一昨日(25日)は先月上旬(9月3日)に実施された平成29年度国内旅行業務取扱管理者試験の合格発表があり、アクセスが集中した事もあってか、全国旅行業協会の公式HPになかなかアクセスできない状況が続いていました。
(現在はアクセス可能です)
MAKIKYUは東京都内でこの試験を受験し、試験後に公表された模範解答と照らし合わせた自己採点では一応合格できそうと踏んでいましたが、一昨日公式発表ページにアクセスできない事もあってか、数日中に郵送で送付される結果通知を見るか、後に全国旅行業協会のHPに再度アクセスするか…と思っていました。
そうしたら程なく昨日早速全国旅行業協会から簡易書留の郵送物が自宅宛に到着、全国旅行業協会の法人名が印刷された封筒には「国内旅行業務取扱管理者試験合格証在中」という印刷もされていました。
封筒を開けると中にはクリアファイルに入った挨拶状と国内旅行業務取扱管理者試験合格証の2点が入っており、合格者証には一昨日の日付と共に「会長 二階俊博」の名前も記載。
MAKIKYUは現段階で旅行業界に従事する予定はなく、国内旅行業務取扱管理者試験は3科目の中で国内旅行実務は特に試験対策をしなくても、残る2科目(旅行業法及びこれに基づく命令・旅行業約款、運送約款および宿泊約款)の試験対策を講じれば何とか取れそう…という事で受験した次第です。
受験前も1月以上海外へ出向いている状況でしたので、試験対策も旅行前に市販のテキストに一通り目を通した以外は、中国から帰国する際に乗船したフェリー内と、9月に入ってからの1夜漬け状態(これも徹夜はしていませんが…)で問題集を解く程度だけという事もあってか、「旅行業法及びこれに基づく命令」に関しては、自己採点では60点台という有様でした。
各科目共に60点以上で合格となり、総合得点が高くても60点を下回る科目が一つでもあると不合格になりますので、この点は分野毎の最低点数が低い運行管理者試験などに比べるとやや難易度が高く、また試験自体が毎年1回しか行われないのも厄介と感じます。
とはいえ試験対策も充分とは言い難い状況でも「旅行業法及びこれに基づく命令」で60点台、他2科目が80点台で一発合格でしたので、一度不合格となり2回目の受験で今春合格した危険物取扱者試験(乙4類)に比べると、個人的には試験難易度は低い部類なのでは…と感じたものでした。
得手不得手の個人差は大きく、国内旅行業務取扱管理者試験では法令や約款よりも国内旅行実務の方が厄介という向きもある様ですが、既に国内旅行業務取扱管理者試験合格証や、更に上級資格とも言える総合旅行業務取扱管理者試験合格証をお持ちの方、そしてこれらの資格を持ち、旅行業界で国内旅行業務取扱管理者や総合旅行業務取扱管理者として選任されている方をはじめ、今年試験を受験された方や過去に受験した事がある方などで試験に関して気になった事、思い出話などありましたらコメントもどうぞ。
先日小田急では海老名車両基地で毎年恒例となっている「ファミリー鉄道展」が開催され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、実際に海老名まで足を運ばれた方も居られるかと思います。
小田急は今夏保存車両解体騒動(複数両保存している形式の一部号車を解体し、車庫のスペースを捻出)もあり、ファミリー鉄道展の様なイベント開催だけでなく常設博物館設置を求める声も少なくない状況ですが、現段階では特に博物館建設に向けたリリースなどはなく、先日開館10周年が報道された(さいたま市の)鉄道博物館と共に「バーチャル鉄道博物館」が開館10周年を迎えています。
しかしながら小田急では有償の博物館程の規模はないものの、複々線事業工事の最終段階に入っている世田谷代田駅構内(改札内)に今春「小田急環境ルーム」を開設しており、小田急線の電車内でもこの環境ルームに対する案内などが告知されています。
MAKIKYUも今月、開設から半年強が経過した小田急環境ルームを視察する機会があり、小田急電鉄係員によるガイドツアー(要予約)に参加したものでしたが、ガイドツアー開催日と日程が合わない場合や、急に環境ルームを視察したくなった時でも、環境ルーム自体は世田谷代田駅の営業時間内なら何時でも見学可能です。
