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JRおおさか東線・新規開業区間の様子

2019-04-21 | 鉄道[近畿・JR]

今月に入ってからは新環境での業務をはじめ、非常に多忙な状況で「MAKIKYUのページ」更新もなかなか…という状況ですが、先月末に乗車したJRおおさか東線の続編記事として、同線電車最前部から撮影した新規開業区間の様子を取り上げたいと思います。

 
おおさか東線の列車始発駅は新大阪駅、ここから暫くは東海道本線と並行して走り、東淀川駅はすぐ脇を通るもののおおさか東線ホームがないため全列車通過となります。


東淀川を過ぎて暫くすると、東海道本線から分岐して新たに旅客営業開始となった区間に入りますが、東海道本線から分岐する箇所では60㎞/hの速度制限が存在します。


この分岐点を過ぎると高架線を上がり、程なく南吹田駅に到着となりますが、都市圏線区にしては運行本数が余り多くない事も影響してか、新駅にも関わらずホームドアは皆無、ホーム柵も一部にしか見当たらないのも特徴的と感じたものでした。


南吹田だけでなく他の新規開業駅(写真はJR淡路)も含め、おおさか東線の今春開業区間にある駅は相対式ホームの駅ばかりとなっており、島式ホームの駅が幾つも存在する第1期開業区間(放出~久宝寺)とは随分様相が異なると感じたものでした。

 
また今春の開業区間は完全な新線ではなく、元々単線の貨物線だった路線を複線旅客線区に改良した事もあり、貨物専用線との分岐や単線橋梁+歩道橋を複線橋梁に改良した箇所なども存在。


近年の新線では例外を除き設置が認められていない踏切も幾つか見受けられ、線形も所々で不自然な箇所が見受けられるのも特徴です。

 
そして学研都市線と接続する鴫野(Shigino)で、旅客営業上のおおさか東線新規開業区間は終了となりますが、鴫野~放出(Hanaten)の1駅間は学研都市線との並行区間となっており複々線、この間でおおさか東線の上下線と学研都市線木津方向の線路が交差する区間もあり、結構大規模な工事をしたものと改めて感心させられたものでした。


車両面では既存201系(写真は先日公開した記事画像の再掲です)での運行が大半を占め、新線らしからぬ印象もあるものの、貨物線改良線区ならではの特色が幾つも見受けられ、全面新線とは異なるおおさか東線の出自が強く感じられたのは趣味的にも興味深いと感じたものです。

設備的にもまだ列車増発余地などがあるのでは…と感じられ、今春の新規開業区間を含めたおおさか東線がどの様に変貌・発展して行くのか注目して行きたいとも感じたものでした。

なかなかブログ更新に時間を割けない状況ですが、GW期間中を目途に関西関連の話題をもう少し公開出来れば…と思っていますので、今後も引き続き「MAKIKYUのページ」へアクセス頂けると幸いです。


 


JR西日本225系5100番台~幾つかの疑問を感じる阪和線用最新型車両

2016-09-02 | 鉄道[近畿・JR]

先月は遠出をはじめ、それ以外の要件も重なり「MAKIKYUのページ」更新も余りできない状況でしたが、遠出の際には初めて乗車した車両が幾つも…という状況で、今日はその一つ・225系5100番台車に関して取り上げたいと思います。

225系はJR西日本のアーバンネットワークにおける最新型の近郊型電車として増備が進む車両で、関西在住の方をはじめ、それ以外でも近年関西へ足を運ばれている方であれば、既に乗車した事がある方も少なくないと思います。

近年のJR西日本新型電車の標準仕様ともいえる0.5M方式による全電動車方式を採用、2両以上であれば1両単位で自在に編成組成が可能となっているのも大きな特徴で、この辺りはJR東日本などの新型電車とは対称的な設計思想が伺えます。

同系導入は2010年にはじまり、先代の223系とは編成単位での互換性がある事から、両者は共通運用され混結して運行する事も日常茶飯事となっていますが、東海道本線・山陽本線を中心に活躍するグループと、阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループでは、窓下の帯色や座席配置などが異なっており、通常運用では同一グループ同士での混結のみとなっています。

2グループの中でも阪和線・紀勢本線を中心に活躍する225系は、番台が+5000された「5000番台」として導入されており、帯色や座席配置などは先代223系の阪和線・紀勢本線を中心に活躍するグループに合わせられていますが、225系自体が今年導入された編成から大幅に仕様変更→100番台として区分された事から、阪和線・紀勢本線向けの最新車両も番号帯が+100された5100番台となっており、今夏に運用が開始されています。

この5100番台では100番台と同様に…

・先頭車前面が既存225系よりもやや丸みを帯びた形状に変更
 
(写真は阪和線・紀勢本線用225系、写真左側が最新車両5100番台/右側は既存5000番台です)

・種別/行先表示のフルカラーLED化&種別幕の廃止


・車内蛍光灯のLED化


などの仕様変更が行われています。

この阪和線・紀勢本線向けの223系は現在全て4両編成、225系も5000番台車は全て4両編成となっており、4両単独か2編成併結の8両いずれかの編成で運行していますが、5100番台は阪和線・紀勢本線向け既存223・225系各車両との併結も行う4両編成だけでなく、専ら単独運用となる6両編成が登場しているのも大きな特徴です。


また先に述べた100番台・5100番台における各種仕様変更は、広島地区の新鋭車両・227形の仕様を概ね踏襲したものと言っても過言ではないと感じたものですが、阪和線・紀勢本線向け車両特有の2+1配列座席である事に加え、外海に面した海岸沿いをはしる紀勢本線にも多用される事から、5100番台では補助椅子格納スペースを小変更した避難用梯子が備え付けられているのも大きな特徴です。

これ以外の227系との差異は塗装・編成構成と運用上の最高速度を除くと、車端部分がロングシートであるか否かと、車内案内表示装置がLED文字案内か大型LCDモニターなのかといったレベルですので、225系の別番台を名乗るよりは、227系の別番台にした方が良かったのでは…とも感じます。

ちなみにMAKIKYUは先月阪和線に乗車した際、阪和線・紀勢本線用にJR西日本が導入した3扉近郊型では初となる6両編成の車両には乗車していないものの、5100番台には関空/紀州時快速と区間快速で乗車機会がありました。

設備的には既存の225系などと大差ない車両と感じ、近郊型車両にしては上等な居住性などは大いに評価できるものでしたが、227系の仕様を踏襲した事もあってか、関西の電車ではJR・私鉄共によく見かける蛍光灯グローブは廃止され、またLED蛍光灯もグローブ付きに近い見付けではないため、天井見付けは既存の225系に比べるとやや簡素と感じたものでした。

阪和線・紀勢本線の快速系列車に関しては、これでも設備的には充分過ぎるレベルで、多過ぎる停車駅や退避・分割併合などでの途中駅停車時間の長さなど、列車設定上の問題が大きいと感じています。

