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福井鉄道F1000形「FUKURAM」~福鉄初の完全低床車

2015-01-30 | 鉄道[北陸]

先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島市交通局のレトロ電車「かごでん」を取り上げましたが、昨年は「かごでん」以外にも路面電車で初乗車となった車両が幾つかありました。

既に富山地方鉄道の旧型車両改装車「レトロ電車」などは取り上げていますが、昨年秋に北陸へ足を運んだ際には、富山県内だけでなく福井の福井鉄道でも軌道線電車に乗車しています。

福井は富山とは異なり、市内電車ではなく郊外電車が福井市内の中心部だけ併用軌道となる運行形態で、路面電車と郊外電車を足して2で割った路線と言っても過言ではありません。

以前は高床車が主力を占めていましたが、近年では路面電車型の車両が主流を占めており、以前とは様相が大きく変化しています。
(それでも旧型の高床車両が今でも残存・活躍しています)

路面電車型の車両は、大半が名鉄の岐阜市内線などが廃止→余剰となった車両を転用したもので、その中には2車体連接車に混じり、部分低床車の単車も含まれていますが、今日各地で導入が進む全低床車両は…という状況でした。

しかしながら福井鉄道でも2013年、遂に全低床車両が登場し、MAKIKYUは昨年秋の福井訪問時(富山県内→関西方面への移動途中なのですが…)に遭遇、この車両が「FUKURAM」という名称を持つF1000形電車です。


近年は他事業者からの移籍車両ばかりだった福井鉄道でしたが、現在は現役最古参、車齢50年を超える200形以来の自社発注車となっているのも特筆点です。

装いも既存車両とは大きく異なり、オレンジを基調とした装いですので、非常に目立つ存在で、日本国内で活躍するボンバルディアの技術をライセンス導入した車両では、初の3車体連接車である事も、FUKURAMの大きな特徴です。

車体幅がやや広い事や、カスタマイズした前面形状も影響してか、「FUKURAM」と言う名前の如く、他都市で活躍する全低床車に比べると、やや「膨らむ」車両という雰囲気も感じたものでした。


客室設備面でも、市内電車と言うよりは郊外電車的要素が強く、福井市内~鯖江市・武生(現在は越前市)まで乗り通す乗客もそれなりに居り、30分以上の乗車時間となる事もしばしばと言う事から、クロスシート主体の座席配置となっているのが特徴です。


車体幅がやや広い事もあってか、路面電車型の車両にしては空間にゆとりがある車両と感じたもので、JR線との競合なども影響しているのかもしれません。

 
最新鋭車両だけあり、バス用ながらも新型LCDモニターによる運賃表示器も装備され、中にはFUKURAMと既存車両(名鉄移籍車)のイラストが表示される姿も見受けられたものでした。

今日では名鉄移籍車と並ぶ事も多く、それどころか製造年次に50年以上もの差がある古参200形と並ぶ事もしばしばと言う状況ですが、200形は車齢を考慮するとそう長い活躍は期待できない気もします。


FUKURAMはまだ1編成のみ、福井鉄道に乗車しても必ず捕まる状況ではなく、余所者にとってはまだまだ乗り難い車両の一つですが、今後も200形代替などで更に導入される公算も高く、その一方で写真の如く古参200形と並んで活躍する姿は、何時まで見られるのだろうか…とも感じたものでした。

また福井鉄道では近年、FUKURAM以外に土佐電鉄の外国電車1編成を購入し、不定期運行している事は、ご存知の方も居られるかと思います。

こちらは運行時期も限定され稼動しない時もあるなど、FUKURAMと比べても、非常に乗り難い車両となっている様で、MAKIKYUもまだ乗車した事はありませんが、これも機会があれば…と感じたものでした。


鹿児島市交通局100形「かごでん」~市電運行100周年記念で登場した観光レトロ電車

2015-01-27 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが鹿児島県内を訪問した際には、先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」だけでなく、鹿児島市交通局が運行する市電(路面電車)でも、観光電車に乗車する機会がありました。


市電の観光電車は「かごでん」という愛称名が付けられ、市電運行100周年となる2012年末から運行開始、この事もあってか形式は「100形」、土日祝日の昼間に運行される観光電車として4便運行しています。

平日は貸切で稼動する事はあるものの、一般列車としての運用はないだけに、余所者にとってはなかなか乗り難い列車・車両の一つですが、先月MAKIKYUが鹿児島を訪問した際には、丁度土日で絶好の機会とばかりに、初めて「かごでん」にも乗車したものでした。

「かごでん」は始発の鹿児島中央駅のみで乗車可、当日中央駅電停付近に居る係員が配布する乗車整理券(無料)を所持した乗客のみが乗車可能な定員制となっており、鹿児島中央駅→鹿児島駅までの間は降車不可、その後鹿児島駅→郡元→鹿児島中央駅の間では、下車のみ可能な運行形態となっています。

運賃は1回乗車で市電2回乗車相当の設定(大人340円)もありますが、1日乗車券やCUTE(桜島観光も含めたフリー乗車券・1日用と2日用の2種類)も通用しますので、「かごでん」以外に市内各地を廻る予定もある場合は、これらを利用した方がお得です。


電車の運行は他の市電と同様のワンマンながら、観光ガイドが乗務して沿線の観光案内などを行い、音声合成による車内放送は流れないのですが、車内には次停留所名表示(LED)も設けられており、こちらでは次停留所名表示も行われます。


電車内はレトロ電車だけあり、新しい車両ながらも比較的重厚な雰囲気、近年登場した低床電車などとは随分趣が異なります。

ロングシート主体の座席配置ながらも、一部に路面電車では比較的少数派の転換式クロスシート(MAKIKYUは熊本市電や、廃止された名鉄の岐阜市内や近郊を走る路線でも遭遇した事があります)が設けられている点は、観光電車として充当する車両ならではと感じます。


