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ウラジオストク市内を走る路線バス~主流は韓国車

2020-05-20 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ウラジオストク市内を走る路面電車に関して取り上げましたが、路面電車は現在郊外を走る6系統一路線のみの運行となっています。

そのため市内交通機関の主流は路線バス、MAKIKYUが昨夏ウラジオストクに到着した際、最初に利用した交通機関も、ウラジオストク駅(Вокзал)~バリャエヴァ (ул. Баляева)間を結ぶ「7T」系統の路線バスでした。

この系統は路面電車代替路線の一つで、終点のバリャエヴァバス停は、現存する路面電車6系統の始発電停、ミンヌイ・ゴルトク(Минный городок)電停と徒歩2~3分程度の所にあります。

乗り通すと昼間時間帯でも40分程度、道路が空いている早朝深夜などであれば、所要時間はもう少し短いと思いますが、ダイヤには余裕があるのか、途中バス停で時間調整を何度も行っていたのは印象的でした。


MAKIKYUが乗車した車両は、最近韓国では見る機会がなくなった現代AEROCITYシリーズの経年車、外見も見るからに草臥れた印象が否めませんが、最近の韓国では聞く機会も減った一昔前の三菱エアロスター加速仕様車によく似た走行音はいいなと感じたものでした。

  
車内に足を踏み入れると、韓国語の注意表記なども見受けられ、韓国で使用していた車両の中古だろうと推測される状況でしたが、座席配置は韓国の市内バスでは余り見かけないものとなっており、ロシアで増設したものなのかも気になったものでした。


車内掲示の「23руб」は23ルーブルの事、昨夏時点での市内バス運賃は23ルーブル(約40円程度)の均一運賃となっており、1乗車1~2元程度の中国市内公交汽車よりはやや割高なものの、韓国の市内バスなどと比べても割安な設定。

前乗り前払いが殆どの韓国や中国の市内バスとは異なり、均一運賃ながらも日本だと関西の公営系事業者などに多い中乗り前降りの後払い方式となっているのが大きな特徴です。

ICカードリーダーの姿は見かけないどころか、定期券や回数券の類すら見かけず、皆現金で運賃を支払っていましたが、運賃箱は設置されておらず、その代わりにシフトレバー脇に机を設け、ここに運賃を置く→釣銭が発生する場合は、運転士が釣銭皿にある釣銭を渡す方式となっておたのが印象的でした。
(23ルーブルという細かい単位故に、30ルーブルや50ルーブルなどで釣銭をもらう乗客が非常に多く見られ、運転士が終点到着後収受人員分の乗車券をまとめて発券&釣銭皿に小銭を振り分けしている姿も目撃したものでした)


ちなみに7T系統では車型・塗装なども様々な車両が用いられており、車両を見て路線を識別する事は困難、車外の掲示(写真)などが頼りになる状況でした。


他車両の中には、ウラジオストクの市内バスで最もよく見かけるシルバー一色の現代大型車をはじめ、同型車の塗装違いなども活躍。


また大型車だけでなく中型車も混用されており、使える車両を片っ端からかき集めた様な印象を受けたもので、その中には韓国では近年見る機会がなくなった起亜製車両の姿も見受けられたものでした。

ウラジオストク駅~路面電車6系統電停間を結ぶ路線は他にも幾つかあり、またウラジオストク駅には発着しないものの、駅から少し北側に歩いた所に位置する中心街を経由する路線もありますので、路面電車乗車の序に様々な路線バスを乗り比べる事もできます。


写真の31系統は路面電車の終点電停・サハリンスカヤ(Сахалинская)で撮影したウラジオストク駅行、ウラジオストクで最もよく見るシルバー1色の現代製大型車ですが、広告付となっており、この車両以外にも広告付車両は時折見かけたものでした。

この車両は割合新しい車両ながら冷房装置は搭載しておらず、現代がロシア向け輸出仕様として製造した車両かと思いますが、ウラジオストクの市内バスは大半が非冷房車、もしくは冷房付車両でも未使用で窓を開けて走っている状況でしたので、夏場の特に暑い時間帯に乗車する際は要注意です。


