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西鉄電車の観光電車世代交代「水都」に続き「旅人」も~8000形は運用終了に

2017-09-18 | 鉄道[九州・私鉄等]

日本列島を縦断した台風18号、3連休は国内各地で様々な被害も発生し、楽しみにしていたイベントなどが中止で残念な思いをした方なども少なくないと思います。

交通機関も九州から北海道まで、様々な所で影響が及び、JR九州や四国などでは暫くの間列車運行ができない状態になってしまった箇所も発生する状況になっています。

JR九州では台風の影響で列車運行ができなくなった区間が生じただけでなく、直方駅構内でまだ登場からまもない最新型車両が脱線し、一帯を走る列車も運休や遅延が相次いでいます。

JR九州にとっては最悪の3連休になってしまったと言っても過言ではなく、特に直方駅構内事故は負傷者等が生じた報を聞かないのが不幸中の幸いとは言え、今後原因究明と共に再発防止に向けて全力で取組んで頂きたいものです。

九州では残念なニュースが次々と…という状況ですが、3連休中にはJR九州と並び九州の公共交通をリードする存在と言っても過言ではない西日本鉄道(西鉄)の観光電車「旅人(Tabito)」引継式が行われており、リニューアルして再出発と言うのは明るい話題の一つかと思います。

西鉄電車の観光電車は大宰府観光列車「旅人」、柳川観光列車「水都(Suito)」の2種が存在、双方共に運行開始当初は特急用2扉車の8000形を改装した車両が用いられていました。


MAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、8000形「旅人」と「水都」は共に1回ずつ乗車しただけで終焉を迎えてしまいましたが、後に登場した「水都」が先に車両代替となっています。


「水都」の車両引継が「旅人」よりも一足早い7月に行われ、現在特急の主力車両にもなっている3000形を改装した車両に代替、そして「旅人」もその後を追う様に先日車両引継式を行い3000形に代替されています。

8000形は元々車両代替か更新の時期を迎えており、2つの観光列車へ改装された編成以外は既に退役を迎えていただけに、車両特性なども考慮すると運用離脱も止む無しかと思います。

ただ8000形運用離脱と共に観光列車の運転を取りやめるのではなく、部分的に変更しつつも同種のコンセプトで特別料金不要の観光列車を走らせる辺りは、大いに評価できる事とも感じたもので、今後の末永い活躍にも期待したいものです。

またMAKIKYUは「旅人」と「水都」には各1回ずつ乗車していながらも、今まで「MAKIKYUのページ」で取り上げる機会のないまま8000形での運行を終了、また両観光列車の車両引継に伴い西鉄8000形の運用自体も終了となっています。

8000形の永年の活躍に対する労いも兼ねて、以下に「旅人」「水都」両列車が8000形で運行していた頃、両列車の車内を撮影した画像を以下に掲載します。

・旅人
     

・水都
  

MAKIKYUが九州へ足を運ぶのはせいぜい年に1~2回程度と言う事もあり、車両引継で新たに3000形で運行する事になった「旅人」や、一足早く車両引継となった「水都」へ乗車する機会が巡異って来るのは暫く先になると思いますが、こちらも今後乗車機会が巡って来た際には、「MAKIKYUのページ」でも取り上げられれば…と思っています。

8000形・3000形両形式の「旅人」「水都」に関する感想をはじめ、先日の「旅人」引継式を持って旅客営業から離脱した8000形に関する思い出などがありましたら、是非コメントもどうぞ。
(8000形に関する思い出話などは、「旅人」「水都」以外の列車に関する事でもOKです)


熊本電気鉄道5000形電車~永年の営業運行も遂に終焉

2016-02-14 | 鉄道[九州・私鉄等]

今日はバレンタインデーという事で、チョコレートを楽しみにしているという方も居られるかと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、興味対象は「チョコより電車」という方も少なくないと思います。

そんな方の中には、今日限りで営業運行終焉となる熊本電気鉄道(以下電鉄と記します)の旧型車両・5000形電車のラストランへ足を運ばれている方や、現地まで足を運ぶ事はなくても、この話題に注目している方は少なくないと思われ、MAKIKYUも後者の一員です。

同車は元々昭和30年前後に東急線で導入、後に電鉄へ移籍した車両で、電鉄以外にも長野県内の地方私鉄などに多数が移籍していますが、老朽化で次々と引退し、近年の稼働車両は電鉄のみという状況になっていました。

東急線時代は中間車も挟んだ長編成で運行する事も多かったものの、熊本では最大でも先頭車同士を連結した2両、片運転台だった先頭車を両運転台車に改造した車両も存在しています。


近年は上熊本支線(上熊本~北熊本)で運用される両運転台車のみが健在という状況で、片側は5000系の原型そのものながらも、後に増設した運転台側は機能一辺倒と言っても過言ではない貫通型スタイルで、前後で対照的な姿をしているのも面白いものです。


同車は一時期水色を基調とした独自塗装を纏った事もありますが、近年は往年の東急線時代と同様の緑色1色塗装で活躍しており、この装いで活躍する事で、希少な存在の車両が更に際立ったのでは…と感じています。


ただ移籍各社でも離脱車両が相次ぎ、幾ら短距離の支線運用ながらも今日まで活躍し続けたのが奇跡的と感じる車両だけに、MAKIKYUが最後に乗車した2年前でも、相当老朽化が進行していると感じる状況でした。

その際に乗車したのは昨年退役した5102A号車、今日まで活躍し続けた5101号車に限れば、最後に乗車したのは約4年前になります。


電鉄移籍後に設置された幕式の運賃表示器(これはICカード導入に伴って取り替えられたようです)などもレトロ感を演出するアイテムと化しており、夏場に乗車した際には、非冷房車である事に対するお詫びまで見受けられた位でした。


趣味的には非常に注目される存在である反面、旅客サービスや現業従事者の乗務・整備と言う点では、5000形の末期は非常に問題の多かった車両と言わざるを得ない状況でした。

そのため東京メトロ銀座線で活躍した01系の改造車が昨年電鉄で稼働開始してからは稼働機会も減少、予備車的な活躍で最後を迎える事になり、状況を考慮すると当然と言えますが、最後まで残存した1両は非常に希少な車両という事もあり、営業運転離脱後も解体せず動態保存するという話が出ているのは喜ばしいと感じます。


電鉄では既にモハ71号というこれまた非常に希少な車両(広浜鉄道:現在のJR可部線)が、北熊本工場の入替用として今日でも健在、この車両と共に稼働可能な状態で保存するとなると、2両の非営業用車両を抱える事になり、電鉄の事業規模を考慮するとかなり負担も大きい気がします。

島根県・一畑電車の体験運転用車両の如く、貴重な体験を売りにすると共に沿線への集客にも貢献する車両として活用できれば、かなり有用かと思いますが、5000形営業運転引退後の去就も気になる所です。

個人的には一旦は製造メーカーにおける保存車両として綺麗に整備されたものの、後に生首晒しといっても過言ではない姿で、渋谷駅前に鎮座している同型トップナンバー車の2の舞にならない事を願いたいと思っていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方は如何お考えでしょうか?


筑豊電気鉄道 5000形電車~ちくてつ初の純新造&新型低床車

2015-03-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

今月14日には全国各地で大規模なダイヤ改正が行われ、新たに走り始めた列車なども多数あり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、これらの一部には既に…という方も少なくないと思います。

その一つが14日からnimocaを導入し、同時に相互利用対象となっている全国交通系ICカード各種も使える様になると共に新型車両も導入、同日から運行開始した福岡県内を走る筑豊電気鉄道(通称ちくてつ)で、MAKIKYUはnimoca導入後に早速乗車機会がありました。
(nimocaは通常デザイン以外に、ちくてつ導入記念デザインのカードも限定発売されており、MAKIKYUはこのカードも入手したものでした)

運行開始したばかりの新型車両も、MAKIKYUがちくてつに乗車した日には稼動しており、基本的にダイヤ固定で運用されていますので、該当ダイヤを狙って初乗車したものでした。


5000形と称する新型車両は、国内の路面電車で大きなシェアを持つアルナ車両の標準型車両をベースにした3車体連接車で、塗装を除くと一昨年MAKIKYUが乗車し、「MAKIKYUのページ」でも取り上げた阪堺電気鉄道の「堺トラム」などとほぼ同種の車両です。
(阪堺電気鉄道「堺トラム」に関する既公開記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

ちくてつは路面電車型の車両が活躍する路線ながらも、全線専用軌道の路線ですので、都電荒川線や東急世田谷線の様にホームかさ上げで対応し、特殊な低床車両ではない車両を導入する方法もあったと思います。

