10月14日「鉄道の日」には2つの鉄道に関連する博物館が開館し、その内「小田急バーチャル鉄道博物館」(バーチャルという名の通りネット上に存在しており、小田急電鉄HPからアクセス可能です)は既に何度も訪問しており、「MAKIKYUのページ」でも関連記事を取り上げています。
しかし10月14日に開館したもう一つの鉄道に関する博物館で、かつて東京・神田にあった交通博物館を移転して新装OPENした埼玉県さいたま市の「鉄道博物館」は、開館当日に入場制限が行われる程(MAKIKYUの知り合いにはこれに泣いた人物もいます)で、MAKIKYUもつい一昨日(2日)ようやく訪問する事ができたのですが、先日訪問した際に感じた事や訪問記などを、今日は雑記として記したいと思います。
(これから鉄道博物館訪問を検討されている方は、宜しかったら参考にして下さい)
鉄道博物館へのアクセスは、大宮~内宿間を運行する埼玉新都市交通(ニューシャトル)で大宮駅から一駅、その名も「鉄道博物館」という駅(鉄道博物館開館にあわせて、大成(おおなり)から改称された駅ですが、ICカードの利用履歴には未だに旧駅名が表示されます)に直結しており、他に東武野田線北大宮駅からも徒歩圏ですし、やや健脚向けで悪天候時などは厳しいですが、各路線が集まる大宮駅からも徒歩20分強でアクセス可能な場所に位置しています。
ニューシャトルには大宮から1駅乗車するだけでも180円(全線では340円です)かかりますので、MAKIKYUはそれならという事で、ニューシャトルには終点一つ手前の羽貫駅から乗車して鉄道博物館駅を目指しましたが、ニューシャトルを利用して鉄道博物館へ来館する方の殆どは大宮方からアクセスしている模様(そのため大宮~鉄道博物館の1駅間だけ混雑する事も多い様です)で、内宿方からのアクセスは比較的空いていますのでおススメです。
ただニューシャトルは大宮駅以外に他鉄道線との接続駅がなく、また上越新幹線に並行して走ってはいるものの、大宮・鉄道博物館以外の駅から至近距離に他路線の駅も存在していませんので、大宮・鉄道博物館の両駅以外にニューシャトル以外の公共交通機関を用いてアクセスするとなれば、必然的に路線バスを使用する事になりますが、これは上尾~羽貫駅(一部は更に伊奈学園総合高校まで運行)の朝日自動車(東武系のバス事業者でバス共通カードの利用も可能です)をはじめ、上尾駅~ガンセンター(丸山駅まで徒歩圏です)間など朝日だけでも幾つかの路線があります。
他にも新規参入事業者である丸建自動車(けんちゃんバス:バス共通カードなどは使えませんが、運賃は150円均一と割安です)の上尾~蓮田間の路線(志久駅を経由する路線と、丸山駅を経由する路線に分かれます)や、上尾市のコミュニティバス(ニューシャトル沿線も一部は上尾市に含まれる事もあり、原市などの駅近くを通ります)などもありますが、どのバスも決して本数は多くない状況です。
ただ上尾駅東口に行けば、ニューシャトルの何処かの駅に抜けるバスを捕獲するのは比較的容易ですので、大宮~鉄道博物館の1駅間混雑を避けたい方や、バスと組み合わせてニューシャトルで鉄道博物館へアクセスするルートに興味のある方は、上尾駅からアクセスされると便利かと思います。
(ニューシャトルの駅から上尾駅に向かう場合や、上尾以外の駅(蓮田など)からニューシャトルの駅へアクセスされる場合は本数が余り多くないですので、事前に時刻を確認しておいた方が良いです)
こんな事を記しているMAKIKYUですので、先日の鉄道博物館訪問の際には当然上尾駅へ向かい、上記に記した羽貫駅までのバスを利用したのですが、上尾まではMAKIKYUの現在住んでいる横浜市内から直通で行ける電車も運行されているものの、さすがにこれは面白みに欠ける上に車両の質も…という感がありますし、運賃が高い事(片道1110円)もありますので、横浜~渋谷間で東急東横線を利用し、その後JRを板橋・(赤羽)・浦和で乗り継いでアクセスしたのですが、これですと横浜~渋谷間260円・渋谷~上尾間650円(合計910円)で済みます。
また先日はわざと板橋・浦和の両駅で途中下車(改札を出場)する事で更に50円浮かせており、これはいびつなJRの運賃制度に起因するものですが、この事は「MAKIKYUのページ」においても過去に何度か記しており、板橋での途中下車はともかくとして、浦和で一旦途中下車するだけでも運賃制度の違い(電車特定区間とそれ以外)も影響して40円変わります(渋谷~浦和間380円・浦和~上尾間230円、合計610円)ので、改札出場の手間を惜しまなければ、渋谷~上尾間をJRで移動する際には浦和で一旦下車した方が利口です。
