もうまもなく2010年も終わりを告げますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方はどの様な1年を過ごされたでしょうか?
MAKIKYUは日々仕事に追われる中、まとまった時間が確保できたら国内各地を駆け回るといった状況で、多忙ながらもそこそこ充実した年だったのでは…と感じていますが、来年も元旦の朝6時頃から仕事に出向かなければならない状況です。
今年1年は泊りがけの旅行だけでも…
1月 仙台方面(リゾートみのり号乗車など)
2月 宮崎・鹿児島方面(海幸山幸号乗車など)
4月 関西方面(伊賀鉄道忍者列車乗車など)
5月 弘前・秋田方面(リゾート白神「青池」乗車など)
6月 北九州・熊本方面(SL人吉号乗車など)
7月 仙台方面(こがねふかひれ号乗車など)
9月 南紀・関西・鳥取方面(奈良交通八木新宮線乗車など)
10月 関西方面(神戸電鉄6000系乗車など)
11月 群馬方面(上信電鉄999号乗車など)
12月 関西・岡山・広島方面(両備バス「SOLARVE」乗車など)
といった旅行に出向いており、一度の旅行での日程が限られ、懸案となっている訪問箇所全てを廻れない事から、複数回同じ方面に出向いている事が幾つもという状況です。
また泊まりを伴わない遠出も、銚子などは複数回出向いていますので、泊りがけの旅行と似たような傾向がありますが、その一方で北海道や四国へ足を踏み入れる事はなく、海外への出国もないなど、北海道・四国・韓国へも足を運んだ昨年に比べると、行動範囲は随分限られたものでした。
あと首都圏では飛行機嫌いのMAKIKYUには余り縁のない話とはいえ、2大空港へのアクセス鉄道整備が進んだ事も大きなイベントと言え、特にMAKIKYUも開業初日に早速足を運んだ7月の成田スカイアクセス開業は、MAKIKYUにとって今年一番の話題だったのでは…と感じています。
ただ成田スカイアクセスが開業しても目玉の新AE車によるスカイライナーは北総監獄(千葉ニュータウン)を通過するだけ、また成田スカイアクセス線を走る一般列車・通称アク特(アクセス特急)は「悪特」と呼びたくなる車両ばかり(自動放送を装備した電車などは何とか許容範囲ですが…)にも関わらず、運賃だけかなり立派なのは呆れたものです。
来年は九州新幹線全通やリニア鉄道館開館&地下鉄桜通線延伸を控え、今月開業したばかりの東北新幹線八戸~新青森間や、先月開業したKTX東大邱~釜山間高速新線などもまだ乗車していませんので、機会があればこれらは是非足を運びたいもので、来年も充実した年になる事を願いたいものです。
(写真は全て今年中の既公開記事で用いたものです)
先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた両備バスの「SOLARVE」(ソラビ)は、シリーズ式ハイブリッドバス・AEROSTAR ECO HYBRIDにソーラーパネルを搭載するなど、メカニズム的に最先端を行く画期的な車両だけあって、この手の車両のお約束とも言える広報宣伝用のLCDモニターが運転席背後に設置され、ハイブリッドシステムなど「SOLARVE」の様々な特徴をPRしています。
また両備グループという事もあり、JR九州などでお馴染みの某デザイナーが関与しているだけあって、この車両の車内設備なども他に類を見ない独特なものとなっており、某デザイナーが手がけた車両ならではの特徴も随所に見られます。
車内の色彩は壁面や天井などをはじめ、座席も真っ白となっており、挙句の果てには運賃箱まで真っ白に塗装しているなど、徹底的に「白」にこだわった徹底振りには脱帽させられます。
某デザイナーが手がけた車両の傾向として、ロゴや英文字を多用する事に加え、最近では様々な木材を多用する事も大きな特徴となっていますが、「SOLARVE」もその傾向が強く出ており、仕切り板やつり革の吊り輪などに木材が用いられ、「白」にこだわっているだけあって、使用している木材の材質も白に近いものを用いています。
そして車内は色彩にこだわるだけでなく、このデザイナーが改装を手がけた観光列車「海幸山幸」を思わせるLEDを用いた天井の照明や、座席形状なども他のバスでは類を見ないといっても良い独特なモノとなっており、近年標準仕様化が進み、同じ様なバスばかりが増えつつある日本国内の路線バスの中で、「SOLARVE」が他のバスとは大きく異なる車両である事を強く印象付けています。
座席配列もノンステップバスの構造故に、段差が大きくなる前輪タイヤハウス部分は両側共に座席が設置していないのですが、これに加え後輪タイヤハウス部分も片側には座席を設置しておらず、敢えて飾り物の人形を置いていますので、座席の数が非常に少なくなっています。
座席を設置していないタイヤハウス部分の空間には、最近某デザイナーが改装に携わった観光列車などで見られる「ベビーサークル」とほぼ同種のモノも見受けられるのですが、こちらは列車に比べると揺れる上に、一般車と同じ公道を走る路線バスと言う乗り物の性質故に「荷物置場」となっているのも特徴です。
そのため非常に高価な車両にも関わらず、かなり贅沢な空間の使い方をしているといえ、機能性を重視した一般的な路線バス車両とは大きく異なりますので、割高な運賃を設定した観光路線バスや定期観光バスなどで使っても…と感じる程ですが、これだけの車両をダイヤ限定とはいえ、岡山駅~西大寺間を中心に一般路線バスとして普通運賃のみで走らせるのは大したものです。
観光路線バスでもここまで徹底した車両はなかなかないだけに、収容力のなさが混雑時には致命的なのは難点ですが、再び「SOLARVE」に遭遇する機会があれば是非また乗車したいと感じたもので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も機会がありましたら、是非一度両備バスの「SOLARVE」に乗車してみてはいかがでしょうか?
