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伊豆箱根バス「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス4号車

2019-10-08 | バス[東海]

沼津周辺を舞台としたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」、アニメ本編とその後公開された劇場版も終了したものの、それでもまだ人気を博しており、沼津周辺に足を運ぶと「聖地巡礼」と称し舞台巡りをするラブライバー(ラブライブ!シリーズのファン)の姿を見ない事はまずないと言っても過言ではない状況になっています。

MAKIKYU
の周囲にも事ある毎に「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の話題を持ち出すラブライバーがいますが、先月同作に登場するユニット「Aqours」の新曲が発売され、これに併せて新たなラッピングバスが沼津周辺で走り始めています。

 
このラッピングバスは伊豆箱根バスの中型低床路線車をラッピング、3号車と同じくいすゞエルガミオをラッピングしていますので、昨年登場したラッピングバス3号車のデザイン違いという雰囲気を受けたものです。
(以前公開したラッピングバス3号車の記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)


エルガミオをラッピング対象にしたのは、最近になって模型も市販された3号車と同様に、ありふれた車両をラッピングする事で、今後の模型化なども想定しているのか…とも感じたものですが、三島営業所管内ではまだ姿を見かける事も珍しくない2段ステップ車だと、イベントなどで遠方へ出向き展示する際などに難儀する事も影響しているかもしれません。

またMAKIKYUが先月末に沼津市内へ足を運んだ際には、沼津港から沼津駅方面へ移動する際、丁度このラッピングバスに当たり初乗車したものでしたが、12号車の様なシートカバーはなく座席モケットは従来通りという点は3号車と同様、ただ標準化が進行した車種とはいえ3号車とは異なる柄の座席モケットが用いられています。

   
車内の装飾に関しては広告枠スペースをはじめ、運賃箱や整理券発行機などのワンマン機器、降車ボタン案内のステッカーなどにもAqoursが登用されています。

  
そのため車内はかなり賑やかな印象を受け、中には沼津駅を背景にしたシーンも見受けられたものでした。

乗車時にはラブライバーの知人が乗車したら大喜びするだろうな…と思いながら車内の様子を眺めていましたが、車内放送は音声読み上げソフトを用いた不自然な発音が特徴の味気ないもの。

伊豆長岡駅~三津シーパラダイス線のAqoursラッピング車両で流れるAqoursメンバーによるアナウンスを、それ以外の路線にも拡充するのは難しいと思いますが、せめて年式の古い車両などでよく聞く車内放送(1系統の放送で複数のアナウンサーが登場)を流す事は出来ないのだろうか…とも感じたものでした。


(お断り)
MAKIKYUは熱心なラブライバーではありませんので、コメント等でラッピング車両以外の「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の話題などを記された場合、対応できない事もありますのでご了承下さい。


伊豆箱根バス「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス3号車

2018-11-14 | バス[東海]

 
「MAKIKYUのページ」でも何度か取り上げているアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」関連のラッピング車両ですが、9月には伊豆箱根バスのラッピングバス3号車が運行開始しており、MAKIKYUもこのラッピングバス3号車に数日前初めて乗車機会がありました。

MAKIKYUの知人の中には、最近このアニメに大ハマリしている人物もおり、舞台となっている沼津市の内浦地区や沼津駅周辺などは、最近このアニメの舞台巡りで訪問する旅行者も絶えない程になっています。

その中でも内浦地区の最寄駅・伊豆長岡駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)~三津シーパラダイス(内浦地区にある伊豆箱根が運営する水族館)間を結ぶ伊豆箱根バス路線は、最近になってラッピングバス充当ダイヤが1号車→3号車に変更、1号車は別路線(主に沼津駅~沼津港循環)での運行になっています。

以前この路線の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス充当ダイヤで充当されていた1号車と同様、伊豆長岡駅~三津シーパラダイス間の路線運行時(一部ダイヤを除く)は出演キャラクターを演じる声優9名による車内放送も流れます。

  
車外だけでなく車内も「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の装飾が多々見受けられ、この点も既存の1・2号車と同様ですが、運賃箱には「ラブライブ!サンシャイン!!」の物語中にも登場した三津シーパラダイスのキャラクター「うちっちー」が描かれている辺りは、伊豆箱根ならではという印象。


1・2号車の座席背もたれにあったキャラクターアイコン入りのカバーはなく、東海バスの様にバス自体が聖地化している状況ではない事も考慮すると、この点では若干簡素化された印象を受け、残念と感じる方も少なくないのでは…とも感じたものでした。

ちなみに新たにラッピングされた伊豆箱根バスの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス3号車は、東海バスの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス2・3号車と同じいすゞエルガミオ。


この3号車の運行開始により、沼津市内や近隣を走る伊豆箱根バスと東海バスオレンジシャトルでは、両社共に3台ずつ「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを運行する事になり、「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを車種で事業者判別できなくなってしまいましたが、以前沼津駅前でラッピング施工前の2843号車に遭遇、偶然撮影した写真もありましたので、こちらも参考までに掲載したいと思います。

また伊豆箱根バスの話題からは外れますが、沼津市内では富士急グループも多数の路線バスを運行しており、こちらも比較的最近になって高速乗合バスで「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを運行開始しています。

 
沼津市内や近隣を走るバス各社で多数の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスが活躍する様は、沼津がアニメ終了後も「ラブライブ!サンシャイン!!」で盛り上がっている事の一端が現れていると実感したものでした。


沼津市内で実証運行中のEVバス

2018-10-27 | バス[東海]

少し前の事になりますが、今月MAKIKYUは私用で沼津市内へ足を運ぶ機会があり、その際には現在実証運行中のEVバスに乗車機会がありました。

 
このEVバスは沼津駅~沼津港間を約1か月間実証運行、充当車両は日頃群馬県桐生市内で用いているEVバスを1台借用して運行しており、沼津駅~沼津港間で路線バスを運行する2社が数日毎に交代で運転を行っています。
(運行ダイヤや運行区間などは沼津市HP(こちらをクリック)内に記載があります)

 
充当車両は富士重工業(スバル)の元技術者が設立、富士重工のお膝元・群馬県太田市に隣接している桐生市にあるシンクトゥギャザーが主体となって開発した「e-COM8」と呼ばれる車両で、走行輪が片側4個(両側合計で8個)存在するのが大きな特徴となっています。


EVバスと名乗っているものの車両サイズは車体長4405㎜・車体幅1900㎜・車高2450㎜と非常に小柄、乗車定員も運転者1名を含めて10名しかなく、車両には最高速度19㎞/hである事を示すステッカーも掲出されています。


車両側面にはガラスもなく、座席も横向き(ロングシート配置)となった木のベンチにクッションを設置しただけですので、日本国内を走るバスの中では車内設備はかなり簡素な部類に入ります。

一応約8時間の充電で40㎞程度の走行が可能と案内されており、片道2㎞程度で平坦な沼津駅~沼津港間程度なら、実証運行の便数を考慮すると1充電で何とかなりそうな気もしますが、運行本数が増える土休日だとバッテリー容量が不足し、途中でバッテリー交換を余儀なくされる事もある様です。

乗務員の方から伺った話だとバッテリー重量は約40㎏程度あり、交換となると2人でも結構大変で、また「走行性能も最高時速19㎞/hだと大型特殊車両並なのでは?」と尋ねたら「19㎞/hも出ない」「フォークリフト(ナンバープレート付車両で公道上を走行する場合は大型特殊免許が必要)の方がまだ走る」との事。

その上車両価格も1台1500万円程度と結構高く、大都市圏排気ガス規制区域外なら中古バスを何台も購入して整備できる程の価格です。


電動車が大型バスからバイクに至るまでかなり普及している中国などに比べると、このEVバスはまだまだ…と言う感があり、実用性と言う点ではまだまだ課題山積、中国で用いられている電動車(写真)を輸入して走らせても良いのでは…とも感じたものです。


ちなみにこのEVバスは11月4日まで運行、実証運行と言う事もあり乗車時にはアンケート記入を求められます。

また定員が少なく先着順となるため、特に沼津港周辺を訪問する観光客が増える土休日だと積み残しとなる事も少なくない様ですが、実証運行と言う事もあり無料で乗車する事が出来ますので、運行期間中に沼津駅や沼津港の周辺へ足を運ぶ機会がありましたら、一度試乗してみては如何でしょうか?