(電車を乗り通すだけで余計な運賃がかかるのではたまらないですので…ちなみにJRでこの様な事例は無数に存在し、例えば小田急や京王沿線の方が鉄道博物館を訪問するのに新宿~大宮間でJR線を利用する場合、川口か西川口で途中下車するだけで30円安くなり、回数券の場合も分割して購入した方が経路に制約が生じるものの、運賃は得になります)
ところで鉄道博物館自体の話からは随分それてしまいましたが、肝心な鉄道博物館自体の話に移りますと、入館料1000円というのは随分強気な価格設定という感があり、JRみどりの窓口で発売している前売券を購入してもドリンクのサービス特典(館内食堂で使用可能)があるものの割安にはならず、ニューシャトルの運賃も考えると結構割高な感がありますし、また前売券は発売枚数制限の関係もあって予め日時を指定(但し発売制限数に達していなければ当日でも購入可能で、MAKIKYUが入館当日に浦和駅で購入した際には、残数47でした)しなければならない点は、随分不便なものです。
(ただ鉄道博物館においては入場券購入も混雑していますので、可能であれば前売券を購入した方が賢明です)
入館に際しては最新の博物館だけあってIT技術を駆使し、ICカードによる入館時の改札をはじめとして、専用の入館カード以外に手持ちのPASMOやSuicaが使える事もウリ(但しMAKIKYUが首都圏のJR利用時に愛用しているJRのICカード・ICOCAは不可です)となっていますが、前売券利用者の場合は専用カウンターにおいて引換券と交換で自動的に入館カード利用(他に会員なども)となっており、この入館カードは種別(大人・会員・子供など)によって色分けされているのが特徴で、また予約制アトラクション(ミニ運転列車など)のデータを記録できる機能もある様ですが、現状では混雑の余り整理券を配るほどの状況で、この機能を発揮できていないのは皮肉なものです。
薄暗い色をした建物(同日OPENした小田急の博物館とは対照的です)の館内に入ると、開館フィーバーもあるのか結構混雑しており、シミュレーター(以前交通博物館にあったもの)でもかなりの行列、ミニ運転列車(200円)の整理券も既に締め切りとなっており、ドリンク券もあるので試しに…という事で利用した日本食堂(館内レストラン)も食事時を外れているにも関わらず30分待ち、挙句の果てにはミュージアムショップまで入店待ちとまだ結構混雑していて落ち着かない感があり、訪問した11月2日(平日)でこの有様でしたので、土休日に訪問したらどれだけ凄い事になるか想像するだけでも恐ろしいですが、まだ暫くは落ち着いて見学できる状況ではなさそうです。
ただ以前の交通博物館時代に比べて大幅に収蔵数が増えており、充実した展示車両の見学などは身動きが取れない程ではありませんので、見学そのものはそれなりに楽しめ、展示車両と共に作られた時代の情景セット(ホームなど)もなかなか良い感じですし、2階部分から多数の展示車両を見下ろすのは悪くないのですが、演出効果を狙った事もあるのか多数の車両が収蔵されている館内は極めて暗く、しかも収蔵車両数の割に館内は狭い事(それでも国内にある他の鉄道関連博物館と比較すれば大きいですが…)もあって、満員電車の如く展示車両が詰め込みとなっている感があり、「薄暗い」「詰め込み」となれば某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多いJRの某安物車両を連想させられて感心できるものではありませんし、個々の保存車両を撮影するには極めて不都合な点は惜しまれます。
また館内とJRの営業線路が繋がっているとはいえ、現状ではもう殆ど収蔵車両数の増加が見込めそうにない点(この点では中国北京の鉄道博物館では無造作に車両が陳列されているだけという感があるものの、空間的余裕という観点では評価でき、今後にも期待できそうです)も気になります。
とはいえ交通博物館時代より収蔵内容が大幅にグレードアップしており、日本国内の鉄道関連博物館では最大級の規模を誇る事もあって、MAKIKYUは館内に6時間程度いたものの、まだまだ物足りない感がありましたので、混雑で落ち着かない状況で割高な入館料金を払うのは躊躇いがありますが、開館フィーバーが冷めて少し落ち着いた頃に再度訪問し、館内をゆっくりと見学すると共に、先日の訪問では体験できなかったミニ列車の運転なども挑戦してみたいものです。
この鉄道博物館に関しては、まだ保存されている収蔵車両の数々など記したい事は多数ありますが、それらに関しては後日追って取り上げたいと思います。
写真はニューシャトル車中(大宮行電車が鉄道博物館駅に到着する手前)から眺めた鉄道博物館と鉄道博物館の入場券類(JR乗車券と同等の前売券=入館カード引き換え時に回収・前売券利用者特典のドリンク引換券・入館ICカード[一般]、赤斜線はMAKIKYUが追加)、鉄道博物館2階から眺めた1階の保存車両群です。