MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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対馬交通・遂に公式HP開設~韓国語版も存在

2016-07-12 | バス[九州離島・沖縄]

 
(写真は以前公開した記事で使用した画像の再掲です)

数日前
MAKIKYUは長崎県の離島・対馬に関する情報を調べる機会がありましたが、その際には以前も何度かアクセスした事があるHPにおいて、対馬交通公式サイトへのリンクが設定されており、気になってこの公式サイトへアクセスしてみました。

すると今月1日付けで公式ホームページを開設した旨を案内する挨拶文が目に留まり、他に路線バスの時刻表や運賃表・路線図など、バス事業者の公式HPでよくある内容が公開されています。

今日では大手事業者では公式HP開設が当たり前、中小事業者でもHPを設けていない事業者の方が少ない位ですので、ようやくといった感もありますが、離島という特殊な土地柄を考えると、致し方ない事かもしれません。
(
本土の大手事業者でも、鹿児島県の某社などは少し前まで公式HPがかなりお粗末な状況でしたので…)

外国人対応としては英語版が存在しないにも関わらず、韓国語版が存在している辺りは、韓国と近い「国境の島」で韓国人観光客も多数来訪する土地柄が表れていると感じたものでした。

またMAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、対馬へ足を運んだのは1度だけですが、5月中頃から今まで通用日が土休日などに限定されていた「1日フリーパス」が平日も含めて利用可能(外国人は以前から平日も利用可)となっています。

厳原~空港間シャトルバス廃止一般路線への統合と、厳原~空港間の回数券設定(以前のシャトルバスよりは割高になりますが、一般路線運賃と比べると大幅に割引されており、便数増加などの利便性向上も図られています)といった動きも生じており、機会があればまた対馬へも足を運びたいと感じたものでした。

ちなみに対馬交通公式HPのアドレスは以下の通りです。
http://tsushima-traffic.com/

(
交通事業者公式HPへのリンク集にも追加済です)


種子島を走るコミュニティバス

2015-09-21 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、種子島を走る大和バスに関して取り上げましたが、島内では同社が運行する一般路線以外に、コミュニティバスも幾つか存在しています。

その中でも中種子町のコミュニティバスは大和バスが受託運行しており、一般路線と同様の車両が稼働している姿を目撃していますが、西之表市と南種子町では、一般路線の運行から撤退した種子島・屋久島交通が受託運行するコミュニティバスも走っています。

MAKIKYUが昨年冬に種子島へ足を運んだ際には、両市町のコミュニティバスに乗車する機会もありましたが、西之表市のコミュニティバスは「わかさ姫」という名称が付いており、基本的には専用のハイエースを用いています。


循環方向が異なる北周りと南回りの2路線が存在、両者を合わせた昼間の運行間隔は、離島のバスにしては至便な部類に入り、平成の市町村合併以前から「市」だった街だけあると感じますが、日曜・祝日や朝晩の運行が皆無となっており、始発や最終の高速船に接続する時間帯にそれぞれ1便程度の運行があれば…と感じたものでした。


専用車両のハイエースは2台用意され、「北周り」「南回り」と表記されたバスがそれぞれ1台ずつ活躍していますが、ほぼ同等のルートを走る事も考えると、色違いはともかく循環方向まで車体に表記して系統固定すると、車両運用面での支障が出ないのか…と感じたものでした。

この専用車は路線バスとしては最小限と言っても過言ではないサイズの車両ながらも、車内には音声合成装置が備えられ、各停留所毎に放送案内が流れるのも大きな特徴で、国道を走る幹線などで大型車も活躍する反面、車内放送は乗務員のマイク案内のみという大和バスとは対照的と感じたものでした。

「わかさ姫」は通常2台運行ですので、運休日の日曜や祝日に車両整備を行う事で、極力専用車で運行する様に努めている様ですが、車検や故障などで専用車の一方が運用できない時は、以前島内路線で活躍していた中型路線車が代走する事もある様です。


西之表港から北へ数分歩いた所には、種子島・屋久島交通の小規模な車庫があり、「わかさ姫」の予備車にもなっている中型車(写真中央の車両)と共に、貸切車の姿も見かけたものでしたが、「わかさ姫」は一部でかなり狭い路地を通る区間もあり、中型車ではかなり大変だろうと感じたものでした。

西之表市内では先日取り上げた大和バスと「わかさ姫」以外にも、以前は路線バスが走っていたものの、現在は全廃された地域が多数存在しており、こちらは「どんがタクシー」というデマンドタクシー(いわさきグループではない事業者が運行受託)が運行されています。


こちらは「わかさ姫」を更に一回り小さくしたサイズのワゴン車を用いており、利用者登録が必要な予約制である上に、島外からの観光客が利用する事はできない状況ですので、路線バスが全廃された地域へ足を運ぶとなると、タクシーやレンタカーの利用が必須となり、それだけでも大変と感じます。


また南種子町でも種子島・屋久島交通がコミュニティバス運行を受託しており、車庫は役場脇にあるのですが、こちらで用いている車両はエルガミオのワンステップ車で、離島の中核都市から離れた場所で活躍するコミュニティバスにしては、かなり上級の車両と感じます。

こちらは「わかさ姫」と異なり、音声合成による車内放送はない状況でしたが、車内にLED式の次停留所名表示装置が備えられているのが特徴です。

各系統共に運行本数は限られており、至便とは言い難い状況ですが、宇宙センターへ乗り入れる系統も存在し、運賃は100円均一と割安ですので、うまく時間があえば南種子の市街地と宇宙センターの間を移動する手段としても有用です。
(他に屋久島町営フェリーが発着する島間を通る系統もあり、町営フェリーのダイヤ次第では宮之浦(屋久島)→島間→南種子市街地への移動でも利用可能(逆は不可)ですが、町営フェリーは欠航する事も結構多い様ですので要注意です)


南種子町役場脇の車庫には、コミュニティバス用の専用塗装を纏うエルガミオ以外にも、県内本土(鹿児島交通)からグループ内異動した大型路線車の姿も見かけていますが、こちらは屋久島で多数活躍する種子島・屋久島交通の大型車とは異なり、首都圏からいわさきグループへ移籍した前中扉車、これも離島で活躍する車両らしからぬ印象を受けたものでした。
(屋久島との間で時折車両航走による貸し出しもある様で、その際にも使い勝手は余り良くない気がしますので…)

