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四川省・沙湾を走る軽便鉄道(2)~軽便鉄道ながらも壮観な貨物列車も…

2007-11-28 | 鉄道[中華人民共和国]

   

先月に一度、中国四川省・沙湾を走る軽便鉄道に関して取り上げましたが、今日は随分間が空いてしまったものの、その続編として今まで未公開の貨物列車などを少々取り上げたいと思います。

この軽便鉄道は、炭鉱の存在があってこそ存在意義があるといっても過言ではない路線ですので、ナローゲージで路線長も数キロと小規模であるにも関わらず、沿線の道路事情や国柄の違いなどもあるとはいえ、日本の大多数の地方私鉄などとは異なり、旅客列車以外に多数の貨物列車が運行されているのが特徴です。
(まあ旅客列車の利用状況も、日本の一部地方私鉄などより遥かに芳しいと感じますが…)

貧弱なレールや架線、それも列車のパンタグラフと架線の間から青白い火花を散らして走るといった、如何にも軽便鉄道といった簡素な感が強い路線とはいえ、凸形の電気機関車(EL)が20両程度の貨車を従えて走る姿はなかなか壮観で、そのインパクトは全車無座の旅客列車に劣らないものがあります。

あと稼動している姿は見かけませんでしたが、一般の旅客列車で使用されている無座の客車に比べると随分程度が良いと感じられる客車の姿も目撃しており、こちらもお世辞にも決して高級な車両とまでは言えないものの、一応座席も設けられており、この路線の中では多少程度の良さそうな車両です。
(昨年訪問した際に稼動した姿は目撃していませんが、SLで有名な芭石鉄路などとは異なり、この鉄道には外国人運賃こそ存在するものの、外国人専用車両はありませんでしたので、割高な外国人運賃を考えると、この車両を抜擢するのも一考?-余り外国人観光客の行く所ではないと思いますので、実現の可能性は低そうですが…)

またこの鉄道の路線の駅には、如何にも炭鉱の鉄道といった感があるトロッコが多数活躍している姿を見られる所も存在しているのですが、このトロッコは軌道・車両共に軽便鉄道より更に貧弱な感があり、トロッコ自体も手押しという有様ですので、こんな光景が21世紀の現代でも存在している事に驚かされます。

写真はEL牽引の貨物列車とその貨車、多少程度の良さそうな客車と、軽便鉄道乗車中に目撃したトロッコが活躍している駅でのワンシーンです。


ペンギンの罠もPASMOで~複雑怪奇な西船橋駅中間改札ですが…

2007-11-26 | Weblog

  

昨日MAKIKYUが地下鉄東西線に終点の西船橋まで乗車した後は、ここでJR線に乗り継いだのですが、この西船橋駅は以前ノーラッチ(中間改札なし)で乗り継ぎ可能であったものが、PASMO導入・利用開始にあわせてペンギン(JR某社ICカードのキャラクター)の罠とも言うべき中間改札が設置されています。

「MAKIKYUのページ」でも以前この改札機に関して取り上げた事がありますが、この改札機はJR側が設置したもので、ただでさえ乗り換え客が多く混雑している西船橋駅が更に混雑する要因となっていますし、JR側に近年OPENしたエキナカ店舗へも、東京メトロ・東葉高速線の乗車券では行けなくなるといった問題も生じています。

またこのペンギンの罠とも言うべき中間改札が設置された頃に比べれば利用客も慣れてきたのか、以前程の混乱ぶりは見られませんが、緑色のジャンバーを着用した案内員が改札機周辺に配置されている状況は相変わらずで、ペンギンの罠はJR側が設置したものにも関わらず、JRのICカードであるICOCA(MAKIKYUは私鉄は私鉄のカード・JRはJRのカードでという事で、前者はPASMO・後者はICOCAと使い分けしています)が使えないなど不便極まりなく、地下鉄乗車券(普通乗車券・回数乗車券など)+ICOCAの組み合わせで地下鉄~JR乗り継ぎの際は、地下鉄・JR共に駅の規模を考えると極めて通路数の少ない出入口改札に廻るか、地下鉄→JRへ乗り継ぎの際は精算機(これは地下鉄側に設置されていてもICOCAが使えます)でJR乗車券を購入するという、敢えてJRのICカードであるICOCAを使っているユーザーに不便を強いる状況となっています。

ただMAKIKYUが地下鉄を利用する際は普通乗車券や回数乗車券を利用する機会が多いのですが、先日は珍しくPASMOを利用していた事もあって、ペンギンの罠とも言える中間改札機は無事通過(JRのICカードはダメなのに、私鉄・地下鉄のICカードが使えるとは奇妙ですが…)できたのですが、このペンギンの罠とも言うべき中間改札機を通過した後にJR側の自動改札機から出場しようとしたらどうなるかと実験したところ、これは見事に通過でき、新宿駅の小田急・京王線側からJR構内を抜けて東口改札へ抜ける時などと同様、利用履歴には入場駅と出場駅で同じ駅名が並び、カード残額は差し引かれない扱いとなっていました。

西船橋駅は新宿駅などと異なり、構造的に駅構内(改札内)を通り抜けて反対側に出るといった事が考えられないだけに、この様な扱いが行われている事は少々不思議にも感じますが、これなら地下鉄利用時にもPASMOで入出場してJR側にあるエキナカに立ち寄る事や、PASMOであれば地下鉄の出口改札が混雑している際にJR側改札&ペンギンの罠(中間改札)を利用するといった方法も使えそうですので、知っていると少々便利な裏技かもしれません。

それにしても複雑怪奇なこのペンギンの罠ともいうべき中間改札、「安くて高品質」な東西線への乗換えをわざと不便にして、都心方面へ向かう乗客の東西線逸走を阻止しているとしか思えないペンギンの悪あがき(この事は東松戸駅の優等列車通過&武蔵野線との接続悪しといった状況で、l北総監獄(千葉ニュータウン)~都心方面への割安な東西線逸走阻止を目論んでいるとしか思えない「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)も同様ですが…)の様に感じられるこの中間改札は、まだまだ仕掛けが色々ありそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も何か情報などありましたら、コメント頂けると幸いです。

写真はペンギンの罠とも言うべき西船橋駅中間改札と、駅の規模に対して通路数が少な過ぎる出入口改札(JR側)、そしてPASMOの利用明細(下の方にある赤線部分に注目)です。


東京メトロ05系(ワイドドア車)~これがやって来ると…

2007-11-26 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日MAKIKYUは千葉県方面へ所用で出向いており、その際は千葉県方面へ向かう各路線の中では「運賃が安い・車両の質が比較的高い」とMAKIKYUが感じている事もあって、この方面へ向かう際にはごひいきとしている東京メトロ東西線を都心方面~西船橋間で利用したのですが、その際にやって来た車両が、今日取り上げる05系ワイドドア車です。

05系は東西線で現在主力を占めている車両で、近年は新05系とも呼ばれるモデルチェンジ車も多数走っているものの、数の上ではまだまだ05系(以下この記事で05系と記す事項は、特記がない限り新05系を除きます)の方が多く、導入年次も昭和の末期から、新05系も含めるとつい最近まで続いている事もあって、導入時期によって様々なバリエーションが存在するのが特徴です。

ただ05系の特徴として、前面のデザインと内装の色彩は統一されており、これが同系の特色ともいえますが、下回りは時期によってチョッパ制御を採用した編成とVVVFインバーター制御を採用した編成に分かれており、窓割や行先表示器(字幕式/LED式)も導入時期によって異なっています。

