや人口の離島に比べると、比較的拓けた島と言う印象を受けたものでしたが、さすがに韓国では地方都市でも当り前の様に見られるアパート(鉄筋コンクリートの高層住宅)の姿は見られず、楸子停泊中などに船内から島の様子を眺めていても、如何にも「離島」という雰囲気を感じたものでした。
(一応離島ながらも済州島は人口50万人を超えており、高速道路や公共交通として旅客営業を行っている鉄道などは存在しないものの、済州市内でアパートなどは嫌と言う程視界に入り、生活利便性も日本の沖縄本島などと大差ないと思います)

またMAKIKYUが済州から乗船した「ピンクドルフィン」は楸子出航後、木浦到着までの間に珍島(Chindo)にも寄港していますが、こちらは街外れの非常に辺鄙な所で、着岸設備以外は「何もない」と言っても過言ではない有様でした。


「ピンクドルフィン」到着に合わせて接続バスも運行している様で、韓国では近年流行している単色塗装の市内バス車両が1台停車している姿も目撃したものでした。

楸子島内バスなどは、外国人旅行者の利用はまず想定していない乗り物かと思いますし、それ以前に外国人旅行者が単独で楸子島を訪問する事自体が限られると思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、楸子島内バスに乗車された方が居られましたら、是非その際の感想などをコメント頂けると幸いです。


長興郡を走る郡内バス(2)~外国人はおろか…

2014-11-06 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国全羅南道・長興郡を走る郡内バスに関して取り上げましたが、今日はその続編としてMAKIKYUが長興(Jangheung)ターミナルから乗車した郡内バスを取り上げたいと思います。

MAKIKYUが乗車した郡内バスは、長興ターミナルを基点に、長興郡の中でも街外れに位置する老力(Noryeok)港へ向けて南下する便でした。

途中までは他系統なども重複するため、地方の郡内バスにしてはそこそこの利便性が確保されていますが、老力港まで向かう郡内バスは、老力港を発着するフェリーに接続する便と+α程度、指の数に満たない本数しかありません。

 
MAKIKYUは老力港を発着するフェリーに乗船するために、その接続交通機関として長興郡の郡内バスを利用し、フェリー会社HPにもこの郡内バスに関する案内もあるのですが、この他にフェリー会社自体が光州(Gwangju)と順天(Suncheon)を結ぶ無料シャトルバスを運行しています。
(光州発着は大型観光車、順天発着はマイクロバスを充当している様です)

長興郡自体が大都市から離れ、交通の便も芳しくない田舎町である上に、無料シャトルバス運行まであるとなると、長興ターミナルからの郡内バスを利用するフェリー利用客はどれだけ居るのか…と言わざるを得ないのが実情です。


郡内バス車内には運賃箱も装備されており、直接現金払いでも大丈夫かと思いますが、長興のターミナルから乗車する乗客は皆ターミナル窓口で発売している乗車券を購入して乗車していましたので、MAKIKYUもこの乗車券を購入して乗車したものでした。
(この乗車券は左側の半券が回収となります)

郡内バスで終点まで5000Wという運賃は、韓国の物価を考慮するとかなり割高で、日本の地方路線バス並みと感じ、MAKIKYUが韓国の郡内バスでこれだけの運賃を支払ったのは初めてでした。

 
充当車両は大宇製の大型ショート車の中でも、比較的古参の部類に属する車両で、設備的にも市内バスの典型と言った車両ですので、宝城~長興間で乗車した3列席の豪華な市外バスとは大違いです。


途中までは地元住民の利用も見受けられたものの、老力港は田舎町の街外れと言う事もあり、外国人はおろか韓国人乗客の姿もなく、終点近くでは30分近くにわたりMAKIKYUの貸切状態という有様でした。

貸切状態になってからは、技師様(乗務員)の方から、フェリーに乗船するのか?と尋ねられ、MAKIKYUが韓国語を殆ど話せない事から、外国人である事が分かると「日本?」、そして居住地や職業(最初は学生に見えた様で、「学生?」と聞かれる状況でした)などを聞かれる状況でした。


貸切状態になってから暫くすると、大徳(Daeteok)ターミナルで数分の停車時間があり、この閑散としたターミナルの雰囲気も田舎バスならでは…と感じたもので、デジカメのメモリーに記録していた、MAKIKYUの近所を走る某民営事業者路線バスの画像を見せると、「(写真のバスは)良いバスだ」「このバス(技師様が運転している車両)はダメだ」と言った話も出てきたものでした。


