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対馬市営渡海船「ニューとよたま」~浅茅湾を航行する定期航路

2014-01-31 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUが初めて足を運んだ長崎県の離島・対馬は、対馬へのアクセスとして船をイメージする方は多いかと思いますが、対馬島内の足としても旅客航路が運航されています。


この旅客航路が対馬市営渡海船「ニューとよたま」で、空港にも近い旧美津島町・雞知地区の樽ヶ浜~旧豊玉町・仁位の間を、1日2往復運航しています。


雞知地区~仁位の間を移動するだけであれば、対馬交通の路線バスの方が運行本数も多く、樽ヶ浜~仁位の全区間を乗り通すのは、浅茅湾の観光遊覧を目的とした観光客程度かと思います。
(一応普通運賃ならば、対馬交通の路線バス利用よりも割安で、写真は全区間片道の乗船券(下船時に回収)です)

しかしながら途中旧豊玉町内の入り江にある小集落にも寄港し、これらの集落の中には市営渡海船が地域で唯一の公共交通機関となっていたり、路線バス利用では著しく不便な地域もありますので、これらの地域では重要な交通手段にもなっています。
(樽ヶ浜~加志々を移動する場合、渡海船だと30分もかからずに移動できますが、路線バスだと仁位乗り継ぎでかなりの大回り、運賃も
割高になる上に、加志々を発着する路線バスの運行本数も限られ、バスで両者を移動するのはかなり大変です)

MAKIKYUが乗船した際には、観光目的で全区間を乗り通したMAKIKYUを除くと、後は樽ヶ浜から旧豊玉町内の途中寄港地まで乗船した地元住民と見受けられる乗客だけと言う状況でした。

公共交通機関を利用して厳原や美津島など対馬南部から、中部の豊玉方面へ足を伸ばす場合、交通手段自体が限られる対馬で、選択手段が増えるのは有難い事で、運航本数が限られますので利用し易いとは言い難いものの、うまく運航時間とあうようなら利用価値はあると思います。


渡海船では対馬を南北に分断している万関橋などを眺める事はできないものの、路線バスやレンタカーなどの道路交通とは異なるルートを航行し、海上から島を眺める事ができるのも魅力で、途中では写真の様な小集落に設けられた小さな船着場を幾つも経由します。
(便によっては一部寄港地を抜港したダイヤになっています)


仁位入港前(或いは出航後)には、海上から和多都美(Watazumi)神社の鳥居を見る事もでき、これも渡海船ならではの光景かと思います。

ちなみに渡海船「ニューとよたま」は19t・路線バス1台分よりは少々客席スペースが多い程度の船で、大きさは瀬戸内海の短距離航路などでよく用いられている小型客船などと同等の船ですが、椅子席の他にカーペットではなく畳を敷いた区画が設けられているのも特徴です。


ローカルな生活航路の色彩が強い航路ながらも、異国に近く、近年外国人観光客の訪問も多い国境の島を運航する船としては、畳敷きというのは意外と評価されるのでは…とも感じたものです。

対馬市HPの渡海船に関する紹介項目でも、運航時刻や運賃などと共に、渡海船からの景色に関しては大々的にPRしているものの、船内設備に関しては余りPRされていませんので、今後もっとPRに努め、外国人観光客の取り込みなどを図っても…と感じたものでした。

他交通機関との結節利便性という観点では、樽ヶ浜の港周辺は、路線バスの経由便(これだと乗り場のすぐ前までダイレクトに到達できます)も限られるものの、縦貫線などの便が発着する「樽ヶ浜入口」バス停からでも徒歩10分はかからず、雞知地区では土地柄も踏まえるとまずまずかと思います。

しかしながら仁位の船着場は、対馬交通車庫や旧豊玉町役場などとは結構離れており、船着場を発着する路線バスは存在しない上に、10分程歩いたバス通りまで出ても、この通りを運行する路線バスの運行はかなり限られます。

徒歩で船着場~豊玉営業所(仁位バス停)間を移動するとなると、25分以上を要しますので、仁位方での他交通機関との結節利便性も少々難ありと感じ、仁位発着で渡海船の出入港時刻に近いバス便を、船着場発着に出来ないのだろうか…とも感じたものでした。

対馬島内の公共交通機関は、厳原市内や厳原~美津島南部(雞知・空港など)を除くと、どれもかなり本数が限られますので、実質的には通学時間帯などに合わせた運行などで調整は難しいのかもしれませんが、各交通機関・路線の運行時刻などを調整する事で、現状の運行本数程度でも実質的な利便性向上を図る事も…と感じたものでした。
(比田勝→仁位も接続時間などが開くものの、縦貫線が走る西側ではなく東側を通るルートでも、小鹿乗継で移動可能なダイヤもあります
ので、現状でも仁位で1泊すれば、公共交通機関利用でも縦貫線とは別ルートで比田勝→小鹿→仁位→樽ヶ浜と移動する事も可能です)


JR九州・来年「スイーツ列車」を運行~改造種車はどの車種?

2014-01-28 | 鉄道[九州・JR]

昨年秋に日本では異例の豪華さを誇るクルーズトレイン「ななつ星in九州」を運行開始したJR九州、MAKIKYUも先月この列車の姿を大分駅で目撃し、その際の様子などを「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますが、同社は「ななつ星in九州」以外にも個性的な観光列車を多数運行しており、その幾つかはMAKIKYUも実際に乗車した事があります。
(さすがに「ななつ星in九州」は姿を見るだけで、乗車機会自体がまずないと思いますが…)

また観光列車に限らず、新幹線や在来線特急列車、地域輸送を担うローカル用車両をはじめ、系列のJR九州バス、そしてJRグループ唯一の国際輸送を担っており、MAKIKYUが海外へ足を運ぶ際に利用する事も多いJR九州高速船「BEETLE」や、駅施設など至る所で某有名デザイナーを起用した他に類を見ない強烈な個性を感じられ、余所から九州へ足を運ぶとなると、その凄まじさに驚かれる方も少なくないかと思います。


「ななつ星in九州」は強烈な個性を感じるJR九州の中でも別格で、これだけの事を実現した後は今度どんな事を…と思う方も少なくないかと思いますが、今日ネット上のニュース記事を見ていたら、来年「スイーツ列車」を運行するという記事が多数目に付いたものでした。

「スイーツ列車」というと、JR東日本が東日本大震災で被災した三陸沿岸の路線を中心に走らせているキハ110系列改造車による「TOHOKU EMOTION」を連想する方が多いかと思いますが、ニュース記事内容を見るとこの列車の九州版と言っても過言ではないと感じられたものです。