この小田急環境ルームでは小田急電鉄が取り組んでいる環境負荷低減に対する取り組みなどをはじめ、複々線事業の最終段階に入っている東北沢~下北沢~世田谷代田間の概略を示した模型などを見る事も出来ます。
ガイドツアー参加時は回生ブレーキ模型の操作、小田急が騒音対策として積極的に導入している防音車輪とそうでない車輪の叩き比べ、小田急電鉄の環境に対する取り組みを紹介したビデオなどを見る事も出来ます。
(車輪の叩き比べはガイドツアー参加者以外でも、自分でハンマーを持参すれば可能です)
回生ブレーキ模型はノッチ進段数に応じて電流計が変動するなどの高度な仕掛けはなく、一般向けに回生ブレーキの仕組みを分かり易く実感するためのものという印象でしたが、運転台自体は30000形EXEと同等との事です。
またガイドツアーでは環境ルームの展示視察だけでなく、まだ新しい駅舎になってから数年の世田谷代田駅構内の環境対策などに関する案内もあり、最後にはクリアファイルやエコ軍手、エコ石鹸などの視察記念品も進呈。
(エコ石鹸はVSE絵柄の包装・SE車絵柄のエコ石鹸は先日のファミリー鉄道展スタンプラリー達成賞として配布されたもので、対比用として並べています)
小田急ファンや世田谷代田駅の近隣在住者をはじめ、そうでなくても興味があるなら一度ガイドツアーに参加する価値はあるのでは…とも感じたものでした。
近年の小田急では秋の恒例イベントとなっている「ファミリー鉄道展」、今年も例年通り海老名で土日2日間での開催予定だったものの、台風21号接近の影響により、残念ながら今日(22日)は車両基地開放などの屋外イベントは軒並み中止となってしまいました。
ファミリー鉄道展開催を告知する小田急線の駅掲示でも、昨日の段階で22日のイベント中止を知らせる告知が掲出され、一部屋内イベントのみの縮小開催となりましたので、実質1日のみの開催になってしまったと言っても過言ではないと思います。
小田急が臨時列車設定などを予定していた江ノ島花火大会が全面中止になった事などを踏まえると、昨日(21日)は決して良いとは言い難い生憎の天気ながらも、ほぼ予定通り車両基地公開や物販などが催されたのは幸いで、MAKIKYUも今日は所用があって海老名へ出向いていないものの、昨日海老名のファミリー鉄道展会場に出向いていました。
ファミリー鉄道展の目玉となっている車両基地内での写真撮影、今年は箱根登山線内運行用の赤い1000形4両と、今春運行開始したばかりの改装車両・30000形「EXEα」が展示され、車両の少し手前にロープが張られた事で、一時に比べると車両撮影がし易くなったと感じたものでした。
1000形はポスター(1059F)とは異なる1061F、EXEαも最近更新出場したばかりの編成ではなく今春運行を開始した第1編成だったのは少々残念と感じたものでした。
ただEXEαは4両と6両の双方を併結せず単独で展示、貫通型と非貫通型2種類の前面が並ぶ姿を見る事が出来たのは想定外で、これはなかなか良いと感じたものでした。
車両展示以外だと毎年恒例となっている保線車両展示や、第2会場(ビナウォーク)における小田急グループバス事業者の車両展示、各種物販などが催され、これらも内容的には例年と大きく変わるものではないと感じたものでした。
小田急バスと東海バスの事業者限定バスコレクションを入手できたのも大きな収穫、バスコレクション収集に努めている方の中には、この2つのバスコレと東武バス事業者限定バスコレクション(21日に西柏営業所で開催のイベントで発売)のどちらを買いに行こうかと迷った方も居たのでは…と思いますが、一時期小田急バスの主力だった富士7E+いすゞ辺りは何時か出て欲しいと思っていた車種の一つだけに、今回の小田急バスコレはなかなか良いなと感じたものでした。
ファミリー鉄道展2017に足を運ばれた方をはじめ、今年は足を運べなかったものの以前ファミリー鉄道展に足を運んだ事が…という方なども少なくないと思いますが、ファミリー鉄道展に対する感想(過去開催のモノも含めて)などありましたらコメントもどうぞ。