大徳を出て暫くすると橋を渡り、暫く海沿いを走って実質的には陸続きであるものの、一応「島」に位置する終点の老力港に到着となります。

全線通しての乗車時間は1時間強、華やかで豪華な旅とは程遠い雰囲気ながら、土地の日常に触れる田舎バスならではの鄙びた雰囲気を堪能するのも面白いものでした。

老力港を発着するフェリー接続の無料バスが走っている事もあり、韓国人でも地元住民を除くと余り利用しない路線の様ですので、観光目的で韓国を訪問し、この郡内バスに乗車する外国人は余り多くないと思います。

この路線以外にも、韓国内には無数の郡内バスが各地を走っており、その殆どが未乗ですので、他路線も機会があれば…と思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、この記事を見て興味を持たれた方は、是非一度乗車を…と思います。

また老力港からは、韓国本土とは橋の架かっていない離島へ向かうフェリーに乗船したのですが、このフェリーに関しても近日中に別記事で取り上げたいと思います。


長興郡を走る郡内バス(1)~ターミナルを発着する郡内バス

2014-10-30 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国全羅南道を走る光祐(Gwangu)高速の市外バスに関して取り上げましたが、宝城(Boseong)から隣町の長興(Janghueng)までこのバスに乗車した後は、長興郡を走る郡内バスに乗り換えたものでした。


長興も宝城と同様に、市外バスと郡内バスが同じターミナルに発着しており、典型的な地方都市のターミナルと言う印象を受けたものでしたが、バスの発着数や周囲の賑わいなどは、長興の方が宝城よりも…と感じたものでした。
(ただ長興は鉄道が走っていない街で、宝城の茶園は近年かなり有名になっていますので、知名度は宝城の方が上かもしれません)

長興はソウルや釜山からの便も決して良いとは言い難く、余り外国人が訪問する街ではない気もしますが、MAKIKYUはこの街から出航するフェリーに乗船するのが一つの目的でした。

フェリーが出航する港は田舎町の街外れと言う事もあり、フェリーに接続する時間の便と+α程度しかなく、このフェリーと接続する郡内バス~市外バス~S-trainの運行時刻が丁度良い接続だった事で、長興へ足を運ぶ事になったのですが、バスターミナルでは20分程の程よい待ち時間がありましたので、コンビニへの買出しと共に、ターミナルにやって来る郡内バスを何台か撮影したものでした。


郡内バスで活躍する車両は、宝城と同様に大宇の大型ショート車が主流を占めており、大半は赤と白の装いとなっています。


主流の大型ショート車の中には新鋭車両も含まれ、大型ショートに混じり、現代製中型車(AEROTOWN)の活躍も見受けられたものでした


中型の中扉付路線車では、観光タイプを除くと日本と同様に、中扉は引戸が大半を占める韓国においては、比較的少数派の折戸となっている車両の活躍も目撃したものでした。
(韓国では日本と異なり、中扉付きの観光タイプ車が大都市圏の広域急行バスなどで多数活躍しており、この車両の中扉は引戸ではなく折戸になっています)


また大半が赤と白の装いながらも、中には白と青の装いとなっている車両も散見したものでした。
(韓国では都市によっては一般バス(立席バス)の他に、座席バスを運行している所もあり、これは高級な車両で運賃も割高になりますので、識別も兼ねて装いを変えており、最近では幹線と支線で装いを変える事例も増えていますが、この車両は座席バスなどではありません)

数台の郡内バスなどを撮影していると、程なくMAKIKYUが乗車する郡内バスが到着し、このバスに乗車してフェリー発着港へ向かったのですが、この郡内バスに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


光祐高速で活躍する起亜GRANBIRD~市外バスながらも車内の座席は…

2014-10-11 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国全羅南道・宝城(Boseong)郡を走る郡内バスに関して取り上げましたが、MAKIKYUが6月に宝城を訪問した際には、郡内バスには乗車していないものの、同じターミナルを発着する市外バスに乗車したものでした。

市外バスは日本の感覚で言えば、高速バスの一種に該当しますが、一般道路を走り近隣都市との足として使われる路線も多く、乗車券も座席指定ではなく、座席定員制の路線が大半を占めています。