ただせっかくの転換式クロスシートも、シートピッチが狭い事に加え、足元も狭くなっていますので、長時間乗車には余り向いていない雰囲気で、ピッチはともかく足元の狭さだけは何とかならなかったものか…とも感じたものでした。

また路面電車のレトロ調車両は、鹿児島以外でも幾つかの路線で導入・活躍事例がありますが、中には下回りに新造品を用いており、電車が動き出すととてもレトロとは言い難い雰囲気の車両も存在しています。

しかしながら「かごでん」は車体こそ新調したものの、一般車両でも車体更新車を多数走らせている鹿児島市交通局だけあり、既存旧型車両から転用した足回りを用いています。


そのため電車が動き出すと吊り掛け駆動の昔ながらの走行音と振動、そして運転席を見回すと旧式のマスコンも見受けられるなど、見た目だけでなくメカ的にレトロな電車という意味でも、レトロ電車としては高評価できると感じたものです。

転換式クロスシートは1人がけが数客程度で他はロングシート、中扉は1度に2人ずつ乗車可能な幅広の4枚折戸、各種ワンマン機器も装備されており、土休日の観光電車や貸切用として運用するだけでなく、その気になれば一般運用に充当しても差し支えなさそうな気がします。

また観光列車の乗車箇所が鹿児島中央駅のみという、現行の観光電車運行形態も多少不便な気がしますので、特装車両で市内主要観光地を巡る交通局運行の観光巡回バス「カゴシマシティビュー」の如く、どの停留所でも自由に乗降できる運行形態になれば…とも感じたものでした。

車両の雰囲気は悪くないだけに、今後乗車機会を増やすためにも、観光電車としての運行ではなく、一般電車としての運行で特定ダイヤ充当に改めるのも一つの方法なのでは…と感じたものでした。


肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」(2)~イベント編

2015-01-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」に関して取り上げましたが、この列車は観光列車として大々的に告知しているだけあり、某デザイナーが手がけた車両の改装ぶりだけでなく、乗車中の食事やイベントなども大きなウリとなっています。

MAKIKYUが乗車した際も、始発の川内駅を出発して程なく「数ある観光列車の中で、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」ご利用頂き…」という案内放送が流れ、道中では様々なイベントが用意されているのですが、最初の停車駅・薩摩高城では快速列車にも関わらず、後続の定期列車(普通)に追い抜きされるという「下克上」と言っても過言ではない光景も見られます。


薩摩高城駅は駅のすぐ近くが東シナ海、甑島を見渡せるオーシャンビューポイントにもなっており、この駅で長時間停車し、係員案内による散策時間が設けられている辺りは、観光列車ならではと感じます。

同駅をはじめ、比較的長時間停車となる駅では地元特産品等の出張販売も行われ、肥薩おれんじ鉄道だけでなく沿線でも…と感じたものでした。


阿久根駅ホームでは地元高校による太鼓の披露(顔部分は画像加工:太鼓披露は毎回ではない様です)もあり、「おれんじ食堂」の車両改装にも関与した某デザイナーが絡み、大改装されてがらりと様変わりした駅舎内の見物も合わせると、20分程度の停車時間も短過ぎると感じたものでした。

 
定期列車で阿久根駅を訪問し、次の列車までの待ち時間を利用して見物しても、軽食堂も設けられている事などを踏まえると、早朝深夜でもない限りは、時間を持て余して困る事はまずないだろうと感じる雰囲気でした。


阿久根駅前には列車廃止で用途不要となった寝台列車(ブルートレイン)の客車を活用した簡易宿泊施設もあり、この寝台車脇には太鼓の披露でやって来た地元高校の車両(トラック)の姿も見受けられたものでした。
(用途不要となった寝台車を活用した宿泊施設は、他で以前利用した事もあり、設備的にはビジネスホテルなどに比べて見劣りが否めませんが、宿泊費用はカプセルホテル並みと割安ですので、機会があれば悪くないと思います)


トラック脇には高校の関係者(先生)も居り、話を伺った限りでは、阿久根駅で披露している太鼓は、1つ30kg以上はあるとの事で、トラックで高校から阿久根駅まで重たい太鼓を何個も運び込んできたとの事でした。
(トラックの撮影は許可済・ナンバー部分は画像加工しています)

川内発の「おれんじ食堂」では、最初に停車する2駅のイベント比重が大きく、その後の他駅は…と感じる面もあり、中には30秒~1分程度の停車ですぐに発車する旨の案内がされる停車駅も幾つか…という状況でした。

そこそこの停車時間が設けられている駅では、特産品の出張販売なども行われていたものの、車内で食事を堪能する事に大きなウエイトを占める列車という事も考えると、この様な運行形態になるのも…と感じたものでした。


また停車駅でのイベントだけでなく、鹿児島~熊本県境では列車が県境を跨ぐ形で一旦停車、観光列車のためだけに停車駅標識の如く「県境」標識まで設置しており、その後も車内で音楽の生演奏などが行われるなど、この様な取り組みも観光列車らしさを感じたものでした。


新八代行列車では、最後の一区間(八代~新八代)だけJR線に乗り入れる格好になりますが、八代駅では停車中に肥薩おれんじ鉄道の社長自らが列車に乗り込んで挨拶、そして発車時にはオレンジ色の手袋をした肥薩おれんじ鉄道社員の見送りもあり、鉄道会社の社長自らが現場に赴いている姿を見るのは、千葉県のいすみ鉄道以来と感じたものでした。


