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京阪電鉄 13000系電車~3000系とよく似た印象の一般型車両

2012-08-29 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

先月MAKIKYUが久々に中国まで足を運んだ際には、帰国の際に利用したフェリーが関西(神戸)着で、生活圏の首都圏からは結構離れており、訪問機会も限られる場所(それでも年に1~2回は訪問し、新幹線で通り過ぎる事も含めれば結構な頻度になるのですが…)ですので、帰国後もそのまま直帰せず、関西を道草してから帰路に就いたものでした。

その際には京阪電車を利用する機会もありましたが、京阪電車は現在、昭和40年代に製造された直流電動機を用いた古参車がゴロゴロしており、交野線こそ近年のワンマン化実施で大半が新型車に入れ替わっているものの、本線普通・準急や宇治線では車体断面が丸い古参車(2000番台)に当たる事も少なくなく、昭和50年代製の電車が次々と退役している首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、随分古い車両が多い路線と言う印象があります。
(京阪電車に限らず、関西私鉄はこの傾向が強いのですが…)

2000番台の古参車は、2200系や2600系など幾つかの種類があり、特に2600系は車体形状や台車などに様々なバリエーションが存在、編成や経年もバラツキがある雑型車といえ、多様な編成を構成できる事もあって、京阪電車を利用する際には、嫌でも見かける程の存在です。

最近では新旧塗装が混結して走る姿も時折見受けられ、趣味的には面白い存在ですが、経年車でエネルギー効率の面でも芳しくない上に、支線区でのワンマン運転実施にも難があり、サービス面でも…という事で、近年徐々に淘汰が進んでいます。

京阪電車の新型車両と言うと、中之島線開業時に同線の花形列車・快速急行用に導入され、その後利用実態を踏まえ、現在は主に特急で運用される3000系電車を思い浮かべる方が多いかと思います。

この車両は某大手デザイン会社が絡む事もあって、外観・内装共に従来の京阪電車とは大きく異なるものとなっており、この車両で京阪間を乗り通しても概ね400円前後と言うのは、熾烈なサービス合戦を繰り広げる関西ならではです。
(特に車両規格が京阪電車に比較的類似しており、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)は、運賃も京阪電車などに比べると遥かに…という状況ですので、それなら車両などのサービス面でも遥かに上を望みたいものですが、この会社だけは期待しても無駄そうです。先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げたモノレール車両の様に、千葉県内でもこの車両と同じデザイン会社が絡む傑作車両も存在しているのですが…)

3000系電車は乗降性なども配慮してか、座席数がやや少なく、京阪間を乗り通す時などは…という評もありますが、設備・デザイン共に特別料金を要しない車両の中では、かなりのレベルに達しており、もっと数を増やしても…と感じるものです。

しかしながら一部に転換式クロスシートを採用した客室設備や、8両固定という関西では比較的長い編成(中間車を抜いて7両や5両を構成する事も可能ですが…)は、京阪間の優等運用で用いるには最適でも、本線普通車や支線区で用いるにはやや難があります。

こちらに古参車が多く改善も急務な事から、3000系の支線区版とも言える車両が待ち遠しいものでしたが、この用途で登場した新型車が13000系電車で、今年春に運転を開始しており、MAKIKYUは先月初めて乗車する事が出来ました。


13000系は3000系を短編成化(4両)・客室設備のオールロングシート化や用途の違いによる塗装変更を行った車両と言う雰囲気を受けますが、単に3000系に最小限の設計変更を施したのではなく、よく見ると前面貫通路上に設置されたライト数や、行先・種別表示窓部分がやや角張っているなどの差異が見受けられ、側面の窓割も異なるものになっています。


近年の新型車では大半がシングルアームパンタグラフを採用し、中には古参車でも積雪や車両限界・騒音対策などでこのタイプに換装する事例(JR東日本・中央本線の115系電車や、小田急線の通勤型車各形式など)も存在しますが、廃車発生品を転用した事もあってか、最近の新型車では珍しく下枠交差式パンタグラフを採用しているのも特徴で、今後シングルアーム式への交換が行われる事があるのか否かも気になる所です。

車内に足を踏み入れると、3000系と同様に某大手デザイン会社が絡む事もあってか、3000系の色違い・オールロングシート車といった印象も受け、床面のデザインや配色を変えた客ドア部などは、3000系に類似した雰囲気を感じます。


ドア上にLCDモニターを設置している辺りも、最新型車両ならではと言えますが、座席脇の大型袖仕切りや、蛍光灯カバーのない天井部などは、3000系とは異なる13000系の特色です。


蛍光灯カバーが省略されても、蛍光灯配列や取り付け部分のデザインなどで既存一般車に劣らない雰囲気を実現しているのは、大いに評価できる所で、車両番号や製造メーカーを示した銘板の代わりに、これらをまとめた1枚のステッカーとしている辺りは、最近の首都圏の電車を連想させるものがあります。

13000系は一応2編成併結して8両で運行する事も可能な様ですが、現在は4両単独で主に宇治線の運用に充当、また時折交野線にも充当される様ですが、専ら短距離の支線用に製造された車両だけあって、3000系のコンセプトは継承しながらも、同系や近年改装された特急専用車・8000系の様な、特別料金不要車両では最高レベルの設備を誇る車両とは言い難いものです。

しかしながら物凄く高級な造りにしなくても、デザイン上の工夫などで、支線区などで用いる車両でも、見栄えのする車両を走らせる事が出来るという点では、非常に良い事例と感じられ、最近首都圏で増殖している「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などを導入している事業者(関西でも狭軌某大手私鉄の最新型車はこの部類に入りますが…)も、単にコスト面で優位な車両を目指すだけでなく…と感じたものでした。


中国で相次ぐ長距離バス事故~長距離バスには寝台車も…

2012-08-27 | バス[中華人民共和国]

