今年(2016年)も今日で最後となりますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方はどんな1年を過ごされたでしょうか?
MAKIKYU自身や周囲は、個人的には色々訳ありの1年でしたが、そんな中でも何度か遠方へ足を運ぶ機会にも恵まれる年となりました。
「MAKIKYUのページ」既公開記事で使用した画像を用い、今年1年を振り返りたいと思います。
個人的に今年の大イベントと感じた事の一つは、唯一の出国となった先月の韓国訪問。
知人のお陰で営業開始前の新高速列車・SRTにも乗車できたのは、非常に希少な機会だったと感じています。
それ以外にも韓国では今年開業したばかりの新線が幾つも存在、試行的ながら市内バスにおける2階建てバス導入の動きも見られるなど、都市交通を巡る話題は事欠くことなく、また来年以降の新線計画なども目白押しと言う状況です。
まだ「MAKIKYUのページ」でも記事作成が追い付かず一部しか取り上げていませんが、今年も引き続き韓国関連の記事公開を行いたいと思っています。
日本国内では北海道旅客鉄道(JR北海道)を巡る諸問題が報じられ、同社は過酷な環境も災いし大変な状況にありますが、そんな中でも今春には遂に北海道新幹線が開業、MAKIKYUも今年北海道新幹線とJR北海道初の新幹線車両H5系、接続列車(はこだてライナー)の733系1000番台に乗車機会がありました。
北海道新幹線開業後は同線を巡る大きなトラブルも報じられる事なく、今日に至っているのは幸いですが、夏の台風による災害は甚大な影響を及ぼし、それ以外でも留萌本線の一部区間廃止など、芳しくない話題が続いているのは残念な限りです。
北海道以外のJR線では、交流区間初の充電式電車となったBEC819系「DENCHA」が九州の若松線で営業運転を開始、機構面だけでなく拘りのデザイナーが関与した独特のデザインも大きな特徴の車両です。
同車は今後若松線で増備車導入が予定されているだけでなく、JR東日本でもこの車両をカスタマイズした車両を秋田県の男鹿線で走らせる事を発表しており、今後非電化区間や交直両用車が必要な区間での車両概念を一新する存在として、「DENCHA」やそのカスタマイズ車両が大増備される事になるのか否かも気になる所です。
また今月JR東日本の常磐線でも、東日本大震災の津波で甚大な被害を受け、不通となっていた宮城・福島両県に跨る浜吉田~相馬間が一部新線移設で営業再開しています。
こちらはまだ乗車していませんが、まだまだ震災の影響が色濃く残る中でも、着実に復興に向けた取り組みが進んでいる事を実感させられるニュースとも感じ、機会があればこの新線区間にも是非乗車したいと思っています。
JR以外の私鉄では経年車両の比率が高い関西私鉄において、今後老朽車の代替として導入される新型車両が次々と導入され、今年営業開始したばかりの新形式にも乗車機会がありました。
その一方でかなりの経年車でも、まだまだ手を加えて使い続ける意思を表したと言っても過言ではない車両も幾つか存在し、特に「私鉄版はやとの風」と言っても過言ではない近鉄特急「青の交響曲」は異色と感じたものでした。
日頃生活圏としている首都圏においても、小田急線で1000形リニューアル車が徐々に数を増やし、快速急行以下の一般列車における輸送改善に貢献していますが、今夏には6+4両編成を10両固定編成に改造した車両も登場しています。
10両固定編成化されたリニューアル編成(この写真のみ今日初掲載)は、今月初めて乗車機会がありましたが、6・7号車の中間車化改造された箇所などは、如何にも改造車という雰囲気が漂い、窓枠などはもう一工夫あっても…という気もしましたが、1000形リニューアル車は首都圏通勤車両の中ではかなり上等な車両と感じており、今後のリニューアル進展にも期待したいものです。
小田急では1000形更新を除くと、一般車両は代替なども落ち着いていますので、再来年春の複々線化完成までの間も4000形が若干増備される以外は、車両面では余り大きな動きはないと思います。
ただ春のダイヤ改正で区間準急が廃止・快速急行が大増発されると共に、東京メトロ千代田線を介してJR常磐線との間で3社車両による相互直通運転を開始するなど、運行体系は大きく変化しており、複々線化事業開始前にここまで大規模な改正を行うとは…とも感じたものでした。
これにより小田急の車両が千葉・茨城両県でも定期的に運行されるようになったのも大きな変化と言え、毎年秋の恒例行事になっている「ファミリー鉄道展」でも、3社の相互直通用車両が並んで展示されたのは、運行体系の変化を大きく象徴する出来事の一つと感じたものでした。