MAKIKYUが今月青春18きっぷを利用し、岡山・広島方面へ出向いた際には、岡山市内で先日取り上げた岡山電気軌道「MOMO」のイルミネーション電車に乗車した際の記事を取り上げましたが、この時には非常にインパクトの強い「MOMO」にも負けない路線バスにも乗車したものでした。
この路線バスは、岡山電気軌道と同じ両備グループの両備バスが、グループ発足100周年を記念して今年夏に登場させた未来型バス「SOLARVE」(ソラビ)です。
車種は両備グループの路線バスで主流の三菱ふそう製路線車ながらも、環境負荷が小さい事で知られる反面、特殊な車両と言う事で車両価格が極めて高額な事でも知られ、全国各地で様々な路線バスに乗車しているMAKIKYUも、他ではまだ2箇所でしか乗車した事がないシリーズ式ハイブリッドバス・AEROSTAR ECO HYBRIDとなっており、この車両を民間のバス事業者が路線バス用に導入する事だけでも相当なものです。
(MAKIKYUが以前乗車した事があるAEROSTAR ECO HYBRIDは、羽田京急バスが羽田空港内の無料循環バスで走らせている車両と、名鉄バスが名鉄バスセンターを基点に東へ向かう基幹バス2系統・本地ヶ原線で走らせている車両です。他に遠州鉄道でECO HYBRIDの試作車両とも言えるAEROSTAR HEVにも一度乗車した事があり、これらは全て「MAKIKYUのページ」でも取り上げていますので、興味のある方はこれらの記事もご覧頂けると幸いです)
しかも両備グループが最近導入した車両ですので、当然ながらJR九州をはじめとする国内公共交通機関のデザインで非常に有名な某デザイナーが関与しており、通常の両備バス仕様でECO HYBRIDを走らせるだけでも、余所者から見れば結構見栄えがするのでは…と感じる程です。
その上「SOLARVE」は単に高級なECO HYBRIDを導入しただけには留まらない様々な特徴を持つ事が大きな特徴で、ただでさえ希少なECO HYBRIDの中でも、究極のECO HYBRIDと言っても過言ではなく、「世界唯一、オンリーワンの路線バスを…」と両備グループが謳っているのも頷けるものです。
車両の外観を見ると、英文字やロゴなどが目立つ姿は某デザイナーが手がけた車両ならでは…と感じさせられますが、前面形状などを見ると車種がAEROSTARである事も一目瞭然といった雰囲気です。
ECO HYBRIDならではの特徴とも言える屋根上の蓄電池搭載スペースは、覆いを付けてデザイン的にも上手く処理しており、この様な車両形状は今後他のハイブリッドバスや天然ガスバスなどでもっと拡がっても…と感じるものです。
そして「SOLARVE」の外観上最大の特徴と言えるのが、名称からも類推出来る様に、屋根上に多数の太陽光発電を行うソーラーパネルを装備している事が挙げられます。
このソーラーパネルから発電した電力も蓄電池に蓄え、発電用エンジンの使用頻度を減らせると共に、災害等の非常時にはバスを発電機として活用し、外部へ電力を供給できる様にもなっており、世界唯一、オンリーワンの路線バスというに相応しい車両と言えます。
この他運転席周辺を見渡すと、マルチアングルビジョンと呼ばれ、バスを上から見渡した様子を映し出し、周囲の交通状況を把握できる事で、側方などに死角が多いバスを運転する際、一層の安全運転を支援する装置なども装備されており、単に両備グループ100周年を記念し、外部へのPRのために凄いバスを走らせているのではなく、運行面でのシステム充実が図られている事も、特質すべき点と言えます。
この様な車両ですので、ただでさえ1台4000万円以上するECO HYBRIDの車両購入費用に加え、これまた大型路線バスの新車購入費を越える程高額な改装費用も加わり、普通の路線バス車両なら新車でも大型3台程度は導入できる程の超高額車両となっています。
いくら両備グループ100周年を記念した車両とは言えども、余りに高額な車両だけに、さすがに何台も導入する訳には行かず、1台だけの特別な存在となっています。
この1台だけの「SOLARVE」は西大寺営業所に配属されており、岡山駅~西大寺間をはじめとする一般路線に限定ダイヤ(HPで公開)に充当され、限定ダイヤの時刻に当たれば、他の路線バスと同等の通常運賃のみで乗車する事が出来ます。
(その気になれば岡山駅~天満屋BCまで100円で乗車する事も可能です)
MAKIKYUは時間の関係もあって、岡山駅から途中の東山まで「SOLARVE」に乗車し、その後路面電車(MOMO)で岡山駅へ戻る行程を取ったのですが、この車両はメカニズムや運行面に加え、某デザイナーが関与しているだけに内装なども非常に特徴的なものとなっており、時間が許すならば終点の西大寺まで乗り通したいと感じたものでした。
「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も岡山を訪れる機会がありましたら、是非一度両備バスの「SOLARVE」に乗車をおススメしたいもので、またこの車両の先進的な装備の数々が、すぐに一般の路線バスで採用される公算こそ低いものの、この車両での採用実績を元にいくらかでも普及する事にも期待したいものです。
また他に両備バスでは100周年を記念し、昔の西大寺鉄道で活躍した気動車をイメージしたレトロ調バス「SAI BUS」も登場していますので、機会があればこちらにも乗車してみたいと感じたものでした。
あと「SOLARVE」の車内の様子などに関しては、(2)として近日中に別記事で取り上げたいと思います。
現在冬の青春18きっぷシーズンという事もあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、青春18きっぷを利用して既に何処かへ行かれた方や現在旅行中の方、そしてこれから何処かへ行こうと計画をしている方なども居られるかと思います。
MAKIKYUもつい先日、青春18きっぷを利用して岡山・広島方面まで足を伸ばしていましたが、その際に途中下車して街中に繰り出し、路面電車に乗車した際には、偶然イルミネーション電車に遭遇する事が出来ましたので、このイルミネーションの様子をクリスマス記事として取り上げたいと思います。
MAKIKYUが乗車したイルミネーション電車は、外観こそ特に装飾されていないものの、車内に足を踏み入れるとLED電球をはじめとする様々な装飾が施されており、その様は車外からでも非常に目立つ程でした。
ましてこの電車の車内に足を踏み入れるとなれば、その装飾の見事さは相当なモノで、見事なイルミネーションに偶然遭遇した乗客が、電車の天井に向けてカメラを向けている姿も散見された程でした。
ちなみにこのイルミネーションが施された電車は、以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があり、MAKIKYUは以前にも2回程乗車した事がある岡山電気軌道の低床電車「MOMO」で、イルミネーションは当然ながら期間限定となっています。