クルーズトレインに関しては、「ななつ星in九州」で先を越されたJR東日本も、その後同種列車の計画を発表し、ハイブリッド車両による動力分散方式と言った違いはあるものの、これはどう見ても「ななつ星in九州」の反響に影響されて…と感じ、同感と感じる方も多いかと思います。

「スイーツ列車」に関してはJR東日本の「TOHOKU EMOTION」の反響を基に、JR九州も追随を目論んだのか、それとも以前から「TOHOKU EMOTION」と類似した列車の構想があったのかも気になる所です。

運行線区は久大本線と大村線を交互運行、概ね1~2ヶ月毎にいずれかの線区で運行予定と発表されていますが、どちらも車窓などは絶景が堪能出来る路線ながら、単線非電化のローカル線ですので、気動車充当となる事はほぼ確実と思われ、どの車両を改造種車とするのかも気になる所です。


JR九州ではバッテリー搭載充電式電車による非電化区間の電車運行試験も行っており、MAKIKYUの知人の中には、この形式で最近導入された車両を大絶賛している者も居ますので、バッテリー搭載や外観改装を行って平日は通勤輸送用に充当し、所要車両数が減少する土休日にテーブルを設置して観光列車として…という意見も出そうです。

仮にこの様な列車となれば好みが大きく分かれ、賛否両論が出る事は必須かと思いますし、充電式電車はJR東日本でもうすぐ新形式の新造車が営業運行開始となるものの、まだJR九州では試験段階かと思いますし、運行路線も考慮すると可能性は極めて低いと思います。


順当に考えれば近年登場した観光列車の種車としての事例も多く、片運転台車で車両数も多いキハ47・147形辺りが最有力と感じます。

同車は近年JR四国から購入した車両が、JR四国塗装のままで小倉工場に留置されている姿も先月目撃していますので、キハ47形を改造種車にするのであれば、この車両を改造種車にするのも…と感じます。
(この車両は部品確保用かもしれませんが…)


他に考えられる車両としては、久大本線・大村線の両線区でも現在営業運行を行っており、中途半端な存在となっている元指定席車化改造車(最後尾が当該車両:現在は塗装変更)も存在するキハ220形を改造種車にするのも…と思いますし、主たる客層などを想定すると、居住性に配慮すればこちらの方が良いかも知れません。


大穴としては、久大本線と大村線の双方で運行実績があり、現在は豊肥本線の観光特急「あそぼーい!」で活躍、九州では4両1編成だけの異端車となっており、よくここまで様々な装いを…と感心するキハ183形気動車の起用も、物理的にはありえなくない話です。

ただ一部では2両編成という情報も出ており、そうなると余剰車が発生する上に、豊肥本線観光列車用に別列車を運行する必要が生じますので、さすがにこの可能性は低いかと思います。
(写真は「ゆふDX」で運用されていた時に撮影したもので、MAKIKYUはこの装いの頃に一度だけ同車に乗車した事があります)

まだJR九州側から公式発表が出ていませんので、列車名や運行ダイヤ、充当車両や車両の改造内容(新造の可能性は極めて低いかと思いますので…)などが気になる所です。

世間を驚かせる強烈な個性を放つ列車を次々と登場させてきたJR九州だけに、今後どの様な情報が発表されるのかも気になる所で、まずありえない話かと思いますが、JR東日本からキハ110系列を購入し、2番煎じの感が否めない「KYUSHU EMOTION」となる事だけはない事を願うばかりです。

ネット上で公開されているニュース記事は多数存在しますが、その一部へのリンクを以下に取り上げておきますので、興味のある方はこちらも参照して頂ければと思います。

http://www.47news.jp/CN/201401/CN2014012701002431.html

http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/2014012701002431.htm

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130820/trd13082021360006-n1.htm

http://www.asahi.com/business/update/0820/SEB201308200060.html

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140128-00000014-mai-bus_all


対馬交通の貸切車両~路線車ベースの車両が多数派を占めているものの…

2014-01-27 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが初めて足を運んだ長崎県の対馬では、近年島内に新規参入の貸切バス事業者が幾つも進出し、これらの事業者の貸切車両が外国人団体客輸送などを乗せて、島内各地を走る姿も目撃したものでした。

しかしながら対馬では、これらの貸切事業者だけでなく、対馬島内全域で路線バスを運行する対馬交通も、路線バスだけでなく貸切バス運行も行っています。

対馬交通における貸切輸送の主力は、トップドアで一般路線用車種よりも豪華な雰囲気ながら、路線バス用の車種をベースにした車両となっています。

中型車以上の一般路線車も一応2人がけの座席がズラリと並び、補助席も設けられた着席重視仕様の車両ばかりですので、一般路線車が貸切輸送に充当される事もある様ですが、MAKIKYUが対馬に足を運んだ際には、一般路線車や路線車ベースの貸切仕様車が貸切運行で走る姿は見る機会がありませんでした。

対馬の南方に位置し、距離的にも比較的至近の壱岐島でも、島内路線バスや貸切バスを運行する壱岐交通が、路線車ベースで貸切にも対応可能な兼用車を多数導入していましたが、こちらは近年貸切専用の中古車を大量に導入し、古参兼用車を代替する一方で、残った兼用車は専ら路線用に充てている状況です。

対馬交通では路線車ベースの貸切仕様車による一般路線運行は見かけず、逆に一般路線車が貸切にも充当されるというのは、距離的には至近の島ながらも対照的と感じます。


ちなみに路線車ベースの貸切仕様車は一般路線車と同様に、大型車と中型車の双方が存在し、どちらもいすず車となっていますが、大型貸切車は対馬交通の一般路線車では見られない西日本車体工業(西工)製車体の車両ばかりで、路線車で活躍するキュービックは皆無という状況です。

 
中型貸切車はいすず純正のばかりで、大型貸切車と同じ装いの車両が多数派ですが、異なる装いの車両も活躍しており、これらの路線車ベースの貸切仕様車は厳原だけでなく、豊玉(仁位)や上県(比田勝)でも姿を見る事が出来ます。


小口貸切向けに、貸切専用のマイクロバスも所属しており、こちらはツシマヤマネコのイラストが描かれるなど、如何にも対馬のバスらしい雰囲気を受けるものです。


また近年では一般路線用車両とは異なり、貸切車両では中古車の導入も行っており、こちらは壱岐島の壱岐交通が近年導入した中古貸切車の如く、元事業者の装いのまま…という状況になっています。
(壱岐の場合は前事業者時代にももしかしたら壱岐へ足を伸ばしていたのでは…と思われる車両ですが、対馬の場合は前事業者のバスが対馬へ足を伸ばす事はまずないと思われ、余所で見慣れたバスが何故対馬に…と感じてしまうものです)


