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JR西日本 475系電車(交直流急行色)~リバイバル塗装車は今日を感じさせる面も…

2009-01-30 | 鉄道[北陸]

 

MAKIKYUが今月中頃に青春18きっぷを使い、富山へ出向いた際には、行きは高山本線を用いたのですが、帰りは北陸本線~大糸線~中央本線経由のルートを利用しました。

その際に富山~糸魚川間で乗車した北陸本線の普通列車は、同区間では比較的出没率が高く、MAKIKYUが乗車を期待していた寝台電車改造の419系ではなく、(元)急行型の475系電車でした。

475系は概ね1960年代に製造された急行型電車で、直流/交流双方の電化区間に跨って走行可能な車両という事もあって、直流区間と交流区間に跨る急行列車がほぼ全廃状態となった国鉄の分割民営化後も、専ら交流区間のローカル輸送用として同種の455系(こちらは交流電化区間は50Hzに対応・475系は60Hz)等と共に、徐々に廃車が進みながらも、比較的最近まで結構な数が残存していました。

とはいえこれらの交直両用の急行型電車も老朽化に加え、近年の石綿問題や、地方におけるローカル輸送では当たり前になっているワンマン運転への対応が困難な事などもあって、近年になってJR東日本では仙台地区にE721系電車が大量導入されて運用離脱、またJR九州でも817系電車などの新型車導入や、他地区からの車両転配などで淘汰されていますので、今や定期的な乗車機会はJR西日本の北陸エリアのみという状況になっています。

北陸エリアでは、JR西日本の他エリアは直流電車ばかりで転用が困難な事(それでも七尾線などに、直流区間専用の電車を改造して導入した事例がありますが…)や、新車導入も近年わずかに行われただけという状況ですので、475系は今も多数が残存しており、今でも比較的容易に乗車可能となっています。

しかし北陸エリアを走る475系も、大半は白と青の北陸エリア普通列車標準塗装を纏っており、リバイバル塗装編成は標準塗装の編成と共通運用される上に、運用範囲も敦賀~直江津間と広範囲に跨る事もあって、狙っても簡単には捕まらない存在です。

MAKIKYUが北陸本線を利用した際には偶然この編成の姿を目にする事が出来、それも乗車する列車に充当されていましたので、期待していた419系には乗車できなかったものの、予想外の幸運を手にしたと感じたものです。

乗車した編成は先頭車のヘッドライトが最近見かける機会が少なく、シールドビーム化されていない大型のモノ(北陸ではそれなりにあるのですが…)を用いている上に、車内もローカル輸送向けに車端部のロングシート化などが行われているものの、本格的なリニューアルを行った様子が見受けられず、「動く博物館」的印象を受けましたので、サービス面では余り感心できない事かもしれませんが、リバイバル塗装を施すには適任の車両と感じたものでした。

ただ北陸エリアを走る他の475系や、近郊型の413系などと同様に、先頭部の種別表示幕(一部で快速に充当される以外は専ら「普通」ですので、現状では必要性はさほどでもないのですが…)が塞がれている事や、3両編成中の中間車両にLED式の行先表示器が設けられている点などは、急行列車として活躍した全盛期とは大きく異なる点といえ、リバイバル塗装の装いでも今日を感じさせる面と言えます。

475系の使用年数や走行距離に加え、冬季の降雪や日本海沿いを走る過酷な使用環境などを考えると、普通に考えるならばそろそろ引退の噂が流れても不思議ではなく、その最後のはなむけに往年の装いを復活させた・・・と言っても良い程ですが、JR西日本は、JRグループの中でも車両を非常に長く使い続ける傾向がある上に、北陸エリアではこの475系以上に老朽化が進んでいると思われ、普通列車としての使い勝手も悪い419系ですらまだまだ活躍している状況です。

そのため北陸エリアでは特急型は683系増備車の導入でようやく旧型車両(485系)取替えの目処が見えてきたとは言え、普通列車に関しては475系の活躍はまだ暫く続きそうな気配を感じますが、今後もリバイバル塗装の姿を保ち続けるのか、それとも白と青の北陸エリア普通列車標準塗装に戻されるのかも気になる所です。


JR東日本 E331系電車(2)~異端ぶりは外観だけに留まらず…

2009-01-28 | 鉄道[首都圏・JR]

   

先日「MAKIKYUのページ」であ、京葉線を走る新型車両・E331系電車に関して取り上げましたが、今日はその続編として、この車両の車内に関して取り上げたいと思います。

この車両は見るからに最近のJR東日本らしい「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の一種で、窓枠や客ドアの形状などをはじめ、無地となっている化粧板などを見ると、最近の首都圏でよく見られるシンプルな印象の車両に仕上がっています。

また「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の中でも、中央線などで活躍するこの種の最新型は、客ドアが化粧板張りでガラスの4隅が角張ったモノとなり、つり革も好みが分かれる独特な形状をした黒いものになるなど、この種の車両も年月を経るごとに変化が見られます。

E331系に関しては外観だけでなく、車内の造りも山手線などで走る一世代前の「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の特徴が多く見られ、車内案内表示装置に幅広タイプではないLCD画面がドア上に設置されている点まで、現行の山手線車両と共通する程(ただ号車によって車体長が異なる案内表示は、このE331系ならではですが…)ですが、この事はまともに走り始めたのは最近とはいえ、製造から少し年月を経た車両である事を実感させられるものです。

ただ連接構造を採用している事で車体長が短く、窓割が異様な事を除いても、天井が首都圏を走る「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」でよく見られるタイプでない事や、座席形状も一部でお馴染みのラウンドタイプとなっている箇所が見受けられるものの、ロングシートはアルミ車の製造で知られ、その標準仕様では一部で「極悪」と評される程評判が芳しくない、中国地方某メーカー製の車両を連想させられる形状のモノが用いられ、座席端の袖仕切り形状も異なっているなど、近年におけるJR東日本の標準仕様とはかけ離れた部分が、幾つも見受けられるのも特徴です。

某メーカー標準仕様を連想させられる座席は、見た目こそ「極悪」を連想させられるものの、形状に若干の工夫がなされている事などもあって、近年のJR東日本標準仕様といえるラウンドタイプに比べると、座り心地は劣る気がしたものですが、「極悪」と評される座席に比べれば遥かに良いと感じたものでした。