7T系統や31系統以外の市内バス路線も、活躍する車両の主流は大型車で、中には韓国で見た事がある装いの車両も散見する状況。


それ以外も韓国製の現代と大宇が大半を占める状況でした。


ただ中にはMAN製車両の姿なども目撃し、これは数が少ないだけに際立つ存在とも感じたものでした。


また大型車が主流とはいえ、路線によってはミニバスも用いられており、こちらも一度だけ乗車したものでした。

韓国マウルバスの様に割安な運賃設定にはなっておらず、運賃は大型車で運行している市内バス路線と同額でしたので、大型車充当路線と重複する区間のみを乗車するなら、個人的には大型車の方が…とも感じたものでした。

昨夏のロシア訪問ではウラジオストク市内以外にも、近隣都市の市内バスや都市間バスにも乗車する機会がありましたので、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


ベトナム・ハノイ市内を走るBRT

2018-01-25 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ベトナムの首都・ハノイ市内を走る路線バスに関して取り上げましたが、今夏MAKIKYUがハノイ市内で路線バスに乗車した際に途中でBRTの姿を目撃、このBRTが気になり急遽乗車中のバスを下車してBRTの停留所へ向かい、短い区間ながらもBRTに乗車したものでした。


MAKIKYUが乗車したBRTは、ハノイ市内西部の南郊へ向かう路線で、ハノイでは中国の地方省都の如くBRTが街中の各所に…という程の規模ではないものの、道路中央に専用レーンを整備し専用乗降場を確保、他の一般路線よりも速達性を向上させているなど、運行系統の内容自体は中国などで次々と登場しているBRTに近いものとなっています。


鉄道廃線跡を用いたバス専用道運行か、連接車導入で一部停留所を通過する程度でBRTと名乗る日本のBRTに比べれば、他の一般路線との差異は一目瞭然という印象を受けたもので、BRT乗降場は入場前に改札で運賃支払い・車内精算なしで乗車できる点は、日本でも検討余地大と感じたものです。


ハノイのBRTは道路中央に高床の島式ホームを設けている事もあり、左ハンドル車にも関わらず乗降口は進行方向左側、通常乗降に用いる高床専用ホーム乗降用の扉(左側2箇所)は都電荒川線の如くステップ無しとなっています。


そのため車内はタイヤハウス部分と最後部以外はフラットになっており、車内段差という点でも割合評価できる車両と感じたものの、座席は中国のバスなどでもお馴染み、ベンチの如く硬いプラスチック製となっており、この辺りは評価が分かれる所かと思います。


また通常の乗降は進行方向左側のみながらも、乗務員の乗降用や非常用などの目的があるのか、進行方向右側も最前部にステップ付きの扉が設けられており、公式側だけを見ると短距離都市間バスの様な風貌となっています。

その気になれば前乗り前降りのトップドア車として、通常路線でも使用可能な構造となっていますが、中国のBRTでよく見かける左右両側に扉を設けた車両は大抵左右双方に乗降扉を2か所(2両連接車は3か所)設置していますので、この構造は独特と感じたものです。

ベトナムはまだまだ発展途上、公共交通機関も今後経済発展と共に路線整備も進むと思われますが、都市内公共交通整備の一環として今後BRTの路線整備も進むものと思われ、そ今後ベトナムのBRTではこの手の車両が主流になるのか否かも気になったものです。


べトナム・ハノイ市内を走る路線バス

2018-01-13 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ベトナム・ホーチミン市内を走る路線バスに関して取り上げましたが、ベトナムは南部のホーチミンと北部のハノイが2大都市、そしてハノイもホーチミンと同様、鉄道は長距離旅客向けの列車線のみという状況になっています。
(現在地下鉄建設中、まもなく開業見込み)

そのため市内交通は専ら路線バス、ホーチミンと同様に市内各地や近郊では多数のバスが走っていますが、塗装は白地に黄色と朱色という派手な装いの車両が主体を占めており、緑の濃淡を基調とした塗装の車両が多いホーチミンとは対象的な状況になっています。

車種も韓国系が主流を占めているものの、ハノイでは現代車の影が薄く、一方韓国でも現代と並ぶ2大勢力になっている大宇車が多く用いられています。

 
大型路線車は3扉車も多数活躍、前中扉車も韓国では余り見かけない中折戸車を多数見かけたものでした。

 
日本では殆ど姿を見る機会がないものの、韓国では嫌という程姿を見る観光タイプ前中扉車も多数活躍、また黄色と朱色を基調とした装いながらも、中国のバスに近い雰囲気の車両なども散見したものでした。