MAKIKYUも時折参加しているgooブログのお題参加キャンペーンですが、鉄道の日に関連して『乗ってみたいリゾート列車は?』というお題が登場、気になる内容ですので参加させて頂きます。
MAKIKYUは日韓の鉄道各線は大半の路線に乗車、またそれ以外の海外でも幾つかの列車に乗車しており、どちらかというと豪華で趣向を凝らした列車よりも、地元の生活の足として機能している都市鉄道やローカル線などの方が好みですが、リゾート列車や観光列車の中にも面白いと感じる列車は多数あります。
その中でもJR九州や両備グループなどの車両デザインを多数手がけている事でも有名な某デザイナーが関与した車両は、日本では代表格的存在と言っても過言ではないと思います。
(上掲写真はJR九州「海幸山幸」です)
某有名デザイナーが関与した車両は、内装に「木」をふんだんに使用した車両が非常に多く、このデザイナーが関与した改装車両などは各地で乗車していますが、内外共に他に類を見ない独特な車両が多いだけに、好みが大きく分かれる所かと思います。
その中でも廃線候補にもなっていた赤字路線・南海貴志川線の経営を引き継いだ両備グループの和歌山電鐵は、運営移管後終点駅(貴志駅)に住み着いていた野良猫を駅長として任命、この猫をデザインした電車「たま電車」をはじめ、それ以外にも「いちご電車」など様々な改装車両を走らせている事でも知られており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、実際に乗車した事があるという方も居られるかと思います。
今まで観光客の利用が少なかった貴志川線に観光客を多数呼び込み、休日の貴志駅はたま電車やたま駅長を目当てに海外からの来訪者まで見られるようになった事を踏まえると、貴志川線乗車自体が一つの観光として評価されていると言っても過言ではないと思います。
たま電車をはじめとする改装車両は特別料金を徴収する列車ではなく、乗車券のみで乗車可能な普通列車として運行しているとは言えども、HPでも各車両の運行予定が掲載され、改装車両目当てに足を運ぶ訪問者も少なくない事を踏まえると、たま電車やいちご電車などは立派な観光列車・リゾート列車の一つと言っても過言ではないと思います。
最近では高級な食事と特別仕様の列車乗車がセットとなった観光列車も多数存在していますが、その中でもJR九州や両備グループなどと同じ某有名デザイナーが手掛けた肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」は社運を賭けて運行している列車と感じ、八代駅では社長自らが列車に向かって手を振る姿も印象的でした。
「おれんじ食堂」は食事付での乗車が基本ながら、当日空席がある場合などは食事なし(乗車券+料金追加のみ)での乗車が可能なのも嬉しい限りで、MAKIKYUが乗車した際は食事なしでの乗車(コーヒーのフリードリンクあり)でしたが、他の乗客は食事とセットでの乗客ばかりで、車内で供される食事の内容もかなり手の込んだものと感じたものでした。
また日本国内各地で運行している観光列車・リゾート列車以外にも、隣国・大韓民国(韓国)でも玄界灘を挟んだJR九州の成功に刺激されてか、近年多数の観光列車を運行しています。
こちらも利用実績が好調で満席御礼となる事も多く、近年改装され増車(3→4両)された北部東海岸を走る「パダ列車」をはじめ、「S-train」「G-train」「O-train」「V-train」「DMZ-train」といった「○-trainシリーズ」にも乗車しており、これらも「V-train」の客車以外は既存車両改装ながら、どれも特徴的な列車ばかりと感じたものでした。
列車名部分にリンク表記がある列車に関しては、既に「MAKIKYUのページ」で記事公開している列車で、リンクをクリックすると当該列車に関して取り上げた記事へリンクしますので、もしこのお題キャンペーン参加記事を見て、各列車に関しての記事を見たいと感じた方は、是非アクセス頂ければ…と思います。
(記事が複数部構成となっている列車に関しては、(1)へのリンクを掲出しています)