乗車当初は川内~新八代間で運賃の他に、1400円の指定席券は少々割高な様にも感じたものでしたが、改装された車両だけでなくミネラルウォーターボトル(薩摩川内市の甑島産)1本とコーヒー(ホット・アイス)のフリードリンク、軽菓子(クッキー)のサービスや、観光列車ならではの催しなどを踏まえると、普通列車グリーン料金+喫茶店代程度にしては上等過ぎるのでは…と感じたものです。

川内~新八代間を4時間程度かけて走る列車旅も、元々風光明媚な車窓で知られる路線である上に、趣向を凝らした車両や様々なイベントなどもあってか、時が過ぎるのはあっという間と感じた程で、「おれんじ食堂」の運行にあたっては、会社を挙げて相当な力を入れているとも感じたものでした。

先月の乗車は当日川内駅で指定席券を購入した事もあり、食事なしで座席のみの利用でしたが、見た限りではMAKIKYU以外の乗客は皆事前予約の食事込みで乗車していました。

 
写真は乗り合わせた他の乗客の方から、許可を得て撮影させて頂いた食事の一部で、食事類は一挙に提供されるのではなく、幾つかの停車で積み込み→その後に提供、また食事以外に停車駅での土産物なども多数と言う状況でした。

食事付きプランは決して安くないですが、価格に見合うだけの内容なのでは…と見受けられたもので、機会があれば他時間帯に運行する「おれんじ食堂」や、食事付きプランでの乗車も…と感じたものでした。

またローカル列車に乗車し、大改装されて様変わりした阿久根駅を視察したり、機会があれば同駅前にある寝台列車を利用した仮泊施設に宿泊するのも…と感じたものでした。


肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」(1)~車両編

2015-01-21 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、福岡~鹿児島間を運行する高速バス「桜島号」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月両都市間を移動する際には、片道は桜島号を利用したものの、もう片道は「旅名人の九州満喫きっぷ」を利用し、ローカル列車乗り継ぎで両都市間を移動したものでした。

九州新幹線にほぼ並行するメインルート(JR鹿児島本線)を辿るとなると、途中の八代~川内間は九州新幹線開業時に経営分離され、現在は第3セクターの肥薩おれんじ鉄道が運行する区間を経由する事になり、先月MAKIKYUが鹿児島(鹿児島中央)→福岡(博多)を移動する際にも、川内→八代で肥薩おれんじ鉄道を利用したものでした。

肥薩おれんじ鉄道は定期運行のワンマン列車以外に、近年では不定期運転の観光列車「おれんじ食堂」も運行しており、MAKIKYUが川内→八代を移動する日は丁度運行日、それも丁度良い時間帯を走っていました。


全席指定制で空席がないと乗車できない列車ですが、MAKIKYUの乗車日はオフシーズンの平日だけあって当日でも空席ありでしたので、座席指定券を購入して「おれんじ食堂」に初乗車、指定席券は手書き発券でした。

第3セクター鉄道をはじめとする地方私鉄では、車内でコース料理を味わう特別列車設定を幾つかの事業者で実施しており、中にはこの車両を「食堂車」と称して、時刻表でも今や見る機会が少なくなった食堂車マークが見られる鉄道もある程です。

これらは大抵、通常の定期列車にも用いている車両にテーブルなどを設置して対応しているのですが、「おれんじ食堂」は定期列車で使用していたワンマン運転対応の軽快気動車2両を、定期列車での使用を前提としない観光向けに特化した改造を施し、「おれんじ食堂」専用車としているのが大きな特徴となっています。

「おれんじ食堂」専用車は、おれんじと名乗る位ですのでオレンジ色…と言いたい所ですが、オレンジ色ではなくブルートレインを連想させる濃いブルーを基調とした装いに改められています。


塗装は既存車両と随分異なるものの、それ以外の車両形状は、外観を見た限りでは第3セクター鉄道の標準車両そのもの、また肥薩おれんじ鉄道では標準塗装車両以外に、くまモンラッピング車など様々な装いの車両が活躍していますので、見た目だけなら意外と平凡な車両に映るかもしれません。

しかしながら車内に足を踏み入れると、JR九州や両備グループをはじめ、近年それ以外でも各地の観光列車を手がけている事でも知られる某有名デザイナーが手がけた「食堂」を名乗る車両だけに、既存車両とは大きく様変わりしています。

木をふんだんに用いた内装や、様々な柄の座席モケット、至る所に見受けられるロゴや英文字などは、某デザイナーが手がけた列車なら
ではの雰囲気が漂い、JR九州の観光列車などに近い雰囲気を感じます。

座席も鉄道車両用ではなく、建物内にある物をそのまま持ち込んだと言っても過言ではないものが多数あり、座席の種類が幾つもある辺りも、最近の某デザイナーが手がけた列車ではよくある事です。

2両編成の新八代方と川内方では、座席配置なども異なっており、新八代方の車両は主に個人客向け、川内方は主に団体客向けとなっており、MAKIKYUが乗車したのは新八代方の車両でした。


トイレは新八代方車両前方に1箇所のみとなっており、海側は1+1配列の向い合わせ配置、山側は海を見渡せる方向に座席を配置した2人がけとなっており、1人での利用なら海側の進行方向座席が最も当たりなのでは…と感じます。
(MAKIKYUの乗車時は海側の進行方向座席に当りましたが、利用が多い週末などは、狙ってもなかなか確保できないかもしれません)

夕暮れ時のカップル利用などであれば、2人がけの方はカーテンも設置され、半個室感覚で利用できますので、こちらも悪くないかもしれませんが、見知らぬ乗客と相席の場合などには、やや分が悪いかもしれません。

川内方車両は、トイレ設置区画が「食堂」を名乗る列車だけに、キッチンに改められているのが特徴で、食事は基本的に車外で調製されたものが運び込まれるものの、盛り付けなどを行っている様子を見る事もできました。