また専ら区間快速以下の列車に充当される6両編成の導入意義は疑問に感じる所で、6両編成での大阪環状線乗入列車を設定するならまだしも、そうでなければ阪和線内の駅に3ドア車用のホームドアを設置するとしても、運用目的などを考慮すると全席クロスシートは逆に問題と感じる位、編成組替も容易な形式だけに、今後先頭車のみ増備して組成変更される可能性なども…と感じたものです。
(阪和線・紀勢本線では先代223系で大規模な編成の組成変更を実施、形態の揃わない車両が混成された編成も多数存在する状況ですので…)

阪和線各駅にホームドア設置を行わないのであれば、30N・40N工事などを施行していない103系を今後末永く使い続けるのは論外としても、大阪環状線から323系導入で余剰となる201系を転用するか、環状線に続いて323系を導入する事で、主に各駅停車充当となる6両編成は既存205系と併せてロングシート車運用にした方が得策と感じる位ですので…


JR桜井・和歌山線で活躍するラッピング電車~車内は弱冷車と錯覚する状況でしたが…

2015-09-03 | 鉄道[近畿・JR]

ここ最近関西私鉄に関する記事が続いており、その中にはラッピング車が幾つも登場していますが、今夏にMAKIKYUが関西へ足を運んだ際には、私鉄各社だけでなくJRでもラッピング車両に乗車する機会がありました。


乗車したのは桜井線・和歌山線で活躍する105系電車の万葉ラッピング車で、ラッピングされてからの活躍期間も結構長い車両ですので、以前にも和歌山駅などで姿を見た事はあったのですが、乗車したのは先月の桜井線が初めてという状況でした。


 
外観ラッピングだけでなく、車内もステンレス無地の客ドアがラッピングされているのが大きな特徴ですが、一見すると古参車両に多いペンキ塗り仕上げのドアを思わせるような雰囲気と感じたものでした。

105系4扉車自体が、元々常磐線各駅停車(~地下鉄千代田線直通)用に導入された車両(103系1000番台)の一部車両を種車としており、103系1000番台を玉突きで淘汰するために導入された203系電車ですら今日では全車退役→大半がインドネシアやフィリピンへ輸出されている状況です。

そのため数々の改造を重ねているとは言えども、よく今日までそれも大阪市内から1時間圏内で活躍していると感心する程ですが、この車両の冷房装置は後に改造で設置された簡易型という事もあり、比較的空いている車内でも弱冷車に乗車しているのかと錯覚する程でした。

その後乗り換えたほぼ同種性能の奈良線103系電車も、車齢的には大差ない状況ですが、こちらは車内がそこそこ涼しいと感じた程ですので、古いだけならまだしも、冷房の利きが悪い事に関してだけは、何とかならないかと感じたものでした。
(空調装置を改善しても長く使える車両ではない気もしますので、あと数年使い倒して他地区から車両転用の可能性が高そうな気もしますが…)

この電車に乗車している際には、途中の畝傍(Unebi)駅で発車直後にホームへ乗客が現れて一旦停車→運転士がドアが開く旨の案内をして乗客を拾う状況で、駅周辺は奈良県では県都奈良市を除くと最大規模の人口を誇る橿原(Kashihara)市の中心市街地、すぐ近くには奈良県有数の基幹駅とも言える大和八木駅が立地しているにも関わらず、畝傍駅は駅員無配置で運賃も車内収受という状況では、改善を望むどころか現状維持も厳しいかもしれませんが…


JR西日本・683系電車転用の概要を正式発表~新形式への改番も…

2015-04-29 | 鉄道[近畿・JR]

 
JR西日本では昨日付けで、今年春まで名古屋・米原~金沢・富山方面で今年春まで運行しており、ダイヤ改正後は他車両の転用で運用離脱となった「しらさぎ」号用683系の用途変更を正式に発表、既にこのニュースリリースをご覧になった方も居られるかと思います。
(写真は「しらさぎ」号に充当されていた頃の683系電車です)

北陸方面を運行する在来線特急車の一部を、北陸新幹線開業後に他地区へ転用するという話は、新幹線開業以前から持ち上がっており、大阪市内発着の一部在来線特急に、国鉄から継承した経年車も含まれています。

そのため683系を転用し、経年特急車の代替を行う事自体は順当な話で、特に驚くことではないと感じています。

大阪市内発着の在来線特急で、経年車が多数充当されているのは、福知山線など北近畿方面へ向かう、「北近畿ビッグXネットワーク」(大阪ではなく京都発着も含む)と呼ばれる系統の各列車と、紀伊半島方面へ向かう「くろしお」などに2分されます。


特に「北近畿ビッグXネットワーク」を運行する特急列車は、JR車両に限れば近年まで古参の国鉄継承車のみで運行しているという状況で、同区間を走る一部普通列車(写真)よりも見劣りする程でした。

 
近年では一部列車に新型車両・287系(左側写真)が導入され、以前に比べると随分改善され、普通列車との「下克上」状態も改善されたのでは…と感じますが、それでも一部に国鉄継承車の381系(右側写真)が残存する状況です。

「くろしお」に関しても、現在287系と381系が併用されている状況で、塗装こそ異なりますが、充当形式だけを見ると「北近畿ビッグXネットワーク」と大差ない状況になっています。

北陸方面から381系よりもずっと程度の良い683系を転用するとなると、この機会に現行287系をどちらか一方へ集中配属し、転用車をもう一方へ集中配属するのも…と感じます。

しかしJR西日本が発表した683系転用計画の概要を見ると、北近畿方面と紀伊半島方面の双方に配置され、381系を淘汰代替する
事になっており、両地区で複数形式を併用する状況は相変わらず…という事になります。
(紀伊半島方面は他に「オーシャンアロー」で活躍する、少数派の283系電車も存在します)

鉄道特にJR車両に関する知識をお持ちの方であれば、683系は形式を見ただけで交直両用車である事が容易に推測でき、今回683系が転用される各路線は全て直流電化区間ですので、直流専用車への改造→形式番号変更も合わせて実施となります。
(近年の交直両用車→直流区間専用車への転用でも、「スワローあかぎ」などに充当されるJR東日本651系の様に、番台区分変更のみで形式番号変更を伴わない事例も存在します)

ちなみにJR西日本では、過去に交直両用の特急型・485系電車を、「北近畿ビッグXネットワーク」へ転用する際に、直流専用車へ改造して既存の直流特急車183系の別番台とした事例や、逆に直流専用の近郊型車両・113系電車を交直両用車へ改造し、既存の交直両用近郊型車・415系の別番台とした前例があります。


前者の中には、同時期に福知山地区の普通列車で活躍していた車両程ではないものの、中間車を先頭車化改造したゲテモノ車両が含まれていたのも大きな特徴で、この車両も北陸特急からの転用車でしたので、「歴史は繰り返す」と感じます。

JR西日本における183系や415系への改造前例を踏襲するとすれば、287系の別番台へ改番するのが順当と感じますが、今回は新形式「289系」となるのが大きな特徴で、この新形式登場は少々予想外で驚いたものでした。