その中でも異端的存在といえるのが平成初頭の一時期導入されたワイドドア車で、これは運賃の安さなどで人気を集めているのか、ラッシュ時間帯の快速系列車を中心に混雑が激しい東西線における乗降時間短縮を狙って導入されたものです。

1800mmというかなり広幅のドアが特徴的ですが、これはドアが広くなった分だけ座席数が減少し、車端部が2名(他の車両では3名程度)、ドア間が6名(他の車両では7名程度)しか座れない事もあって、評判は今一つの様で、数編成が導入されただけに留まっています。

しかしそれでも同時期に導入されたワイドドア車である小田急1000系列(1500・1700番台として他編成と区分)とは異なり、現在でもドア幅縮小&座席増設といった改造は行われていませんので、この車両がやって来ると、座席数が少ない事もあって「他の車両なら座れたのに…」という事もありますし、つい最近まで陳腐感のあった旧式の5000系が活躍していた東西線も、現在はJR車両(E231系)を除くと05系・新05系(色違いの東葉高速2000系も含む)、それと05系後期車と同レベルの07系(有楽町線からの転属車両)といった顔ぶれで、05系自体が当りとはいえない状況になっていますので、どちらかというと余り遭遇したくない存在になっています。

ただワイドドア車は14~18編成(車両番号の末尾にこのいずれかの番号が入ります)の5本が存在しているのですが、その中で最初に製造された14編成だけは、東京メトロ車両の中では南北線以外で唯一のGTO素子を用いたVVVFインバーター制御車で、ただでさえ異端的存在のワイドドア車の中でも最異端の存在ですが、決して静かとはいえないものの独特な走行音を堪能できますので、MAKIKYUとしては大当たり的存在です。
(一般客の立場からすれば、他のワイドドア車以上に迷惑な存在かもしれませんが…)

昨日は快速に抜かれる各駅停車、それもMAKIKYUの目前で座席が埋まってしまう状況であったにも関わらず喜んで乗車したもので、このワイドドア車に関しては「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も好みが大きく分かれるかと思いますが、東西線の車両バリエーションに華を添える存在という意味では面白い車両ですし、今後も暫くこの形態で走り続けるのか否かも気になる所です。

写真は以前撮影した05系ワイドドア車(写真は14編成ではありませんが、外観はほぼ同等です)、このタイプの車両がやって来た時は、編成番号と走行音に注目です。


江ノ電のおまつり・タンコロまつりに行ってきました

2007-11-23 | 小田急グループ

   
   

今日極楽寺(鎌倉市)で江ノ電の「タンコロまつり」が開催され、また千葉県方面から知り合いがこのイベントに参加するという報を聞いており、MAKIKYUは横浜から近場という事もありますので、今回初めてこのイベントに参加して来ました。

「タンコロまつり」は江ノ電自体の路線や会場となる極楽寺の車庫も小さい事から、先月親会社でもある小田急電鉄が海老名で開催した「ファミリー鉄道展」の様な大掛かりなイベント(今年は80周年記念で例年以上の特別企画目白押しという事もあって、2日間の人出は4万人以上になった様です)ではないものの、名前の通りかつて江ノ電で活躍していた100形・通称「タンコロ」と呼ばれる単車の保存車両公開をはじめ、つい最近退役した300形304編成の先頭部カットボディの公開と記念撮影、現役車両の中では最古参の305編成(現存唯一の300形)の公開や鉄道模型の運転公開、グッズ販売にミニ江ノ電の運行などが行われ、それなりに楽しめるものでした。

MAKIKYUとしてはこのイベントの主役とも言えるタンコロ(108号車)の公開が最も注目すべき事であると感じ、車内も自由に出入りできる状況でしたが、この車両は通常一般に公開されていませんので、これを見に行くだけでも極楽寺に足を運ぶ機会があったと感じるものでした。

MAKIKYUが知っている江ノ電というと、古くてもせいぜい現在は退役している600形連結車(東急世田谷線などで使用されていた車両を譲り受けた車両)や、現在は一編成のみとなってしまった300形が非冷房・釣掛式駆動で活躍していた頃ですので、これでも「板張り床の冷房のない古い電車が大きな音を立てて…」(現在江ノ電では冷房化は完了していますし、板張り床の編成も305編成一本だけで、この編成はカルダン駆動化されて走行音は随分静かですので、今日の江ノ電でこの様な状況を同時に体験する事は出来ません)という時期の江ノ電には乗車した記憶が何度もあるのですが、80年代初頭に現役を引退している車両であるだけに、MAKIKYUは残念ながら実際に活躍していたタンコロに乗車した事はなく、近年は通勤時間帯や休日を中心に込み合い、2両連接車を2編成連結した編成でも満員の状況が当たり前ですので、戦前に製造されて連結運行が不可能なタンコロがよく80年頃まで走っていたものだと感心させられます。

ちなみにMAKIKYUがこの形式の実物に触れるのも10数年ぶりで、随分昔(この時は107号でした)だった事もあって記憶もかすかに…といった感じですので、運転台には座席や速度計もなく、客室との仕切りも路面電車の如くといった感じですし、木材を多用した昔ながらの車内は扇風機すらないといった状況ですので、運行に必要最小限の設備のみといっても過言ではないシンプルな感のあるこの車両はなかなか新鮮なものに映ります。

客室内の床が乗降口付近のみやや低くなっており、座席の部分との間で緩やかに傾斜があったのも印象的で、引退から随分な年月が経過しているにも関わらず、車体に多少の錆びなどが見られるとはいえ、保存状態も比較的良好に感じられましたので、今後も何らかのイベントなどでの再登場を是非願いたいものです。

また今回のタンコロ祭りでは、タンコロに比べると存在感が薄い存在に感じた300形も、現役唯一の編成である305編成は撮影し難い状況だったのは惜しまれますが、これからの時期に相応しいサボを取り付けていた辺りなどは注目点かと感じましたし、最近廃車となり、ファミリー向けの記念撮影に登場した304編成の先頭部カットボディも今後どの様に活用されるのか気になるもので、江ノ電の規模を考えると毎年の様に大きく様相を変えたイベントの開催は困難かと思いますが、またこの様なイベントが開催される事にも期待したいものです。

写真はタンコロまつりの告知広告(江ノ電の電車車内中吊り)と会場内の様子、今回のイベントの目玉的存在といえるタンコロの内外、そして300形305編成(300形唯一の現役編成)と304編成(先頭部カットボディ)です。


JR東日本 キハ52形気動車(盛岡地区)~奇跡的に生き延びたこの車両も遂に終焉の時が…

2007-11-21 | 鉄道[東北]

 

最近各地で鉄道関連の路線・車両・列車の改廃に関する情報が飛び回っており、先日「MAKIKYUのページ」でも総武流山電鉄の「流馬」に関して取り上げた記事を公開しましたが、今日は24日で終焉を迎えるJR東日本・盛岡地区の旧型気動車・キハ52形に関して少々取り上げたいと思います。

キハ52形は1950年代後半~60年代にかけて製造された一般型気動車・キハ20系列の一員で、その中でもエンジンを2機装備してパワーを確保し、山岳線などでの使用を想定した車両で、車体も1エンジン搭載のキハ20形に比べてやや長くなり、外観も側面ドア間の客窓が1つ多くなっているのが特徴です。

