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松浦鉄道 MR-100形気動車~MRの主力車両は、何処かで見た様な…

2008-01-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

長崎県と佐賀県に跨って走る第3セクター鉄道・松浦鉄道(MR)に関しては、既に「MAKIKYUのページ」でも何度かに渡って取り上げていますが、今日は現在主力の座を占めているMR-100形に関して取り上げたいと思います。

この車両はJR→松浦鉄道転換時に導入されたほか、その後も数両の増備が行われており、MRでは現在に至るまで最多勢力を占めている軽快気動車で、性能面ではMR転換時に導入された他形式と同等ですが、前面に貫通扉が設けられているのがこの形式の特徴となっています。

このスタイルの車両は新潟鉄工(現新潟トランシス)が、NDCと呼ばれる地方私鉄標準仕様として製造した車両という事もあって、MRに限らず同じ九州内を走る熊本県のくま川鉄道でも、塗装以外はほぼ同等の車両が使われており、災害で路線が莫大な被害を受け、残念ながらそのまま廃線となってしまった宮崎県の高千穂鉄道(残念ながらMAKIKYUは乗車する機会がありませんでしたが…)でもほぼ同等の車両が使われていました。

またJR西日本の閑散線区で活躍するキハ120形と呼ばれる軽快気動車も、木次(きすき)線や越美北線で使用されている鋼製車体の車両は、この車両とほぼ同等の車両ですので、MRに乗車した事がない方でも、何処かで見たことがある様な車両と感じる方は多いかと思います。

車内設備もロングシート主体ながら、ボックスシートも配置されている点は以前取り上げたMR-200形と同様で、ワンマン運転にも対応した典型的な地方ローカル線用車両と言えますが、左右でボックス席の配置位置を変えている点は特徴的で、この点はほぼ同等車両といえるJR西日本の軽快気動車などとは異なっています。

MRでは今のところ、特に狙わなくても新型車両MR-600形の限定ダイヤ(HPでも公開されています)以外では、大抵この車両がやって来る状況ですので、むしろウンザリという感がありますが、これから続々とMR-600形が導入されると運用離脱する車両が次々と発生し、あっという間に今の隆盛振りは見られなくなりますので、興味のある方は今の内に乗車・記録しておいた方が良さそうで、この車両も早くも代替になるとは、先日取り上げたMR-200形などと同様に軽快気動車の寿命が短い事を痛感させられます。

車両を長持ちさせる事で定評のあるJR西日本に所属している同形車に関しては、現時点では特に代替の話などは聞かず、むしろ最近になってトイレ取付改造などを行っている程で、MRと同じ長崎県内を走る島原鉄道の旧型車両(キハ2000形・旧国鉄キハ20形)と大差ない古参車両(エンジン数や車体の長さに違いがありますが…)を今でも使っている有様ですので、こちらはまだ暫く使いそうな気配を感じますが、今後国鉄から継承した他形式で行われた様な凄まじい更新工事を施工して使い続けるのか、それとも新形式導入でMR-100形と同じ様に淘汰の方向に進むのか気になるところで、やはり同形の車両を使用しているくま川鉄道辺りも今後代替の動きが生じるのか気になるものです。


京王電鉄バス・多摩市ミニバス~サンリオピューロランドを抱える街を走るバスだけあって…

2008-01-26 | バス[首都圏]

先日MAKIKYUが小田急の新型ロマンスカー・60000形MSEの試運転を視察した際は、新百合ヶ丘から多摩線に乗車し、終点の唐木田駅でMSEの写真を何枚も撮影(先日のMSE記事も唐木田駅で撮影したものです)したのですが、唐木田は小田急多摩線のみの駅ですので、ここから電車で何処かへ…となれば、少なくとも隣の小田急多摩センター駅(京王線とモノレールに乗り換えられます)までは、必然的に来た道を戻る事になります。

小田急線をごひいきとしているMAKIKYUとしてはこれでも悪くはないのですが、小田急沿線の中では日頃MAKIKYUが訪れる機会が少ない唐木田駅周辺では、聖蹟桜ヶ丘・多摩センター駅から町田市方面(多摩丘陵病院・日大三高方面:途中で神奈中に乗り継いで町田へ抜ける事も可能です)へ向かう一般路線と、多摩市ミニバスが走っており、後者は運行本数もさほど多くはないのですが、丁度良い時間に走っていましたので、せっかく唐木田を訪問した機会という事で乗車してみました。

ちなみに多摩市内では神奈中(小田急系)と京王電鉄バスの2社共管路線も多数存在しますが、唐木田駅は小田急線のみの駅であるにも関わらず、駅周辺を走る路線バスは京王電鉄バスのみとなっているのが特徴で、多摩市が運行補助を行って運行されているコミュニティバス的存在の多摩市ミニバスでは、京王グループで一時期大量に導入された日産ディーゼル製・車長約7mの小型車両が用いられています。