またこの車両の座席を語る上で欠かせない存在といえるのが、両先頭車にのみ設けられたクロス・ロング可変座席で、E331系のモノは近鉄や東武などの私鉄や、仙石線などで採用されているモノとは異なり、ドア間全ての座席が可変座席ではなく、クロスシートのモードにした際も、ドア寄り2人がけはロングシートのままで、真ん中の2列のみがクロスシートとなるのが特徴です。

そのクロスシートもボックス配列という状況ですので、これは最近の首都圏中距離電車(最近は通勤・近郊型両用形式の台頭などで死語になりつつありますが…)と同レベルで、好みが大きく分かれ、JR東日本特有ともいえる硬い枕部分も相変わらずですので、これだけでも国内で幾つかの採用事例が存在するクロス・ロング可変座席の中では、現在存在するモノでは最下級に属する代物と言えます。

その上この座席は座面が薄くて硬く、一時期高速運転で知られる標準軌の首都圏某大手私鉄で採用され、混雑時にその一部が収納されて立席空間を拡大できる可変座席(MAKIKYUとしては、それでもこの私鉄で最近増えている「ブカブカ」した軟らか過ぎる座席よりはまだ程度が良いと感じていますが…)を思わせるものがありますので、珍しさという点では一見の価値があるものの、座り心地は感心できるものではありません。

そのため日頃通勤車両ではロングシート車ばかりの京葉線において、クロスシートから車窓が眺められる事を除けば、余り期待しない方が良い代物であるといえ、可変座席両脇のロングシートまでこのタイプにする必要があったのか?と感じる程で、その上可変座席設置部分は窓脇にかなりのデッドスペースがあるなど、本格的採用には難ありと感じさせるものです。

こんな座席を設置する位ならば、車両端という事もありますので、平日朝ラッシュ時は混雑率の低い各駅停車限定とする事(現段階では平日のE331系充当列車すら存在しない状況ですが…)で、通常のボックス+ロングシートにした方がと感じたものですが、可変座席のお陰で、E331系のロングシートは、座面だけでも編成内に3種類が存在している事になり、一編成のみの連接車でDDMを採用した事以外にも、試作的要素が極めて強い車両である事を強く感じさせるものです。

それ以外にも客ドア部分が金属字剥き出しでありながらも、他の車両では見慣れないざらついた感触のモノを用いているなど、これまた他車両では見慣れないものでしたが、E331系は運行開始直後に不具合で長期運行中止に見舞われるだけあり、近日に増備される公算は低いかと思いますが、同形登場後に「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い車両」の標準仕様が変化していますので、仮に今後現行編成と間をおいてE331系増備車が登場するとしても、仕様が変化する可能性が高いと思われます。

現在活躍中の一編成は京葉線で走り続ける限り、異端車として同線で最も目立つ車両という運命を背負って活躍する事になる気がしてなりませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非一度E331系に乗車され、その異端ぶりを拝見されては如何でしょうか?


JR東日本 E331系電車(1)~京葉線で活躍する新鋭の異端車両

2009-01-26 | 鉄道[首都圏・JR]

  

18日にMAKIKYUが期限迫る青春18きっぷ(現在は既に有効期間外)の最後の1回分を使用し、房総方面へ出向いた際には、その帰りに京葉線を利用したのですが、京葉線では1編成だけの希少な存在となっているE331系電車に、ようやく乗車する事が出来ました。

この車両は新鋭とはいえ製造は2006年、営業開始も翌07年春ですので、その後も各地で続々と登場している新型車両などに比べると、最新鋭とまではいえない存在です。

その事もあってか、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称」で呼ばれる事が多い最近のJR東日本通勤車両の一員ともいえるこの車両の外観は、中央線などで走っているこのシリーズの最新鋭ではなく、それより少し前に導入された山手線で活躍する車両と類似する面が多く見られる事も特徴となっています。

しかしながら7車体連接×2の14両で、20m車10両相当という編成構成は見るからに異様で、その上車軸直接駆動式電動機(DDM)と呼ばれる他車両では類を見ない動力伝達機構(京葉線では一時期103系(現在廃車)で実用試験を行い、MAKIKYUもその車両には一度だけ乗車した事があるのですが…)を採用するなど、異端ぶりは外見だけに留まらない車両となっています。

そのため鉄道に興味を持つ人間であれば、従来車とは余りに違い過ぎる強烈な特徴故に、非常に興味深い車両と言えますが、従来車とは余りに違い過ぎる機構を取り入れ過ぎた事も影響しているのか、営業開始早々に不具合が発生して運用離脱となり、ようやく運用に復帰したのが先月ですので、製造から約3年の日時が経過しているにも関わらず、運用開始直後の僅かな乗車機会を逃した人間が、まともに乗車できる様になったのはつい最近という有様です。

しかもこの車両は京葉線の従来車(20m4ドア車10両編成)にドア位置などを極力合わせている事で、窓割がいびつになっている事も大きな特徴となっていますが、それでも完全にはドア位置が一致しない事から、各駅の案内表示では「14両3ドア」という案内が行われ、乗車位置目標も専用のモノが用意される有様です。

この事も災いしてか、現段階では多くの車両を必要とする平日ダイヤでの充当は避け、土休日の特定運用(95A)に限定運用となっていますので、土休日に日程の確保が容易であれば、1編成だけの異端車両とはいえ、比較的容易に乗車可能な状況ですが、新鋭車両でありながらも、営業開始早々に運用を離脱し、その後1年半以上の長期に渡って営業から外れるという異例の事態になった車両だけに、興味がある方は機会があれば、早めに乗っておいた方が良いかもしれません。

またこの車両に乗車した感想としては、レールの継ぎ目を通過する際の連接車ならではの独特なリズムに加え、車軸直接駆動式電動機(DDM)という特殊な動力伝達方式を用いている事もあってか、モーター付き台車の付近に乗車しても、近年のVVVFインバーター制御を採用している他の電車の様な走行音は殆ど聞こえず、発車時などにチョッパ制御車を連想させる様な音が僅かに聞こえる程度、あとは付随車(モーターを装備していない車両)に乗車しているかと思わせる状況でした。
(余談ながら以前103系のDDM実用試験車に乗車した際は、両端を爆音で定評の103系電動車に挟まれていた事もあって、この音にかき消されてDDMの走行音は全然分からない状況でした)

走行音が静かな事は一般的には歓迎される事かと思いますが、MAKIKYUとしては殆どモーター音などが聞こえない状況は、乗っていても余り面白くない…と感じたのも事実で、今後DDMがJR東日本の他形式や、他鉄道事業者でも採用されるのか否かも気になる所ですが、E331系自体が異端極まりない車両で、営業開始早々に運用離脱という異例の事態となっただけあり、今後の増備が行われるのか、また現在活躍中の1編成が末永く走り続けるのか否かも気になる所です。