今秋には特急車両の新形式・70000形導入を発表しており、同形は展望席付の観光向け車両ながらもボギー車で分割併合なしの固定編成という、今までにない形態の車両になります。
既存の30000形「EXE」もリニューアルを施行した車両を「EXEα」として今春から運行開始する事を発表しており、来年は特急ロマンスカーを巡る動きも見逃せないと感じています。
小田急以外の首都圏私鉄では、相鉄で中堅格の9000系電車に「YOKOHAMA NAVY BLUE」と称したリニューアル車両が登場、内外共に大変貌を遂げたこのリニューアル車両は、新車と間違える乗客の姿も散見する程で、近年相鉄線では没個性的な車両が増えつつある中で、かなり大きなインパクトのある車両が出てきたと感じたものでした。
また東京メトロ日比谷線と相互直通運転を行っている東武スカイツリーラインの双方で、両線間を直通運転する車両の代替が今後進み、両者で基本的仕様を合わせた新型車両の納入も始まっています。
先日試験的に営業運行を行ったメトロ側の新型車両(13000系)もまだ未乗ですが、公式リリースやネット上で公開されている情報などを見ると、様々な面でかなり意欲的な車両なのでは…と感じますので、来年はこの新型2形式にも是非乗車したいと思っています。
この2路線で活躍する既存車両は新型車とは規格が異なり、ホームドア設置の事などを考慮すると必然的に退役を余儀なくされますが、経年の面ではまだまだ使える車両とも感じます。
少し前まで日比谷線と直通していた東急東横線の車両は、一部が地方私鉄に譲渡されており、今後も譲渡車両の登場予定がありますので、東京メトロと東武の日比谷線~スカイツリーライン直通用に用いられている車両の一部が、今後第2の活躍舞台を見出し再活躍する事になるのか否かも気になる所です。
地方私鉄では福井鉄道~えちぜん鉄道の相互直通運転開始が大きな話題の一つと感じており、これに伴い相互直通運転用車両の導入をはじめ、両線接続駅となる田原町駅構内に連絡線が新設されています。
えちぜん鉄道線内では既存列車用の高床ホームとは別個に低床ホームが設けられ、この低床ホームは駅によって形態に差異があるのも特徴です。
新体系での運行開始となった路線以外でも、静岡鉄道では久々の新規導入車両となったA3000形電車が今春運行開始しています。
この新型車両は運行開始早々乗車機会がありましたが、今後増備される車両は1編成ずつ装いを変えての登場予定が告知され、地味な生活路線の印象が強い静鉄電車も、今年はかなり注目される1年だったのでは…と感じています。
他にも今春以降本格運行体制に入った、小湊鐡道のSLもどきDLが小型客車を牽引する観光列車「里山トロッコ」や、某有名デザイナーが手掛けた異色の改装車両を次々と登場させている和歌山電鐵に今夏登場した改装車両第4弾「うめ☆電車」、和歌山電鐵と同じデザイナーが関与した長良川鉄道の観光列車「ながら」などにも乗車機会があり、これらもかなり印象に残る車両の一つと感じたものでした。
バス関連では乗合ではなく貸切になるものの、1月に東京都羽村市のイー・エス・ピー(事業廃止)が運行するスキーツアーバスが、長野県軽井沢町の碓氷バイパスで横転、乗務員と共に乗客として乗車していた多数の若者の人命が失われるという特別重大事故を惹起しています。
2012年に千葉県印西市の陸援隊(針生エキスプレス)が、関越自動車道で惹起した夜行高速ツアーバス事故の再来とも感じたもので、事故後の特別監査で明るみに出た事業者の杜撰な運行管理体制をはじめ、企画ツアー会社(廃業)の対応なども呆れるものでしたが、今後同種事故の報を再び聞く事がない事を強く願いたいものです。
路線バス(乗合)では近年大型路線車をモデルチェンジした三菱ふそうに続き、現在の国内2大勢力を担うJ-BUSも路線車の新モデルを今年発売開始、各地で続々と導入が進んでおり、MAKIKYUも何度か乗車機会がありました。
路線車は原則としてノンステップ車のみとなっているのが大きな特徴で、この点は評価が分かれる所かと思いますが、これに加えJ-BUS路線車は、中型車も含めたモデルチェンジとなっているのも大きな特徴と感じています。
近年バス業界では乗務員不足が報じられる事も多くなっていますが、この対策も兼ねてか連接バスを試行導入する動きも続いており、今年も近江鉄道(滋賀県)と西日本鉄道(福岡県)で導入された輸入連接車両に乗車機会がありました。
