先日「MAKIKYUのページ」では、中国・天津(Tianjin)市の天津経済技術開発区内を走るトランスロール(ゴムタイヤ式トラム)に関して取り上げました。
MAKIKYUが数年前にこの開発区へ足を運んだ際には、地鉄やトランスロールなどの軌道系交通機関以外に、市内公共汽車(路線バス)にも乗車したものでしたが、バスの写真は何枚も撮影していながらまだ未公開という状況ですので、トランスロールの続編記事という形で公開させて頂きます。
天津で乗車したのは1路線だけでしたが、運賃が1.5元(乗車当時)という中途半端な金額だったのが印象的で、ワンマンバスでは日韓の市内バスと異なりつり銭が出ない事を考慮すると、少々不便な印象が否めない気もしたものでした。
車両の外観はモダンな反面、プラスチック製の硬い座席なども中国の標準仕様、天津だけに限らず中国はバス製造メーカーが無数に存在する事から、車両のバリエーションが非常に豊富なのも特徴です。
国産車は2強体制になりつつある日韓との大きな違いを感じますが、市内バス用でも随分大胆な形状の車両も存在、これは存在感はかなりあるものの使い勝手は余り芳しくないのでは…とも感じたものでした。
また塘沽火車站周辺では数台の都市間バス用車両を目撃、その中には運賃が6元とするされたプレートを掲げた車両もあり、これは比較的距離の短い都市間路線(天津市中心部~開発区など)で用いられる車両ですが、この手のバスに混じり日照(山東省)との間を結ぶ長途汽車の姿も見かけたものでした。
塘沽站周辺からなら天津市中心部はさほど遠くない距離、高速列車で容易に移動できる北京でも行先や運賃次第ではバス利用も…と感じますが、このバスを見た際には、さすがに日照までバスで移動するのは…とも感じたものでした。
(MAKIKYUは日照を訪問した事はなく、山東省で訪問歴のある街は青島と済南の2都市だけしかない状況ですが…)
MAKIKYUは最近所用が立て込んでいる事もあり、今年の遠出(首都圏外への遠征)は1月の東北方面のみ、普段よりも遠出の頻度が下がっており、海外ともなると昨年は韓国1回のみ、今年はまだ予定すら…という状況です。
長期休みが確保できれば、船でまた中国辺りへも足を運びたいと感じる位ですが、日中国際航路でも片道40時間以上を要する遠方(船便での訪中は他に韓国経由という方法もあり、こちらの方が航路数や就航便数は充実しています)ですので、現状では中国再訪が実現するのかどうか…という程です。
中国は遠くてなかなか頻繁に足を運ぶ事が出来ない土地ながらも、目覚ましい発展と共に交通機関の整備も凄まじい勢いで進み、とても追いかけきれない状況は、停滞どころか衰退傾向にある島国とは大違いで羨ましい限りですが、以前乗車したもののブログ記事化できずに月日が経過…というものは無数にあり、その一つが天津市内を走るトランスロールです。
トランスロールはフランスで開発されたゴムタイヤ式トラムの一種で、日本では営業路線での導入事例は皆無ですが、開発国フランスをはじめ、中国やイタリアなどでも導入事例が幾つか存在しており、中国の中でも最初に営業運行を開始した路線は天津市内に存在します。
天津市内を走るトランスロールは2007年開業、開業からまもなく10年となりますが、MAKIKYUも以前一度乗車した事があり、市内中心部からは40㎞程度離れた天津経済技術開発区(以下開発区と記します)内を運行しています。
外国人観光客が頻繁に訪問する地域ではないものの、天津市内中心部からも津浜軽軌(地下鉄9号線)と呼ばれる電車で容易に足を運ぶ事ができ、開発区内にある津浜軽軌の途中駅・泰達駅がトランスロールの起点駅になっています。
(北京~天津も高速列車が頻発しており、短時間で容易に移動できますので、北京からの日帰り訪問も容易です)
トランスロールはここから8㎞程度の区間を運行、開発途上の真新しい街並みを駆け抜け、学院区北駅までの間を運行しています。
近年目覚ましい発展を続けている中国の状況を知らず、何十年も前の印象しか思い浮かばない人物がトランスロールに乗車するものなら、イメージと余りに違う現状に驚くのでは…と感じる程で、今日の中国はまだまだ発展途上で遅れている面もあるものの、進んでいる部分は日本を遥かに仰臥していると感じます。