今後「北近畿ビッグXネットワーク」と紀伊半島方面の特急は、「オーシャンアロー」で活躍する少数派の283系を除くと、両地区共に287系と289系の2形式が併用される状況となります。

287系自体が683系をベースに、若干の設計変更を行った車両ですので、両者のサービスレベルはほぼ同等、同一料金を支払っても列車によって大きな設備格差が存在する現状は、今後大きく改善される事になります。

その気になれば、両形式を併結しての運行も不可能ではない気がしますが、今後両形式を併結しての運用が出現するのか否かも気になる所です。

またJR西日本では今回車両代替となる「北近畿ビッグXネットワーク」と紀伊半島方面以外にも、岡山~出雲市間を結ぶ伯備線経由の特急「やくも」号でも381系が活躍、こちらは近年になって大規模リニューアルも施されていますので、まだ暫くの活躍が期待できる気がします。

「くろしお」は振り子式車両から、振り子式や車体傾斜式などの曲線の高速通過対応を行っていない車両への代替となりますので、ダイヤへの影響(所要時分増大)が発生するのか否かも気になる所です。 


Twilight Express・遂に廃止~バス車内でもこのニュースが…

2014-05-29 | 鉄道[近畿・JR]

現在日本国内における最長旅客列車(運行距離・所要時間の双方)としても知られ、大阪~札幌間(北陸本線・羽越本線・室蘭本線経由)を運行しているJR西日本の寝台特急列車「Twilight Express(トライライトエクスプレス)」の来年春限りでの運行廃止が遂に正式発表され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でもご存知の方は少なくないかと思います。

Twilight Expressは近年運行開始したばかりの超豪華クルーズトレイン「ななつ星」などに比べれば、既存寝台車両の改造車だけあって、設備面などでの見劣りは否めませんが、この列車とJR東日本の「カシオペア」を除けば、日本国内の列車ではかなり豪華な部類に入る列車かと思います。

MAKIKYUは日頃首都圏に身を置いている事もあり、北海道へ向かう寝台列車も「北斗星」は何度か利用した事があるのですが、Twilight Expressは運行区間の関係もあってか、何度か姿を見た事はあるものの乗車した事はなく、来年春までの運行となるとそれまでの間に乗車する機会も…という状況です。

既存寝台車両の改造車であるが故に、車両の老朽化が進んでおり、今後青函トンネルの新幹線対応や北陸本線の一部区間移管なども絡むと、廃止の情報自体は何時報じられても不思議ではなく、遂に公式情報が出たと感じたものでした。

現状や今後の状況を踏まえると、廃止自体は止むなしとも感じますが、列車の設備面に加えて、日本海に沈む夕日を眺められる海沿い区間を走るなど、運行路線・区間も注目の列車ですので、今後直接的な代替列車の設定は難しいにしても、今後JR西日本でも登場予定となっているクルーズトレインの運行において、Twilight Expressの運行区間を意識した列車設定が行われるのか否かも気になる所です。
(ただTwilight Expressの運行区間は、今後第3セクターに移管される区間や、JR東日本区間など他社区間も多い状況ですので、物理的制約はないにしても、自社線内運行に比べるとハードルは高くなります)

ちなみにこのニュースは、昨日MAKIKYUが乗車した首都圏某大手民営バス車内のモニター(デジタルサイネージ)でも報じられており、写真はモニターに表示されたTwilight Express廃止を報じるニュース画面ですが、この画面では廃止理由を「車両の老朽化が理由」と報じており、他の理由もあるにしろ、主因である事は確かだと思います。

この様な情報が出てくるとなると、状況が比較的類似している「北斗星」の動向も気になりますが、こちらも現状が長く続く事は考え難く、今後の展開が気になるものです。


(お断り)Twilight Expressの運行地域は近畿~北陸~東北~北海道と多岐に跨り、デジタルサイネージのニュース記事は運行地域とは異なるエリアを運行する路線バス車内で撮影したものですが、起点かつJR西日本の拠点が大阪となりますので、この記事は「近畿」扱いとさせて頂きます。


JR西日本 225系電車(5000番台)~昨年末に運行開始した最新鋭車両

2011-01-10 | 鉄道[近畿・JR]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、昨年運行開始したばかりの東京メトロ千代田線の最新型車両・16000系に関して取り上げ、同系は首都圏で大きな注目を集めています。

これに対し関西でも昨年末、JR西日本で225系と呼ばれる新型電車が運行を開始し、こちらも大きな注目を集めていますが、MAKIKYUは昨年末に青春18きっぷで岡山・広島方面へ出向く際、途中で少し寄り道して乗車する機会がありましたので、今日はこの225系に関して取り上げたいと思います。

225系は現在新快速などで活躍中の223系の後継版に当たる車両で、東海道・山陽本線向けの0番台と、阪和・紀勢本線向けの5000番台の2種類が存在しています。

まだ走り始めて日が浅い事もあり、さほど数が多くない上に、東海道・山陽本線向けの車両は運用範囲が極めて広く、余所者がふらりと訪れて捕まえるのは容易ではなく、こちらに関しては一度すれ違った他は、車庫に停車している編成を目撃しただけと言う状況でした。

一方阪和・紀勢本線向けに導入された5000番台は、運用範囲がある程度限られる事もあり、暫定運用の状況でも阪和線内では比較的容易に捕まえられる状況で、MAKIKYUが先月乗車したのはこの阪和線向けの225系でした。

阪和線向けの225系は、窓下の帯色が青系統の特徴的なモノとなっており、座席配列も航空旅客対応として片側1列配置とするなど、同線の223系と同様の特徴が見られるのが特徴です。

また225系自体は、設備的に223系を踏襲しつつも、その後登場した新鋭通勤型車両・321系に類似した部分も多く見られ、メカニズム的にも0.5Mシステム採用によって全電動車(321系の場合は付随車も存在)となるなど、両者を足して2で割った車両という雰囲気も感じたものでした。

これに加え225系の大きな特徴として、JR西日本で以前発生した大事故を踏まえ、安全対策を強化している事が挙げられます。

これによって外観も、前面形状は今までに比べるとお世辞にもスマートとは…という雰囲気になっており、高運転台構造が影響して客室からの前面展望も、非情に見晴らしの良い先代223系に比べると、やや劣っています。

側面もドア間5列の座席に対し、両端の座席に対応して開閉可能な窓が設けられ、中央の3列に対応する窓が大きな固定窓、この固定窓は各窓に対応するブラインド用のレールが設けられるという、他に類を見ない特徴的な窓割となっており、余りスマートな印象ではありませんが、見た目よりも車体強度の強化を優先した事が容易に見受けられます。

車内に足を踏み入れると、つり革が随分増設されて首都圏並みといっても過言ではない状況になっており、その長さも223系などに比べると短めであるなど、やや関西の電車らしくない雰囲気もあります。

大きく目立ちやすいオレンジ色のつり革は好みが分かれそうで、MAKIKYUとしては数を増やす程度で…とも感じてしまいますが、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家で最近増殖しており、好みが大きく分かれる黒いつり革などに比べれば、まだ良いのでは…と感じたものです。