ドア配置の関係でワンマン運転には不適(それでもJR西日本などにワンマン化改造の事例あり)ですが、単行運転が可能でパワーがある事が幸いし、国鉄時代末期に多数が導入されて現在も各地のJRローカル線で使用されているキハ40系列が非力な事もあってか、古い車両とはいえ今日まで生き延びている車両も存在しています。

盛岡地区で使用されているキハ52形もそういった車両の一つで、JRグループの中でも車両淘汰の速度が早いJR東日本という事も考えると、JR化後に機関換装を伴う更新工事が施工されたとはいえ、今まで走り続けてきた事自体が奇跡的とも言えますが、老朽化も相当進行しているかと思いますし、盛岡地区の同形はワンマン運転には対応していない上に、いくら北東北とはいえ今時非冷房といったサービス面での問題などもあって、永年キハ52形を使い続けてきた盛岡地区でも、春には最新鋭気動車(キハE130系列)が導入された水郡線からキハ110系列が転配されて花輪線の車両を置き換えています。

残る山田線の盛岡~宮古間と岩泉線も、既に先月末から一部列車がキハ110系列による運行となっている模様で、残る旧型気動車キハ52形と、同じく旧型のキハ58形は24日を持って定期列車での運用は終焉となりますが、永年活躍した旧型気動車の活躍を労うと共に、今後キハ52形などに代わって活躍するキハ110系列の山田・岩泉両線での末永い活躍と、キハ52形がまだ運用されている大糸線(南小谷以北のJR西日本区間)などでの同形の活躍にも期待したいものです。

ところで盛岡地区のキハ52形ですが、MAKIKYUは15年程前の花輪線と、3年程前の山田・岩泉線の2回乗車していますが、近年はJR側の計らいもあって一部車両で旧国鉄時代の塗装が復元されていた事も大いに評価できる点で、最前部にも座席が設けられ、ここから前面の展望が楽しめる事は、国鉄末期に製造されたキハ40系列などの高運転台車や、JR化後に製造された軽快気動車にはない魅力を感じたものです。

またMAKIKYUが15年程前に初めて花輪線で同形式に乗車した時には驚いたのですが、客用ドアを開ける時は手動式となっているなど、外観だけでなく全体的に古風な印象が漂っているのは非常に印象的だった事を記憶しています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も盛岡地区で活躍した車両をはじめ、キハ52形に乗車された際の思い出などありましたら、コメントも是非どうぞ。

写真は3年程前に岩泉線に乗車した際のキハ52形(通称赤鬼と呼ばれ、JR化以後の更新施工車に施された塗装)と、宮古駅で停車中の復活旧塗装車(3年程前に訪問した際、山田線で運用されている列車に一度乗車できたのも幸いでした)です。


総武流山電鉄・流馬号~冷房付きカルダン車も遂に…

2007-11-19 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

地下鉄千代田線と直通運転を行っているJR常磐線(各駅停車)の馬橋駅を基点に、総武流山電鉄という私鉄が走っている事はご存知の方も多いかと思いますが、この路線は流山駅に至る全長5.7kmの区間を運行しています。

この路線は全区間単線の線路を2~3両編成程度の短い編成が行き来しており、今でも自動改札機の設置が行われておらず(PASMO/SuicaなどのICカードや、パスネットなども使えません)、窓口で硬券の乗車券を発売(自動券売機は設置されていますが…)しているなど、地方私鉄を思わせる風情はとても東京都心から至近のエリアを走っている路線とは思えず、都会から遠く離れた地方ローカル私鉄を思わせる雰囲気が手頃に味わえる事は魅力的です。

この路線では使用している車両も他社からの転籍車両ばかり、それも現在活躍している車両は西武鉄道で使用していた両開き3扉の20m車両で統一されており、比較的近年まで旧式の釣掛式駆動を採用した非冷房車も活躍していましたが、現在は冷房付きのカルダン車のみとなっていますので、それなりに近代的な感があります。

それでも総武流山電鉄の車両は各編成毎に塗装を変え、愛称を付けているのは独特で、現役車両は似た様な車両ばかりでありながらも、それなりのバラエティが楽しめるのは魅力的で、列車の運行頻度も土地柄を影響してか、この規模の小私鉄にしては比較的頻繁に運行されるなど、それなりのサービスレベルを誇っている点は大いに評価できるものです。

とはいえ近年首都圏最後の大型通勤新線と呼ばれる「つくばエクスプレス(TX)」が開通し、同線は総武流山電鉄とは直接接続しないとはいえ、流山市内の沿線に比較的近いエリアから都心までダイレクトにアクセスできる様になった事もあって、総武流山電鉄の利用客は大幅に減少しており、最近では一部列車でワンマン運転を行う状況となっています。

ワンマン運転を行う車両は2両編成のみで、主にラッシュ時間帯などに用いられる3両編成はこの対象から外れているのですが、TX開通後の利用客減少で最近はラッシュ時間帯に2両編成を混用しても問題ないレベルになっている様で、車両自体の老朽化や編成数減少による合理化、他車両への部品転用などを目的としているのか、冷房付きカルダン車で統一されて当分安泰と思われていた総武流山電鉄各車両の中で、「流馬」と呼ばれる水色の塗装を纏った3両編成1本が昨日惜しまれつつ退役しています。(これに伴うイベントもあった様ですが、MAKIKYUは残念ながら参加できず…)

MAKIKYUは千葉県に居た期間が長かったとはいえ、総武流山電鉄には数度しか乗車した事がなく、それも朝ラッシュ時間帯を過ぎた時間ばかりという事もあって、乗車する車両は2両編成ばかりでしたので、残念ながら「流馬」には乗車した事がないのですが、昼間に留置されている「流馬」の写真は少々撮影しており、同車の永年の活躍への労いも兼ねて掲載したいと思います。
(写真は馬橋駅ホームと、馬橋駅外の陸橋から撮影したものです)

それでも「流馬」以外の各編成は今後もまだ活躍が見込まれますし、総武流山電鉄の起点・馬橋駅のある松戸市は東京都と隣接している程ですので、首都圏に居られる方であれば容易に訪問できる路線です。

また総武流山電鉄と同じ松戸市内や北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額な運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道・初乗り運賃でも総武流山電鉄の最高運賃を上回ります)など、高額運賃で有名な一部の千葉県内私鉄とは大違いで、小私鉄にしてはかなり割安な運賃設定(初乗り120円・全線190円で、馬橋~幸谷(JR新松戸駅のすぐ近くにあります)であれば、普通運賃は並行するJR線より安い程です)で健闘していますので、MAKIKYUもまた訪問したいと思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も時々同線を訪れてみては如何でしょうか?