「MOMO」は車内外のデザイン自体が、JRの特急や観光列車などをはじめとする各種車両や国際航路などのデザインを手がけた事で知られる某デザイナーによる拘りの作品で、まして1編成しか運行していない広告塔的存在の電車ですので、他所から岡山を訪れた場合、この電車に乗車するだけでも、充分な価値ありと言える車両です。
先日乗車した際は、イルミネーションのお陰で以前「MOMO」に乗車した時とはまた違った雰囲気を感じたもので、日常生活では余りクリスマスを実感する事がない身としては、普段なかなか乗車機会のない路線で随分良いモノを見れたと感じたものでした。
ただ岡山電気軌道は日本国内各地で運行している路面電車の中でも、規模が極めて小さい事で知られており、MAKIKYUはこのイルミネーション電車に始発の東山から終点の岡山駅まで乗り通したのですが、それでもあっという間というのは惜しい限りです。
現在国内で活躍中の電車では異例とも言え、「MOMO」の特徴的過ぎる座席の材質などを考えると、高速運転で知られる首都圏の標準軌某大手私鉄で最近出回っている「ブカブカ」した異様な感触の座席などより余程良いと感じるとはいえ、余り長い時間の乗車ではなく、あっという間と感じてしまう位の方が良いのかもしれませんが…
来年春のJR九州ダイヤ改正では、九州新幹線全通に伴い、並行する鹿児島本線特急「リレーつばめ」号の新幹線移行(廃止)や、新幹線と接続する線区における列車体系の変更などで、新規開業を迎える九州新幹線だけでなく、在来線でも鹿児島本線を中心に他のJR旅客各社を凌ぐ大きな変動が生じています。
特に「リレーつばめ」号が廃止となる鹿児島本線の博多以南(鹿児島県内を除きます)は変動が大きく、今まで列車密度が高く、新たな列車の設定が難しかった博多~鳥栖間でダイヤに余裕が生じる事もあってか、長崎本線の特急増発と3層建列車を取り止め、博多~佐賀間の特急乗車機会を増やすだけでなく、需要の割に本数が少なかった博多近郊の鹿児島本線普通列車の増発にも充てている事は、大いに評価できると感じます。
また鹿児島本線鳥栖以南では、「有明」が新幹線の走らない早朝・深夜時間帯に1往復が残され、この列車の停車駅増加で早朝・深夜帯の利便性が向上しているのは評価できるとは言えますが、他は通勤時間帯のライナー列車的存在としてごく一部が長洲以北で運行する以外、在来線特急は全廃となっています。
九州新幹線も大牟田・玉名は在来線と離れた新駅(新大牟田・新玉名)になりますので、在来線の快速を現在より増やすとは言えども、これも特急の代替列車というよりは普通列車の快速化で、小駅では普通列車が毎時1本のみに削減される有様です。
そのため福岡県南部~熊本県北部にかけては、利便性が随分低下していると言わざるを得ないのが現状で、大牟田は現行「リレーつばめ」号が全て停車していますので、これがなくなると大牟田周辺から福岡方面へはJR快速ではなく並行私鉄で…という旅客も増えそうな気がします。
そして玉名は高速バスや並行私鉄なども…という状況ですので、他の公共交通機関を使うという選択肢が存在する大牟田に比べると、更に悲惨な状況と言っても良く、リコールされる程のお騒がせ市長(この件に関するコメントはお控え下さい)で有名になり、九州新幹線から取り残された鹿児島県某市の2の舞にならないか懸念される所です。
ちなみに熊本県北部の鹿児島本線は、現行毎時2本が走る普通列車の1本がダイヤ改正後に快速化され、県北(荒尾・長洲・玉名)~県都(熊本)間の速達列車が一応確保されるとはいえ、この列車も福岡方面からの直通ではなく、「くまもとライナー」と称して大牟田~熊本間での運行となっています。
さすがに福岡県内(一部荒尾まで)の快速列車の様な6~8両編成ともなれば、輸送力は過剰気味になるかと思いますし、駅設備も新駅や熊本駅の一部ホームなどが短いという問題もありますが、系統分割ではなく分割・併合で対応できなかったのかと感じると共に、この快速列車がもし現行普通列車と同様の2両ワンマン運転で毎時1本ともなれば、相当な混雑が常態化しないかも気になる所です。
また現在「有明」号が博多方面から直通運転している豊肥本線では、さすがに規格の異なる新幹線を直通運転させる事は不可能な事から、この列車の豊肥本線区間だけ現行特急並みのダイヤで快速列車を設定し、豊肥本線沿線から新幹線へ乗り継ぐ形態に変化しています。
こちらは普通列車の快速化とは異なり、熊本都市圏におけるローカル輸送の充実にもなりますので、博多方面へは熊本駅での乗継が必須になるのは難点とはいえ、現行並みかそれ以上の利便性を提供する事になっているのは評価できる事です。
この他今度のダイヤ改正では新たな観光列車の運行開始や、「リレーつばめ」号廃止や「有明」号大幅減便で捻出される787系の転用→古参485系運用廃止による在来線特急の設備向上などが目玉となっています。
これらと共に一部ローカル列車の「見直し」という言及での減便や、ライナー列車の設備向上に伴う特急格上げなど、新幹線に限らず全体的に速達化・格上げの傾向が強いと見受けられます。
その中でも今回の九州新幹線開業で列車体系が大きく変わる福岡~熊本間などは、かなりの流動があり、その中には新幹線程の速達性は求めないものの、割安な手段を求める客層も多数存在しているはずです。
同区間は日本全国でも屈指の高速バス高頻度運行区間(片道100km以上での運行頻度は日本一・定期券も設定されている程です)にもなっていますので、JR側は高品質(速達・快適)に特化した方針を採り、私鉄電車や高速バスなど他交通機関との棲み分けを図るのか、JR自体で様々な客層に対応できるように努めるのかも気になる所ですが、せめて公共交通機関から自家用車へのシフトが進まない事を願いたいものです。
(さすがに福岡県内快速~毎時1本のくまもとライナー乗り継ぎは、今後ナイスゴーイングカードが廃止される事なども踏まえると、青春18きっぷユーザーなど以外には、余りメリットがないかと感じます)
またJR側がダイヤ改正の概要を発表した事で、福岡市内~大牟田間での並行路線を運行すると共に、福岡~熊本間の高速バス運行にも携わり、バス事業規模日本一でも知られる九州唯一の大手私鉄などで、今後新たな動きが出てこないのかも気になる所です。
写真は九州新幹線全通後、特急に代わり主役となる快速に充当されるであろう福岡・熊本両地区のローカル車両と、鹿児島本線と競合する大手私鉄の電車・バスです。
大牟田~熊本間の「くまもとライナー」がどの車両・編成で運転されるのか気になる所ですが、写真2枚目の様な編成で運行される事を願いたいものです。
今月東北新幹線が新青森まで延伸され、今度は来年春に九州新幹線全線開業を迎えると共に、九州とは至近の韓国でも11月に大邱(Daegu)~釜山(Busan)間で高速新線(高速列車KTXのみ運行し、高速運転を行う新線)が開業するなど、ここ最近は高速鉄道の開業ラッシュと言うべき状況になっており、これらはニュースなどでも盛んに報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。