伊豆箱根バス「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス

2017-12-17 | バス[東海]

先月「MAKIKYUのページ」では、東海バスオレンジシャトルで運行中の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスに関して取り上げましたが、沼津市内やその周辺では伊豆箱根バスでも「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを運行しています。

伊豆箱根バスは内浦地区にある三津シーパラダイス~温泉駅(長岡温泉街にあるバスターミナルの停留所名:鉄道駅ではありません)~(伊豆)長岡駅を結ぶ路線をはじめ、沼津駅発着路線なども運行しています。

沼津駅~内浦地区を直結する路線(西浦線)は東海バスオレンジシャトルが運行、「ラブライブ!サンシャイン!!」のアニメ中でも東海バスが時折登場する事もあり、ラブライバー(ラブライブ!シリーズのファン)にとっては東海バス自体が聖地巡礼(アニメで登場した箇所を巡る事を一部でこの様に呼称)の一環となっています。

これに比べると伊豆箱根バスはラブライバーの聖地巡礼手段としては分が悪いですが、その気になれば温泉駅などで乗り継ぐ事で、沼津駅~三津シーパラダイス間を伊豆箱根バスのみで移動する事も可能です。

「HAPPY PARTY TRAIN」などが走る駿豆線沿線~三津シーパラダイス間を直結する路線としても、三津シーパラダイス~長岡駅間の路線は非常に有用な存在で、東海バスオレンジシャトル西浦線は夜の上り便(沼津駅方向)の終車時刻が早く、特に土休日は尚更という状況ですので、三津シーパラダイス周辺での滞在時間を長く確保したい場合にも、伊豆箱根バス路線の存在を知っていると便利かと思います。

 
長岡駅や温泉駅なども「ラブライブ!サンシャイン!!」アニメ中に登場している事もあってか、伊豆箱根バスでも「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを2台運行しており、その内の1号車は三津シーパラダイス~長岡駅間の路線で運行、ラッピングデザインに関しては東海バスオレンジシャトルと同様に登場キャラクターが側面左側に4名・側面右側に5名描かれたデザインとなっています。

 
MAKIKYUは先月このバスに乗車する機会がありましたが、
車内も「ラブライブ!サンシャイン!!」登場キャラクターの装飾が至る所で見受けられ、この点も東海バスオレンジシャトルの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車と同様です。

 
バス自体が聖地巡礼舞台にはならないというハンディに対し、ラブライバー受けを狙って各座席に登場キャラクター9名のアイコンを散りばめたシートカバーを装備する辺りは、よく考えたな…と感じたものでした。

1号車で運行する三津シーパラダイス~長岡駅便の車内放送も、東海バスオレンジシャトルとは異なり登場キャラクター9名全てが登場、一部停留所で主人公(高海千歌)の放送が流れる東海バスオレンジシャトルよりも、ラブライバー受けを狙った車内放送は更に深度化していると感じたものでした。

 
2号車は沼津駅~多比~温泉駅~(伊豆)長岡駅を運行、こちらは沼津駅~多比間で東海バスオレンジシャトル西浦線と並行、また温泉駅~長岡駅間などでは三津シーパラダイス~長岡駅間の路線とも並行する路線で、「ラブライブ!サンシャイン!!」舞台の中でもメインとなる内浦地区には乗入れない路線です。

   
こちらも車内の改装ぶりなどは1号車と同レベルながら、車内放送は通常タイプで近年流行の音声読み上げソフトを用いたものですので、他の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング車両に比べるとラブライバー受けはイマイチなのでは…とも感じたものでした。

1・2号車双方共に運行ダイヤは決まっており、伊豆箱根バスHPでも案内されていますが、三津シーパラダイス~温泉駅~(伊豆)長岡駅の路線でも運行便は一部に限られていますので、2台共に三津シーパラダイス~温泉駅~(伊豆)長岡駅での運行にして「ラブライブ!サンシャイン!!」車内放送を流して運行するか、1号車の検査時などは2号車を1号車の所定ダイヤで運行するなどの取り組みがあっても…と感じたものでした。

また伊豆箱根バスは小田原や熱海などを運行する路線では、PASMOなどの全国交通系ICカード各種が使用可能なものの、三津シーパラダイス・沼津駅・伊豆長岡駅などを発着する路線(三島営業所管内)では使用不可能となっています。
(沼津周辺だと富士急グループのバスではPASMOなどが利用可能ですが、東海バスグループ各路線もICカード利用は不可能です)

回数券なども伊豆箱根バスと東海バスでは共通利用できず、それぞれの回数券を用意する必要があり、バスの乗車方式も伊豆箱根バス三島営業所管内(中乗り前降り)と東海バスグループ(前乗り前降り)で異なるなど、遠方から聖地巡礼で三津シーパラダイス周辺(内浦地区)へ足を運ぶ際には、公共交通事情に疎い方にとっては非常に利用し難い状況になっています。

ただJR東海が静岡以東の静岡県内在来線(JR東日本管轄の伊東線以外)をはじめ、「HAPPY PARTY TRAIN」の走る伊豆箱根鉄道駿豆線や、両沿線の一部路線バスが1日乗り放題になる「富士山満喫きっぷ」を設定、この乗車券で乗車可能なバス路線の中には東海バスオレンジシャトル西浦線と伊豆箱根バスの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス運行2路線も含まれています。

東海バスオレンジシャトル西浦線に関しては、三津シーパラダイス以西(長井崎中学校(裏の星女学院のモデルになった学校]・江梨・大瀬岬など)が通用範囲外となっていますので要注意ですが、「ラブライブ!サンシャイン!!」のラッピング車両各種への乗車を検討している場合、旅程次第ではかなり有用かと思います。
(東京都内などからの内浦地区訪問なら、小田急線で新松田まで出てJR御殿場線に乗換、その際に松田駅で「富士山満喫きっぷ」を購入すると、松田以西の別途乗車券購入区間は松田~駿河小山(片道240円)だけで済みます)

沼津周辺では「HAPPY PARTY TRAIN」や2事業者のラッピング車両以外にも、タクシーや聖地巡回ツアーバスなども運行、「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の盛り上がりぶりは相当と感じたものでしたが、MAKIKYUは「ラブライブ!サンシャイン!!」に関しては専門外ですので、「ラブライブ!サンシャイン!!」関連車両に関する記事はこの辺りで一段落にしたいと思います。

また新たなラッピング電車やバスなどが登場するなら、関連記事公開があるかもしれませんが…


郡上八幡市内を走る路線バス~駅と中心部を結ぶバスはかなり充実

2016-11-15 | バス[東海]

先月「MAKIKYUのページ」で取り上げた岐阜県・長良川鉄道の観光列車「ながら」、MAKIKYUが今夏この列車をはじめとする長良川鉄道の列車に乗車した際には、途中の郡上八幡駅でも途中下車したものでした。

郡上八幡駅は郡上市の中心市街地へ向かう際の最寄駅にもなっていますが、徒歩で移動するのは少々距離があり、MAKIKYUは郡上八幡駅~市街地の往復で路線バスを利用したものでした。


昼間時間帯であれば8の字型に運行するコミュニティバスが2台運行、このバスは各便が1時間毎に運行しており、両者を合わせると毎時2本の運行となっています。

土地柄を考慮するとかなり至便で、運賃も100円と割安ですので、これだけでもかなり健闘している部類と感じますが、これに加えて郡上八幡駅を起点に八幡の中心市街地を経由する路線バスが幾つも存在しています。

MAKIKYUが郡上八幡駅~城下町プラザ(八幡の中心市街地に位置)の移動でバスを利用した際は、片道はコミュニティバスを利用したものの、もう片道は丁度良い時間に郡上八幡~美濃白鳥間を運行する白鳥交通のバス便があり、この白鳥交通のバスに乗車したものでした。