しかしながら完全な元事業者塗装ではなく、部分的に対馬交通の塗装を加える事で、独自性を主張している様に見受けられ、貸切中古車では対馬交通で大半を占めるいすず製ではない車両も活躍しているのも大きな特徴です。

一般路線車だけでなく、高速・貸切車でも近年排ガス規制の影響などにより、大都市圏からの地方移籍車が相次ぐ状況で、対馬島内でも対馬交通だけでなく、貸切専業の新規参入事業者でもその姿を多数見かけますので、今後対馬交通では貸切専用の中古車導入→路線車ベース貸切仕様車の路線転用という動きが出てこないのかも気になる所です。

厳原~比田勝間の縦貫線ともなれば、全線乗り通すと所要時間は片道2時間半超となり、1時間以上の長時間乗車は当り前、また一般路線車もトップドアの着席重視仕様になっている状況を踏まえると、中型の路線車ベース貸切仕様車辺りにワンマン装備を施し、縦貫線辺りに転用されても不思議ではない気もするのですが…
(個人的には西工ボディの大型路線車ベース貸切仕様車が縦貫線に充当されれば大歓迎なのですが、これは車齢なども踏まえると少々厳しいかと思いますので…)


対馬交通で活躍するマイクロバス~社名表記がなければ…

2014-01-24 | バス[九州離島・沖縄]

MAKIKYUが先月長崎県の対馬を訪問し、島内を走る対馬交通の路線バスに乗車した際には、主力となっている中型路線車をはじめ、大型路線車にも1度乗車していますが、この他にマイクロバスにも乗車する機会がありました。

マイクロバスは道路条件的な問題よりも、輸送量や運行コストなどを踏まえての導入と言う色彩が強い様に見受けられ、装いも中型や大型路線車の様なクリーム+紺色ではなく、メーカー標準仕様のままとなっています。

緑色の営業用ナンバープレートや行先表示、対馬交通の社名表記などがなければ、路線バスには見えないと感じる方も居られるかと思いますが、中型車や大型車でも路線車は専らいすず車を導入している対馬交通だけあり、マイクロバスも一応いすず車となっているのも特徴です。
(路線バスとしての使い勝手を考えるなら、フロントオーバーハングが短めで、前輪のすぐ後ろにドアが配置された三菱ローザの方が、左最前列の座席1脚を撤去して運賃箱を設置するだけで、路線バスとしても使い勝手が良い気もするのですが…)


このマイクロバスの大半は、白とバイオレットの装いとなっており、導入年次などにより前面行先表示器の有無など、若干の差異が見受けられるのも特徴です。


中にはバイオレットではなく朱色となっている車両も少数ながら活躍しており、MAKIKYUが乗車したマイクロバスは、この朱色の車両でした。


対馬交通では中型車以上の路線車では、路線バスでは一般的な自動両替機能付き運賃箱を採用しているのですが、車両前方にエンジンが設置され、車内前方に出っ張りのあるマイクロバスでは、隣の壱岐を走る壱岐交通の路線車を連想させる、両替機能などのない小型の運賃箱を採用しているのも大きな特徴(事業者によっては、このサイズの車両でも大型運賃箱を設置しているのですが…)で、如何にも離島のローカルバスと言った雰囲気を感じさせられたものでした。

デジタル運賃表示器の設置もなく、テープデッキこそ設置されていても車内放送も流れない(支線ではテープを作成していない様です)など、路線バスとしては最小限の装備だけを施して運用している印象を強く受けたものでした。

この様な車両だけあってある程度運用路線やダイヤも限定されている様で、離島の中では大規模な島として知られる奄美大島・道の島交通の如く、同一路線の同時刻便でも、日によって中型車が充当される一方で、マイクロバスが充当される事(道の島交通の名瀬~古仁屋間では、キュービックとローザやシビリアンが同一路線、それも片道所要1時間以上の路線で混用されており、同一時刻の便でも日によってマイクロバスが充当される一方で、中型車が来る事も日常茶飯事です)も…という事は余りない様です。

たださすがに厳原~比田勝間の縦貫線でマイクロバス充当は目撃していませんが、支線だけでなく厳原~空港間の便(便によっては大型車が充当されている姿も目撃しています)でもマイクロバスが充当されている姿を目撃しています。
(元々大型車が充当されていた縦貫線も今や殆どが中型車による運行に変わっていますので、車両経年と利用減が進めば、将来的にはマイクロバスの縦貫線充当も出てくるかもしれません)


また近年対馬交通の一般路線としては廃止となり、対馬市営バスに移管→対馬交通が受託運行している路線でも、対馬交通の一般路線で充当されているマイクロバスと同種の車両が主力を占めています。


MAKIKYUは対馬市営バスに乗車する機会はなかったものの、こちらも一日フリー乗車券やフリーパスポート(1ヶ月全線定期券)の通用対象にもなっており、車体表記などを除けば、対馬交通で運行しているマイクロバスと大差ない印象を受けたものでした。
(ただ中にはマイクロバスではなく、メルファ(写真の一番手前)が活躍している姿も目撃しているのですが…)


対馬交通・空港シャトルと厳原市内循環で活躍するエルガミオ

2014-01-21 | バス[九州離島・沖縄]

先月MAKIKYUが長崎県の対馬へ足を運んだ際には、対馬交通の島内路線バスに幾度も乗車し、同社の一般路線車は平成1桁の経年車ばかりと言う状況でした。

しかし1年程前に、対馬市では厳原~対馬やまねこ空港間を運行する「空港シャトルバス」と、この間合いで厳原の市内中心部を循環運行する「厳原市内循環線」の運行を開始し、この路線の運行開始に合わせて、対馬交通の路線車では久々の新車が導入されています。

新車で導入された車両は、路線車は専らいすず車を用いている対馬交通だけあり、今日全国各地で姿を見ない地域の方が珍しい中型車「エルガミオ」のワンステップバスで、離島の路線車としてはかなり上級の部類に入ります。

この新車は空港シャトルと厳原市内循環の2路線に限定充当される事もあり、対馬交通の一般路線車とは大きく異なる装いとなっています。


2台中1台はピンク色、もう1台は水色を基調とした装いで、前者は「やまねこサクラ」、後者は「やまねこブルー」の愛称が付けられています。


車内に足を踏み入れると、立席空間が多くつり革も設けられているなど、やや都市型仕様の車両と感じられる辺りは、比較的乗車時間の短い路線に専従する車両ならではと言う印象があります。


