先日「MAKIKYUのページ」では、米坂線・米沢駅に停車中の気動車群に関して取り上げましたが、MAKIKYUが今月初頭に米沢駅から乗車した列車(米沢駅を10時台に出発する坂町行です)は、坂町まで約90kmをおよそ2時間かけて運行するにも関わらず、途中での列車行き違いは僅か2回という有様でした。
しかもその内の1回は、新形式キハE120形の試運転列車でしたので、途中駅での反対方向の旅客列車との交換は僅か1回のみ、この話を聞くだけでも米坂線の相当な閑散ぶり(それにも関わらず現段階でワンマン運転が全く行われていないのは凄い話ですが、JR東日本では超閑散線区でワンマン運転を行っていない路線が幾つもあり、他社との大きな違いと言えます)が伺えるかと思いますが、その1回だけの交換列車は今泉駅で行き違いとなる快速「べにばな」号でした。
「べにばな」号はかつて山形~新潟間を、奥羽本線~米坂線~羽越本線~白新線経由で結んでいた急行列車で、その後山形新幹線開業に伴う改軌工事(軌道幅1067mm→1435mm)によって、在来線車両(軌道幅1067mm)が奥羽本線福島~山形間(その後標準軌区間は更に新庄まで延伸)を走行不可能になる事もあって、米沢~新潟間に運行区間が短縮、種別も快速に格下げとなった列車です。
「べにばな」号は現在米坂線から直接羽越本線に乗り入れ、新潟まで直通する唯一の定期列車(他の普通列車は米坂線内のみ運行)となっていますので、一応米坂線の花形的存在とも言えますが、快速を名乗りながらも米坂線内は「各駅停車」となっており、かつての急行時代などに比べると、随分寂れた感があります。
ただMAKIKYUが先日米坂線に乗車した際に見かけた快速「べにばな」号は、運行形態こそ完全なローカル列車になっているものの、2両の編成は旧型のキハ58+キハ28形急行気動車コンビで、それも以前はありふれた存在であったものの、最近は見る機会も激減した国鉄急行色リバイバル塗装車同士でしたので、よく新潟でも数少ない国鉄急行色キハ58系列のみで構成された編成が走っているモノと感心したと共に、種別表示の文字を見なければ、見た目は随分前にMAKIKYUが乗車した急行「べにばな」号なのでは…と錯覚しそうな感じでした。
また先日の記事で取り上げた米沢駅では、ただでさえ様々な形態・塗装の車両が見られる状況でしたので、この編成が米沢駅に到着した際には、相当な状況になる事は察しがつくかと思いますが、これに加えて新形式気動車の試運転列車(これもMAKIKYUが目撃した際は新鋭キハE120形気動車単独ではなく、敢えて形態の大きく異なるキハ110形気動車と併結したアンバランスな編成で試運転を行っていましたので…)までもが揃ったとすれば、どれだけ凄まじいものかと連想してしまったものです。