また車内は窓割りやつり革配列などを除くと、JR西日本の通勤・近郊型車両の集大成といった雰囲気となっていますが、座席モケットが退色の目立つ223系に比べて濃い色になり、化粧板も座席モケットと違和感ない色彩になるなど、見るからにちぐはぐな雰囲気が否めなかった阪和線用223系の増備車(2500番台)などに比べると、色彩の面では随分良くなっている様に感じたものです。

この様に225系はデザインよりも車体強度向上などの安全対策を優先し、実用性重視といった雰囲気を受けたものですが、それでも車内に足を踏み入れると設備的にはハイレベルで、走行時の騒音や振動などの面でも、貧相極まりない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家の車両に乗り慣れた身としては、同じJR在来線20m級近郊型電車の最新型で、東西でここまで格差が出るのかと感じたものです。

ただ最近は関西でも阪和線の競合線区とも言える大手私鉄路線(概ね数km海側を走っており、直接競合する区間は限られますが…)でも、貧相な印象が否めない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」が増殖しており、ご存知の方も多いかと思います。
(この車両に関しては「MAKIKYUのページ」でも以前取り上げた事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

こちらは老朽車両がゴロゴロしている事を考えると、低コストで新車調達を行う事が急務なのかもしれませんが、今後225系の増備と本格稼動により、阪和間ではJR快速列車(紀州路快速)の増発やサービスレベル向上が図られる中で、果たしてJRと互角のサービスを提供できるのかも気になる所です。

関西でも阪和間の路線は、安価で高レベルの輸送サービスを提供する路線が集まる事で定評ある京阪間などに比べ、現状では見劣りが否めませんが、225系の大量導入による阪和線快速のサービスレベル向上に対し、競合私鉄も今後どの様な対抗策を打ち出して行くのかも気になる所です。


JR西日本 113系電車(日根野区F408編成)~先頭車と中間車の格差は…

2009-09-25 | 鉄道[近畿・JR]

 

数日前「MAKIKYUのページ」では、専ら御坊~紀伊田辺間で運用されるきのくに線ワンマン用の113系電車に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月この車両に乗車して御坊に到着した後は、御坊で一旦途中下車(この事に関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います)した後に再び紀勢本線(きのくに線)に乗車し、和歌山を目指したものでした。

御坊~和歌山間は昼間は概ね毎時2本程度の普通列車が運転され、それも4両編成で運転される列車が大半を占めていますので、紀勢本線の他区間に比べ、普通列車のサービスレベルは高いと言えます。

その充当車両は主に113系と117系が充当(一部列車では221系など、JR化後に新造された車両も運用されます)され、元々転換式クロスシートの117系だけでなく、近年は113系の中にも通称N40工事などと呼ばれる大規模な延命改修工事と併せ、転換式クロスシート装備に改められた編成が存在していますので、御坊~和歌山間の普通列車は量・質の両面できのくに線随一と言えます。

この御坊~和歌山間の普通列車は、充当系列は基本的に決まっており、117系などが充当される列車の場合は、確実に転換式クロスシート車に乗車できるのですが、過半数を占める113系は、延命工事施行の有無に関係なく同系の運用に充当されます。

そのため113系充当列車の場合は、同じ時刻の列車でも日によって大きな当り外れがあり、しかも御坊~和歌山間を中心に、阪和線や紀伊田辺方面などでも運用される日根野区の113系は、現在殆どの編成が4両全て延命工事施行車で構成されているか、逆に4両全てが延命工事を施工していない車両のいずれかで構成されています。

この両車は同系列の車両だけあって、車内設備だけでなく外観も大きく異なり、塗装も前者は近年のJR西日本標準塗装とも言えるベージュと茶色に青帯、後者は通称阪和色などと呼ばれ、基本的に日根野区所属車両だけ(車両転属の関係などで、一時的に他地区で運用される事もあります)が国鉄時代から纏っている灰色にブルー帯ですので、容易に識別可能となっています。

しかしながら日根野区の113系は、現在殆どの車両がどちらかの装いで統一されている中で、F408編成と呼ばれる1編成だけは、両先頭車が延命N40工事施行車、中間2両の電動車ユニットが阪和色の比較的原型を保った車両の混成編成となっています。

MAKIKYUが御坊駅で和歌山方面へ向かう普通列車に乗車する際は、偶然この不揃いな外観のF408編成に遭遇したのですが、この編成は日根野区113系各編成の中で最も異彩を放ち、注目を集める存在にもなっています。

しかもF408編成の中間電動車ユニットは、今では姿を見る機会も少なくなった窓の四隅が丸い非ユニット窓、冷房装置脇のベンチレーターも113系では今や少数派のグローブ形となっている古参車(昭和39年汽車会社製)で、当然ながらセミクロスシートのボックス席はシートピッチ拡大前の非常に狭い座席(113系は現在大半を占める後期形のシートピッチ拡大車でも、決して快適とは言い難い車両ですが…)です。

中間車2両は113系の現在稼動している車両の中では、設備的に最低レベルと言っても過言ではない状況(ここまで酷い車両は遭遇機会自体が少ないですので、希少価値はありますが…)なのに対し、両先頭車は新快速などで活躍している223系と同レベルにまで車内設備のグレードが高められ、117系などを凌ぐ程ですので、乗車する号車によって設備面では雲泥の差があります。

この設備格差はかつて首都圏の東海道線や横須賀線などで、長編成を構成して活躍した同系グリーン車組み込み編成の普通車とグリーン車並か、内装の格差等も加味するとそれ以上かも…と感じる程でした。

しかもF408編成はどの車両でも全車普通車自由席で、専ら普通乗車券だけで乗車できる普通・快速列車での運用ですので、F408編成に遭遇したらMAKIKYUは座れる限り両先頭車を選びます(先月乗車した際は、一番前の車両に乗車しました)が、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何でしょうか?


JR西日本 113系電車(きのくに線用ワンマン車)~異様な外観が特徴的な異端車

2009-09-13 | 鉄道[近畿・JR]

   

つい先日MAKIKYUは、残存していた期限迫る青春18きっぷ(10日が使用期限でした)を使い、JR西日本エリア某所まで出向いていました。
(ここ数日更新がなかったのも、この旅行が大きな要因です)

先日の旅行に関してはまだ整理が出来ていない&先月の旅行に関しても取り上げたい事はまだまだ…という状況ですので、今日は先月紀伊半島を訪問した際に乗車した、JR西日本の113系きのくに線用ワンマン車に関して取り上げたいと思います。

113系は国鉄時代に直流電化区間用の近郊型電車として大量に導入され、JR化の際には本州3社に継承された車両ですので、お馴染みの方も多いと思います。

近年ではJR東日本→JR四国への譲渡などもあったものの、老朽化や新系列車両の導入などで大幅に数を減らしており、JR東海では既に全廃、JR東日本でも現在は千葉地区だけに残っている車両もあと数年という状況になっています。