ネット上のニュースを見ていた所、昨日中華人民共和国(中国)で高速道路上におけるバスの特別重大事故(死亡者の発生した事故)が2件続けて発生した事が報道(陝西省・延安(Yanan)市、四川省・広安(Guangan)市)され、ご存知の方も居られるかと思います。

MAKIKYUも中国へは先月足を運んだばかり、それ以前にも何度か足を運んだ事があり、先月は長途汽車に乗車する機会はなかったものの、今までに何度か中国の長途汽車(長距離バス)を利用した事もあります。

中国では近年高速鉄道の相次ぐ開業と、これに伴う高速動車・動車組列車(CRH)の高頻度運行などで、火車票(鉄道乗車券)の確保が容易になった区間も多いとはいえ、全国的に見ればまだまだ交通機関の需要に対し、供給が追いついていない区間も多数存在しているのが現状です。

鉄道の輸送力が絶対的に不足し、数日先の列車でも無座(立席)すら「無」、連日満席御礼が続く事も珍しくなく、MAKIKYUが北京站の乗車券売り場で、乗車券購入窓口の行列に並んでいた際にも、「哈尔滨」の札を持った客引きが、長途汽車の売り込みを行っている姿を目撃しています。

乗りたい区間の火車票が確保できない、或いは硬座(有座)や無座しか買えない為に、長途汽車で長距離を移動する事も決して珍しい事ではなく、また比較的短距離の移動でも、鉄道は乗車券購入だけでも手間取る為に、すぐ近くに目的地への長途汽車が停車していれば、こちらの方が至便と言うケースも存在します。

MAKIKYUが以前に利用した長途汽車は、運行距離100km以内か100km台、所要時間も片道1~2時間程度の短距離路線ばかりで、夜行便などの長距離路線に乗車した事はありませんが、市内公交(街中を走る路線バス)と同様に車種が豊富で、汽車站(バスターミナル)などに停車している長途汽車を眺めているだけでも、趣味的には非常に面白いものです。

しかしながら運転マナーの悪さなどは相当なもので、MAKIKYUが以前乗車したバスでも、クラクションを鳴らし続けたり、少しでも遅い車両が前方を走っていると、反対車線にはみ出しての追い越しは当り前という状況です。

おまけに座席定員に達すると、今度は乗客に予め用意しておいたプラスチック製の椅子を渡し、通路にこの座席を置いて座らせ、定員以上の乗客を乗せて運行したり、高速道路のインターチェンジ付近で乗降扱いを行っていた事もあるなど、法令順守の考え方も…というのが現状です。

また運行途中に車両不具合で白煙が発生し、高速道路上で運行打ち切り(運賃払戻なし)、後から来たバスを現場に停車させ、このバスに別途運賃を支払って乗車する羽目になった事もあるなど、日本国内の高速・特急バスはおろか、運転の荒さで定評ある韓国の市外・高速バスでもありえない事態にも一度遭遇した事があり、こんな状況では利用するにはそれなりの覚悟が…と言わざるを得ないのが実情です。
(それでも空を飛ぶ事(航空機搭乗)に比べれば、個人的にははるかに良いと思っていますが…)

そのため日本なら世間を大きく騒がせる規模の事故も時折発生し、事故の報道を聞いてもこの状況なら…と感じてしまう事もありますが、それでも乗客39人中36名が死亡(助かったのは3名だけ)という陝西省延安市の事故は、幾ら中国でも酷過ぎる事故です。

この事故で亡くなられた方にはこの場でお悔やみを申し上げる次第で、同種事故が再発する事がない事を願いたいものです。

ちなみに陝西省・延安市で発生した事故は、内蒙古自治区・呼和浩特(Hohhot)市から陝西省・西安(Xian)市へ向かう長途汽車、車両も現在の日本では法令で禁止されており、世界的に見ても中国以外では余り運行されていないと言われる「寝台バス」で、中国では至る所でその姿を見る事が出来ます。

 
写真は先月MAKIKYUが大連(Dalian)站前で見かけた寝台バスの1台と、天津(Tianjin)市内で見かけた寝台バスの1台(共に26日の事故車両とは別物です)で、前者は経由地・行先がガラスに貼られていますが、恵州(Huizhou)・東莞(Dongguan)・深圳(Shenzhen)・広州(Guangzhou)と、東北の遼寧省・大連からは遠く離れた華南・広東省の都市名が続々と並んでいます。
(天津~日照(Rizhao・山東省)間も、大連~広州間などに比べればはるかに短距離ですが、それでも日本の感覚でみれば結構な長距離です)

大連~広州間を長途汽車で移動するとなると、一体どれだけの距離・時間を要するのかと想像するだけでも気が遠くなるもので、MAKIKYUは東北3省~広東省・香港間程の長距離を移動するならば、列車の寝台車か、高速動車・動車組列車(CRH)の乗り継ぎ以外は勘弁願いたいものです。


また大連站前には多数の寝台バスが停車しており、中にはドアが開いていて、車外から内部の様子を覗いて撮影する事も出来る車両もありましたが、夕~夜発で翌朝着となる路線・区間ならまだしも、昼夜を問わず走り続ける様な路線(遼寧省~広東省間ともなれば、夜間に車外のホテル等で宿泊する行程でもない限りは、丸1日以上走り続ける事は必須です)ともなると、安全面だけでなく居住性の面においても、相当な覚悟を要するのでは…と感じたものです。
(それでも座席のバスや、列車の硬座・無座で夜を越す事を考えれば、まだマシという声も出るかもしれませんが…)


広州市・南沙区内を走る市内公交汽車

2012-08-26 | バス[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、広州地鉄4号線に関する記事を取り上げましたが、現在の同線終点・金州駅やその周辺一帯は、広州市南沙(Nansha)区に位置しています。

行政上は一応広州市の一部とはいえ、中心部から40km程度離れていますので、街並みの様相なども随分異なり、一帯を走る市内公交汽車(路線バス)も、広州市中心部とは随分異なっています。