MAKIKYUが乗車したバスは日野ブルーリボンⅡ、それも比較的年式の新しい大型ワンステップ車ですので、旧国鉄が廃止→第3セクター転換(長良川鉄道)になる鉄道路線と並行する区間で走る車両にしては、かなり上等な部類と感じたものでした。

運賃もコミュニティバスよりは少々割高になるものの、それでも郡上八幡駅~城下町プラザ間で110円という運賃はかなり割安と感じたものでした。


白鳥交通の別便では、まだ大都市圏でも珍しく感じられるJ-BUSの大型新モデル車も活躍、また撮影はできなかったものの、更に白鳥交通以外の他社一般路線も存在しています。


この他に岐阜バス高速八幡線の区間乗車(郡上八幡駅~城下町プラザ間160円)も可能となっており、郡上八幡の都市規模を考慮すると、昼間時間帯の郡上八幡駅~城下町プラザ間のバス便数やバリエーションの豊富さは破格と感じた程でした。


岐阜市内を走る2両連接バス「清流ライナー」~MAKIKYUは遂に国内CITARO導入4事業者全てに…

2014-08-21 | バス[東海]

先月MAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、中央本線代行バス(現在は路線復旧・東濃鉄道が運行)や、中津川市内を走る北恵那交通の路線バスなどに乗車機会があり、これらに関しては既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、この他に岐阜県の県都・岐阜市でも県内最大手の岐阜乗合自動車(岐阜バス)が運行する路線バスに乗車する機会がありました。

岐阜県は県都の岐阜市をはじめ、東濃地区なども名古屋から比較的至近な事から、名古屋との結びつきも非常に強く、県内の路線バス運行事業者も大垣周辺を運行する名阪近鉄バスを除くと、大半が名鉄グループに属する程です。

岐阜バスはその中でも代表格的存在で、自社発注車だけでなく名鉄バスからの移籍車両も多数活躍していますが、これに加えて近年では岐阜市内において2両連接バスの運行を行っている事でも知られています。

この2両連接バスは、既に首都圏の神奈川中央交通(神奈中)が運行している「Twin Liner」や、京成バスが運行している「シーガル幕張」と同種のベンツ・CITAROで、岐阜バスでは「清流ライナー」という名称が付けられています。

 
CITAROの2両連接バスは、その後兵庫県の神姫バスも、三田市内において「オレンジアロー 連 SANDA」という名称で運行開始しており、現在国内では4事業者が運行、既に岐阜バス以外の3事業者が運行する国内のCITAROは乗車済みでしたが、先月岐阜バスの「清流ライナー」に乗車する事で、MAKIKYUは国内4事業者全てのCITARO連接車への乗車達成となりました。
(ちなみに神奈中のCITAROは、厚木と町田の2営業所に配置され、茅ヶ崎にはCITAROとはタイプの異なる2両連接バスが配置されていますが、これらは地元から至近の路線と言う事もあり、全て乗車済です)


岐阜バスのCITAROは、神姫バスが導入したCITAROと同様に、座席数を多めに確保した「着席重視仕様」となっているのが一つの特徴で、首都圏の2事業者が導入したCITAROとの大きな違いと言えます。

車内天井には、岐阜の名所などを紹介したステッカーが貼られ、他のCITAROに比べるとやや賑やかな雰囲気である事や、その一方で座席モケットは落ち着いた雰囲気のモノを採用しているなどの特徴があり、2両連接車だけあって2両目にもLCDモニターによる運賃表示器が設置されています。


運賃表示器は、神姫バスが導入している2両連接車と同種の、近年各地で導入が進むLECIP製LCD画面2連タイプの新型となっていますが、岐阜バスでは「バスチャンネル」と称しているデジタルサイネージの放映用モニターは、神奈中が一部営業所のデジタルサイネージ放映や運賃表示で用いているLCDモニターと同種のモノで、モニターを1種類に統一せず、2種類のモニターが混在しているのも大きな特徴です。

「清流ライナー」は車種がCITAROと言うだけあり、国産の一般路線車とは大きく異なる一方、外観は他のCITAROとは大差ない雰囲気で、他の路線車とは異なる単色となっている辺りも、他3事業者との共通点と言えますが、岐阜バスでは名鉄電車を連想させる真っ赤な装いとなっています。

岐阜市内はかつて名鉄が運行する路面電車(郊外では専用軌道)が走っており、現在運行中の名鉄電車も、過半数は真っ赤な装いとなっていますが、岐阜バスも名鉄グループの一員ですので、敢えてこれらのイメージを踏襲するために赤一色の単色を採用したのかも気になる所です。

また中京地区では愛知県内ですら2両連接バスの運行はなく、岐阜バスが唯一の存在ですので、非常に注目を集める存在となっています。

この事もあってか、連接バスならではの威力を発揮する平日の大量輸送だけでなく、土日には1周乗車しても210円の循環路線特定便に充当するなど、比較的手頃に乗車できる様に配慮されているのも評価できる所です。

この点は注目度が高いものの、土日には乗車が…という状況になっている他連接バス運行事業者の一部も、今後岐阜バスに追随して頂ければ…と感じる所です。

ただ2両連接バスは特殊な車両構造故に、運行路線の制約に加え、ワンマン運行では乗務員側の負担も大きく、事業者によっては連接車両乗務に対する手当てまで存在する程ですので、連接バス目的で相当数の乗客を集客できる事が必要になるなど、課題も山積しているのですが…

ちなみに他の3事業者で活躍しているCITARO2両連接バスに関しては、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた記事もありますので、興味のある方は合わせてご覧頂けると幸いです。
(各バスのタイトル部分をクリックすると、該当記事へリンクします)

神奈川中央交通「Twin Liner」

京成バス「シーガル幕張」

神姫バス「オレンジアロー 連 SANDA」


中津川市内を走る北恵那交通バス~付知峡線では割安な企画乗車券も…

2014-08-13 | バス[東海]

先月末にMAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、豪雨の影響により土砂災害が発生し、一部区間(坂下~野尻)が運休(現在は復旧)となったため、JR中央西線代行バスが運行され、先日「MAKIKYUのページ」でもこの代行バスに関して取り上げたものでした。

代行バスは東濃鉄道による運行だったものの、代行バスの始発駅にもなっている坂下駅をはじめ、中津川駅など中津川市内を走る一般路線は、大半が東濃鉄道と同じ名鉄グループに属する北恵那交通による運行となっており、代行バスの中には近年貸切事業を廃止した北恵那鉄道からの移籍車も含まれていたものでした。

この事について触れた事もあってか、アクセス解析の検索キーワードでは「北恵那交通」で検索し、「MAKIKYUのページ」を訪問された方も居られた様でしたが、MAKIKYUはこの北恵那交通には先月初めて乗車したものでした。

MAKIKYUが乗車した路線は、中津川駅~田瀬橋~付知峡倉屋温泉<~加子母総合事務所前>間を走る付知峡(Tsukechikyo)線と、坂下駅~田瀬橋<~付知峡倉屋温泉~加子母総合事務所前>を走る坂下加子母線の2路線でした。
(< >は一部便のみが運行している区間です)

付知峡線は北恵那交通の基幹路線で、かつて北恵那鉄道として電車の運行を行っていた区間の代替も兼ねており、昼間毎時1本程度の運行が確保され、地方路線バスとしてはそこそこの利便性が確保されています。


付知峡線に乗車すると、廃線から40年近くを経過した今日でも、北恵那鉄道が使用していた鉄橋の痕跡なども見る事ができ、活躍していた車両も車窓から眺める事は叶いませんが、今でも愛知県内で保存されている所が存在する様です。


使用車両は中型路線車をはじめ、大都市圏の排ガス規制区域と大差ない大型ワンステップ車も活躍しており、MAKIKYUが付知峡線に乗車した際には、中型のラッピング車と北恵那交通独自塗装を纏った大型車(写真)の2車種に当たったものでした。