ビニールではなくモケットの座席をはじめ、補助席が設置されていない辺りも、対馬交通らしさが薄れている気がしますが、右前方に荷物置きが設置されているのは、他の路線車と共通する特徴と言えます。

音声読み上げソフトを用いた音声合成による車内放送や、土地柄も影響してかハングル表示もあるLCDモニターを用いた運賃表示器なども、対馬交通の他車両とは一線を画する装備で、離島のバスと言う雰囲気とは程遠いものと感じます。

MAKIKYUは対馬交通の1日フリー乗車券(日本人は土休日のみ購入可)を利用し、5000円のフリーパスポート(1ヶ月全線定期券)でも乗車できますが、運賃設定は厳原市内循環は100円均一、空港シャトルバスは最大300円と、対馬交通の既存一般路線に比べて割安な運賃設定となっているのも大きな特徴です。
(対馬交通の一般路線で厳原~空港間を乗車すると、片道680円になります)

空港シャトルバスではバイパス経由で所要時間短縮も図るなど、使用車両だけでなく、運行面でもサービスレベルが格段に向上しているのも大きな特徴ですが、空港シャトルバスは空港発着での利用に限定されているのは惜しい所です。
(厳原~空港間では一部途中バス停にも停車しますが、厳原~白土間のみの乗車などは不可です)

空港シャトルバスや厳原市内循環は、対馬交通の既存一般路線と運行区間や運行時刻が重複する便も多く、特に空港シャトルはこの傾向が顕著な状況と感じます。

フリーパスポート設定などで一般路線の運賃が形骸化しており、離島という土地柄故に需要自体が限られる事も踏まえると、空港シャトルバスの各停留所における乗降扱い実施と、空港シャトルバスや厳原市内循環バス運行区間における一般路線の運賃共通化(値下げ)を実施し、双方の垣根を無くす一方で運行時間帯の近接する便の統合を行い、運行経費を減らしつつも利便性を向上させる事はできないのだろうか…と感じたものでした。

また空港シャトルバスと厳原市内循環で運行しているエルガミオは、4気筒エンジンを搭載した最新鋭のMT車ですが、エルガミオ自体は既に大都市圏の排ガス規制区域では見た目は大差ない初期車が運用離脱し、地方移籍も相次ぐ状況です。

今後対馬交通の経年車取替えや空港シャトルバス予備車確保などで、大都市圏移籍車が導入されるとしたら、現行一般路線で用いている中型車の最も新しい車両よりも経年の浅い車両となります。

大都市圏で離脱が相次ぐ車両も大半がバリアフリー対応車という事もあり、観光車では中古車導入を行っている事を踏まえると、車内設備面(座席交換・増設などを行えば問題ないと思います)を別とすれば路線車の中古導入は妥当な方法とも感じますが、今後この様な動きが出てこないのかも気になる所です。


対馬交通で活躍する大型路線車~古参車ばかりながらも厳原周辺を中心に活躍

2014-01-18 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、対馬交通の縦貫線で活躍する中型路線車に関して取り上げ、同社一般路線ではこの中型車が主体となっていますが、比較的利用の多い通学時間帯の厳原周辺を中心に、大型路線車も活躍しています。

 
大型車も中型と同様にいすず純正ばかりで、トップドアで車内は2人がけの座席が並び、補助席もある着席重視仕様、座席はビニール張りで右側最前部に荷物置きが設置され、導入年次の違いなどで細部に差異が見受けられる点も、中型車と共通する特徴です。

平成5年を最後に、大型路線車の新車導入は行われておらず、現段階では路線車の中古導入も行われていませんので、平成1桁の古参車ばかりと言う状況になっています。


中には排ガス規制記号「P-」という、経年車が多い地方の路線バスでも古参の部類に入る車両も活躍しており、MAKIKYUもこの車両に乗車する機会がありました。


車体側面にツシマヤマネコの写真が掲出されている辺りは、如何にも対馬のバスという雰囲気が漂っており、雞知宮前(Kechi-Miyamae)は空港もある旧美津島町のバス停名ですが、「雞」は殆ど使われない漢字と言う事もあってか、前面行先表示は「鷄」の字で代用しているのも特徴です。
(「雞知」は空港の南側に位置し、旧美津島町の中心に当たる地区の地名です)

ちなみにMAKIKYUが乗車した車両は厳原所属で、対馬滞在中に大型路線車に乗車したのは、写真の車両に1度だけと言う状況でしたが、豊玉(仁位)や上県(比田勝)に所属している車両もあります。


豊玉所属の車両は朝の仁位→厳原と、夜の厳原→仁位間を運行する便で活躍する姿も目撃したもので、比田勝でも車庫内に停車している車両を目撃しています。
(写真は厳原・白土の車庫に停車中の豊玉所属車両です)

ただMAKIKYUが対馬交通の各車庫に足を運んだ際には、どの車庫でも大型車が待機している姿を目撃する有様で、中型車でも輸送量的には問題ない路線・便が多い事に加え、大型車は経年車ばかりという事もあり、予備車として車庫に待機している事が多い様です。

個人的にはこの大型車で縦断線を全線走破できれば…と感じる程ですが、台数の割に稼働率は余り芳しくない様に感じたものです。

大型車は車齢20年超の経年車ばかりですので、運用離脱車も相次ぎ、残存車両の活躍もそう長くない気がします。

今後車両代替の際には久々の大型新車導入となるのか、大都市圏中古車の導入に踏み切るのか、それとも一般路線車はダウンサイズ化を更に進めて中型車かそれ以下の車両のみの運行になるのかも気になる所です。


対馬交通・縦貫線~島の大きさを実感させられる長大路線

2014-01-15 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、福岡(博多)~対馬(厳原)間を運航する壱岐・対馬フェリーの貨客船「フェリーつばさ」に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUがこのフェリーで対馬へ到着した後は、島内を路線バスで巡ったものでした。

対馬島内の公共交通は、鉄道が存在しない事もあり大半が路線バス、この路線バスは専ら対馬交通が運行しています。

近年では廃線となった路線を「対馬市営バス」として運行し、対馬交通がその運行受託を行っている路線も幾つか存在しますが、この対馬交通は厳原の白土(Hakudo)に拠点(厳原営業所)を持つほか、島の中央にある仁位(豊玉営業所)と、北部の比田勝(上県営業所)が存在しています。