あとE331系に関しては、車内の様子などを(2)として近日中に取り上げたいと思います。


高山本線で活躍するキハ58形気動車~平日午前中のみの稼動ながらも…

2009-01-25 | 鉄道[北陸]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、高山本線のJR西日本管轄区間で活躍するキハ120形気動車に関して取り上げましたが、現在同区間の普通列車はキハ120形の他に、富山~越中八尾間に関してはキハ58形の活躍も見られ、この車両にも乗車する機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。

キハ58形は旧国鉄時代の気動車急行列車の主力で、JR化後もJR北海道を除いた各旅客鉄道会社に継承された車両ですので、比較的最近までありふれた存在と言っても良い車両でしたが、近年急行列車が次々と廃止されると共に、車両自体も老朽化が進んでいる事もあって急速に廃車が進み、その姿を見る機会が急速に減少しています。

そのため10年位前なら各地で見られたキハ58形も、今ではJR東海やJR四国では全廃となり、残るJR東日本、JR西日本、JR九州においても数少ない存在となっていますので、今や乗車機会自体が極めて限られる状況になっています。

また高山本線のJR西日本管轄区間を運行する普通列車は、一旦新鋭の軽快気動車・キハ120形に統一(「おわら風の盆」の臨時列車などを除く)されていたのですが、近年富山市の施策で増発が行われ、これによって車両不足が生じる状況となっています。

その不足を補う為に、他所で余剰となったキハ58形が転用される事となり、一旦新鋭気動車で統一されていた高山本線に返り咲くという皮肉な状況になっています。

ただキハ58形は片運転台車(2エンジンのキハ58・1エンジンのキハ28形共に)で、キハ120形に比べると機動性に難がある事や、老朽車である事も影響してか、ピンチヒッター的な使われ方をしています。

高山本線での活躍は午前中の富山~越中八尾(Ecchu-Yatsuo)間のみ、それも休日運休の列車のみに充当される有様ですので、今や希少な車両故に富山へ出向いた際には是非乗車を…と思っても、なかなか乗り難い存在である事は惜しい限りです。
(記事公開後に運用が変更となり、2010年初頭時点では夕方にも充当列車が存在しています)

とはいえ高山本線で活躍するキハ58形は、MAKIKYUが乗車した車両は出入口付近がロングシート化され、またワンマン改造なども施されており、優先席部分のJR西日本特有の座席モケットなどは今日を感じさせるものですが、ピンチヒッター的存在の車両でありながらも、ワンマン運転を行うどころか、その際の案内放送も音声合成化されていたのは少々意外に感じたものです。

JR西日本のワンマン放送は、やはり旧型気動車の活躍で知られる大糸線で未だにテープを用いており、高山本線はキハ120形でも割合遅くまでテープを用いていた方でしたので、高山本線のキハ58形の活躍は意外と長い可能性も…と感じたものです。

また今日を感じさせられる部分も見受けられる一方、MAKIKYUが乗車した車両の外観は国鉄急行色の美しい姿となっており、エンジンの換装も行われていない状況でしたので、バケット化などが行われていない昔ながらのボックス席に座れば、乗り心地は国鉄時代の急行列車そのものと言っても良い程です。

そのため原型に極めて近いこの車両は希少なもので、ラッシュ時間帯のピンチヒッター的存在に加え、かつての急行列車を再現したリバイバル列車への抜擢などにも最適と言えますが、老朽車故にいつまで走り続けるか気になるもので、高山本線でまだ暫く走り続ける事に期待したいと感じたものです。


JR西日本 キハ120形気動車(高山本線)~前後左右で異なる独特な装いは同形の中でも…

2009-01-23 | 鉄道[北陸]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、高山本線を走るJR東海のキハ40系列に関して取り上げ、MAKIKYUが岐阜から高山本線を普通列車で北上し、猪谷(Inotani)までのJR東海区間ではずっとこの車両に乗車したのですが、富山県内の猪谷~富山までのJR西日本区間へは、現在JR東海区間から直通する普通列車の存在はなく、普通列車利用の際には必然的に猪谷駅で乗り換えを要する状況となっています。
(以前は富山~高山間を直通する普通列車の設定もあったのですが、現在猪谷を跨いで運行する定期列車は特急「(ワイドビュー)ひだ」のみとなっています)

そのためMAKIKYUも猪谷でJR西日本の車両に乗り換え、富山を目指したのですが、今日はその際に乗車したキハ120形気動車に関して取り上げたいと思います。

キハ120形はJR西日本の非電化ローカル線区ではお馴染みの軽快気動車で、小柄で簡素なこの車両は、同社非電化ローカル線区の中でも毎月特定日の昼間運休(代行輸送なし)や、傾斜面に接する箇所での徐行運転などを行うなど、非常に閑散とした線区で運用での運用が多い事から、「JR西日本閑散線区の代名詞的存在」と言っても過言ではない車両です。

車両形態こそさほど多くない(車体は初期に導入された鋼製車と大半を占めるステンレス製の2種類、またステンレス車の一部はオールロングシートになっています)ものの、投入線区毎に装いを変えているために、非常に多くのカラーバリエーションが存在する事で知られています。

その中でも現在は高山本線で活躍する車両は、車両形態こそ同形の中でも過半数を占めるステンレス車体・セミクロスシートの300番台のみとなっていますが、装いは前面が富山方と高山方で異なり、また側面も左右で装いが異なるなど、数多くのカラーバリエーションが存在する同形の中でも、非常にインパクトが強いものとなっています。

高山本線用のキハ120形は以前JR東海区間に乗り入れ、富山~高山間を直通運転する列車や、現在JRが運営から撤退した富山港線(現在は富山ライトレールとして再出発し、その盛況ぶりは盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います)でも運用されており、先日MAKIKYUが同形に乗車した際には、前面の字幕(手回し式)に今も残る高山(今後再び使われる事に期待したいものです)や岩瀬浜(今後使われる見込みはまずありませんが…)の行先も残存していた様でしたが、現在は高山本線のJR西日本区間・富山~越中八尾(Ecchu-Yatsuo)~猪谷間という非常に限られた範囲での運行となっています。