MAKIKYUは既に開業した東北新幹線の青森県内延伸区間(八戸~新青森)や、KTXの新規開業区間(東大邱~釜山)にもまだ乗車しておらず、今年中の乗車は叶いそうにない状況ですが、来年開業を迎える九州新幹線博多~新八代間と共に、既に開業した2路線に関しても、是非来年には乗車できればと思っています。
また新たな高速鉄道が開業するとなると、新路線のダイヤや列車運行形態は勿論の事、今まで幹線輸送を担ってきた既存路線の変化も気になる所です。
来年春に開業を迎える九州新幹線博多~新八代間開業に際しては、今後は主に新幹線接続のフィーダー的役割を担うと共に、地域内輸送の性格が強まる在来線にも大きな動きが生じ、その概要がようやく先日JR九州から発表されましたので、その中でも幾つか気になる事を取り上げたいと思います。
まず全線開業となる九州新幹線のダイヤや列車運行形態ですが、こちらに関しては概ねMAKIKYUの予想通りといった所で、山陽新幹線~九州新幹線に跨って利用する場合、両線間を直通運転する「さくら」「みずほ」以外の列車を利用する場合でも、博多駅で極力同一ホーム乗換を可能とする施策などは、容易に予想できる事とはいえ、大いに評価出来るものです。
ダイヤの全貌が明らかになっておらず、詳細は言及できないものの、ニュースリリースに掲載されている両線間の接続凡例を見る限りでは、山陽新幹線~九州新幹線間で「のぞみ」「ひかり(レールスター)」と「さくら」「つばめ」を接続させる事で、関西以西からの九州新幹線利用への便宜は図られています。
しかしながら東海道~山陽新幹線を直通運転する「のぞみ」と、熊本以南を結ぶ列車での接続は特に考慮していない様にも感じられたもので、せっかく東京~鹿児島中央間で新幹線のレールが繋がっても、首都圏~鹿児島間での利用を余り考慮していないダイヤになってしまうのであれば残念な限りです。
様々な事情で首都圏~鹿児島中央間の直通列車設定は困難なのは止むを得ないとはいえ、大の飛行機嫌いでもあるMAKIKYUとしては、首都圏~南九州程度の距離で「空を飛ぶ」という事は考えられませんし、現在仕事持ちで多忙な状況にある事を考えると、いくら訪問事由がプライベートの旅行とはいえども、普通列車や高速バスを乗り継ぎ、鹿児島まで足を運ぶのも難しいのが現状です。
そのため実質的に来年春以降、MAKIKYUが南九州へ足を運ぶ際は、新幹線以外の交通手段を選択する余地は…という状況になりますので、せめて列車の接続便宜を図る事で、首都圏~南九州間の移動も考慮されればと感じるものです。
またダイヤ概要を見て意外に感じた事としては、九州新幹線内で博多~筑後船小屋間の区間列車(恐らく早朝・深夜時間帯)が1往復設定される事が挙げられます。
東海道・山陽新幹線沿線~久留米間を移動する場合でも、MAKIKYUの感覚としては博多で乗り継ぐならば、後は福岡県内を普通・快速列車で…といった程度の距離(それどころか単純に福岡市内~久留米間を移動するのであれば、大手私鉄利用も考え付きますので…)ですが、それにも関わらずこの様な列車が設定されるという事は、在来線特急が殆ど新幹線に移行する事も大きいのでは…と感じるものです。
あと九州新幹線全通後は、九州内のみを走る列車での活躍となり、地味な役回りに徹する事になるものの、全車普通車ながらも2+2列のゆったりとした座席が並び、JR九州ならではの独特な内装も魅力的な800系車両は、今後「つばめ」だけでなく一部の「さくら」にも充当される事が発表されています。
これに伴って現在車両側面にある「TSUBAME」ロゴなどが消滅する事も発表されており、以前何度か九州新幹線に乗車した際、このロゴなどを撮影しておいて良かった…と感じていますが、それでも単に現ロゴを消すだけでなく、別のロゴなどを標記する辺りはさすがJR九州と感じる所です。
ただ九州新幹線全通と共に山陽新幹線直通にも用いられ、今後の主役となるN700系7000・8000番台車は、JR西日本との共同製作車両だけあって、様々な所で発表されている概要を見る限りでは、内外共に800系に比べると独自性は…と感じる部分があるのは残念な所ですが、こちらに関しても九州新幹線全通後は、一度は乗車してみたいものです。
(この車両への乗車は、山陽新幹線区間のみ、或いは九州新幹線区間のみのどちらかで良く、特に山陽新幹線~九州新幹線間を直通運転する列車への乗車には拘りませんので…)
あと在来線関連に関しては、記事が長くなりましたので、(2)として別記事で取り上げたいと思います。
写真は九州新幹線で現在活躍中の800系車両と、一部「さくら」への充当に伴って消滅が確定した「TSUBAME」標記です。
おまけとして現行新幹線「つばめ」と共に九州の南北間基幹輸送を担い、九州新幹線全通と共に廃止が確定した「リレーつばめ」号のロゴ(新幹線ですらTSUBAMEロゴ消滅ですので、列車自体がなくなるこちらの消滅も確定的です)と、新幹線全通により見納めとなる新八代駅での新幹線つばめ号~リレーつばめ号同一ホーム乗継の光景も掲載します。
先日MAKIKYUが千葉県の大多喜へ出向いた際には、いすみ鉄道のキハ52形気動車撮影会が大盛況で、かなりの混雑振りに予想以上の時間を要した事もあって、その後勝浦へバスで抜ける計画はボツとなってしまいました。
そのため勝浦へ足を運び、名物の担担麺を食す事も考えていたのですが、これは到底叶わない状況となり、それどころか大多喜駅周辺は飲食店なども少なく、しかもわずかに存在する小規模な店に大勢の来店客が押し寄せる有様でした。
こんな状況ですので、大多喜駅から徒歩2~3分の所にあるコンビニ(セブンイレブン・近くに「久保」バス停があり、ここから茂原や上総牛久へ抜けるバスに乗車する事も出来ます)に立ち寄って昼食を調達する事になりました。
(田舎に足を運ぶと、駅近くで食料を調達するのに困る所も多いのですが、大多喜の場合はその心配がないのは幸いです)
コンビニの店内には「千葉限定・勝浦担担麺」の案内があり、一応ご当地モノを堪能できるとなれば、これも悪くないという事で、430円のこの担担麺を一つ購入してこの日の昼食としたものでした。
(余談ながらこの担担麺の製造地は千葉県内ながらも、勝浦や大多喜とは遠く離れた成田空港近くの富里でしたので、厳密にはご当地モノとは言い難い部分もあるのですが…)
この担担麺は製造地こそ勝浦とは遠く離れているものの、「勝浦市商工会青年部監修」とあるだけに、醤油スープに炒めた玉ねぎが入り、勝浦担担麺ならではの特徴が強く出ており、担担麺と聞いて一般的にイメージするものとは随分違った雰囲気を感じたものでした。
ただコンビニの商品で、購入後にレンジで暖めて食すだけ会って、スープや具材こそ独特な雰囲気を感じられるとは言え、麺の方は一般的なコンビニの麺類といった雰囲気があり、値段の関係もあってか本場の勝浦担担麺には叶わないのだろう…と感じたものです。
この担担麺で一応勝浦担担麺ならではの独特な雰囲気は堪能できたものの、機会があれば今度は是非本場に足を運んで…と思ったものですが、勝浦まで足を運ぶ機会はないものの勝浦担担麺を試してみたいと思った方は、この担担麺を試してみては如何でしょうか?