しかしながらちくてつが既存設備を維持したまま、新型低床車導入に踏み切ったという事は、従来車も老朽化した一部車両のみ取替え、それ以外の吊り掛け駆動車はしばらく使い続ける事を見込んでいるのかも…と感じたものでした。

装いは沿線各市や福岡県の花を連想する「ピンク」を基調としており、車内座席モケットも優先席以外はピンク色を用いているなど、従来車とは大きく異なるものとなっています。


今まで親会社・西鉄からの移籍車両やその更新車両ばかりを使い続けてきたちくてつにおいて、初の純新車となっているのも大きな特徴で、登場を記念したヘッドマークが掲げられていたのも印象的でした。

新鋭低床車だけあり、下回りもちくてつ初のVVVFインバーター制御を採用、これによって日本全国で唯一全車吊り掛け駆動車のみで運行していた路線が消滅する事にもなりました。
(もうまもなく他社で記録復活見込みですが…)


車内に足を踏み入れると、両先頭車の座席配置は低床車故に台車やモーターなどの配列に苦心した様子が感じられ、ちくてつでは唯一のクロスシートも採用されていますが、低床車両では標準的な仕様をほぼ踏襲したものとなっています。


内装に木材や木目などを多用している点も、近年各地で増殖している素っ気無い内装の新型車とは一線を画しており、好感を感じたもので、LED蛍光灯の採用なども、登場したばかりの最新型車両らしいものです。


運賃表示器を兼ねたLCDモニターも装備され、nimoca導入も兼ねて在来車両も同種のLCDモニターに更新、車内放送も英語入りになるなど、数年前にちくてつを利用した際とは随分雰囲気が変わっていましたが、LCDモニターは西鉄バスなどでも見られる汎用品です。


乗車した際の感触は概ね予想通りと言った所で、決して悪くない車両と思いましたが、前ドアが車内側に開くタイプの折戸となっており、混雑時の乗降にやや難ありと感じ、今後増備が行われるとするなら、前ドアが外開き式のプラグドアなどに改められれば…と感じたのが惜しい限りでした。

またMAKIKYUが5000形に乗車した際には、楠橋止めの電車に充当され、以前は従来車両充当の後続電車に乗り継いだものでしたが、nimocaなどのICカード利用では、乗継券などの請求をしなくても至近列車への乗継であれば、乗降時のカードタッチのみで乗継も自動認識されます。

そのため下り電車で終点の筑豊直方まで乗り通した際には、各電車の乗降時にカードをタッチするだけで差額支払い可能になったのも有難い限りで、5000形乗車狙いでちくてつに乗車するなら、筑豊中間か楠橋止めの電車を狙って乗車し、既存車両との乗り比べもおススメ…と感じたものでした。

今月北九州市内を走る交通機関を利用した際には、もう一つ取り上げたい車と感じている車両が存在しており、こちらに関しても近日中に別記事でお手取り上げたいと思います。


鹿児島市交通局100形「かごでん」~市電運行100周年記念で登場した観光レトロ電車

2015-01-27 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが鹿児島県内を訪問した際には、先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」だけでなく、鹿児島市交通局が運行する市電(路面電車)でも、観光電車に乗車する機会がありました。


市電の観光電車は「かごでん」という愛称名が付けられ、市電運行100周年となる2012年末から運行開始、この事もあってか形式は「100形」、土日祝日の昼間に運行される観光電車として4便運行しています。

平日は貸切で稼動する事はあるものの、一般列車としての運用はないだけに、余所者にとってはなかなか乗り難い列車・車両の一つですが、先月MAKIKYUが鹿児島を訪問した際には、丁度土日で絶好の機会とばかりに、初めて「かごでん」にも乗車したものでした。

「かごでん」は始発の鹿児島中央駅のみで乗車可、当日中央駅電停付近に居る係員が配布する乗車整理券(無料)を所持した乗客のみが乗車可能な定員制となっており、鹿児島中央駅→鹿児島駅までの間は降車不可、その後鹿児島駅→郡元→鹿児島中央駅の間では、下車のみ可能な運行形態となっています。

運賃は1回乗車で市電2回乗車相当の設定(大人340円)もありますが、1日乗車券やCUTE(桜島観光も含めたフリー乗車券・1日用と2日用の2種類)も通用しますので、「かごでん」以外に市内各地を廻る予定もある場合は、これらを利用した方がお得です。


電車の運行は他の市電と同様のワンマンながら、観光ガイドが乗務して沿線の観光案内などを行い、音声合成による車内放送は流れないのですが、車内には次停留所名表示(LED)も設けられており、こちらでは次停留所名表示も行われます。


電車内はレトロ電車だけあり、新しい車両ながらも比較的重厚な雰囲気、近年登場した低床電車などとは随分趣が異なります。

ロングシート主体の座席配置ながらも、一部に路面電車では比較的少数派の転換式クロスシート(MAKIKYUは熊本市電や、廃止された名鉄の岐阜市内や近郊を走る路線でも遭遇した事があります)が設けられている点は、観光電車として充当する車両ならではと感じます。


ただせっかくの転換式クロスシートも、シートピッチが狭い事に加え、足元も狭くなっていますので、長時間乗車には余り向いていない雰囲気で、ピッチはともかく足元の狭さだけは何とかならなかったものか…とも感じたものでした。

また路面電車のレトロ調車両は、鹿児島以外でも幾つかの路線で導入・活躍事例がありますが、中には下回りに新造品を用いており、電車が動き出すととてもレトロとは言い難い雰囲気の車両も存在しています。

しかしながら「かごでん」は車体こそ新調したものの、一般車両でも車体更新車を多数走らせている鹿児島市交通局だけあり、既存旧型車両から転用した足回りを用いています。


そのため電車が動き出すと吊り掛け駆動の昔ながらの走行音と振動、そして運転席を見回すと旧式のマスコンも見受けられるなど、見た目だけでなくメカ的にレトロな電車という意味でも、レトロ電車としては高評価できると感じたものです。

転換式クロスシートは1人がけが数客程度で他はロングシート、中扉は1度に2人ずつ乗車可能な幅広の4枚折戸、各種ワンマン機器も装備されており、土休日の観光電車や貸切用として運用するだけでなく、その気になれば一般運用に充当しても差し支えなさそうな気がします。

また観光列車の乗車箇所が鹿児島中央駅のみという、現行の観光電車運行形態も多少不便な気がしますので、特装車両で市内主要観光地を巡る交通局運行の観光巡回バス「カゴシマシティビュー」の如く、どの停留所でも自由に乗降できる運行形態になれば…とも感じたものでした。

車両の雰囲気は悪くないだけに、今後乗車機会を増やすためにも、観光電車としての運行ではなく、一般電車としての運行で特定ダイヤ充当に改めるのも一つの方法なのでは…と感じたものでした。


肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」(2)~イベント編

2015-01-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」に関して取り上げましたが、この列車は観光列車として大々的に告知しているだけあり、某デザイナーが手がけた車両の改装ぶりだけでなく、乗車中の食事やイベントなども大きなウリとなっています。

MAKIKYUが乗車した際も、始発の川内駅を出発して程なく「数ある観光列車の中で、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」ご利用頂き…」という案内放送が流れ、道中では様々なイベントが用意されているのですが、最初の停車駅・薩摩高城では快速列車にも関わらず、後続の定期列車(普通)に追い抜きされるという「下克上」と言っても過言ではない光景も見られます。


薩摩高城駅は駅のすぐ近くが東シナ海、甑島を見渡せるオーシャンビューポイントにもなっており、この駅で長時間停車し、係員案内による散策時間が設けられている辺りは、観光列車ならではと感じます。

同駅をはじめ、比較的長時間停車となる駅では地元特産品等の出張販売も行われ、肥薩おれんじ鉄道だけでなく沿線でも…と感じたものでした。


阿久根駅ホームでは地元高校による太鼓の披露(顔部分は画像加工:太鼓披露は毎回ではない様です)もあり、「おれんじ食堂」の車両改装にも関与した某デザイナーが絡み、大改装されてがらりと様変わりした駅舎内の見物も合わせると、20分程度の停車時間も短過ぎると感じたものでした。

 
定期列車で阿久根駅を訪問し、次の列車までの待ち時間を利用して見物しても、軽食堂も設けられている事などを踏まえると、早朝深夜でもない限りは、時間を持て余して困る事はまずないだろうと感じる雰囲気でした。