しかしながら高山本線のJR西日本区間では、大半の普通列車が同形で運行され、特に越中八尾~猪谷間の普通列車は、基本的にこの形式のみが充当される状況ですが、朝ラッシュ時間帯には4両連ねた姿も見られ、「JR西日本閑散線区の代名詞的存在」ともいえるこの形式が4両もの編成で走る姿は、他線区における同形の活躍ぶりを見慣れたMAKIKYUとしては、同形らしからぬ印象を受けたものです。

とはいえ近年は富山市の施策もあって普通列車の増発が行われ、臨時駅ながらも新駅(婦中鵜坂)も開設されるなど、県都・富山の中心部から郊外(現在市町村合併で富山県内の高山本線沿線は、全域が富山市域に属しているのですが…)への足としての利便性向上が図られているにも関わらず、1両のみで運転される列車も多い状況です。

MAKIKYUが高山本線に乗車した際も、飛騨の奥地(高山~猪谷間)を走る普通列車は2両編成だったものの、JR西日本区間は1両のみ、それも小柄なキハ120形ですので、始発の猪谷は山中の閑散とした駅であるにも関わらず、乗り継ぎ客だけで始発から座席の過半数が埋まり、富山到着時には超満員という有様でした。

この状況が常態化しているのであれば、飛騨の奥地と富山市内を走る車両の運用をトレード(現実性は低いですが…)するか、或いは2両程度の編成でJR西日本・東海両社の車両を相互乗り入れして以前の様に富山~高山間を直通運転した方が…と感じる程(これを復活させれば輸送力の大きいJR東海車両を富山近郊でのラッシュ体に用いる事も可能ですし、前面展望の優れるキハ120形で奥飛騨のパノラマを楽しめるなど、猪谷での乗り換え解消以外にも色々メリットがあるのですが…)で、高山本線の富山近郊が常に賑わっているのであれば喜ばしい反面、今後昼間帯を走る列車の編成増強などに期待したいと感じたものでした。


臨時快速・南房総水仙まつり号~内房線で一日だけ設定された「ニューなのはな」使用の臨時列車

2009-01-19 | 鉄道[首都圏・JR]

   

昨日MAKIKYUは青春18きっぷの最後の1回分(5回目)を使用し、房総方面へ出向いていましたが、その際は「南房総水仙まつり号」と呼ばれる臨時列車に乗車する機会がありましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。

この列車は高尾~館山間を、中央本線~総武本線~内房線経由で結ぶ臨時列車で、運転日は昨日一日だけでしたが、全席指定席扱いながらも普通車扱い、また快速列車という事もあって、指定席券(510円)を別途購入すれば青春18きっぷでも乗車可能な列車だけあって、MAKIKYUもそうでしたが、有効期限が迫る青春18きっぷでの利用者も多く見受けられたものでした。

使用車両も千葉地区を拠点に運用され、交直流両用の特急形電車・485系を改造したお座敷電車「ニューなのはな」を用いているのも特徴で、同車は過去にも都心方面~銚子間の臨時快速「すいごう」号などの臨時列車での運転実績があり、今後も臨時列車での運転予定がありますが、1編成しか存在していない特殊な車両である上に、団体臨時列車での運用が主体となっています。

そのため一般には乗車機会が限られ、まして青春18きっぷで乗車できる機会となると尚更限られます(同車の客室はお座敷と座席の2形態で運行できる形態となっており、前者の場合はグリーン車扱いで指定席となりますので、青春18きっぷ通用期間内でも、18きっぷでの乗車は不可です)ので、18きっぷでこの車両へ乗車する貴重な機会、また昨日は夜に千葉県内へ向かう所用も存在していた事もあって、「南房総水仙まつり号」に乗車した次第です。

MAKIKYUが「南房総水仙まつり号」に乗車したのは新宿からで、始発の高尾から乗車するのは横浜市内からでは少々時間的に厳しい上に、MAKIKYUがこの列車の指定席券を購入した際には指定席自動券売機を利用し、この機械では中央本線~房総方面跨ぎは…という事も要因ですが、新宿では「南房総水仙まつり号」の少し前に新宿始発で、館山まで同一経路を走る臨時特急「新宿さざなみ号」も設定されていた事もあり、どの程度の乗客が乗車するのか気になっていたものでした。

列車が入線する際の案内では、「本日この列車の指定席は満席との情報が入っています。指定席券をお持ちでない方のご乗車は出来ません。」との案内が行われており、新宿乗車時点では結構空席も見られたものの、その後の停車駅で次々と席が埋まり、満席とまでは行かないものの、車内はどの車両も結構盛況だった様に感じました。

ただ「南房総水仙まつり号」は一日だけ運転される臨時列車とはいえ、総武線の錦糸町~千葉間では快速停車の各駅に停車し、側面の行先表示も列車名や行先などの表示が見受けられず、それどころか臨時表示すら出さずに「快 速」の2文字だけと言う状況でしたので、同区間では全席指定席とは知らずに誤乗する乗客の姿も散見されたもので、今後同種の列車を運転する際は各駅ではそれなりに案内もしている筈ですが、車両側での案内徹底に期待したいと感じたものです。

それに錦糸町~千葉間の総武快速線各駅では、見た限りでは多数の乗客が乗車すると言う状況ではありませんでしたので、総武快速線沿線の方からは異論も出るかもしれませんが、MAKIKYUとしては錦糸町~千葉間では船橋か津田沼のいずれか、或いはその両駅を除いて通過にするなど、同区間の停車駅は多少削減した方が良いのでは…と感じたものです。

また「南房総水仙まつり号」が一日だけ設定された背景には、昨日房総地区でJR東日本が主催する「駅からハイキング」が開催され、首都圏各地からハイキングスタート地点の安房勝山駅へ向かう参加者への便宜を図った事が大きかった様で、車内での案内放送でも参加者は安房勝山駅で下車する様に何度も案内していた他、この列車のお陰で普段は房総方面へ向かう際に乗換えを要する中央線方面からも、乗り換えなしで行けるので利用した方も見られましたので、この事を踏まえると中央線高尾発着とする意義は充分あった様です。

列車もハイキングに合わせて設定された事もあり、ハイキング参加者が乗客の過半数を占めていた様で、安房勝山を過ぎると車内は各ボックス1名程度、それも「ニューなのはな」目当てのレールファンと見られる乗客がかなりの比重を占めるなど、安房勝山を境に車内の雰囲気が一変した事も印象的でした。