鉄道博物館内を走るミニ列車・新幹線はやて号~実車とは随分な差が…

2007-11-18 | 博物館・保存施設等

   

「MAKIKYUのページ」では先日、鉄道博物館内に敷設されている1067mm軌道(JR在来線などで用いられている線路幅です)と、ミニ列車軌道に関する記事を取り上げましたが、この両者が並行して敷設されている箇所は通常、1067mm軌道の方は列車が走る事がないものの、ミニ列車軌道の方は本館~ノースウイング間のシャトル列車が運行されています。

使用されている車両は一応新幹線E2系を模したもので、塗装などを見れば「はやて」号である事は一目瞭然なのですが、編成は先頭車を含めて6両しかありませんし、定員は1両当り6人(運転台付き車両は更に少なく3名程度です)しか乗車できず、先頭車は連結器を備えていない事もあって、「はやて」号実車の如く「こまち」と連結して走るという事もありませんし、大陸を走る色違いの同形車両(和諧号)の様な2編成併結も行っていません。

また運行路線も途中で一箇所にポイントが設けられ、ミニ運転列車の軌道とつながっているのですが、これは通常使用されておらず、両端の駅を含めて全区間が単線で交換設備も設けられていない区間を1編成がピストン運行していますので、現在非常に混雑している鉄道博物館内のシャトル列車としては明らかな輸送力不足とも言える状態に陥っており、MAKIKYUが訪問した際も20~30分待ちという有様でしたが、本館~ノースウイングの間は徒歩でも移動可能で、こちらの方がずっと早いですので、このミニ列車はシャトルとしての機能は果たしていないといっても過言ではなく、実質的にアトラクション的存在となっています。

MAKIKYUは「はやて」号の実車にはまだ乗車した事がなく、同形車両も色違いの和諧号(はやて号で使われている車両とは、細部に色々と違いがありますが…)に乗った事があるだけですので、はやて号はこのミニ列車が初乗車になったのですが、ミニ列車だけあって大柄なE2系実車とは比べ物にならないナローゲージよりも遥かに小型の車両、座席も硬いプラスチック製(?)で空調も未装備と、居住性はお世辞にも良いとは言えないもので、非常にゆっくりとした速度で走る事もあって、E2系実車とは雲泥の差を感じさせられるものです。

またたままた運転台付きの先頭車両に乗車し、運転台の様子なども視察できたのですが、ブレーキハンドルの位置や速度計などはミニ運転列車などと同仕様にしているのか(?)、どう考えても新幹線という感じではないのも特徴的でした。

ただこのシャトル列車はミニ運転列車(予約制:200円)とは異なり、入館者自体が体験運転する事は出来ないものの、入館者であれば誰でも無料(入館料以外の追加料金不要:ただ入館料だけでも和諧号に100km程度乗車するよりも高いのですが…)で乗車できますので、鉄道博物館を訪問する機会があるならば、訪問記念に乗車してみるのも良いかもしれません。

写真はミニ運転列車の外観と運転席、車内の様子です。

また参考までにE2系実車(MAKIKYUは「はやて」号にはまだ乗車した事がありませんので、MAKIKYUが以前乗車した色違いの和諧号で代用・既公開記事で掲載)の写真も掲載します。


横浜市営バス79系統~近場でもちょっと寄り道してみると…

2007-11-15 | バス[首都圏]

 

昨日MAKIKYUは一日空いていたものの、少々疲れを感じていた事もあって遠出はせず、昼過ぎまでゆっくりとしていたのですが、夕方に横浜の市内中心部へ出向く所用があり、その途中で少々寄り道して乗車したのが、今日取り上げる市営バス(横浜市交通局)79系統で、この系統は戸塚区・保土ヶ谷区・南区の境界付近にある平和台折返場(折返場自体は戸塚区に存在します)から、市内中心部の関内駅前を結んでおり、朝夕などの一部便は関内駅前には入らず(至近の羽衣町には停車します)、更に先の日本大通り駅県庁前まで運行しています。

横浜では近年市営バス路線の民営移管が進んでおり、市営バスは縮小傾向にありますが、始発となる平和台折返場付近もその例外ではなく、平和台を通る77系統(折返場には入りません)などが民営移管され、戸塚区内などは市営バスの走る区間は極一部という状況になっていますが、この79系統をはじめとする平和台折返場発着の路線は現在も横浜市交通局が運行しています。

平和台折返場の付近は鉄道駅からも少々離れており、何処の駅からも徒歩では厳しい所ですし、これといった用事もない事もあって、79系統などの路線は気になっていたものの、なかなか乗車する機会が…という状況でしたが、所用の序に訪問するには場所や時間を考えると丁度良い事もあって、平和台から日本大通り県庁前行きのバスに市内中心部の某所まで乗車してみました。

折返場を出ると国道1号線を走り、程なく保土ヶ谷区に入って狩場町、この辺りは民営バスで通る機会が何度もあるMAKIKYUですが、市営バスで通るとなると同じ区間でも何となく趣が異なる様に感じられるものです。

狩場町を過ぎると国道から外れて右折し、暫くは狭くカーブの続く道を走行するのですが、日頃乗り慣れている方々は何も気にならないのでしょうが、初めて乗車するとなれば結構乗り応えを感じると共に、このルートを運転するとなれば近年市営バスから民営移管され、狭路の多い横浜の中でも別格的存在の11系統(桜木町駅~港の見える丘公園~保土ヶ谷駅:その内取り上げたいと思っています)程ではないにしろ、結構大変だろうという事が頭の中を過ぎります。

その後北永田から大通りに出て、井土ヶ谷を経て通町1丁目から鎌倉街道に入って市内中心部を目指すのですが、鎌倉街道を走る区間もMAKIKYUは日頃民営バスで通る機会が多い事もあって、やはり狩場町辺りと同様に何となく趣が異なる様に感じました。

また昨日MAKIKYUが79系統に乗車した際は、結構運行本数が多い時間帯だった事もあって、写真脇に少しだけ写っているノンステップバスが先発だったものの、これを見送って次発となる写真の車両(95年式ですので、横浜市内で現在運行しているバスの中では旧式の部類に入ります)に乗車したのですが、引き違い式の窓など外観も割合個性的な感があるこの車両はオートマチック車(機械式)となっており、市営バスではお馴染みのベイブリッジなどを描いた座席モケットなども横浜らしさを感じさせられて好感が持てるものです。

また近年市営バスではベビーカーを折り畳まずに車内持込可能としている事(近隣の他事業者との扱いの相違といった事もありますので、これは賛否両論がありますが…)もあって、一部座席を撤廃してベビーカー置場を設けているなど、個性的な面は外観だけに留まらない点は興味深いものがありますが、近場を出歩くだけでも普段の行動範囲からちょっと寄り道してみると面白いもので、このバスは均一運賃という事もあって210円にも関わらず、40分程乗車した事も考えると結構充実感がある様に感じられました。
(市営バスでは一日乗車券(バスのみの場合は600円)が設定されており、車内でも販売していますので、ちょっとではなく一日中存分に…というならこれを使うのもおススメです)

MAKIKYUも近場で乗車していないバス路線はまだまだ沢山ありますし、ちょっと近場を出歩くだけでも面白いものと感じますので、機会があれば色々な路線に乗車して…と思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も街中でよく見るけど乗った事は…という路線がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?