 
黄色と朱色を基調とした装い以外にも、青の濃淡や紺色とオレンジ色の装いを纏った中型車の姿なども見かけ、前者は乗車機会もありました。

 
ホーチミンと同様にマイクロバスによる路線も多数存在、こちらも2扉車が活躍する姿を多数見かけたものでした。


マイクロバスも韓国系が多いものの、ホーチミンで活躍する車両と同種と見受けられる車両も散見、乗車した車両はハンドルにISUZUロゴもありました。

いすゞ車とは言えども日本の路線バスとは大きく異なり、配送用トラックの下回りにバスの車体を組み合わせたのでは…という雰囲気の車両でした。

ちなみにハノイのバスはツーマンバスが大半ながら、ホーチミンとは異なり乗車したバスは皆車内放送(ベトナム語のみ)が流れていたのも特徴ですが、この放送は声がこだましているように聞こえ、聴き取り難いのは難点と感じたものでした。

またハノイでは一般路線以外にBRTも運行しており、こちらも乗車機会がありましたが、BRTに関しては後日別記事で追って取り上げたいと思います。


ベトナム・ホーチミン市内を走る路線バス

2018-01-08 | バス[その他海外]

今年の正月期間は更新休止した「MAKIKYUのページ」ですが、今日から更新再開したいと思います。

今年(2018年)も引き続き宜しくお願い致します。

ちなみにMAKIKYUは昨年末~今年の正月期間中は海外へ出向いており、様々な列車やバスなどに乗車機会がありましたが、現地で急遽作成し昨年末に公開したKTX京江線(KTX-平昌)関連の記事以外は、まだ画像整理もできておらず公開は暫く先になる見込みです。

また昨年夏の東南アジア関連も、まだ公開できていない事柄が多数ありますので、今年最初の記事は先月公開したベトナム・ホーチミン郊外のビンズン(Binh Duong)省を走る路線バスに関して取り上げた記事の続編で、ホーチミン市内を走る路線バスに関して取り上げたいと思います。

MAKIKYUが今夏ホーチミンで市内バスを利用したのは、ホーチミン市内には1泊しかしていない事もあってか、ベンタイン(Ben Thanh)市場近くのバスターミナルと北東バスターミナル(Ben Xi Mien Duong)の間を往復する際と、ベンタイン市場近くのバスターミナルからサイゴン駅(Ga Sai Gon)の近くへ向かう際に乗車した程度。

ただホーチミンは結構大きな街である上に、軌道系交通機関は長距離列車を除くと現在皆無(地下鉄を建設中)ですので、市内交通機関は専らバスとなっており、2つのバスターミナルでは様々な車両の姿を見る事が出来ました。


MAKIKYUがホーチミンで最初に乗車したのは、車型だけでなく装いまでもが韓国の市内バスそのものと言っても過言ではない雰囲気の現代New Super Aerocity。

 
車内にはハングルで記された注意表記も見受けられ、遠く離れた初訪問の街で初めて乗車したバスにも関わらず、車両だけなら乗り慣れた車両という気もしたものでした。


ホーチミンのバスはツーマン運行の車両が多い中で、このバスはワンマン運行だったのも大きな特色、運賃収受はつり銭支払いや乗車券(写真)発券を伴うなど、乗務員の負担はやや大きいと感じたものでした。


ベカメックス東急バスと同様にNew Super Aerocityとよく似た雰囲気ながらも、SAMCOブランドで中扉が折戸となっている車両も散見、これも青一色の単色塗装車で韓国のバスを模倣したのか否か気になる所ですが、ラッピングによる部分広告車も活躍していました。


韓国の広域急行バスと同種の中扉付観光タイプ車両も多数活躍、その中にはどう見ても現代車にしか見えない車両ながら、日野のロゴを付けた車の姿も見かけたものでした。


ホーチミンの韓国系車両は現代製が主流ながら、大宇車も時々出没する状況、その中には韓国では見かける機会のない3扉車の姿も見かけたものでした。


大型路線車では韓国系以外にも、ベンツのマークを掲げた車両や中国製車両なども活躍。


大型路線車に混じり2扉のマイクロバスも散見、このタイプもホーチミン市内や周辺では結構よく見かけたものでした。


他にも都市間バスも時々発着、電動カートも有償乗合輸送に用いられているなど、ベンタイン市場近くのバスターミナルを行き交う車両を眺めて撮影するだけでも20~30分程度は…とも感じたものでした。