MAKIKYUがこの列車に乗車した際の感想としては、乗車機会が限られる「ニューなのはな」に、一日だけ運転された「南房総水仙まつり号」という希少な列車で乗車できたことは貴重な機会で、以前「すいごう号」などで運転された際は、日程が合わずに乗車できなかった事もありましたので、絶好の機会だったと感じています。

ただ車両はお座敷列車で外観に限らず車内の雰囲気や、お座敷状態では使用中止となる折り畳み式の荷物棚なども独特ですが、ボックスシートとなる座席状態での運用は、房総地区の普通列車で主力を占める113系電車などよりは良いとは言え、房総地区の一部列車・区間では普通列車として運行されるE257系電車や、最近首都圏の臨時快速列車などで用いられる機会も多い国鉄形の元特急車両・183系電車などに比べると、座席は見劣りすると感じたのも事実です。

車両のグレード的には昼夜兼用の寝台電車として知られる583系の座席状態(ボックス配置)などと同レベルと感じましたので、車両の称号こそ「クロ」「モロ」というグリーン車を名乗る車両とはいえ、座席状態での運用は設備面で到底グリーン車や特急などで運用できるものではなく、特別料金を要しない快速での運用が妥当と感じたのも事実です。

それに運転席背後も見晴らしこそ悪くないものの、その背後は乗降口を兼ねたデッキとなっており、空調も効かずに寒い有様でしたので、特別車両の類では展望スペースなどが設けられる事例も数多く存在する今日において、この車両ではその点が配慮されていないのも残念に感じたものですが、普通乗車券や青春18きっぷでも指定席券(510円)を買い足す程度で乗車できるのであれば、座席状態の「ニューなのはな」も一度乗車する価値はあるのでは…と感じたものです。

写真は「南房総水仙まつり号」に充当された「ニューなのはな」の外観と「快 速」とだけ表示した字幕、車内と座席の様子です。


安房鴨川駅弁・あさりめし~シンプルながらも割安な価格設定は…

2009-01-18 | 日本国内その他

今季の青春18きっぷ(JR全線の普通列車が乗り放題となる格安乗車券)シーズンはもうまもなく終わり(有効期間は20日まで)となりますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、今季の18きっぷを利用された方も居られるかと思います。

MAKIKYUは今季の18きっぷシーズンでは、先月と今月中旬にそれぞれJR西日本エリアまでの往復で利用し、この2回の旅行で18きっぷ4回分を使用したのですが、有効期間が迫る今日まで1回分が残存していた事もあって、今日は房総半島へ出向いていました。

MAKIKYUは最近仕事で多忙な合間を縫って、少ない休みを主に旅行に費やす状況で、特に今季は青春18きっぷで夜行快速ムーンライトながら号に2回乗車している状況ですので、最近は疲労が蓄積していると感じており、「MAKIKYUのページ」更新頻度も低下せざるを得ない状況になっていますが、今日も余り本格的な更新は…という状況ですので、昼食として購入した駅弁に関して取り上げたいと思います。

MAKIKYUは今日昼頃に丁度、房総半島の外房・内房両線の終点となる安房鴨川駅にいた事もあって、同駅で駅弁を購入したのですが、幾つか発売していた駅弁の中で、今回MAKIKYUが購入した駅弁は、「あさりめし」と呼ばれる駅弁で、包装紙にもしっかり駅弁マークが記されていましたが、NEWDAYSで販売されている典型的なコンビニ弁当と大差ない400円と言う破格の価格設定となっている駅弁はどんなものだろうか…という事で試してみた次第です。

ちなみにこのあさりめしは、駅舎内にある「NEWDAYS」(JR東日本のエキナカなどにあるコンビニ・売店等)で購入したもので、その内容はアサリの入った炊き込みご飯におかずが数品と言うシンプルな印象を受け、最近各地で良く見られ、ご当地名物をふんだんに集めた駅弁の様な豪華さこそありませんでしたが、味も決して悪いものではありませんでしたが、街中に比べて高級で割高な印象が強い駅弁が多い中、この様に手頃に購入できる駅弁がもっとあっても…と感じたものです。

また写真はMAKIKYUがあさりめしを購入した後、安房鴨川から「青春18きっぷで乗車した列車の車中」で撮影し、リクライニングシートに身を任せ、太平洋を眺めながら味わっていましたが、どんな車両に乗車したかはクイズとして出題したいと思いますので、写真を見て分かった方は、コメントにて回答頂ければ…と思います。

(ヒント)
(1)写真は前の座席背面に装備されているテーブルを使用した際のものです
(2)この車両の座席はリクライニングだけでなく、座面が前にせり出す機能も装備しています


JR東海 キハ48形気動車(高山本線)~災害復帰車両にはその事を示すプレートも…

2009-01-14 | 鉄道[東海]

 

今冬の青春18きっぷは、発売期間こそ10日で終了しましたが、20日までは通用期間となっている事もあって、先日MAKIKYUは18きっぷを2回分使用し、富山まで出向いていました。
(それでも18きっぷはまだ1回分残っており、この消化もありますので、もう暫くの間「MAKIKYUのページ」更新頻度が低下している状況が続きますが、ご了承頂ければ…と思います)

富山まで出向いた最大の動機は、MAKIKYUにとってはJRの中でも、数少ない未乗路線となっていた高山本線(両端の区間は以前にも乗車していますので、未乗区間は美濃太田~猪谷間)へ乗車する事で、本当なら雪の降るこの時期は避けたいと感じたのですが、3月のダイヤ改正で全車指定席制の夜行快速列車・ムーンライトながら号は臨時列車に格下げとなり、ダイヤ改正以降の訪問は現状に比べると厄介になる公算が高い事もありますので、先日同線へ乗車に出向いた次第です。

ちなみに先日同線に乗車した事で、晴れてJR東海は東海道本線の新垂井経由別線を除き、全線踏破達成となりましたが、JRは3島会社各線を踏破しているMAKIKYUは本州に居ながらも、本州内の他2社はまだ未乗路線が残っている有様ですので、本州内のJR路線規模の大きさを痛感させられるものです。

ところでこの高山本線ですが、全線非電化のこの路線は、岐阜~富山県境の猪谷(猪谷駅自体は富山県に位置しています)を境界に、同線の大部分を占める岐阜県内はJR東海、富山県内はJR西日本の管轄となっています。

JR東海の特急形気動車・キハ85形で運行される特急「(ワイドビュー)ひだ」号は高山本線全線を通して運転する列車が設定されているものの、普通列車に関しては現在、JR東海/JR西日本の境界駅である猪谷を境に、全て運行が分断されている状況です。
(以前はJR東海車両が富山まで、またJR西日本車両が高山まで相互に乗り入れていたのですが…)