路線は対馬島内を南北に縦断する厳原~空港~仁位~比田勝間の縦貫線を軸に、縦貫線の一部区間便や、縦貫線の途中から枝分かれする支線が幾つも存在しています。

他に厳原市内を運行する路線や、厳原から南方などへ向かう路線などもあり、MAKIKYUは対馬滞在中、縦貫線のバスには何度も乗車したものでした。

とはいえ対馬の人口分布が厳原と美津島に偏重している事もあってか、基幹軸の縦貫線でも、全線通しての運行は僅か4往復しかなく、厳原~空港間以外では1本逃がすと…という状況です。
(離島の路線バスにしてはそこそこの便数がある厳原~空港間でも、時間帯によっては運行間隔が1時間以上開く事もあります)

この縦貫線は、以前は大型車が充当されていた様ですが、近年では対馬交通車両の老朽化に加え、対馬自体の急激な人口減少・過疎化も災いしてか、全区間運行便では専ら中型車が充当されている様で、MAKIKYUが何度か乗車した縦貫線の各便は全て中型車と言う状況でした。


対馬交通の中型路線車は、概ねいすず純正(LR)のトップドア車で、座席は2人がけの座席が並び、補助席も設けられた着席重視仕様といった特徴があります。

 
概ね平成1桁年の車両ながらも、年式に幅がある事もあってか、側面行先表示装置の有無などの差異があり、中型車の中でも標準より車体長がやや短い車両も存在するなど、似た様な見た目のLRでも、よく見ると差異が存在する状況になっています。

また対馬自体が南北に細長い形をしている事もあり、対馬の南北を縦断する厳原~比田勝間の縦貫線全線では片道90km超、日本の離島では他に類を見ない長距離を走破しており、これは沖縄本島の最長路線・沖縄バス77系統をも凌ぎます。
(島自体の大きさは沖縄本島や奄美大島の方が大きいですが、これらは名護や名瀬以北と以南でバス路線が分断されています)


道路混雑などはまず無縁の土地柄とは言えども、片道乗り通すだけでも所要2時間半以上を要する有様で、大半の区間は片側1車線ずつの車線が確保されているものの、旧上県町内を中心に車両行き違いが困難な狭路も存在しており、仁位以南でも万関橋以北では一部に狭路があります。


運賃も結構な賃率でずっと上がり続けますので、厳原~比田勝間を乗り通すと3000円超、日本国内の一般路線バスにおいて、運賃表示でこれだけの金額を目にする機会は滅多にないかと思います。

区数の多さに加え、自由乗降区間が大半を占めm一部区間では停留所間距離がかなり開くために、整理券番号が一つ変わるだけでも、かなり運賃が変動する箇所が幾つも存在するのも大きな特徴です。

所要時間・運賃共に高速バスを除けば、日本国内でこの路線を凌ぐ路線は幾つか…という程度ですが、運賃面では幾つもの割引乗車券が用意されていますので、正規運賃で厳原~比田勝間を往復する乗客は、島民・島外問わずまず居ないかと思います。
(島民向けには、島内全路線バスが1月乗り放題で5000円の定期券が発売されているほか、縦貫線厳原~比田勝間の区間指定回数券が4枚綴り8800円(1枚当たり2200円)で発売されています)


また一日フリー乗車券も1000円で発売されているのですが、島内・島外問わず日本人の利用は土休日や年末年年始などに限定されているのに対し、外国人は毎日購入・利用が可能となっています。

通勤通学でのフリー乗車券利用を避けるために、島内在住者の利用日を制限するのは、隣の壱岐で行っており、壱岐交通でフリー乗車券の平日購入を島外在住者に限定しているのは、事業運営などを考えると分からなくもない気がします。

しかしながら日本国外に籍を置く人物であれば、比田勝から2桁kmしか離れていない所(対象者数3桁万人)に居住していても毎日購入できる反面、MAKIKYUの様に比田勝や厳原から4桁km離れた遠方に居住していても、日本国内に在籍・居住と言うだけで制限されるのは少々頂けない気がします。

ただ幸いにもMAKIKYUが対馬を訪問した日は、丁度土日でしたので、一日フリー乗車券を購入・利用できたのですが、この利用制限は島内でも異論が出ている様で、今後改善願いたいと感じたものです。

対馬交通に関しては、縦貫線以外にも幾つかの路線に乗車していますので、これらに関しても近日中に追って取り上げたいと思います。


壱岐・対馬フェリー「フェリーつばさ」~貨物輸送主体の船ながらも…

2014-01-12 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUが九州へ足を運んだ際には、九州本土内だけでなく、初めて離島の対馬にも足を伸ばしたものでした。

この対馬の中心都市が厳原で、九州本土からのメインアクセスは離島だけに海路となりますが、長崎県に属しながらも、長崎県本土からの定期航路は存在せず、至近の壱岐と共に定期航路の大半は福岡から出航しています。

福岡発着の定期航路は、中には対馬直行となる便も存在するものの、途中壱岐島を経由・寄港する便が大半を占めており、また対馬の発着港は大半の便が厳原発着となっています。

定期航路の中でも旅客輸送に関しては、壱岐と共に九州郵船が圧倒的なシェアを誇っており、同社では高速船(ジェットフォイル)とフェリーの双方を運航、前者では福岡から2時間強、後者では4時間半程度の所要時間となります。


MAKIKYUが対馬訪問の半年程前に壱岐へ足を運んだ際には、同社の高速船とフェリーを利用したものでしたが、その際には芦辺港で「フェリーつばさ」という船を目撃し、それ以来この船の存在が気になっていました。
(写真は昨年6月に壱岐・芦辺港で撮影した「フェリーつばさ」で、船体には福岡⇔壱岐⇔厳原と記されており、何故か壱岐は寄港地の「芦辺」標記にはなっていないにも関わらず、対馬は「厳原」と標記されているのも特徴です)

「フェリーつばさ」は壱岐・対馬方面定期航路で圧倒的な旅客シェアを誇る九州郵船ではなく、壱岐・対馬フェリーという事業者が運航している貨客船で、創業100周年を迎えた8年前に社名を改める前は「大川海運物産」と名乗っていただけあり、今日でも対馬ではこのフェリーの事を「大川」と呼ぶ人物も存在する程です。
(現在の壱岐・対馬フェリー本社は福岡市ですが、以前は大川市に本社を置いていました)

対馬観光物産協会HPの海路アクセス案内では、「※貨客フェリーですので、自動車の持込みの場合のみドライバーが乗ることができます」と記されています。
(博多~対馬間の貨客船は、MAKIKYUの対馬訪問時はドッグ入りで休航だったものの、他に対州海運が福岡~対馬間直航の貨客船を運航しており、こちらも同様に案内されています)