種子島のバスは大和バスの一般路線と種子島・屋久島交通が受託運行するコミュニティバス以外に、宇宙センター内の見学で乗車したバスもありましたが、こちらも機会があれば宇宙センターと共に取り上げたいと思います。


種子島を走る大和バス(2)~南北を結ぶ幹線で活躍する車両

2015-09-17 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、種子島を走る大和バスの中でも、空港発着便に関して取り上げましたが、今日はその続編として島内南北を結ぶ国道を走る幹線で活躍する車両に関して取り上げたいと思います。

この路線は西之表港~南種子Aコープ間の運行が主体となっているものの、一部便は西之表方で種子島高校、南種子方で有名な宇宙センターまで延長運行される便もあり、後者は南種子の市街地から結構距離がありますので、公共交通機関で島内を観光する際にも有用な存在です。
(前者は利用の主体となっている島内学生向けで、その気になれば西之表港や市街地各所から徒歩移動可能な距離です)

MAKIKYUが島内で2回程この路線を利用した際には、どちらも中型車に当たりましたが、大型車も混用されており、大型車が稼働する姿も何度か見かけたものでした。


乗車した中型車は2台共にトップドア車で、その内の1台は西之表~空港間の便で乗車し、先日の記事でも取り上げた車両とほぼ同型の三菱製中型車でした。

ただ国道を南北に走る幹線で充当される車両は、LED式の行先表示で行先表示を行っており、車内に運賃表示器が設置されているなどの差異が存在するのが特徴です。

 
もう1台はいすゞ製の中型車で、座席がビニール張りのリクライニングシートになっているのも大きな特徴と感じたものでした。


また稼働する姿を見かけたものの、乗車機会がなかった大型車は、トップドア車だけでなく前中扉車も存在していますが、中扉設置車両でも中扉は常時締切、それどころかMAKIKYUが目撃した車両は、この部分にも座席を増設している状況でした。


写真の大型車は2台共に日野製の前中扉車ですが、両者で窓形状が異なるのも特徴で、この写真を見ただけでも、様々な出自の中古車を寄せ集めている事の一端が伺えると思います。

他にいすゞ製の大型前中扉車や、中型車と同様のトップドア車が活躍するなど、台数の割にはかなり豊富なバリエーションを誇っています。

その一部は中種子町のコミュニティバス(大和バスが受託)で活躍する姿も目撃したもので、再び種子島へ足を運ぶ機会があるなら、その際には大型路線車にも是非乗車したいと感じたものでした。


種子島を走る大和バス(1)~空港線の運行車両

2015-09-14 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、隠岐航路で就航する隠岐汽船「レインボージェット」に関して取り上げ、その際に種子屋久高速船に関しても触れていますが、種子屋久高速船の就航地・種子島に関しては未だに記事公開できていない状況ですので、こちらも取り上げたいという事で、その第1弾として大和(Daiwa)バスに関して取り上げたいと思います。

大和バスは(有)大和が運営する路線バスで、株式会社でない会社組織で路線バスを運営しているのは、国内では少数派の部類に入りますが、種子島では結構地名度の高い企業集団の一つで、島内では交通運輸以外にも宿泊施設やガソリンスタンドなど、様々な事業を行っています。

以前種子島島内で路線バスを幅広く運営していたいわさきグループの種子島交通(現在は屋久島交通と合併して種子島・屋久島交通)が島内路線バスから撤退し、コミュニティバス受託運行と貸切輸送に特化している状況ですので、路線バスは近年の新規参入ながら島内の基幹交通となっています。

種子島は南北に細長い島という事もあり、西之表(西之表港)~中種子(野間)~南種子(Aコープ)間の幹線を乗り通すだけでも片道1時間半程度を要し、他に種子島空港発着の航空便に接続して西之表と南種子から、それぞれ空港との間を結ぶ路線も設定されています。


空港線は基本的に専属車両が充当されている様で、行先表示はサボ固定表示、運賃は多区間制ながら車内に運賃表示器が設置されていないのも大きな特徴で、音声合成などによる車内放送もなく、停留所案内は乗務員が適宜マイク案内を行うという状況でした。


西之表発着便は見るからに自家用バスの転用という雰囲気が漂う三菱製の中型車が活躍、このタイプは西之表(西之表港)~中種子(野間)~南種子(Aコープ)間の幹線でも同型車が活躍する主力車種となっています。

 
南種子発着便は西日本車体工業製の車体を載せた日産ディーゼル製の中型車が活躍、同社では日産ディーゼル製の路線車自体が希少な存在ですが、ビニール張りの座席なども特徴的と感じたものでした。

空港発着の路線は、景観は西之表~中種子間で海沿いの国道を走る西之表~南種子間の便に比べると見劣りが否めず、運賃面も乗り継ぎ故に割高になるのが難点ですが、便数は少ないながらも航空便に接続したダイヤとなっています。

そのため西之表と南種子からの空港行は両者をほぼ同時刻に発車、空港発も同様の状況ですので、時間さえ合えば乗継も比較的容易です。

西之表~中種子間では、島内南北を結ぶ国道を走る便と空港発着便では別ルートを運行しますので、両者を乗り比べるのも面白いもので、MAKIKYUが昨年冬に西之表~南種子を移動した際には、往路は空港乗継、復路は国道を走る直通便を利用したものでした。
(空港線の大和バスに乗車するためだけにコスモポート種子島(種子島空港)へ足を運ぶ島外住民というのは、余りいないかもしれませんが…)

国道を走る直通便で活躍する車両に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


福江島を走る五島自動車(5)~路線車とは異なる装いの貸切車両

2014-07-04 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に五島列島の福江島を訪問した際には、島内移動は専ら五島自動車(五島バス)の路線バスを利用し、貸切バスを利用する機会はない状況でした。