阿久根駅前には列車廃止で用途不要となった寝台列車(ブルートレイン)の客車を活用した簡易宿泊施設もあり、この寝台車脇には太鼓の披露でやって来た地元高校の車両(トラック)の姿も見受けられたものでした。
(用途不要となった寝台車を活用した宿泊施設は、他で以前利用した事もあり、設備的にはビジネスホテルなどに比べて見劣りが否めませんが、宿泊費用はカプセルホテル並みと割安ですので、機会があれば悪くないと思います)


トラック脇には高校の関係者(先生)も居り、話を伺った限りでは、阿久根駅で披露している太鼓は、1つ30kg以上はあるとの事で、トラックで高校から阿久根駅まで重たい太鼓を何個も運び込んできたとの事でした。
(トラックの撮影は許可済・ナンバー部分は画像加工しています)

川内発の「おれんじ食堂」では、最初に停車する2駅のイベント比重が大きく、その後の他駅は…と感じる面もあり、中には30秒~1分程度の停車ですぐに発車する旨の案内がされる停車駅も幾つか…という状況でした。

そこそこの停車時間が設けられている駅では、特産品の出張販売なども行われていたものの、車内で食事を堪能する事に大きなウエイトを占める列車という事も考えると、この様な運行形態になるのも…と感じたものでした。


また停車駅でのイベントだけでなく、鹿児島~熊本県境では列車が県境を跨ぐ形で一旦停車、観光列車のためだけに停車駅標識の如く「県境」標識まで設置しており、その後も車内で音楽の生演奏などが行われるなど、この様な取り組みも観光列車らしさを感じたものでした。


新八代行列車では、最後の一区間(八代~新八代)だけJR線に乗り入れる格好になりますが、八代駅では停車中に肥薩おれんじ鉄道の社長自らが列車に乗り込んで挨拶、そして発車時にはオレンジ色の手袋をした肥薩おれんじ鉄道社員の見送りもあり、鉄道会社の社長自らが現場に赴いている姿を見るのは、千葉県のいすみ鉄道以来と感じたものでした。


乗車当初は川内~新八代間で運賃の他に、1400円の指定席券は少々割高な様にも感じたものでしたが、改装された車両だけでなくミネラルウォーターボトル(薩摩川内市の甑島産)1本とコーヒー(ホット・アイス)のフリードリンク、軽菓子(クッキー)のサービスや、観光列車ならではの催しなどを踏まえると、普通列車グリーン料金+喫茶店代程度にしては上等過ぎるのでは…と感じたものです。

川内~新八代間を4時間程度かけて走る列車旅も、元々風光明媚な車窓で知られる路線である上に、趣向を凝らした車両や様々なイベントなどもあってか、時が過ぎるのはあっという間と感じた程で、「おれんじ食堂」の運行にあたっては、会社を挙げて相当な力を入れているとも感じたものでした。

先月の乗車は当日川内駅で指定席券を購入した事もあり、食事なしで座席のみの利用でしたが、見た限りではMAKIKYU以外の乗客は皆事前予約の食事込みで乗車していました。

 
写真は乗り合わせた他の乗客の方から、許可を得て撮影させて頂いた食事の一部で、食事類は一挙に提供されるのではなく、幾つかの停車で積み込み→その後に提供、また食事以外に停車駅での土産物なども多数と言う状況でした。

食事付きプランは決して安くないですが、価格に見合うだけの内容なのでは…と見受けられたもので、機会があれば他時間帯に運行する「おれんじ食堂」や、食事付きプランでの乗車も…と感じたものでした。

またローカル列車に乗車し、大改装されて様変わりした阿久根駅を視察したり、機会があれば同駅前にある寝台列車を利用した仮泊施設に宿泊するのも…と感じたものでした。


肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」(1)~車両編

2015-01-21 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、福岡~鹿児島間を運行する高速バス「桜島号」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月両都市間を移動する際には、片道は桜島号を利用したものの、もう片道は「旅名人の九州満喫きっぷ」を利用し、ローカル列車乗り継ぎで両都市間を移動したものでした。

九州新幹線にほぼ並行するメインルート(JR鹿児島本線)を辿るとなると、途中の八代~川内間は九州新幹線開業時に経営分離され、現在は第3セクターの肥薩おれんじ鉄道が運行する区間を経由する事になり、先月MAKIKYUが鹿児島(鹿児島中央)→福岡(博多)を移動する際にも、川内→八代で肥薩おれんじ鉄道を利用したものでした。

肥薩おれんじ鉄道は定期運行のワンマン列車以外に、近年では不定期運転の観光列車「おれんじ食堂」も運行しており、MAKIKYUが川内→八代を移動する日は丁度運行日、それも丁度良い時間帯を走っていました。


全席指定制で空席がないと乗車できない列車ですが、MAKIKYUの乗車日はオフシーズンの平日だけあって当日でも空席ありでしたので、座席指定券を購入して「おれんじ食堂」に初乗車、指定席券は手書き発券でした。

第3セクター鉄道をはじめとする地方私鉄では、車内でコース料理を味わう特別列車設定を幾つかの事業者で実施しており、中にはこの車両を「食堂車」と称して、時刻表でも今や見る機会が少なくなった食堂車マークが見られる鉄道もある程です。

これらは大抵、通常の定期列車にも用いている車両にテーブルなどを設置して対応しているのですが、「おれんじ食堂」は定期列車で使用していたワンマン運転対応の軽快気動車2両を、定期列車での使用を前提としない観光向けに特化した改造を施し、「おれんじ食堂」専用車としているのが大きな特徴となっています。

「おれんじ食堂」専用車は、おれんじと名乗る位ですのでオレンジ色…と言いたい所ですが、オレンジ色ではなくブルートレインを連想させる濃いブルーを基調とした装いに改められています。


塗装は既存車両と随分異なるものの、それ以外の車両形状は、外観を見た限りでは第3セクター鉄道の標準車両そのもの、また肥薩おれんじ鉄道では標準塗装車両以外に、くまモンラッピング車など様々な装いの車両が活躍していますので、見た目だけなら意外と平凡な車両に映るかもしれません。

しかしながら車内に足を踏み入れると、JR九州や両備グループをはじめ、近年それ以外でも各地の観光列車を手がけている事でも知られる某有名デザイナーが手がけた「食堂」を名乗る車両だけに、既存車両とは大きく様変わりしています。

木をふんだんに用いた内装や、様々な柄の座席モケット、至る所に見受けられるロゴや英文字などは、某デザイナーが手がけた列車なら
ではの雰囲気が漂い、JR九州の観光列車などに近い雰囲気を感じます。

座席も鉄道車両用ではなく、建物内にある物をそのまま持ち込んだと言っても過言ではないものが多数あり、座席の種類が幾つもある辺りも、最近の某デザイナーが手がけた列車ではよくある事です。

2両編成の新八代方と川内方では、座席配置なども異なっており、新八代方の車両は主に個人客向け、川内方は主に団体客向けとなっており、MAKIKYUが乗車したのは新八代方の車両でした。


トイレは新八代方車両前方に1箇所のみとなっており、海側は1+1配列の向い合わせ配置、山側は海を見渡せる方向に座席を配置した2人がけとなっており、1人での利用なら海側の進行方向座席が最も当たりなのでは…と感じます。
(MAKIKYUの乗車時は海側の進行方向座席に当りましたが、利用が多い週末などは、狙ってもなかなか確保できないかもしれません)

夕暮れ時のカップル利用などであれば、2人がけの方はカーテンも設置され、半個室感覚で利用できますので、こちらも悪くないかもしれませんが、見知らぬ乗客と相席の場合などには、やや分が悪いかもしれません。

川内方車両は、トイレ設置区画が「食堂」を名乗る列車だけに、キッチンに改められているのが特徴で、食事は基本的に車外で調製されたものが運び込まれるものの、盛り付けなどを行っている様子を見る事もできました。


こちらの客室は座席モケットが交換され、某デザイナーが手がけた車両ならではの雰囲気に改められているものの、山側のロングシートが既置、もしくは移設(元々ボックス席が設置されていた箇所)されており、新八代方車両と比べると、こちらの方が鉄道車両らしく、また種車の雰囲気がよく残っていると感じたものです。

建物内にある座席を思わせる椅子も数脚設置されていますが、ロングシートは既存車両と大差ないもので、建物内にある座席を思わせる椅子も、ロングシートと向き合う箇所は海側を見渡せませんので、新八代方車両に比べると、個人的にはイマイチと感じたものでした。
(この車両もオーシャンビューの座席数脚は当たり席と感じるのですが…)


運転席部分を見渡すと、観光列車専用車への転用で、ワンマン運賃収受時に必須の自動両替器付運賃箱は不要になったものの、両先頭側乗務員室脇の運賃箱は、色を塗り替えてそのまま設置されているのが特徴的と感じたものでした。