先月末に京王電鉄では新型車両・5000系電車の運行を開始し、京王沿線や周辺地域では注目の存在となっていますが、MAKIKYUも今月京王線を利用した際、また営業開始から日が浅い新型車両・5000系に乗車機会がありましたので、取り上げたいと思います。
5000系は京王線で活躍する既存各形式と同様の車体長約20m・客扉は両開き扉を片側に4枚配したもので、この仕様は京王線に限らず首都圏通勤型車両では標準的なものですが、前面形状は既存の京王線車両とは大きく異なる傾斜した形状となっており、最近中国で続々と開業している都市鉄道の新型車両などを連想したものでした。
前面形状やカラーテープ(ピンクと紺色)の配列をはじめ、車両内外の番号表記書体なども既存車両と異なり、既存車両では小さくやや見難いと感じた側面行先表示器もサイズが拡大されるなど、外見は既存車両と大きく異なる車両である事は一目瞭然です。
そして5000系の最大の特徴となっているのは車内設備で、今まで大手私鉄各社の中では唯一オールロングシート車のみだった京王では異例のクロスシート車となっているのが大きな特徴です。
このクロスシートは各車両のドア間に配置、ロング/クロス可変座席となっており、車端部分は一人分ずつひじ掛けで区分分けされたロングシートとなっています。
京王では来春に要特別料金の座席定員制列車を運行、この座席定員制列車ではロング/クロス可変座席をクロスシートモードに設定、それ以外の列車で運用する際はロングシートモードに設定して運行する事が発表されており、現在は各駅停車などで既存他形式車に混じり活躍中ですので、クロスシートモードでの営業運行は来春までお預け状態です。
そのためMAKIKYUが5000系に乗車した際も、ロング/クロス改変座席は当然ながらロングシートモードとなっており、既に他社で活躍しているロングL/クロス可変座席装備車と同様、一般のロングシート車に比べると座席自体はやや高級な反面、構造上着席定員が少なくなってしまうのは難点と感じたものでした。
ロング/クロス改変座席は近鉄で採用された後に首都圏にも波及する状況で、元祖の近鉄では枕部分が非常に硬いのが大きな特徴ですが、京王では有料列車として充当する予定もあってか枕部分は軟らかめとなっており、座面のクッションなども近鉄のロング/クロス改変座席に比べるとやや高級と感じたものでした。
最新型車両らしくLCDモニターによる多言語案内も実施、中吊り広告を廃止している事もあり枕木方向に何台ものモニターが設置されているのも大きな特徴となっています。
このLCDモニターの表示内容は、既存車両9030系などで用いられているものとは異なっており、標準仕様化の進行を感じさせられたものですが、日本語と英語に加え、韓国語と中国語の案内も実施している辺りは評価できると感じたものでした。
また電源コンセントも装備、これは今春西武鉄道が地下鉄有楽町/副都心線直通用の座席定員制列車「S-TRAIN」向けに導入したロング/クロス可変座席装備車両・40000系も同様ですが、電源コンセント装備に関しては各座席1つずつの装備となっており、西武40000系よりも更に深度化しているのも特徴です。
ただ電源コンセントは「ランプ点灯時に使用できます。」という注意書きがあり、クロスシートモード(原則として有料列車充当時)の際にしか使用できない仕様となっています。
近年一般車両でも京急などが電源コンセント設置車両を運行、また京王グループ内でも路線バスの一部車両(西東京バスの新型車両)で電源コンセント装備をウリにした車両を運行している程です。
そのため旅客サービス向上を図る意味でもコンセントは常時使用可能とした上で、有料列車以外の列車で運行する際には特急や準特急以外の列車に優先充当する事で、旅客の分散乗車を促進する方が得策なのでは…とも感じたものでした。
またMAKIKYUは日頃小田急線を利用、小田急ではステンレス車は光沢を抑えた仕上がりになっており、これに比べるとドアなどの光沢がきつくギラギラとした雰囲気、京王(相模原線)と小田急(多摩線)が並走する区間で両社のステンレス車が並走した場合、5000系と小田急の車両(3000形や4000形)などでは両者の違いが一目瞭然かと思います。