先日MAKIKYUが千葉県の大多喜へ出向いた際には、往路こそいすみ鉄道を利用したものの、この日は普段ならまず考えられない混雑振りに加え、来た道をそのまま返すよりは別経路を…という事で、大多喜からの帰路には路線バスを利用したものでした。
当初は勝浦へ抜ける路線などを利用する計画もあったのですが、先日の記事で取り上げたいすみ鉄道キハ52形気動車の撮影会は大盛況で、この混雑振りで予想以上の時間を費やした事からこの計画はボツになり、丁度良い時間に出発する茂原行の便がありましたので、このバスを利用して大多喜から帰路に就いたものでした。
大多喜~茂原間の路線バスは、小規模事業者として知られる都自動車が有名で、こちらにはMAKIKYUも以前一度乗車した事があり、以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があります。
(該当記事はこちらをクリック)
大多喜~茂原間ではこの都自動車と共に、一帯で多数のバス路線を運行する小湊鐵道の便も存在しており、両者を合わせると1日10往復以上の本数になります。
土地柄を考えるとそこそこの利便性が確保されているといえ、運賃も現在は片道500円が上限(以前は全線乗り通すと600円以上を要していた様ですが…)となっていますので、東京都心や千葉市内から大多喜へ向かう際にも、非常に有用なルートと言えます。
この大多喜~茂原間のバスは、大多喜方の起終点が小湊鐵道と都自動車では異なり、小湊鐵道の便は大多喜車庫発着で大多喜駅へ入りませんので要注意(大多喜駅から徒歩3分程度のコンビニ近くにある「久保」バス停などが利用可能)ですが、大多喜方の僅かな区間を除くと、大半の便は両社共にほぼ同一のルートを運行しています。
しかしながら小湊鐵道の方は、殆どが都自動車と同じ市野々経由で運行しているものの、1日1往復だけ端沢経由の便が設定されており、こちらは都自動車に負けない希少性があり、MAKIKYUが先日大多喜からの帰路に就く際には、たまたま希少な端沢経由の便が走る時間でしたので、なかなか乗車機会のない路線を利用する絶好の機会とばかりに乗車したものでした。
いすみ鉄道の撮影会に赴く人数は非常に多く、いすみ鉄道のレールバスや大多喜駅前は普段なら考えられない賑わいぶりだった一方で、この路線をチェックしている人物は余りいなかった様で、始発の大多喜車庫から乗車したのはMAKIKYUだけ、その後乗車した乗客の数も指の数程という有様でしたので、長閑な雰囲気を満喫できた反面、普段の大多喜周辺の公共交通を取り巻く現状の厳しさを痛感したものでした。
ちなみに端沢経由の路線は、大多喜~茂原間の大半の便が走る市野々経由の路線に比べると、やや南側を走っていますが、鍛治町~給田までの区間が異経路となり、小湊鐵道の大多喜車庫内にある掲示によると、この区間では大多喜~市野々経由~茂原間の共通定期券も通用せずに別運賃を要する様です。
(普通運賃は大多喜~茂原間を乗り通した場合、端沢経由でも市野々経由と同額の500円ですが、鍛治町~給田間の利用でも500円を要します)
鍛治町バス停は大多喜の市街地外れにありますので、大多喜の街中から端沢経由のバスに乗車すると、程なく市野々経由とは異なる区間を走る事になります。
その中でも鍛治町~上之郷間は大多喜~上総一ノ宮間を走る便と同じルートを走りますので、こちらも決して本数が多い路線とは言い難いものの、平日であれば超希少路線という程ではありません。
しかしながら大多喜~上総一ノ宮線は休日全便運休となっており、MAKIKYUが端沢経由の便に乗車したのは日曜日でしたので、この日は端沢経由のバスが鍛治町~上之郷間で唯一のバスという有様です。
それにも関わらずこの区間での乗降0というのは寂しい限りですが、大多喜~茂原間のバス時刻は平日・土曜と日祝日で異なるものの、端沢経由の便が走る時刻は同一となっており、1日1往復だけの希少路線ながらも毎日運行しているのは大したものです。
ただ1往復だけの便は、乗客の利便性を考慮して利用が見込まれる時間に設定しているとは言い難く、上之郷~給田間の一般路線バスは端沢経由のバス1往復のみしかないのですが、この区間で端沢経由の便同士がすれ違うダイヤとなっています。
このため沿線からは茂原・大多喜のどちらへも、路線バスを利用して日帰りで用務を済ませる事は叶わない状況となっており、如何にも免許維持目的で利用の少ない昼間時間帯の1便だけを、端沢経由で走らせているという雰囲気が漂っていますが、この区間から茂原に向けて乗車する乗客の姿が見受けられたのは驚きでした。
ちなみに大多喜周辺の小湊鐵道バスでは、幹線と言える大多喜~市野々経由~茂原間や大多喜~上総牛久間と言えども、中型車による運行が主体となっています。
MAKIKYUがこの路線に乗車する際には、そのため恐らく中型車が充当されると予想していたのですが、車両充当上の都合もあってか、マイクロバスどころかワゴン車でも運びきれる程度の乗客数しかいなかったにも関わらず、大型路線車が充当されたのは少々意外に感じたものでした。
この大型路線車も富士重工7Eボディの2段ステップ車で、徐々に数を減らしているとはいえ、今でも首都圏各地など大都市圏でもありふれたスタイルのバスですので、特に珍しさを感じない方も多いかと思います。
(それでも小湊鐵道ではこのボディで国産4メーカーを取り揃えており、車種によっては結構希少な部類に入るのですが…)
その中でも乗車したのは平成8年式のいすゞ車で、特徴的なサウンドを放つV8エンジンを搭載したこのバスは、一部のノンステップバスでも聞けるサウンドですので、全国的に見れば古いバスの部類には入らず、このサウンドを聞くとむしろ比較的新しいバスと感じる方も居るかと思います。
とはいえ大都市圏の排ガス規制区域では既に使用できない年式で、規制区域(千葉市内の塩田営業所など)での登録期限満了→大多喜へ移動して来たのか、年式の割に登録番号は新しく、この事も尚更古さを感じさせない要因と言えます。