北恵那交通は事業規模こそ大きいとは言い難いものの、独自塗装とラッピング車の他に、名鉄グループ塗装で青帯が入った車両(写真)も活躍しており、写真の車両と同塗装の日野HRが付知峡線に運用されている姿も確認しており、規模の割には彩り豊かな印象があります。

付知峡線には、運行本数が比較的多い付知峡倉屋温泉まで乗車したのですが、中津川駅から片道30km弱の距離ながらも、普通運賃は片道で1220円と決して割安な運賃設定とは言い難く、この運賃を往復分となると結構な出費が…とも感じます。

しかしながら北恵那交通では、中津川駅からの路線バス(付知峡線)往復と、付知峡倉屋温泉(おんぽいの湯)の入浴券をセットにした「おんぽいの湯セット券」と称する企画乗車券を設定しています。

おんぽいの湯休館日は利用できない制約こそあるものの、この企画乗車券を利用すると入浴券込みで1520円、中津川駅からの路線バスを往路片道のみ利用+入浴する場合や、入浴せずに路線バスを往復乗車するだけでも得になる程の高割引となっています。

長野電鉄(長野県)が、電車と湯田中駅前の温泉入浴券をセットにして大幅割引価格で発売している「日帰り「楓の湯」クーポン」(最近若干値上げされましたが、それでも内容を考えれば割安です)を連想させる価格設定だけあり、付知峡線乗車時の利用価値はかなり大きいです。


この乗車券を利用する場合、中津川駅では付知峡線のバスに整理券を取ってそのまま乗車(始発でも整理券発券あり)し、付知峡倉屋温泉下車時には乗務員にセット券利用の旨を申告、車内では運賃精算せずに整理券を持ったままおんぽいの湯フロントにて整理券を提示、そしてセット券代金を支払い復路バス利用券を受け取り(往路分は乗車券発券なし)という、他では余り類を見ない扱いとなっています。

ネット上で北恵那交通に関する情報を検索しても、おんぽいの湯セット券の存在こそ情報がヒットするものの、乗車券購入方法に関しては付知峡線バスに乗車し、乗務員氏に尋ねる事で、初めてこの様な取り扱いである事を把握する有様でした。


またMAKIKYUは付知峡線バスで付知峡倉屋温泉(おんぽいの湯・写真)へアクセスし、入浴後に中津川行きの復路バスを利用したものでしたが、こちらはスケジュールの関係で途中の田瀬橋下車、ここで坂下加子母線に乗り換え、代行バス始発駅になっていた坂下駅へ向かったものでした。

おんぽいの湯セット券では、復路バス乗車券で付知峡線以外のバスへ乗り継ぐ事はできず、下車前途無効になってしまうのですが、それでもかなりの高割引乗車券ですので充分割安です。


田瀬橋で乗り継いだ坂下加子母線は、付知峡線の往路で出没したラッピング車の番号違い(写真・坂下駅で折り返し便の行先を表示)でしたが、坂下駅までの20分程度の道程でも600円以上を要しましたので、おんぽいの湯セット券で中津川駅の代わりに、坂下駅へ抜ける事もできれば尚の事…とも感じたものでした。

ただ坂下加子母線は付知峡線と異なり、便数僅少な路線にも関わらず、乗車した便の乗客はMAKIKYUだけという状況でしたので、同じ様な道程でおんぽいの湯セット券を利用する事例はかなり少ないと思われ、元々高割引な事も考慮すると、高望みし過ぎなのかもしれませんが…


JR中央本線・列車代行バスの様子~運行はJRバスではなく…

2014-07-31 | バス[東海]

去る20日からの夏休み期間は、JR全線の普通・快速列車が5日(回)乗り放題となる格安乗車券「青春18きっぷ」の通用期間にもなっており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、18きっぷを利用した旅行を計画されている方や、これから利用する予定を立てている方も少なくないかと思います。
(今年夏の青春18きっぷは、例年通り8月末まで発売・9月10日まで通用です)

MAKIKYUも今季は1セット購入し、早速2回分を利用して岐阜方面へ1泊旅行に出向いたのですが、その際には今月の集中豪雨で甚大な被害を受けた長野県南木曽(Nagiso)町やその周辺地域も通過したものでした。

南木曽町は中央本線のJR東海管轄区間(通称中央西線)が通っており、18きっぷを利用するとなれば、普段なら中央西線を運行する普通列車に乗車する事になるのですが、集中豪雨ではJRの橋脚流出など軌道設備にも甚大な被害が発生しています。

そのため名古屋~長野県方面を結ぶ大動脈とも言える中央西線は、現在南木曽周辺で不通が続き、都市間移動の要とも言える特急「(ワイドビュー)しなの」号は全列車が全区間運休、不通区間以外の普通列車に関しても時刻や行先変更、運休などが発生している事は、ご存知の方も多いかと思います。

南木曽町での集中豪雨被災から暫くは、道路も含めて一帯の交通網がマヒ状態だったため、代行輸送も実施できない状況でしたが、道路状況が幾分改善されてからは坂下~野尻間でバスによる代行輸送が実施されています。

この代行輸送は概ね野尻で接続する塩尻方面普通列車に合わせた運行となっており、他に坂下~南木曽間の区間便も存在する運行形態となっていますが、駅前スペースの関係でバスが直接駅舎前まで乗り入れるのは坂下駅のみで、他は駅から離れた場所(田立は比較的至近ですが…)での発着となっています。

田立駅が国道から離れた箇所に位置する事や、列車との乗継時間なども考慮し、定時制を重視して運行時間が長めに確保されている事もあってか、列車と代行バスを乗り継いでの移動時間は平時に比べるとかなり長くなっており、不便さは否めないと感じたものでした。

JR東海の代行輸送は、MAKIKYUは以前身延線代行輸送にも乗車した事があり、その際には系列のJR東海バス車両にも当たったものでした。
(他に山梨交通の子会社・山交タウンコーチの車両も充当しており、以前身延線代行バスに関して取り上げた記事もありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

 
MAKIKYUが中央西線の代行輸送を利用した際には、JR東海バスの姿はなく、岐阜県東濃地域一帯で路線バスも運行する東濃鉄道の車両を貸し切っての運行でしたが、JR東海の代行輸送でも、バス停や代行バス行先表示の様式などは異なっているのも興味深いものでした。

MAKIKYUが乗車した代行バスは、その気になれば大型路線車1台でも立席乗車を含めれば何とか乗り切れる程度の乗客数だったものの、2両ワンマン列車相当の輸送力確保を目論んでか、貸切車2台続行による運行となっており、比較的余裕のある状況と感じたものでした。
(時間帯や便によっては、1台のみの運行となる事もある様です)


代行輸送に充当された車両は、名鉄グループながらも日産ディーゼル車を好んで導入している東濃鉄道らしく、2台とも日産ディーゼル車でしたが、MAKIKYUが乗車した1台目のバスは西日本車体工業製のC型で、他社ではこのタイプの車体に、日産ディーゼル以外の下回りと組み合わせた車両にも当たった事があります。


車内は座席カバーに東濃鉄道の通称「とうてつ」の表記が見受けられたのも特徴的でしたが、同社バスは一般路線こそ以前1度だけ乗車した事があるものの、貸切車への乗車は初めてでした。

MAKIKYUの生活圏なども考えると同社貸切車への乗車機会もかなり限られると思いますので、希少な機会とも感じたものでした。


ちなみにMAKIKYUが利用した代行バスで、続行運行となったもう1台は同じ日産ディーゼル車でも、フィリピン製の逆輸入車・ユーロツアー、塗装こそ西工C型と同一ながら、随分雰囲気の異なる車両でした。

MAKIKYUが代行輸送で利用した便は、2台共に東鉄塗装の日産ディーゼル車でしたが、車種に関しては特に特定の車種を限定して充当するのではなく、動員可能な貸切車を代行輸送に回している様な雰囲気でした。


そのため東鉄と同じ名鉄グループに属し、近年貸切事業を廃止した北恵那交通からの移管車両(三菱エアロバス)なども動員されており、野尻の代行バス発着所に停車している姿も目撃したものでした。