(連接バスはこの他に既存の神奈中TwinLinerなどにも乗車していますが…)
特に西鉄の連接バス「Fukuoka BRT」は昨秋の新潟交通に続き、日本国内では2例目のボルグレン製車両となっており、試行導入された2台は各車で内装が異なるのも大きな特徴と感じたものですが、今後導入事例が続く事になるのか否かも気になります。
交通系以外の個人的な事柄としては、フォークリフト技能講習受講や旅客自動車運送事業運行管理者資格者証取得なども大きな出来事と感じています。
現段階ではこれらを生かした業務などに従事している訳ではありませんが、特に後者は公共交通を巡る諸問題を理解し、対策を考える上でも有用な存在と感じています。
来年はどの様な年になるのか、MAKIKYUも全く見当が付かない状況ですが、大きな事故や病気などに見舞われる事無く平穏に過ごすと共に、機会があれば国内外の交通機関乗り歩きにも精を出せる一年になれば…と思っています。
2016年も「MAKIKYUのページ」へアクセス頂きありがとうございました。
また来年、2017年も宜しくお願いします。
「MAKIKYUのぺージ」をご覧の皆様方も今年1年を振り返っての感想や、来年の抱負などありましたら、是非コメントもどうぞ。
今月13日に韓国・大邱(Daegu)では、基幹駅となっている東大邱(Dong-Daegu)駅に隣接して東大邱駅複合換乗センター[동대구역복합환승센터]が開業、日本ではまだ情報も余り出回っていませんが、韓国のニュース記事などでは盛んに取り上げられ、個人ブログなどでの情報も散見する様になっています。
この換乗センター開業に伴い、東大邱駅周辺に点在していた幾つもの小規模な高速バスターミナルと東部市外バスターミナル、そしてこれらとは少し離れた所に位置していた南部市外バスターミナルが統合移転しています。
MAKIKYUも以前東大邱駅前の高速バスターミナルから錦湖高速の高速バスに乗車した事がある他、先月の訪韓時には南部市外バスターミナルに足を運び、南部ターミナル発着のバスに乗車する機会もありました。
南部市外バスターミナルは大邱市内に幾つも存在する市外バスターミナルの中では最も小規模、地下鉄2号線の駅から徒歩でもすぐに移動できる大通りに面していながらも、ターミナル内だけ時が止まっているのでは…と感じる古風な雰囲気の漂うターミナルで、市外バスは慶山(Gyongsan)バスが運行する清道(Cheongdo)などへ向かう路線が発着していました。
発着路線数や便数は少なくターミナル内は閑散としており、閉鎖が近かった事もあってか、化粧室の個室内にトイレットペーパーが用意されていない有様だったのは閉口したものでしたが、待合室座席の中には優等高速バスの廃車発生品と思われるものも鎮座しており、これは結構印象的でした。
慶山バスの使用車両は、市外バスでも市内座席バスに近い雰囲気の車両ばかりを用いており、市外バスでは高速バスと大差ない雰囲気の車両が多い今日では、非常に際立つ存在と言っても過言ではない状況です。
ターミナル内では現代・大宇双方の車両を見る事ができ、その中でも現代車はNEW SUPER AERO CITYよりも車長が短いGREENCITYも停車、この車両は趣味的に注目の車両が多い慶山バス市外バス車両の中でも特にローカルムードが強く、注目の存在と感じたものでした。
また南部ターミナル内には慶山バスが運行する市外バスだけでなく、清道郡の郡内バスも1日9本程度乗り入れ、このバスは清道郡の豊角(Punggak)との間を結んでいました。
(この路線は現在換乗センター発着に変更)
このバスは現代製のGREENCITYが用いられており、大型の市内バス車両が多数行き交う大邱市内において、郡部から細々と乗り入れる小柄なバスは一際目立つ存在と感じ、路線的にも気になりましたので、南部ターミナル→豊角でこのバスにも乗車したものでした。
南部ターミナル~豊角間は、慶山バスも慶山・清道経由で運行する市外バスを運行していましたが、清道郡の郡内バスはほぼストレートに南下するのに対し、慶山バスの市外バスはコの字型に大回りする運行形態となっていました。
そのため市外バスよりも郡内バスの方が所要時間も短く、運賃も安いという奇妙な状況になっているのも大きな特徴で、市外バスの方は全線通しよりも専ら区間利用向けと言った印象を受けたものでした。