さすがに整理券発行機や運賃表示器などは撤去され、半室運転台構造だけに進行方向右側からの前面展望が良好な種車の特徴も維持されていますが、SL人吉号展望席の如く、子供用の小さな椅子が設置されているのも某デザイナーらしい所です。
(ただ「おれんじ食堂」は余り子供向けではなく、乗客の年齢層も割合高めかと思いますので、賛否両論が出そうですが…)


元々単行運転を前提とした両運転台車両を、2両編成で運行する観光列車に仕立て直した事もあり、2両の車両が向き合う箇所は、運転台が不要となり、その気になれば乗務員室撤去→片運転台車化も考えられなくないのですが、こちらも工場入場時などを考慮してか、一応運転台は残存している状況でした。


しかしながらこの運転台はカバーをした上で、倉庫として活用しており、新八代方車両の川内方乗務員室対面は、フリードリンク(コーヒー)の設置箇所として活用するなど、2両と言う限られた空間を有効に活用するために結構苦心している様にも感じたものでした。

また「おれんじ食堂」は観光列車だけに、車両だけに留まらず食事や様々なイベント等もウリとしているのですが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


リバイバル塗装に改められた西鉄313形~この装いなら他車両にも…

2014-06-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

今月MAKIKYUは想定外の長期休暇を確保する事ができた事もあり、今年初めての海外旅行として大韓民国(韓国)へ足を運ぶ機会に恵まれましたが、韓国へ足を運ぶ際には、先日の記事でも記した通り、MAKIKYUにとってはお馴染みの存在とも言えるJR九州高速船「BEETLE」利用でした。

MAKIKYUの韓国旅行は、仕事の都合などもあってか、夕方発で福岡前泊となる事が多いのですが、今回は珍しく出発当日の出国→釜山入りでした。

BEETLEは博多港からの出航となりますので、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、博多までは当然ながら別途手配が必要になりますが、首都圏(横浜市内)~博多(福岡市内)の移動は、現在では仕事持ちの身である上に、九州方面寝台特急も全廃されている事もあってか、最近MAKIKYUが九州や九州以遠へ足を運ぶ際には恒例となっている、1人用ビジネスパック利用による往復新幹線(直通のぞみ号限定)でした。

MAKIKYUが利用した1人用ビジネスパックでは、長距離の普通乗車券などを利用した際と同様に、JR在来線の市内区間利用も可能(下車前途無効)、新幹線の指定列車乗り遅れ時も、後続列車の自由席を利用できる救済措置もあり、道中での途中下車がなければ、通常価格よりも大幅に割安ながら、普通乗車券購入に近い感覚で利用できるのもありがたいものです。

今回の韓国行きでは日頃の疲労もあってか、MAKIKYUは当日朝に寝坊して指定列車に乗り遅れ、後続列車自由席利用という失態をやらかしてしまったのですが、それでも博多到着後は空き時間を確保していた事もあり、JR福岡市内区間乗車可能な乗車票の特性を生かして博多~和白(香椎乗換)間のJR在来線を利用し、その後和白駅で香椎線と接続する西鉄貝塚線にも乗車したものでした。

西鉄貝塚線は本線(天神大牟田線)とは路線が繋がっていないどころか、軌道幅も異なる状況ですので、使用車両も大きく異なり、本線からの経年車が様々な改造を施された上で転用され、21世紀に入ってもまだ吊り掛け駆動車が活躍する状況でした。

数年前に新宮以北廃止→路線名となっていた宮地岳を通らなくなった事もあり、路線名も「貝塚線」に改められてからは、さすがに吊り掛け駆動車は全廃となりましたが、それでも全線単線で古参車両ばかりが活躍し、政令指定都市を走る大手私鉄らしからぬ雰囲気は相変わらずです。

路線名を貝塚線に改めた今日における主力車両は、数年前まで本線でも活躍していた600形で、見るからに古めかしい印象だった吊り掛け駆動車などに比べると、遥かにモダンな印象を受ける車両ですが、それでも製造から40年以上は経過した車両ですので、大手私鉄の旅客車両としてはかなり古参の部類に入ります。

低コスト型新車の導入が相次ぎ、さほど古さを感じない慣れ親しんだ車両が次々と退役している首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、この600形でも充分注目の存在と感じる位ですが、同系に混じって313系と呼ばれる車両が、路線名を貝塚線に改めた今日でも、1編成だけ活躍しています。

この車両は1952年(昭和27年)製で、今や地方私鉄を探しても動態保存車を除くと、これだけの古参車両はなかなか…と感じる古豪です。

冷房化改造やカルダン駆動化改造など、現代のサービス水準に合わせた改造を施されながらも、今日まで活躍しているのは奇跡的と感じる程で、元々2扉だった車両を3扉に増設改造した事もあってか、異様な窓割など如何にも改造を重ねた車両といった雰囲気を漂わせているのも、この車両ならではの特徴と言えます。

相当な経年車という事もあり、現在残存する1編成も来年1月に退役する事が発表されていますが、この1編成は「リバイバル塗装車」として先月昔の装いに塗り替えられており、注目を浴びる存在となっています。

 
MAKIKYUは寝坊をやらかすという失態もあり、限られた福岡滞在時間では、乗車する時間(リバイバル塗装復元前であれば、貝塚線に改められてから同系には乗車した事もあり、宮地岳線時代には吊り掛け駆動編成にも乗車した事があるのですが…)までは確保できなかったものの、和白駅では営業列車に充当されている姿を見る事もできました。

渋い味わいを感じるツートンの装いは、某デザイナーの個性が強く出ているJR九州の車両群などとは対照的な雰囲気で、元々古めかしい雰囲気を漂わせている車両だけあって、今回のリバイバル塗装は結構似合っていると感じたものです。

313形は相当な古参車故に退役は致し方がなく、むしろよく今日まで幾種の改造を重ねながらも現役で…と感じる程ですが、来年初頭の退役予定日まで無事に走り続け、有終の美を飾る事を願いたいものです。

また貝塚線とJRが併走する区間で、全く対照的な雰囲気の両者が行き交う姿なども、なかなか面白いもので、今回のリバイバル塗装は現在貝塚線で主力となっている600形も一時期纏っていた事がある塗装ですので、今後600形でこの塗装を施した編成が出てきても悪くないのでは…とも感じたものでした。

あと韓国関連の記事に関してですが、今回は撮影画像数だけでも相当なものになり、まだ画像整理すら…という状況ですので、今月中の記事公開開始は厳しいと思います。

できれば来月上旬頃から順次記事公開を行いたいと思っていますので、韓国関連の記事をお待ちの方は、もう少しお待ち頂ければ…と思います。


岡本製作所・別府ラクテンチケーブル線~遊園地内の路線ながらも…

2014-01-07 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、北九州市内にある皿倉山へ上がる帆柱ケーブルと、山上スロープカーや山上の展望に関して取り上げましたが、先月MAKIKYUが九州へ足を運んだ際には、帆柱ケーブル以外にもう一つケーブルカーに乗車する機会がありました。

このもう一つのケーブルカーが、岡本製作所・別府ラクテンチケーブル線で、帆柱ケーブルと共に、MAKIKYUはこちらも先月初乗車となりました。

このケーブルカーは別府市内にある遊園地「ラクテンチ」の園内を運行しており、山麓のメインゲート(ラクテンチ下駅)と山上(ラクテンチ上駅)にある遊園地の間を結んでいます。

遊園地内を運行する交通機関で、基本的にケーブルカー乗車券のみの発売は行っていませんので、園内アトラクションの一つとして捉える向きもあるかと思います。


しかし運行距離は300m程度の園内短距離路線ながらも、遊具扱いではなく鉄道事業法に基づいた「鉄道」となっており、ラクテンチ下駅にはその事を示す案内板も見受けられたものでした。


ラクテンチは路線バス(亀の井バス)でのアクセスも可能なメインゲート(写真)からの入場だとケーブルカー往復乗車券込みで1200円、山上の乙原ゲート(公共交通機関の連絡はなく、自家用車での来訪者向けでケーブルカー乗車券なし)だと入場料は1000円ですが、乙原ゲートから入場した後に、ケーブルカーに乗車したいと思った場合には、乗り物券1枚で乗車する事もできます。
(ただ片道だけでもケーブルカーに乗車したい場合には、乙原ゲート入場で割安になる事はありませんが…)



入場券とセットになったケーブルカー乗車券は、発券・乗車日の記載もなく、如何にも遊園地の乗り物利用券といった雰囲気を感じたもので、写真は往路ケーブルカー乗車後、復路ケーブルカー乗車券が残存した状態の入場券と、園内乗り物などで利用できる5回分セットの乗り物券です。