ただJR西日本では、かなり大規模な改修工事を施した車両も多数あり、まだまだ活躍が期待できそうな状況ですが、大規模な改修工事を施した113系の中でも、異端と言える存在の一つが、今日取り上げるきのくに線用ワンマン車です。

この車両は2002年にきのくに線(紀勢本線)の御坊~紀伊田辺間の普通列車を、朝夕の一部を除いて和歌山方面の列車と分断し、ワンマン運転を行うために改造されたものです。

JR西日本の113系や、同系と比較的類似した115系は、近年ローカル線区用に2両の短編成に改造したワンマン運転用車両が多数存在しており、その中には中間車の先頭車化改造を行い、原型とは大きく異なる風貌が話題を集めるゲテモノ異端車が幾つも…という状況です。

きのくに線ワンマン用の車両もその一つで、前面は通勤型の103系を連想させる非貫通型で、他の113系には見られない独特な風貌となっています。

その上113系ではこの車両のみとなっているオーシャンブルーのきのくに線塗装(他に105系や117系などで、この塗装の車両が存在しています)を纏っている事や、先頭車は両側共に原型と大きく異なる形状となっている事(異様な前面形状となっている113・115系のJR西日本の改造車各種では、片側は原型となっている車両が大勢を占めています)など、JR西日本のゲテモノ改造車各種の中でも、非常に際立つ存在と言えます。

またJR西日本の車両事情にある程度詳しい方であれば、この車両は通称N40と呼ばれる大規模な延命工事を施した車両である事が、見た目からお分かり頂けると思いますが、こちらは原型とは大幅に変化した外観とは裏腹に、車内設備は化粧板などを張り替えてイメージチェンジしているとはいえ、ほぼ原型のままのセミクロスシートとなっています。
(それでも一部のロングシートが撤去され、機械類を収める箱が設置されているなど、良く見ると差異もあるのですが…)

そのため車内はワンマン化改造やトイレ設置(元々トイレのない中間電動車からの改造ですので…)などを除くと、同じきのくに線でも主に御坊以北で活躍する113系のリニューアル車などに比べ、設備的に見劣りが否めないのも事実です。

それでも新宮方面から普通列車を乗り継いで北上したMAKIKYUとしては、紀伊田辺以南の普通列車で運用しており、オールロングシートで高速走行時の走行音(元々高速運転を行わない線区で運用する事を前提とした車両ですので…)が凄まじく、後に改造で取り付けた冷房も簡易型故に利きも今一つ…と、全体的に芳しくない印象を受けた通勤型電車・105系に比べると、はるかに快適に感じたものでした。

きのくに線の御坊以南を走る普通列車は基本的に2両ワンマンというのであれば、いっその事紀伊田辺を境に車両運用を分断せず、113系のワンマン車追加改造(JR西日本には113系が多数残存しており、その上今後JR東日本で比較的状態の良い後期車に多数の廃車が見込まれる現状では、種車は幾らでもあるはずです)を行い、長距離乗車には難のある紀伊田辺以南の105系を他線区へ転用→老朽105系の取替えでも出来ないものかと感じたものです。

また御坊~紀伊田辺間の普通列車は昼間2本のワンマン車を運用し、ピストン運行を行っており、入出庫の関係で早朝の日根野発と、深夜の日根野行きが1本だけ存在する他は、基本的にこの運用に専属していますので、御坊~紀伊田辺間のみを運行する普通列車を狙えば、大抵この車両を捕獲する事が出来ます。

しかし2運用に対して2両2編成のみの存在で、現段階では予備車が存在しません(これもワンマン車追加改造で、同じく普通列車の2両ワンマン運転を行っている紀伊田辺以南との車両運用共通化を行えば、解決できそうな事ですが…)ので、検査やトラブルが生じた際などは、主に御坊以北で運用される113系4両編成が代走(この場合はワンマン運転を行わず車掌乗務)します。

MAKIKYUが紀伊田辺で御坊行き普通列車に乗車しようとした際には、ワンマン車狙いだったにも関わらず、4両編成による代走が行われており、1本見送って後の列車(約1時間待ちになり、その際の時間潰し(?)に関しても後日取り上げたいと思います)に乗車した程で、珍車狙いで御坊や紀伊田辺を訪問したにも関わらず運悪く…という事もありますので要注意です。

写真は113系きのくに線用ワンマン車の異様な外観と、その一方で設備はほぼ存置された客室、この車両ならではの特徴とも言える運転席背後の様子です。


JR西日本 105系電車(和歌山地区リニューアル車)~見栄えは悪くないものの居住性は…

2009-08-22 | 鉄道[近畿・JR]

  

MAKIKYUが今月上旬に紀伊半島を訪れた際には、2日間で紀勢本線の大半の区間を乗り通す旅程だったのですが、新宮以西のJR西日本管轄となる電化区間では、105系と呼ばれる通勤型電車に乗車する機会がありました。

MAKIKYUが紀伊半島を訪れたのは、現在は廃止されている通称「新宮夜行」が走っていた時以来という有様ですので、紀勢本線で105系に乗車するのは先日が初めてだったのですが、今日はこの紀伊半島南部で活躍する105系電車に関して取り上げたいと思います。

105系は国鉄標準仕様の通勤型電車・103系を短編成でも運用可能に設計変更した電車(近年は103系も改造で2両編成という短編成が存在しているのですが…)で、国鉄末期の1980年代前半に登場しており、現在JRグループではJR西日本のみに存在する形式となっています。

当初から105系として製造された車両と、103系から編入改造された車両の2種類が存在しており、前者は3扉車であるのに対し、後者は種車の構造を生かした4扉車となっているのも大きな特徴で、両者が混在する地区では、3扉車と4扉車を混成した編成を見かける事もあります。

その中でも紀勢本線南部で活躍する105系は、基本的に当初から105系として製造された3扉車が充当(検査等での車両不足時などは、和歌山線などで運用されている4扉車が充当される事もある様です)されており、紀伊田辺~新宮間の普通列車は殆どがこの車両という程の状況(朝の周参見発着列車に例外が存在します)になっています。

この紀伊半島南部で運用される105系は、以前福塩線などで運用されていた車両で、和歌山地区への転用にあたっては、黄色に青帯の塗装から、如何にも海沿いの区間を走る列車である事をPRするかの様なブルーの装いに改められており、運行線区の特性を考慮してワンマン運転にも対応しています。

また以前紀伊半島南部の普通列車で、トイレなし車両の運行が問題化した事もあって、トイレ取り付け改造も施され、その上リニューアル工事も施工されていますので、内外の見栄えも随分向上しています。

しかしながら所詮通勤型電車で、車内もオールロングシート、その上冷房装置もJR化後に改造で取り付けられた簡易型(それでも以前設置されていた車端部設置型に比べればマシですが…)で、冷房の効き目も吹出口付近以外はイマイチと感じたものです。