このトランスロールは日本でもお馴染みの路面電車とは異なり、レールが2本ではなく1本だけ、そしてゴムタイヤ駆動となっているのが大きな特徴です。
ライトレールと新交通システムを掛け合わせた雰囲気の交通機関と言っても過言ではなく、遠目で見る限りは一般の路面電車と大差ないものの、軌道などを見ると別物である事が一目瞭然です。
車内も窓が大きく近代的な雰囲気なのは、新しい路線・車両ならではとも言えますが、その一方で座席の硬さなどは中国の都市交通機関の典型ともいえ、この辺りは日本の都市交通を利用し慣れた人物が乗車した際、どの様に評価するのかの判断が大きく分かれる所かと思います。
またトランスロール自体をはじめ、開発区内の沿線も近代的な雰囲気ながら、MAKIKYUが乗車した際には終点駅(学院区北)周辺に移動式販売車による露店が幾つも出店していました。
この移動式販売車も近年の日本では滅多に見る機会のないオート三輪が多数という状況、トランスロールとオート三輪の移動式販売車が並ぶ、新旧混在の姿は如何にも今日の中国を象徴する風景の一つとも感じたものでした。
この移動式販売車で販売している刀削麺を求めた際には、訪問当時の金額で6元(日本円換算で100円程度)だったと記憶しており、廉価な中国の庶民料理を堪能しながら、近代的なトランスロールが行き交う姿を眺めるのも悪くないと感じたものでした。
中国のトランスロールは天津以外に上海でも運行、こちらも乗車した事があり、これ以外にも各地で路面電車の新設も相次ぐ状況、その中には無架線トラムなども存在し、機会があればこれらの新路線も色々乗車したいと思っています。
ただ瀋陽・蘇州など広大な国土の各地に新路線が点在する状況では、一挙に各地の路線を乗車するのは至難の業で、中国各地の新路線乗車記を見る度に、羨ましいと感じる位です。
また今日付けで「railbus' photo album」(railbus様)へのリンクを設定致しました。
アドレスは
http://www7b.biglobe.ne.jp/~railbus/
です。
こちらのリンク先サイトでも今日取り上げた天津のトランスロールをはじめ、中国各地の都市交通機関や列車、中国以外の海外交通機関などの内容を多数取り扱われています。
海外関連だけでなく昔の名古屋市電など、MAKIKYUは生まれる前で見た事もない日本国内の懐かしい画像なども多数公開、かなり見応えのあるサイトと感じたものです。
主内容が海外(中国)関連となりますので、リンク集(0)にリンクを掲載すると共に、暫くの間(概ね1~2ヶ月)は新規リンク告知も兼ねて、トップページのブックマークにもリンクを掲載致しますので、興味のある方はアクセス頂けると幸いです。
なお「MAKIKYUのページ」では引き続きリンク先サイトを募集しておりますので、HPやブログをお持ちでリンク希望される方が居られましたら、各記事(コメント不可設定としている一部の告知記事など以外)へのコメント欄、あるいは「このページについて(ご案内と注意事項)」の項にあるメールアドレス宛に一報お願い致します。
首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)は首都圏屈指の公共交通不毛地帯として知られ、その現状は極めて凄惨、特に「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の運賃問題に関しては地域外でもかなり有名な話で、「MAKIKYUのページ」でも時折取り上げていますので、ご存知の方も多いと思います。
この北総監獄の中でも人口や開発地域面積など、様々な面で中核都市と言っても過言ではない印西市は、かつて関越自動車道で高速ツアーバス特別重大事故を惹起、事故後に実施された特別監査で極めて杜撰な運行管理が明らかになり事業取消処分が下された陸援隊(針生エキスプレス)も、本社を印西市内に構えていました。
この他にも幾つかのバス事業者が拠点を構えており、その一つが「北総交通」ですが、同社は元々京成グループに属するタクシー事業者で、1998年に乗合バス事業(路線バス)に参入しています。
その際には小林駅(JR成田線)~印西牧の原駅(開発を止めた某鉄道)の間で路線を新設、後にこの路線の延伸や印西牧の原駅~滝野地区を結ぶバス路線の廃止に伴う代替運行を行い、現在に至っています。