その内JR東海区間に関しては、非電化ながらもそこそこの運行本数(昼間毎時2本)が確保され、都市型路線の範疇に含めても…と感じる岐阜~美濃太田間に関しては、太多線と共にJR東海オリジナルの軽快気動車・キハ11形が主力として活躍していますが、美濃太田以遠の普通列車は、殆どが国鉄時代からの気動車・キハ40系列で運用されています。

高山本線で活躍するキハ40系列は、美濃太田以北の大半の列車だけでなく、同区間から岐阜へ乗り入れる列車などでも活躍し、その中でも片運転台で両端に片開き扉を設けたキハ48形が主体となっていますが、MAKIKYUが高山本線に乗車した際は、岐阜~高山、高山~飛騨古川、高山~猪谷とJR東海区間で乗車した普通列車のどれもが、キハ48形2両編成のワンマン列車という状況でした。

ただ高山本線で活躍するキハ40系列は、キハ48形以外に単行形のキハ40形が活躍する姿も目撃しており、キハ40・48形の中にはワンマン運転に対応しておらず、乗降口と客室がデッキで仕切られた車両も存在しています。

そのため一見どれも同じ様な車両ばかり…という印象が強く、塗装もJR東海の標準的な装いといった印象の高山本線を走るキハ40系列も、よく見ると幾つかのバリエーションが存在していますが、ワンマン改造やエンジン換装などで改番を繰り返し、やたらとハイナンバーの車両ばかりという状況になっていますので、車両の番台区分が随分煩雑になっています。

また高山本線は比較的近年、台風による大規模な自然災害に見舞われ、その影響でJR東海管轄区間の一部では、約3年にも及ぶ長期の運休を余儀なくされた事も記憶に新しいです(この事も高山本線乗車が後手に廻った一因ですが…)が、この台風襲来時に打保駅で運転打ち切りとなった車両(キハ48形)は、線路が寸断されている上に、車両搬出も困難な事もあって、その後2年以上に渡り打保駅に幽閉されるという、異例の事態となったものでした。

これだけ長い間稼動不能となって留置されるともなれば、その後の再起も…と感じるもので、現に台風の影響で路線寸断→そのまま廃線となってしまった九州の第3セクター鉄道・高千穂鉄道では、車庫のある高千穂と遠く離れた延岡駅に留置された車両が、再起の機会もなく廃車解体と言う憂き目に遭っています。

まして高山本線の場合は国鉄からの継承車で、車齢もそれなり…という事で、失礼ながらそのまま廃車になっても驚かない車両と言っても過言ではなく、現にJR東日本などではキハ40系列の廃車(事故廃車を除く)が行われていますが、打保駅に幽閉された車両は幸いにもエンジン換装やワンマン化改造を施行し、現代のローカル輸送ニーズにも応えられる車両だった事もあって、幸運にも打保駅から搬出されて名古屋工場で整備、そして高山本線全線復旧と共に、約3年ぶりに奇跡のカムバックを果たしています。

MAKIKYUが高山本線に乗車した際には、この災害復旧車両(キハ48 6810)にも乗車する機会があり、この車両の見た目は他のキハ48形と変らず、特に目立つ存在ではないものの、車内には車号プレートの下に「高山本線復旧車両」というプレートが大きく目立つ様に掲出されていたのには少々驚かされたもので、この車両は地味な存在ながらも、高山本線の災害復旧を象徴する車両の様に感じたものです。

JR東海では今後国鉄から継承した車両の中で、電車に関しては大規模な取替えが告知されると共に、気動車も数年前にキハ58系列などの老朽車淘汰が行われ、また武豊線向けに新形式気動車を導入する告知も行われた程ですので、キハ40系列に関しても今後の動向が気になる所ですが、まだ暫くその活躍ぶりが見られる事に期待したいものです。

写真は奇跡のカムバックを果たしたキハ48 6810号車と、その車内に掲出された「高山本線復旧車両」を示すプレートです。


梅小路公園を走るチンチン電車~公園内の僅かな距離だけながらも…

2009-01-11 | 博物館・保存施設等

 

先日梅小路蒸気機関車館(以下蒸気機関車館と記します)内を走るSL列車「スチーム号」に関して取り上げましたが、蒸気機関車館一帯を占める梅小路公園内では、JRの営業線とも繋がっている蒸気機関車館内の線路以外に、公園内に独立した軌道も設けられています。

蒸気機関車館へ足を運ばれた方は、同館の目の前までこの軌道が延びていますので、その姿を目にしているかと思いますし、同館へ足を運んだ事がない方の中でも、蒸気機関車館の周囲に敷設された軌道の存在をご存知の方もいるかと思いますが、この軌道は総延長が約300m程あり、軌道幅こそ専らSLが活躍する蒸気機関車館内の線路と同じ1067mmながら、同館内の線路とは異なり、電化されているのが特徴です。

この軌道は300m程度の延長があり、蒸気機関車館とは反対側が起点となっているのですが、ここには車庫も設けられ、乗車券(往復)の券売機も設けられ、土休日や祝日などの昼間に限られるものの、かつて京都市内で活躍した市電の旧型電車(N電)27号車の運転が行われています。

この電車は車庫のある建物脇にある券売機で発売している乗車券こそ往復(大人300円)でしか発売していないものの、係員の方に伺うと、車内で運賃を直接支払うのであれば、片道のみの乗車(大人150円:乗車券発券はなし)も可能との事でしたので、MAKIKYUも先月梅小路を訪問した際は、丁度この電車の運転日・時間帯だった事もあり、蒸気機関車館訪問と併せ、この電車にも片道だけ乗車してみました。

この電車は出入口を兼ねた運転台部分が吹きさらし、屋根が2重屋根(ダブルルーフ)で内装には木材がふんだんに用いられ、そして先頭には人命救助用の網を装備しているなど、如何にも昔の路面電車という形態をしており、動態保存車として丁寧に取り扱われている事もあってか、この様な車両が非常に綺麗な状態で活躍している事には好感を感じたものです。

とはいえ軌道延長が300m程度、MAKIKYUの足では軌道脇を歩いても5分もあれば…という状況ですので、非常にゆっくりと走るこの電車でもあっという間、運賃を支払ってまで移動手段として使用するものではありませんが、なかなか乗車機会がない希少な車両へ乗車でき、その運行維持に協力するためと考えれば、片道150円の運賃を支払う価値は充分にあると感じたものです。