とはいえ日本の座席定員制高速バスとは異なり、整理券方式や車内発券ではありませんので、大半が乗車前に乗車券を購入する必要があり、写真はMAKIKYUが宝城から市外バスに乗車する際に購入した券売機発券乗車券ですが、この乗車券は乗車時回収となります。
(韓国の市外バス乗車券は、基本的にバスターミナルが発売しているもので、時間指定のない乗車券の場合、行先と種別が券面通りであれば、運行事業者は特に気にする事はなく通用します)

「大半が高速道路を運行」「座席は指定制」で、長距離運行となる路線が多く、4列席車と共に3列席車運行による優等バスを走らせる事で、設備・料金などで差別化を図っている路線も多い「高速バス」に比べると、市外バスは庶民的な存在です。

韓国内の遠距離移動では鉄道を使う事が多いMAKIKYUは、高速バスへの乗車こそ指の数も…という状況ながら、市外バスは韓国訪問時には大抵数回程度は乗車しています。
(中には滞在日数や訪問都市が限られ、全く市外バスを利用しない時もあるのですが…)

そのため市外バスは地方の都市間移動などで、MAKIKYUの利用回数は既に2桁に達しており、錦湖(Kumho)アシアナグループに属し、高速・市外バスの最大手「錦湖高速」をはじめ、幾つもの事業者が運行する市外バスに乗車しているのですが、全南の市外・高速バスは錦湖高速のシェアが大きく、宝城から乗車する市外バスも同社のバスに当たるのでは…と予想していました。

MAKIKYUが乗車した市外バスは、順天(Suncheon)方面から宝城を経由し、木浦(Mokpo)へ向かう路線で、乗車区間はその途中の一部区間となる宝城~長興(Jangfueng)でしたが、この路線は錦湖高速による運行もあるものの、MAKIKYUが6月に乗車した便は同社と共同運行を行っている光祐(Gwangu)高速による運行でした。

 
充当車両は起亜GRANBIRDで、MAKIKYUは以前中央(Jungan)高速の優等高速バスに乗車した際にも、この車種に当たっているのですが、市外バスながらも優等高速と同様の3列席車でした。


この市外バスは豪華な設備ながらも、優等高速バスの様な割増運賃適用ではなく、4列席車と同一運賃で乗車できます。

MAKIKYUは以前にも、韓国内の他地域を走る市外バスで3列席車が充当されている姿を目撃した事はありましたが、実際に市外バスで3列席車に乗車したのは初めてで、乗り得車両に当たったと感じたものでした。

公共交通の運賃が全般的に割安な韓国だけあり、地方でこれだけの車両に乗車しても、運賃は日本円相当額で300円に満たないのは、天井知らずと言っても過言ではない程次々と運賃が跳ね上がる、日本の一部事業者が運行する地方路線バスなどとは大違いです。

ただ長興は宝城から所要30分程度の隣町ですので、隣町まで移動するだけにも関わらず、これだけの車両に当たると少々勿体無く、もっと長距離を長い時間かけて移動する時に…とも感じたものでした。

また韓国の都市間バスは、この市外バスは勿論、片道400km超えの長大路線を走る高速バス車両でも、トイレ付き車両は皆無の状況(長時間運行路線ではトイレ休憩もあり、市外バスでは途中停車地のターミナルでトイレに立ち寄る事が可能な場合も多いのですが…)で、韓国の食べ物は辛い物や塩辛い物が多く、水を飲む事も多くなる事を踏まえると、食後の長時間乗車はなるべく控えたいと感じる状況は、今後改善される事を願いたいと感じるものですが…


宝城を走る郡内バス~茶園で有名な土地らしく…

2014-10-04 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、KORAILの南道海洋観光列車「S-train」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが釜山発のS-trainに終点の宝城(Boseong)駅まで乗車した後は、駅から西へ向かって道なりに10分程歩いたバスターミナルへ向かったものでした。
(宝城駅は列車運行本数も少ない慶全線の途中駅ですので、S-trainで終点の宝城まで乗車した場合、すぐに他の列車に乗り継ぐ事はできません)


宝城郡は地方の田舎町と言う事もあり、町自体も規模はさほど大きくなく、バスターミナルも韓国にしては小規模な部類ですが、背後に巨大なコンクリートの塊と言っても過言ではないマンション(韓国ではこれをアパートと称しています)が建っている姿は、日本の田舎町では余り見られず、韓国らしい光景と言えます。

バス大国の韓国では、中規模以上の都市だとバスターミナルが複数存在する事も当り前ですが、宝城のバスターミナルからは、近隣都市へ向かう市外バスと、宝城郡内を走る郡内バスの双方が同一のターミナルから発着しており、市外バスと郡内バスを乗継利用する場合には便利です。