MAKIKYUはこの市内公交汽車には、4号線終点の金州(Jinzhou)駅と、その一つ手前にある蕉門(Jiaomen)駅の間で乗車し、蕉門駅に隣接する小規模なバスターミナルを視察する程度でしたが、この一帯で活躍する市内公交汽車は、市内中心部で活躍する車両に比べて小柄な、中型車クラスが大半を占めています。


バスの装いは、MAKIKYUが乗車した南沙5路の車両は、白とバイオレットの装いでしたが、他に白とオレンジ色のバスも多数活躍し、両者が勢力を2分している様に見受けられたものでした。


また中型車は、広州以外でも中国各地の市内公交で見られるタイプの車両という印象がありますが、他に前面にボンネットがあるマイクロバス級の車両も、金州駅前で目撃しており、こちらは余り見慣れない車両と感じたものでした。

時間に余裕があれば、この様なローカルバスも色々乗車したいもので、南沙区内の路線バスは一度しか乗車できなかったのは少々残念でした。

このバスも地鉄や広州市内中心部を走る市内公交汽車と同様に、ICカード乗車券「羊城通」で乗車する事も可能ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も南沙区内へ足を伸ばす機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?


千葉都市モノレール Urban Flyer 0-type~凝ったデザインの新型車両

2012-08-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUは千葉市内に足を運ぶ機会があり、その際には久々に懸垂式モノレールでは世界最長を謳っている千葉都市モノレール(跨座式も含めると、路線長は大阪や重慶の方が遥かに長いのですが…)にも乗車する機会がありました。

千葉都市モノレールでは、随分前から「Urban Flyer 0-type」と称する新車登場の予告を行っており、この車両はモノレール開業時から活躍する初期車両の老朽取替目的と、サービス向上を兼ねて導入していますが、ようやく先月から営業運転を開始しています。

現在運行時刻をHPでも公開しており、丁度良い時間にUrban Flyer充当列車がありましたので、時間を合わせてこの新型車両に乗車したものでした。


このUrban Flyerは、既に幾つかの他鉄道事業者のデザインを手がけ、国内有数の規模を誇るデザイン会社が加担しており、従来車両とは大きく異なる装いや、「Urban Flyer」のロゴを配した外観は、一目で従来車両とは別物である事を実感させられ、MAKIKYUが千葉駅ホームでUrban Flyerが入線するのを目撃した際には、「新車」と喜ぶ乗客の姿も見受けられたものでした。

車内に足を踏み入れると、千葉都市モノレールは市内を走る比較的短距離の路線で、車両規格の制約や定員確保などもあってか、通勤車両では一般的なロングシートを採用しているものの、座席はハイバックタイプを用いているのが大きな特徴です。


この座席は背もたれが湾曲しており、座ると体がやや前に押し出される様な感覚を感じましたので、長時間乗車に適した座席と言う雰囲気ではなく、同じデザイン会社が車両改装に加担し、「日本一豪華なロングシート」を目指した関西の某大手私鉄料金不要特急車に比べると…という印象があります。

とはいえやはり最近登場した新型車両で、こだわりのデザイナーが手がけたJR某社の新型近郊型車両に用いられ、合板を用いた好みが大きく分かれるハイバックシートに比べれば、万人受けする座席という印象があり、千葉都市モノレールの乗車時間を考えれば、充分合格点と感じます。


つり革や車端部のデザインなども、この車両のデザインを手がけているデザイン会社の車両らしい特徴が見受けられ、客ドアの警戒色配置位置やデザインなどは、最近の関西某大手私鉄で活躍する新型車両を連想させるものがあります。


そしてこの車両の大きな特色の一つとして、床面の一部をガラス張りにして、この部分から真下を見下ろせる様になっている事が挙げられ、他の鉄道車両では真似出来ない懸垂式モノレールならではの芸当と言えますが、床面がガラス張りになっているのは乗務員室部分中央の一部で、通常乗客がガラスの上に立つことはできず、仕切り扉のガラス越しに真下の景観を眺める事になります。

千葉都市モノレールは今まで車両が1車種しかなく、機能重視で比較的単調な印象が強い路線でしたが、このUrban Flyerはそんな今までのイメージを大きく打ち壊す車両で、同社ではUrban Flyerに関連した幾つものグッヅ類販売なども行うなど、随分な力の入れようを感じたものです。

この車両の様に独創的な車両を導入した事業者は、後にデザイン戦略を進めて建築物やサイン類に至るまで…という事例が幾つも存在していますが、千葉都市モノレールでも今後車両以外のデザイン戦略を進めていくのか否かも気になる所です。

最近の首都圏では、没個性的で貧相極まりない粗製乱造車とも言える新型車両が増殖し、ウンザリ感を感じる事も少なくない中で、Urban Flyerはただの交通手段ではなく、「乗ってみたい」と思わせる車両の一つと感じたものです。

企画乗車券類の設定などもあるとはいえ、運賃面では決して安いとは言い難く、一部区間では路線バスとの競合もある千葉都市モノレールの付加価値向上にも一役買う車両かと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非Urban Flyerに乗車してみては如何でしょうか?