たださほど古い年式の車両ではないにも関わらず、床が昔ながらの板張りとなっているのは小湊鐵道バスならではで、いすゞV8エンジン搭載車で床が板張りのバス自体、MAKIKYUが各地で路線バスを乗り歩いても、幾つか思い当たる程度ですので、古参車とは別の意味で興味深いものです。
また首都圏では一部を除くと、床が板張りのバスに乗車できる機会そのものが限られてしまいますので、この車両に限らず床が板張りの車両が多数稼動している長南管内の小湊鐵道バスは注目で、先日端沢経由のバスに乗車した際には、路線・車両共に趣味的には非常に面白いと感じたものでした。
大多喜周辺の公共交通機関は、注目を集めるいすみ鉄道に比べると、小湊鐵道や都自動車の路線バスは域外での知名度が低く、まして端沢経由の路線の様な希少路線ともなれば、乗ろうと思ってすぐ乗れるものではありません。
とはいえ大多喜~茂原間や大多喜~上総牛久間の路線バスなどは利用価値も高く、他にも大多喜~勝浦間や大多喜~上総一ノ宮間(休日運休)といった路線も存在しますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も大多喜を訪問する機会がありましたら、小湊鐵道などの路線バス利用も検討してみては如何でしょうか?
昨日MAKIKYUはたまたま仕事が休みとなり、長期休暇期間に合わせて発売されるJR全線の普通列車が乗り放題となる「青春18きっぷ」の利用期間が開始となった事もあり、日帰りで千葉県の大多喜まで足を運んでいました。
(勿論JR以外の交通機関を利用した区間は別途運賃が必要となりますが、横浜市内某所にあるMAKIKYUのJR最寄駅~大原間のJR片道だけでも青春18きっぷの1回分に近い金額となり、途中下車や重複乗車も自由自在となりますので、遠距離ではなく近場を動き回るだけでも、意外と便利なものです)
昨日大多喜まで足を運んだのは、いすみ鉄道が来年春から運行を開始する予定の旧型気動車・キハ52 125号車がJRからいすみ鉄道に到着し、改装前の姿を披露する撮影会が開催され、この撮影会に参加する事が最大の目的でした。
MAKIKYUと同じ様な事を考える人物は多数居るもので、撮影会場の大多喜駅や同駅へ向かういすみ鉄道の列車は大勢の人手で賑わっていたもので、青春18きっぷを持った乗客の姿も多数見かけたものでしたが、日頃は閑散とした1ローカル線という状況が否めないいすみ鉄道も、昨日に限っては全く別の路線に感じる程の雰囲気でした。
この様な状況に加え、撮影会場となる大多喜駅は手狭な事もあり、多少は空くだろうと見込んで遅めに出向いたMAKIKYUでも、撮影会参加までに1時間近く待つ事となり、最も混雑して待たされたら1時間以上の待ち時間は…という大多喜と同一県内の某テーマパーク(大多喜への道中でJR最寄駅は通っているのですが、この駅を境に車内の様子が一変したものでした)にある人気アトラクションにも負けない混雑は、今回のキハ52形導入が大きな注目を浴びている事の証とも言えます。
今回の撮影会は1日のみの開催である上に、一般向け撮影会の時間が14時までと短い時間に限られていた事も、非常に混雑した理由と思われ、MAKIKYUとしても撮影会で予想以上の時間を要し、その後は当初予定とは異なる行動となった程でした。
いすみ鉄道側もここまでの混雑を予想できていたのか気になる所ですが、会場の制約などで大勢の人手に対応できないのであれば、撮影会の開催日を1日だけではなく、今後は土日の2日間にするなどの施策を講じて欲しいと感じたものです。
ちなみに昨日最大の目的であったキハ52 125の撮影会では、同車がJR西日本大糸線での末期の装いであった、紺色の渋いリバイバル塗装に加え、大糸線仕様車ならではの行先表示器(いすみ鉄道での営業開始時には外してしまう様です)やJR西日本仕様の優先席ステッカーも付いたまま撮影会に供され、ほぼJR時代のままの姿ながらも、元々が老朽車である上に、春の大糸線営業退役から暫くの時間を経ている事もあり、車体の傷みが目立つのも気になる所でした。
撮影会に供されたキハ52 125号の上総中野方前面には「急行 そと房」のヘッドマークを掲出し、側面にも「大原-上総中野」のサボが掲げられるなど、キハ52形が房総の地にやって来た事を印象付ける演出がなされ、渋いリバイバル塗装での姿はいすみ鉄道における営業運行では期待できず、最初で最後となるだけに、貴重な姿を見れたものでした。
また大多喜駅構内の撮影会場は、キハ52の上総中野方のみを撮影できる状況となっていましたが、反対の大原方も回り道で少々遠回り(大多喜駅から徒歩5~6分程度)になるものの、敷地外の公道から撮影できる状況となっており、MAKIKYUは撮影会場での撮影を終えた後、こちらにも足を運んだものでした。
こちらは木の枝などがやや撮影の邪魔になるなどの難点があり、撮影会場での撮影に比べるとやや難ありなのは否めない状況でしたが、JR時代にトイレを撤去した窓のない箇所などを見る事ができました。
ここは公式な撮影会場ではないものの、実質的に撮影会の第2会場となっており、こちらも大多喜駅構内程ではないものの、そこそこの人手が見受けられたものでした。
(余談ながらこの撮影場所の少し先の上総中野方から同車を望む箇所は、私有地のため撮影不可)
いすみ鉄道側ではこちらにも撮影者がいる事を意識してか、行先表示器の幕を白幕(無表示)としていた上総中野方とは異なり、最初は「富山」の表示を出していたものを、途中でわざわざ幕を動かし、「糸魚川-信濃大町」の幕に変えるなどのサービス振り(本当は往年の最もありふれた姿の糸魚川-南小谷だともっと良かったのですが…)は評価できるもので、車両の両側で異なる雰囲気となっていたのも特徴ですが、この姿を見ると房総の地と言う雰囲気とはかけ離れた印象を受けたものです。
しかし途中で大多喜駅にレールバス(営業列車)が到着し、華やかな菜の花色のレールバスが背景に入る姿を見ると、キハ52形がはるばる遠方から房総の地にやって来た事を実感させられたものでした。