そして郡内バスで南部ターミナルから1時間強の豊角は、小規模なバスターミナルがある片田舎、外国人が足を運ぶ機会は余りなさそうな所という雰囲気で、このターミナルを起点に運行する郡内バスが幾つか存在する他、清道ターミナル(清道駅とは徒歩2分程度の距離)との間を結ぶ郡内バスも発着、この区間は先述の市外バスとほぼ重複する運行形態となっています。
MAKIKYUが豊角に足を運んだ際には、その後清道へ移動し、清道駅から釜山市内まで列車(ムグンファ号)に乗車→釜山港から高速船で帰国したものですが、豊角~清道の郡内バスでは南部ターミナル→豊角間で乗車した車両と同タイプが活躍していました。
豊角発の清道・慶山経由南部ターミナル行市外バス(慶山バス運行)も、MAKIKYUの訪問時には市内バスに近接する時間の運行便があり、南部ターミナルから乗車したバスと違う車両に乗車した方が面白そうという事で、豊角→清道では郡内バスを見送り、その後を運行する市外バスに乗車したものでした。
これも本当はGREENCITYが充当されれば最高と思っていましたが、乗車便は残念ながら大宇の大型新鋭車両でした。
市外バスは停車停留所が少なく、市内バスに近い雰囲気の車両ながらも2+2列のリクライニングシート装備車という事もあり、郡内バスよりは少々割高な運賃設定になっています。
市内バスで一般バス(立席バス)を見送って座席バスに乗車する様な感覚ですが、それでも豊角のターミナルで購入した市外バス乗車券(他でまとめて発券した乗車券を手売りで発売・発券日は9月1日の模様)は1500Wでした。
韓国ではバス運賃の値上げが相次ぎ、日韓の物価差を考慮したとしても、20分程度の乗車で割高なバスの運賃が日本の初乗り程度の現状は、バス運賃に関してはまだまだ割安、運賃が次々と上昇し市内でもワンコイン突破は当たり前の日本の地方バスとは大違いと感じたものでしたが、韓国の地方は足を運んだ事がない土地も無数に存在しますので、機会があれば他も色々訪問できれば…とも感じたものでした。
先月MAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、今年首都圏(ソウル市内とその近郊)で開業したばかりの新路線も幾つか乗車機会がありましたが、その一つが仁川(Incheon)市内を走る都市鉄道2号線です。
仁川2号線は仁川都市鉄道(仁川地下鉄)1号線に続き、仁川広域市では2路線目となる地下鉄路線で、黔丹梧柳(Geomdan Oryu)~雲宴(Unyeon)間の29.2㎞が7月末に一挙開業、運営も1号線と同じ仁川交通公社が行っています。
線路幅は韓国の列車線や都市鉄道各線と同じ標準軌(1435㎜)となっていますが、韓国では「軽電鉄」と呼ばれる小型車両を用いた第3軌条方式の路線で、電圧も架線集電式の1号線とは異なります。
2路線間での車両互換性は全くない事もあり、2号線の車両基地は既存1号線の車両基地とは別に雲宴駅の南側に設けられています。
この駅の周辺は開発もまだまだこれからと言う雰囲気で、発着する市内バス路線も少なく閑散とした印象でした。
南端となる雲宴駅だけでなく北端となる黔丹梧柳駅も、駅周辺は閑散とした状況で今後の開発に注目…という雰囲気でした。
こちらは雲宴駅に比べると市内バス発着系統数こそ多いものの、駅前のバス発着場には停留所ポールがなく、地元民でもない限りは何処にバスが停車するのかも判別できない有様だったのには閉口させられたものでした。
(2号線乗車時には仁川市内在住の知人と行動を共にしており、知人がバス停車場所などを把握していましたので無問題でしたが、単独行動だったら結構厄介だった…と感じる状況です)
また両端駅は他鉄道線との接続がない単独駅ですが、途中駅の黔岩(Geomam)でKORAIL空港鉄道・朱安でKORAIL京仁電鉄線(ソウルメトロ1号線直通)・仁川市庁で仁川1号線にそれぞれ接続しており、統合運賃制のお陰で他事業者路線との乗り換え駅となる黔岩や朱安での乗換でも、運賃負担をほとんど気にせずに利用できるのは有難い限り(黔岩でKTXに乗り継ぐ場合は例外)です。
車両は軽電鉄規格の路線と言う事もあり、開業に合わせて新形式2000系が導入、小型車両で2両という都市鉄道にしては非常に可愛らしい編成です。
韓国内を走る地下鉄各線の中では断トツの短編成ですが、ホームは4両分までの延伸に対応、車両側も将来の需要増を想定し増結が容易に出来る様になっています。
車内は比較的シンプル、韓国の都市鉄道では典型的な雰囲気と言っても過言ではない仕上がりになっていますが、自動運転を実施し基本的に乗務員が乗務しない運行形態(監視要員が乗務する場合もあり)をとっています。