写真は平和台折返場で待機中の市営バス79系統(折返場の外部から撮影)と、車内の一部座席を撤廃して設けたベビーカー置場です。


自動改札機の色々・中国編~都市鉄道の歴史が割合浅いだけに…

2007-11-14 | 鉄道[中華人民共和国]

    

以前「MAKIKYUのページ」では日本国内や韓国で使用されている自動改札機に関して取り上げた事がありますが、今日はその続編として中国(中華人民共和国)の鉄道で使用されている自動改札機に関して少々取り上げたいと思います。

中国は広大な国で人口も12億人を超える程の大国で、国鉄(中国鉄路)の路線は日本のJRとは比べ物にならない程の路線長を誇っていますが、国鉄はほぼ長距離輸送に特化しており、人海戦術を得意とする国柄だけあって自動改札機の導入・運用もこれから(自動改札機の機械だけ設置してあり、まだ使われていない姿は時折目にします)といった所です。

また都市鉄道の発達もまだこれからという感があり、一部の例外(東北地方で満州国時代から走っている路面電車など)を除くと現在運行している地鉄(地下鉄)や軽軌(日本の路面電車の様なモノもありますが、この言葉は都市鉄道全般を指す意味で使われ、郊外へ向かう電車やモノレールなども軽軌と呼ばれます)は比較的近年になって運行開始した路線ばかりという状況ですが、こちらは比較的新しい路線が大半を占める事もあって、運行開始当初から自動改札機を導入した路線が大半を占めています。

そのため今回取り上げる自動改札機は皆都市鉄道で用いられているものばかりで、写真は1枚目から順に重慶軽軌(モノレール)、上海地鉄、南京地鉄、天津地鉄、そして香港のKCR(九廣鐵路・参考)で用いられている自動改札機です。

中国の都市鉄道は日本の都市鉄道の様に様々な線区が繋がっている訳ではなく、1~数路線程度のネットワークとなっている事や、比較的近年になって営業開始した路線が多い事(今回取り上げている大陸本土の4都市は、天津を除き90年代以降に営業開始しており、天津地鉄も近年長期の運休を伴う設備更新で新線同様の状況です)もあって、大陸本土の自動改札機を導入している線区では再利用可能なカードタイプの乗車券(接触式と非接触式の双方が存在)や、韓国などでも流行していて同様に乗車券に再利用可能なICチップ入りトークンなどを用いている事例が殆ど(どちらも券面に乗車駅や運賃などの情報記載はなし)という事もあって、乗車券も非接触式(IC)で統一されている路線が多い事から、乗車券投入口は出場時の回収用のみとなっている機械が多い事も特徴です。

また自動改札機自体も中には日本製(北京13号線で使われていた日本信号製新型機:現在は使用中止の模様)もあるものの、殆どは日本では見かけないタイプの機種で、これも写真の重慶や上海などで用いられているターンバー付きと、南京や天津などで用いられているターンバーなしに分けられ、良く見るとどれも形状が異なっていますので、色々なタイプがしている事が分かるかと思います。

また今後も都市鉄道の延伸や新規開業が相次ぐことは確実で、それに伴って自動改札機も多数導入される事になり、利用者の立場からすればターンバーなしの方が有難いですが、今後中国の都市鉄道においてどの様なタイプが主流を占めていくのかも気になる所です。


補足・鉄道博物館内の1067mm軌道とミニ列車軌道~現状で動態保存車両の運行は…

2007-11-12 | 博物館・保存施設等

  

昨日「MAKIKYUのページ」では鉄道博物館に動態保存車両として収蔵されているキハ11 25(現在JR東海で現役のキハ11形ではなく、旧国鉄時代に国鉄からは形式消滅した旧型気動車キハ17系列の事です)を取り上げましたが、その記事で触れた動態運行に関する記述は、鉄道博物館を訪問していない方には分かり難い部分もあるかと思いますので、今日は補足記事として博物館内の1067mm軌道(俗に狭軌と呼ばれ、日本のJR在来線や首都圏大手私鉄の過半数などで用いられている線路幅です)と、それに並行して敷設されているミニ列車(鉄道博物館内を走るオモチャの様な列車です)の軌道に関して取り上げたいと思います。

鉄道博物館内を走るミニ列車は、入館者自身が運転可能な単行車両(予約制となっており、幾つかのJR東日本在籍車両を模した車両が走っていますが、混雑が激しい現状では整理券配布となっており、MAKIKYUが訪問した際は整理券配布の行列が締め切りとなっている有様で運転・乗車は断念せざるを得ない状況でした)と、新幹線E2系を模した車両(係員が運転する運転台付き車両が両端に連結された6両編成・乗車のみで入館者が運転する事は出来ませんが、MAKIKYUが訪問した際はそれでも30分待ちで、こちらは何とか乗車できました)の2種類が存在します。

2つのミニ鉄道が走る区間は分離されていますが、検査時などを想定して新幹線車両は入館者が体験運転を行うエリアにある工場へ自走して引き込める様になっており、この連絡線部分は通常入館者が徒歩で通行する事もあって蓋がされています。

この連絡線に踏切などはなく、入館者の通路になっている事もありますし、また開館前や閉館後も新幹線車両は通常工場への取り込みは行わない様で、休館日などにメンテナンスを行うなどの事情がない限り新幹線車両の連絡線通行は見られそうにないですので、この区間の通行を見る機会は少なそうです。

少々前置きが長くなってしまいましたが、2つのミニ列車の中でも新幹線E2系が走る区間(ほぼ一直線に等しく、終端の駅付近で多少線路が曲がっている程度です)はJR在来線などで使用している軌道幅1067mmの線路(JRの営業線ともつながっており、実際に鉄道博物館への収蔵車両格納などで使用)と並行しています。

両者が併走する区間では枕木を共用しているのが特徴的ですが、両者の軌道は格段の差がある事が一目瞭然で、ミニ列車は軌道幅が狭いだけでなく線路自体も随分小さいのがよく分かるのですが、両者の併走区間ではミニ列車の軌道が1067mm軌道と随分近い状態で敷設されており、ミニ列車が走行している限り、1067mm軌道に車両を走らせると両列車が接触しそうな状況ですので、動態保存車両として薄暗い屋内とは別個に保存されているキハ11 25をここで走らせるのは、ミニ列車を運休にでもしない限りは厳しそうに感じられます。

また鉄道博物館は開館したばかりという事もありますが、相当な賑わいとなっており、更なる拡張を行っても良さそうな気がします(JR線の車窓からも丸見えで、大宮の工場に放置されている車両の中にも、新たに鉄道博物館へ収蔵して良さそうな車両がありますし、別個に動態保存列車の走行軌道を整備すれば、ミニ列車の走行区間に併走する部分も多少整備するだけで収蔵車両の保存スペースが確保できそうです)ので、拡張を行うのであれば現在試運転列車が使用している館外のJR試運転列車などが使用している軌道を整備し、ここに動態保存車両として収蔵しているキハ11 25などを走らせる方が、保存車両の運行を行うには妥当なのかもしれません。

ただそうなると現在JRが試運転を行っている線路に、館内から見える高崎線や埼京線では走らない車両の試運転列車がイレギュラーな編成でやって来て入館者の注目を集めるという、JRの営業線や工場と至近距離にある鉄道博物館ならではのお楽しみが実現しなくなってしまいますので、その点ではやや難ありでしょうし、他にも色々課題があるかと思いますので、上記の様な構想は夢物語で終わりそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様で鉄道博物館へ行かれた方は、如何感じられるでしょうか?