このターミナルは郡内バスの拠点にもなっている事から、折り返し待機などで停車している郡内バスの姿を何台も見る事ができ、茶園で有名な土地らしく、茶を連想させる色彩となっていながらも、近年流行のありふれた単色塗装でない辺りは、好感を感じるものです。


この郡内バスは地方都市らしく、日本流に言えば「大型ショート」とも言える車長がやや短めの車両が主流を占めており、それも大宇製ばかり目撃したものでしたが、日本の同規模都市に比べれば、車両の大きさや運行本数などは上等と感じたものでした。


主流の大宇製大型ショート車も年式は結構幅があり、中には新鋭車両の姿も見られたものでしたが、バリアフリーに関しては今後の課題と感じる状況でした。
(韓国も近年はノンステップ車も増えているのですが、大都市圏や地方基幹都市向けの大型車ばかりで、地方ローカル輸送向けの大型ショートや中型車に関しては、今後の新車種設定が望まれる所です)


また主流の大型ショート車に混じり、地方の市内・郡内バスではまだ比率的には少数派のマイクロバスが活躍する姿も見られたものでした。

韓国も日本と同様に、今後地方を走る路線バスではダウンサイズ化も進行すると思いますが、ドア配置などを見るとワンマン路線車としての使い勝手は今一歩と感じる所で、今後マイクロバスによる市内・郡内バス運行が増える様であれば、これらの用途を考慮した車種が出てきても…と感じたものでした。
(日本では日野ポンチョの様な路線バス用車種でなくても、三菱ローザが扉位置などを工夫し、路線バスとしての使い勝手を考慮した造りになっていますので…)

この宝城郡内バスは、有名な茶園へ向かう路線もあり、時間に余裕があればローカルバス乗車も兼ねて、宝城観光も…と感じたものでしたが、MAKIKYUはスケジュールの関係で、すぐに市外バスに乗車しなければならず、6月の宝城訪問では撮影だけで乗車できなかったのは、少々惜しいものでした。

その代わり宝城から市外バスに乗車した後は、他都市で郡内バスに乗車する機会もあり、宝城から乗車した市外バスと、その後に乗り継いだ郡内バスに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。 


都羅山駅を発着するDMZ観光バスと安保観光

2014-09-16 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)の非武装地帯(DMZ)へ向かう観光列車「DMZ-Train」に関して取り上げましたが、この列車の終点駅になっている都羅山(Dorasan)駅はDMZという特殊区域となっており、一般人が周辺を自由に動き回れる環境ではありません。

また都羅山駅を発着する列車も、現在では2往復のDMZ-Trainのみ(運休日あり)となっており、折り返し時間も結構ある上に、DMZ-Train以外の公共交通機関も存在しないため、DMZ-Trainで都羅山駅に到着した観光客は、都羅山駅を発着する周辺観光のツアーバスに乗車し、安保観光をするか、都羅山駅とその周辺(一部の整備された箇所)を見学するかの2者択一という状況です。

MAKIKYUは初訪韓(=初の海外旅行)の2002年夏にも、都羅山駅を訪問しており、6月のDMZ-Train乗車で2回目の都羅山駅訪問、以前の訪問時も安保観光のツアーバスに乗車したのですが、その時には南侵第3トンネルの見学が出来なかった事もあり、6月の都羅山駅訪問時も安保観光のツアーバスに乗車したものでした。

このツアーバスは、都羅展望台と南侵第3トンネルの2箇所を観光し、2時間程度で始発地の都羅山駅へ戻るコースとなっており、DMZ-Trainの折り返し時間を利用しての観光に丁度良い時間設定となっています。


バス代と南侵第3トンネルの入場料・昇降機運賃込みで11700W、昇降機を利用せずに徒歩見学とすればもう少し割安になり、韓流バスを堪能しながらDMZという特殊区域を見学できるという、日本に居たらまず体験できない観光という事も考えると、値段的にも悪くないものです。
(見学時は貸し出しのネックストラップを着け、バスの座席(指定制)はこのストラップのプレートに記された箇所になります)

 
MAKIKYUが以前安保観光のツアーバスに乗車した際には、繁忙期でバスが複数台出ており、わざわざエアロシティのトップドア車(他は全て観光車)を選んで乗車した記憶がありますが、今回は1台のみで、充当車両は近年日本にも進出している現代(HYUNDAI)の新型観光車・UNIVERSEでした。