しかしながら離島だけに都市間バスの運行こそ存在しないものの、五島バスは一般路線バスだけでなく、定期観光バスや貸切輸送なども行っており、その気になれば路線用の「兼用車」でも対応できるとは思いますが、貸切専用車も存在し、何台かの車両が稼動する姿を目撃したものでした。

貸切専用車の中でも、先日の記事で取り上げたいすずMRだけは、一般路線車と同じ赤と白の装いですが、それ以外の車両は兼用車を含む路線車とは異なる装いになっています。


その中でも中型車は自家用バスなどで良く見かけるトップドアの標準床車で、ワンマン装備や行先表示などがない事を除けば、一般路線で充当しても不思議ではない雰囲気を感じたものでした。


しかしながら大型車は、乗車距離も限られる離島のバスらしからぬハイデッカー車を目撃し、九州では本土でも結構な経年車が多数活躍している状況を見ると、本土の下手なバスよりも…と感じる程でした。


大型貸切車は前モデルのセレガでも、島の大きさや需要などを考えれば上等な車両と感じる程ですが、中には新型セレガも含まれており、沖縄本島を除く日本の離島でこの車両が走っている島(島外からフェリーで航送されてきた車両は別とした場合)は他にどれだけあるのだろうか…とも感じたものでした。


福江島を走る五島自動車(4)~幹線でも活躍するマイクロバス

2014-07-01 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に訪問した五島列島の福江島は、五島自動車(五島バス)が福江を拠点に島内各地へ路線を運行しており、その大半は大型車と中型車の共通運用ダイヤとなっていますが、比率は低いながらもマイクロバスも活躍しています。

離島の路線バスと言うと、道路条件や輸送量の関係などもあってマイクロバスが主体と言う所も少なくないのですが、離島に限らず国内におけるマイクロバス運行路線での主力車種は日野リエッセで、五島バスでもリエッセは何台か活躍しています。


MAKIKYUが福江島内で五島バスを利用した際にも、一度リエッセに当たったのですが、近年導入されているバリアフリー対応車(中型ワンステップ)を除く大型車や中型車と同様に、トップドアの貸切兼用車となっており、路線運用だけでなく貸切で活躍する姿(写真)も見られたものでした。

また古参車故に最近では姿を見る機会も少なくなり、リエッセ登場前には路線用マイクロバスとして導入した実績も多い日野レインボーRBも、乗車機会こそなかったものの数台が活躍している姿を目撃したものでした。


写真は福江~戸岐間の路線に充当されたレインボーRBで、五島バスでは大型車や中型車が充当されるダイヤと、マイクロバスが充当されるダイヤは基本的に分離されている様ですが、大型車などが頻出する路線でも、時間帯によっては…という状況です。
(MAKIKYUが福江~戸岐間の路線に乗車した時には、大型車での運行でした)

中には島内では屈指の幹線とも言える福江~富江間の便に、レインボーRBが充当されている姿も目撃したもので、これは少々意外に感じたものでした。
(その一方で本数は僅少、かつ福江を発着しない富江~岐宿間の路線に大型車が充当されている姿も目撃しているのですが…)


また日野車以外にも、現在は五島市に編入された奈留島を走る奈留島バス(丸濱産業)の主力車種になっており、車高が高い事も特徴的ないすずMRも目撃していますが、この車両は路線塗装を纏っていながらも、路線兼用車ではなく貸切専用車の様です。

五島自動車では兼用車を含む一般路線車と、貸切専用車では基本的に装いも異なっているのですが、貸切専用塗装を纏っている貸切専用車に関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


福江島を走る五島自動車(3)~数を増やしている中型車

2014-06-28 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、長崎県・五島列島の福江島を走る五島自動車(五島バス)の大型路線車に関して取り上げましたが、同社では近年一般路線車は中型車の導入が主体となっており、MAKIKYUが3月に福江島で五島バスを利用した際には、中型車にも何度か乗車したものでした。

中型路線車は導入コストや運行コストに加え、輸送量的にも差し支えない状況になっている事を踏まえているかと思いますが、同社では基本的に大型車と中型車で運用を共通化している様ですので、今後余程輸送力を確保しなければならない事情が生じるか、中古車導入でも行わない限りは、古参大型車に変わって中型車の比率が…という状況になるかと思います。

この中型路線車も、大型に変わって本格導入が始まった頃に導入された車両は、大型路線車と仕様的には類似したトップドアの「兼用車」が導入され、貸切車を思わせる風貌などは大型兼用車よりも見栄えが…という気もします。

メーカーに関しても、大型兼用車と同様に日野といすずの2メーカーが導入されていますが、西日本車体工業(西工)の車体で下回りだけ…というのではなく、メーカー純正仕様で導入されています。
(西工ボディの中型兼用車も58MCで導入事例がある様ですが、中型車が大型車に変わって本格導入される様になってからは、導入していない様です)


MAKIKYUはこの中型兼用車も、日野車に関しては島の中核都市で、本土への航路や島内各地への路線バスが発着する福江からは、最も遠い玉之浦方面の路線を利用した際に、乗車機会がありました。


この兼用車は輸送力はともかく、設備的には大型兼用車と比べても見劣りしないグレードを誇っており、1時間以上の乗車でも充分なレベルと感じたものでした。


ちなみに玉之浦は海が綺麗な事で知られる五島列島の中でも、特に海が綺麗な所の一つとも言われている様で、終点近くで眺める海の色は格別と感じたものでした。


中型兼用車はいすず車も活躍しており、残念ながらこちらには乗車機会がなかったのですが、福江港などで姿を見る機会があり、こちらは路線車では一般的なエルガミオなどではなく、一般路線車での使用事例は比較的少ないガーラミオが導入されているのも注目と感じたものでした。

また近年ではバリアフリー対応の関係もあり、兼用車に代わって前中扉のスロープ板付ワンステップ車が導入されており、トップドア車が主体の地域で整理券方式(運賃後払い)を採用している事業者では、この手の車両も前乗り前降りとする事例も多いのですが、五島バスでは中乗りとなっています。


MAKIKYUはこの手の車両が導入され始めた頃に導入された日野製中型車に乗車機会がありましたが、座席などは兼用車に比べると見劣りが否めず、片道1時間を越える足の長い路線では、できれば兼用車に当たった方が…とも感じたものでした。