運行経路は南北ルート・東西ルートの共に永山駅(小田急・京王)を基点とした2ルートが設定されており、後者が唐木田駅や多摩センター駅を経由しますが、このルートは循環路線となっており、左循環・右循環の両廻りが運行されています。

運賃はコミュニティバスで一般的な100円均一などではなく、一般路線との整合性も考慮してか初乗り170円の区間制(この路線は整理券方式)となっており、この事もあって一般路線バスと同様にバス共通カードが通用しますし、現在ではICカード乗車券(PASMOなど)にも対応しているのは有難いものですが、ミニバスの2ルートを乗り継ぐ場合は乗継割引制度が設定されている点は特徴的です。

また使用車両の中には、写真の様にキャラクターのラッピングがされた車両も走っており(普通の京王塗装が多数派の様ですが…)、この車両は如何にもサンリオピューロランドを抱える街を走るバスという感がありますが、MAKIKYUがミニバスに乗車した際にやって来たのもこの車両で、車内にもKittyのぬいぐるみが吊るされていたのは印象的でした。
(まあ親会社の電車内ドアステッカーでもHello Kittyが使われていますし、京王電鉄バスでもHello Kittyデザインのバス共通カード発売実績(MAKIKYUの手元に旧京王帝都電鉄の社名が印刷されたこのデザインのバス共通カードがあり、これは惜しくて使う気になれず死蔵しています)がある事を考えると、これ位の事は当り前なのかもしれませんが…)

多摩市からもさほど遠くなく、多摩センターからモノレール一本で行ける立川周辺を走る、立川バスの「リラックマ」ラッピングバス(昨年秋に海老名で開催された小田急ファミリー鉄道展で展示された際は、かなりの人気を博しており、座席モケットまで特別仕様となっています)などに比べると地味な感があるこのミニバスですが、上手くいけば一日で両者に巡り合う事も不可能ではないと思いますし、興味のある方は是非乗車されてみては如何でしょうか?


松浦鉄道 MR-500形気動車~1両だけのレトロ調気動車

2008-01-25 | 鉄道[九州・私鉄等]
先日「MAKIKYUのページ」ではJR→松浦鉄道(MR)転換時にイベント用に登場した、松浦鉄道のMR-300形に関して取り上げましたが、MRではその後MR-500形と呼ばれるレトロ調気動車が1999年に一両だけ導入されています。

この車両はトイレなし車両が殆どのMRにおいて、唯一のトイレ装備車両となっている事が特徴で、「レトロン」と呼ばれるこの車両は、イベント用などにも大活躍している様ですが、車歴も浅い事からMR-600形導入による代替対象とはならず、やはり1両だけの虎の子的存在となっている一般型気動車・MR-400形と共に今後も活躍する様です。

第3セクター鉄道の中では車両数・列車運行本数共にそこそこの規模を誇るMRにあって1両だけの希少な存在で、現状では新型のMR-600形(この車両はブレーキ方式が他車両と異なり、他形式と併結出来ない事から運用が限定されており、運用情報はMRのHPにも掲載されています)で運行される列車を除くと、基本的にダイヤも固定されない事から、なかなか捕まえ難い存在です。
(あと何年かして車両代替が一段落すれば、限定運用で捕まえ易くなるかもしれませんが…)

そのためMAKIKYUが先月MRに乗車した際には、せめて姿を見れれば…と思っていましたが、車庫の屋内で留置されていたMR-400形(当然撮影できる状況ではありませんでした)と異なり、佐々駅で列車待ちの間に車庫内を動きはじめ、写真は幸いにもその姿を捉えたもので、車内設備も他の車両に比べて豪華な転換式クロスシート(MR-600形にも僅かながらありますが…)を装備している様ですので、MAKIKYUがまたMRに乗車する機会があれば、是非乗車してみたいものです。

松浦鉄道 MR-300形気動車~イベント対応の軽快気動車も最後は…

2008-01-23 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

先日「MAKIKYUのページ」では西九州を走る松浦鉄道(MR)のMR-200形に関して取り上げましたが、MRではこのMR-200形とほぼ同形態でありながらも、イベント対応車として昭和末期のJR松浦線→松浦鉄道転換時に2両だけ導入された、MR-300形に関して取り上げたいと思います。

この車両は車体形状こそMR-200形と同様ですが、他のMR車両(その後導入されたレトロ調車両と、最新型のMR-600形を除く)とは異なり、白に青の濃淡、そしてオレンジ色のストライプが入った塗装となっており、外観も他の車両とは容易に識別できます。