写真は動態保存車両(キハ11 25)の近くにあるミニ列車(新幹線E2系)の発着駅(ミニ列車乗車待ちの行列から撮影)と1067mm・ミニ列車軌道の並行している部分の様子、そして以前鉄道博物館訪問の雑記記事として取り上げた際に掲載した写真とは逆側から撮影した館内屋外空間の様子(脇の試運転線路に停車している車両と体験運転ミニ列車で偶然同じタイプの車両が並んでおり、試運転列車が営業運転と異なるイレギュラーな編成を組んでいる姿は入館者の注目の的でした)です。

あと鉄道博物館内を走るミニ列車に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


鉄道博物館の収蔵車両:キハ11 25~撮りやすい位置は魅力的ですが…

2007-11-11 | 博物館・保存施設等

 

MAKIKYUは今月初めにさいたま市にOPENしてまもない鉄道博物館を訪問しましたが、館内には多数の車両が収蔵されており、その一つが今日取り上げるキハ11 25です。

キハ11形は旧国鉄が1950年代に導入した一般型気動車・キハ10系列の一員で、この系列は軽量化を図る為に車体幅が狭くなっているのが大きな特徴ですが、キハ11形はその中でも両運転台・寒冷地仕様となっており、他にも片運転台車などは別形式を与えられており、キハ10系列はキハ11形以外にも幾つかの形式が存在します。

1970年代後半~80年代前半にかけて、現在のJRにおけるローカル輸送でも大活躍しているキハ40系列などと代替で廃車となっており、JRへ引き継がれた車両は存在しませんが、国鉄から引退した車両の一部は幾つかの地方私鉄に譲渡されており、MAKIKYUはこの系列には乗車した事がありませんが、21世紀になるまで現役で活躍していた車両もあった程です。

しかし老朽化の進行などもあって、最後までキハ11形を使用していた茨城交通でも2004年に退役していますが、その最後まで活躍した車両であるキハ11 25は茨交引退後に特別整備され、鉄道博物館に収蔵されています。

この車両は稼動可能な様に整備されている模様で、その関係もあって他の鉄道博物館収蔵車両が詰め込み状態で展示されている屋内の薄暗い空間ではなく、離れの野外で公開されていますので、写真が撮りやすい事も魅力的ですが、ローカル線用の気動車(ディーゼルカー)という比較的地味な役回りの車両という事もあって、新幹線やSLなどに比べて一般の博物館入館者にはインパクトが薄い様ですし、その上一両だけ離れに置かれていて車内の様子も伺えない(ブラインドが下ろされています)だけあって、希少な車両の割に人気は今一つの様です。

ただ現状の鉄道博物館では、ミニ列車(はやて号)ですら行列が出来て大盛況という状況ですので、暫くして客足が落ち着かない限りは館内での運行は難しそうですし、それまでは他の収蔵車両に比べて注目度の低い状態が続きそうです。

また今後入館者を乗せてキハ11形を走らせるにしても、現状では館内野外部分の線路(屋内に繋がっており、実際にJR営業線から館内への収蔵車両搬入にも使用)は随分接近した状態でミニ列車の軌道が敷設されており、両者を同時に走らせるのはまず不可能かと思いますし、キハ11形の乗車に対応したプラットホームなども整備されていませんので、現状で館内の線路を走らせるのは少々厳しく感じられます。

博物館内の線路に並行している線路(柵の外側)もJRが試運転列車の運行などで使用しており、ここを走らせるのも色々課題があるかと思います(ここを整備する方が有力かもしれませんが…)ので、仮に動態保存という事で稼動させるのであれば、どの様な形態で走らせるのかも気になる所ですが、つい数年前まで稼動していた車両だけありますので、是非再び稼動する姿を目にしてみたいものです。


丸建自動車(けんちゃんバス)~150円均一の運賃が魅力的な新規参入事業者

2007-11-09 | バス[首都圏]

先日「MAKIKYUのページ」では上尾~羽貫間を走る朝日自動車に関して取り上げ、またこの事は鉄道博物館訪問の雑記記事でも触れていますが、ニューシャトルと接続する路線バスを運行する事業者として雑記記事で他に丸建自動車と呼ばれる事業者に関しても触れており、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。

埼玉県は首都圏の中では新規参入事業者の路線バス進出が極めて著しく、バス事業への新規参入が容易になった近年の規制緩和以降に路線バス運行を開始した新規参入事業者が多数存在していますが、丸建自動車もその様な事業者の一つで、「けんちゃんバス」という名称で中型や小型の低床車両を用いた路線バスを上尾周辺で運行しており、緑色をベースとした塗装が印象的です。

先日MAKIKYUが鉄道博物館訪問の為に埼玉方面へ出向いた際には、残念ながらこのけんちゃんバスには乗車していないのですが、以前一度だけ桶川駅~上尾駅間のけんちゃんバスに乗車した事があり、バス共通カードやPASMOなどのICカードは使えないものの、150円均一という格安運賃は非常に魅力的で、分かり易さという点でも評価できるものです。

路線は他にも上尾駅~蓮田駅間など幾つかの路線を運行しており、時刻などの詳細は同社HPにも記載されていますが、150円均一運賃は桶川~上尾間の路線だけでなく各路線で実施されているのは大いに評価できる事と思いますし、今後も地域に親しまれるバスとして活躍して欲しいものと感じます。

また埼玉県で新規参入事業者による路線バス運行が相次いでいる状況は、既存事業者の路線だけでは不充分だった事も一因かと思いますが、既存事業者がカバーしきれていない空白部分をフォローしつつ新規需要を創出しているのであれば、公共交通の充実・活性化という観点から見ても評価できる話で、既存の大手やその系列事業者と共に健闘して欲しいものと感じます。
(ただ首都圏の某所を走っている事業者の様に既存事業者に完全競合する路線を運行し、尚且つ運行エリアでは登録不能な旧年式の中古車両を、運行エリアから離れた車庫から回送させた運行する様な手法となれば話は別ですが…)


朝日自動車・上尾駅東口=羽貫駅線~ニューシャトル完乗にも便利なバス路線

2007-11-07 | バス[首都圏]

先日MAKIKYUはさいたま市に先月OPENしたばかりの鉄道博物館を訪問し、その訪問記(雑記)を「MAKIKYUのページ」記事として公開しましたが、今日はその記事でも触れた上尾[Ageo]駅東口~羽貫[Hanuki]駅間を走る路線バスに関して触れたいと思います。

この路線バスは元々東武鉄道(現在バス事業は分社化)が運行しており、この頃にもMAKIKYUは乗車した事があるのですが、現在は東武系列で元々はタクシー事業を営んでおり、近年埼玉県北部などの東武が運行していた路線バスを多数引き継いだ朝日自動車に移管されています。

その事もあって東武時代は上尾営業所で担当していたものの、現在では路線とは少々離れた菖蒲営業所(かつての東武加須[Kazo]営業所・菖蒲車庫)の担当となっており、スターフを見た限りでは、菖蒲営業所から羽貫などへ直接回送している様です。

使用車両も東武時代は大型車を用いていたものの、朝日に移管された後は専ら中型車が運用される様になっており、先日MAKIKYUが乗車した日野製中型車(写真:行先は羽貫駅で折り返しの上尾車庫を表示)もAT車ですが、朝日の車両は東武から移籍した車両などの例外を除き、大半がトルコンAT車となっているのも大きな特徴です。

また先日MAKIKYUが乗車したバスは上尾駅東口~羽貫駅間を運行する便でしたが、時間帯によって上尾方は上尾車庫発着(上尾駅東口経由)となったり、羽貫方も羽貫駅から更に先にある伊奈学園総合高校発着となる便も設定されていますが、これらを合わせても運行本数は概ね毎時1~2本程度(朝の通学時間帯などはもっとありますが…)と決して多いとは言えない状況ですので、予め時刻を調べておかなければ、偶然運行時刻に便がある場合を除き、やや不便に感じてしまうのが実情です。
(ちなみに上尾駅東口発の時刻は朝日バスHPに掲載されています)

ただ羽貫駅は埼玉新都市交通(ニューシャトル)の終点である内宿駅の一つ手前にあり、内宿駅までも新幹線&ニューシャトルの高架沿いを歩いて15分程度(約1km)で移動できる場所(天候が悪くなければ、徒歩での移動も比較的容易です)に位置していますし、内宿駅での路線バスは伊奈町のコミュニティバスが数本あるだけですので、ニューシャトルの末端と、JR高崎線の走る上尾駅(上尾駅からは更に大宮・桶川・川越などへ向かう路線バスもありますので、路線バス乗り継ぎも面白いかと思います)を移動するには便利な手段である事は確かです。

ちなみに上尾駅東口~羽貫駅間の所要時間は片道15~20分程度、運賃も片道200円と比較的手頃に乗車できる路線ですし、東武系の事業者という事もあってバス共通カードの利用も可能(PASMOなどのICカードにはまだ対応していません)ですので、ニューシャトル完乗を狙う一方で、単純な往復乗車(ニューシャトルを全線乗り通すと片道340円かかります)では…と感じる方にもおススメですし、今注目を集めている鉄道博物館(最寄駅はニューシャトル大成駅)訪問のついでに乗車されるのも良いかと思いますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?