広州地鉄4号線~地上区間を走るリニア地下鉄

2012-08-19 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・広州を走る新交通システム「珠光新城旅客自動輸送系統(APM)」に関して取り上げましたが、広州では中国の他都市と同様に、ここ数年で市内を運行する軌道交通の新路線開業や路線延伸が続出しています。

MAKIKYUは6年前にも広州を訪問した事があり、その当時に運行していた地鉄各路線・区間は一通り乗車していたのですが、その後開業した新路線・区間が余りに多過ぎ、限られた日程で全ては…という状況でしたので、広州を初めて訪問して地鉄各路線への乗車を堪能したいともなれば、各方面に伸びる路線の何処から乗るのが…と迷われるかと思います。

その様な方に、MAKIKYUが個人的におススメと感じるのは、広州市の南西方面を走る地鉄4号線で、この路線は中国初のリニア地下鉄としても知られています。

現在中国のリニア地下鉄は、この4号線と後に開業した広州地鉄5号線の2路線のみで、中国の他都市では乗車できないリニア地下鉄と言う点でも注目の存在で、4・5号線の車両は路線毎に装いが大きく異なります。


とはいえ車両自体はほぼ同型と見受けられ、日本の地下鉄ではありえない非貫通車になっている事に加え、第3軌条集電用の集電靴を台車に装備している車両にも関わらず、パンタグラフも装備しているのは非常に特徴的です。

リニア地下鉄というと、小柄な車両が活躍する印象が強く、23m級の5扉車が活躍する路線もある広州では、4・5号線の車両は小柄な部類に入りますが、それでも3扉18m級の車体は、車内に足を踏み入れると窮屈な印象が否めない日本のリニア地下鉄に比べると大柄で、ゆったりとした印象を受けます。


車内の座席が中国では多数派のプラスチック製ではなく、ステンレス製となっており、他路線と共に香港の影響を受けている様にも感じられ、そこそこ大柄な車体でも荷棚を装備していないのも、中国ではごく当り前の仕様です。


またMAKIKYUが広州地鉄の中でも、4号線がおススメと感じる理由として、地鉄は地下を走る路線・区間が多く、中には全線地下でホームドア完備、車窓も楽しめず写真撮影も…という路線もしばしば存在する中で、郊外の地上区間が長く、南方に来た事を実感させられる車窓を存分に堪能できる事が挙げられます。
(もう1つのリニア地下鉄となっている5号線も、一応地上区間が存在する様ですが、大半が地下区間となっている様で、MAKIKYUが一度一部区間を乗車した際は地下区間のみの乗車でした)

日本のリニア地下鉄は、横浜市営グリーンラインで一部に地上区間が存在する以外は、営業線では専ら地下区間のみを走る路線で、構造上郊外を走る鉄道との相互直通運転も当然不可能ですので、東京都内でラケット状の路線を展開する都営大江戸線を除くと、路線長も比較的短い路線ばかりです。


そのためリニア地下鉄が郊外で地上を30分以上も走るのは、なかなか興味深いもの(4号線の路線長は40kmを越えており、その半分以上は地上区間です)で、中国の地下鉄車両は前面展望が望めない車両も数多く走る中で、一応前面展望が楽しめるという点も注目です。

この4号線の終点・金州(Jinzhou)近くは、まだこれから開発が進むと見込まれる郊外の光景が広がっており、また再び4号線に乗車する機会があれば、その際にどれだけの変貌を遂げているのか…とも感じます。

広州に足を伸ばす外国人、それも特に観光となると、この様な所に足を伸ばす機会は少ないかと思いますので、土地の日常を垣間見るという点でも4号線乗車はおススメで、広州を訪問する機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?


古都・慶州を走る市内バス(2)~座席バス編

2012-08-17 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、古都・慶州を走る市内バスの立席バスに関して取り上げましたが、今日はその続編として座席バスに関して取り上げたいと思います。

座席バスは立席バスよりも高級な車両が用いられ、座席数が多く確保されているのが特徴ですが、車両自体は立席バスと同種の前中扉大型路線車が用いられている事も多いです。

おまけに慶州では、同一系統の市内バスで立席バスと混在しているケースも多く存在していますので、この様な車両を外見で遠くから見分けるには、バスの装いか「座席」とハングルで書かれた標記を頼りにするしかないのが現状です。


座席バスの装いも、立席バスの彩りが豊かな慶州だけあって、MAKIKYUが目撃しただけでも2種類を確認していますが、オレンジ系の装いは立席バスと趣が異なりますので、比較的容易に判別可能です。


他に緑系統の装いを纏った座席バスも走っており、こちらもよく見ると立席バスとは異なる装いで、写真の様なトップドア車であればまだ良いのですが、このタイプの中扉付きとなると、立席バスと紛らわしく感じたものです。


また慶州では、座席バスでも一般路線車ベースの車両が主体を占めており、韓国名物とも言える観光・高速バスタイプの中扉付き車両は見かけていませんが、路線によっては市外バスと身間違えてしまいそうな車両を充当しているケースも存在します。


おまけによく見ると細部に様々な違いが見受けられるとは言え、同じ装いの同種車両が市外バス(写真は慶州~高速道路経由~蔚山(Ulsan)行き)でも走っている姿を目撃していますので、ハングルが読めない外国人観光客などには、少々厄介な存在と感じたものです。

慶州は都市規模がさほど大きくない割には、市内バスのバリエーションが豊富な印象を受けたもので、2月の訪問では時間が限られ、中心部の観光名所を少し廻った程度でしたが、再び訪れる機会があれば、有名な観光地訪問などとあわせ、市内バスも存分に堪能したいと感じたものでした。 


古都・慶州を走る市内バス(1)~立席バス編

2012-08-13 | バス[大韓民国]

2月にMAKIKYUが韓国を訪問した際には、今まで韓国を何度も訪問していながらも、立ち寄る機会がなかった古都・慶州(Gyeongju)も初訪問したものでした。

その際には市内中心部にある観光名所なども若干視察し、名物サンバブを食すなど、一般的な観光も一応は…といった所ですが、MAKIKYUの事ですのでこれだけで終わるはずはなく、当然ながら市内を走る公共交通機関の視察・乗車も…という状況で、忘れない内に取り上げたいと思います。

慶州市の公共交通機関は、バス大国の韓国だけあって、釜山(Busan)や大邸(Daegu)方面などを結ぶ鉄道(KORAIL)の列車線も存在しているのですが、列車は運行本数が限られる上に、運賃体系などが短距離利用には適さない事などから、市内交通は専らバスが担っています。