ただ本土でも20年超えの路線車がゴロゴロしている九州において、離島で走っているバスにしてはかなり状態が良い車両とも言え、このタイプだけでなく、最近では地方路線バスの典型車両とも言えるエルガミオなども続々と導入されています。


こちらは乗車機会はなかったのですが、元々日野といすずの2メーカーを導入している五島バスだけあり、2メーカーのJバス統合後も、両者を並行して導入しており、似た様な雰囲気の車両ながらもライトなどを見ると…という状況なのは興味深いものです。

五島バスの路線車は、大型車や中型車以外にマイクロバスも導入されているのですが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


福江島を走る五島自動車(2)~58MC以外の大型兼用車

2014-06-19 | バス[九州離島・沖縄]

 
先日「MAKIKYUのページ」では、五島列島の福江島を走る五島自動車(五島バス)の主力車両となっている西日本車体工業(西工)製58MCボディを載せた兼用車に関して取り上げましたが、西工ボディが96MCにモデルチェンジされてからも、五島自動車では58MCと類似した仕様の兼用車が数台導入されています。
(五島自動車と比較的仕様が類似している西工製兼用車を多数導入し、現在も走らせている壱岐交通では、96MCの兼用車は存在しておらず、同年式の兼用車は三菱純正(エアロスター)ばかりとなっています)

わざわざ狙い撃ちしなくても、福江港ターミナルなどに居れば嫌でも遭遇する状況の58MCとは異なり、五島バスの96MCは余り数の多い車両ではない事もあってか、MAKIKYUは姿を見ただけで乗車機会はない状況でしたが、こちらも58MCと同様に日野製といすず製の2種類が存在し、58MCと同様に公式側後部のルーバー有無などで、両者を識別する事が可能です。


また西工製ボディだけでなく、日野純正(ブルーリボン)も活躍しており、これも余り数の多い車両ではありませんが、こちらには一度乗車機会がありました。

ただ日野製の大型兼用車は、西工と純正の双方が存在するのに対し、いすず製大型兼用車でキュービックやエルガなどの純正は存在しておらず、大型兼用車自体も近年は導入されていませんので、日野製もブルーリボンシティなどは見かけない状況でした。

近年五島バスでは車両のダウンサイズ化が進み、一般路線車は専ら中型車かそれ以下のサイズと言う状況ですが、中型車に関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


福江島を走る五島自動車(1)~主力の西工58MCトップドア車

2014-06-15 | バス[九州離島・沖縄]

3月にMAKIKYUが五島列島へ足を運んだ際には、五島列島最大の島・福江島内を走る五島自動車(五島バス)にも何度か乗車する機会がありました。

五島バスは長崎市内やその周辺を走る長崎自動車(長崎バス)グループに属しており、長崎バスHPにも五島バスHPへのリンクが設定されているなど、グループ企業である事を伺わせる一面もあります。

ただ上五島(中通島)の路線バスは、大半が佐世保市内などと同じ西肥自動車(西肥バス)によるなのに対し、あくまでもグループ企業と言うだけで別事業者による運行となっています。

そのため長崎県内本土の大手各社で通用するICカード「長崎スマートカード」や、九州内を走る大半の一般路線・高速乗合バスが乗り放題となる「SUNQパス」などは通用対象外となっており、この点では中通島を走る西肥バスに比べると見劣りが否めません。
(その代わり余り宣伝されておらず、HPにも言及が見られないなど知名度は低いのですが、五島市外からの訪問客に限り、島内一般路線が1000円で一日乗り放題となるフリー乗車券が発売されており、案内所(福江港ターミナル内にもあります)などでのみ購入可(車内販売なし)です。
この乗車券は利用当日でなくても前日などに事前購入する事も可能(購入時に利用日を指定・対象日を押印)で、島内路線でも片道1000円を超える区間も多数ありますので、利用価値は非常に高く、その上現金以外に「長崎しまとく通貨」での購入も可能ですので、福江島訪問の際にはおススメです)

車両面でも中通島を走る西肥バスでは、最近では大都市圏中古車の直接導入も目立つものの、佐世保など本土で10年以上使用した車両が転用される事が多く、本土と島の間で車両面での繋がりも…といった状況なのに対し、五島バスは現時点では大都市圏中古車の導入を行っていないどころか、親会社である長崎バスからの車両移籍も見受けられないなど、中通島とは対象的な状況になっています。
(長崎バスは首都圏などの大都市圏に比べると車両使用年数は長いですが、大都市圏中古車導入も見受けられず、ノンステップバス導入数も九州最大であるなど、地方の民営バス事業者の中では車両状態も比較的良好な部類で、近年でも系列外の島原鉄道へ路線車を売却した事例が存在する程です)


親会社や大都市圏などからの移籍車が見受けられず、専ら自社導入車という状況だけあり、島の状況を鑑みた車両が導入され、主力となっている車両は一般路線と貸切用途の双方に対応可能な、背もたれの大きい2人がけ座席がズラリと並ぶ大型の「兼用車」となっています。

それも九州と言う土地柄もあってか、西日本車体工業(西工)製の車体を採用した車両が主流を占めているのが大きな特徴で、年式的には経年20年を超える古参の部類に属する車両が多い事から、西工製車体の兼用車は58MCが大半を占めています。

58MCで小さなサイズの前面幕や、黒の引き違い窓といった風貌は、同じ長崎県の離島を走る壱岐島の壱岐交通で活躍する車両にも類似した雰囲気を感じ、福江島自体も壱岐島と何となく類似した雰囲気を感じたものでした。
(長崎県離島の中では大規模な部類に入る対馬島・壱岐島と中通島(上五島)・福江島(下五島)は、どちらも前者は細長い形の島で起伏の激しい地形となっており、後者は丸っこい形をしており、割合起伏が小さい地形となっています)

 
下回りも壱岐交通の58MCと同様の日野製(左側の写真)と、親会社長崎バスで主流となっているいすず製(右側の写真)の2通りがあり、公式側後部のルーバー有無などで、両者を識別する事が可能です。