昨日撮影会に供されたキハ52 125号車はこれから修繕に入り、来年の営業運転に備える事となりますが、比較的至近な場所だけに営業運転開始後は是非一度、同車の乗車を目的にいすみ鉄道を再訪したいと感じたものです。
撮影会では草臥れた雰囲気が否めない状況だった車両が、何処までテコ入れされるのかも注目したい所ですが、営業開始前の撮影会でもこの人気・混雑振りだと営業開始後は相当な人手になりそうで、営業開始から少し時間を経て落ち着いた頃に、平日の一般列車で走る機会でもあれば…と感じたものです。
先日JR東日本HPにおいて、常磐線用に新型特急車両・E657系を導入・昨来年春から営業開始する旨が発表され、既にご存知の方も多いかと思います。
常磐線に新型特急車が登場する事は、以前からネット上などで噂されていましたので、MAKIKYUとしてはようやく公式発表が出てきた…という感があります。
ただこの新型車両は上野~いわき間のみでの運用となり、現在上野~いわき以遠の原ノ町・仙台方面へ直通する特急「スーパーひたち」号はいわきで系統分断となり、別名称の特急がいわき以北で運転される事が発表されたのは少々意外でした。
常磐線いわき以北で運行する特急には現在「フレッシュひたち」号で使われているE653系が運用される事が発表されていますが、同区間は全線が交流電化区間となります。
それならばいわき以北の特急に、今月のダイヤ改正で運用離脱した旧「つがる」号用の交流専用特急形車両・E751系を転用するのも悪くないのでは…と感じますが、この区間に敢えてE653系を導入するという事は、E751系を他用途に転用する公算が強まった事を意味します。
とはいえ現在485系で運用されている「白鳥」号(青函トンネル対応や増結などを考えると、可能性は極めて低いと思います)及び旧「かもしか」号改め新「つがる」号と、今後運行開始となる常磐線いわき以北の特急以外には、現在特急を運行していない路線・区間(過去に特急を運行していた区間も含む)で新たに特急を設定しない限り、E751系の優等列車としての用途は考え難い状況です。
そのため同系は新「つがる」号への転用可能性が極めて高くなったと言えますが、まだ新しい車両だけに今後の活躍に期待したいもので、新たな転用先に関する公式発表が待ち遠しいものです。
ところで本題のE657系ですが、編成は現在常磐線特急で活躍中の「スーパーひたち」号用651系や、「フレッシュひたち」号用E653系の様に7両と4両のいずれかの編成、或いはこれらを組み合わて11両などの編成を構成するのではなく、10両固定編成となる事は大きな特徴です。
現段階では10両固定編成以外の製造が発表されていない上に、上野発着の常磐線特急を全て同系で統一する事も発表していますので、今後の常磐線特急は途中駅での増解結を行わない事になります。
この編成構成も輸送量に大きな段差があり、設備面でも大きく劣るいわき以遠の単線区間(ごく一部に複線区間が存在しますが…)への上野からの特急直通を止め、系統分断とした大きな要因と言えます。
そしていわき駅では同一ホーム乗換により、いわきを跨ぐ常磐線特急利用客への便宜を図る事を案内しているとはいえ、JR側の都合で運行系統を分断した他線区(大分駅での「ソニック」「にちりん」や、松山駅での「しおかぜ」「宇和海」など)の様な、料金面での通算特例なども設けられるのか気になります。
今後いわき以北の特急で用いられるE653系は、現在の勝田電車区所属のままなのか、それとも仙台地区へ転属するのかも注目ですが、前者であれば出入庫で水戸or勝田~いわき間も走る事になり、この場合は茨城県内~仙台間の特急が朝夕などに例外的に残るのかも気になる所です。
設備的にもただグリーン車は4列席で現在の「スーパーひたち」号651系に比べると見劣りが否めないにも関わらず、現行より少ない30席しか設けられず、半室のみで普通車との合造になる事が確定的なのも大きな特徴といえます。
普通車は狭さが否めない現行「フレッシュひたち」号普通車よりシートピッチが拡大され、座席構造や車両設計などを考えると、現行2形式より快適性が向上しそうなのは朗報ですが、近年常磐線では上野発着の普通列車(中電)にグリーン車を連結し、近距離の着席需要がある程度シフト可能になったとはいえども、10両固定編成だけでは利用客の多い朝夕などに、現在最大14両編成で運転している特急の代替に充分なのか疑問です。
常磐線は常磐道を運行する高速バスとの競合もありますので、いくら普通車の居住性が向上するとはいえども、減車等で座席数が減り、混雑時間帯に指定席が確保できない・自由席は座れないといった理由で他交通機関への乗客転移が発生しないのかも気になる所で、状況次第ではライナー列車の復活なども望みたいものです。
また現在常磐線で使用している2形式の特急車両は、専ら「フレッシュひたち」号で運用されているE653系の一部が、いわき以北への転用で常磐線残存が確定的な他は、ライナー列車の設定でも行わない限り、極一部が波動用などでは残存する可能性もあるものの、常磐線での用途を失う事が確定的な状況です。
その内比較的新しく直流と50・60Hz双方の交流電化区間で運用が可能な上に、耐寒耐雪構造となっているE653系に関しては、古い特急形車両がゴロゴロしている日本海側へ転用される公算が高く、波動用にも有用な汎用性の高い車両です。
この様な車両ですので、現用途を失っても御用済みにはならないかと思いますが、特徴的な様々な装いは改められる可能性が高く、今後の姿がどの様に変異するのか注目です。
しかしながら主に「スーパーひたち」号で運用されている651系に関しては、一応JR化後に製造された車両とはいえども、交流60Hz区間への乗り入れには対応していないなど、E653系に比べると転用にも制約がある上に、JR東日本は比較的新しくまだまだ使える車両でも平然と退役に追い込み、最近まで「成田エクスプレス」号で使用していた253系電車などは、大半があっという間に屑鉄に化けている程です。