 
また北東バスターミナルでも、都市間バスはセキュリティチェックなどがあり、ターミナル内に停車しているバスの撮影は乗客以外難しい状況だったものの、ターミナル前も多数の市内バスの起終点となっており、こちらでも数枚程度撮影。

 
ベンタイン市場近くのバスターミナルを発着するバスと同種の車両をはじめ、大小様々なバスが行き交う姿を見る事ができる状況。

中国程ではないものの日韓に比べれば車種バリエーションも豊富なだけに、ホーチミンでの滞在時間がもう少し確保できていれば…とも感じたものでした。


ベトナム・トーヤモットバスターミナルと運行車両

2017-12-27 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、ベトナム・ホーチミン北郊に位置するビンズン(Binh Duong)省内を走る「ベカメックス東急バス(Becamex Tokyu Bus)」に関して取り上げましたが、MAKIKYUがベカメックス東急バスの走るビンズン省へ向かう際には、ホーチミン市内からビンズン省内にあるトゥーヤモット(Thu Dau Mot)のバスターミナルへ向かい、ここでベカメックス東急バスに乗り継いだものでした。

ホーチミン市内~トゥーヤモットバスターミナル(Ben Xi Thu Dau Mot)間は、幾つかの路線バスが走っていますが、MAKIKYUが乗車したのはホーチミン市内の北郊に位置する北東ターミナル(Ben Xi Mien Duong)~トゥーヤモットバスターミナルを結ぶ01番の路線。

北東ターミナルはホーチミン市内にある長距離バスターミナルの中でも大規模な部類、ここを起終点とする市内バスも多く、ホーチミン市内~トゥーヤモットバスターミナルを移動する際には、北東ターミナル乗継が最も無難で便利な選択肢になると思います。

ターミナル間を結ぶ01番の路線は全線乗車で片道1時間弱(道路状況などにより延着の可能性あり)、13000VND(約65円)という市内線バスに比べるとやや割高な運賃を徴収しています。


そのため観光タイプの上級車使用と言いたい所ですが、実態は韓国の広域急行バスなどを連想する大型観光タイプ前中扉車ながらエアコン未使用で窓全開状態、快適とは言い難いのは残念な所です。


トゥーヤモットバスターミナルはターミナル内で適当に降ろされ、ターミナル外との間で人の往来も絶えない状況、ターミナル内に停車中のバス撮影も比較的容易な雰囲気でしたが、ベカメックス東急バスはターミナル内には入らず脇の路上にある停留所での乗降となりますので要注意です。


ターミナル内で見かけたバスの中でも、613番のバスはホーチミン市内にあるバスターミナル(Ben Xi An Suong)~トゥーヤモットバスターミナルを結ぶ路線、MAKIKYUは時間の関係などもありこの路線には乗車していませんが、ホーチミン市内とトゥーヤモットの往復でルートを変えたい時などは、利用価値のある路線なのでは…と感じたものでした。


他の路線も白と緑の濃淡という装いの車両が主体、これはトゥーヤモットバスターミナルだけに限らずホーチミン都市圏全般に言える事で、トゥーヤモットバスターミナルでは中型やマイクロといった小さめの車両が割合多いと感じたものでした。

 
ただ中には緑系以外の装いを纏った車両も存在、その中には非常に状態が悪いのでは…と見受けられる車両も散見される状況でした。


ターミナルの奥には1台だけながら、大宇製古参大型車の姿もあり、こちらも車体の随所に錆が見受けられるなど余り芳しくない状況、車両の当たり外れがかなり激しい印象を受けたものでした。

 
また郊外一般路線が中心のターミナルながらも、都市間バスと思われる車両も発着しており、こちらは塗装を除くと韓国辺りで走っている車両と大差ない車種が主体ながら、寝台バス(マトモな写真は撮影できていませんが…)なども散見したものでした。

トゥーヤモットバスターミナル以外にホーチミン市内でもバス乗車・撮影の機会があり、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


ベトナム・ホーチミン郊外を運行するベカメックス東急バス~日本の東急バスとは様々な面で差異も

2017-12-12 | バス[その他海外]

今夏MAKIKYUが東南アジア方面へ足を運んだ際には、ベトナム最大の都市・ホーチミンにも宿泊機会があり、その際にはホーチミン北郊のビンズン(Binh Duong)省にも足を運んだものでした。