そのため壱岐・対馬フェリーに電話で乗船可否を問い合わせた所、旅客定員が12名と少なく、団体など大人数での乗船は厳しいものの、空席があれば少人数の旅客のみ乗船も可との事でした。

空席状況を尋ねると、MAKIKYUの乗船希望日は空席ありでしたので、電話で予約を済ませ、乗船日前夜(対馬行の出港は未明)に出港地の博多港へ足を運んだものでした。

壱岐・対馬フェリーの出港地は、「BEETLE」などの国際航路が発着する中央ふ頭(博多港国際旅客ターミナル)や、博多発着九州郵船各便や西戸崎方面などの短距離航路、五島方面への野母商船(太古)など、国内航路の大半が発着する博多ふ頭(ベイサイドプレイス)ではなく、須崎ふ頭となりますので要注意です。

この須崎ふ頭は天神北ランプの少し北側、那の津4丁目行き西鉄バスで終点の一つ手前、那の津3丁目で下車すれば徒歩でも至近(終点の那の津4丁目まで乗車しても運賃は変わらず、徒歩でも来た道を5分程度引き返す程度)です。

周囲にコンビニがあり、最低限の食料調達は可能ですが、それ以外の飲食店などは…という有様ですので、食事は天神などで済ませてからバスで那の津へ向かった方が良いかと思います。


そして須崎ふ頭に到着すると、仮設事務所の様な建物が乗船券発券窓口を兼ねており、旅客乗船は殆どない航路が僅かに発着するだけとなっています。


そのため国内航路が多数発着する博多ふ頭などに比べると、その規模は言うまでもなく…という状況で、旅客利用が僅少な事もあってか、購入した乗船券も手書き発券でした。
(写真は氏名部分を塗り消し加工しています)

MAKIKYUが須崎ふ頭に足を運んだのは22時過ぎ、そして対馬行は未明の出航となるのですが、乗船券発券を済ませると程なく乗船OKとなり、出航よりかなり早い時間に乗船できるのは有り難い限りです。


貨客船だけあり、下層フロアは車両搭載区画となっており、九州郵船の博多~厳原間フェリーよりはやや小柄ながらも、1500tクラスの船で殆ど貨物輸送という船だけあってか、車両や荷物の積載だけでも結構な時間を要し、乗船後も1時間以上ずっと車両搬入などが続く状況でした。

客室は貨物輸送の序に、車両と同行するドライバーなどが…という程度ですので、HPの案内などでは12名と記されていますが、船内では35名と言う表記が見受けられたものでした。

 
船内は寝台数こそ12名分+αですが、他にカーペット室や休憩スペースに設置された椅子等もあります。

その気になれば12名は軽く超える旅客を乗船させる事も出来るかと思いますが、船の大きさを考えれば35名でもかなり少ないと感じます。

休憩室も何処かの事業所を連想する様な、実用最小限と言っても過言ではない簡素な雰囲気と感じたもので、このフェリーに比べれば、昨年春に沖縄へ足を運んだ際に利用し、船内設備は航海距離などを考えると、かなり簡素と感じたマルエーフェリー「琉球エキスプレス」でも、まだ旅客輸送に関しては充実していると感じる程でした。


しかしながら福岡→対馬の夜行フェリーは、壱岐・対馬フェリーでは九州郵船2等運賃よりは少々割高になるものの、同1等運賃より割安な値段にも関わらず、寝台を利用できるのは大きなメリットです。
(旅客輸送の主流となっている九州郵船では、夜行フェリーでも寝台設備はなく、1等でもカーペット部屋です)

そして未明の須崎ふ頭出航を見届け、寝台で一夜を過ごして目が覚めたらもう対馬・厳原港に入港しており、朝5時台では周囲も真っ暗、路線バスの運行も皆無と言う状況ですが、九州郵船の夜行フェリー(一部期間を除く)と同様に、早朝到着後も暫く船内休憩可能なのは有り難いものです。


厳原の到着地は、路線バスも発着する九州郵船のターミナルからは、徒歩で5分程度南に位置しており、こちらも事務所はプレハブの様な建物であるなど、港の利便性と言う観点では、旅客輸送で圧倒的なシェアを誇る九州郵船に比べると、博多・対馬双方共に見劣りは否めない気がしたものでした。

それでもMAKIKYUが対馬への足として、敢えて旅客のみの移動では余り利用されない壱岐・対馬フェリーを選んだのは、余り乗船機会のない貨客船に乗船する事に加え、船内設備は簡素ながら、そこそこの運賃で寝台を利用できる事が大きな理由で、博多→対馬を再び夜行移動する機会があれば、壱岐・対馬フェリーをまた利用しても…と感じたものでした。
(対馬→博多は午後に運航しており、こちらは日曜日の対馬発のみ壱岐(芦辺)には寄港せず博多直航です)


ラクテンチ・園内の様子~日本有数の温泉地だけあり…

2014-01-10 | 日本国内その他

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたラクテンチケーブルですが、このケーブルカーに乗車するだけでも、乗車料金込みの入場料(1200円)を要します。

先月MAKIKYUがラクテンチケーブルに乗車した際には、少し時間に余裕もあり、わざわざラクテンチまで足を運び、そこそこの入場料を支払ってケーブル乗車だけでは少々勿体無い気もしますので、園内も視察したものでした。


ケーブルカーで山上の遊園地に上がると、ケーブル乗り場近くには、2重式の観覧車があり、この観覧車はJR日豊本線の車中からも、余程天気が悪く霞んだ日などでなければ、姿を確認できる程です。

 
また遊園地だけあり、乗物系は幾つものアトラクションがあり、最初に乗った乗り物は「ロマンスカー」と称するものでしたが、首都圏某大手私鉄の展望席付き車両をはじめとする有料特急列車の様な優雅な雰囲気とは程遠く、全自動運転(機能上は手動運転も可能な様ですが、営業では自動運転のみ)のゴーカートが狭い悪路を走る代物です。

 
一応「鉄道」と言えるサイクルモノレールも、山上にあり展望性に優れた立地と相まって、ロマンスカーと共に、園内乗物系の中では大人だけでの利用でも…と感じた乗物で、本線~留置線の車両を入れ替える際のポイント部分は、こんな仕組みもあるのか…と感じたものです。


他にはジェットコースターをはじめ、子供向けの遊具なども多数ありますが、新幹線型の遊具は九州らしさこそ薄いものの、実車は博物館入りした車両が僅かに姿を留めるのみという車両です。