客室内は大都市圏の通勤車両の如く、オールロングシートとなっているのが特徴
(これは製造当初からではなく、後に改造された様ですが…)で、その上MRの車両は他形式も含め殆どがトイレなしですので、利用客の過半数を占める佐世保近郊の区間(佐世保~佐々間)程度であれば、この車両でもさほど問題はなさそうですし、ラッシュ時間帯に佐世保近郊で重点的に運用すれば良さそうな車両ですが、運用は特に限定されず全線に渡って運行される事から、この車両で佐世保~伊万里間を乗り通すともなれば少々大変そうです。

先月MAKIKYUがMRに乗車した際には、この車両に乗車する機会はなかったものの、有田~伊万里間の折り返し列車で走っている姿を目撃し、写真は伊万里駅で撮影した同車の外観と車内の様子です。

伊万里駅でMR-300形を目撃した際は、車両の状態などを見る限り、素人目にはまだ暫くは活躍が…という印象も受けたのですが、イベント対応車として華々しく登場したものの、MRでは1999年にレトロ調気動車のMR-500形が登場した事もあってか、近年は地味な存在となっていたこの車両は、特に大々的なさよならイベントや装飾などが行われる事もなかった様で、この直後に新型車両MR-600形の追加導入による淘汰で、今年春に約半分の区間が廃線となる島原鉄道とは対照的に、あまり注目を浴びる事もなくひっそりと運用から外れてしまった様ですが、この様な車両が走っていた事を記憶の片隅に留めておきたいものです。

ちなみにこの時MAKIKYUはMRフリーきっぷを持っていましたので、今思えば予定を変更してこの車両に乗車していれば…と思う次第ですが、それでも遠く首都圏から足を伸ばし、希少な車両が現役で活躍する最後の姿を見られただけでも、充分幸運だったのかもしれません。
(余談ながらMAKIKYUはこの時佐世保→伊万里間でMRに乗車してようやく九州の鉄道完乗(ケーブルなどを除く現行営業路線)となり、その後JR筑肥線に乗り換えて唐津~福岡市内へと移動していました)


JR東日本 E233系1000番台電車~京浜東北線に登場した新型車両

2008-01-22 | 鉄道[首都圏・JR]

  

先日MAKIKYUが小田急の地下鉄千代田線直通特急に用いられる最新型ロマンスカー・60000形MSEの試運転を見に行った日には、昨年末から走り始めたJR京浜東北線(京浜東北線とは旅客案内上の通称で、正式には根岸線・東海道本線・東北本線の3路線に跨って運行されています)の新型車両・E233系1000番台にもようやく乗車する事(姿は何度も見ていたのですが…)ができ、今日はこの車両に関して取り上げたいと思います。

E233系はJR東日本の最新型一般車両で、通勤型と近郊型双方の用途に対応可能な4扉ステンレス車体の一般車両となっており、この点はこの車両が登場する以前にJR東日本が製造した首都圏一般型車両の仕様を踏襲しています。

E233系の導入は中央線快速(青梅・五日市線なども含む)に次いで2例目(この他にまだ営業運行には使われていませんが、今後東海道線でも運用開始予定です)となり、京浜東北線の車両は1000番台が付与されていますが、この車両が中央線に導入された同形式とはラインカラーの帯色や保安装置が異なる他、中央線と異なり分割併合を行う事がない事もあって、全ての編成が10両固定の貫通編成で製造されている事(中央線では一部編成が6+4両編成となっています)が挙げられます。

車内は優先席付近などが色分けされたE233系の特徴的な仕様は、中央線で活躍している同系の仕様を踏襲していますが、座席モケットはラインカラーに合わせたのか(?)、中央線のE233系で用いられたオレンジ系とは異なり、同系導入以前のJR東日本一般型車両を思わせるブルー系に改められていますので、一般客が見てもこの違いは一目瞭然で、また各ドア上に設置されたLCD(液晶)モニターによる車内案内表示装置も、中央線に導入されたE233系や、山手線を走るE231系500番台車をはじめ、最近首都圏の幾つかの大手私鉄などでも用いられているモノより横幅がやや大きくなっているのが特徴です。

中央線に導入されているE233系にも言える事ですが、座席の座り心地等もかなり改善されており、適度な硬さとも言える座席は京浜間で京浜東北線と競合し、最近は「ブカブカ」した好みが大きく分かれる異様な感触の座席が増殖している某大手私鉄との競合という観点でも、JR側に優位な材料となりそうです。

またガラスの四隅が角張っているのが特徴的な客ドアは客室側に化粧板が貼られるなど、線路が繋がっている同じ東海道本線でも西方を走る最新型通勤車両(E233系登場以前に製造されていた車両形式の百の桁と十の桁を入れ替え、頭のEを外した車両です)に比べると、外観・内装共に見劣りする感(好みもあると思いますが…)があるものの、それでもこの形式の内装は「某社レンズ付きフィルム」によく似たあだ名で呼ばれる事が多いJR東日本の首都圏一般型電車の今までの傾向に比べると、シンプルながらも全般的に高級化傾向がある様に感じられる点(今までが簡素過ぎただけかもしれませんが…)は、乗客の立場から見ても歓迎できるものです。