経年車ながらも主力車両と言う事もあってか、福江島内で五島バスが運行する路線バスに乗車した際には、このタイプの車両には何度も遭遇したもので、如何にも西日本離島のバスらしい車両と言う事もあり、このタイプに当たると嬉しいと感じたものでした。

また比率は低いものの、西工58MC以外の大型兼用車も活躍しており、こちらに関しても近日中に別記事で取り上げたいと思います。


中通島を走る西肥バス(3)~マイクロバス編

2014-06-13 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた長崎県・中通島を走る西肥バスは、中型車が主体を占め、大型車もこれに混じって活躍するなど、離島の路線バスにしてはかなり上等な部類と感じますが、これらに混じってマイクロバスも活躍しています。


MAKIKYUが3月に中通島を訪問した際には、1日1本だけの有川→青方→佐野原峠→浜串間の路線に乗車した際に、路線車のマイクロバスでは最もポピュラーな存在と言える日野リエッセに当たったものでした。


この路線は途中の道路条件(佐野原峠周辺など)も影響してか、専らマイクロバスによる運行となっている様ですが、MAKIKYUが中通島を訪問した際には、他に有川~青方~奈良尾間で運行している九州商船のジェットフォイル利用者向け無料シャトルバスでも、リエッセの姿を目撃しています。

両者共にトップドア車となっているのですが、後者に充当された車両は窓枠が銀色・ガラスも無着色であるなど、見栄えの点ではMAKIKYUが有川~浜串間で乗車した車両に比べると…とも感じたものでしたが、スペック的には大差ない車両ながらも、差異が見受けられるのも興味深いものです。

またMAKIKYUが中通島を訪問した際には、西肥バスではリエッセ以外のマイクロバスを目撃する事はなかったものの、西肥バスFacebookには新上五島町に赴任するローザが紹介された記事などもあります。

ローザが有川~浜串間や九州商船シャトルバスに運用されても、スペック的に問題なさそうな気もしますし、近年ではリエッセも大都市圏からの移籍車が地方に多数出回る状況です。

現在活躍中のリエッセも、余所から移籍して来た車両が混在している様で、今後リエッセやローザが数を増やしても何ら不思議ではない気もしますが、中通島は離島にしては結構大きい島だけに、乗車時間が長くなる事もしばしばですので、全国各地で大増殖しているノンステップのマイクロバスが充当されたら…とも感じたものでした。
(全国各地の路線バスを見渡せば、全国各地で大増殖しているノンステップのマイクロバスで片道2時間超という路線などもあるのですが…)


中通島を走る西肥バス(2)~大型車編

2014-06-09 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、長崎県の中通島を走る西肥バスの路線車に関して取り上げましたが、今日はその続編で大型車に関して取り上げたいと思います。

中通島では佐世保航路が出航する有川から、新上五島町役場のある青方を経て、長崎~福江航路の一部便が寄港する奈良尾までの間を結ぶ縦貫路線が、島内の基幹路線となっています。

その中でも商業施設などが集中し、人口も多い有川~青方間は結構な数の区間便も設定されており、青方を起点に循環運行を行っている奈摩・榎津循環線も昼間毎時1本程度が確保されていますので、両路線が重複する青方~上五島高校間などは、離島にしては結構な便数が確保されており、島の規模などを踏まえると路線バスが結構充実していると感じたものでした。

この2路線でも先日取り上げた中型車による運行もあるものの、結構な頻度で大型路線車の姿が見られるのも大きな特徴で、間合いで他路線にも大型路線車が充当される事もあります。

大型路線車も中型路線車と同様に、いすず以外の3メーカー車種が揃い、撮影はできなかったのですが、中には大都市圏移籍車も混在しています。

 
日産ディーゼル製の自社発注車は、西日本車体工業(西工)と富士重工業製の双方が存在しているのも特徴で、前者は実際に乗車する機会もありましたが、中通島を走る西肥バスの大型路線車は、奈良尾に配置されている車両を除くと、日産ディーゼル車が多数派を占めています。


路線バスでは一般的な前中扉車だけでなく、ワンマン装備を施した貸切・高速車と言っても過言ではない車両も存在していますが、路線としての充当だけならともかく、離島であるが故に限られた台数で貸切も対応するとなると、兼用車の存在は当然とも感じます。
(西肥バスの場合は本土側でもこの手の車両が存在していますが、近年では比較的足の長い佐世保~平戸間の「半急行」でも路線形の前中扉車が頻繁に充当されるなど、様相が変わりつつあります)


中にはトップドア車の中扉増設改造車と言う珍車も活躍しているのは注目点と言えますが、この車両が走る姿こそ何度か目撃したものの、乗車機会がなかったのは少々残念に感じたものでした。


奈良尾を拠点に活躍する大型車は、導入から20年以上が経過した経年車ながらも、本土から異動した車両や大都市圏からの移籍車ではなく、新車で配置された日野車が主流を占めており、この車両は銀色の2段窓サッシなど、他の西肥バスが導入している同時期の自社発注車とは異なる仕様となっているのも特徴です。
(この車両はサスペンションも板バネ(リーフサス)です)

「つばき○号」(○は数字が入ります)という愛称が付けられており、奈良尾を拠点に活躍している事もあってか、有川~青方~奈良尾間の縦貫路線だけでなく、奈良尾発着の他路線でも活躍しています。
(写真は青方西肥バスセンターに停車中の「つばき3号」です)


MAKIKYUが浜串発着便に乗車した際に、一度この車両に当たり、車内も座席が1列毎に異なるカラフルなモノとなっているのも特徴的と感じたものですが、結構な古参車ですので何時代替が行われても不思議ではなく、路線状況などを考えると今後代替が行われる際には、車両のダウンサイズ化が実施されても…と感じたものでした。


また中通島を走る大型路線車の中には、トップドア車など貸切に用いても…と感じる車両が複数活躍するだけでなく、大型の純粋な貸切専用車も在籍しており、年式的には古参車が多い状況ながらも、便数だけでなく車両面でも離島にしては充実していると感じたものでした。

マイクロバスに関しても、近日中に続編記事で取り上げたいと思います。


中通島を走る西肥バス(1)~中型車編

2014-06-03 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが3月に訪問機会のあった長崎県の中通島、通称「上五島」とも呼ばれるこの島は、現在市町村合併によって全域が「新上五島町」となっています。