車両代替が行われなければ、今後この新幹線型遊具も希少価値が出てくるかも…と感じたもので、さすがにMAKIKYUがこの車両に単独で乗車するのは気が引けますが、機会があれば知人某氏には是非…と思います。

 
これらの乗物系は全て有料アトラクションですが、乗物以外に園内では幾種かの動物も飼育しており、ミニ動物園併設型遊園地と言っても過言ではない状況になっているのも大きな特徴で、こちらは大半が入場料のみで見学可能です。

 
また日本有数の温泉地に立地しているだけあり、園内でも温泉が噴出し、飲食物の中には、この温泉を利用した地獄蒸しを販売していたり、入浴料無料の露天風呂付き温泉浴場が設けられている辺りも、別府らしいと感じたものでした。


岡本製作所・別府ラクテンチケーブル線~遊園地内の路線ながらも…

2014-01-07 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、北九州市内にある皿倉山へ上がる帆柱ケーブルと、山上スロープカーや山上の展望に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが九州へ足を運んだ際には、帆柱ケーブル以外にもう一つケーブルカーに乗車する機会がありました。

このもう一つのケーブルカーが、岡本製作所・別府ラクテンチケーブル線で、帆柱ケーブルと共に、MAKIKYUはこちらも先月初乗車となりました。

このケーブルカーは別府市内にある遊園地「ラクテンチ」の園内を運行しており、山麓のメインゲート(ラクテンチ下駅)と山上(ラクテンチ上駅)にある遊園地の間を結んでいます。

遊園地内を運行する交通機関で、基本的にケーブルカー乗車券のみの発売は行っていませんので、園内アトラクションの一つとして捉える向きもあるかと思います。


しかし運行距離は300m程度の園内短距離路線ながらも、遊具扱いではなく鉄道事業法に基づいた「鉄道」となっており、ラクテンチ下駅にはその事を示す案内板も見受けられたものでした。


ラクテンチは路線バス(亀の井バス)でのアクセスも可能なメインゲート(写真)からの入場だとケーブルカー往復乗車券込みで1200円、山上の乙原ゲート(公共交通機関の連絡はなく、自家用車での来訪者向けでケーブルカー乗車券なし)だと入場料は1000円ですが、乙原ゲートから入場した後に、ケーブルカーに乗車したいと思った場合には、乗り物券1枚で乗車する事もできます。
(ただ片道だけでもケーブルカーに乗車したい場合には、乙原ゲート入場で割安になる事はありませんが…)



入場券とセットになったケーブルカー乗車券は、発券・乗車日の記載もなく、如何にも遊園地の乗り物利用券といった雰囲気を感じたもので、写真は往路ケーブルカー乗車後、復路ケーブルカー乗車券が残存した状態の入場券と、園内乗り物などで利用できる5回分セットの乗り物券です。

乗り物券は1回分300円ですが、5回分セットの乗り物券(1枚の乗車券に5回分のパンチ箇所があり、アトラクションなどを利用毎に抜穴)が1000円→1回当たり200円ですので、メインゲートからの入場料がケーブルカー往復乗車と入場料をセットで割引していると見なせば、実質的な運賃は片道当たり200円程度では…と感じます。

ちなみにこのラクテンチケーブルは、車両こそ昭和40年代製で比較的古参の部類に入り、パンタグラフなどを見ると古さが隠せない印象を受けますが、数年前のリニューアルで近鉄生駒ケーブルの如く、如何にも遊園地の乗り物といった雰囲気になっています。


MAKIKYUが乗車した際には、往復ともに猫型の車両に当たり、発車時には係員による案内放送の前に、猫の鳴き声(?)が流れる辺りは、猫駅長で有名な某中小私鉄の車内放送(この駅長をデザインした電車が、終点となっている駅長所在駅に到着する際の案内放送冒頭で、猫の鳴き声が流れます)を思い出したものでした。


ラクテンチケーブルは典型的な交走式ケーブルカーだけあり、運行車両はもう1両活躍しており、MAKIKYUはこちらに乗車する機会はなかったものの、こちらは犬を模したデザインとなっています。


また外見こそリニューアルされたものの、車内に足を踏み入れると昭和のケーブルカーといった雰囲気が残り、近年のモダンなケーブルカーとは異なった印象は、外見とのギャップが結構大きいかと思いますが、これも趣味的には注目点と感じたものでした。


皿倉山スロープカーと山上の展望

2014-01-04 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、北九州市内を運行する帆柱ケーブルに関して取り上げましたが、このケーブルカーでは皿倉山の9合目まで到達できるものの、頂上まではあと一歩…という状況になっています。

9合目~頂上間は登山道も整備され、徒歩での移動も可能ですが、概ねケーブルカーに接続運行する形態でスロープカーが運行しています。

 
MAKIKYUが先月皿倉山に足を運んだ際には、ケーブルカーと共にこのスロープカーもセットになった往復乗車券を購入して乗車したものでしたが、片道のみの利用や、スロープカーのみでの利用も可能となっています。

片道3分程度の乗車はあっという間で、徒歩での散策が苦にならない陽気であれば、上りだけスロープカーを利用し、下りはケーブルカー乗り場まで徒歩で登山道を下っても悪くない気がします。

MAKIKYUがこのスロープカーで皿倉山頂上に到達した後は、暫くの間山上からの展望を堪能していましたが、訪問した時は天候こそ晴れているものの、若干霞んでおり遠方の景観は…という状況でした。

 
近場の若戸大橋や洞海湾などははっきりと見えたものの、関門海峡辺りになると…という状況でしたが、案内員の方から伺った話では、状況次第では遠く壱岐まで見渡す事も出来る様です。

皿倉山は昼間の景観だけでなく、夜景もまた別の趣がある様で、スロープカー乗り場も夜になると光る仕掛けもある様ですので、MAKIKYUにとっては少々遠方故に皿倉山周辺の訪問自体も限られるものの、機会があれば夜景を堪能できる時間帯にも…と感じたものでした。
(ただ皿倉山ケーブルカーやスロープカーが夜遅くまで運行している日時は限定されており、早々と運行終了となる日も多いのは要注意です)

この皿倉山へ向かうケーブルカーに乗車するには、鉄道駅からは結構な距離があり、公共交通機関利用の場合は路線バス利用が必須ですが、都市高速上にある「高速帆柱ケーブル」バス停を利用すると、徒歩5分程度と案内されている事が多いですが、その気になれば2~3分で…という印象を受けたものでした。