 
この代行輸送の発着駅となっている坂下駅前は、向かいに小規模なスーパーこそあるものの、野尻駅前は国道から離れた閑散とした所です。

買物の便なども…と感じる有様で、駅前の道路も狭く、代行輸送に充当される大型貸切車の乗り入れが困難な所です。

そのため国道沿いの代行バス発着所~野尻駅間は別途運行のシャトルバス利用か、徒歩での移動となっていましたが、このシャトルバスは南木曽交通のマイクロバス2台による運行となっていました。


輸送力こそ小さいものの乗車時間や距離は短いため、代行バス発着場~野尻駅間を複数回運行する運行形態となっており、MAKIKYUはこのシャトルバスも利用しましたが、南木曽交通への乗車は先日が初めてで、今後も利用機会は滅多に…という所だと思います。

野尻の代行バス発着場は、国道沿いにある24時間営業のコンビニ脇となっていますので、こちらなら食事類の調達などは問題なく、中央西線代行輸送利用で野尻で食事類の調達などを・・・と考えている方は、このコンビニを利用すると便利かと思います。


また集中豪雨で甚大な被害を受け、現在も中央西線の不通が続く南木曽町の南木曽駅周辺は、国道沿いを流れる木曽川で現在も大量の流木が残存しているなど、ニュースなどで盛んに報じられた豪雨被害の大きさを改めて実感させられたものでした。

南木曽町は急峻な地形などが影響し、以前から度々大規模な土砂災害に見舞われていますが、先日の集中豪雨で亡くなられた方の冥福を祈ると共に、被災地域の復興と中央西線の早期復旧を願いたいものです。


(お断り)中央西線代行バスは坂下(岐阜県中津川市)~野尻(長野県大桑村)間を運行しており、対象カテゴリーは東海~甲信越の2地域に跨りますが、この記事は代行バスの運行主体事業者が東濃鉄道(岐阜県)である事などを考慮し、「東海」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


三重交通・中勢営業所で活躍する一般路線車

2014-05-18 | バス[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、11日に三重交通・中勢営業所(三重県津市)で開催された「バス感謝祭」に関して取り上げましたが、この会場となった中勢営業所は公共交通の便が芳しいとは言い難い立地である上に、会場内や周辺に駐車場なども設けられていない状況でした。
(一応路線バス運行はあるのですが、営業所出入庫は回送車が多いために運行本数は非常に少なく、とても多数のイベント訪問者に対応できる便数とは言い難い状況です)

そのため主に大阪・名古屋方面などから近鉄線などの公共交通機関を用いて訪問するイベント参加者向けに、津駅西口から概ね10分毎程度の間隔で無料の臨時シャトルバスが運行され、他に自家用車利用者向けにメッセウイング・みえからの無料シャトルバスも運行されていました。

所要時間はどちらも片道20分程度、イベント参加者向けの無料シャトルとしては比較的乗車時間が長い部類に入ると思いますが、MAKIKYUはイベント会場の中勢営業所への往復に、津駅西口からのシャトルバスを利用したものでした。

このシャトルバスはシャトル専属で運行される便だけでなく、通常は回送となるバスを活用しての運行も行われていた様で、その事もあってか多客が見込まれるイベント輸送にも関わらず、収容力の点ではやや劣る中型車などの充当も見受けられたものでした。


充当車両の年式は新旧様々で、乗車車両は往路がV8エンジンを搭載したキュービックの末期車、復路がトルコンAT装備のキュービック初期ノンステップ車、どちらも年式的には大都市圏排ガス規制区域での登録は…という車両ですので、できればなるべく古参車に当たれば嬉しいと感じるMAKIKYUとしては、まあ当たりと言った所でした。

 
復路で乗車したキュービックの初期ノンステップ車は、大型車にしては収容力の面で見劣りが否めないものの、車内の低床空間が広く確保されており、車内後部の段差に関する配慮は評価できると感じたもので、他の便では現在主力となっているエルガの姿などは何台も…という状況でした。


またメッセウイング・みえ発着の無料シャトルバスには、V8エンジン搭載前のキュービックや、事業者限定バスコレ第2弾のモデル車両となった富士重工業7E(これも年式や車長などにバリエーションが存在するのですが…)の姿も見受けられ、営業所内でも数台姿を見かけた7Eは一台位展示した方が…とも感じたものでしたが、こちらの方が古参車充当率が高い様に見受けられたものでした。

 
営業所内では他に三菱の初期大型ノンステップ車や、鈴鹿市のコミュニティバスに充当される鮮やかな装いのリエッセなども見る事ができ、これらは立入禁止区画に停車していましたので、会場内から規制ライン越しに…という状況でしたが、展示車両の撮影は神都バスを除くと…という状況でしたので、車両撮影はこちらの方が…とも感じたものでした。

車両自体は一般的な路線車仕様ながらも、特別塗装の外観故に撮影向きとも言えるリバイバル塗装車などは、規制ラインのすぐ外側で車内非公開状態で展示するか、洗車体験(車庫内での短時間乗車ですので、特に豪華な車両などを充当する価値は低い気がします)に充当しても…と感じたもので、バス感謝祭の車両展示方法や、展示車両選定などは少々難ありと感じたものでした。

ただ中勢営業所は便の悪さなどもあり、日頃首都圏住まいの余所者が訪問する機会はまずない所ですので、津市への訪問自体が限られるMAKIKYUにとっては、先日のバス感謝祭は貴重な機会になったと感じ、首都圏に限らず他地域で開催されるイベント参加も機会があれば…と感じたものでした。


大井川鐵道・閑蔵線バスで活躍する中型ロング車

2013-04-12 | バス[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、大井川鐵道で運行している京阪旧3000系譲渡車に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが大井川鐵道沿線へ足を運んだ際には、同社路線バスにも初めて乗車する機会がありました。

同社路線バスはかつて、大井川本線の起点となる金谷近隣でも運行していた様ですが、現在は千頭駅を起点に運行する2路線のみとなっており、土地柄や運行本数などを考えると、有名な事業者の割には、乗り難い存在と言えます。

現在運行している路線は、千頭駅~奥泉駅~寸又峡温泉間の路線がメインで、他に近年運行開始した千頭駅~奥泉駅~閑蔵駅間の路線が存在します。

MAKIKYUが乗車したのは後者の方で、井川線乗車の際にこの路線バスと組み合わせると、往復で異なるルートが楽しめるほか、時間短縮にもなるなど、井川線を利用する際には、同線と組み合わせての利用価値が高い路線です。


どんな車両がやってくるかも気になっていたのですが、出没したのは中型ロングのノンステップバス、それも日野レインボーHRだったのは予想外で、大井川鐵道の路線バスと言うと三菱ふそう製車両の印象が強く、意外に感じたものでした。

ただ名鉄グループでは以前から一部を除き、三菱ふそう製車両の導入比率が高いものの、最近では名鉄バスなどで日野車の導入も進むなど、以前とは傾向が変わってきています。

そのため一応名鉄グループに属する大井川鐵道に日野車が導入されるのも、ありえない話ではないのですが、この車両も年式的には決して古くなく、大都市圏排ガス規制で継続使用不可となる車両ではないものの、名鉄バスからの転出車両で、この手の車両がもう名鉄バスから放出されるというのは、少々驚きに感じます。
(事業廃止による余剰などでなくても、同程度の車両が淡路交通→神姫バスに移籍する事例などもありますので、全くありえない話ではないのですが…)


名鉄グループ内での移籍と言う事もあってか、外見はは名鉄バスそのもので、社名だけ書き換えた状況になっているのですが、車内に足を踏み入れると、こちらも名鉄バス表記のある乗務員氏名札挿しがそのまま残っている状況でした。


座席カバーにも「MEITETSU BUS」と書かれたものが用いられており、運転席付近には名鉄バス名古屋営業所の名前が書かれた注意表記まで見受けられるなど、如何にも名鉄バスから移ってきた車両である事をアピールしているかの様に感じられる程で、いくら系列事業者間移籍とは言えども、ここまで元事業者仕様そのままというのは珍しく感じる程で、鉄道と同様にバスも前事業者の姿を敢えて残す形で動態保存を目論んでいるのでは?と感じてしまう程です。