こちらの客室は座席モケットが交換され、某デザイナーが手がけた車両ならではの雰囲気に改められているものの、山側のロングシートが既置、もしくは移設(元々ボックス席が設置されていた箇所)されており、新八代方車両と比べると、こちらの方が鉄道車両らしく、また種車の雰囲気がよく残っていると感じたものです。

建物内にある座席を思わせる椅子も数脚設置されていますが、ロングシートは既存車両と大差ないもので、建物内にある座席を思わせる椅子も、ロングシートと向き合う箇所は海側を見渡せませんので、新八代方車両に比べると、個人的にはイマイチと感じたものでした。
(この車両もオーシャンビューの座席数脚は当たり席と感じるのですが…)


運転席部分を見渡すと、観光列車専用車への転用で、ワンマン運賃収受時に必須の自動両替器付運賃箱は不要になったものの、両先頭側乗務員室脇の運賃箱は、色を塗り替えてそのまま設置されているのが特徴的と感じたものでした。

さすがに整理券発行機や運賃表示器などは撤去され、半室運転台構造だけに進行方向右側からの前面展望が良好な種車の特徴も維持されていますが、SL人吉号展望席の如く、子供用の小さな椅子が設置されているのも某デザイナーらしい所です。
(ただ「おれんじ食堂」は余り子供向けではなく、乗客の年齢層も割合高めかと思いますので、賛否両論が出そうですが…)


元々単行運転を前提とした両運転台車両を、2両編成で運行する観光列車に仕立て直した事もあり、2両の車両が向き合う箇所は、運転台が不要となり、その気になれば乗務員室撤去→片運転台車化も考えられなくないのですが、こちらも工場入場時などを考慮してか、一応運転台は残存している状況でした。


しかしながらこの運転台はカバーをした上で、倉庫として活用しており、新八代方車両の川内方乗務員室対面は、フリードリンク(コーヒー)の設置箇所として活用するなど、2両と言う限られた空間を有効に活用するために結構苦心している様にも感じたものでした。

また「おれんじ食堂」は観光列車だけに、車両だけに留まらず食事や様々なイベント等もウリとしているのですが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


リンク先サイト追加のお知らせ(20150118)

2015-01-18 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」へアクセス頂き、ありがとうございます。

本日付けで「景色は乗った後に」(乗後景様)と、併設ブログ「乗った後の景色」へのリンクを開始致しましたのでお知らせ致します。


「景色は乗った後に」は、MAKIKYUが幾度も足を運んでいる大韓民国(韓国)や、何度か足を運んだ事がある中華人民共和国(中国)をはじめ、管理者の乗後景様が世界各地を廻った際の乗り鉄話(特に電車や気動車などの動力分散方式を採用した車両)を中心としたHPです。
(写真は過去に「MAKIKYUのページ」で使用した既公開画像を用いたイメージです)

併設ブログ「乗った後の景色」は、世界各地を巡った際の旅行雑ネタをはじめ、近場を出歩いた際の記事も取り上げられており、海外関連には疎く国内専門と言う方でも、お楽しみ頂ける内容が多数存在しています。

HPやブログでの取り扱い地域は非常に多岐に跨っていますが、「MAKIKYUのページ」からのリンクでは、主に海外関連の内容を取り扱っているリンク集(0)の韓国関連サイトとして取り扱い、URLは以下の通りとなります。

HP「景色は乗った後に」 http://jougokei.web.fc2.com/

併設ブログ「乗った後の景色」 http://blog.goo.ne.jp/sekenatekena

なおリンク集(0)からのリンク以外に、暫くの間(概ね1~2ヶ月程度)は新着リンク告知期間として、トップページのBOOKMARKからもリンクを設定致します。

「MAKIKYUのページ」では今後も随時リンク先サイトを募集しておりますので、リンク希望の方が居られましたら、各記事のコメント欄(コメント不可設定としている一部の告知記事等を除く)、もしくはメール(「このページについて(ご案内と注意事項)」の項に記載があります)等にてお知らせ下さい。


(この告知へはコメントできません。またトラックバックを送信されない様お願い致します)



阪神8000系のトップナンバー編成~震災の影響で組替となった異端車両

2015-01-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今日1月17日は、未曾有の被害を及ぼした阪神・淡路大震災の発生日、1995年の震災から今日で丁度20年、震災で犠牲になられた方にはこの場から改めてお悔やみ申し上げたいと思います。

MAKIKYUは震災の2ヵ月後に神戸へも足を運ぶ機会があり、その時は交通網もまだ寸断された箇所が多数、梅田から乗車した阪神電車は御影以西が不通、阪急電車も御影~三宮間は復旧したものの、西宮北口~御影間は…という状況でした。

そのため阪神~阪急の御影駅間で運行していた臨時シャトルバスで移動し、通常なら電車で30分もかからずに移動できる阪神間を、何とか動いている交通機関を乗り継いで移動した事や、阪神御影駅付近で途中階が潰れた建物が残存している姿などを覚えています。
(この時に比べれば、遅いといわれる阪神普通車で阪神間を乗り通したとしても、遥かに早いものです)←ニュージェットで乗り通した事なら何度かあります

あれから20年とは、月日が流れるのも早いと感じますが、この時は特に石屋川車庫が倒壊した阪神電車の被害は非常に大きく、当時在籍していた車両の1割程度が廃車になるという有様でした。


そのため損傷の大きい車両を止む無く廃車する際、編成内で復旧可能な車両を寄せ集め、編成を組みなおした編成も存在し、今日でも活躍していますが、その中で最も有名な車両が8000系のトップナンバー編成です。

阪神8000系は優等系列車の主力車両として活躍する中堅核的存在で、近年開業した阪神なんば線を介した近鉄直通には用いられないものの、線内列車をはじめ山陽電鉄へ乗り入れる直通特急などにも用いられ、阪神電車利用時には遭遇頻度も非常に高い車両です。