そのため最前部は前面展望が存分に堪能できる特等席となっており、地下鉄故に地下区間が主流ながらも、北側を中心に所々で地上区間も存在します。
前面展望が楽しめない路線も多い韓国都市鉄道の中では、乗って楽しむのも絶好の路線と感じたもので、全線乗り通すと50分程度を要するものの、乗り通しても飽きないと感じたものでした。
仁川広域市内では、全面新規開業の営業路線はこの2号線1路線だけですが、他にもKORAIL水仁線が松島(Seongdo)~仁川間で延伸開業しています。
これに加え仁川国際空港のある永宗(Yeongchong)島でも、仁川空港公社が運営・現時点では運賃無料の磁気浮上鉄道が開業しており、今年の仁川市内は鉄道新線ラッシュと言っても過言ではない状況で、この2路線にも乗車機会がありました。
磁気浮上鉄道は運賃無料の現状では、営業路線とは言い難いですが、全面新規開業路線で趣味的にもかなり興味深い存在と感じ、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
先月MAKIKYUが韓国へ足を運んだ際には、日韓間を結ぶ高速船(JR九州高速船「BEETLE」)が博多港発着と言う事もあり、少しだけですが韓国だけでなく九州内も動き回る機会がありました。
その際には「若松線」とも呼ばれる筑豊本線の折尾~若松間にも乗車する機会があり、この区間は非電化区間ながらも複線、一時大きく栄えた筑豊炭田の栄光の面影を今に残す路線と言っても過言ではない状況になっています。
この区間を運行する列車は昼間時間帯で毎時2本程度、それも2両程度の短編成ワンマンとなっており、一応政令指定都市内を走る路線ながらも、ローカル線の雰囲気が強く漂う状況と言っても過言ではない状況です。
充当車両も現段階では旧国鉄が製造・JR九州に継承されたキハ47形が主力となっていますが、10月に充電式電車の運行が開始されており、この充電式電車がBEC819系です。
BEC819系は「DENCHA((DUAL ENERGY CHARGE TRAIN)」という愛称名が付けられており、MAKIKYUも正式な形式名ではなくこの愛称名で呼ぶ事が多いですが、車体形状はJR九州では最新鋭の一般車両・817系に酷似しており、817系の充電式電車版と言っても過言ではない車両と言えます。
交流電化区間で充電を行う充電式電車としては初の存在、電化区間(現段階の運行区間では回送と折尾駅停車中のみ)ではパンタグラフを上げて走行するものの、非電化区間となる若松線内ではパンタグラフを下した状態で運行するのは充電式電車ならではです。
乗車した際の乗り心地も、電化区間を走る817系電車と大差なく、古くて重たい国鉄型気動車(キハ47形)とは雲泥の差で、某有名デザイナーを起用したJR九州らしい内外のデザインも、交流電化区間初の充電式電車を更に際立たせるものになっていると感じたものでした。
専ら短距離区間での運用となる事もあり車内座席はオールロングシート、この座席は最近JR九州で流行している背もたれが合板剥き出しとなった非常に特徴的なものが用いられています。
この座席を最初に装備した817系増備車(2000番台・3000番台)は、真っ白な塗装も影響してか一部で「白缶」と呼ばれ、MAKIKYUも何度か乗車した事があります。
白缶の座席は座面のクッションが非常に薄い上に、背もたれが壁面に固定されておらず不安定な状況であるなど、見た目は斬新ながらも不評の声も多く、一部では「板切れ」「ベンチ」などとも呼ばれ、他形式車両と併結して運行する列車では、他車両へ移動してしまう乗客もいる程です。
さすがにJR九州もこれはマズいと判断したのか、その後登場した筑肥線の新型車両・305系では、座席も見た目は大差ないものの、クッションの改良をはじめ、背もたれを壁面に固定する事で安定感のあるものとなり、相変わらず合板剥き出しの背もたれなどは賛否両論があるものの、個人的には長時間乗車でなければ充分許容範囲と言えるレベルになったと感じています。
DENCHAでも構想図で合板剥き出しの背もたれが描かれていましたので、817系と305系どちらの座席が採用されるのかと気になっていましたが、座席自体はモケットや座席数などを除くと305系に類似したものになりましたので、白缶の問題点を認識して改善に動く傾向は喜ばしいと感じたもので、現在活躍中の白缶各車両座席の改良と、今後白缶が増備されるなら305系・819系タイプで…と感じたものでした。