その上JR西日本が近年アーバンネットワークで走らせている通勤型車両などとは異なり、駅間が短く低速での運行を余儀なくされる低規格路線に合わせて設計された電車ですので、比較的高速で走行すると走行音も非常にうるさく、軌道状態も決して良いとは言い難い区間(紀勢本線は管轄会社の関係もあってか、非電化区間の方が軌道状態が良好に感じた程です)を走行していますので、見た目は決して悪くない車両とはいえ、居住性はお世辞にも快適とは言い難いのが現実です。

それでも20~30分程度の乗車であれば充分許容範囲と言えますが、紀勢本線の紀伊田辺~新宮間は通して乗ると2時間半~3時間と結構長い上に、特急も含めた各列車の運行も決して多いとは言えず、時間帯によっては普通列車利用以外の選択肢がない状況ですので、否応なしにこの車両に長時間乗車を強いられる事もあります。

MAKIKYUは割安な青春18きっぷ利用(それも小田原から使い始めていますので、新宮に到達して105系に乗車する前に元を取っていますが…)でしたので、青春18きっぷで首都圏から紀伊勝浦や串本辺りまで到達できる事を考えれば文句を言うのも…という所ですが、普通乗車券を購入して新宮~紀伊田辺間を乗り通すともなれば、大いに問題ありと言えます。

運行区間は海沿いの風光明媚な区間で乗り応え充分なだけに、普通列車での長時間乗車でも、もう少し快適に過ごせる車両の導入に期待したいもので、同社非電化区間の普通列車でよく用いられる折戸の軽快気動車よりはマシとは言え、出来ることならこのエリアに他形式車両を導入してこの車両の他地区転用→103系改造の105系老朽車淘汰でも…と感じたものです。

写真は紀伊半島南部で用いられる105系リニューアル車とその車内、通勤型電車からの眺めとは言い難い車窓のワンシーンです。


JR西日本 キハ127・122形気動車~姫新線で走り始めた新型気動車

2009-04-12 | 鉄道[近畿・JR]

  

先月末と今月はじめという短い間に、2度関西へ出向いたMAKIKYUですが、今年春の関西は阪神なんば線開業以外にも鉄道関連の話題が目白押しで、先月末には姫路を起点とするJRのローカル線・姫新(Kishin)線で走り始めた新型車両にも乗車する機会がありました。

姫新線で走り始めた新型車両は、キハ127形・キハ122形と呼ばれる新形式で、同線の姫路周辺が運用範囲(概ね兵庫県内)となりますが、JR西日本の車両に詳しい方であればこの形式名を聞いただけで、同社山陰地区で活躍しているJR西日本の新型気動車キハ126形・キハ121形(以下キハ126系列と記します)の後継版と連想される方も居られるかと思います。

車両形式の付番方法が前者は片運転台の2両編成、5を引いた形式を名乗る後者は単行運転可能な両運転台車となっている点は、キハ126形・キハ121形の関係と同様で、キハ127形とキハ122形の両者(以下キハ127系列と記します)は実質的にほぼ同等の車両と言え、3両以上の編成では両形式の併結運転も行われています。

このキハ127系列は気動車でありながらも、電車のシステムを広く取り入れている点をはじめ、ワンマン運転時の車内放送や、何故か前面行先表示の種別部分がスクロールする点(写真の状態では「ワンマン」の文字がスクロールしており、この程度なら文字サイズを小さくして固定表示した方がと感じてしまいますが…)も山陰地区で活躍しているキハ126系列と共通しており、実際に顔を合わせる機会自体が滅多にないとは思いますが、両者の互換性があるのか否かは気になるものです。

こんな事を記すと、キハ127系列は北陸方面の特急で活躍している同社681系・683系電車の様な関係なのでは…と思ってしまう方もいるかと思いますが、車両のデザインは大きく異なっており、キハ126系列は外観も何となく東北地方でよく見かけ、ワンマン運転にも対応する通勤型電車を連想させられ、実用本位の雰囲気が強く感じられますが、これに対してキハ127系列はJR西日本の新型電車そのものといったデザインになっています。

また車内もキハ126系列ではボックスシート主体の座席配置だったのに対し、キハ127系列では新快速で活躍する223系電車や、同社の改装車両でよく見られる転換式クロスシートの座席配置となっています。

そのため内外共に姫路駅で接続する新快速電車に近いイメージとなっており、「新快速もどき」と言っても過言ではない車両と言えますが、これは新快速を見慣れた姫新線沿線の乗客に配慮し、敢えてこの様な車両を製造したのか、それともJR西日本の新標準仕様として、このデザインの車両を今後ローカル用にも導入を進めていくのかも気になる所です。

ただキハ122形同士の2両編成や、3両編成以上での運転時は貫通路を使用して車両間の通り抜けを行うため、前面デザインは非常用貫通路を備えた新快速用223系タイプではなく、岡山地区の快速マリンライナーや福知山地区で活躍する223系と類似したものになっており、客扉も両開き式を採用しながらも、223系の3扉に対して2扉(特に扉増設に対応している様子もなし)になっているなど、探せばラインカラー以外にも新快速用223系とは幾つもの違いが見られます。

車内もワンマン運転時に車内を後ろから前に移動する事も考慮してか、車内の座席は新快速で活躍する223系などとは異なり、2列+1列の座席配置で通路幅を確保できる様になっており、座席モケットの色も赤系統で223系など(茶系統)とは異なるなどの違いも見受けられる他、蛍光灯カバーが省略されている事や、押ボタン式のドアスイッチの形状が異なるなど、こちらも探せば223系との違いが幾つも…という状況です。

この様に「新快速もどき」の印象を受けながらも、探せば223系とは幾つもの違いが見受けられるキハ127系列は、蛍光灯カバーが省略されている点はやや格落ちという感を受けるものの、新快速と比べても遜色ない設備を備えていると言えます。

キハ40系列の国鉄型気動車がノンビリと走り、新快速から乗り継ぐと随分な格差を感じたつい最近までの姫新線姫路近郊の状況を考えると、昨年末に完成した姫路駅高架化と共に、姫新線の大変貌振りを実感させられます。

ただ今年春のダイヤ改正で姫新線姫路周辺を走る車両が、キハ127系列に総取替えとなったとはいえ、まだ高速化工事途上で新系列車両導入による所要時間短縮などは先送りとなっており、また一部駅ホームでは電車並みのキハ127系列床面高さに合わせたホーム嵩上げが完了しておらず、車両側に注意書きを掲示して注意を促す状況になっています。

そのため新形式車両の本領発揮はもう少し先になりますが、姫新線で走り始めたキハ127系列が末永く活躍する事に期待すると共に、ローカル用気動車としては比較的ハイグレードな設備を誇るキハ127系列が、今後他地区でも導入されるのか否かも気になる所です。

写真は姫路駅で発車待ちのキハ127形と、同系車内の様子です。


JR姫新線・姫路駅地上ホームと停車中のキハ40系列~この姿もまもなく…

2008-10-12 | 鉄道[近畿・JR]

 