ただ敢えて難点を挙げるとすれば、真っ黒で特徴的な形状のつり革は好みが分かれるかと思いますが、MAKIKYUは従来のモノに比べて持ち難い感(つり輪の上にある押えパーツが丸みを帯びており、この部分を掴もうとすると手が滑ります)があり、これは見た目も含めてあまり好きになれませんし、JR東日本首都圏各線区での車両仕様標準化も影響しているのか、先頭車両は京浜東北線ではさほど必要ないとも思われる衝撃吸収構造を採用しており、この影響で乗務員室部分がやたらと大きく、先頭車両の客席が大幅に減少している点も、現在京浜東北線で活躍している大多数の車両(E233系1000番台導入によって順次淘汰)と異なり、座席数の少ない6ドア車組み込みを止めて補っているとはいえ、あまり歓迎できない点です。

それに省エネルギーの最新型車両でありながらも、今までの車両が運行コスト削減だけに力点を置いていた反省からか、E233系では電動車(モーター付き車両)の比率を上げており、これによって車両性能向上をはじめ、異常発生時の対応を考慮した事も起因しているのか、京浜東北線の従来車両で車内の形式標記ステッカー下部に誇らしげに貼られた「この電車は、従来の半分以下の電力で走っています。」(これは国鉄が製造した旧式の103系と比較しての話ですが…)という緑色のステッカーが見当たらない点も気になります。

とはいえ外観はフルカラーLEDとなった行先表示と客ドアガラス、それに前面形状を除くと、一般客には従来から京浜東北線を走っているワイドボディ車両(209系500番台)と大差ないにも関わらず、MAKIKYUが乗車した際には、途中から乗車してきた小学生が車内に入り込んだ途端、新車である事を実感して歓声を上げており、この事は一般客にも薄暗く質素な感が否めない従来車両と比べ、明らかに改善された車両という印象を与えているとも言えます。

MAKIKYUが記した様な多少の難点もありますが、全体的には従来車に比べて格段に改善された感がありますので、新車として導入された今だけでなく、導入から十数年にも関わらず外板が波打って見るに堪えない状況となり、故障なども多発して早くも廃車に追い込まれる従来車両の2の舞にならず、末永く沿線から愛されて活躍する車両になる事を願いたいものです。

写真はE233系1000番台車の外観と車内の様子です。


MSE運行告知の車内広告

2008-01-19 | 小田急グループ

今日は昨日MAKIKYUが遭遇した小田急の最新型特急ロマンスカーで、来る3月15日から地下鉄千代田線直通に用いられる60000形・MSEの試運転遭遇に関する記事を取り上げていますが、昨日小田急線に乗車した際(特急ロマンスカーではなく、一般の通勤車両です)には、車内中吊り広告でも、小田急・東京メトロ両社名入りの運行開始告知広告が掲載されているのを目撃しています。

広告は「青い、ロマンスカー」と銘打って東京と箱根、平日の通勤と休日の行楽をイメージさせる2枚が隣同士で並べられており、平日と土休日で運行形態が大きく変わる同列車を強くPRしており、連日行われている模様の試運転と合わせ、いよいよ他社を含めても前例のない、地下鉄乗り入れとなる座席指定制有料特急の運行開始が近づいてきた事を実感させられます。

3月15日から運行開始の地下鉄直通ロマンスカー、2ヶ月前にはじまる予約も運行初日はあっという間に…という程大盛況な様ですが、MAKIKYUも運行が開始された暁には是非一度…と思っており、運行開始が待ち遠しいものです。


多摩線で「青いロマンスカー」60000形・MSEの試運転に遭遇

2008-01-19 | 小田急グループ

   

「MAKIKYUのページ」でも以前、小田急電鉄80周年記念のスペシャルイベントとなった昨年秋の「ファミリー鉄道展」に関して触れていますが、その会場における目玉の一つが、来る3月15日から地下鉄千代田線直通の特急ロマンスカーで使用される新型車両60000形・MSEの展示で、この車両自体も強烈なブルーの塗装が屋根まで施され、かなり個性的で印象の強い車両ですが、このイベントの際は現役を引退し、日頃は専用の格納庫で大事に保存されている(旧)3000形・SSEが野外公開され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、この車両をはじめとする歴代ロマンスカーとの並びという、今後まず実現しないと思われる貴重な並びをご覧になられた方も多いかと思います。