乗り物券は1回分300円ですが、5回分セットの乗り物券(1枚の乗車券に5回分のパンチ箇所があり、アトラクションなどを利用毎に抜穴)が1000円→1回当たり200円ですので、メインゲートからの入場料がケーブルカー往復乗車と入場料をセットで割引していると見なせば、実質的な運賃は片道当たり200円程度では…と感じます。

ちなみにこのラクテンチケーブルは、車両こそ昭和40年代製で比較的古参の部類に入り、パンタグラフなどを見ると古さが隠せない印象を受けますが、数年前のリニューアルで近鉄生駒ケーブルの如く、如何にも遊園地の乗り物といった雰囲気になっています。


MAKIKYUが乗車した際には、往復ともに猫型の車両に当たり、発車時には係員による案内放送の前に、猫の鳴き声(?)が流れる辺りは、猫駅長で有名な某中小私鉄の車内放送(この駅長をデザインした電車が、終点となっている駅長所在駅に到着する際の案内放送冒頭で、猫の鳴き声が流れます)を思い出したものでした。


ラクテンチケーブルは典型的な交走式ケーブルカーだけあり、運行車両はもう1両活躍しており、MAKIKYUはこちらに乗車する機会はなかったものの、こちらは犬を模したデザインとなっています。


また外見こそリニューアルされたものの、車内に足を踏み入れると昭和のケーブルカーといった雰囲気が残り、近年のモダンなケーブルカーとは異なった印象は、外見とのギャップが結構大きいかと思いますが、これも趣味的には注目点と感じたものでした。


皿倉山スロープカーと山上の展望

2014-01-04 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、北九州市内を運行する帆柱ケーブルに関して取り上げましたが、このケーブルカーでは皿倉山の9合目まで到達できるものの、頂上まではあと一歩…という状況になっています。

9合目~頂上間は登山道も整備され、徒歩での移動も可能ですが、概ねケーブルカーに接続運行する形態でスロープカーが運行しています。

 
MAKIKYUが先月皿倉山に足を運んだ際には、ケーブルカーと共にこのスロープカーもセットになった往復乗車券を購入して乗車したものでしたが、片道のみの利用や、スロープカーのみでの利用も可能となっています。

片道3分程度の乗車はあっという間で、徒歩での散策が苦にならない陽気であれば、上りだけスロープカーを利用し、下りはケーブルカー乗り場まで徒歩で登山道を下っても悪くない気がします。

MAKIKYUがこのスロープカーで皿倉山頂上に到達した後は、暫くの間山上からの展望を堪能していましたが、訪問した時は天候こそ晴れているものの、若干霞んでおり遠方の景観は…という状況でした。

 
近場の若戸大橋や洞海湾などははっきりと見えたものの、関門海峡辺りになると…という状況でしたが、案内員の方から伺った話では、状況次第では遠く壱岐まで見渡す事も出来る様です。

皿倉山は昼間の景観だけでなく、夜景もまた別の趣がある様で、スロープカー乗り場も夜になると光る仕掛けもある様ですので、MAKIKYUにとっては少々遠方故に皿倉山周辺の訪問自体も限られるものの、機会があれば夜景を堪能できる時間帯にも…と感じたものでした。
(ただ皿倉山ケーブルカーやスロープカーが夜遅くまで運行している日時は限定されており、早々と運行終了となる日も多いのは要注意です)

この皿倉山へ向かうケーブルカーに乗車するには、鉄道駅からは結構な距離があり、公共交通機関利用の場合は路線バス利用が必須ですが、都市高速上にある「高速帆柱ケーブル」バス停を利用すると、徒歩5分程度と案内されている事が多いですが、その気になれば2~3分で…という印象を受けたものでした。

そのため高速帆柱ケーブルバス停を利用できれば、アクセスとしては最も至便かと思いますが、このバス停を発着するバスの大半は高速バスいとうづ号(福岡・天神~小倉・砂津)で、一般路線バスはラッシュ時間帯の小倉~香月快速便などが僅かに発着するだけなのが難点です。
(いとうづ号はエルガなども充当される座席定員制・整理券方式の短距離高速バスで、nimocaなど各種ICカードも利用できますので、一般路線バスに近い感覚で利用できますが、北九州市内区間のみの乗車(小倉~高速帆柱ケーブルなど)でも北九州市内西鉄バス1日乗車券の通用対象外ですので要注意です)

他に「帆柱登山口」バス停を利用する方法があり、こちらは枝光駅をはじめ、八幡駅や黒崎駅などからのアクセスも可能で、MAKIKYUが皿倉山を訪問した際には、こちらを利用したものでした。

こちらはバスを下車してからケーブル乗り場までは、上り坂を10分程度歩く事になり、道程の分かり易さと言う点でも、高速帆柱ケーブルバス停利用に比べると…という状況ですが、一般路線バス故に北九州市内西鉄バス1日乗車券が通用するというメリットもあります。
(高速帆柱ケーブルバス停利用でも、運行本数の限られる香月快速を狙えば1日乗車券も活用できますので、往路は香月快速の運行時間に合わせて行動し、帰りは帆柱登山口バス停利用と言うのも悪くない方法かもしれません)

ちなみにMAKIKYUが皿倉山を訪問したのは平日でしたが、土休日限定で八幡駅から無料シャトルバスも運行しています。


モダンな印象のケーブルカーや、白いスロープカーのイメージとは程遠い派手な装いのマイクロバスを用いており、MAKIKYUが皿倉山を訪問した際には、山麓駅に駐車している姿を目撃していますが、上手く運行日・時間帯に当たれば、このシャトルバスを利用するのも
悪くないかもしれません。

またMAKIKYUが先月九州を訪問した際には、他にもう一つ未乗だったケーブルカー路線にも乗車する機会があり、こちらに関しても近日中に追って取り上げたいと思っています。


(お断り)スロープカーは「鉄道」には含めないと考えている方も多いかと思いますが、帆柱ケーブルの続編記事という事もあり、この記事は「鉄道」カテゴリー扱いでの取り扱いとさせて頂きます。


北九州・帆柱ケーブル~現行車両は10年以上前に導入されているのですが…

2014-01-01 | 鉄道[九州・私鉄等]

あけましておめでとうございます。

今年も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。

今日から2014年、新しい1年が始まりましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は、どの様な1年を…とお考えでしょうか?

MAKIKYUは昨年国内全47都道府県訪問を達成し、国内鉄道路線も大半は乗車している状況ですが、それでも未訪問の土地や、未乗の交通機関は国内だけでもまだ多数存在しますので、機会があれば今年も様々な所へ足を運び、ブログでも取り上げる事が出来れば…と思っています。
(国内・海外問わず「空を飛ぶ」旅行は、個人的には勘弁願いたいと思っていますが…)

今日・元旦は初日の出見物や初詣などに出向かれる方や、家族揃って自宅で団欒、或いは旅行に行かれている方など、様々な過ごし方があるかと思いますが、MAKIKYUは新年早々、今年は元旦から出勤です。

MAKIKYUは近年は初詣などに足を運ぶ事も…という状況ですが、各地の神社などは大勢の初詣客などで賑わい、その周辺の公共交通機関も増発運行を行うなど、正月は交通関係も各地で日頃と異なる姿が見られるのが大きな特徴です。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、この様な交通機関を追い求めて…という方も居られるかと思いますが、全国各地のケーブルカーでは走行路線や車両などは平時と同様ながらも、初日の出見物や初詣客輸送などで日頃営業運行を行っていない時間帯に運行を行ったり、通常より運行本数を大増発している路線が多数存在します。

「MAKIKYUのページ」では1月程前に、東京都の御岳登山鉄道に関する記事を取り上げ、この路線も山上側に神社が存在する事もあり、大増発運行が行われる路線の一つですが、その後MAKIKYUは先月にも未乗だったケーブルカーに乗車する機会がありました。

先月乗車したのは、福岡県・北九州市内を走る「帆柱ケーブル」で、感の良い方はリンク集の「★」マークが消えている事で、MAKIKYUが先月帆柱ケーブルに乗車した事に気付いた方も居られるかもしれません。

この帆柱ケーブルは、皿倉山の山上に神社などは存在しないものの、山上で初日の出を迎える需要に応えるため、元旦は早朝から臨時運行を行う旨が案内されています。

先月MAKIKYUが帆柱ケーブルに乗車した際には、天候は比較的良好な日だったものの、乗車日が平日だった事もあってか、ケーブルや山上などは空いていました。
(案内員の方から伺った話では、天候の良い土日などは結構な混雑になるとの事です)