しかしながら最近になって今月末での路線バス事業廃止・他社移管を発表、MAKIKYUも北総交通の路線バスは以前、小林駅~印西牧の原駅間を結ぶ系統に乗車した事がありますが、運行開始当初は日野リエッセによる運行でした。
バス事業開始に当たって最小限の車両だけで運行していると感じたもので、後に三菱製の小型車(エアロミディMJ)を導入、この車両が稼働する姿を見た事もありますが、バス事業は小規模な事もあり、要員確保なども容易ではないだろうと感じたものです。
(一応大型第2種免許を保有していればバスとタクシーの双方に乗務可能、また旅客事業者運行管理者試験に合格し資格証を申請した場合は乗合(路線バス)と乗用(タクシー)双方の運行管理者として選任可能(実務経験で申請する場合は別)で、この2資格はMAKIKYUも保有していますが…)
また北総交通は京成グループに属し、市内には京成本体のバス部門を分社化した事業者の拠点も存在する事を考慮すると、印西市内の京成グループバス事業を一元化し、運行管理を一元化した方が良いのでは…とも感じていました。
そのため路線自体が消滅せず、グループ内での事業者移管で従来通りの利便性が確保されるのであれば、今回の運行事業者移管は悪くない話と感じています。
趣味者の一部からはバス事業廃業を惜しむ声も出ていますが、現用車両を小林駅発着路線と滝野循環系統限定でそのまま用いるのであれば、塗装は替えずに社名表記だけ変更、検査時などは虹色塗装の車両が代走となれば、余計な経費も嵩まずに済みそうで最善の気もします。
車齢などを考慮すると車両代替の動きが生じても不思議ではなく、また今後他路線と一元化した車両運用を行うのであれば、必然的に虹色塗装のバスが走る事になると思いますが、運行事業者移管以降どの様な動きが出るのかも気になる所です。
ただこの様子を伺うためだけに、わざわざ高額な鉄道運賃を費やし、はるばる印西牧の原まで足を運ぶ事はとてもできないとも感じますが…
6年前の今日(3月11日)は、未曽有の大惨事となった東日本大震災の発生日。
MAKIKYUは横浜市内某所での業務中に遭遇、その時は結構大きな地震が来たという程度の認識でしたが、後に明るみとなった被災地の状況が報じられる度に、これは阪神大震災をも…と感じたものでした。
震災の年(2011年)夏には被災地の石巻や女川などを訪問、その後も大津波で甚大な被害を被った岩手・宮城・福島3県の沿岸部には何度か足を運んでおり、今年も1月に足を運んでいます。
その際には鉄路で復旧した三陸鉄道や常磐線(一部区間)をはじめ、BRT仮復旧となった大船渡線や気仙沼線などにも乗車していますが、今でも震災以来「不通」状態が続いている区間が存在します。
震災から6年を経た今日でも不通が続いているのは、JR山田線の宮古~釜石間で、この区間は未だに代行輸送すら実施しておらず、定期券・回数券利用者のみ路線バスに振替乗車を行う状況が続き、旅行者にとっては非常に不便な状況ですが、路線復旧→運転再開時は三陸鉄道移管が確定しています。
MAKIKYUが1月に宮古→釜石へ移動した際にも、津波被災区間の一部で復旧工事が行われており、被災地はまだまだ復興したとは言い難い状況ながらも、復興へ向けての歩みが着実に進んでいる事を実感したものでした。
ちなみに宮古~釜石を公共交通機関利用で移動する場合、現在唯一の交通手段となっているのは路線バスで、宮古周辺は岩手県北バス・釜石周辺は岩手県交通のエリアとなっている事もあり、両都市間を直通運転する路線バス便はなく、山田町の「道の駅やまだ」か「岩手船越駅」で2路線を乗り継ぐ事になります。
MAKIKYUは以前にもこの路線に一度乗車した事があり、今年2回目の乗車となりましたが、宮古~岩手船越間でMAKIKYUが乗車した便は、一般路線ながらも都市間バス並の車両が充当、岩手県北バスでは観光タイプの経年車を一般路線に転用する事も多く、宮古だけに限らず盛岡市内でもこの手の車両が活躍する姿を散見します。
そのため観光タイプの車両が充当されても、3列シート車や最新鋭車両などでない限りは、個人的には余り驚かない事ですが、盛岡~宮古の都市間路線(106急行)でもトイレなし車両が大半を占めている中で、トイレ付車両が充当されたのはビックリでした。