ただその一方で最新型の60000形・MSEは編成を撮影するには少々…という位置に停車しており、また展示された6両編成(実車は他に4両編成もあり、主に両者を連結した10両編成で運行予定です)は小田原・箱根湯本方の非常用貫通路付き流線型先頭車の姿は見られても、新宿・北千住方の貫通幌内蔵となっている先頭車(以下貫通型と呼称)に関しては、会場内で展示されて車内見学に供されていた7000形・LSE(復活旧塗装)の車内から、ガラス越しに辛うじてその姿を拝めるという状況でした。

最近はMSEもファミリー鉄道展で公開された編成以外に6両・4両各1編成が入線し、営業に必要な編成数が揃った状況になっており、また最近は小田急線内の各所で試運転を行っている姿が多数目撃されている情報も流れていましたので、MAKIKYUも昨日少々時間が空いて小田急線に乗車した際には、是非MSEの試運転列車に遭遇できれば…と思っていました。

ただ昨日は江ノ島線快速急行に乗車して相模大野に着く手前で、車庫内で留置されているMSEの姿(新宿方に貫通型先頭車の姿が見えましたので、6両編成2本中の1本です)が見えましたので、もしかしたら…とも思いましたが、以前地下鉄千代田線直通用の最新型通勤車両・4000形も試運転を行っていた多摩線の様子を見に新百合ヶ丘駅へ出向いてホームで少々待っていた所、見事にもう一編成のMSE6両編成が試運転を行っている姿に遭遇する事が出来ました。

昨日MAKIKYUが遭遇した試運転列車は、多摩線内を何往復もしている様な感じでしたので、新百合ヶ丘駅で少々その姿を拝んで撮影した後、各駅停車で多摩線の終着駅・唐木田へ先回りして、ここでも試運転列車の姿を捕獲できましたが、MSEが営業運転に入った後は多摩線内を昼間に走る機会はあまりないと思いますので、営業運転前の今だからこそという貴重なシーンになりそうです。

また実際に3月からMSEが営業運転に入っても、貫通型先頭車は編成の中間に組み込まれる事が多く、編成の先頭に立つ姿を拝む機会も流線型先頭車に比べてずっと少ないですし、まして現在公開されているMSEの運行時刻は、写真撮影に不適な時間帯が多いという事もありますので、撮影には絶好の機会でしたが、昨日の試運転でも客室はブラインドが閉められ、ファミリー鉄道展で公開された時と同様に様子があまり伺えなかったのは惜しい限り(それでも少しは様子が伺え、温かみを感じるデッキや車内はなかなか良さそうな雰囲気でした)で、これは営業運転開始後に乗車してからのお楽しみになりそうです。

写真は60000形MSE流線型・貫通型それぞれの先頭車と中間車両、それとホーム停車中にガラス越しに撮影した車内の様子です。


群山~長項間を結ぶ市外バス~全北の市外バスでは路線タイプの車両も多数が…

2008-01-16 | バス[大韓民国]

先日韓国鉄道(KORAIL)の長項線~群山線接続新線開通に関する記事を公開しましたが、その際に群山Gunsan~長項Changhang間には市外バス(都市間バス)が走っている事に関しても触れましたので、今日はこの市外バスに関して取り上げたいと思います。

群山・長項の両駅が鉄路で結ばれ、益山Iksan~長項線方面が乗り換えなしで移動できる様になった今日では、敢えて群山~長項間で市外バスを使う必要はなく、また群山・長項双方の鉄道駅も新線開通に伴って路線が切り替えられ、駅の場所も変わっている様ですので、現在の使い勝手もどの程度あるのか…といった所ですが、群山・長項の両駅(旧駅)からバスターミナルまでは徒歩圏(どちらも駅から10分は要さず)だった事もあり、つい最近までは群山線と長項線を乗車する際、両線を連絡する手段として非常に有用なモノでした。
(余りいないかと思いますが、現在でも両都市間のみを移動する際には、それなりに活用できるかと思います)

この路線はMAKIKYUも2回程乗車した事があり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で韓国を訪問し、群山線や長項線に乗車された方の中には、実際に乗車した事があるという方も居られるかと思いますが、群山・長項の両都市間は川を隔てて隣同士という事もあって、所要時間は30分程度で運賃W1400、便数も昼間で毎時2~3本程度は運行されていますので、韓国個人旅行は初めてという方でも、比較的手頃にバスの旅が楽しめますし、鉄道旅行のアクセントにも絶好の路線といった感があります。

また韓国の市外バスでは、観光バスタイプの車両が使われるのが圧倒的多数なのですが、この路線をはじめ、群山や全州といった全羅北道を走る市外バスでは、写真の全州高速をはじめ、全北高速や湖南高速といった事業者で、比較的運行距離の短い路線を中心に、写真の現代AEROCITYや大宇ROYAL CITYと言った、市内路線用で使用される様な車両が運行されている姿を目にする事も頻繁に見られます。