先日ようやく鉄道博物館へ(雑記)

2007-11-04 | 博物館・保存施設等

   

10月14日「鉄道の日」には2つの鉄道に関連する博物館が開館し、その内「小田急バーチャル鉄道博物館」(バーチャルという名の通りネット上に存在しており、小田急電鉄HPからアクセス可能です)は既に何度も訪問しており、「MAKIKYUのページ」でも関連記事を取り上げています。

しかし10月14日に開館したもう一つの鉄道に関する博物館で、かつて東京・神田にあった交通博物館を移転して新装OPENした埼玉県さいたま市の「鉄道博物館」は、開館当日に入場制限が行われる程(MAKIKYUの知り合いにはこれに泣いた人物もいます)で、MAKIKYUもつい一昨日(2日)ようやく訪問する事ができたのですが、先日訪問した際に感じた事や訪問記などを、今日は雑記として記したいと思います。
(これから鉄道博物館訪問を検討されている方は、宜しかったら参考にして下さい)

鉄道博物館へのアクセスは、大宮~内宿間を運行する埼玉新都市交通(ニューシャトル)で大宮駅から一駅、その名も「鉄道博物館」という駅(鉄道博物館開館にあわせて、大成(おおなり)から改称された駅ですが、ICカードの利用履歴には未だに旧駅名が表示されます)に直結しており、他に東武野田線北大宮駅からも徒歩圏ですし、やや健脚向けで悪天候時などは厳しいですが、各路線が集まる大宮駅からも徒歩20分強でアクセス可能な場所に位置しています。

ニューシャトルには大宮から1駅乗車するだけでも180円(全線では340円です)かかりますので、MAKIKYUはそれならという事で、ニューシャトルには終点一つ手前の羽貫駅から乗車して鉄道博物館駅を目指しましたが、ニューシャトルを利用して鉄道博物館へ来館する方の殆どは大宮方からアクセスしている模様(そのため大宮~鉄道博物館の1駅間だけ混雑する事も多い様です)で、内宿方からのアクセスは比較的空いていますのでおススメです。

ただニューシャトルは大宮駅以外に他鉄道線との接続駅がなく、また上越新幹線に並行して走ってはいるものの、大宮・鉄道博物館以外の駅から至近距離に他路線の駅も存在していませんので、大宮・鉄道博物館の両駅以外にニューシャトル以外の公共交通機関を用いてアクセスするとなれば、必然的に路線バスを使用する事になりますが、これは上尾~羽貫駅(一部は更に伊奈学園総合高校まで運行)の朝日自動車(東武系のバス事業者でバス共通カードの利用も可能です)をはじめ、上尾駅~ガンセンター(丸山駅まで徒歩圏です)間など朝日だけでも幾つかの路線があります。

他にも新規参入事業者である丸建自動車(けんちゃんバス:バス共通カードなどは使えませんが、運賃は150円均一と割安です)の上尾~蓮田間の路線(志久駅を経由する路線と、丸山駅を経由する路線に分かれます)や、上尾市のコミュニティバス(ニューシャトル沿線も一部は上尾市に含まれる事もあり、原市などの駅近くを通ります)などもありますが、どのバスも決して本数は多くない状況です。

ただ上尾駅東口に行けば、ニューシャトルの何処かの駅に抜けるバスを捕獲するのは比較的容易ですので、大宮~鉄道博物館の1駅間混雑を避けたい方や、バスと組み合わせてニューシャトルで鉄道博物館へアクセスするルートに興味のある方は、上尾駅からアクセスされると便利かと思います。
(ニューシャトルの駅から上尾駅に向かう場合や、上尾以外の駅(蓮田など)からニューシャトルの駅へアクセスされる場合は本数が余り多くないですので、事前に時刻を確認しておいた方が良いです)

こんな事を記しているMAKIKYUですので、先日の鉄道博物館訪問の際には当然上尾駅へ向かい、上記に記した羽貫駅までのバスを利用したのですが、上尾まではMAKIKYUの現在住んでいる横浜市内から直通で行ける電車も運行されているものの、さすがにこれは面白みに欠ける上に車両の質も…という感がありますし、運賃が高い事(片道1110円)もありますので、横浜~渋谷間で東急東横線を利用し、その後JRを板橋・(赤羽)・浦和で乗り継いでアクセスしたのですが、これですと横浜~渋谷間260円・渋谷~上尾間650円(合計910円)で済みます。

また先日はわざと板橋・浦和の両駅で途中下車(改札を出場)する事で更に50円浮かせており、これはいびつなJRの運賃制度に起因するものですが、この事は「MAKIKYUのページ」においても過去に何度か記しており、板橋での途中下車はともかくとして、浦和で一旦途中下車するだけでも運賃制度の違い(電車特定区間とそれ以外)も影響して40円変わります(渋谷~浦和間380円・浦和~上尾間230円、合計610円)ので、改札出場の手間を惜しまなければ、渋谷~上尾間をJRで移動する際には浦和で一旦下車した方が利口です。
(電車を乗り通すだけで余計な運賃がかかるのではたまらないですので…ちなみにJRでこの様な事例は無数に存在し、例えば小田急や京王沿線の方が鉄道博物館を訪問するのに新宿~大宮間でJR線を利用する場合、川口か西川口で途中下車するだけで30円安くなり、回数券の場合も分割して購入した方が経路に制約が生じるものの、運賃は得になります)

ところで鉄道博物館自体の話からは随分それてしまいましたが、肝心な鉄道博物館自体の話に移りますと、入館料1000円というのは随分強気な価格設定という感があり、JRみどりの窓口で発売している前売券を購入してもドリンクのサービス特典(館内食堂で使用可能)があるものの割安にはならず、ニューシャトルの運賃も考えると結構割高な感がありますし、また前売券は発売枚数制限の関係もあって予め日時を指定(但し発売制限数に達していなければ当日でも購入可能で、MAKIKYUが入館当日に浦和駅で購入した際には、残数47でした)しなければならない点は、随分不便なものです。
(ただ鉄道博物館においては入場券購入も混雑していますので、可能であれば前売券を購入した方が賢明です)