個人的には岩手県北バスらしい個性を感じるトップドアの中型ワンステップ車登板(写真)を期待していましたので、トイレ付観光タイプ車が充当されたのは見込み違いでしたが、宮古~岩手船越は片道1時間以上の乗車となる事も考慮すると、一般客にとってはこちらの方が良いと捉える向きも多いと思います。
また宮古地区でも震災後首都圏中古車の流入も増加、MAKIKYUが1月に宮古~田老で乗車した県北バスも首都圏中古車でしたが、宮古~岩手船越の路線でも観光タイプ・自社発注中型・首都圏中古車と様々なタイプの車両が活躍していますので、どれに当たるかはその時の運次第です。
(トイレ付車両に関してはHPやバス停時刻表などでの案内こそないものの、ダイヤ限定で運行している様です)
そして船越地区で路線を乗継、釜石に向かう際には、以前乗車した際は県北バスの終点・岩手船越駅まで乗車したものの、1月の乗車時は雨天だった事もあり、道の駅やまだで乗継したものでした。
(道の駅やまだ~岩手船越駅の1停留所間は2社路線が重複、宮古・釜石どちらからも2停留所への運賃は同額です)
道の駅やまだは初訪問、釜石方面へのバス乗継まで少々余裕があり、道の駅にある食堂を覗いたら塩味の「わかめラーメン」が420円。
昼食にしては時間的に少々早めでしたが、価格も手頃という事で注文、シンプルながらも軽めの昼食に丁度良いと感じたもので、他に海鮮系の具材が多数トッピングされたラーメンなどのメニューなどもありました。
道の駅やまだからは上大畑行きの岩手県交通バスに乗車、この路線は震災前に釜石市~大槌町内間を運行していた路線を震災後山田町まで延伸したもので、釜石市内では釜石駅前を経て上大畑まで運行しています。
釜石市内完結路線は、コミュニティバスとして割安な定額運賃(100円~・100円刻み)で運行、釜石市内で市内完結路線と大槌方面路線が重複する区間では、バスによって運賃が異なる上に、車両は両者共通で一般路線車各種を使用しているため、入口付近には「広域バス通常運賃」という表示を掲げているのも大きな特徴です。
MAKIKYUが乗車した便では、車齢20年超の元国際興業車(キュービック)が充当、この車両は古参車が多い県交通の中でも、釜石最古参の部類に入る車両の様です。
結構な古参車ながらも県交通では釜石だけでなく、盛岡地区など各地でまだまだ主力として活躍している車で、このタイプが来てくれれば…と思っていましたので、個人的には大当たりでした。
(一般客の評価としては、県北バストイレ付車両の方が上かと思いますが…)
この車両は以前国際興業のバスに記されていた「KKK」ロゴの最初の「K」だけを少し削った「IKK」ロゴこそないものの、懐かしい緑色の「バス共通カード取扱車」ステッカーも健在です。
県交通では「バス共通カード取扱車」ステッカーを「バスカード取扱車」ステッカーの代用としている事も多いですが、県北バスとの相互利用停止で「共通」ではなく「自社専用」になっていますので、少々紛らわしいと感じる方も少なくないのでは…と感じます。
そしてこのバスで釜石駅前まで乗車、その途中では被災地の中でも特に甚大な被害を被った大槌町を経由し、大槌の現状はまだまだ復興とは程遠いと感じたものでしたが、それでも以前に比べると状況は随分良くなったのでは…とも感じたものでした。
釜石到着後は更に南下し、大船渡へ向かったものでしたが、釜石市内では三陸鉄道の列車乗車まで時間があった事から定額運賃のコミュニティバスにも少しだけ乗車、こちらは県交通オリジナル塗装の自社発注中型車でした。
道の駅やまだ~釜石駅前で乗車した元国際興業のキュービックに比べれば、こちらの方が若干新しいとは言えども、こちらも経年は20年前後とベテランの域に入る車両、県交通オリジナル塗装の車両も少なくなりつつありますので、これも注目の車両と感じたものです。
また今日で東日本大震災から丁度6年・節目の日で、震災被災地に関連する事柄という事もあってこの記事を公開していますので、この記事へのコメントは記事で取り上げたバス関連の内容だけに限らず、震災に関して感じている事などがありましたらどうぞお寄せ下さい。
今月小田急では特急ロマンスカーの主力車両・30000形電車(EXE)をリニューアルした「EXEα」が運行開始、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にこの「EXEα」に乗車された方も居られるかと思います。