写真のAEROCITYも、MAKIKYUが群山→長項(→舒川)間を走る全羅北道~忠清南道跨ぎの市外バスに乗車した後、長項のバスターミナルでバスを降りた際に撮影したもので、観光バスタイプの車両も運用されていますので、目当ての便でやって来るか否かは運次第です。
(韓国他地域でもエリアによっては、この様な車両が使われている市外バス路線も存在しています)

ちなみにこの車両は路線タイプとはいえ、ドアは前1箇所、座席はきちんとリクライニングシート(ただ座席は韓国のバスで恒例のビニール張りです)になっており、床も座席部分が段上げされているなど、日本の西鉄が福岡~北九州(小倉)間などで運行している1000円高速バスをはじめとした比較的短距離の高速バスで使用される廉価版高速車両の韓国版とも言っても良い感があり、路線バスタイプの車両が好きな人間には嬉しい車両ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も全北方面へ足を運ばれる機会がありましたら、是非このタイプの市外バスに乗車されてみては如何でしょうか?


松浦鉄道 MR-200形気動車~廃車が進む非貫通形の軽快気動車

2008-01-15 | 鉄道[九州・私鉄等]

 

先月MAKIKYUが九州を訪問した際には、路線の約半分が3月限りで廃止となる事が確定している島原鉄道と共に、同じ長崎県内を走る長大ローカル私鉄の部類に入る松浦鉄道にも乗車しており、先月「MAKIKYUのページ」でも同社の新型車両(MR-600形)に関して取り上げていますが、この車両の導入と引き換えに在来車両は一部を除き、老朽化もあって代替される事になっており、その一つが今日取り上げるMR-200形です。

この車両は国鉄→JR松浦線が松浦鉄道に転換された昭和末期、松浦鉄道発足と共に導入されており、この時には他にほぼ同仕様ながらも、前面貫通路付きのMR-100形と呼ばれる車両も同時に導入されています。

松浦鉄道発足時でもMR-100形の方が導入数は多く、その後の増備でも前面非貫通の車両は使い勝手が悪いのか、MR-100形は増備が行われているものの、この形式は以後増備される事もなく、また最近導入された新型車両(MR-600形)導入による車両淘汰でも今の所はMR-100形は残存し、この形式ばかりが代替廃車となっている状況です。

MAKIKYUが松浦鉄道に佐世保→伊万里まで乗車した際も、この形式には乗車する機会がなかったどころか、稼動している姿には一度もすれ違う事がなく、佐々(Saza)にある車庫に停車している姿を辛うじて見る事が出来た程度でした。
(現在この形式は新型車MR-600形の追加導入によって、全車両が運用から離脱している様で、MAKIKYUが見た車両も既に運用離脱していた車両かもしれませんが…)

この状況を見ると最近首都圏で廃車が相次ぐ「某社レンズ付きフィルムによく似たあだ名で呼ばれる事が多い車両」だけでなく、昭和末期~平成初頭にかけて第3セクター鉄道を中心に導入された軽快気動車も、やはり車両寿命が短いという事を改めて感じさせられるものです。

また佐々の車庫では、早くも廃車となったこの車両と同形の車体(以前事故廃車になった車体を活用した様です)が半分に切断されて何故か水色に塗装され、その上MRとは関係ない行先まで掲げた奇妙な姿で物置(?)になっている車両もあり、この姿は佐々の駅舎を出てすぐの場所から見る事が出来ます。
(物置の設置場所は松浦鉄道の車庫敷地内で立入不可ですので、写真はズームを使用して撮影しており、東京の渋谷にある某大手私鉄車両の切断車体の様に自由に見学する事は叶いませんが…)

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も廃線が迫る島原鉄道への乗車をはじめ、長崎県方面へ足を伸ばされる機会がありましたら、車両の入れ替えが進む松浦鉄道にも是非乗車され、新型車両と共に、置き換えとなる軽快気動車にも乗車されてみては如何でしょうか?

写真は佐々駅に停車中のMR-200形と、佐々の車庫内で物置となった同形車体です。

なおこの記事は一部修正させて頂きました(080116)


久々にKORAILのHPを見ていると~長項線~群山線接続の影で、群山線通勤列車は…

2008-01-14 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

   

最近は九州への強行軍旅行(車中1泊を含めて2泊)の日程を確保する事すら…という状況のMAKIKYUですが、年末~年始にかけては「MAKIKYUのページ」でも日本国内と共に幾つもの話題を取り扱っている韓国や中国で、鉄道の新路線開通が幾つかあり、その一つが今月1日の韓国忠清南道・長項Changhang(天安Cheonan~長項を結ぶ長項線の終点)~全羅北道・群山Gunsan(益山Iksan~群山間を結ぶ群山線の終点)間の韓国鉄道(KORAIL)接続新線開通で、これに伴って長項・群山両駅の移設も行われています。