817系に類似した車体形状の車両ながらも、スマートドア(押しボタン式半自動ドア)や4か国語表示のドア上LCDモニター、車内LED蛍光灯など、これまた305系で取り入れられたものが採用されているのは評価できる所ですが、ドアチャイムも305系と同様のものになってしまいましたので、これは個人的には少々残念と感じています。
車内の床材も305系で採用されたQRコードもどきの絵柄が散りばめられたものとなっており、座席下部分までしっかりと絵柄が散りばめられているのは、様々な柄のモケットが存在する座席などと共に、某有名デザイナーの拘りが表れていると感じたものですが、この絵柄も好みが大きく分かれるのでは…と感じたものでした。
また充電式電車と言う特性故に、電動車の車端部分は機器スペースとなっており、パンタグラフ設置個所周辺が低屋根構造になっている事で、天井の一部が低くなっている事や、制御車の床下に設置された充電池ボックスは目立つ水色になっている事なども大きな特徴となっています。
充電式電車と言うと、直流電化区間での充電を行う車両ながらも既にJR東日本が烏山線でEV-E301系「ACCUM」を登場させ、MAKIKYUもこの車両に一度乗車した事がありますが、こちらは車端部分に機器スペースを設置・化粧室なしとなっているのに対し、DENCHAは制御車の車端部に化粧室を設置しているのも特徴で、この点は車端の機器スペースをトイレと勘違いして一生懸命トイレを探す状況の姿が見受けられた「ACCUM」に比べると、評価できる点と感じたものでした。
このDENCHAは来春大増備予定、現在は火曜日以外の日中4往復だけに留まっている運用列車が大幅に増えると共に、ほぼ同種の車両がJR東日本でも導入される事が発表されており、老朽気動車代替で今後数を増やしていく事になるのか否かも気になる所です。
またJR東日本が導入予定の車両は、交流電化区間と非電化区間に跨る運行を予定しており、この事もあってJR東日本の一般車両では珍しく、DENCHAベースの日立A-train採用となっています。
それでも名称は「ACCUM」、形式名も既に烏山線で運行している充電式電車(EV-E301系)を交流版にしたEV-E801系と発表されており、BEC819系の別番台ではなく、DENCHAの名称も採用されないのは少々残念と感じていますが、こちらもかなり個性的な車両になりそうで、今後の動向に注目したい車両の一つと感じています。
先日「MAKIKYUのページ」では、「韓国まで行く足の一つ」でもある西日本鉄道の2両連接バス「Fukuoka BRT」に関して取り上げましたが、九州とは玄界灘を挟み対岸の大韓民国(韓国)でも、以前試行的に2両連接バスが導入され、ソウル市内などで運行していた事がありました。
しかしながら韓国では2両連接バスは定着せず、短期間の運行で終焉を迎えてしまったのは残念な限りですが、鉄道路線網がまだまだと言う状況で公共交通におけるバスの比重がかなり高い土地柄もあってか、日本とは比べ物にならない程多数のバスが運行する「バス大国」となっており、バスでの旅客輸送の需要も日本とは比べ物にならない程多く存在しています。
韓国の国産バス車両は平屋の単車ばかりですが、シティーツアーなどでは既に2階建てバスの活躍が散発的に見受けられ、今夏には市内バスでも一部路線で運行を開始、この2階建てバスは韓国バスファンの間でも大きな注目を集めています。
現段階での韓国市内バスにおける2階建てバスの導入は、首都圏(ソウルとその周辺)が大半を占めており、他は釜山の1路線で1台が活躍する程度です。
首都圏では幾つか存在する2階建てバス運行路線の中でも、最も稼働台数が多いのはソウル市内の光化門(Gwanghwamun)~ソウル市の西郊に位置する金浦(Gimpo)市の漢江新都市を結ぶ8601番の広域急行バスで、この路線では現在4台が稼働、運行開始から日が浅い事もあり、車両の2階前部「慶 祝」と한글で記された掲示も見受けられたものでした。
8601番の終点は、この路線をはじめ金浦市内のバス路線を多数運行する金浦運輸の車庫になっており、仁川(Incheon)広域市との境界近くに位置、外国人特に旅行者は余り足を運ぶ機会のない所ですが、仁川市内在住の知人同行でこの車庫へ出向き、知人が会社側の許可を得て車庫内での車両を撮影する事もできました。
2階建てバスは昼間時間帯の運行がなく、朝夕の繁忙時間帯に重点運行しており、8601番でも大半の便は平屋車両で運行、こちらは最近数を増やしている現代UNICITYが多数活躍しています。