(MAKIKYUが5000系に乗車したのは京王本線内のみですが…)
この辺りは車両設計やデザインの思想が異なる事も影響していると思いますが、5000系の場合は兼用車ながらも特別料金を徴収する列車にも充当予定となっていますので、特別な車両という印象を与えるために、ステンレスの光沢を少し抑えて落ち着いた雰囲気にした方が良かったのでは…とも感じたものでした。
5000系は今までの京王における既存車両とは様々な面で異なり、今後予定されている有料列車への充当なども含め、賛否両論が色々出そうな車両とも感じたものでした。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もまだ営業運転を開始して間もない5000系に乗車した際の感想等ありましたらコメントもどうぞ。
先日「MAKIKYUのページ」では、ROYAL RAILWAYで活躍する車両に関して取り上げましたが、今日はその続編でプノンペン駅から乗車した列車からの車窓と、列車を下車したタケオ駅に関して取り上げたいと思います。
(タケオ→プノンペンの復路も同一経路ですが、乗車時間が夜間帯になりますので、車窓写真は全て往路乗車中のものになります)
プノンペン駅を出発した列車は、出発すると程なく車窓左手に車両基地が見え、ここには何両かの客車の姿が見えてきますが、車両基地に留置されている客車は、MAKIKYUが乗車した列車の様に綺麗に整備された車両ではなく、ボロボロに朽ち果てて外板に穴が空いた車両ばかり。
Wikipediaに掲載されている凄まじい記述も、この車両を用いて運行していたなら…と感じる程の代物でした。
日本のに搬入され、解体待ちとなっている除籍車両の方が格段にマシと感じる程で、整備して使う事もまず無理だろうと思われる状況でしたが、中には外板の穴が空いた部分に洗濯物を吊るしている光景も見られたものでした。
車両基地を過ぎると、暫くはプノンペンの市街地を走りますが、線路脇に立ち並ぶ住宅はスラムと言っても過言ではない、台風でも襲来したら倒壊するのでは…と感じるボロボロの家も多く見受けられたものでした。
家屋の前を通る道路も舗装されておらず、ぬかるんで所々に水たまりができていたり、砂埃が舞いあがっている所も少なくない状況。
中国程顕著ではないものの、新たな建物などを建造している姿も多数見受けられ、タイやベトナムなどの近隣諸国に比べても、カンボジアはまだまだ発展途上である事を強く実感させられる状況でした。
プノンペンの市街地を抜けると、田園風景などが拡がる平野を走り、急勾配や急曲線などはなく線形も悪くない気がしましたが、軌道状態は余り良くないのか速度はさほど上がらない状況。
プノンペン~タケオは路線図上では隣駅ながら、途中には幾つかの信号所も設置されており、途中では貨物列車とも交換、その際には一旦信号所の手前で暫く停車した後にゆっくりと信号所に入線する状況。
クルージング感覚でゆっくりと車窓を眺める事が目的なら悪くない気もしますが、75㎞程度の距離で途中停車駅がないにも関わらず、所要時間が2時間以上を要しており、貨物列車を先に信号所に入線させた後、減速なしで信号所を通過できるようになるだけでも、旅客列車の輸送改善に大きく貢献するのでは…とも感じたものでした。
そして日が暮れる頃にタケオ駅に到着、MAKIKYUはここで列車を下車し2時間後のプノンペン行を待ちます。
プノンペンを午後に出発する列車に乗車し、当日中に列車でプノンペンへ戻れるのはダイヤの関係で日曜日だけですので、列車乗車目的でタケオ駅に滞在する事を考える人物は他にもいるのかどうか気になったものでしたが、MAKIKYUの乗車日はアメリカからの旅行者で同じ事を考えて実行した人物を1名見かけたものでした。
タケオ駅では10分程の停車時間があり、列車乗客向けに飲料水の販売なども行っていましたが、駅周辺は閑散とした農村と言う雰囲気で、駅舎に隣接して住居兼商店が1件あるほかは、食堂などは見当たらない状況でした。
地理不案内な土地で周囲も電灯が少なく暗い事もあり、駅から離れて独り歩きするのは…とも感じ、駅舎隣接の住居兼商店でカップラーメンと飲み物を購入、商店でカップラーメンにお湯を入れてもらい夕食に。