この区間は直線距離で数十キロ程度、二つの町は川を隔てているものの隣り合っており、長距離バスの発達した韓国という土地柄、市外バスが頻発していて、MAKIKYUも市外バスで両都市間を移動して、2つの鉄道路線を乗り継いだ事(少々大回りになりますが、全州Jeonju(全羅北道の道庁所在都市です)~Seoul間を移動する際にもおススメのルートです)もありますし、バスの他に渡船も運行されている様です。

とはいえKORAILの接続路線開通はつい最近の事ですので、当然ながらMAKIKYUはまだこの接続新線には乗車した事がなく、乗車は残念ながら暫く先の話になりそうで、ネット上で時刻を調べた程度ですが、列車の時刻を見た限りでは、概ね従前の長項線列車(Seoul市内の龍山Yongsan~長項間を、セマウル号かムグンファ号が概ね1時間毎程度の間隔で運行)が、そのまま接続路線を介して群山線に入って益山まで乗り入れる格好(これに伴って、従前の群山線区間も長項線に改称して1本化)となっており、この他朝に1往復だけ益山~舒川Seocheon(長項から10km程北に向かった長項線の駅です)間にセマウル号(ディーゼル動車)が設定されています。

長項線の列車が益山まで延伸されても、その途中の群山からSeoul方面への需要が多少は期待できるものの、益山には従来から湖南線が通じており、こちらを使った方がSeoul方面への所要時間や運賃面では遥かに優位、その上運行本数も多い状況ですので、この接続路線開通は、旅客面よりもむしろ貨物列車のダイヤ設定へのメリットの方が大きそうです。

そのため延伸された長項線列車で、益山~Seoul方面を乗り通す乗客は、物好きや湖南線列車の満席時を除いてまず期待できそうにないですし(こんな事を考えるのは、もしかしたら日本人の方が多いかもしれません)、長項線沿線も田舎町ばかりで、益山自体も鉄道駅の規模自体はそれなりとはいえ、街の規模自体はさほど大きくなく、益山~長項線沿線の需要もさほど期待できませんので、ここを発着とするのは運転上の都合が大きそうです。

ただ中には益山から更に湖南線に乗り入れ、西太田Seo-Daejeonを発着する列車(ムグンファ号)も設定されているのですが、この列車は天安~(長項線)~長項~(新線)~群山~(旧群山線)~益山~(湖南線)~西太田を「C」字形に大回りする格好となり、長項線沿線と湖南線沿線の地方都市間も市外バスなどの便がそれなりに運行されている状況ですので、趣味的にはそれなりに面白い列車かもしれませんが、この列車の設定意義に苦しみます。
(日本で言えば、京都~西舞鶴間を福知山・宮津経由で走る列車を設定する様なものです)

こんな列車を設定する位なら、機関車牽引による客車列車では益山での機回しが必要(これを避けるために、敢えてセマウル号ディーゼル動車を使うという手もあります)になるとはいえ、全羅北道の道庁所在都市でありながらも、都市規模の割に列車の利便性は決して良いとは言えず、Seoul方面への始発列車も存在しない全州まで長項線列車を伸ばすか、せめて益山~麗水Yeosu間の全羅線列車の一部を長項線直通に出来なかったものなのかと感じさせられます。
(ちなみに益山~全州の両都市間は単線非電化とはいえ全羅線が通っており、距離もさほど離れておらず、全州は益山に比べるとSeoul方面の列車本数が格段に少ない状況ですので、全州~長項線沿線の需要をはじめ、湖南線経由列車が満席となった際のSeoul方面への補完という観点でも多少は期待できそうです)

また長項線列車が益山発着でも、益山~全州間で通勤列車(日本の普通列車相当)が接続し、これらを乗り継げる様にでもなっているのであれば、まだ納得が行くのですが、近年韓国では長距離列車に重点を置く反面、ローカル列車は削減される傾向があります。

ネット上で調べた限りでも、長項線~群山線接続新線開通の影で、ダイヤを長距離列車や貨物列車に譲る必要が生じてしまったのか、全州~益山~群山間を走っていた、ディーゼル動車による群山線通勤列車まで廃止され、他地域でも通勤列車の廃止が行われている様です。

群山線通勤列車は、手頃に長距離列車とは異なるローカルムード溢れた雰囲気を楽しむ事ができましたし、全州から益山乗換えで湖南線列車へ乗り継ぐにも便利で、本数は頻発する市外バスに比べて大幅に少ないとはいえ、全州~群山間の都市間移動でも最も安く移動できる交通手段でもあっただけに、この列車の廃止は惜しい限りです。

KORAILの長項~群山を結ぶ接続新線、旅客輸送の面では課題も多そうで、今後の改善は不可欠でしょうし、群山線での通勤列車復活にも期待したい所ですが、この新線が今後有効に活用される事を願うものです。

またMAKIKYUも機会があれば是非1度この新線に乗車し、今までとは大きく変貌した長項線の姿も見てみたいものですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何感じられるでしょうか?