8601番で活躍する2階建てバスはVOLVO製で、欧州製なのかそれとも中国製なのか気になったものでしたが、同行した知人に尋ねたら中華圏でも大陸本土ではなく、台湾島で製造された車両との事でした。
台湾島で製造された車両と言う事もあってか、車体後部にはパンダのイラストと共に「祝您身体健康,万事如意」という漢字表記と、ピンイン(ローマ字)・한글での読み仮名(zhu nin shen ti jang kang wan shi ru yi/쭈닌센티지엔캉 완쇠루이)が記されていたのも印象的でした。
MAKIKYUが金浦市内の車庫で2階建てバスを撮影した際には、14時過ぎと言う事もあり4台全てが車庫内にいる状況で、各車両共に車型は同型でしたが、前面のVOLVOマークは複数のバリエーションが存在しているのも特徴と感じたものでした。
またこの車庫内で管轄するG6000番でも2階建てバスが活躍、こちらは車庫が起終点ではなく金浦市内の起終点~車庫間は回送運行する路線ですが、京畿道広域急行バス標準塗装の8601番とは異なる装いの2階建てバスを見る事も出来ました。
そして15時台になると、車庫から出庫してソウル市内へ向かう8601番で2階建てバスが実車運行開始、同行した知人と共に2階建てバスに乗車して光化門へ向かったものでしたが、車内の1F~2F間を結ぶ階段が2箇所設けられていたのも大きな特徴と感じたものでした。
車内の座席は、韓国のバスでは一般的なビニール張りとなっており、SUIJIN GROUP(金浦運輸が属するグループ)という名称とロゴが記されているのも特徴、窓下化粧板も柄入りで少々高級感があると感じたものでした。
ちなみに8601番は郊外~都心部を乗り換えなしで直結、この路線は高速道路こそ経由しないものの、バイバス経由で速達運行を行っており、日本では同類の路線は少ないものの、韓国の首都圏では無数の路線が存在する広域急行バスの一つで、所要時間は片道1時間半程度、日本の路線バスなら長大路線の部類に入りますが、韓国では標準的なレベルの路線です。
車窓も金浦市内の開発から日が浅い団地群・漢江沿いのバイバス・ソウル市内のバス専用中央レーンなど、韓国の首都圏路線バスでは典型的な風景とも言える景観が拡がっていますが、平屋バスでは見慣れた感のある風景でも2階建て車両の上層階から眺めると、少し異なった趣があると感じたものでした。
韓国の首都圏では地下鉄・電鉄の新線も次々と開通、最近では軽電鉄も幾つか開業するなど、鉄軌道系交通機関も随分整備されてきた感がありますが、それでも都市圏人口や輸送需要などを踏まえると、まだまだ不充分と言わざるを得ない状況です。
既存路線も急行運転を行う路線が少ない、また乗り換えを好まない乗客が多く、日本のJR普通列車グリーン車や各種ライナー列車、私鉄有料特急の様な特別料金を徴収する着席サービスも限定的である上に、高速道路やバイパスが発達した土地柄と言う事もあり、広域急行バスの需要は相当なものとなっています。
都市近郊で比較的長距離を着席運行するバス路線のニーズが高く、また韓国でもバス乗務員確保の問題も生じている現状を考慮すると、着席大量輸送を少ない台数で実現する事は多大なメリットがあり、至る所でバスの台数が多過ぎて交通渋滞を引き起こす現状も踏まえると、今後多数の路線で2階建て車両導入が進行すれば…とも感じたものでした。
また韓国ではシティーツアーなどの観光バスに続き、広域急行バスでも2階建てバスが導入されたものの、バス大国だけあってこれまた相当数が走っている高速バスや市外バスなどの都市間バスでは2階建て車に遭遇した事がなく、こちらも今後2階建て車両の導入余地があるのでは…とも感じたものでした。
先月MAKIKYUは韓国へ足を運ぶ機会があり、その際の往復は毎度恒例となっているJR九州高速船「BEETLE」に乗船、BEETLEの発着する博多港を発着する西日本鉄道(西鉄)の路線バスにも乗車しています。
西鉄は福岡市を拠点としている事業者と言う事もあり、西鉄バスは福岡市内や近郊の至る所で走っており、BEETLEの発着する博多港国際ターミナル(中央ふ頭)へ足を運んだ事がない方でも、福岡市内や周辺地域に在住、もしくはこれらの地域へ足を運んだ事がある方であれば、大半の方はどこかで乗車していると思います。
運行車両も近年では白と赤の装いの車両に加え、車両代替や塗り替えなどでスマートループと呼ばれる新色車両も増えており、博多港を発着する路線でも頻繁に姿を見る事が出来ます。
この2者はMAKIKYUにとってもお馴染みの存在ですが、これに加えて西鉄バスでは8月から「Fukuoka BRT」と名付けられた2両連接バスの運行も開始、現在2台が愛宕浜営業所に配置されています。