新上五島町は人口2万人を超えており、離島の自治体にしては面積・人口などは比較的大規模な部類に入る事もあり、島内も鉄道こそないものの、離島にしては結構な数の路線バスが運行しています。

この路線バスの大半は、佐世保など長崎県北部ではお馴染みの西肥自動車(西肥バス)が運行しており、それも分社化した子会社などではなく、本土と同様に本体直轄での運行となっているのも大きな特徴です。

この事もあってか、中通島は本土とは少々離れた離島ながらも、島内を走る西肥バス各路線では長崎県内大手各社が導入している共通ICカード「長崎スマートカード」や、九州の大手バス事業者各者で通用するフリー乗車券「SUNQパス」でも乗車できます。
(MAKIKYUも中通島を走る西肥バスに乗車する際には、これらを利用したものでした)

車両面でも、本土で数年~10数年程度活躍した車両が、登録番号変更(新上五島町は長崎ナンバーですが、本土の西肥バスは大半が佐世保ナンバーで、中には佐賀ナンバーの車両もあります)と共に移動したものが主体となっており、離島と言う土地柄も影響してか、車両サイズは車長9m弱程度の中型車が主流を占めています。


近年では本土側でも大都市圏移籍車が幅を利かせる状況ですので、大都市圏移籍車が直接新上五島に配属される事例も多く、MAKIKYUが青方で野母商船「太古」を下船した際に、フェリー接続で待機していた有川行のバスも大都市圏移籍車でしたが、その後も島内各路線を乗車した際には大都市圏移籍車の中型車には何度も乗車したものでした。


西肥バスの路線車は、自社発注車だと近年導入された車両を除くと、中折戸の車両が主流ですが、中通島を走る大都市圏移籍車は首都圏からの移籍車が大半と言う事もあってか、大半が中引戸となっており、引戸ながらも見付を折戸に合わせるためなのか、中扉が黒く塗られているのも大きな特徴です。


大都市圏移籍車だけでなく、西肥バスの自社発注の中型車にも何度か乗車機会がありましたが、メーカーは近年数台導入事例がある程度のいすずを除く国産3メーカーが揃っていますので、離島で台数もそう多くないにも関わらず、車種は結構多彩で、全く同一の車両を複数探す方が…とも感じてしまう程でした。

 
その中には昭和60年式と言う、今や動態保存車を除けば地方へ足を運んでもなかなか遭遇しない古参車もあり、帰還後にネット上の情報を色々調べると、旧年式車が多い中通島を走る西肥バスにおいても、この車両は最古参車となっている様です。

MAKIKYUも一度この車両に乗車する機会がありましたが、途中で塗装変更が行われ、整備も行き届いているためなのか、年式の割には随分綺麗な印象を受けたものでした。


また中通島を走る西肥バスは、基本的に「中乗り前降り」となっていますが、自家用用途で使用していた車両を転用した車両などでトップドア車も混在しており、こちらは当然ながら「前乗り前降り」となります。
(どちらも地方路線バスでは典型的な整理券方式の運賃後払いです)


MAKIKYUが中通島へ足を運んだ際には、奈良尾から若松島(若松大橋によって実質的に陸続きとなっています)へ向かう路線に乗車した際、このタイプの車両に当たったのですが、その前日には同じ車両が青方で奈良尾行の便に充当されている姿も目撃しています。

この中通島を走る西肥バスは、概ねダイヤ毎に充当車両のサイズが決まっている様で、中型車は島内を走る大半の路線で姿を見る事ができますが、大型車やマイクロバスなども活躍しており、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


丸濱産業(有)奈留島バス~小さな島を走るマイクロバス

2014-05-28 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、五島旅客船「ニューたいよう」に関して取り上げましたが、この高速船が寄港する奈留島は、島の名前を聞く事自体が初めてと言う方も少なくないかと思います。

奈留島は五島列島の中でも大きな島である中通島と福江島のほぼ中間辺りに位置しており、一応博多と長崎を発着するフェリーも1日1回ずつ寄港するのですが、それ以外の島外とを結ぶ航路は専ら福江発着(福江~奈留間or福江~奈留~若松島間)となっています。

本土と奈留島の間を直結する高速船などはありませんので、非常に足を運び難い島で、「離島の離島」と言っても過言ではない状況です。

以前は島全体が「奈留町」という一つの自治体でしたが、近年の市町村合併により、現在は福江島などと同じ「五島市」の一部となっています。

かつては人口1万人程度を数えた事もある様ですが、現在の人口は3000人台となっており、島内にある信号機は1つだけであるなど、典型的な離島となっています。

しかし小さな島とは言えども、港などのある中心部から島内全域へ徒歩で移動できる程ではなく、離島にしてはそれなりの人口もある事から、少ないながらも中心部から島内各地への路線バス運行もあり、丸濱産業という事業者が運行を行っています。

丸濱産業は奈留島内でタクシー運行も行っている事業者で、路線バスは車体に事業社名ではなく、通称の「奈留島バス」と標記しているのも大きな特徴ですが、バス車内にはきちんと「丸濱産業有限会社」の社名標記も存在しています。


島内の道路事情は、中心部でも車両同士の行き違いが困難な箇所も存在し、バス路線経路中に狭い曲がり角などもある事から、使用車両は過疎地の路線バスでは典型的なマイクロバスとなっていますが、専らいすず車が使用され、それも観光バスを連想させる様な車高の高い車両が主体となっています。

 
MAKIKYUが奈留島バスに乗車した際も、この車高が高い車両に当たり、このタイプが奈留島バスの主力になっていますが、車高が高いだけでなく床面も高床ですので、ステップ数も多く、乗降の際も観光バスや都市間バスを連想させる状況でした。


しかしながら観光バスの様な見た目の車両ながら、乗車時間は全区間を乗り通してもさほど長くない事から、座席は簡素な印象のビニール張りとなっているのも特徴で、利用者も殆どが島内客という事もあってか、車内放送案内などが存在しない辺りも、小さな島を走る路線バスらしいと感じたものでした。