MAKIKYUは韓国へ足を運んでも、専ら個人旅行と言う事もあってか、貸切車両へ乗車する機会は少なく、UNIVERSEも広域急行バスや高速バスで何度か乗車した程度ですので、UNIVERSE貸切車への乗車は今回が初めてでした。


車内は韓国では一般的なビニール張りの座席となっている他は、2人がけの座席が並ぶ典型的な観光バスと言った雰囲気でした。


運転席を見渡すと、日本のバスに比べるとサイズが大きく、マイクロバスのシフトレバーを連想させるシフトレバー(一応フィンガーコントロール)が特徴的で、韓国ではこの手のシフトレバーを良く見かけるほか、今日導入される新車でも、車種によってはロッド式(長い棒)も当たり前と言う状況です。


南侵第3トンネルの駐車場には、MAKIKYUが安保観光ツアーで乗車したバスと同一事業者・塗装ながらも、デザインの異なるユニバースが停車している姿も見られ、興味のある方は両者の差異などを見比べてみるのも面白いかと思います。


南侵第3トンネルの駐車場には、DMZという場所柄も影響してか、軍関係の車両なども見受けられ、撮影は余りおススメできません(この手のバスを撮影する際は自己責任でお願い致します)が、中には自家用バスベースの車両も見かけましたので、掲載したいと思います。
(バスの用途故に、ナンバー部分を一部加工しています)

ちなみに南侵第3トンネル見学の際は、北韓(北朝鮮)が侵略(南侵)目的で掘削した素堀のトンネルで、見学前には隣接するDMZ映像館で映像(音声あり)による案内を受けてからの見学となります。
(映像は韓国語での案内ですが、外国人向けにヘッドホン案内も用意されており、その中には日本語もあります)

この南侵第3トンネルや一部で頭をぶつける危険性もある事から、ヘルメット着用が義務付けられており、トンネル内も撮影禁止となっていますので、残念ながら写真でトンネル内の様子を紹介する事はできません。


そのため南侵第3トンネル観光で紹介できるのは、昇降機(モノレール)程度という状況ですが、現在活躍しているのは昨年導入された「平和(Pyonghwa)号」と呼ばれる車両です。


その前に活躍していた車両は、昔KORAILで走っていた列車名を連想させる「統一(Tongil)号」で、こちらも両先頭車のみに短縮された姿の車両が、昇降機乗り場近くで保存されています。


もう一つの見学箇所(順序はこちらが先です)の都羅展望台は、コイン式双眼鏡も設置され、北韓(見えるのは見世物の村という話もあります)が見渡せる展望台で、展望台の展望スペースに描かれた黄色いラインよりも外側は撮影禁止となっています。


場所柄常に軍隊による監視も行われており、余り綺麗な写真は撮影できないのですが、黄色いライン上から北韓方を撮影すると、この様な状況です。


また安保観光バスの発着点にもなっている都羅山駅は、現状こそ安保観光に訪れる観光客がボチボチと言う程度ながらも、南北間を
直通する列車が何時運行する事になっても対応できる様に、イミグレーション(出入境施設)の備えた結構規模の大きな駅となっています。


設備的には現在の京成東成田駅(旧成田空港駅)や、イベント開催日以外の西武球場前駅の方がまだマシと言っても過言ではない程、大規模な設備を持て余している状況で、南北間を直通する列車が定期的に行き交う様になり、大規模な駅施設を活躍できる日が訪れる事を待ち望みたいものです。


(お断り)記事内容はバスを中心にそれ以外の話題も混在していますが、この記事は「バス[大韓民国]」扱いとさせて頂きます。


禮山→大田間で乗車した市外バス・錦南高速のAEROSPACE

2014-04-26 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが昨年末に韓国・禮山へ足を運んだ際には、その後市外バスを利用して大田(Daejeon)まで移動したものでした。
(一月程前に前に公開した記事で使用した大田の市内バス写真は、この市外バスを下車した後に、ターミナル脇に停車していた車両です)

MAKIKYUが韓国を訪問した際に利用するバスは、日本の一般路線バスに相当する市内バス利用が圧倒的で、市内バス乗車は訪問各都市を合わせると、延べ乗車回数は3桁に達していますが、バス大国の韓国は市内バスだけでなく、都市間バスも相当数の路線が存在し、その運行便数も日本とは比べ物にならない程多いものです。