ホーチミンは市外中心部から北西に向かった所にサイゴン駅が存在、同駅からダナンなどを経てハノイまで至る統一鉄道が走っているものの、長距離列車のみの「列車駅」となっており、大都市ながらも現段階では地下鉄や路面電車などの軌道系交通機関は皆無の状況となっています。

ただ距離的には200㎞強しか離れていない隣国カンボジアの首都・プノンペンとは異なり、市内や近郊を結ぶ路線バスは非常に充実しており、ホーチミン滞在中は何度か路線バスを利用したものでした。

その一つがホーチミン北郊のビンズン省を走る「ベカメックス東急バス(Becamex Tokyu Bus)」で、その名の通り日本の首都圏を中心に交通事業や流通事業、都市開発などを幅広く手掛ける東急グループが運行しています。


多摩田園都市などの都市開発で定評ある東急グループだけに、路線バス運行だけでなくベトナムの大手ディベロッパー・ベカメックスと合弁でビンズン省内の都市開発も行っており、都市開発エリア内にあるバスターミナル名称(写真)は「Hikari」、路線バス名称は「Kaze Shuttle」など、日本語由来の名称を多用しているのも大きな特徴です。


ベカメックス東急バスに関しては、東急線車内広告でも告知されていますので、ベトナムの路線バスというと東急が真っ先に思い浮かぶという方も居られるかと思いますが、日本とは異なる左側通行という事もあってか使用車両は左ハンドル車、日本の東急バスとは異なる車型の車両が用いられています。


東急線車内広告にもイラストが用いられている現代の大型路線車(New Super Aerocity)は、韓国で多数運行している座席型市内路線車と大差ない前中扉配置(中扉引戸)・2段ステップの天然ガス車で、何度かベカメックス東急バスに乗車した際には、この車両にも乗車機会がありました。

MAKIKYUが何度かベカメックス東急バスを利用した際には、たまたま乗務員と共に日本語会話が出来る運行管理者の方(ベトナム人)が乗車しているバスにも乗車、ベカメックス東急バスに関して幾つか話を伺う機会がありましたが、8月時点での車両台数は17台との事でした。


現時点ではまだまだ小規模な部類、まだこれからという感が強い沿線都市開発と共に今後の事業拡張が期待される事業者と感じたものでしたが、事業開始から日が浅く車両台数も少ないとは言えども、New Super Aerocity以外の車種にも遭遇、乗車機会もありました。


韓国のバスとよく似たデザインながら、SAMCOブランドで中扉が折戸になっている車両は、ホーチミン市内や近郊では他事業者でもよく見かけるものの、現代自動車の本拠地・韓国ではありそうでないタイプの車両。


HYUNDAI THACOブランドの車両は、こちらも中扉折戸で前面形状が異なり、これも現代自動車の本拠地・韓国では見かけない車両。


この車両は前輪タイヤハウス上の座席が横向き配置(ロングシート)となっており、この座席配置はベトナムの隣国でもある中国の路線バスではよく見かける反面、日韓の路線バスではまず見かける機会のない仕様で、つり革形状なども中国の路線バスとよく似ている様に感じたものでした。


またベカメックス東急バスの運賃は、系統別に設定された均一運賃で前払い、運賃箱は簡素な箱で運賃支払時に乗車券(レシート同然ですが…)が発券されるのも大きな特徴となっていますが、メイン路線となっているトゥーヤモット(Thu Dau Mot)~Hikari Terminal間で10000VND(約50円)という運賃は、ベトナムの近隣路線バス運賃と比べるとやや割高な設定となっています。


ただ空調完備でクッションの効いた座席をはじめ、車内にはWi-Fiも装備、車内で「Japanese know-how」と謳った掲示も掲出しているだけあり、各停留所に運行角瓶の時刻を掲出、各停留所到着前にベトナム語と英語の2か国語で停留所名を放送も実施。

乗務員は制帽とマイクを着用、発車時や停車時のマイク案内も実施するなど、日本では当たり前の事ながらも、ホーチミン都市圏を走る他事業者バスよりも進んだ輸送サービスを提供していると感じ、東急バスが一時運行していた「東急コーチ(運賃は他路線と別体系)」を連想したものでした。

乗務員が携行している運行表もベトナム語と日本語の2か国語表記、漢字に混じり「ダイヤ」などのカタカナも見受けられる状況で、日系の東急ならでは…とも感じたものでした。