そのため地元住民だけでなく、観光客が市内中心部にある慶州駅や市外・高速バスターミナルと、郊外に点在する観光名所や観光団地間を移動する場合や、街外れに位置し、最近開業したKTX2期線の新慶州駅と市内中心部を移動する際にも、市内バスは非常に重宝する存在です。

この市内バスも、慶州では立席バス(1人がけ座席が主体で座席数が少なく、立席空間を広く確保した車両を使用)と、座席バス(背もたれが大きい2人がけ座席が並び、原則として着席可能ですが、運賃は立席バスより割高に設定されています)の2種類が走っています。

慶州では両者が同一系統で走るケースも多く、経路や停車する停留所は変わらないにも関わらず、来たバスによって運賃が異なる事もザラで、他都市に比べて座席バスの比率が高く感じられるのも、外国人を含む観光客が多い街という事が影響している気がします。

それでも座席バスは数百W割高になる程度で、日本の路線バス初乗り運賃程度の均一運賃が大半を占めますので、各系統が錯綜して市内バスが頻発する市内中心部での短距離利用(慶州駅~市外・高速バスターミナルなど)でなければ、座席バスでも充分許容範囲かと思いますし、首都圏(ソウル都市圏)で出回っているT-moneyの利用も可能となっています。

少々前置きが長くなってしまいましたが、今日はこの慶州市内を走る市内バスの中でも、以前取り上げたピーナッツ型の低床バスを除く立席バスを幾つか取り上げたいと思います。


MAKIKYUが慶州へ向かう際には、大邸市内から高速バスで慶州入りしたのですが、到着後早速目に入ったのが写真の現代(Hyundai)製大型路線車(AEROCITY)です。

MAKIKYUにとっては、見慣れた釜山の市内バスと同じ装いですので、ベトベト貼られた韓国のバスらしいステッカーや事業者名などを別にすると、釜山の市内バスと錯覚してしまいそうな雰囲気で、勿論比較的新しいこのタイプだけでなく、三菱エアロスターに良く似たタイプの車両も多数走り回っています。

また釜山の市内バスでは、白とバイオレットの装いを纏った車両が一般市内バス(立席バス)、白と朱色の装いを纏った車両は座席バスになります。


しかし慶州では、釜山の座席バスと同じ装いのバスも市内バスで走っており、MAKIKYUはこのバスにも乗車する機会があったものの、このバスは座席バスではなく立席バスです。

ちなみに写真の車両は大宇(Daewoo)製で、慶州市内を走る市内バスは大半が現代製ですので、結構目立つ存在と感じましたが、韓国では比較的少数派のワンステップ車という点でも注目ですが、車内のデッドスペースがノンステップ車並みと言うのは閉口させられます。
(韓国では天然ガスバスの普及率が高い事も影響してか、新車でもまだ2段ステップ車が主流で、バリアフリー対応車は主にノンステップ車を導入しています)


他にも釜山の市内バスと同じ塗り分けながらも、慶州の市内バスでは、バイオレットや朱色だけでなく、緑色や黄色の装いを纏った車両も立席バスとして活躍しており、立席バスだけを見ても、市内バスの彩りが豊かな事は、古都ならではの独特な景観に華を添えている気がします。


また10・11番(立席バスでは写真の黄色いバスや、以前取り上げたピーナッツ型バスなどを充当)は、市外バスターミナルを基点に慶州駅を通り、仏国寺(駅と寺は結構離れており、10・11番バスはどちらも通ります)方面をラケット状に循環運行する路線で、観光客向けにも利用価値の高い路線です。

ただAEROCITYではせっかくのセーフティウィンドウ(死角確認窓)を潰して「立席」とハングルで大きく表示しているのは、せっかくセーフティウィンドウ付きの車両にも関わらず…と感じてしまったものです。

座席バスに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


珠光新城旅客自動輸送系統(APM)~全線地下区間の新交通システム

2012-08-11 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、韓国・議政府(Uijeongbu)市で開業したばかりの「議政府軽電鉄」に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが韓国~中国へ足を運んだ際には、他に珠光新城旅客自動輸送系統(APM)と呼ばれる新交通システムにも初めて乗車する機会がありました。
(先月の旅行での新交通システム乗車は、この他に神戸新交通の「ポートライナー」にも乗車しているのですが…)

珠光新城旅客自動輸送系統は、英文名がZhujiang New Town Automated People Mover Systemとなっており、この頭文字を取ってAPMとも呼ばれていますが、中国の大陸本土では現在他に類を見ない新交通システムの営業路線となっているのも大きな特徴です。

APMの運行している区間は、大陸本土南部にある広東省の省都・広州(Guangzhou)市の中心部、林和西(Linhexi)駅~赤崗塔(Chigang Pagoda)駅までの約4km、全線が地下区間になっています。

林和西站は広州東站(香港行列車や、深セン行城際列車が多数発着する駅です)から地鉄1駅、その気になれば広州東站から徒歩でも移動出来る所に位置しており、赤崗塔站は広州塔の目の前に位置しており、両端の駅で地鉄3号線に接続しています。

路線は地鉄3号線に並行しているといっても過言ではなく、専ら港湾地区や郊外のフィーダー路線として運行する交通機関と言う印象が強い新交通システムにしては、意外な路線設定と言う気がしますが、林和西~赤崗塔間で地鉄3号線は途中に2駅しかない所に、途中駅が7駅も設けられているために、駅間はかなり短くなっています。

運営事業者は市内で地鉄を運営する広州地鉄で、市内・近郊の交通機関で通用するICカード「羊城通」も通用しますが、林和西・赤崗塔両站で地鉄3号線から乗り換える場合でも、一旦改札口を出場しての乗換となる上に、通し運賃ではなく別途運賃(APM1乗車2元均一)となっている点は、運賃制度上は地下鉄と同様の取り扱いで運行している日本の大阪(ニュートラム)や、韓国の釜山(4号線)などとは異なりますので要注意です。