MAKIKYUも数日前所用で都内へ足を運んだ帰り、小田急を利用する際に丁度良い時間に「EXEα」で運行する特急の空席がありましたので、運行開始したばかりのEXEαに早速乗車したものでした。
EXEαは塗装が従来のブロンズ1色→濃淡シルバーを基調とした装いに改められたのが、外観上における最大の特徴で、これだけでも従来のEXEとは雰囲気は大違いですが、これに加えて制御装置の交換や電動車数の増大など、下回りもかなり手が加えられているのが大きな特徴です。
外観はこの他に前面のLED式列車名表示装置撤去、ライト類や側面行先表示装置の取換をはじめ、客ドアもガラスの四隅が角張ったモノに交換されるなど、色々な所で従来のEXEとは変わっています。
フルカラーLED化された行先表示はMSEと同種のモノを採用した関係なのか、今までよりも文字表示部分が小さくなっており、EXEでは列車名と行先を同時表示していたものが、EXEαでは交互表示になっています。
またEXEαは大改装が施されたものの、車両用途自体は従来のEXEと同様という事もあり、MAKIKYUが乗車した新宿駅の列車案内モニターでは、既存EXE扱いでの表示となっており、購入した特急券の車種名表記も (EXE10) でした。
車内はデッキに足を踏み入れた時点でもシックな雰囲気だったEXEとは異なり、シンプルで明るい雰囲気を感じ、リニューアルで随分変わったと実感。
デッキに掲出されたメーカー銘板は、リニューアル施行年(2016年)を記したものに交換されており、製造年を記した銘板が撤去されているのは少々残念と感じたものです。
(リニューアル施行車両だと製造年を記した銘板・リニューアル年を記した銘板の2者が掲出されている事が大半ですが、最近の小田急は一般車両でもリニューアル施行時に製造年を記した銘板を撤去する傾向があります)
客室内もデッキと同様に様変わり、LEDが3色→フルカラーに改められた車内案内表示装置もMSEを連想させるもので、照明形状なども大きく変化しています。
座席は常連客からの評価が高いと言われている座席自体は存置されているものの、モケットやひじ掛けの交換などで雰囲気が変わり、シートカバーもEXEαロゴ入りのものが用いられています。
ひじ掛け収納式テーブルもひじ掛け形状の変化に合わせ、従来とは異なる形状のものに変化、座席背面に傘かけが設置されたのも大きな特徴です。
小田急では近年リニューアル進行中の1000形車両でも、リニューアル車では傘などの滑り止め板を設置していますので、このアイディアは同一人物が考案したのか否か気になる所です。
またカーテンの留具部分には、EXEαのロゴが掲出させているのも注目と感じ、これはシールが貼られているだけですが、このシールはEXEα車内で用いるだけでなく、TRAINS(公式グッズショップ)で分売すれば、家庭用のインテリアとしても良い雰囲気なのでは…とも感じたものでした。
一部車両の車端は客席を撤去して荷物置きを設置、近年他社の優等用車両でも客室内で座席上の荷棚以外に荷物置きを別途設置する事が多くなっていますので、これも時代の流れを感じさせるものですが、小田急ロマンスカーではEXEリニューアルだけでなく、他の既存車両でも今後追設の動きが出て来るのか否か気になる所です。
乗車した際の感想としては、座席が従来通りという事もあり、居住性に関しては従来のEXEと大差なく、経年に伴う更新に併せてイメージチェンジ、こだわりのデザイナーが関与するVSE以降の車両に雰囲気を近づけたと感じたものでした。
座席のリクライニング角度が相変わらず浅めである事などは、長時間乗車だと難あるかと思いますが、列車の乗車時間や用途、特急料金の設定額などを考慮すると合格点なのでは…と感じたものでした。
ただ今日優等用車両では標準装備になりつつある電源コンセントが未設置である事と、VSEや最近の一般車両で装備されているLCDモニターによる情報案内装置が備えられていないのは難点と感じ、この2点は今後改善される事を願いたいと感じたものでした。
(電源コンセントはリニューアル第2編成以降で設置予定、今月稼働開始した編成での追設が実施されるか否かも気になる所です)