ただ2列席主体でやや座席数が多く、首都圏などで活躍する同車種の大半などよりはマシとはいえども、車両自体が基本的に都市型仕様ですので、この車両が一日に指の数の便数もない山深くを走るのは少々違和感を感じます。

路線特性を踏まえれば、既存トップドア車の方が座席数が確保でき、観光・高速バス車両でも…と感じる程ですが、車椅子対応などのバリアフリー対策を進める上では、この手の車両も必要になりますので、数台程度はあっても良い気もします。

しかしながらこの車両の前面行先表示が固定タイプになっており、基本的には閑蔵線専用車状態になっているというのは、車椅子利用者などの要望があれば、どの路線にでもバリアフリー対応車を入れられる体制を整える事を考慮していない様にも感じられ、余り感心できない気もします。

ちなみに大井川鐵道の一般路線は2路線のみ、ワンマン設備も整理券発行機や自動両替機能付運賃箱が備えられている程度で、音声合成による車内放送や、デジタル運賃表示器の設置がないなど、離島や山村など過疎地域の町村営バスを連想させる簡素かつ最低限といった装備のみとなっており、鉄道系バスにしては異色と感じる程です。

音声合成や運賃設定などの関係で、使用車両を限定しなくてはいけない状況でない事を踏まえると、わざわざ前面に閑蔵系統の固定表示を出す位なら、この部分は白幕か社名表示にでもした上で、プレート等で行先や路線名を掲出し、寸又峡方面にも充当できる方が…と感じたものですが、こんな事を感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?
(この状態で行先表示などを示す紙などを貼り、仮に寸又峡方面の便に充当する位ならば、前面の固定表示はない方が良い状況になり
ますので…)


しずてつジャストラインで活躍するエアロスターK~年式の割に見た目は…

2012-04-19 | バス[東海]

今月に入ってからMAKIKYUが静岡へ出向き、静岡鉄道グループの一日乗車券を利用した際には、静鉄電車の他に、しずてつジャストラインの路線バスに乗車する機会がありました。
(静鉄電車は1路線しかなく、むしろバス乗車の方がメインだったのですが…)

しずてつジャストラインの路線バスは近年低床車両の導入が進み、比較的新しい車両も多く走る反面、大都市圏排ガス規制の規制対象地域ではなく、車両使用年数が長い事もあってか、首都圏などの排ガス規制対象地域ではもう何年も前に見られなくなった古参の旧年式車も活躍しており、車両のバラエティが豊富なのは魅力的で、特に古参大型路線車が好きなMAKIKYUにとっては、この様な車両に当たると非常に喜ばしいものです。

しずてつジャストラインは様々なメーカーの車両を導入しているため、古参大型路線車も様々な車種が存在するのですが、その中でもMAKIKYUが先日乗車したのは三菱エアロスターKで、この車両は新しくても平成3~4年頃の車両ですので、大都市圏ではもう姿を見なくなって久しい車両ですが、しずてつジャストラインではまだ新型低床車などに混じり、そこそこまとまった数が活躍しています。

またしずてつジャストラインの古参大型路線車は、前後扉配置で2段窓の車両が大半を占めているのですが、エアロスターKの一部は引き違い窓・中4枚扉で車内もやや豪華な仕様になるなど、年式の割には近代的に見える車両が鳥坂営業所を中心に配置されています。
(勿論エアロスターKの中には前後扉2段窓の車両もあり、藤枝へ向かう中部国道線などで活躍する姿も目撃しています)

 
MAKIKYUが乗車した車両は、鳥坂営業所に配属の中4枚扉車で、他にも複数台の稼動(リア画像は乗車した車両とは同型の番号違いです)を目撃していますが、そこそこ手入れがされているのか極度の古さこそ感じないものの、年式プレートを見ると平成1年製、おまけにシフトレバーはロッド式(三菱製大型路線車は古参車でもフィンガーコントロール採用例が他メーカーに比べて多く、また三菱製のロッド式は他メーカーに比べて硬くて厄介です)でしたので、運転するのは少々大変そうな車両です。

MAKIKYUがこの車両に乗車した路線は、静岡駅から北東へ向かう鳥坂営業所管轄の水梨東高線で、30分程乗車した瀬名新田が終点となりますが、静岡駅から瀬名新田へ向かう路線はもう1路線(竜爪山線)もあり、両者共に毎時2~3本程度の便があるほか、草薙から瀬名新田へ向かう便も毎時3本程度あります。


瀬名新田はバス折り返し場になっており、典型的な郊外の住宅地の一角といった場所ですが、昼間は山間部がデマンド運行となる竜爪山線末端区間用のワゴン車が留置されている姿も目撃出来ました。


また近くの丘陵には茶畑が広がり、この光景は如何にも静岡らしいと感じると共に、しずてつジャストラインの複数路線を容易に乗り比べる事も出来ますので、静岡市内で路線バスを利用した小旅行を楽しむにも絶好の路線と感じたものでした。


名古屋市営バス「幹築地1」系統とフェリーふ頭

2011-07-27 | バス[東海]

先日「MAKIKYUのページ」では、一部で「JR○海博物館」(○には「east」を日本語訳した漢字1文字が入ります)とも言われ、今年春に開館した鉄道系博物館へのメイン交通手段にもなっているあおなみ線に関して取り上げましたが、その気になればその他の公共交通機関を利用してアクセスする事も不可能ではありません。

MAKIKYUも往復あおなみ線利用よりは…という事で、帰路は他の公共交通機関を利用したものでしたが、この交通機関が名古屋市営バス「幹築地1」系統です。


この路線は名古屋港駅(地下鉄名港線)~フェリーふ頭間を、築地口・稲永駅・野跡駅などを経由して運行する路線で、平日昼間や土休日は概ね1時間毎の運行、平日朝夕はこれより増発して運行しています。

 
金城ふ頭駅やその至近にある「JR○海博物館」では直接発着する路線バスの存在こそありませんが、金城ふ頭駅から徒歩15分程度の所に「金城橋」というバス停があり、このバス停が最寄となりますが、野跡(Noseki)駅方面に線路沿いの道をまっすぐ進むだけですので、道は単純で迷う事はないと思います。

徒歩15分と言う距離は、近いと感じるか遠いと感じるかは個人差があると思いますが、金城ふ頭駅~金城橋間は急な坂などもなく、個人的には天候や陽気が穏やかな時であれば、さほど苦にはならないのでは…と感じたものでした。

とはいえ市バス幹築地1系統は、あおなみ線に比べると運行本数の面で大きく劣り、事前に時間を調べておかないと利用はやや厳しいかと思いますし、バス単独での乗車でも市バス均一運賃の200円を要しますので、これに加えて地下鉄乗り継ぎでは、普通運賃で乗車時における運賃面でのメリットは薄いのが現状です。

ただ名古屋市交通局では市バス全線や、市バス・地下鉄共通の1日乗車券が設定されており、これらを利用して「JR○海博物館」以外にも名古屋市内で幾つも訪れたい場所がある場合や、地下鉄名港線を利用したい場合などには注目です。

この他にも金城ふ頭からあおなみ線で1駅進んだ野跡駅からは、名古屋駅・金山・高畑駅などへ向かう市バスがありますので、「JR○海博物館」へ足を運ぶのに往復で異なる経路を使いたいものの、徒歩15分は…という方は、野跡駅発着のバス路線利用を検討されるのも良いかと
思います。

また金城橋バス停はフェリーふ頭の一つ手前ですが、ここから更に徒歩でも10分程度で、幹築地1系統の起終点・フェリーふ頭へ行く事ができます。

 
MAKIKYUが幹築地1系統を利用した際は、時間があったのでフェリーふ頭まで足を運んだものでしたが、丁度仙台を経て苫小牧まで行く長距離フェリー「いしかり」が停泊しており、北の大地・北海道への長い船旅へ向かう旅客や、車両の積み込みなどで賑わう姿を見る事ができました。