このAPMは全線地下区間である上に、各駅もガラス貼りのホームドア完備となっていますので、まともな写真を撮影する事は厳しく、せいぜい赤崗塔站停車中の車中から、奥の留置線に停車している車両をズームで撮影するのがせいぜいといった状況です。


車両は前面非貫通1枚窓で、1両のみでの運行も出来そうな雰囲気の車両を2両連結で運行しており、車両間の通り抜けは不可能な構造となっていますが、設備的にはもう1両連結して3両で運行する事も出来そうに見受けられ、旅客数の増加と共に増結される機会があるのか気になる所です。


車内に足を踏み入れると、比較的小型の車両で運行する新交通システムだけあって、両開き2ドアの客ドアがやたらと大きく感じられ、その割に座席は少なく、つり革ばかりで立席主体となった客室内は、短距離を運行する路線ならではの感があり、ロープウェイの搬機を連想させられます。

無人運転の新交通システムだけあって、当然ながら最前部の展望は抜群で、特に中国ではまだ物珍しい乗り物と言う事もあってか、この区画は常に乗客の姿が…という状況で、MAKIKYUも勿論この区画を選んで乗車したものでした。


またAPMは全線2元均一運賃を採用しており、乗車時に自動改札機から入場するだけで運賃収受が完了する事もあってか、下車時は感応式ゲートを通るだけになっているのも大きな特徴で、なかなかユニークなものと感じたものでした。

APMは全線地下区間で写真撮影や車窓を楽しむのには難がある事に加え、広州東站から中途半端に離れた所を起点としているのは、少々残念な気もしますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も広州市を訪問する機会がありましたら、是非一度乗車してみては如何でしょうか?


議政府軽電鉄~韓国では初登場のVAL

2012-08-09 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先月MAKIKYUが福岡から高速船(未来高速KOBEE)に乗船し、釜山(Busan)へ向かった後は、更に列車でソウル近郊(首都圏)へ向かったのですが、その際にはまだ開業から日が浅い議政府(Uijeongbu)軽電鉄にも乗車したものでした。

議政府軽電鉄は名前の通り、ソウル近郊にある京畿道議政府市内で運行する都市鉄道で、「軽電鉄」という言葉は日本ではまず用いませんが、中国の「軽軌」とほぼ同義と言って過言ではなく、既存の地下鉄・広域電鉄よりも小型の車両を用い、小規模な設備で運行する鉄道を指します。

英訳すれば「Light-rail」にでもなるかと思いますが、現在韓国では営業用路面電車の類は存在しておらず、地方私鉄などもありませんので、専ら新交通システムや、これに準ずる路線を指す事になります。

この軽電鉄で営業を開始した路線自体が、最近開業した路線ばかりで数が少なく、議政府以外で現在営業運転を行っているのは、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた釜山交通公社4号線と、やはり釜山市内と近郊(慶尚南道金海(Gimhae)市)を結ぶ釜山-金海軽電鉄の2路線のみです。

あとは設備こそ完成しているものの、運営費用負担などを巡る交渉がまとまらずに開業が先延ばしになっており、何時になったら営業運転開始の報が聞けるのか…というソウル郊外・京畿道龍仁(Yongin)市の軽電鉄程度です。

その中でも釜山交通公社4号線は、日本の新交通システムに酷似した路線(AGT)で、一応地下鉄と同種の扱いで案内(半分程度の区間は地下ですので、一応地下鉄にも該当するのですが…)され、運賃も地下鉄と同一体系ですので、大阪市のニュートラムに近い路線と言えます。

残る釜山-金海軽電鉄と龍仁の軽電鉄は、2本のレール上を、新交通システムより一回り大きな小型車両が走っており、日本では見られない韓国独特の都市鉄道と言えます。

議政府の軽電鉄は両者のどちらに属すのかというと、2本のレール上を走るのではなく、コンクリート製軌道を、ゴムタイヤを履いた車両が走るという点では、日本の新交通システムに近いのですが、日本で運行している路線は存在せず、フランスなどで用いられているVALと呼ばれるシステムを採用しているのが特徴です。


VALという事も影響しているのか、日本国内の新交通システムや、釜山交通公社4号線とは雰囲気が異なり、高架の軌道を最初見た時は、日本の新交通システムに比べると、簡素な印象を受けたものでした。


駅構内に足を踏み入れると、まだ開業したばかりの路線と言う事もあってか、開業を告知する列車イラスト入り垂れ幕も見られる状況でした。


駅ホームは開業したばかりの新路線で、無人自動運転を行う路線という事もあってか、ホームドアの普及率が高い韓国では当然であるかの如く、各駅ホームにはスクリーンタイプのホームドアも設置されています。


2両編成で運行している車両も、TGVをカスタマイズした車両として有名な高速列車KTXの如く、ヨーロッパで使用しているVAL車両を、少しだけカスタマイズしたのではという雰囲気があります。



暖かみを感じる車内の照明色や、急加速している様に感じられた走りをはじめ、1両の片側に両開き式の客扉が3箇所もあり、1両当りの客扉は両開きドア1箇所か、片開き扉2箇所の車両ばかりと言う印象がある日本の新交通システムとは、随分異なる印象を受けるものです。


座席はオールロングシートとなっており、無人自動運転車両ならではの最前部特等席などは左右両側に座席が設けられているものの、車幅が狭い事もあってか、ドア間は座席が片方にしか設けられていないのも大きな特徴で、そのお陰で着席定員は随分少なくなっています。

内装も韓国の地下鉄車両各種などと同様に、比較的簡素な雰囲気に仕上がっていますが、車内側が金属地剥き出しとなった客ドアは、下方向にガラス部分が大きく拡大され、丸みを帯びた車体断面と共に、車両デザインにも大きな影響を与えています。