このカップラーメンはタイからの輸入品でピリ辛、商店内で売られている菓子類などもタイからの輸入品が過半数と見受けられる状況でした。
夕食を済ませた後も列車の入線時刻まで1時間以上あり、商店兼住居の住居部分も少し見せて頂き、許可を得て内部も数枚撮影しましたが、建物はコンクリートの床に角材で構成した骨組、そして骨組にトタン板を張り付けだけの簡素なもので、家屋内には幾つものハンモックが見受けられる状況でした。
当然ながら空調もなく、この簡素な住宅で指の数以上の人数が生活しているというのは、今日の日本ではまず考えられない事で、ここで生活するのは容易ではないな…とも感じたものでした。
そして列車の入線時刻が近づくと、駅舎内に鉄道係員が現れて乗車券販売などを行うものの、所定時刻を過ぎても列車が来る気配はない状況。
また係員が乗車券販売を行っているデスク上には、韓国語のテキストが置かれており、韓国語が話せるのか否かを片言の英語で尋ねたら、別の係員を指さし、この係員に尋ねたら「勉強中で少しできる」との事。
漢字が書かれたノートも見せ、中国語も少しできるという事で、この係員に「火車晩点?」と尋ねたら通じず、「열차지연(列車遅延)?」と書いたメモを見せたら「1hour」との回答。
そこで片言の韓国語を用い、以前韓国を旅行した際の写真などを見せながら遅れている列車を待つ状況でしたが、この係員は母国語(クメール語)ではなく英語を用いて韓国語や中国語を勉強している様で、日本ではこの様な駅係員はまずいないだろうな…と思うと、かなり勉強熱心な人物とも感じたものでした。
またタケオ駅駅係員だけでなく、駅舎兼商店に在住の小学校高学年位に見える子供も、中国語を勉強しているとの事で多少の漢字筆談が出来る状況で、タケオで漢字やハングルが通用するとは思っていなかっただけにビックリでしたが、どちらも日本語はできないとの事でした。
(プノンペンの日系ホテルでもフロントに日本語が出来る人物がいない事が多い状況でしたので、カンボジアでは英語はある程度通用するものの、日本語が通用する事は非常に稀です)
カンボジアでは滞在日数も数日程度、列車乗車以外は体調を崩し発熱してホテル内で休んでいた状況でしたので、記事として取り上げられる事は余り多くないですが、都市間移動の基幹交通として多数運行している長距離バスに乗車する機会もありましたので、機会があればこちらも今後取り上げたいと思います。
先日「MAKIKYUのページ」では、カンボジアを走る鉄道・ROYAL RAILWAYに関する記事を公開しましたが、今日は続編として旅客列車内外の様子を取り上げたいと思います。
カンボジアは一時期鉄道運行自体が全面休止となり、今日でも旅客列車の運行区間や運転本数が限られている事もあってか、ネット上での情報発信なども少ないのが現状です。
特に日本語では数少ない情報源の一つとなっているWikipediaでも、軌道状況や使用車両、沿線治安など様々な面で凄まじい内容の記述が幾つも見られ、「現地のクメール語を理解できなければ利用は困難」という記述まで見受けられる程です。
しかしながらMAKIKYUがROYAL RAILWAYを利用した際には、プノンペン駅窓口では簡単な英語が通用し、タケオ駅に至っては韓国語や中国語も独学で勉強している駅員が居り、片言の韓国語と筆談でやり取りする事も可能な状況でしたので、旅客営業休止前の惨状を記していると思われるWikipediaの記載などとは情勢も大きく変化していると思われます。
たまたま旅客列車運行日にプノンペンに滞在していた事もあるとはいえ、クメール語は文字の解読すらできず、カンボジア訪問自体が初めてのMAKIKYUでも、単独で乗車券を購入して乗車できる位でしたので、その気になれば現在は外国人旅行者でも比較的容易に利用できる鉄道なのでは…と感じ、MAKIKYUの乗車時には地元民(カンボジア人)だけでなくアメリカからの旅行者なども見受けられる状況でした。