また運行区間が極めて短く、乗車時間も僅かですので、MAKIKYUとしては乗り心地を堪能するには物足りないと感じましたが、かなりの古参車両で台車の構造なども現代の車両とは大きく異なり、低速でも意外と揺れると感じたもの(この電車などに比べれば、国内各地の路面電車で走っている釣り掛け駆動の単車でも、快適に感じてしまう程です)ですので、一般向けには余り長時間乗車するのに適した電車でないのは事実で、広く一般に古参電車の雰囲気を手頃に楽しんで…という事を考えると、この程度の運行規模が妥当なのかもしれません。

この電車は運転日や運行時刻が限られますので、梅小路を訪問しても常に乗車できるとは限らないのが難点ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も有名な蒸気機関車館を訪問する機会があり、その際にチンチン電車が稼動している姿を目撃する事がありましたら、是非この電車にも乗車してみては如何でしょうか?


梅小路蒸気機関車館・SLスチーム号~館内の短距離を走る列車ながらも…

2009-01-08 | 博物館・保存施設等

 
  

先月MAKIKYUが関西方面へ出向いた際には、久々に(約20年ぶり位かと思います)蒸気機関車の動態保存で知られる京都の梅小路蒸気機関車館を訪問したのですが、その際には館内を走る「SLスチーム号」と呼ばれる列車に乗車する機会がありましたので、今日はこの列車に関して取り上げたいと思います。

SLスチーム号は、名前の通りSL(蒸気機関車)が客車を牽引する列車で、路線はスチーム号運行の為に敷設された往復1km程度の距離を運行しており、折り返し地点は転車台や乗降場(ホーム)などは存在していないため、SLスチーム号への乗車は必然的に往復乗車となります。

折り返し地点では機関車の向きを変える事も出来ませんので、館内のSLスチーム号乗り場を出発してから、折り返し地点に至るまでは、推進運転となるのも特徴で、運行区間は非常に短く、その路線自体もさほど面白いものではありませんが、牽引する蒸気機関車は他の博物館や遊園地などで見られる専用の新造車(場合によっては格好だけで、中身はディーゼル機関車などの事も多いですが…)などではなく、かつて国鉄の第一線で活躍していた本物の蒸気機関車というのが大きな特徴で、これは他の博物館などが真似できない蒸気機関車の動態保存を手がけている梅小路ならではと言えます。

SLスチーム号を牽引する蒸気機関車も、館内で動態保存となっている蒸気機関車の数両が、数日毎に交代するのも特徴で、これだけの事ができる施設は、日本ではもはや梅小路以外には…と思わせるものがありますが、MAKIKYUがSLスチーム号に乗車した際には、C61 2号機がその役割を担っていました。

SLスチーム号に牽引される客車は2両編成となっており、こちらは一応JR在来線と同じ線路幅1067mmの台車を履いた車両ながらも、古風なSLとは不釣り合いな印象を受けるものですが、車内は木製のベンチが並び、ボックス配置となった座席毎にドアが設けられている代わりに、車両間はおろか他のボックスとも行き来が出来ない状況ですので、この座席配列だけは大昔の列車を思わせるものがあります。
(今でも鉄道博物館や加悦SL広場などに保存されている鉄道創世期の客車などで、その様を観察する事が出来ます)

SLとこの客車の組み合わせを見ると、非常に奇妙なものがありますが、如何にも遊具的な印象を受け、SLとは裏腹に余り注目を集めそうにもないこの客車も、客車間は棒状の金具(?)で連結されているものの、牽引する蒸気機関車は自動連結器を装備している為に、機関車と連結する側や、推進運転の際に先頭となる側には、これに対応したアダプター(?)を装備しているなど、よく見ると興味深く感じられる面もあります。
(余談ながら営業線でも、銚子電鉄1000系電車の様に自動連結器本体ではなく、自動連結器との連結に対応したアダプターを取り付けている事例があります)

またSLスチーム号は最終列車の運転終了後に牽引していた機関車を切り離し、その蒸気機関車が方向を変えるために転車台を廻る姿(MAKIKYUが訪問した際には、必要以上に転車台を廻っていましたが…)や、石炭の燃えカスを処理する姿まで公開されるのも特徴で、この様なシーンは日頃なかなか見る事が出来ないだけに、こちらもなかなかの見物です。

このSLスチーム号は路線長こそ非常に短く、国内各地でイベント列車などで運行されるSL牽引列車や、海外で今も現役で活躍するSL牽引列車などと比べると、乗り甲斐や雰囲気の面では今一歩と感じる所です。

とはいえ運行に多大な手間と時間を要する蒸気機関車が牽引する列車に、短い時間ながらも僅か200円(他に梅小路蒸気機関車館入館料400円が必要です)で、煤が飛んでくるSLならではの汽車旅を手頃に味わえる事は有難いもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も京都を訪問する機会がありましたら、是非一度梅小路蒸気機関車館内を走る、SLスチーム号に乗車してみては如何でしょうか?

写真はSLスチーム号と転車台を廻る牽引機(C61 2)、客車とその車内、客車間の連結部分の様子です。


能勢電鉄 会社創立100周年「のせでん昔ギャラリー」~リバイバル塗装車両の車内では…

2009-01-06 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

  
 

先日「MAKIKYUのページ」でも取り上げ、現在2両2編成が専ら山下以北の区間運転で運行している、能勢電鉄のリバイバル塗装編成ですが、この電車は外観の装いを改めただけでなく、車内も会社創立100周年を記念した「のせでん昔ギャラリー」となっています。

このギャラリーは車内の戸袋部分や中吊りの広告枠を用い、戦前から今日に至るまでの様々な能勢電の姿を写真で取り上げたもので、小型電車の走っていた大昔の能勢電や、今は亡き川西池田駅への連絡線で活躍していた単行車両、未曾有の大災害となった阪神大震災(1995年)前の車両塗装を次々と変えていた時期の、短い期間だけ見られた塗装の電車(それも試験塗装が幾つか出回っていた状況でした)など、非常に希少なシーンを収めた写真が幾つも見られるなど、内容的にも非常に充実したものとなっています。

MAKIKYUが先月乗車した時は、リバイバル塗装2編成の車内で公開されているギャラリーの内容は、両編成ともに同等と思われるものでしたが、「のせでん昔ギャラリー(第2弾)」と告知されていましたので、以前は「第1弾」として別の内容が公開されていたのかも気になる所です。

またこの記事で取り上げているギャラリーの写真は、車内で掲示されている写真の極一部で、この他にも様々なシーンが車内で繰り広げられていますが、山下~日生中央or妙見口間の短区間では、ギャラリーの内容全てを見終わる前に終点に到着してしまい、じっくりとその内容を鑑賞するだけの時間がない事は惜しい限りですが、これも短い区間を多数運行する事で、より多くの利用客にギャラリーの内容を鑑賞して…という能勢電の配慮なのかもと感じたものです。

会社創立100周年を記念した期間限定のリバイバル塗装電車、見ているだけでも興味をそそるものがありますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、この電車に乗車する機会がありましたら、車内のギャラリーにも注目してみては如何でしょうか?