客ドアは金属地剥き出しの場合、社紋などが描かれている事が多い韓国の都市鉄道車両にしては珍しく、綺麗な無地となっており、窓ガラスの取り付け方法などを見ると、何処となく「某社レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、この車両のパーツを多用した車両などを連想させられたものです。


この議政府軽電鉄は現在、議政府市内の鉢谷(Balgok)~塔石(Tapseok)間10km強を運行しており、既存鉄道とはKORAIL広域電鉄1号線(京元線)の回龍(Hoeryong)・議政府両駅で接続しており、コンクリートの塊とも言える巨大アパートが続く車窓は、如何にも韓国の大都市圏を走る都市鉄道と言った雰囲気があります。

始発の鉢谷駅は、回龍駅から徒歩でも10分程度でアクセスできるかと思いますし、議政府駅前からも市内バスの便が複数存在し、MAKIKYUは議政府駅の西口側から出るマウルバスでアクセスしたものでした。

終点の塔石駅も、駅のすぐ近くから議政府駅へ向かう市内バスの姿を目撃しており、少し歩いた所からは、地下鉄車庫設置のために設けられ、運行本数が減少する盲腸線区間としても知られるソウル都市鉄道公社7号線の長岩(Changam)駅へ抜ける市内バスなども走っており、MAKIKYUは議政府軽電鉄を完乗した後、このバスで長岩駅へ向かったものでした。

議政府軽電鉄は一応T-moneyでの乗車も可能なものの、運賃が広域電鉄や市内バスなどとの統合料金制になっておらず、おまけに1乗車1300Wと、日本の交通機関に比べれば安いとは言えども、他公共交通機関の運賃が低額に押さえられている韓国では、やや割高感もあります。

そのため韓国では初登場、日本国内には存在しないVAL試乗を目当てに足を運ぶ場合、単純に往復乗車するよりも、個人的には市内バスと組み合わせての訪問がおススメと感じたものでした。

韓国では今後も各地で軽電鉄導入計画があるものの、議政府に続いてVALを導入する都市が続くのかも気になる所で、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も議政府へ足を運ぶ機会がありましたら、是非議政府軽電鉄に乗車してみては如何でしょうか?


西鉄電車の玉突き節電策~両数減によりイレギュラー編成が続々と…

2012-08-04 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが韓国(釜山)行き高速船に乗船するために立ち寄った福岡では、先日の記事で取り上げ、今春になって走り始めた篠栗線の新型車・817系2000番台電車をはじめとするJR線だけでなく、九州唯一の大手私鉄として知られる西日本鉄道の鉄道線(西鉄電車)・天神大牟田線にも乗車する機会がありました。

九州では節電対策のために、JR九州でも一部列車の運休や両数減での運行を行っていますが、西鉄電車でも一部列車の編成を1両減車する節電策を実施しており、この影響で日頃見られないイレギュラーな編成が続々と見られる状況になっています。


この節電策は電力使用量がピークとなる平日昼間を中心に行っており、通常平日昼間は6両(特急)・5両(急行)・4両(普通)で運行している各種別の一部列車が、5両(特急)・4両(急行)・3両(普通)に減車されており、各駅の発着案内に表示される列車両数などを見ると、日頃見慣れない表示に少々違和感を感じます。

車両数の減車も、1両単位での組替が容易な気動車や客車であれば、単純に1両抜き取るだけで済みますが、編成単位での運行となっている電車の場合は困難な話ですので、特急用の8000系(6両)の一部は運用を離脱し、通常は主に急行で運用される3000系5両の一部が特急に充当、普通運用で充当される4両編成の3・4扉車の一部が急行に充当と、玉突き式にイレギュラーな運用に廻される格好となっています。


その中でも5両の特急は、豪華さこそなくシンプルな印象を受ける車両であるものの、転換式クロスシートを装備し、設備的には福岡(天神)~大牟田間1時間を乗り通しても充分と言える3000系車両が充当され、競合するJR快速と比べても、設備的には遜色ないと言えます。

最新鋭のVVVF車+電動車数の少なさ(8000系6両は4両が電動車なのに対し、同系5両では2両)で長距離を走る事もあって、節電面では大いに効果を発揮するかと思われ、世相を考えると妥当な施策と感じます。


急行の4両編成は、日頃普通で活躍している3・4扉のロングシート車各種が充当され、特急に廻された3000系5両の穴を埋める格好になっていますが、3扉車5000系などは抵抗性御車で消費電力量も大きく、この車両の充当自体は3000系5両よりも却って消費電力量が増大するかと思われます。

5000系の急行自体は、もう少し長い編成であればラッシュ時間帯や検査代走時などに存在し、3000系が数を増やす前であれば通常時でも時折…という状況でしたので、趣味的にも余り有り難味は感じませんが、4両のVVVF車編成数が限られている状況では、致し方ない事と言えます。


また4両編成で運行している急行の中には、通常は主に2両で甘木線~大牟田方面直通のワンマン列車に充当され、少数が2編成併結の4両編成で福岡近郊の普通で活躍する4扉車7000系も紛れており、MAKIKYUが普通(ワンマン列車を含む)以外で活躍する同系の姿を見かけたのは初めてでしたので、この編成は趣味的に注目と感じたものでした。

そして3両編成での運行となる普通では、6両の8000系を3両ずつに分割できれば、非常に分かりやすい車両数減少策になるのですが、同系は6両固定編成のためにこの方法は使えません。

ただ西鉄電車ではラッシュ時間帯に4両編成と組み合わせ、7両編成で運行するための増結用途に用いる3両編成の3・4扉車が多数在籍しており、通常昼間は車庫で休んでいる編成が大半という状況ですが、この車両を普通に動員する事で対応しています。