知人からの招きもある苫小牧は、市営バスの終焉も近いですので、機会があれば是非足を運びたいと思っており、時間があればこの船にでも…という気分でした。

運賃も2等閑散期片道なら青春18きっぷ(5回分定価)よりも安く、寝台でも2000円追加~という破格ですが、船中2泊は時間に余裕がないと厳しいのは残念な限りです。

MAKIKYUが北の大地へ足を運ぶには、仕事持ちの現状では青函トンネル利用が最も妥当と感じている所ですが、北の大地や仙台周辺からフェリーで名古屋へアクセスした場合、「JR○海博物館」はフェリーふ頭から至近で、徒歩でもアクセスできる事を知っていると便利かもしれません。
(野跡駅乗り継ぎでも乗り換え時間を考えると徒歩と大差なく、タクシーを使っても距離が短いので、恐らく3桁で済むと思います)


伊豆箱根バスの「レトロバス」~バス事業80周年を記念したリバイバル塗装車

2010-04-16 | バス[東海]

 

今年春の青春18きっぷ有効期間は、MAKIKYUは公休日(仕事柄休日が一定せず、土日=休みではありませんので…)の関係で余り遠出には使えなかった事もあり、日帰りで比較的近場へ出向くのに使うのがメインという状況でした。

その日帰り旅行での使用は、横浜からはさほど遠くないものの、JR会社間の境界を跨ぐ事もあり、青春18きっぷシーズン外では割安なフリー乗車券などが限られてしまう静岡県方面へ、1ヶ月強の有効期間内に2回出向く事になったのですが、その内3月に静岡県内へ出向いた際には、静岡市まで足を伸ばしています。

この日は静岡鉄道の長沼車庫で、リバイバル塗装車両の撮影会が開催されていた事もあり、MAKIKYUはこのイベントにも参加し、その様子を「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、この日はこの静岡鉄道リバイバル塗装編成以外に、伊豆箱根バスでもリバイバル塗装車に遭遇しており、今日はこちらを取り上げたいと思います。

伊豆箱根というと、西武グループの交通事業者として知られ、近年鉄道から分社化されたバス部門は、ライオンズカラーの装いは見るからに西武グループという雰囲気を放っていますが、バス事業は既に開業80周年を迎えています。

近年になってリバイバルブームを意識したのか、開業80周年を記念して「レトロバス」と称し、昭和時代の装いを纏ったバスを数台走らせており、MAKIKYUは以前この装いのバスを大場駅前で目撃した事もあったのですが、特別塗装で数が限られているだけあって、今まで乗車する機会はありませんでした。

先月静岡まで出向いた際にも、昼間に東海道本線を利用し、東京・横浜方面~静岡方面を移動する際には乗換えとなる熱海駅で一旦途中下車したら、駅近くの車庫でこの装いのバスを目撃したものでした。

このバスの様子を伺うと、比較的至近の時間に近場の熱海後楽園へ向かうバスに充当される様子でしたので、熱海では特に先を急ぐ状況でもなかった事もあり、少し時間を確保して熱海後楽園まで乗車したものでした。

このレトロバスは最新型車両を旧塗装で導入した訳ではなく、また特定の年式・車種を選定した訳でもありませんので、以前大場でレトロバスを目撃した際は中型車だったものの、今回熱海で乗車した車両は日産ディーゼル製の大型車でした。

それも西武バスから移籍した車両で、座席を増設しているものの西武時代の雰囲気を随所に感じる車両でしたが、地方ではまだまだ普通に走っている年式とはいえ、大都市圏の排ガス規制区域からは既に姿を消し、PASMO取扱車にしては結構古参の部類(平成4年式)に入る車両というのも注目点と言えます。

旧年式大型車が好きなMAKIKYUとしては、PASMOで乗車(バス共通カードを買い貯めしていますので、7月まではバスでの使用機会は限られそうですが…)するバスにしては結構な当りと感じたもので、この手の特殊塗装車らしく車内にも過去のバス写真などが多数掲げられていましたので、特に古参バスが
好きでなくても楽しめのでは…と感じたものです。

また今回「レトロバス」に乗車した路線は、区間が短いだけあって所要15分程度、運賃も220円と手頃にレトロバスを楽しめたものでしたが、列車では幾度も通る熱海も、市街地へ足を伸ばす機会は皆無でしたので、起伏のある独特な雰囲気の熱海の街中の様子を眺めるにも最適で、「レトロバス」でなくても熱海で時間が空けば、手頃に乗車できる路線として良いのでは…と感じたものでした。

ただ熱海駅~熱海港・熱海後楽園間の路線は伊豆箱根バスと東海バスグループによる共同運行となっており、昼間は概ね交互での運行となっている様子でしたが、熱海駅の熱海後楽園行バス停にある時刻表には運行事業者がどちらか記されていない上に、PASMOは伊豆箱根バスの方でしか通用しません。

その上東海バスが駅前の案内所や車内などで発売している紙製回数券(案内所では20円券の綴りで200円という低額券もあります)は、逆に伊豆箱根バスで通用しないなど、乗車する便によって使用する乗車券を使い分けないといけない点は不便に感じたもので、PASMOを所持した東京方面からの不慣れな観光客が多い土地柄も考えると、乗車券類の相互利用が難しいのであれば、せめてどの会社が運行する便なのかを各バス停やHP(こちらも時刻掲載のみです)で明記して欲しいと感じたものでした。
(市街地にあるバス停では伊豆箱根・東海それぞれのポールが並んで立っている所もあり、全てのバス停で該当する事ではないのですが…)


遠鉄バスで中部天竜駅へ~佐久間レールパークへの穴場ルート

2009-09-04 | バス[東海]

MAKIKYUが先月末に浜松市にある「佐久間レールパーク」を訪れた際には、前日夜に浜松入りして駅近くのホテルに宿泊し、朝出発して佐久間レールパークへ向かったものでした。

佐久間レールパークは近年の市町村合併で浜松市に編入されたエリアで、浜松と言っても浜松駅などがある中心部からは、50km以上離れた山中に位置します。

そのため浜松市という実感は薄く、まして鉄道利用ともなればJR飯田線は愛知県の豊橋駅を基点に、長野県方面へ向かいますので、浜松市はおろか静岡県内を通る事すら実感が…という方も居られるかと思いますが、一応浜松市内という事もあってか、市外へ出ずに浜松駅周辺~中部天竜駅間を公共交通機関で結ぶルートも存在しています。

このルートはMAKIKYUが先日佐久間レールパークへ出向いた際にも利用したのですが、遠鉄(遠州鉄道)電車の終点で、天竜浜名湖鉄道との乗換駅にもなっている西鹿島駅(新浜松から約30分:遠鉄電車の便は昼間12分毎と頻発していますので、時刻表要らずです)からの遠鉄バス路線で、西鹿島~水窪[Misakubo]間の北遠本線と、浜松市佐久間自主運行バス(旧佐久間町営バス)を乗り継ぐ行程となります。

そのため浜松駅周辺から中部天竜駅までアクセスする場合は、新浜松~西鹿島間で遠鉄電車を利用し、その後バスに乗り継ぐ行程となります。
(西鹿島~浜松市内中心部へ直接向かうバス便は僅少ですが、山東~磐田間のバス便(磐田天竜線)はそこそこの本数があり、浜松駅周辺~磐田間のバス便もそれなりの便数がありますので、その気になれば遠鉄バスだけでの移動も可能です)

北遠本線は国鉄バス~JR東海バスが運行していた路線を、同社撤退後に遠州鉄道が引き受けた路線で、閑散とした山中を進む長大路線は、全国版の時刻表にも時刻が掲載されている程ですので、ご存知の方も多いかと思います。

遠鉄バスの一般路線は、現在630円の上限運賃を設定している事もあり、北遠本線は約100分かけて全区間を乗り通しても630円で乗車できますので、距離や土地柄を考えると、非常にお値打ち感のある路線とも言えます。

 
車両もオムニバス(ノンステップ車:遠鉄では独自の呼び名で他車両と識別しています)で運行する便が設定されており、MAKIKYUが乗車した便もオムニバス、それも遠鉄バスだけあって背もたれの大きい座席を装備しているなど、ハイグレードな印象を受ける車両を使用しているなど、サービスレベルは比較的高いですが、土地柄故に運行本数がかなり少ないのは難点です。