「MAKIKYUのページ」ではここ数日、姫路関連の話題が続きましたが、姫路駅はJRだけでも山陽新幹線と山陽本線の途中駅となっている他に、播但線と姫新線の起点駅にもなっており、その内在来線は近年の連続立体交差化工事によって、山陽本線は真新しい高架ホームからの発着となっています。

ただ播但線と姫新線はまだ連続立体化工事の途上という事もあって、現在旧来の地平ホームから発着していますが、特に非電化で優等列車も走らず、運転列車の大半が2両程度のワンマン列車となっている姫新線の発着ホームは、列車到着時以外は閑散としています。

先月姫路駅を利用した際には姫新線に乗車する機会はなかった(以前MAKIKYUは姫新線に乗車した事がありますが、区間によっては本数が少ない上に昼間時間帯全面運休となる日も設定されている有様で、キハ120形という居住性の悪い軽快気動車も多数走り回るなど、高速バスなどに押されて長距離利用を想定しない路線となっているため、新見までの全線を乗り通すと非常に疲れる路線です)ものの、その様子を視察してきました。

姫新線ホームは架線もなく古びた雰囲気が漂っており、のりばには「0番線」も存在するなど、大阪方面への新快速列車など長編成新型ステンレス車をはじめとする電車がひっきりなしに発着する高架ホームに比べると、別世界とも言える状況になっています。

とはいえ姫新線と播但線の発着ホームも、山陽本線に比べると工事が遅れているとはいえ、12月には高架の新ホームに移る予定となっており、この別世界とも言える雰囲気のホームから列車が発着する姿も、もうまもなく見納めとなります。

その上姫新線では現在活躍しているキハ40系列(キハ40形・キハ47形)も、来年には非電化のままながらも高速化工事と共に、姫路周辺の兵庫県内区間では新快速で使用している223系電車に近い雰囲気のステンレス製新形式気動車(キハ122・127系)が導入される事も公式に発表されているため、同線は大きく様相が変わる事になります。

そのため現在当たり前の光景として見られる姫新線地上ホーム停車中の、姫新線オリジナル塗装を纏ったキハ40系列の姿が見られるのもあと僅かで、この車両の導入(営業開始前に試運転を行う必要があり、特に新形式故にその期間もそれなりに必要になります)と高架化切り替えは時期的にも重なるため、新形式気動車が古びた雰囲気の地上ホームに入線する機会があるのか否かも気になる所です。

また現在活躍しているオレンジ色の姫新線オリジナル塗装を纏ったキハ40系列が、新しい高架ホームを発着する姿も短い期間になりますが、機会があればこの様な姿も捉えておきたいと感じたものです。
(ただMAKIKYUは姫新線ホーム高架化完成&キハ40系列残存中に姫路駅を訪れる可能性は低く、これは実現しない公算が高そうですが…)

写真はその姿を見られるのもあと僅かとなった姫路駅の姫新線ホームと、やはり姫新線姫路周辺での活躍はもうじき見られなくなる、同線オリジナル塗装のキハ40形+47形気動車です。


JR西日本 キハ181系気動車「はまかぜ」号~この車両が活躍する姿も今では…

2008-10-07 | 鉄道[近畿・JR]

  

先日「MAKIKYUのページ」では、終焉迫るJR西日本の新幹線・0系電車に関して取り上げ、MAKIKYUはこの0系「こだま」号を姫路で下車した後、北近畿方面へ向かうために播但線に乗り換えたのですが、その際に新幹線からの乗り継ぎ割引も活用できると言う事で、豊岡まで特急「はまかぜ」号を利用しました。
(大阪から和田山以遠まで乗り通すのであれば、福知山線経由の運賃・料金で計算される特例もあり、大阪から乗り通す方がずっと割安ですが、0系新幹線乗車も大きな目的でしたので…)

「はまかぜ」号は播但線の一部区間(寺前~和田山間)と、山陰本線城崎温泉以遠で非電化区間を走る事もあって、大阪や京都から北近畿方面を目指す電車特急とは異なり、キハ181系と呼ばれる気動車が用いられています。

キハ181系は1960年代後半~70年代にかけて製造された特急用気動車で、この年代に導入された気動車としてはかなりの高性能を誇っている事もあり、現在のJR西日本エリアに当たる路線をはじめ、中央本線や東北地方、四国など各地で山岳線区を中心に導入された車両ですが、電化の進展と共に電車に置き換えられて転属した車両も多く、国鉄分割民営化の際にはJR西日本とJR四国の2社に継承されています。

その後も四国では相次ぐ振り子式特急車両の台頭などで、比較的早く姿を消していますので、残存する車両はJR西日本所属車両のみになっていますが、こちらも山陰地区における特急の改廃や新形式車両(キハ187系)導入などで廃車が進み、現在定期列車で同系が運用される列車は「はまかぜ」号のみという状況になっていますので、MAMIKYUも先日の「はまかぜ」号乗車が、同形への初乗車という有様でした。

そのためかつて非電化区間の花形として隆盛を誇ったキハ181系も、今や非常に希少な存在になっており、JRグループの中では比較的旧年式車両が多いJR西日本と言えども、いつまで活躍し続けるのか気になる車両の一つです。

ちなみに現在活躍するキハ181系は、塗装はJR西日本オリジナル塗装に変更されており、現在国鉄カラーのキハ181系を見る事は叶いませんが、先頭車両運転席背後の機器室をはじめ、見るからに物々しい印象を受け、一度見たら忘れられない程強烈なインパクトがある外観などはそのままで活躍しています。

その車内でもかつては気動車標準チャイムとして幅広く使われていたものの、今や聞く機会も少なくなった「アルプスの牧場」チャイムが案内放送の冒頭で用いられるなど、「古き佳き雰囲気」が今も随所に残っています。

また普通車の座席は、背面テーブル付き回転式リクライニングシート(座席回転の際は座席下のペダルを踏むタイプ)に交換されているなど、現代の特急車としてもそれなりに通用するレベルになっており、特急車両にしてはさほどハイレベルとは言えない北近畿地区を走る183系電車(485系電車からの改造車)を凌ぐのでは…と感じた程です。

ただグリーン車に関しては、「はまかぜ」号の運転区間などを考えると必然性は薄いと考えられる上に、座席などの設備も旧態依然といった感がありましたので、「古き佳き雰囲気」を楽しむには良いのかもしれませんが、普通車との料金格差も大きい事もあって、設備の割に割高感を感じざるを得ない代物と言えます。

そのためMAKIKYUが姫路から乗車した際に、そこそこ乗客の姿が見受けられた普通車(それでも自由席で禁煙・喫煙車双方とも空席は充分にある状況でした)とは裏腹に、グリーン車は非常に閑散としていたのは気になり、半室すら必要なのかと感じる程でしたので、4両という比較的短い編成(しかも両先頭車は機器室が結構なスペースを占拠していますので、実質3両強程度です)にも関わらず、中間車1両丸ごとグリーン車というのは、随分無駄が大きい編成と感じたものです。

この様な列車ですので、グリーン車に関しては乗り放題系パス等以外での乗車は、余程の事がない限りお勧めできませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も北近畿方面などへ行かれる機会がありましたら、是非「はまかぜ」号で活躍するキハ181系気動車の姿を拝見され、そして乗車してみては如何でしょうか?