また車内掲出の乗務員氏名札(許可を得て撮影)を見ると、乗務員はサービス・プロバイダーやサービス・クルーとは呼ばず、LEI XI/DRIVERという一般的な名称となっており、使用車両と共にこの様な所も日本の東急バスとは異なる点と感じたものでした。

ホーチミン周辺ではベカメックス東急バス以外にも幾つかの路線バスに乗車、またバスターミナルで撮影した画像などもありますので、これらに関しても近日中に追って別記事で取り上げたいと思います。


カンボジア・プノンペンの市内交通~路線バスも若干運行しているものの…

2017-11-30 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、カンボジアを走る長距離バスに関して取り上げましたが、カンボジアは公共交通機関の整備がまだ不充分な事もあり、長距離バス乗車中には、農村部でトラクターの荷台に大勢の乗客が乗車している姿も見かける程でした。

さすがに首都・プノンペンの中心部ではトラクターによる旅客輸送車両は見かけなかったものの、路線バスも8月現在で3路線と非常に少なく、日本の地方都市と比べても…と感じる程でした。

路線バスは中心部~空港方面などの路線があるものの、MAKIKYUが宿泊した日系ホテル近くには路線が通っておらず、プノンペン駅周辺などで何度か姿を見かける程度でした。


見かけた車両は中国でもよく見かける中国・宇通(Yutong)製の低床冷房車、車体側面には漢字と英語で「中国援助CHINA AID」と記された中国の支援で導入された車両を用いていますので、車両自体は割合近代的な部類に入ります。

運賃は日本円で数十円程度とかなり割安、目的地へ向かうのに適当な路線があれば是非利用したいと感じたものでしたが、首都の都市内交通機関としては決して多いとは言い難い15分毎程度の運行にも関わらず、プノンペン駅周辺でも空席が多数見受けられるなど、地元の足としては余り定着していない様にも感じられたものでした。

軌道系交通機関が充実しているのであれば、市内中心部を走る路線バスが3路線でも問題ないと思いますが、都市鉄道の類は皆無で長距離輸送を行っている鉄道も週末などに限定した運行(それも往復合計で1~4本程度)という状況ですので、乗合の公共交通機関自体が殆ど運行していない街と言っても過言ではない状況になっています。

地元住民は自前でバイク(原付)を持ち、バイクで移動するのが主流となっている様で、街中の至る所でバイクが行き交う姿を見る状況でした。

旅行者の移動もタクシーなどの利用が主体となっている状況ですので、単独での旅行ともなると市内移動費だけでも結構嵩む状況で、近隣諸国はおろかアジアの中では物価が突出して割高な日本の都市交通と比べても…という有様でしたが、他に移動手段がないとなると止むを得ず利用…という事にもなります。

タクシーは一般的な4輪車も多数運行しているものの、バイクを用いたタクシーも多数運行、こちらは空調を装備していないなど設備的にも簡素なだけあり、4輪車によるタクシーよりは運賃も割安になっています。


その中でもバイクタクシー(運転者と乗客の2人乗り)も結構走っているものの、これは危険度も高く極力利用を避けたいと感じ、MAKIKYUは専らトゥクトゥクを利用したものでしたが、カンボジアのトゥクトゥクは既存のバイクに2輪の客車を固定したものが主流となっています。

クッションの効いた2人掛けの座席が向かい合わせで4名乗車可能なものが多く、10~15分程度の市内移動なら生温い風に吹かれながら南国の雰囲気を感じるのも悪くないと感じたものですが、外国人が乗車する場合は市内移動でUS$5程度が相場、深夜帯などはやや値段が上がる様です。


またトゥクトゥクよりはやや小さく、後部に2人がけの座席を設けた3輪のバイクタクシーも散見し、こちらも一度乗車機会がありました。

これは4名乗車可能なトゥクトゥクより乗り心地はやや劣るものの割安で、単独での市内移動でこのタイプを見かけたら、交渉(トゥクトゥクの運転者も運賃などを尋ねる程度の片言の英語なら大抵通用し、中には携帯電話で多少日本語が通じる人物に取り次いでくれる場合もあります)余地ありとも感じたものでした。


プノンペンーホーチミンを結ぶ国際バス~乗車したのは三菱2階建て車

2017-11-20 | バス[その他海外]

先日「MAKIKYUのページ」では、カンボジアのポイペト~プノンペン間を結ぶ国内都市間バスに関して取り上げましたが、8月にMAKIKYUがカンボジアへ足を運んだ際にはタイから入国→ベトナムへ向けて出国しています。