11月に乗車した御岳ケーブルは、天候の良い土休日の訪問と言う事もあってかなりの混雑、先月の帆柱ケーブル乗車時とは対照的な状況でしたが、車両面でも帆柱ケーブルはスイス製の車両を用いている事もあってか、モダンな雰囲気が漂っているのが特徴で、この点も1月程前に取り上げた御岳ケーブルとは大きく異なります。

ただ現行車両の導入は2001年と10年以上前の事で、御岳ケーブルの現行車両よりは古い車両(それでも全国各地を走るケーブルカーの中では新しい部類です)ですが、御岳ケーブルの車両が敢えて先代車両のデザインを意識している事も大きいかもしれません。


またデザイン面でモダンな雰囲気が漂うだけでなく、充電式でケーブル路線内に架線が張られていない事も、他では余り見られない大きな特徴の一つと言えます。


ちなみに現行運行車両は交走式ケーブルカーという事もあり、交走式ケーブルカーではお馴染みの、色違いの2両が交互に運行される形態となっており、黄色い「はるか」と青い「かなた」の2両が活躍しています。


MAKIKYUが帆柱ケーブルに乗車した際には、往復で車両を変えて乗車したものでしたが、2両は外観塗装だけでなく、車内も座席フレームの色彩などに差異が見受けられるのが特徴です。

この車両の座席、スイス製という事もあってか、ヨーロッパから輸入したライトレール車両や連接バス、中国で走っている路線バス(欧州メーカーとの合弁製作車や模倣車両が多数活躍)に何となく似た印象を受け、日本国内では結構インパクトの強い部類に入るかと思います。
(九州は某デザイナーの大活躍などもあり、インパクトの強過ぎる座席がゴロゴロしていますので、これでも彼の地では平凡に見えてしまうかもしれませんが…)

また皿倉山では帆柱ケーブル以外に、山上を走るスロープカーの運行もあり、このスロープカーや山上の展望などは、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


沖縄都市モノレール「ゆいレール」(設備編)

2013-06-29 | 鉄道[九州・私鉄等]

現在沖縄本島を運行する唯一の鉄道となっている「ゆいレール」、今後浦添市内まで延伸予定があるものの、他に延伸や他路線の建設・
開業予定は聞かず、当分沖縄唯一の鉄道として走り続ける事になりそうです。

その運行車両に関しては、先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、専ら2両編成のモノレールが全区間各駅停車で運行するだけの、最も単純な運行スタイルとなっており、設備面でも跨座式モノレールの典型と言った雰囲気を感じます。


MAKIKYUが最初にゆいレールに乗車したのは、那覇バスターミナル最寄駅にもなっている旭橋駅から、この駅は那覇バスターミナル前駅と言っても過言ではない立地です。


駅自体は駅舎・駅構内などに特に沖縄らしさを感じる事はなく、他の跨座式モノレールと大差ない気がしますが、ホームドアが完備されているのは、ゆいレールが今世紀になってから営業開始した比較的新しい路線だけあると感じます。


旭橋駅では案内表示なども至って平凡な印象を受け、入線した列車に乗車しないと沖縄らしさを感じる事は…という所ですが、ゆいレールの終点・首里駅の駅名標示板は土地柄を感じさせるもので、他の駅も含めてこのデザインでも…と感じる所です。
(ただ沖縄ならではの高温多湿、温暖な気候だけでも、本州人にとっては日常とは違い過ぎる環境ですので、写真では余り沖縄らしさを感じられなくても、実際に足を運べば沖縄へ来た事を実感できるかもしれません)

ちなみにMAKIKYUがゆいレールに乗車した際には、乗車前に那覇バスターミナルで調達したゆいレール・那覇バス(那覇市内)が乗り放題で1000円の「バスモノパス」を利用したのですが、ゆいレールは全駅で自動改札機が設置されているものの、この乗車券はスクラッチ式で利用日を削る方式の非磁気化券ですので、自動改札脇の有人通路を利用する事になります。
(バスモノパスは那覇バスだけでなく、ゆいレール各駅でも購入可能です)

またゆいレールではバスモノパス以外にも、自社線専用の1日乗車券も発売しており、こちらは自動改札機対応の磁気券ですが、バスモノパスとは異なり、日本国内の公共交通機関で発売している1日乗車券にしては珍しく、入場時から24時間利用可能となっているのが大きな特徴です。

仮に昼12時に使い始めた場合、翌朝でも利用できるのが大きな特徴で、首里城などの入場料割引特典(バスモノパスは適用外)もありますので、単純に1日乗車券として考えるなら、ゆいレールの他に那覇バス(那覇市内の大半は220円均一)を2回以上利用するならバスモノパスの方が…と考えてしまうかもしれませんが、使い方次第ではゆいレールのみの1日乗車券を利用した方が割安になる場合もあります。
(ゆいレールでは1日乗車券以外に2日乗車券(48時間有効)の設定もあり、那覇バスの那覇市内路線バスのみ利用可能なフリー乗車券
設定もあります)

そしてこの乗車券を利用して最初に向かったのは赤嶺駅、ゆいレールが運行している沖縄本島自体が、日本国内では特異な立地ですので、その最南端の駅は日本最南端の駅となっています。

ゆいレールは昼間でも10分毎程度と、都市内鉄道だけあって比較的至便で、途中下車して1~2本後の列車に乗車するのも容易ですので、沖縄へ足を運んだ暁には、鉄道ファンであれば是非訪問したい駅と言えます。
(これが「JR日本最南端の駅」ともなれば、列車本数が僅少ですので、途中下車して1本後の列車となると、かなり厄介な話になるのですが…)


赤嶺駅の駅舎や駅設備自体は、特に変哲のない都市近郊モノレールの典型と言った感がありますが、駅構内にはきちんと日付入りで記念撮影用ボードも設けられており、このボードと共に写った訪問記念撮影も、同行者がいない一人旅などの場合、駅係員の方に頼む事も出来ます。


改札を出て駅ロータリーに出ると、社名表記などのない正真正銘の「日本最南端の駅」を示す標柱もあり、「N 26°11′36″ E127°39′38″」と記された経緯度を見ると、時計時差のない日本国内とは言えども、日頃首都圏に身を置くMAKIKYUとしては、随分遠くまで来たものと改めて実感させられます。
(南九州の鹿児島からでも730km強、フェリーで丸1日を要しますので、首都圏からは韓国などへ足を運ぶよりも遥かに遠く、はるばる遠く沖縄まで足を伸ばすのは、異国へ足を運ぶも同然です)


赤嶺駅に立ち寄った後は、隣駅でゆいレールの起点にもなっている那覇空港駅へ向かったものでしたが、こちらもゆいレールの特異な立地が影響し、日本最西端の駅となっており、改札脇には日本最西端を示す標柱が壁面に埋め込まれています。


那覇空港駅の駅舎は、東京モノレール羽田空港国際線ターミナル駅程の至便性はないものの、連絡通路を介して空港ターミナルビルと直結しており、航空利用者にとっては随分便利にできています。

MAKIKYUが沖縄入りに利用し、1系統だけの路線バス(那覇バス101番)も本数僅少、おまけに運行時間帯が限定されて休日は全便運休となり、この路線が利用できない場合は安謝橋まで20分程度の徒歩移動か、タクシー利用を余儀なくされる那覇新港(安謝)の交通利便性の悪さに比べると、同じ那覇市内にある本州や九州方面から沖縄への玄関口にも関わらず、利便性には雲泥の差を感じます。

とはいえ再び沖縄本島を訪問する機会に恵まれるとするならば、利便性の悪い那覇新港利用に固執する気はありませんが、個人的にはこの駅から沖縄旅行が始まる事がなく、また最西端に向かってゆいレールに乗車できれば…と感じています。
(勿論沖縄旅行のフィナーレをこの駅で迎えるのも、個人的には勘弁願いたいものです)

また那覇空港駅へ到達した後は、徒歩10分程度の沖縄都市モノレール本社(車両基地)内にある資料館などを視察し、今度は首里までの全区間を乗り通したものでしたが、資料館は土休日閉館となり、平日昼間のみの開館ですので、訪問希望の方は要注意です。
(那覇空港駅からのアクセスは、那覇空港駅にも案内があります)


沖縄都市モノレール「ゆいレール」(車内編)

2013-06-26 | 鉄道[九州・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたゆいレールは、現段階では那覇市内のみを運行しており、全線乗り通しても30分程度、専ら短距離の都市内移動に用いられる路線と言う事もあり、日本の都市交通では一般的なロングシート主体の座席配置となっています。