そのため近年は基本的に4両編成以上での運行となっている西鉄電車(天神大牟田線)の福岡近郊で、通常は見られない増結用3両の単独編成が多数出没しており、見慣れない短い編成は少々違和感を感じると共に、通常ならどの編成の列車でも停車する位置で待っていた乗客が、手前で停車した列車に慌てて乗り込む姿などは、イレギュラーな編成ならではと感じたものでした。


この3両編成には、抵抗制御の5000系も多数動員されており、同系の場合は通常の4両から1両減車しても電動車数は変わらず、節電効果は余り大きくない気もしますが、通常運行時の「特急8000系6両・急行3000系5両・普通5000系4両」を、「特急3000系5両・急行5000系4両・普通5000系3両」(8000系と5000系は外観や客室設備は大きく異なるものの、機器類は類似した抵抗性御車)に置き換えた場合、消費電力も大きい抵抗制御車の電動車数が6→4両に減少できますので、全体での節電という点では、それなりの効果を発揮していると言えます。

西鉄電車の様な1両減車の玉突き節電策は、他鉄道で実行できそうな路線は余り思い浮かばず、単純に増結車を切り離す両数減(通常は4両+2両の6両編成で運行している列車を、2両切り離して4両で運行するなど)とは異なる施策は、他に追随する鉄道が現れるのか気になる所です。


夜行ツアーバス・またも高速道路で事故怠起

2012-08-02 | 北総監獄

今年のゴールデンウィーク期間には、高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の運行地域でもあり、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)の核心都市とも言える千葉県印西市に拠点を置くバス事業者「陸援隊(針生エキスプレス)」が、北陸方面(金沢・高岡)~首都圏(東京・TDL)間で運行を請け負ったツアーバスが、群馬県藤岡市内の関越自動車道で防音壁に激突する特別重大事故を怠起しています。

この事故では不幸にも7名の乗客の方が亡くなり、その中にはMAKIKYUよりも若い方も複数含まれるなど余りに気の毒で、この場で改めて冥福を祈ると共に、負傷者も多数発生する大惨事となった事は、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、ご存知の方が多いかと思います。

逮捕された「陸援隊(針生エキスプレス)」の運転士は、日本語の会話にも支障がある中国人で、しかも運転経験のない路線を長距離単独乗務で夜行運行しており、おまけにこの運転士は勝手に経路を変更したり、白バス(自家用車両による無許可有償:違法行為)運行を行うなど、常識では考えられない事が次々と明るみになったものでした。

運行事業者の「陸援隊(針生エキスプレス)」も、代表者兼運行管理者が逮捕されるなど、事故を怠起した運転士の資質だけでなく、極めて杜撰な運行管理体制が次々と発覚したもので、事業許可取り消しとなるなど、印西市には「開発を止めた某鉄道」(本社は印西市ではありませんが…)よりも酷い交通事業者が拠点を構えていたのかと呆れる程でした。

「陸援隊(針生エキスプレス)」にバス運行を委託した関西のツアー企画会社も、事故後倒産が報じられるなど、事故を怠起したツアーバスは、淘汰されて当然と言う状況の企業が手を組んだ「安かろう悪かろう」にも程があるバスと言っても過言ではありません。
(「陸援隊(針生エキスプレス)」が怠起した事故で負傷された方や、不幸にも亡くなられた方の遺族には非常に気の毒な話ですが…)

MAKIKYUはバスなどの大型車で有償運行を行う際に必要な「第2種大型自動車運転免許」を所持しており、高速ツアーバスの問題点も事故以前から承知していたために、この手のバスにはとても乗車する気にはなれず、この様なバスの運行が可能になった事自体、非常に違和感を感じていましたが、「陸援隊(針生エキスプレス)」が怠起した特別重大事故とその後の捜査などにより、路線バスまがいの運行を行う「高速ツアーバス」の運行形態自体、大いに問題がある事が世間一般にも広く知れ渡ったと感じています。

「陸援隊(針生エキスプレス)」が怠起した特別重大事故の後、ツアーバスや長距離夜行バスの運行管理体制の見直しも議論されており、路線バスやツアーバスを含む貸切バスを運行する各事業者においても、事故後より一層の安全管理体制を敷くと共に、長距離夜行バスで「乗務員2名乗務」を謳うなど、安全管理体制をPRする事業者も数多く見られます。

しかしその最中、またも高速道路でツアーバスが追突事故を怠起したニュースが飛び込み、それも印西市と隣接する成田市の貸切バス事業者「クルージングワールド」(HPにアクセスすると、同社バス写真の掲載もあります)が運行を受託、乗務員も脳梗塞で医師から運転を止められていたにも関わらず…という事で、運行管理体制にも問題があると察せられ、ゴールデンウィークの大惨事と同種の事故が再び起きたのか、と感じたものです。

ちなみに今度の事故は今日の朝4時過ぎに、宮城県白石市内の東北自動車道で怠起しており、追突相手は防音壁ではなくトラック、現段階での情報では、乗客の負傷者が多数発生し、被衝突車両(トラック)に乗車していた方も負傷されたと報じられていますが、死亡者や重傷者が発生したという話を聞かないのは不幸中の幸いです。

再び高速ツアーバスによる同種事故の報を目にする機会がない事を願うと共に、今回事故を怠起した「クルージングワールド」には緊急の特別監査が入る事も報じられていますが、運行管理体制の不備が発覚したとすれば、早急な改善を願うばかりです。

(お断り)今回事故を怠起したバス事業者「クルージングワールド」の拠点(成田市新田)は成田空港に近く、実質的に「開発を止めた某鉄道」の延伸線と言っても過言ではない路線の沿線にあり、成田市自体も電話番号の市外局番が印西市などと同一(0476)で、北総監獄の隣接地域であるなど、北総監獄と繋がりも深いエリアです。

事故を怠起した箇所は宮城県白石市、バスの始発地は東京都内と、今回の事故は複数カテゴリーに跨る事案ですが、「陸援隊(針生エキスプレス)」が怠起した特別重大事故と同様に、「北総監獄」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。