西鹿島駅を出ると旧天竜市の中心・二俣地区を経て山東(天竜営業所)に至り、ここまでは市街地だけあってバスの便も頻発しています。

山東を過ぎると山中を進み、天竜川沿いの長閑な景色の中を進んで行きますが、途中では脇道に入り、結構狭い箇所もありますので、よく長いバス(日野HRですので、車幅はさほどでもないですが…)を通すものと感心してしまう所もあります。

   
西鹿島駅から1時間程で西渡[Nishido]という停留所に到着し、ここは山中の小さな集落ですが道が二手に分岐し、一方が水窪方面、もう一方が中部天竜駅方面となるのですが、北遠本線は水窪方面へ進むのに対し、MAKIKYUは中部天竜駅(佐久間レールパーク)へ向かうため、ここで北遠本線のバスを下車し、中部天竜駅方面へのバスに乗り換えです。
(ちなみに西鹿島駅~西渡間でも運賃は上限の630円ですが、距離や土地柄を考えると割安感を感じる程です)

西渡~中部天竜駅間の路線は、浜松市佐久間自主運行バス(旧佐久間町営バス)と呼ばれる廃止代替路線で、運行主体は自治体となっているものの、遠鉄の車両を用いて運行しており、ナイスパス(遠州鉄道が発行するICカード乗車券)も通用しますので、実質的には遠鉄の一路線と言っても過言ではありません。

佐久間自主運行バスは、MAKIKYUが乗車した際には行先幕の表示がないのか、遠州鉄道の方向幕を掲示し、行先のプレートを掲出した平成2年式の三菱ふそう製中型車(P-MK117J)が充当されていました。


比較的洗練された印象が強い遠鉄バスも、山中に入ると結構古い車を走らせていると少々驚いたもの(もっと新しい年式の車両でも退役し、地方の他事業者で第2の活躍をしている車もありますので…)です。

この年式の車は大都市圏では何年も前に退役を余儀なくされていますので、MAKIKYUとしてはこの手の車両に当ると嬉しい限りですが、古参車ながらも高級感のある内装などは遠鉄ならではで、北遠本線のオム二バスとの乗り比べも面白いものでした。

こちらも土地柄故に北遠本線と同じく運行本数が限られ、その上日祝日運休便も存在している点は要注意ですが、概ね西鹿島方面の北遠本線と西渡で接続するダイヤが組まれ、浜松市中心部・西鹿島~中部天竜駅方面を移動する際の便宜が図られています。

そのため閉園が迫る佐久間レールパーク(中部天竜駅構内)へのアクセス手段としても有用で、遠州鉄道では西鹿島駅のバス停ポールにも、遠鉄バスでのアクセスを紹介していた程です。


とはいえ飯田線でのアクセス(JR東海は自社以外の公共交通機関でのアクセス方法を案内していない事も一因ですが…)に比べると、知名度は極めて低いものです。

土地の人間以外はこのルートの存在自体を知っている人物が限られる事もあってか、多数の乗客で大混雑している飯田線とは異なり、MAKIKYUが乗車したバスは西渡で乗り継いだ乗客は指の数も…という状況で、比較的空いていて快適に移動できましたので、佐久間レールパーク訪問の際の穴場ルートとも言えます。

また北遠本線は佐久間レールパーク訪問に限らず、浜松市内中心部~長野県内の飯田線沿線などを、水窪などでJRと乗り継いで安く移動するにもうってつけです。

本数が少なく、やや利用しにくい感もありますが、ローカルムード溢れるバスの旅を、630円の上限運賃設定もあって比較的割安に移動できますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?


揖斐川町コミュニティバス~2つのローカル線を移動するにも有用なコミュニティバス

2008-08-26 | バス[東海]

  

「MAKIKYUのページ」ではここ最近、何度かに渡って樽見鉄道に関する記事を公開しましたが、MAKIKYUが樽見鉄道に乗車した際には、終点の樽見駅まで乗車した後、来た道を谷汲口駅まで折り返す行程で移動しました。

その後は同駅から揖斐川町コミュニティバスに乗車し、谷汲山で乗り換えて揖斐駅(養老鉄道:旧近鉄養老線)へ抜けたのですが、今日はこのコミュニティバスに関して取り上げたいと思います。

揖斐川町コミュニティバスは、かつて名阪近鉄バスが路線バスとして運行を行っていた揖斐川町内の路線(現在揖斐川町に合併された旧谷汲村などを含む)を、コミュニティバスとして再編したバスです。

かつて名阪近鉄バスの一般路線が幾つも発着していた揖斐駅前を発着する各路線をはじめ、旧谷汲村内を走る名阪近鉄の路線バスなども全てこのコミュニティバスに移行していますので、このエリア内で一般路線バスの運行が存在しない状況(不定期運行の岐阜乗合・岐阜~谷汲間を除く)となっており、名鉄揖斐線代替路線の揖斐~黒野方面行きですら一般路線として成り立たない状況(それどころか名鉄谷汲線代替の黒野~谷汲間は、バス路線そのものが消滅しています)ですので、このエリアにおける公共交通を取り巻く状況が芳しくない事を実感させられます。

その上旧谷汲村の中心部では名鉄谷汲線はおろか、その代替バスですら廃止となっている状況ですので、樽見鉄道谷汲口駅と、近鉄揖斐駅へ抜けるこのコミュニティバスが、現在岐阜市内や名古屋など、他エリアへ抜ける唯一の公共交通と言っても過言ではない状況となっていますが、どちらも本数は決して多いとは言えず、岐阜・名古屋方面への現行アクセスはコミバス+複数社の鉄道乗換えという状況ですので、所要時間や運賃をはじめ、運行本数などの利便性も、今世紀初頭までの名鉄の鉄路が通じていた頃に比べ、大幅に低下している事は否めません。

ただ揖斐川町コミュニティバス自体は、一般路線からの移行によって、運賃の大幅値下げが断行されており、エリア別ワンコイン(エリアは合併前の旧自治体区分)となっており、MAKIKYUが乗車した谷汲口駅~谷汲山間は100円(旧谷汲村内)、谷汲山~揖斐駅は200円(旧谷汲村~揖斐川町跨ぎ)と非常に割安な運賃設定となっているのは有難いものです。

一般路線時代と同様に、揖斐川町コミュニティバスは名阪近鉄バスが引き続き運行しており、車両もMAKIKYUが目撃した限りでは、コミバスでは一般的なマイクロなどではなく、経年車(見た目はさほど古さを感じませんが、写真の車両も既に大都市圏では退役している平成5年式です)ながらも比較的グレードの高い日野製中型車を使用(名阪近鉄に限らず、この一帯の一般路線車は比較的高グレードな車両が多数走っています)している点などは評価できるものです。

とはいえ見た目は行先表示に「揖斐川町コミュニティバス」表示が出ているだけで、外見は名阪近鉄の一般路線と何ら変わりない車両を用いているにも関わらず、同社の回数券は使用不可能(金券式:大垣などでは現在でも引き続き通用)となっている点は要注意(車内放送でも案内あり)です。

この揖斐川町コミュニティバスは先に触れた通り、本数の少なさは難点で、谷汲山で乗り継いで樽見鉄道~養老鉄道間を移動するにも、時間帯が限られますが、現在はどちらも一本線となっている2つのローカル線を乗り歩く際には利用価値があります。

また谷汲(谷汲口駅からのバスで谷汲山の一つ手前に「谷汲」停留所があり、「谷汲山」から徒歩でも至近です)では旧名鉄谷汲線駅舎と、かつて活躍していた車両が保存されていますので、コミバス乗換えの合間にこれらを見物し、かつて谷汲の中心部に通じていた鉄路を偲ぶのも悪くないものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も樽見鉄道や養老鉄道に乗車する機会がありましたら、是非もう一歩足を伸ばして揖斐川町コミュニティバスにも乗車してみては如何でしょうか?