この形式の第2編成以降は、前面ガラス窓が拡大され、若干の変化はありながらも今日の最新型車両に至るまで、見た目は比較的雰囲気のよく似た前面の車両ばかりとなっていますが、試作的用途が強いトップナンバー編成だけは、それ以前の標準スタイルとも言える前面形状となっており、異彩を放っています。

震災の際にはこのトップナンバー編成も被災し、6両編成中3両が廃車、残る3両を他編成の残存車両2両と、震災後に急造した車両1両と合わせて編成を構成、その後内外装のリニューアルを経て今日に至っています。


トップナンバー編成は前面だけでなく、側面窓も他の8000系と異なる2段窓になっているなど、外観上の差異が大きい車両ですので、他の8000系と合わせて編成を組んでいる今日では、尚更異端的な車両となっています。

MAKIKYUも関西を訪問し、阪神電車を利用した際には、2回程このトップナンバー編成に当たっており、野球観戦が好きな知人にも、今度野球観戦へ足を運ぶ際には遭遇したら是非…と思っています。


設備面でもリニューアルの際に、中間車が転換式クロスシートに改められ、最近リニューアルされた8000系では座席改造なしとなっていますので、この点でも注目と感じます。

足の長い直通特急や近鉄直通快速急行で、オールロングシート車が出没する頻度も高い一方、この編成が梅田~尼崎・西宮間の急行で頻出する様を見ると…と感じる事もあるのですが、こんな事を感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?


済州島内を運行する列車~旅客営業用の公共交通機関ではないですが…

2015-01-15 | 鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)の済州(Jeju)島内を走る市外バスに関して取り上げましたが、その際には記事の最後に「730番市外バスに乗車し、途中停留所で下車した際には…」と記し、気になった方も居られるかと思います。

MAKIKYUが昨年6月に済州島を初訪問し、晴れて韓国全道(38度以北の通称「北韓」を除く)訪問を達成した際には、済州島内で「鉄道」にも乗車しており、韓国全道での鉄道・列車乗車も達成しています。

しかしながら日本のJRと同様に、韓国のKORAIL(韓国鉄道)も本土全道にネットワークを持つものの、離島の済州島内には路線がなく、日本でも沖縄県だけが唯一JR旅客営業線区の存在しない都道府県になっているのと似た様な状況になっています。

沖縄県は永年日本で唯一「鉄道のない県」と言われ続けていたものの、今世紀に入ってから沖縄都市モノレール「ゆいレール」が開業、現在も旅客営業を行う鉄道はこの1路線だけながらも、那覇市内の足として定着し、新しい路線と感じるゆいレールも開業から10年を超えています。

MAKIKYUが昨年春に沖縄本島を訪問した際には、当然ながらこの「ゆいレール」にも乗車し、日本国内全47都道府県での鉄軌道系交通機関への乗車も達成となりましたが、済州島では現在でもゆいレールの様な都市内を運行する鉄軌道系交通機関は存在せず、公共交通は専らバスのみと言う状況になっています。

そのため済州島で鉄道・列車に乗車したというと、不思議に感じる方も居られるかと思いますが、エコランド(Ecoland)というテーマパーク内に4.5kmの鉄道路線が敷設されており、このエコランドは済州~西帰浦(Sogwipo)間を南朝路(Namcheoro)経由で結ぶ市外バス(730番)の途中に位置しています。
(最寄停留所は済州石文化公園かギョレ自然休暇村ですが、乗務員に「エコレンド(Ecoland)」と言えば通用します)

テーマパーク内の移動手段兼アトラクションですので、旅客営業用の公共交通機関ではないのですが、「鉄道」の走る地域とは程遠い印象がある済州島において、鉄道・列車に乗車できるのは貴重です。

日本では余り知られていないものの、エコランド自体も結構人気がある様で、MAKIKYUの訪問時は繁忙期ではないにも関わらず、結構多くの人出が見受けられ、観光案内所の方(日本語案内員)から伺った話でも、エコランドは結構人気があって混雑するとの事でした。

エコランド内では入出場ゲートのある「Main(メイン)駅」を起終点として、途中には「Eco bridge駅」「Lake side駅」「Picnic garden駅」「Green & Rose garden駅」の4駅が存在しています。

全線が単線非電化で線路幅は610mm、各駅共にホームは1本しかない事もあり、列車は片方向のみの運行となっています。

途中下車せずにMain駅へ戻って来る事も可能ですが、Main駅では乗降箇所が分離されており、Main駅へ戻ってくると再度の乗車はできませんので要注意です。
(列車の運賃はテーマパーク入場料に含まれており、Main駅へ戻って来た後にまた列車に乗りたい場合は、再度入場料を払って入場する事になります)

そのため大半の乗客は各駅で下車して駅周辺を散策・見学し、各駅周辺を廻る事になり、MAKIKYUも当然各駅で下車しているのですが、基本的にパーク内の各駅間を徒歩で移動する事は不可能となっており、先の駅へ行った後に手前の駅へ戻る事は出来ません。
(「Eco bridge駅」と「Lake side駅」の間だけは、徒歩で移動する事も可能で、Lake side駅まで乗車した後にEco bridge駅へ向かい、来た道を再び辿る事も可能なのですが…)


この園内を走る列車は、全て機関車牽引の客車列車となっており、旅客列車を牽引する機関車は全てSL風の外観をしたDL(ディーゼル機関車)ですが、事業用にDLも存在しており、途中駅で留置されている姿も目撃しています。