そのため高速帆柱ケーブルバス停を利用できれば、アクセスとしては最も至便かと思いますが、このバス停を発着するバスの大半は高速バスいとうづ号(福岡・天神~小倉・砂津)で、一般路線バスはラッシュ時間帯の小倉~香月快速便などが僅かに発着するだけなのが難点です。
(いとうづ号はエルガなども充当される座席定員制・整理券方式の短距離高速バスで、nimocaなど各種ICカードも利用できますので、一般路線バスに近い感覚で利用できますが、北九州市内区間のみの乗車(小倉~高速帆柱ケーブルなど)でも北九州市内西鉄バス1日乗車券の通用対象外ですので要注意です)

他に「帆柱登山口」バス停を利用する方法があり、こちらは枝光駅をはじめ、八幡駅や黒崎駅などからのアクセスも可能で、MAKIKYUが皿倉山を訪問した際には、こちらを利用したものでした。

こちらはバスを下車してからケーブル乗り場までは、上り坂を10分程度歩く事になり、道程の分かり易さと言う点でも、高速帆柱ケーブルバス停利用に比べると…という状況ですが、一般路線バス故に北九州市内西鉄バス1日乗車券が通用するというメリットもあります。
(高速帆柱ケーブルバス停利用でも、運行本数の限られる香月快速を狙えば1日乗車券も活用できますので、往路は香月快速の運行時間に合わせて行動し、帰りは帆柱登山口バス停利用と言うのも悪くない方法かもしれません)

ちなみにMAKIKYUが皿倉山を訪問したのは平日でしたが、土休日限定で八幡駅から無料シャトルバスも運行しています。


モダンな印象のケーブルカーや、白いスロープカーのイメージとは程遠い派手な装いのマイクロバスを用いており、MAKIKYUが皿倉山を訪問した際には、山麓駅に駐車している姿を目撃していますが、上手く運行日・時間帯に当たれば、このシャトルバスを利用するのも
悪くないかもしれません。

またMAKIKYUが先月九州を訪問した際には、他にもう一つ未乗だったケーブルカー路線にも乗車する機会があり、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思っています。


(お断り)スロープカーは「鉄道」には含めないと考えている方も多いかと思いますが、帆柱ケーブルの続編記事という事もあり、この記事は「鉄道」カテゴリー扱いでの取り扱いとさせて頂きます。


北九州・帆柱ケーブル~現行車両は10年以上前に導入されているのですが…

2014-01-01 | 鉄道[九州・私鉄等]

あけましておめでとうございます。

今年も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。

今日から2014年、新しい1年が始まりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は、どの様な1年を…とお考えでしょうか?

MAKIKYUは昨年国内全47都道府県訪問を達成し、国内鉄道路線も大半は乗車している状況ですが、それでも未訪問の土地や、未乗の交通機関は国内だけでもまだ多数存在しますので、機会があれば今年も様々な所へ足を運び、ブログでも取り上げる事が出来れば…と思っています。
(国内・海外問わず「空を飛ぶ」旅行は、個人的には勘弁願いたいと思っていますが…)

今日・元旦は初日の出見物や初詣などに出向かれる方や、家族揃って自宅で団欒、或いは旅行に行かれている方など、様々な過ごし方があるかと思いますが、MAKIKYUは新年早々、今年は元旦から出勤です。

MAKIKYUは近年は初詣などに足を運ぶ事も…という状況ですが、各地の神社などは大勢の初詣客などで賑わい、その周辺の公共交通機関も増発運行を行うなど、正月は交通関係も各地で日頃と異なる姿が見られるのが大きな特徴です。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、この様な交通機関を追い求めて…という方も居られるかと思いますが、全国各地のケーブルカーでは走行路線や車両などは平時と同様ながらも、初日の出見物や初詣客輸送などで日頃営業運行を行っていない時間帯に運行を行ったり、通常より運行本数を大増発している路線が多数存在します。

「MAKIKYUのページ」では1月程前に、東京都の御岳登山鉄道に関する記事を取り上げ、この路線も山上側に神社が存在する事もあり、大増発運行が行われる路線の一つですが、その後MAKIKYUは先月にも未乗だったケーブルカーに乗車する機会がありました。

先月乗車したのは、福岡県・北九州市内を走る「帆柱ケーブル」で、感の良い方はリンク集の「★」マークが消えている事で、MAKIKYUが先月帆柱ケーブルに乗車した事に気付いた方も居られるかもしれません。

この帆柱ケーブルは、皿倉山の山上に神社などは存在しないものの、山上で初日の出を迎える需要に応えるため、元旦は早朝から臨時運行を行う旨が案内されています。

先月MAKIKYUが帆柱ケーブルに乗車した際には、天候は比較的良好な日だったものの、乗車日が平日だった事もあってか、ケーブルや山上などは空いていました。
(案内員の方から伺った話では、天候の良い土日などは結構な混雑になるとの事です)

11月に乗車した御岳ケーブルは、天候の良い土休日の訪問と言う事もあってかなりの混雑、先月の帆柱ケーブル乗車時とは対照的な状況でしたが、車両面でも帆柱ケーブルはスイス製の車両を用いている事もあってか、モダンな雰囲気が漂っているのが特徴で、この点も1月程前に取り上げた御岳ケーブルとは大きく異なります。

ただ現行車両の導入は2001年と10年以上前の事で、御岳ケーブルの現行車両よりは古い車両(それでも全国各地を走るケーブルカーの中では新しい部類です)ですが、御岳ケーブルの車両が敢えて先代車両のデザインを意識している事も大きいかもしれません。


またデザイン面でモダンな雰囲気が漂うだけでなく、充電式でケーブル路線内に架線が張られていない事も、他では余り見られない大きな特徴の一つと言えます。


ちなみに現行運行車両は交走式ケーブルカーという事もあり、交走式ケーブルカーではお馴染みの、色違いの2両が交互に運行される形態となっており、黄色い「はるか」と青い「かなた」の2両が活躍しています。


MAKIKYUが帆柱ケーブルに乗車した際には、往復で車両を変えて乗車したものでしたが、2両は外観塗装だけでなく、車内も座席フレームの色彩などに差異が見受けられるのが特徴です。

この車両の座席、スイス製という事もあってか、ヨーロッパから輸入したライトレール車両や連接バス、中国で走っている路線バス(欧州メーカーとの合弁製作車や模倣車両が多数活躍)に何となく似た印象を受け、日本国内では結構インパクトの強い部類に入るかと思います。
(九州は某デザイナーの大活躍などもあり、インパクトの強過ぎる座席がゴロゴロしていますので、これでも彼の地では平凡に見えてしまうかもしれませんが…)

また皿倉山では帆柱ケーブル以外に、山上を走るスロープカーの運行もあり、このスロープカーや山上の展望などは、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。