写真は豊岡駅を発車する「はまかぜ」号と、その車内の様子(普通車/グリーン車)です。


JR西日本 321系電車~アーバンネットワークの新鋭通勤型車両

2007-07-06 | 鉄道[近畿・JR]

 

MAKIKYUはさほどでもないのですが、友人との相互乗り入れの走行距離調整(?)と言う事で鉄道模型(Nゲージ)も多少集めており、先月下旬には久々の新車導入(模型購入)、そして数日前にようやく試運転を行ったのですが、その車両は5月に模型が発売されたばかりの321系電車で、今日はこの車両の実車に関して取り上げたいと思います。

321系はJR西日本のアーバンネットワークと呼ばれる近畿圏エリアの通勤輸送用に、2005年から増備がはじまったばかりの最新鋭通勤型車両で、乗客の流動が最も著しく私鉄との競合も激しい東海道本線(区間によって別の通称もついていますが…)やその直通線区の山陽本線、福知山線などの各駅停車に集中的に運用されていますが、これは既存の201系電車などを他線区に転用する事で東海道本線の各駅停車を新型車両(207系も含む)で統一し、性能面での向上を図る狙いもある様です。

編成は7両1編成で、編成内は1両(付随車:モーターのない車両)を除いて各車両の片側を電動台車(モーター付き)、もう一方を付随台車(モーターなし)として編成の組み換えにも容易に対応できる様になっているのが大きな特徴で、これは以前JR西日本がローカル線区用に製造したワンマン運転対応の単行形電車125系(小浜線や加古川線で活躍)に類似していますが、これだけの編成を組む車両でこの様な電動車構成となっている車両は他社を含めても類がなく、この形式の大きな特徴となっています。

先代の207系とは異なり4+3両での分割は考慮されていないのも特徴で、そのため京田辺以遠での分割運用が存在する学研都市線(片町線)への運用には現在充当されていませんが、将来的には乗り入れ可能となっている様ですし、また同線や直通運転を行っている東西線の列車でも分割を行わない列車も多数存在しますので、これらの路線に運用されても良いのではという気がします。

またこの車両はメーカーに纏まった両数を一括発注する事で、製造コストを大幅に下げている様ですが、それでも外観のデザインや内装は決して安っぽさを感じるものではなく、車内のグローブ付きの照明などはむしろ高級感を感じる程で好感を持てますが、LCDによる案内表示装置も中吊り広告の如く枕木方向にモニターが設置されているのも日本の他鉄道では余り見かけない大きな特徴(韓国などでは当たり前なのですが…)となっています。

近年見るからにコストダウン車両である事を感じさせる車両が続々と導入されているエリアに居る人間としては、この様な車両に日頃乗車できる方々が羨ましく感じ、線路が繋がっており、同じICカード(ICOCAなど)で乗車できる東海道本線でもエリアによって随分な格差があるものと感じさせられます。

ただこの車両が使用される列車は比較的混雑率が低いのか、つり革は枕木方向にはLCDモニター下部の目立たない場所に少し設置されているだけですし、座席も幅を広げた代わりに座席数が減少しており、座席脇の仕切りも混雑時には少々辛い造りとなっているなど、混雑時間帯の乗車には少々厳しいと感じる面も幾つか見受けられ、また加速性能も最新型の通勤車両にしてはやや劣るのも気になります。
(この様な特徴は、この車両が使用される路線と競合する私鉄の最新型車両にも見受けられますので、地域的特性と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが…)


JR西日本 105系電車(奈良・和歌山地区)~今もワンマン列車として活躍

2007-03-12 | 鉄道[近畿・JR]

 

先日「MAKIKYUのページ」では常磐線各駅停車で活躍している203系電車に関する記事を取り上げ、もうあと数年で退役を余儀なくされる203系が導入される前には、103系1000番台と呼ばれる車両が千代田線直通用に活躍していた事にも記事で触れており、その一部は105系として今でも…と記していますが、今日はこの105系電車に関して取り上げたいと思います。

105系は国鉄末期に地方電化線区用に導入された通勤型車両で、この当時の国鉄車両は大半が電動車(モーター付き車両)を2両ユニットとしていた為に短編成での使用には不適だったのですが、この車両は通勤型車両103系をベースに電動車1両(他に制御車=運転台付き付随車を1両連結)の2両編成でも走れるようにしたもので、現在はJR西日本の電化ローカル線区を中心に活躍しています。
(以前はJR東日本でも仙石線で少数が走っていましたが、現在同社の105系は営業から退いています)

この車両は一応通勤形車両ですので車内の座席は全てロングシートとなっており、新製車両では地方線区での利用実態に合わせて片側3ドアとしていますが、国鉄末期の緊縮した財政事情を反映してかコスト低減の為に103系(主に常磐緩行線での任を解かれた1000番台車)を改造した車両も多数存在しており、この車両は種車同様の片側4ドアとなっています。

またこの改造車の前面形状も、先頭車からの改造車は前面も種車のモノを踏襲しているために新製車両とは素人目にも一目瞭然(中間車からの改造車の前面形状は新製車と同様)ですが、中には新製車両と103系改造車で2両の編成を組んでいる車両も存在しており、これは主に閑散線区で使用するために整列乗車の問題はないにしても、見るからに不揃いな感が否めません。

またこの車両は国鉄末期の緊縮した財政状況の基で登場した事もあり、非冷房車で登場した車両が多数ありましたが、これもJR化後には冷房装置取り付けが行われており、中には分散型クーラーを装備した車両なども存在し、その上105系は使用地区によって異なった塗装を採用している事もあって、見た目は随分見応えのある通好みな車両となっています。

近年では輸送実態を反映してワンマン化改造をはじめ、トイレ設置改造などが行われた車両もあり、それどころか近年では大規模な更新工事を施工した車両も存在し、これは外観も窓枠などが大きく変わっています。

地方線区では使い勝手が良い車両で重用されているためか、105系として新製された車両を中心にまだまだ暫くは活躍が続きそうですが、103系から改造された車両などはかなりの経年車ですし、103系を退陣に追い込んだ203系ですら退役を余儀なくされる状況ですので、同じICOCA(JR西日本の発行するICカード・現在は概ねアーバンネットワークで通用し、近い内に広島地区などでも利用可能な予定。またJR東日本の首都圏や一部関西私鉄などでも通用)などで乗車できるJR線上でこの車両がいつまで走り続けるのか気になるものです。
(さすがに一部廃車も発生している様ですが…この調子だと103系1000番台改造車の一部は、皮肉にも203系より後まで残存しそうな感じです)

ちなみに写真は昨年奈良駅で桜井線~和歌山線に乗車する際に撮影したものです。

この編成は前後の車両で前面形状や冷房装置の形状が異なるのが特徴的で、見た目はなかなか面白いですが、これで奈良~和歌山を乗り通すとなると少々ハードなものです。