 
客車はオープンタイプと箱型の2種類が存在し、編成内の客車はどちらか一方のタイプで統一されています。

 
車両のグレードはどちらも大差ないのですが、座席配置などが異なっていますので、両者の差異を色々比べながら乗るのも面白いかと思います。

ちなみにSL風のDL+客車の編成は、各編成毎に装いが異なり、愛称も付けられているのですが、合計6編成が活躍しています。

「Eco bridge駅」と「Lake side駅」の間を何度も移動する様な事をしなければ、基本的に乗車できるのは最大5編成までで、途中下車した後に乗車したのは同一編成になる可能性もある事を考慮すると、一度の訪問で全編成に乗車するのはほぼ不可能な状況となっています。
(これがもし全編成乗車を狙うレールファンを目論んでの企みであれば、かなり上手い商売かもしれません)

ちなみに各編成の愛称は以下の通りとなり、エコランド園内ではPicnic garden駅が列車の撮影には比較的好適と感じたもので、以下の編成写真は全てPicnic garden駅にて撮影したものです。
(Main駅の到着ホーム到着前の列車も、光線状態次第では比較的撮影し易いと思います)



済州の赤い火山岩を象徴する「Red sand」


美しい花を象徴する「Yellow flower」


コッチャワルを象徴する「Green forest」
(「コッチャワル」とは、火山の噴火で流れ出た溶岩が固まり、その上に形成された森を済州の方言で表した言葉です)


湖を象徴する「Blue lake」


済州の黒い玄武岩を象徴する「Black stone」

ネット上で「エコランド」を検索すると上記5編成が出てくる事が多いのですが、他にも1編成「Purple dream」も存在しています。


エコランド内にある各駅や、園内の様子などに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


西鉄高速バス・桜島号~機会があれば他社便も…

2015-01-10 | バス[九州本土]

先月MAKIKYUは鹿児島県内へ出向く機会があったのですが、その際には最近九州本土各地や九州以遠(離島や韓国)へ足を運ぶ際の定番になっている日本旅行のビジネス向けパッケージ商品(東海道・山陽新幹線直通のぞみ号往復+九州内ホテル1泊がセット)を利用したものでした。

この商品を利用する場合、首都圏~福岡市内までの足は確保されるものの、鹿児島市内へ足を運ぶとなると、ビジネス向けパッケージとは別に、福岡市内~鹿児島市内の交通手段を自身で手配する事になります。

MAKIKYUが福岡市内~鹿児島市内を移動するとなると、大抵JR九州新幹線かJR在来線乗り継ぎ(経路によっては西鉄電車や肥薩おれんじ鉄道などの私鉄も利用)利用のいずれかになるのですが、高速バスが発達している九州だけあって、福岡~鹿児島間は高速バス「桜島号」も頻発(概ね毎時1~2本)しています。

また高速バスと言うと「安かろう悪かろう」と言わざるを得ない路線も、旧高速ツアーバスから転換した激安運賃を設定した路線を中心に全国で数多く存在しますが、桜島号は基本的に3列席車充当ですので、居住性の面でも結構期待が持てる路線と感じていました。

MAKIKYUは福岡市内や鹿児島市内などで、桜島号の姿を何度も見ており、機会があれば是非1度…と思っていましたので、絶好の機会とばかりに、先月の鹿児島訪問では桜島号に初めて乗車したものでした。


桜島号は九州内の高速・路線バスが乗り放題の「SUNQパス」も、全九州版であれば通用しますが、先月は片道のみの利用である事に加え、旅程の関係もあってパスは使用せず、ネット上で予約(highwaybus.com)のみ確保した上で、福岡市内のチケットショップで発売していた回数券のバラ券(4000円強)を利用したものでした。

高速バスの乗車券は、旅客航路の大半などと同様に出発時か到着時に回収されてしまう事が殆ど、鉄道の様に使用済印(或いは無効印)を押印して持ち帰る事ができない路線が大半なのは、少々惜しいものです。

この桜島号は西鉄グループ運行便だけでも結構な便数が走っており、鹿児島方の事業者が運行する便も多数走っていますが、車両設備などはある程度揃えているものの、車種や年式のバリエーションも非常に豊富です。

運行事業者を特定すれば、ある程度狙いを絞る事はできるものの、どの年式・メーカーの車両が当たるかはその時次第ですので、座席定員制路線であれば、目当ての車両が来るまで待ち伏せ、来たら乗る事ができるものの、座席指定制の「桜島」号では運次第です。
(予約必須の座席指定制路線でも、空席があれば乗車可能な場合も多いのですが…)

ちなみにMAKIKYUが乗車したのは西鉄高速バス運行便、桜島号では西日本鉄道本体が運行する便も僅かに存在しますが、西鉄グループ運行便の大半は同社運行便となっています。

個人的には西鉄グループが通常桜島号で運行している車両の中で、ハズレと感じる車両こそないものの、できれば西工ボディ高速車の中でも上級のC型(桜島号の西工ボディ車は基本的にこのタイプ)+下回りが三菱製V8エンジンの車両が来れば…と思い、天神バスセンターで指定便を待っていたら、狙い通りの車両に当たったものでした。
(鹿児島市内で乗車時間よりも後の便を見た際には、見た目は大差ないものの、もう少し新しい年式の車両で、下回りが日産ディーゼル製の車両が充当されている姿も目撃しており、桜島号はこちらも多数活躍しています)

桜島号で活躍するこのタイプのバスは、Nゲージサイズのバス模型・TOMYTECのバスコレクション「西鉄高速バス5台セット」でもモデル化されており、こちらはMAKIKYUの手元にも1セットあります。

 
バスコレでモデル化された車両は社番「3913」号車ですが、MAKIKYUが乗車した便に充当された車両は、1番違いで同型の「3912」号車でした。


車内に足を踏み入れると、座席は3列ながらも夜間高速などで一般的な独立3列ではなく、グレードの高いJR在来線グリーン車を連想させる2+1列、九州の比較的長距離を運行する高速バスでは一般的な仕様ですが、桜島号も便によっては独立3列席車が運用されます。