タイ→カンボジア→ベトナムへの移動は全て陸路ですが、カンボジア→ベトナムへの移動はカンボジアの首都・プノンペンとベトナム最大の都市・ホーチミンが200㎞強と比較的近い事もあり、両国の国境を経由し2都市間を結ぶ国際バスも頻発しています。

MAKIKYUは乗車場所確認を兼ねてプノンペン駅の近くにあるバスターミナルに乗車前日夕方足を運び、その際に乗車券を購入して当日昼過ぎの出発時間に再びターミナルへ出向き、ホーチミン行きのバスに乗車したものでした。

このバスの運賃はUS$10、㎞辺りの運賃はポイペト~プノンペンの国内都市間バスよりやや高めですが、それでも運行距離を考慮すればかなり割安感があります。

乗車券購入時にシートマップを見せられ、希望の座席を聞かれた際には2+1人掛けのトイレ付となっており、カンボジアで主流となっている韓国製バスは基本的にトイレなしですので、どんな車両がやって来るのかと気になっていました。


現代辺りの車両が来れば上等と思いターミナルへ足を運ぶと、案内された車両は見慣れない車体ながらも、下回りはお馴染み三菱製の2階建て車。


1階部分はトイレと荷物置場になっており、前中2箇所から乗降可能になっています。


三菱車だけあり運転席は見慣れた雰囲気、MT車でシフトレバーはロッド式ですが、三菱車のロッド式シフトは他メーカーよりも硬い傾向がありますので、運転者は大変だろうな…とも感じたものでした。

 
車内外の至る所に繁字体の漢字表記があり、前面には「松展遊覧公司」という事業者名表記まで記載。

乗車後にこの社名を調べたら、台湾島の台北近郊にある事業者のHPがヒット、車体の装いも乗車車両と同一でしたので、台湾島から流入した車両の様です。

 
座席はシートマップとは異なる一般的な4列席、2席独り占めの「ひとりだけシート状態」でしたが、座席の座り心地や内装などはまずまずと感じたものでした。


バス車内ではミネラルウォーターのサービスもあり、中古車両充当ながらもホーチミンまで5時間の道程(実際はホーチミン市内道路混雑の影響で約1時間の延着)は結構快適と感じたものでした。


ただカンボジアのベトナム国境にある街・バベットではトイレ休憩時間があり、休憩箇所にある売店で菓子類などを見ていたら、お金を集める皿を持った幼女や老婆が小銭を求めて数名寄って来る状況、これは複雑な心境にさせられたものでした。

 
バベットはタイ国境の街・ポイペトに比べればまだマシなものの、砂埃が舞い雑然とした雰囲気、これでもかという程の荷物を引いたバイクなども散見するなど、かなり凄まじい所だな…とも感じたものでした。

ベトナムに入国すると、もうホーチミンの郊外と言った雰囲気、街並みなども随分綺麗で近代的、カンボジアでは殆ど見かけない市内バスも多数行き交うなど、国境一つ隔てただけでも様相は一変したと感じたものでした。

都市間バスで国境を超えて差異を体感する機会は、島国の日本にいる限りは絶対に経験できない事ですので、希少な乗車機会だったとも感じています。


プノンペン~ホーチミン間はMAKIKYUが乗車したバス以外にも様々な事業者がバスを運行、その中には車体の文字表記を見なければ韓国と錯覚してしまうバスの姿も見受けられたもので、色々乗り比べてみるのも面白そうですが、非常に遠い土地だけに再び足を運ぶ機会は訪れるのだろうか…とも感じたものでした。


カンボジア・ポイペト~プノンペンを結ぶ長距離バス

2017-11-10 | バス[その他海外]

MAKIKYUが今夏東南アジア方面へ足を運んだ際は、移動は専ら陸路で鉄道利用が主体でしたが、カンボジアでは旅客鉄道の運行は僅かという事もあり、都市間移動の主流は長距離バスとなっています。


タイのアランヤプラテートから国境を越えカンボジアのポイペトに入境したMAKIKYUは、入国早々凄まじい所に来たなと感じたものでしたが、イミグレのすぐ近くからバスターミナルへ向かう無料シャトルバスに乗車。