そのため651系の今後の動向も非常に気になる所ですが、首都圏でも今日の有料特急車では珍しく客窓が開閉可能で、設備的にも陳腐感(それでも後のリニューアルで登場時よりはマシですが…)が否めない旧国鉄からの継承車両が、MAKIKYUの近所でも私鉄直通の「特急」や別料金のライナー券が必要なライナー列車などで多数走っています。
この車両の騒がしい走行音は姿を見なくてもすぐに分かる有様で、普通列車で充当された際に乗車しても決して快適とは言いがたい状況ですので、未だにこの陳腐な車両を早急に新車代替できないのであれば、651系の転用で一部でも淘汰して欲しいというのが本音です。
他にもJR東日本では国鉄から継承した古参特急車を波動用車両として多数抱えていますので、この様な車両よりも早く姿を消す事だけはない事を願いたいものです。
写真は現在常磐線特急で運用されている651系とE653系、どちらも現在の活躍ぶりが見られるのはそう長くないですので、早めの乗車や記録に努めたいものです。
新形式E657系に関しては、JR東日本の公式HP内で情報が公開(PDF形式)されていますので、まだこの情報をご覧になっていない方はこちらをクリックして下さい。
(この記事のカテゴリー扱いに関して)「スーパーひたち」号などは首都圏~東北地方に跨って運行していますが、主に茨城県内を発着する旅客向けの列車であり、その運行拠点も同県内にある事から、北関東カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。
先日「MAKIKYUのページ」では、富岡~下仁田~上野村間を運行する上野村営バスに関して取り上げましたが、群馬県の中でも奥地として知られる上野村へ向かう公共交通機関は、この村営バスの他に奥多野線と呼ばれる路線バスが存在しています。
奥多野線はかつて上信電鉄が運行していたものの、同社が運行から撤退し、現在は多野藤岡広域組合が日本中央バスに委託して運行を行っており、同線は「かんながわ号」と呼ばれる名称が付けられています。
この「かんながわ号」はJR高崎線新町駅を基点に、JR八高線群馬藤岡駅・鬼石(Onishi)・万場(Manba)などを経て上野村ふれあい館までの間を走る長大路線で、全線を乗り通すと片道約2時間を要します。
長大路線だけあって、運賃も片道1890円と結構な金額になりますが、土休日などには「かんながわ号」全区間が1日乗り放題で1500円の割安な1日乗車券が設定され、片道乗り通すだけでも元が取れ、往復で利用する場合はかなり割安感がありますが、こちらは車内でも購入可能となっていますので、路線長や土地柄の割には比較的割安感があります。
上野村ふれあい館では本数こそ少ないものの、上野村営バスと乗り継ぐ事も出来ますので、両者をうまく乗り継げば新町・藤岡~下仁田間をバスのみで移動する事も可能です。
そのため路線図を見ると盲腸線的な雰囲気が漂う上信電鉄に乗車する際も、このバス乗り継ぎルートと組み合わせる事で、高崎からの単純往復ではなく往復別ルートによる周遊コースを辿る事が出来、MAKIKYUが先月中頃に群馬県内へ足を運んだ際にも、この周遊コースを辿ったものでした。
この様な路線ですので、以前は急行便も運行されており、こちらにはトイレ付きの観光バスタイプの車両が充当され、長時間乗車にも配慮していた様ですが、この急行便は数年前に廃止されており、現在の奥多野線は全便が普通便での運行となっています。
路線の半分以上を占める鬼石地区以遠の山間部では、停留所以外でも乗り降り可能な自由乗降区間となっている事や、路線の終端に当たる上野村へは、湯ノ沢トンネル開通によって下仁田方面からのアクセスが飛躍的に改善された事などを考えると、全て普通便で運行する事で各停留所での乗車機会を増やす事自体は妥当な施策かもしれません。
ちなみに現在の使用車両は三菱AEROMIDI MEが主力を占めており、自治体絡みのバスながらもラッピング車が混在するのも特徴ですが、この車両はノンステップ車でバリアフリー対応などは万全とはいえ、元々都市部のコミュニティバスなどで使用する事を前提とした車両です。
AEROMIDI MEの定員や座席数が少ない事は、「かんながわ号」ではさほど問題にならないとはいえ、横向きの優先席を除く各座席は足元が狭く、所要20~30分程度の路線では充分な車両とはいえ、トイレ休憩などもなく約2時間もずっとこの車両に乗り続ける(ネット上の情報では、途中でトイレ休憩があったケースもある様ですが…)のは、この手のバスに長時間乗り続ける貴重な機会といえばそれまでですが、バス好きなMAKIKYUでも少々酷に感じた程ですので、バスに乗り慣れていない乗客が乗った場合は相当大変だろうと感じたものでした。
また「かんながわ号」は急行便の廃止後に、新車で近年コミュニティバスなどで数を増やしている日野製小型ノンステップバス「ポンチョ」も導入されていますが、こちらもAEROMIDI MEと同様の問題点が存在する車種です。
MAKIKYUはこちらには乗車する機会がなかったものの、横浜市内に居る知人の中にはこのバスを大絶賛している者も居り、横浜市内からでも湘南新宿ラインを使えば、「かんながわ号」始発の新町駅へは電車1本でアクセスできるアリアですので、ポンチョへの長時間乗車を堪能できる路線としても、この知人には是非勧めてあげたい路線と感じたものでした。
とはいえ上信電鉄の路線バスが撤退したあと、広域組合が路線の運行を担って辛うじて地域の公共交通を維持している事を考えると、車両に関しては余り贅沢な事は言えず、上野村内では幹線道路から外れて狭い旧道を走る区間も存在し、余り大きな車両を使えない事などを踏まえると、使用車両に関しては現状で止むを得ない面もあるかと思います。
ただせっかく土休日などに割安な1日乗車券を設定し、遠方からの観光客誘致などに努めても、現状では「安かろう悪かろう」という印象が否めないと感じる乗客も少なくないだろうと感じたものです。
路線維持自体が困難を極める現状では、使用車両の変更や改修といったハード面での対策は難しいかと思いますが、途中停留所でトイレ休憩などの時間を予め設定し、長大路線を乗り通す乗客の利便性をもう少し考慮してくれれば…と感じたものでした。