入館に際しては最新の博物館だけあってIT技術を駆使し、ICカードによる入館時の改札をはじめとして、専用の入館カード以外に手持ちのPASMOやSuicaが使える事もウリ(但しMAKIKYUが首都圏のJR利用時に愛用しているJRのICカード・ICOCAは不可です)となっていますが、前売券利用者の場合は専用カウンターにおいて引換券と交換で自動的に入館カード利用(他に会員なども)となっており、この入館カードは種別(大人・会員・子供など)によって色分けされているのが特徴で、また予約制アトラクション(ミニ運転列車など)のデータを記録できる機能もある様ですが、現状では混雑の余り整理券を配るほどの状況で、この機能を発揮できていないのは皮肉なものです。

薄暗い色をした建物(同日OPENした小田急の博物館とは対照的です)の館内に入ると、開館フィーバーもあるのか結構混雑しており、シミュレーター(以前交通博物館にあったもの)でもかなりの行列、ミニ運転列車(200円)の整理券も既に締め切りとなっており、ドリンク券もあるので試しに…という事で利用した日本食堂(館内レストラン)も食事時を外れているにも関わらず30分待ち、挙句の果てにはミュージアムショップまで入店待ちとまだ結構混雑していて落ち着かない感があり、訪問した11月2日(平日)でこの有様でしたので、土休日に訪問したらどれだけ凄い事になるか想像するだけでも恐ろしいですが、まだ暫くは落ち着いて見学できる状況ではなさそうです。

ただ以前の交通博物館時代に比べて大幅に収蔵数が増えており、充実した展示車両の見学などは身動きが取れない程ではありませんので、見学そのものはそれなりに楽しめ、展示車両と共に作られた時代の情景セット(ホームなど)もなかなか良い感じですし、2階部分から多数の展示車両を見下ろすのは悪くないのですが、演出効果を狙った事もあるのか多数の車両が収蔵されている館内は極めて暗く、しかも収蔵車両数の割に館内は狭い事(それでも国内にある他の鉄道関連博物館と比較すれば大きいですが…)もあって、満員電車の如く展示車両が詰め込みとなっている感があり、「薄暗い」「詰め込み」となれば某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多いJRの某安物車両を連想させられて感心できるものではありませんし、個々の保存車両を撮影するには極めて不都合な点は惜しまれます。

また館内とJRの営業線路が繋がっているとはいえ、現状ではもう殆ど収蔵車両数の増加が見込めそうにない点(この点では中国北京の鉄道博物館では無造作に車両が陳列されているだけという感があるものの、空間的余裕という観点では評価でき、今後にも期待できそうです)も気になります。

とはいえ交通博物館時代より収蔵内容が大幅にグレードアップしており、日本国内の鉄道関連博物館では最大級の規模を誇る事もあって、MAKIKYUは館内に6時間程度いたものの、まだまだ物足りない感がありましたので、混雑で落ち着かない状況で割高な入館料金を払うのは躊躇いがありますが、開館フィーバーが冷めて少し落ち着いた頃に再度訪問し、館内をゆっくりと見学すると共に、先日の訪問では体験できなかったミニ列車の運転なども挑戦してみたいものです。

この鉄道博物館に関しては、まだ保存されている収蔵車両の数々など記したい事は多数ありますが、それらに関しては後日追って取り上げたいと思います。

写真はニューシャトル車中(大宮行電車が鉄道博物館駅に到着する手前)から眺めた鉄道博物館と鉄道博物館の入場券類(JR乗車券と同等の前売券=入館カード引き換え時に回収・前売券利用者特典のドリンク引換券・入館ICカード[一般]、赤斜線はMAKIKYUが追加)、鉄道博物館2階から眺めた1階の保存車両群です。


小田急60000形電車~遂に姿を現した地下鉄直通用ロマンスカー・MSE

2007-11-01 | 小田急グループ

 

去る先月20日・21日は海老名で小田急のファミリー鉄道展が開催され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも参加された方は大勢居られるかと思います。

また「MAKIKYUのページ」でもこのイベントに関連した記事は既に幾つか掲載していますが、今年のイベントにおける目玉的存在の一つが、来年3月に運行開始される地下鉄千代田線直通の特急ロマンスカーで用いられる新型車両・60000形MSE(Multi Super Express)の公開(6両編成のみ)でした。

この車両に関しては既に「MAKIKYUのページ」リンク先の幾つかのサイトをはじめ、様々な場において情報が公開されていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、「フェルメール・ブルー」と呼ばれる独特な色合いの塗装は、当初の構想図で公開されたイラストなどに比べて見栄えするものと感じますし、ファミリー鉄道展へ出向く際にMAKIKYUが乗車していた相鉄線の車内から初めてこの車両の姿を見た時には、少なくとも日本国内の電車では他に類を見ないとも言えるこの塗装は、かなり独特でインパクトがある様に感じられました。

編成は6両と4両の2種類が存在し、両者を組み合わせての10両運行途中駅で分割併合を行う事が可能な点は、既に多数が運行されているロマンスカー30000形・EXEとの共通点ですが、デザインをVSEと同じデザイナーが手がけている事もあって、天井を高く取った車内をはじめ、特徴あるブラインドなども箱根観光用に登場して好評を博している50000形・VSEと同様です。

そのためEXEとVSEを折衷した様な車両とも言えなくないですが、ただの両者を折衷的存在ではなく、有料特急用車両としては異例の地下鉄直通対応車両(構想だけなら他社にもあり、結局地下鉄線走行は新車回送時のみで営業車としての地下鉄直通を果たせず、運命を全うしそうな有料特急用車両が首都圏某大手私鉄にありますが…)となっている事がMSEの大きな特徴で、先頭車は展望席なしで貫通路付きとデザイン的な制約があるにも関わらず、前面のデザインもなかなかで、バーミリオン・オレンジの帯が窓下に入っている点も小田急のロマンスカーである事を印象付ける感じで良いと感じます。

ただ先日のファミリー鉄道展では車内の公開は行われませんでしたし、その隣には車内見学用に復活旧塗装となった7000形・LSEが停車していたにも関わらず、ブラインドが閉められていた事もあってLSE車内からもMSE車内の様子などは伺う事が出来ず、また6+4編成で併合運転を行う際には貫通可能な6両編成の新宿方は、同編成の小田原方とは異なる前面を持っているにも関わらず、これもLSE車内からガラス越しに辛うじて撮影出来る程度であった点は惜しまれる気がします。

とはいえ今年のファミリー鉄道展限定で野外公開されたSE車(旧3000形)の様になかなか公の場に姿を現さない車両という訳ではなく、今後地下鉄直通用特急をはじめとした大活躍が期待される車両であるだけに、貫通型の姿や車内の様子などは今後のお楽しみといった所なのかと思います。

またMSEが使用される列車は既に小田急HPなどで詳細が報道されていますが、当初予定されていた千代田線直通列車(北千住始発・小田急の従来種別にメトロを冠する)以外に、通常は営業列車が運行されない千代田線~有楽町線間の連絡線を介し、有楽町線新木場駅始発となる特急列車・ベイリゾート号(新名称)も運行される様ですので、末永い活躍に期待すると共に、Multiという名称の如く様々な場面に適応できるこの車両の性質をフルに活用し、更なる運行エリアの拡大にも期待したいもので、MSEが運行を開始した暁には、MAKIKYUも是非乗車(特にベイリゾート号)してみたいと思っています。

写真はファミリー鉄道展会場で公開された60000形MSE(6両編成)の小田原方前面(車両撮影側から撮影)と、新宿方の貫通型前面(車内見学で公開された復活旧塗装LSE車内から窓越しに撮影)です。