このバスも頻発という程ではなく、発車まで15分程の待ち時間がありましたが、タイからカンボジアに入国した途端に凄まじい所に来たな…という印象とは裏腹に、バス自体は韓国旅行などで乗り慣れた韓国製の中型トップドア車でしたので、見慣れた車両という気もしたものでした。


このシャトルバスは自家用の中古が流入しているのか、それとも最初からカンボジア向けに輸出されたものなのかは特定できないものの、同型車が複数台活躍しており、乗車した車両とは異なる装いの車両の姿も目撃しています。

 
そしてシャトルバスに15分程乗車したらバスターミナル着、街外れの何もない所といった雰囲気で、ターミナル内も閑散とした雰囲気でした。

ターミナル窓口では片言の英語も通じ、プノンペンまで行きたい旨を伝えると「500(タイ)バーツ」という返答があり、「US$?」と聞いたら「15」という答えが返ってきましたので、15US$でプノンペンまでの乗車券を購入。
(但しお釣りは米ドルの在庫がなかったためカンボジアリエルでの支払でした)


乗車券はクメール語と英語の2か国語が併記された手書き発券、券面には2階建てバスのイラストが描かれていますが、実際にやって来たバスは2階建て車ではなく、韓国製の現代エアロスぺースでした。

 
車両自体は韓国でお馴染みの存在ですが、リクライニングが壊れている箇所が散見されるなど状態は余り芳しいとは言い状況。


また後部は多数の貨物を積載した貨客混載「バスものバス」状態となっているのも大きな特徴と感じたものでした。

ポイペトのターミナルを出発するとアジアハイウェーを駆け抜け、途中幾つかの街に停車しながらプノンペンへ向かいます。


ハイウェーとは言っても、日本の高速道路の様な自動車専用道路ではなく、片側1.5車線程度の舗装路でゆっくりとトラクターが走っている事もしばしばの道路で、トラクターもこれでもかという程の物品を山積みした車両をはじめ、中には荷台に2桁名の乗客を乗せた車両も散見される状況でした。


ハイウェー脇の路地は未舗装路もよくあるカンボジアにおいては、アジアハイウェーはかなり立派な道路の部類に入ります。


道中では休止中となっている鉄道の線路と並行する区間もあり、またいつか列車運行が再開される日が来たら…などとも感じたものでした。


昼食時間にはバッタンバンのバスターミナル脇にバスが暫く停車、ここに屋台の出店があり他の乗客も昼食を買い求めていましたが、MAKIKYUはこの時風邪で発熱し余り調子が良くない状況でした。


そのため食欲もイマイチながら軽く食べたいな…と思い、炭火で焼いたバナナの串焼きを1本購入、これが1000リエルと割安ながらも結構甘くて美味しいと感じ、もう1本追加で買い求めたものでした。


昼食休憩後もトイレなし車両という事もあってか、何ヶ所かの途中停留所でトイレ休憩があり、おやつタイムにマンゴーを練り込んだと思われる餅などを買い求めて食べる機会もありましたが、バナナの串焼きと共に初めて食べたもので、これもかなり甘いものでした。


その後も所々で砂埃が舞うアジアハイウェーを走り、日が暮れた頃にプノンペン市内のバスターミナルに到着となります。

プノンペンは首都にしては電灯が少なく暗い雰囲気の街と感じたもので、プノンペン市内には小規模なバスターミナルが市内各地に点在しており、MAKIKYUが乗車したバスは中心部よりやや西側のターミナルが終着でした。

市内を移動する路線バスなどの公共交通機関整備が不充分な事もあり、その後予約済のホテルまで移動する際は、軌道系交通機関や路線バスが利用可能な時は極力タクシーなどは利用しないMAKIKYUでもトゥクトゥク(もしくはタクシー)を利用せざるを得ない状況でした。

そのため近隣諸国はおろか単独行動なら日本と比べても市内移動費は割高感があり、今後のバス路線整備に期待したいと感じる状況でした。

また冷房完備とは言え4列席車、それも所々リクライニング機能も故障している車両に9時間以上乗り続ける道程は、想像していた程ではないものの、日本の交通機関を利用し慣れた身には少々ハードとも感じたものでした。

ただ少々ハードとは言えカンボジアの光景を存分に眺める事ができ、15US$程度という運賃も考慮すると、海外旅行初心者だと少々使い難そうだな…とは思いつつも、移動選択肢としては悪くないと感じたものでした。

カンボジアの長距離バスはこの路線以外にももう1路線乗車機会があり、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。