しかしながら運転台背後だけはクロスシートが設置され、この部分は床も若干段上げされているなど、都市内交通機関ながらも観光客などが乗車した際に、少し嬉しく感じる展望区画が存在している点は、機能性ばかりを追及して無機質な印象の都市鉄道が多い中で、評価に値すると感じます。
(余りクロスシートが多いと、今度は混雑時の車内流動などに問題が生じますので、現状の設備や路線特性などを踏まえると、クロスシートの設置数や配置区画も、妥当な気がします)

座席自体はロングシート・クロスシート共にほぼ同タイプで、設置方向を変えただけと言う印象がありますが、客窓が大きい事も影響してか、背もたれが非常に低いのが大きな特徴です。

座席の座り心地も「薄く硬い」もので、ベンチにモケットを貼っただけと言っても過言ではない雰囲気ですが、市内交通機関で全線乗り通しても30分程度、短時間乗車が多い路線である事を考えると、充分許容範囲と感じます。

硬さだけならば一部乗客からは「ベンチ」とも言われ、JR某社が最近登場させた新型一般型電車で採用している木材をふんだんに用いたハイバックロングシートと比べても…という部類ですが、こちらは背もたれが小さいために、余り腰に干渉しない事もあり、見た目の豪華さや華やかさこそJRのロングシートに劣りますが、実質的な座り心地という観点では上等な印象があり、材質だけでなく形状も座席の座り心地に大きく影響する事を痛感させられます。
(逆に余り軟らか過ぎる座席も考え物で、首都圏の標準軌某大手私鉄で最近増殖している「ブカブカ」したロングシートに比べれば、好みが大きく分かれる木材をふんだんに用いたJRのハイバックロングシートや、首都圏の一部鉄道で導入され、「岩」などと言われている座席でも個人的にはまだ評価できると感じていますが…)


導入年次や座席形状などを踏まえると、座席支持方法は最近流行の片持ち式でも不思議ではない気がするのですが、座席下に空間が確保されるタイプではないものの、普通ならその場合足元にあるはずのヒーターが見受けられず、暖房関係が貧弱に感じられるのは、高温多湿でまず降雪など考えられない南国の車両ならではで、日本の鉄道車両にしては珍しいのでは…と感じます。

またドア付近を見渡すと、ドア上に千鳥配置された案内表示装置は次駅などが点灯するマップ式のみ、最近の車両にしては簡素な印象があり、LEDやLCDモニターが見当たらないのは、運行系統が単純な路線と言う事も影響している気がしますが、今後浦添方面へ延伸されるとなれば、その際にはLCDモニターなどに取り替えられるのかも気になる所です。


そしてドア横の手すりは、首都圏の一部通勤電車など、A-Train標準仕様車でよく見受けられる柱を兼ねた特徴的なもので、実際に持つとなると…という代物です。

つり革配置も前後方向のみで関西の電車などに近い見付けですので、見た目は悪くないものの、混雑時の機能性という観点では…という印象を受けます。

内装も割合シンプルながらも、荷棚も特徴的な形状をしており、化粧板は車端壁面だけ随分明るい色を採用、ドア部分も色彩を変えているなど、無造作な印象ではなくデザイン面での配慮も伺えます。

市内交通機関だけあって豪華さはなく、シンプルで機能性を配慮しながらも、デザイン面での配慮も怠っておらず、遠方から訪問した旅客が乗車した際にも印象に残る車両となっている点は、沖縄では久々の旅客営業鉄道となったゆいレールの意気込みが…と感じたものです。

ゆいレールは路線特性や開業からの月日が浅い事、車両のバリエーションが限られる点など、趣味的な面白さという点では…という印象
があり、乗る事自体を目的とするよりは、都市内交通機関としての迅速さや定時制といった利便性が評価される路線と言う印象があります。

そのためゆいレール乗車だけを目的に、本州などからはるばる沖縄まで足を運ぶのは厳しいかと思います(鉄道以外の魅力は色々あり、
他の目的と合わせての訪問となる事が大半かと思います)が、国内では特異な環境の地を走る車両ならではの特徴などもあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も沖縄へ足を運ぶ機会がありましたら、一度は是非乗車を…と感じたものです。


沖縄都市モノレール「ゆいレール」(外観編)

2013-06-24 | 鉄道[九州・私鉄等]

4月にMAKIKYUが沖縄県・沖縄本島を初訪問、晴れて国内全47都道府県訪問達成となりましたが、その際には当然ながら沖縄本島を走る唯一の鉄道・沖縄都市モノレールにも乗車し、国内全47都道府県での鉄軌道乗車も達成しています。
(その代わり海外はまだ2カ国しか訪問しておらず、訪問国が増える見込みも当分ないのですが…)

「ゆいレール」という如何にも沖縄らしさ(奄美辺りでもアリかもしれませんが…)を感じさせる愛称名が付いたモノレールは、沖縄を訪問した事がなく、正式な社名を知らなくても愛称名だけは聞いた事が…という程の知名度がありますが、東京都内の某新交通システムの様な社名変更にまでは至っていません。

新しい路線と言う印象がありますが、8月で開業から10周年を迎え、永らく鉄道の走っていなかった沖縄でも、那覇市内の移動手段としてはすっかり定着しています。

現在の運行区間は那覇空港~首里間、今後首里以遠で浦添市内まで延伸する計画があるものの、現段階では那覇市内のみの運行となっています。

基本的に途中駅始発・止めの列車はなく、全列車が全区間運行する各駅停車という単純明快な運行形態は、開業時から変わっておらず、始発駅の那覇空港を除くと行先毎に発着番線が固定されている事もあってか、車両の車外に行先表示が見受けられないのも特徴です。


車両は1000形と称する1形式のみ、開業から日が経ってから1編成増備されていますが、現在2両編成で運行している各編成はどれも大差なく、多くの路線と多彩な車両バリエーションを誇る沖縄本島各社の路線バスに比べると、趣味的ない面白さと言う点では見劣りが否めません。
(MAKIKYUは残念ながら遭遇機会がなかったのですが、後に増備された1編成は若干のマイナーチェンジが行われている様です)

 
濃淡グレーをベースに赤いラインが入る装いが標準塗装で、この装いの編成に当たる事が大半ですが、中には首里城などのデザインを施したラッピング編成も存在しており、車種面でのバリエーションに乏しいゆいレールにおいて、彩を添える存在となっています。

車内の様子などに関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


肥薩おれんじ鉄道・くまモン列車~車内ではくまモンのご乗車も…

2013-05-08 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月沖縄本島への訪問を果たし、晴れて国内全47都道府県訪問達成となったMAKIKYUですが、その際には沖縄への道程は往復共に鹿児島発着航路を利用したもので、首都圏~鹿児島までの往復は使い慣れたJR利用でした。
(個人的には利用実績のある交通機関をメインに利用しており、+αでフェリーを組み合わせただけですが、新幹線やフェリーを利用して奄美・沖縄へ足を運んだ旅行の話をすると、中には鹿児島発着航路の存在を知らず、意外に感じて驚く声もありました)

JR往復は首都圏~福岡市内間の往復新幹線利用(直通のぞみ号限定)となる日本旅行のビジネス向けパッケージ(博多のホテル1泊込みでも、JR往復定価より大幅に安く、指定列車に乗り遅れても当日中なら後続列車の自由席が利用できるなど、利用価値の高い商品です)を利用したものでした。
(パッケージの宿泊は1泊のみで、帰着日を2週間程度まで伸ばす事ができますので、最近MAKIKYUが九州や韓国へ足を運ぶ際には、よく利用している定番商品ですが、首都圏でのJR九州高速船「BEETLE」知名度が意外と低い事もあり、MAKIKYUの周囲で韓国旅行にこの商品を活用した話を聞かないのは残念な限りです)

福岡県内~鹿児島(鹿児島中央)間の往復も、片道は新幹線2枚きっぷのバラ売りを利用し、九州新幹線に乗車したものの、青春18きっぷの数に余裕があり、利用期限が迫っていた事や、鹿児島のフェリー出航が夕方で時間的余裕が若干あった事から、往路片道は普通・快速列車乗り継ぎで移動したものでした。

福岡県内~鹿児島市内をJRで移動する際には、肥薩線経由などの経路もありますが、かつては鹿児島本線の一部だったものの、九州新幹線部分開業後は経営分離された八代~川内(Sendai)間の第3セクター・肥薩おれんじ鉄道には久しく乗車していなかった事もあり、多少の時間短縮も兼ねて同線経由で移動したものでした。