この連接バスは昨年新潟交通で運行を開始した「ツインくる」と同種のボルグレン製、塗装は白を基調に上部を山吹色としたもので、既に連接バスを運行している国内他社と同様に通常の一般路線車とは異なる装いで差別化が図られており、西鉄バスでは初採用の白色LEDによる行先表示も際立っていると感じたものでした。
(以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた新潟交通「ツインくる」に関する記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)
日本とは車両規格の異なる海外製車両と言う事もあり、右側後方部に非常扉は設けられておらず、代わりに非常用ハンマーを車内設置、また横転時に備えて天井に非常扉を設置しているのも大きな特徴となっています。
現在は博多港国際ターミナル(中央ふ頭)~天神~博多駅~博多港国際ターミナル(中央ふ頭)を昼間時間帯のみ循環運行、一部停留所のみ停車の急行運転を行っています。
運賃は通常の路線バスと同額で乗車でき、各種フリー乗車券やnimocaなどの交通系ICカードでの乗車も可能、2両目の扉はnimocaなどのICカード利用時のみ出口としても利用できる様になっており、各種案内を4か国語(日韓英中)で実施しているのも大きな特徴です。
現段階では内回り・外回り共に6回ずつの運行に限られ、試行的要素が強い運行形態となっていますので、狙って乗るのでなければ少々乗り難い状況ですが、MAKIKYUが乗船するBEETLEの出航時刻に合わせて丁度良い便もあり、「韓国まで行く足の一つ」として乗車したものでした。
(「Fukuoka BRT」をはじめとする西鉄バス自体が国境を超える訳ではありませんが、東京駅や新横浜駅など~[東海道・山陽新幹線のぞみ号など]~博多(博多駅)~[Fukuoka BRTなどの西鉄バス]~博多港国際ターミナル(中央ふ頭)~[JR九州高速船「BEETLE」などの国際航路]~釜山港(国際ターミナル)~[徒歩かシャトルバス]~釜山駅~[KTX(高速列車)かムグンファ号などのKORAIL一般列車]~ソウル駅などのルートで陸路と海路の乗継移動する際、日韓両国の首都圏を結ぶルートの一部を構成していますので…)
それ以外にもたまたま福岡市内を移動する際に、丁度「Fukuoka BRT」がやって来た事があり、MAKIKYUは先月西鉄の連接バスには計2回乗車していますが、2台の連接バスは車内の座席モケットが異なっているのも大きな特徴で、2回の乗車で2台双方に乗車できたものでした。
輸送需要を考慮すると、現状ではどうしても2両連接車でなければ…という程ではないですが、最近はやや利用が減少していると言われているBEETLEの利用増大→出入港に合わせた時刻で博多港国際ターミナル発着便に連接バスを充当する需要が生じる様になれば…とも感じたものでした。
現行経路では中央ふ頭近くにマリンメッセなどの大規模集客施設もあり、福岡市内ではそれ以外にヤフードームなども、一時に需要が集中し臨時便が運行される事もよくある状況ですので、今後これらの場所で開催されるイベント開催時の臨時便などに連接バスを充当できれば、車両特性を生かし威力を発揮するのでは…とも感じたものでした。
また現在「Fukuoka BRT」運行経路の一部にもなっており、博多駅から博多港方面へ向かう博多駅~築港本町間の「大博通り」には、昨日個人タクシーが猛スピードで突撃、多数の死傷者が発生した「原三信病院」が位置しており、幾つもの建物が存在する大規模病院でもある同院の一部は大博通りに面しています。
急行運転を行う「Fukuoka BRT」は病院の目の前にある最寄りバス停留所「神屋町」は通過となりますが、博多駅~博多港国際ターミナル(中央ふ頭)間を運行する西鉄バス一般車両運行便の停車停留所にもなっており、MAKIKYUは先月の訪韓時をはじめ、大博通りを運行する西鉄バスには何度も乗車しています。
今回の事故は報道を聞く限り、事故原因もまだ明らかになっておらず、運転者と車両側のどちらが要因で悲惨な事故に至ってしまったのかも分かりませんが、神屋町バス停(原三信病院の前)は何度も通った事がある所だけに、ここで悲惨な事故が…と思うと非常に痛ましいものです。
不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷された方の回復と同種事故が再発しない事を願うばかりです。