ただMAKIKYUが乗車した車両では、多区間後払い制という事もあってか、当然ながら整理券発行機が装備されている他、次停留所名も文字案内されるデジタル運賃表示器や、自動両替装置付運賃箱などは備えられていました。


また運行車両だけでなく、バス停ポールや車両の行き先案内なども簡素なものとなっており、市町村合併で奈留島町役場は存在しないにも関わらず、今日でも「役場前」という名前のバス停が残存している辺りなども、離島のバスらしさを感じたものです。

車両前面に表示される行先案内も、汐池方面の循環路線では「汐池」表示のみであるなど、路線自体が限られる小さな島の中を走る路線バスらしいと感じたもので、奈留島港ターミナルへ向かう便に関しては、「波止場」という行先表示を出しているのも大きな特徴です。


専ら航路時刻に合わせた運行という事もあってか、早朝や深夜などの運行時間外以外でも、路線バスが運行されない時間帯も存在しており、その時間は港から中心部へ向かって歩き、旧役場などのある島内中心部を抜けた所に位置する営業所(港からは徒歩で移動すると20分程度です)に、路線バス車両が勢揃いする光景を見る事も出来ます。


車庫内に停車している車両の中には、MAKIKYUが乗車した車高の高いバスではなく、年式的にもやや古く、車高も他車両より低い車両も1台停車していましたが、こちらは自動両替器付運賃箱などの装備はなく、小さな島の中を走る小規模なバスながらも、全く同一の車両のみで揃えているのではなく、バリエーションが存在するのも特徴です。

この奈留島バスは主に島内住民向けに運行している事もあってか、丸濱産業のHPなどは見当たらないどころか、ネット上でダイヤを検索してもなかなかヒットせず、MAKIKYUも実際に奈留島へ足を運び、奈留島港ターミナル内の観光案内所でようやく運行時刻表を入手できるという有様でした。


そのため奈留島の路線バス時刻を知りたくても、なかなか情報が…という方も居られるかもしれませんので、バス車内に貼り出されていた運行時刻表の画像(2014年3月撮影)を公開しますので、もし奈留島へ足を運び、島内路線バスに乗車する計画を立てている方が居られましたら、参考にして頂けると幸いです。
(この画像はMAKIKYUが任意で公開した非公式情報です。
今後ダイヤ変更などがあるかもしれませんが、この時刻表を基に行動され、画像と異なるダイヤで路線バスが運行された場合に蒙った損害などに関しては、MAKIKYUは一切責任を負いませんので、悪しからずご了承下さい)


終焉を迎える新上五島町営バス~4月からは民営移管に

2014-03-28 | バス[九州離島・沖縄]

今月MAKIKYUは遠方へ足を運ぶ機会が2度あり、その内の1回は九州まで足を延ばしており、長崎県の五島列島にも初訪問したものでした。

その際にはまず最初に通称「上五島」とも称される中通島に足を運んだのですが、中通島はかつて有川(Arikawa)町や青方(Aokata)町、奈良尾(Narao)町など幾つかの自治体が存在していたものの、現在は平成の市町村合併により、全域が南松浦郡新上五島町となっています。

新上五島町は中通島の他に、現在は若松大橋と呼ばれる橋によって、同島と実質的に陸続きとなっている若松島なども区域に含まれており、この若松島全域と中通島の一部地域は、かつて若松町と呼ばれる自治体でした。

この若松町は新上五島町成立以前から、町営バスを運行しており、新上五島町への合併後も同町に引き継がれ、新上五島町営バスとして運行しています。

「若松」と名乗る自治体が公営バスを運行し、他自治体との合併後も新自治体によるバス運行が行われると聞くと、北九州市を連想する方も少なくないかと思います。

こちらも北九州市では旧若松市が市営バスを運行、これが北九州市に継承されて現在も北九州市営バスとして運行しており、このバスにはMAKIKYUも何度か乗車した事がありますが、元若松市営バスという経緯もあってか、同市の中心地・小倉駅周辺で北九州市営バスの姿を見る機会が少なく、同市営バス路線は若松区やその周辺に偏在している事は、ご存知の方も少なくないかと思います。

長崎の若松を走る新上五島町営バスも、若松島内の路線をはじめ、若松大橋を渡って白魚(Shiroo)や中五島高校まで足を伸ばす便も存在していますが、専ら旧若松町内での運行となっています。
(白魚では有川・青方~奈良尾間を運行する西肥バスと乗継可能で、若松~白魚間のダイヤも、この西肥バスとの乗継が配慮されています)

中通島自体が決して足を運び易いとは言い難い上に、若松島は更にその先、「離島の離島」と言っても過言ではない状況ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方でも新上五島町にお住まいの方や、同地に何らかの縁のある方を除けば、新上五島町営バスに乗車した事がある方はかなり少ないかと思います。

また若松島の路線バスは、完全に町営バスで統一されている訳ではなく、若松大橋を渡って中通島の白魚などへ足を伸ばす町営バスが存在する一方で、奈良尾~若松間を若松大橋経由で運行する西肥バスも存在しています。

白魚~若松間では両者競合となる辺りは、輸送需要自体が限られる離島にしては珍しいと感じ、離島の離島ともなれば尚更です。

橋を渡る路線バスが公営と民営の2者競合状態と言うのは、北九州の若戸大橋を渡る路線バスが、公営と民営の2者競合状態による運行となっているのを連想させるものがあり、全く異なる土地柄で偶然ながらも、若松という地を走るバス同士の共通点とも言えます。


しかしながら長崎の若松を走る公営バスこと新上五島町営バスは、年度末となる今月末で事業廃止となり、来月からは民営移管となりますので、西肥バスと町営バスのポールが並ぶ姿も、まもなく見納めになるかと思います。

この移管先公募では中通島にも路線を持つ長崎県では大手、全国的に見ても中堅の部類に属する西肥自動車が公募に応募、同社が今後旧若松町営バスの運行を担う事になり、若松大橋を渡る路線バスは同社バスに一本化となります。

MAKIKYUが今月新上五島町を訪問した際には、奈良尾~若松間の西肥バスに乗車し、若松大橋を渡って若松島入りした後、一度だけ新上五島町営に乗車する機会があったのですが、同町営バスへの乗車はこの1回きりとなりそうです。