旅客営業で使用している車両も、非電化路線だけにディーゼル機関車牽引の客車列車となっており、客車も新型車両を導入している訳ではないものの、大々的な改装を行い空調も完備されているなど、ベトナム国鉄のハードシートやタイ国鉄の3等車などに比べれば遥かに快適と感じたものです。
MAKIKYUが乗車したプノンペン→タケオ(→シアヌークビル)の旅客列車の編成をシアヌークビル方から順に取り上げると、以下の通りとなります。
機関車・BB1051
オレンジ色・箱型のディーゼル機関車でフランス製。
車体塗装は日本で数少ないナローゲージ(軌道幅762㎜)&機関車牽引による客車列車運行を行っている黒部峡谷鉄道の電気機関車を連想する雰囲気。
客車1号車・ZZFF802
元々は気動車だった車両の動力装置を外し、客車化したと推測される車両。
車内の座席はロングシート。
客車2号車・BZAFF66
5両編成の客車で唯一のクロスシート車。
背の低いボックス席が並んでおり、MAKIKYUの乗車時は乗客が少ない事もあってか、1号車と共に冷房が入っていない状況でした。
客車3号車・AZAFF84
他のロングシート車よりもやや簡素な印象の車内が特徴。
客車4号車・BZAFF61
ロングシートの客室以外にコンパートメントタイプの個室(?)も備えているものの、個室は鍵がかかっており使用できない状況でした。
客車5号車・ZZ801
1号車と同様に元々は気動車だった車両の動力装置を外し、客車化したと推測される車両。
車内客室の床に段差があるのが特徴で、車端部分は旅客立入禁止の業務用区画。
客車5号車の後部に有蓋貨車・GGIL893
貨車内には発電機が設置され、バイクなどの小荷物輸送と発電車を兼ねている状況。
発電機の中には日本語表記が見受けられるものも存在。
有蓋貨車の後部に無蓋車載車を2両連結
プノンペン駅に入線した列車(シアヌークビル朝発)では何台かの自家用車を積載していたものの、MAKIKYUが乗車した列車ではトラクターとトゥクトゥクが各1台積載されるのみで、MAKIKYUの乗車列車に限れば車載車は1両でも充分と感じた程。
カンボジアのトゥクトゥクは原付の後部に客車(荷台)を後付したタイプが主流、トゥクトゥクはプノンペン市内でもタクシーとした多数走っている他、荷物輸送で使われる事も多く、車載車に積載されたトゥクトゥク(写真)もかなりの荷物を搭載。
※客車5両は全て家庭用と思われる冷房装置の室外機が床下に装備され、車内も家庭用と思われる冷房装置が何台か設置。
客車は全て青と白の塗装で統一されており、車両間の連結はねじ式連結器を使用。
バッファーは片側一つだけとなっており、幌は韓国や中国など海外では一般的なゴム筒を突き合わせたもの。
客車の両先頭車は元々の気動車だった車両と推測される車両故に、前面は両車両共に片側が湘南型の2枚窓。
ライトを潰した痕跡がある他、前面もガラスを塗装したり網が入っているなど、車内から車外を見渡すのは…と言う状況。
また(シアヌークビル→)タケオ→プノンペンで乗車した旅客列車は、乗車時間が夜間帯と言う事もあって写真も数枚しか撮影できていないものの、こちらも編成はディーゼル機関車+発電車兼用有蓋貨車+客車+車載車の編成で、機関車はシアヌークビル行列車と同型の番号違い。
客車は元々気動車だった車両の動力を外したと推測される車両が2両背中合わせ、こちらも塗装は青と白でプノンペン方車両の番号はZZ803。
車内の座席はZZ803がボックス席、もう1両のシアヌークビル方車両は転換式クロスシートでした。
この他にもプノンペン駅には見るからに古めかしい風貌の車体で、車端幌上に冷房装置の室外機を設置した客車1両(VRSVFF24)と、発電車兼用と推測される有蓋貨車1両の姿も目撃しています。
そのため2017年8月時点で稼働可能な旅客用客車は、最低でも8両以上存在している事になります。
今後運転日や本数の増大、バッタンバン・ポイペト方面路線復旧などの動きがあれば、新造か中古導入などによる所要車両数増も考えられ、現状の運行形態が何時まで続くのかも気になったものでした。
列車乗車中の車窓やタケオ駅の様子などに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。