能勢電鉄・懐かしのオリジナルカラー~期間限定のリバイバル塗装

2009-01-04 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

皆様、新年あけましておめでとうございます。
2009年も「MAKIKYUのページ」を宜しくお願い致します。

MAKIKYUは3箇日ずっと仕事が入り、「MAKIKYUのページ」更新もままならない有様でしたが、ようやく記事投稿が可能な状況となりました。

そこで今日は2009年初の記事として、先日の「2008年を振り返って…」で、「各地でリバイバル塗装の登場や、永年親しまれた装いから新塗装へ改める動きも…」と記し、先月乗車してまだ記事として取り上げていなかった能勢電鉄のリバイバル塗装車に関して取り上げたいと思います。

能勢電鉄は現在阪急系列となっている中小私鉄で、観光的要素は薄く、専ら大阪郊外のベッドタウンへの生活路線の色彩が強い路線ですので、関西以外の方には余り馴染みがない路線かもしれませんが、阪急電車と接続する兵庫県の川西能勢口を起点に、府県境を越えて大阪府の妙見口へ至る妙見線と、途中の山下から分かれて日生中央へ向かう日生線の2路線を運行しています。

能勢電鉄の列車は、昼間時間帯は概ね川西能勢口から4両編成の妙見口行と日生中央行が交互に運行される形態となっていますが、妙見口方面と日生中央方面へ向かう電車が分岐する山下駅からは、川西能勢口からの電車が直通しない方面へ向かう接続列車が運転されていますので、現在の能勢電鉄は全線で毎時6本の電車が運行され、沿線の土地柄などを考えるとかなり至便と言えます。
(昼間の輸送力は同程度で線路幅も同じ、車両の大きさも大差ないにも関わらず、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などは、東京23区内やそれに近いエリアを走りながらも、昼間は1本逃がすと20分待ちで利便性に大きな格差がありますので、少しは能勢電を見習って…と感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?)

この山下以遠の区間を走る区間列車は、山下~妙見口間と、山下~日生中央間でそれぞれ1本の編成がピストン運行を行っており、2両という極めて短い編成で運行しているのが特徴です。

この区間運転用の車両は1500系(元阪急2100系:同形に限らず能勢電鉄の車両は全て阪急からの譲渡車です)と呼ばれる車両の中でも、先頭車のみで4両を構成していた編成が分割されて2両2編成となっており、予備車なしのフル稼働(点検時などは4両編成を充当する様です)となっています。

区間運転用の2両2編成は、2008年に能勢電鉄が創設100周年を迎えたのを記念して、期間限定で「懐かしのオリジナルカラー」(近年能勢電鉄は数度に渡って塗装変更を行ってきましたが、現在ぼ標準塗装は親会社阪急と同じマルーン1色となっています)を復刻したリバイバル塗装編成となっています。

2両2編成は1550-1500の編成が1980年代頃のマルーンに窓周りがクリームの塗装、1560-1510の編成が1990年代~現行塗装に移行するまでのアイボリーとオレンジの塗装(一部ではフルーツ牛乳などとも呼ばれている様です)となっており、特に前者は阪急系ながらも、親会社とは異なる独自性を感じる装いに好感を感じたものです。

1560-1510の編成は一時期中間に組み込まれていた関係もあって、ライトなどは撤去→再設置となっており、他の1500系と異なり、3100系(能勢電鉄の最新車両:1編成のみの希少な存在で、MAKIKYUはまだ乗車した事がありません)と呼ばれる車両と同様のやや近代的な印象を受ける面構え(能勢電鉄の車両は昭和30年代製ばかりですので、手入れが行き届いてさほど古さは感じないとはいえ、古参車ばかりですが…)となっている事もあり、同編成を比較的近代的な印象を受ける近年のリバイバル塗装とし、やや古風な印象を受ける1550-1500の編成を、1980年代の装いとしている点は好感が持てるものです。
(もしこれが逆であれば、マルーンとクリームの装いは相当な違和感を感じたと思いますが…)

またリバイバル塗装2編成は、専ら山下以北の区間運転に充当され、基本的には川西能勢口へ顔を出さない状況(イベント列車で2両2編成を併結した実績はありますが…)ですので、能勢電鉄でも山下まで行かないとなかなか目にする機会がない車両ですが、車両点検などで代走が生じない限りは、山下まで行けば容易にその姿を見る事が出来ます。

そのため山下まで足を伸ばせば、今なら2編成のリバイバル塗装編成へ乗車する事も容易な事は有難いもので、MAKIKYUも先月能勢電鉄に乗車した際は、リバイバル塗装の編成2本双方に乗車する事が出来ましたが、山下~妙見口間の列車は折り返し時間が短いですので、乗車の際はこの点要注意です。
(MAKIKYUが先月能勢電鉄に乗車した際は、スルッとKANSAI 2dayチケット利用でしたので、折り返し乗車でも没問題でしたが…)

この2編成のリバイバル塗装は、3月頃までの期間限定と告知されており、その後は他の車両と同じマルーン1色に戻る公算が高いと思いますが、山下以北の区間運転列車は、日生中央方面の列車は山下駅で一旦2号線を出発して川西能勢口方へ向かい、本線上で折り返して同駅1号線に停車する運行形態も異色です。

その上2編成のリバイバル塗装編成では、車内でも「のせでん昔ギャラリー」と称して昔懐かしの車両などの写真を、中吊り広告スペースなどに掲載するなど、見るだけでなく乗って楽しめる点も魅力的と感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も能勢電鉄沿線やその近郊へ出向かれる機会がありましたら、是非山下以北の区間運転で活躍するリバイバル塗装編成に乗車してみては如何でしょうか?