MAKIKYUが乗車した際には、行先表示と新上五島町営バスの表記がなければ、白ナンバーと言う事もあってか、路線バスとは気付かない様な雰囲気のマイクロバス(日産シビリアン)がやって来たものでした。


このバスは整理券発行機や自動両替装置付き運賃箱が装備され、これらの装備を見ると路線バスである事を実感させられますが、デジタル運賃表示器の姿は見えるものの、これは使用せずに三角表を掲示している状況で、民営移管後に使う為に装備しているのかも…と感じたものでした。
(特に今年は4月1日に消費税増税(5→8%)が行われ、これに伴って各地の路線バスも増税分転嫁の為に値上げが行われますので、新旧データ差し替えを避けるために、現時点で新データを入力した運賃表示器を装備している事も考えられ、「離島の離島」という土地柄も影響しているのかもしれません)

車内放送も流れない辺りは、利用の大半は専ら地元住民で、殆ど島外の観光客などが乗車する機会がないと思われるバスらしいと感じたものでした。

西肥バスでは本土だけでなく中通島でも、音声合成による車内放送が流れ、ICカード(長崎スマートカード)も通用、MAKIKYUが若松島に向かう際に乗車した西肥バスでも長崎スマートカードで運賃を支払うなど、離島のバスながらも本土との格差を余り感じない状況でしたので、西肥バス移管後も現行の取り扱いとなるのか、それとも中通島内を走る路線バスなどと同水準に改められるのかも気になる所です。


ちなみに若松港のターミナルで目的のバスを待っている際には、白と朱色の装いを纏った三菱ローザの姿を見る事が出来ましたが、こちらは「新上五島町営バス」ではなく、合併から結構な年月を経過しているにも関わらず、未だに「若松町スクールバス」という表記が見られたのも特徴的と感じたものでした。

この他にも写真こそありませんが、マイクロバス以外に中型車なども活躍しており、ローザと同じ装いのトップドア中型車や、帯色が朱色ではなくブルーのトップドア中型車などを目撃していますが、どれも決して新しい車両とは言い難いだけに、西肥バス移管後も同社に引き継がれるのか否か、また継承の際には同社塗装に改められるのか否かも気になる所です。

西肥バス自体経年車が多く、近年では大都市圏からの移籍車両も目立つ上に、新上五島はその中でも古参の部類に属する車両が本土から転属する事例をはじめ、新上五島町成立前の他自治体が自家用の用途で導入した車両を継承、島内路線に使用している事例も存在する事を考えると、年式的には古参でも車両状態が良好であれば、継続使用される可能性も大いに考えられるのですが…


対馬交通舟志・小鹿線~もみじ街道を走る景勝路線

2014-02-18 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが12月に対馬を訪問した際には、対馬の南北を移動するだけでも相当な時間を要する事から、対馬入りの際には厳原に入港したものの、北部の比田勝まで足を伸ばした後に対馬を離れる際には、北部の比田勝港から出航する航路を利用したものでした。
(比田勝まで足を伸ばした後、また厳原に戻るのは結構な労力を要しますので…)

ただ比田勝では午前中にレンタサイクルで韓国展望台などを廻った後、名物上対馬とんちゃんの昼食を済ませても、比田勝港から乗船予定の船が出航する時間まではまだ余裕があり、当日有効の対馬交通の1日フリー乗車券も手元にあった事から、比田勝を起点に片道1時間弱、島の東側を南下する舟志・小鹿線を往復乗車したものでした。


充当車両は対馬交通の主流となっているいすず中型車トップドア車ながらも、自家用バスの様な風貌をした車両で、貸切車の如くサイズの大きな前面窓や、引違い式の側面窓などは、他の中型路線車に比べるとやや高級感があります。


車内も右前方に荷物置きが設けられているのをはじめ、座席は対馬交通らしいビニールながら、背もたれ部分が一人づつ分かれているなど、外見だけでなく車内もやや高級な印象を受けたものでした。


路線に関してはさほど期待していなかったのですが、結構な狭路を走る区間が多い上に、その中には「もみじ街道」と称する対馬一の紅葉名所も通るなど、車窓面でも予想以上でした。

MAKIKYUが乗車した時には、バスの乗客は指の数も居ない状況で、紅葉は終わり頃と言った雰囲気でしたが、それでも外国人観光客の団体がもみじ街道を散策し、団体を乗せてきたと見受けられる観光バスが何台か停車している姿も見かけたものでした。
(MAKIKYUが舟志・小鹿線に乗車した際には、外国人と見受けられる乗客の姿はなかったものの、比田勝港に掲出された外国人向けの韓国語による案内の中には、フリー乗車券(外国人は毎日利用可能)利用のモデルプランの一つとして、大浦のショッピングセンター訪問と共に、舟志・小鹿線に比田勝から途中まで乗車してもみじ街道を散策し、小鹿から戻ってきたバスに乗車して比田勝へ戻るルートが紹介されていた程です)

運賃は全区間を乗り通すと片道1000円以上を要する路線ですので、フリー乗車券などがなければなかなか乗車は…という印象ですが、平日・土曜ダイヤでは4往復、日・祝日でも2往復運行しており、夕方に比田勝を出航する航路に乗船する場合、当日有効のフリー乗車券が手元にあり、空き時間があれば乗車価値はあると感じる路線でした。

またこの路線はフリー乗車券利用による往復乗車するだけでなく、本数こそ限られて結構な乗継待ち時間が生じるものの、ダイヤによっては小鹿からは仁位へ抜ける路線バスに乗り継ぐ事も出来ますので、縦貫線とは異なる東廻りで比田勝→仁位を移動したい方にも、注目の路線かと思います。
(その気になれば日没後の移動になるものの、更に仁位で厳原行最終便に乗り継ぐ事も可能です)

現ダイヤで逆方向の仁位→比田勝では、同日中に乗継可能なダイヤが皆無の状況で、運賃の高さ故にフリー乗車券かフリーパスポート(1ヶ月有効の全線定期券)でもないと、このルートを辿るのもかなり厳しいのですが…