独立3列席車だと通路が狭くなりますので、昼行路線でさほど混雑していない、もしくは1人がけ席に当たるのであれば、個人的には2+1列席も悪くないと感じており、MAKIKYUは比較的最近ではとよのくに号(福岡~大分)の大分バス運行便でこの手の車両に当たっています。
(とよのくに号は西鉄グループによる運行便もありますが、こちらは基本的に4列席車充当です)

大分バスの3列席車に比べると、西鉄グループで活躍するC型3列席車の座席は、(特に外から見ると)背もたれが平べったい様に感じられ、座り心地は如何なものなのか…と思っていました。


実際にこの座席に座った感触は、3列席車ならではのゆとりやフットレストの装備に加え、個人的には見た目が豪華そうに見える大分バスの3列席車(これも昼行高速バスの中ではかなり上等な部類です)よりも更に快適、夜行でなければ3~4時間の乗車でも充分なレベルと感じたものでした。

当然ながらトイレも装備され、長時間乗車でも安心できるのですが、この車両は車内中央付近に設置されており、限られた空間を有効に活躍する事もあってか、トイレの空間自体は随分コンパクトと感じたものでした。
(最近は大型のパウダールーム付きも増えていますが、その分客席にしわ寄せが及んでピッチが狭くなったり、3→4列席化して定員確保、もしくは座席数減少分を運賃に転嫁されるのであれば、個人的には車内トイレはないと長時間乗車は辛いものの、設置されていればコンパクトな空間で充分と感じています)

福岡~鹿児島間では4時間程度の乗車となるため、途中1箇所でサービスエリアに停車、10分程度のトイレ休憩も設けられていましたが、MAKIKYUの乗車後に休憩箇所変更、休憩時間が増大(→所要時間も若干増大)となっています。


日頃高速道路を利用する機会自体が少ないMAKIKYUとしては、自身ではまず足を運ばないサービスエリアでご当地グルメ(写真は熊本名物辛子蓮根のフライなど)も多少…というのは有難く感じ、トイレ付きとは言えども目的地到着まで車内缶詰めではなく、中間地点での休息タイムがあるのも嬉しいと感じたものでした。

 
またサービスエリアでの休憩中には、運転席周囲も少々観察したものでしたが、昼行高速バスにしては豪華な客室とは対照的で、シフトレバーはフィンガーコントロールではなくロッド式(長い棒)、運賃箱も全席指定制で予約済乗車券所持での乗車が大半を占めるため、簡素な箱となっているのも特徴的と感じたものでした。

福岡~鹿児島の2都市間を移動する交通手段としては、速達性や定時性では九州新幹線には到底及ばないのですが、桜島号は新幹線などと競合している路線と言う事もあり、高割引回数券の設定や、Web予約限定・座席数限定の早期購入割引運賃設定などもあり、実質価格は新幹線の半分以下(片道定価だと新幹線の半分強)と言うのも有難い限りです。

鉄道駅から離れた途中バス停にも幾つか停車する事や、天神・天文館と言うJR駅からは少々離れた福岡・鹿児島両都市の中心街に直接アクセスできる事も、鉄道との棲み分けや差別化と言う点で有用かと思いますし、最近のダイヤ改正で休憩増大が図られたのも、速さよりもゆとりを確保する事に重点を置いている事を実感させられます。

昼行での3列席車乗車であれば、居住性も申し分なしですので、新幹線を利用しなければならない程急ぎの用件ではなく、時間的余裕があるのならば、桜島号は利用価値の大きい路線かと思います。

夜行での利用や、元高速ツアーバス転換路線の4列席車長時間乗車などであれば、福岡~鹿児島間の高速バス移動は少々辛い気もしますが、機会があればまた桜島号に乗車し、今度は西鉄グループ運行便ではなく、鹿児島方事業者が運行する便を選ぶ事で、両者を乗り比べてみるのも…と感じたものでした。
(個人的には特に南国交通か、JR九州バス運行便が興味ありです)

先月MAKIKYUが鹿児島へ足を運んだ際には、鹿児島→福岡の復路は桜島号ではなく在来線乗り継ぎで移動、その中には先月初めて乗車した列車もあったのですが、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


済州の市外バスターミナル~都市規模の割には…

2015-01-07 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国・済州(Jeju)島を走る市外バスに関して取り上げましたが、この市外バスの運行拠点となっているのは、済州市にある済州市外バスターミナルで、ここは空港リムジンバスを除く済州市発着の市外バス各路線が発着します。

済州市は人口40万人を超えており、国際空港もあるなど、離島にしてはかなり大きな街ですので、この街を発着する都市間バスのターミナルというと、結構な規模が…と感じる方も居られるかもしれません。

しかしながら済州島は橋やトンネルなどで本土と直結しておらず、本土との往来は海を越えなければならない「非架橋離島」ですので、市外バスは全て島内のみで完結しています。


おまけに乗降可能停留所が限られている本土の市外バスと異なり、市内各地に市外バス停留所が設けられている事もあってか、街の規模が大きい割にはバスターミナルの規模は小さく、本土の「郡」クラスの規模と言っても過言ではありません。


済州市外バスターミナルの立地も、旧市街の外れに位置し、旧市街中心部から済州市のもう一つの繁華街になっている新済州地区や、空港へ向かう途中と言う、やや中途半端な所にありますので、路線によっては旧市街中心部での乗降可能な事も考慮すると、わざわざターミナルまで出て来て市外バスに…という事も、市外バスターミナルが振るわない要因かもしれません。