青春18きっぷは肥薩おれんじ鉄道で通用しないものの、18きっぷ利用者向けに「おれんじ18フリーきっぷ」が設定されており、18きっぷを提示すると購入できる2000円のこの乗車券は、八代~川内間の片道利用でも普通運賃より割安になりますので、この乗車券を利用して乗車したものでしたが、最近運行開始した観光列車「おれんじ食堂」には、別途料金を支払っても乗車できませんので要注意です。
(ただ「旅名人の九州満喫きっぷ」や、通常のフリーきっぷを利用する場合は、おれんじ食堂の2号車(リビング・カー)には別途料金追加で乗車可能となっており、乗車券により取り扱いが異なりますので要注意です)

そして八代駅でおれんじ18フリーきっぷを購入し、出水(Izumi)行きの列車に乗車し、その後乗り継いで川内へ向かうのですが、出水行きの列車は希少な転換式クロスシートを装備した特別仕様車の登板を期待したものの、残念ながら通常のセミクロスシート車(クロスシートは固定式のボックス配置)、そして出水から乗り継いだ列車も同様で、MAKIKYUはまだ肥薩おれんじ鉄道の特別仕様車には当たった事がありません。


しかしながら八代~出水間で乗車した列車は、これまた1両しか運行していない熊本県PRのゆるキャラ・くまモンをラッピングした車両でした。

一応運行予定がHPでも公開されていますが、特に運用も確認せず、たまたま乗車した列車がこの車両と言うのは、特別仕様車ではなくても、好み次第ではアタリと感じるかもしれません。


このラッピング車両に乗車すると、設備的には通常のセミクロス車と同様で、座席モケットも通常仕様でしたが、外観だけでなく、車内も広告枠やシートカバー、そして天井など至る所にくまモン・くまモン・くまモン…


「熊本が好きだモン」「列車が好きだモン」「トイレはここだモン!」など、車内はくまモン尽くしとなっています。

まだこれだけなら、ゆるキャラをデザインしたただのラッピング列車と感じる方も居られるかと思いますが、広告枠の掲示や貼付ステッカー類だけでなく、車内には実際にくまモンがご乗車になっているのも特徴で、途中駅の停車中には、その滑稽な姿を持参の携帯等で撮影している乗客の姿もボチボチ…という状況でした。


くまモンの図体は結構大きく、ロングシートを占拠しているくまモンは、バケットシートの1人分区画以上、「メタボだモン」とでも言いたくなる有様です。

こんな巨漢が仮に首都圏の小田急線や東急田園都市線、地下鉄東西線辺りの朝ラッシュ時で、都心方向へ向かうワイドドア車や多扉車による優等列車などにご乗車ともなれば、遠距離通勤者からのクレーム殺到は免れないかと思いますので、ローカル線ならではのほのぼのとした取り組みと感じます。

九州では某デザイナーによる凝ったデザインや、木材など独特な素材を多用した列車が目を引き、鹿児島までの道中でも、JR普通列車で牛革をモケットに用い、座席フレームの一部に合板を用いているなど、非常に独特な雰囲気の車両にも当たっています。

しかしながら全国各地で類似車両が多数活躍し、ありふれた感のある標準仕様車両でも、このくまモン列車などは客層次第では結構な
価をされるのでは…と感じたもので、MAKIKYUも仕事先の知人に旅行中の写真を見せたら「この写真が欲しい」という要望が出た程でした。
(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、もしこの記事で公開している画像を元サイズで希望される方が居られましたら、メールにて問い合わせ頂ければ対応致します)

また他の第3セクター鉄道などでも、混雑対応などで差支えが出ない路線で、このくまモンの様にキャラクターがご乗車…となれば、キャラクターを求めて乗車するといった動きも出てきても…と思いますが、この様な取り組み事例が他にどの程度存在するのかも気になる所です。


西鉄電車の玉突き節電策~両数減によりイレギュラー編成が続々と…

2012-08-04 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月MAKIKYUが韓国(釜山)行き高速船に乗船するために立ち寄った福岡では、先日の記事で取り上げ、今春になって走り始めた篠栗線の新型車・817系2000番台電車をはじめとするJR線だけでなく、九州唯一の大手私鉄として知られる西日本鉄道の鉄道線(西鉄電車)・天神大牟田線にも乗車する機会がありました。

九州では節電対策のために、JR九州でも一部列車の運休や両数減での運行を行っていますが、西鉄電車でも一部列車の編成を1両減車する節電策を実施しており、この影響で日頃見られないイレギュラーな編成が続々と見られる状況になっています。


この節電策は電力使用量がピークとなる平日昼間を中心に行っており、通常平日昼間は6両(特急)・5両(急行)・4両(普通)で運行している各種別の一部列車が、5両(特急)・4両(急行)・3両(普通)に減車されており、各駅の発着案内に表示される列車両数などを見ると、日頃見慣れない表示に少々違和感を感じます。

車両数の減車も、1両単位での組替が容易な気動車や客車であれば、単純に1両抜き取るだけで済みますが、編成単位での運行となっている電車の場合は困難な話ですので、特急用の8000系(6両)の一部は運用を離脱し、通常は主に急行で運用される3000系5両の一部が特急に充当、普通運用で充当される4両編成の3・4扉車の一部が急行に充当と、玉突き式にイレギュラーな運用に廻される格好となっています。


その中でも5両の特急は、豪華さこそなくシンプルな印象を受ける車両であるものの、転換式クロスシートを装備し、設備的には福岡(天神)~大牟田間1時間を乗り通しても充分と言える3000系車両が充当され、競合するJR快速と比べても、設備的には遜色ないと言えます。

最新鋭のVVVF車+電動車数の少なさ(8000系6両は4両が電動車なのに対し、同系5両では2両)で長距離を走る事もあって、節電面では大いに効果を発揮するかと思われ、世相を考えると妥当な施策と感じます。


急行の4両編成は、日頃普通で活躍している3・4扉のロングシート車各種が充当され、特急に廻された3000系5両の穴を埋める格好になっていますが、3扉車5000系などは抵抗性御車で消費電力量も大きく、この車両の充当自体は3000系5両よりも却って消費電力量が増大するかと思われます。

5000系の急行自体は、もう少し長い編成であればラッシュ時間帯や検査代走時などに存在し、3000系が数を増やす前であれば通常時でも時折…という状況でしたので、趣味的にも余り有り難味は感じませんが、4両のVVVF車編成数が限られている状況では、致し方ない事と言えます。


また4両編成で運行している急行の中には、通常は主に2両で甘木線~大牟田方面直通のワンマン列車に充当され、少数が2編成併結の4両編成で福岡近郊の普通で活躍する4扉車7000系も紛れており、MAKIKYUが普通(ワンマン列車を含む)以外で活躍する同系の姿を見かけたのは初めてでしたので、この編成は趣味的に注目と感じたものでした。

そして3両編成での運行となる普通では、6両の8000系を3両ずつに分割できれば、非常に分かりやすい車両数減少策になるのですが、同系は6両固定編成のためにこの方法は使えません。

ただ西鉄電車ではラッシュ時間帯に4両編成と組み合わせ、7両編成で運行するための増結用途に用いる3両編成の3・4扉車が多数在籍しており、通常昼間は車庫で休んでいる編成が大半という状況ですが、この車両を普通に動員する事で対応しています。

そのため近年は基本的に4両編成以上での運行となっている西鉄電車(天神大牟田線)の福岡近郊で、通常は見られない増結用3両の単独編成が多数出没しており、見慣れない短い編成は少々違和感を感じると共に、通常ならどの編成の列車でも停車する位置で待っていた乗客が、手前で停車した列車に慌てて乗り込む姿などは、イレギュラーな編成ならではと感じたものでした。


この3両編成には、抵抗制御の5000系も多数動員されており、同系の場合は通常の4両から1両減車しても電動車数は変わらず、節電効果は余り大きくない気もしますが、通常運行時の「特急8000系6両・急行3000系5両・普通5000系4両」を、「特急3000系5両・急行5000系4両・普通5000系3両」(8000系と5000系は外観や客室設備は大きく異なるものの、機器類は類似した抵抗性御車)に置き換えた場合、消費電力も大きい抵抗制御車の電動車数が6→4両に減少できますので、全体での節電という点では、それなりの効果を発揮していると言えます。

西鉄電車の様な1両減車の玉突き節電策は、他鉄道で実行できそうな路線は余り思い浮かばず、単純に増結車を切り離す両数減(通常は4両+2両の6両編成で運行している列車を、2両切り離して4両で運行するなど)とは異なる施策は、他に追随する鉄道が現れるのか気になる所です。