数日前MAKIKYUは今年冬の利用期間が始まった青春18きっぷを利用し、所用で名古屋へ出向いていたのですが、その際には青春18きっぷで乗車可能なJR線の普通・快速列車以外にも、名古屋市内やその周辺を走る幾つかの私鉄や路線バスにも乗車する機会がありました。
その一つが名古屋を代表する鉄道と言える名古屋鉄道(名鉄)で、その中でも市内中心部の栄(栄町)を起点とし、他路線とは直接線路がつながっていない路線としても知られる瀬戸線にも乗車する機会がありました。
瀬戸線は大都市近郊線区でありながらも、日本の路面電車やそれに準ずる鉄道以外では極めて少数派となり、JR線の旅客用電車では既に全廃となっている釣掛式と呼ばれる旧式の駆動方式を用いた車両が活躍する事で知られ、比較的高頻度で電車がやって来る都市近郊路線らしくないうるさい走行音を奏でている印象が非常に強い路線です。
しかしながら最近になって新型車両の導入が進み、釣掛式駆動を用いた車両は淘汰が進んでおり、昨年MAKIKYUが瀬戸線に乗車した際は釣掛式駆動の車両に乗車する機会があったのですが、数日前乗車した際は栄町から途中の小幡(Obata)駅まで乗車している間にすれ違う事も無い程でした。
そのためここ最近の釣掛式駆動車両の激減ぶりを痛感したものでしたが、代わって最近瀬戸線で勢力を拡大している車両が、4000系と呼ばれる新型電車で、先日MAKIKYUが瀬戸線に乗車した際には、初めてこの車両に乗車する事になりました。
4000系は本線系で活躍する最新型車両と比較的類似した印象を受けるステンレス製車体の車両ながらも、前面は他に類を見ない独自性の強いデザインとなっており、車内に足を踏み入れると内装の色調などは本線系の最新型車両に順ずるとはいえ、異なる部分が幾つも見られるのが特徴です。
専ら4両固定編成で用いられ、他編成との併結が存在しない瀬戸線だけあって、号車番号表示がLEDではなくステッカーとなっている点は理解出来るのですが、本線系車両で見かけないLCDモニターを装備しているのも大きな特徴で、この点は本線系に今後導入されるであろう通勤車両も見習って欲しいものです。
また座席がJR某社の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」を初めとするラウンドタイプになっていたり、客ドアが金属地剥き出しの無塗装になっているなど、最近首都圏で続々と登場している低コスト型車両に近い印象になっている点などは、何故瀬戸線の新型車だけ?と思ってしまう程で、余り感心できないと感じたものです。
ただ首都圏の低コスト型車両に近い印象を受ける車両でありながらも、中間車のドア付近にドアスイッチやブザーが設置されている様は、名鉄の車両らしさを感じる数少ない部分と言えます。
(自動改札機&トランパス導入と、これに伴う無人駅システム化で、集札のために車掌が車内を巡回する必然性が低くなった今日では、瀬戸線のみで運用する事を想定した場合、この装備の必要性自体が疑問に感じますが…)
乗車した印象としては、今まで本線系からの転用車や機器流用の瀬戸線専用車がゴロゴロ走り、設備的にも大都市近郊線区にしては貧弱な印象が否めないなど、冷遇されている印象を受ける瀬戸線に純新造車を導入した意気込みは評価できると感じたものです。
とはいえ車両規格などが大きく異なる訳でもないのに、敢えて本線系の新型車とは別形式の車両を導入する必要があったのか疑問に感じると共に、さほど高速性能を必要とせず、他車両との併結も必要ない瀬戸線にこの様な新車を入れる一方で、本線系に「特急政策の変更」に伴う余剰特急車の機器を流用した車体新造車(発生機器を古い下回りを用いた車両の機器更新に充てられるのなら理解できるのですが…)を導入し、編成両数や併結可能車両の関係などで運用し難く、ただでさえ複雑な車両運用を更に煩雑化させる状況になっている現状などを踏まえると、最近の名鉄はどうも理解し難いと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?
写真は栄町駅に入線する4000系電車と、その車内の様子です。
あとこの記事とは別件ですが、年末の多忙な時期である事に加え、現在青春18きっぷシーズンで、MAKIKYUは年内にも青春18きっぷを用いた旅行計画がある事から、年末~年始にかけてブログ更新頻度が低下し、皆様からのコメントへの返答も大幅に遅れる事が予想されますが、悪しからずご了承下さい。