都市間バスは大きく分けて高速バスと市外バスに分かれ、前者は高速道路走行区間が大半を占め、基本的に座席指定制で2都市間を直行する路線が殆どです。

これに対し市外バスは、座席は自由席の座席定員制となっている路線が大半で、幾つもの都市を結ぶ路線が多く、高速道路運行が主体とは限らないため、地方都市間の移動などでもよく用いられますが、座席定員制ながらも車内精算ではなく、乗車前に乗車券を購入するスタイルとなっているのは、整理券方式(運賃後払い)の路線が大半を占める日本の近距離都市間バスとの大きな違いと言えます。

MAKIKYUが韓国で都市間バスを利用するのは時折、平均すると1回の訪韓で1~2回程度、中には利用しない時も…という状況ですが、鉄道のない街へアクセスする際には重宝するほか、バス大国だけあって鉄道の通っている街でも大抵バスターミナルが存在します。

その気になれば韓国内は離島などを除くほぼ全土が、鉄道を利用しなくても、都市間バスだけで移動可能な程路線が充実しているのですが、MAKIKYUが韓国で都市間バスを利用するとなると、利用頻度は市外バスの方が圧倒的に多く、昨年末の旅行でも禮山→大田(西部ターミナル)間で1度乗車機会がありました。


禮山のバスターミナルは、韓国の地方都市にある典型的なバスターミナルと言った雰囲気で、余り外国人が利用する機会は…という所ですが、市外バスの乗車券自動販売機もあり、こちらは韓国語会話が得意でなくても、ハングルが読めれば容易に使えますので、MAKIKYUの様な外国人には便利と感じます。


この自動券売機で発券された乗車券は、回収用と顧客用に分かれているのですが、左側が回収用となっており、この乗車券では回収用の方が大サイズとなっているのは特徴的です。


禮山は忠南(Chungnam)高速の拠点という事もあり、自動券売機に表示されている大田行各便の中でも、せっかくの機会なので運行会社で忠南高速と表示された便を選んで…と思ったのですが、やって来たバスは忠南高速ではなく大田を拠点としている錦南(Keumnam)高速の車両でした。
(こちらは未乗事業者でしたので、これも悪くないのですが…)

 
充当車両は現代AERO SPACE、現代が製造した一世代前の観光・高速用車両ですが、日本の三菱エアロバスに良く似たデザインが特徴です。


三菱のバスに似ているのは外観だけに留まらず、運転席パネルも三菱のバスと酷似していますが、フィンガーコントロール式のシフトレバーは、日本の各メーカーに比べると大きく、マイクロバスのシフトレバーに近い雰囲気なのが大きな特徴と言えます。
(同車種ではフィンガーコントロールだけでなく、勿論ロッド式も存在しています)

ちなみにこの路線では忠南高速と錦南高速以外にも、禮山~大田間の途中経由地にもなっている公州(Gongju)を拠点に市外バスを運行している三興(Samheung)高速をはじめ、錦南高速と同色の漢陽(Hanyang)高速による運行便も存在するなど、さほど運行距離も長くない毎時2~3本程度の路線にしては、結構様々な事業者のバスが入り乱れています。


MAKIKYUが乗車した便より1つ前の便は、三興高速が運行しており、こちらは起亜製の車両が充当されていましたが、座席定員制ながらも乗車券は便指定となっており、幾つかのバスの中から乗りたい車両を選んで…という事が出来ないのは少々痛手と感じたものでした。
(乗務員氏に相談すれば、所定より前の便などでも乗車できるかもしれませんが…)

またMAKIKYUが禮山→大田間を乗車した際には、途中公州市内の維鳩(Yugu)邑と公州市外バスターミナルで若干の停車時間があり、その後世宗(Sejeon)市と大田市内の儒城(Yuseon)にも停車しているのですが、維鳩のターミナルには1台の市内バス(大宇製の古参車)が停車している姿も見かけたものでした。


維鳩という地名自体、MAKIKYUは禮山→大田間の市外バスに乗車して初めて知った程で、今後ここを通る機会自体が存在するのだろうか…とも感じたものでした。

維鳩を走る市内バスが日本で取り上げられる事はかなり少ないと思いますし、「MAKIKYUのページ」でもこのバスだけを取り上げた記事を作成する予定もありませんので、これも序に取り上げておきます。
(もし「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、この市内バスに乗車した事がある方が居られましたら、是非その際の感想などをコメント頂けると幸いです)