とはいえバス大国の韓国だけあり、日本の地方都市にあるバスターミナルと比べれば、規模的にはそこそこと言えるのですが、済州島と比較される事が多い沖縄本島の那覇バスターミナルに比べると…と言った所です。

那覇バスターミナルは乗り場数が多いだけでなく、ターミナル内に多数のバスが停車・待機している事で、規模が大きく見えるのでは…とも感じますが、済州バスターミナルの場合はターミナル内ではなく、至近(徒歩5分圏内)に幾つものバス事業者が車庫を構えており、バス車庫の隣は別事業者の車庫と言う状況になっています。

この済州バスターミナルは、規模こそさほど大きくないとは言えども、ターミナル内でも軽食店舗などが幾つか営業しており、済州名物としても知られているコギククス(コギは肉、ククスは麺の事です)と呼ばれる、豚骨スープにバラ肉が入った麺料理(麺はそうめんの様な感じです)はターミナル内でも食す事が出来ます。
(ソウルや釜山など他地域では、コギククスを提供している食堂は済州料理を扱っている店など極一部に限られますが、済州では非常にメジャーな存在で、有名店も存在する他、島内各地でコギククスの標記を出した食堂を見かけます)


唐辛子の粉末がたっぷりと入り、キムチが添えられている事をはじめ、金属製の器や箸で提供される辺りも韓国的です。

コギククスはソウルや釜山でも余り見かけない程ですので、日本では韓国料理店でも見かける機会は…という状況ですので、好みが多少分かれるかとは思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も済州島へ足を運ぶ機会がありましたら、是非一度試食をおススメしたいと思います。


また済州市だけでなく、済州島第2の都市・西帰浦(Sogwipo)市にも市外バスターミナルがあり、以前は旧市街の中央ロータリー脇に位置していた様ですが、現在は旧市街と中文(Chungmun)地区のほぼ中間、ワールドカップスタジアムのすぐ脇に移転しています。


こちらは済州市外バスターミナル以上に小規模で、ワールドカップスタジアムへ足を運ぶか、市外バス同士を西帰浦で乗り継ぐ時以外は、観光客には余り用がなさそうな所で、周囲は飲食店なども少なく、ターミナル内は閑散とした印象を受けたものでした。


済州島を走る市外バス(2)~大型ショート車編

2015-01-04 | バス[大韓民国]

先日「MAKIKYUのページ」では、済州島を走る市外バスに関して取り上げましたが、済州島の市外バスは、韓国他地域の市外バスでは比較的少数派の大型ショート車も多数活躍しています。
(ただバス大国の韓国ですので、探せば全羅道など地方を中心に走っており、比率は小さくても結構な数が活躍していると思います)


大型ショート車は700番や780番など、専ら大型車が運用される路線を除く市外バスで活躍しており、MAKIKYUが昨年6月に済州島を訪問した際には、済州~城山(Seongsan)港間の710番や、済州~南朝路(Namchoro)経由~西帰浦(Seogwipo)間の730番で乗車したものでした。

市外バスの中では運行本数が少なく、旅客需要も少なめの路線に充当されている傾向がありますが、少なくともMAKIKYUが乗車した2路線は、道路条件的には大型車でも特に問題ない様に感じたものでした。

特にJHフェリーの城山港入港時刻に近い710番は、フェリーからの乗継客などで立席客多数、乗りきれずに積み残しまで出している有様でしたので、状況に応じて大型車を充当しても…と感じたものでした。
(710番は便数も決して多いとは言い難く、1本逃がすと結構な待ち時間になりますので、大型車運行が難しければ増車なども検討余地ありかと思います)

 
ちなみに車両に関しては、4事業者による運行=4種類の塗装が存在する事や、現代製は比較的新しい車両しか目撃していない点など、大型車と同じ様な傾向がある様に見受けられたものでした。


またMAKIKYUが済州から730番の市外バスに乗車した際には、730番の途中停留所で一旦下車し、その後西帰浦へ向かう730番のバスに乗車したのですが、偶然にも2回の乗車は同一車両(写真)でした。


車内は韓国では典型的な雰囲気のビニール張りとなっており、市外バスと言うよりも座席バスと言った雰囲気ですが、1時間以上乗車しても最大運賃3300Wというのは、物価を考慮しても乗り得感があります。

済州の市外バスは韓国他地域の市外バス(基本的に乗車前に窓口か券売機で目的地までの乗車券を購入)とは異なり、車内精算制となっていますので、信用先払い(乗車時に行先を申告)で不慣れな外国人にはやや使い難い面もあるものの、市内座席バスに近い感覚で気軽に乗車でき、Tマネーなどの交通カードが通用するのも嬉しい所です。

一般路線車が好きなMAKIKYUとしては、余程の長時間乗車などでなければ、市内バス車種ベースの着席重視仕様車は歓迎で、この点でも済州の市外バスは趣味的に注目と感じたものでしたが、観光・高速系車種が好きな方にとっては…という面もあり、好みが分かれる所かと思います。

また730番市外バスに乗車し、途中停留所で下車した際には、この停留所近くにある某テーマパークに数時間滞在したのですが、このテーマパークに関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


2015年・今年も宜しくお願い致します

2015-01-01 | Weblog



あけましておめでとうございます。

2015年、今年は「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方にとって良い年になる事を願うと共に、MAKIKYU自身にとっても公私双方で良い年になる事を願いたいものです。

MAKIKYUは新年早々、元旦から3が日全てが出勤と言う有様ですが、今年も公共交通に関する話題を中心に、多数の記事公開ができれば…と思っていますので、引き続き「MAKIKYUのページ」へのアクセス宜しくお願い致します。

(写真は先月試運転を目撃し、既公開記事でも取り上げた小田急1000形リニューアル車両・今後順次リニューアルされますが、今年是非乗車したいと感じている車両の一つです)