写真は群山線で走っていた通勤列車(群山駅にて撮影/全州駅にて撮影・既公開記事で公開)と、在りし日の長項駅・群山駅です。


朝日自動車・本庄駅=児玉折返し場線~土地柄の割に本数も…

2008-01-13 | バス[首都圏]

先日武蔵観光バスが運行する廃止代替バス・寄居=美里=本庄線に関する記事を取り上げましたが、寄居から少々離れた児玉と本庄の間には、かつて東武鉄道が運行しており、現在は系列の朝日自動車が運行する路線バスが、概ね毎時2本程度運行されています。

この路線は現在PASMO・SuicaなどのICカードには対応していないものの、バス共通カードでの乗車も可能で、使用されている車両は、全て写真の日産ディーゼル製中型車で統一されている様です。

現在この路線では低床車両の導入などは行われていない様ですが、この車両は朝日自動車の他営業所で活躍する同形車両や、同社で活躍する他メーカー車両の大半と同じく、AT車となっている事も特徴です。

児玉ではJRの駅に直接乗り入れてはいませんが、この路線の児玉駅入口バス停とJR児玉駅は徒歩5分程度の場所に位置しており、児玉を走るJR八高線は一応SuicaなどのICカードも使えるものの、首都圏のJR線では数少ないディーゼルカーが走る非電化のローカル線で、ワンマン列車も走る同線の列車運転間隔は、時間帯によっては1時間以上開く事もありますので、この路線は土地柄を考えると運行頻度は比較的高いと言え、児玉~さいたま市、或いは東京都心を移動する場合、使い方次第では有用な交通手段とも言えます。

また逆に寄居から本庄へ向かう際にも、先日取り上げた武蔵観光バスに比べれば、運転間隔が開くとはいえ、JR八高線もまだ本数が運行されていると言えますし、ディーゼルカーの小旅行を楽しんだ後に、児玉からバスで本庄へ移動するルートは、鉄道のみで寄居~本庄間を移動するのに比べれば、少なくとも普通運賃の面では優位(ちなみに本庄~児玉間のバス運賃は340円)ですので、公共交通機関を使って東上線方面から本庄周辺へ抜ける際にも、ルートの一つとして検討しても良いかもしれません。


武蔵観光バス・寄居=美里=本庄線~廃止代替バスながらもハイグレードな車両が…

2008-01-12 | バス[首都圏]

 

先日小田急線の80周年記念ラッピングトレイン『ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」』に関する記事を取り上げましたが、このラッピングトレインで都心方面へ出た後、MAKIKYUは更に埼玉方面へ足を伸ばしており、その際に乗車した路線バスの一つが、今日取り上げる武蔵観光バスの寄居=美里(松久)=本庄線です。

このバスはかつて運行されていた東武鉄道(現在バス事業は分社化)の、寄居=本庄間を走る路線バスが廃止となった後の代替手段として運行されているのですが、バスの車体にも代替バスと大きく描かれていますので、廃止代替バスである事は一目瞭然で、武蔵観光バスでは他にも寄居周辺の廃止代替バスを数路線運行しています。
(武蔵観光バスにはこの路線以外に、MAKIKYUは以前小川町=明覚間の路線にも乗車した事があるのですが、この路線は現在他事業者に移管されています)

現在寄居駅を発着する路線も、寄居車庫を基点とする武蔵観光バス(寄居駅には直接入らず、駅から4~5分歩いた通りにある寄居駅入口停留所が寄居駅最寄となります)の本庄行きと深谷行き、それに東秩父村へ向かう村営バス(こちらは駅前を発着し、東秩父村内で東武系の川越観光バスと乗り継ぎ、小川町へ抜ける事も可能です)といった程度、それも運行本数は必要最小限の本数が運行されているだけという感がありますので、事前に時刻を調べておかないと、偶然運行時刻に遭遇しない限りは、少々利用し難い感があります。

ただこの路線は寄居=本庄間を乗り通しても運賃は520円ですので、寄居から高崎線方面へ抜けるには、目的地次第では鉄道利用より運賃面で優位な状況になりますし、使用車両もMAKIKYUが乗車した際は中型車ながら、座席はリクライニングシートを装備した観光タイプの車両が使用(一応運賃箱や整理券発行機といったワンマン設備は取り付けられていますが、運賃表は紙製の三角表を使用しているのが特徴的でした)されていましたので、設備的にも埼玉県内の非冷房車が未だに走る鉄道路線などに比べると、ハイグレードな感があります。
(運行本数や、車体に寄居=美里=本庄 代替バスと記されている事などを考えると、基本的にこの車両が限定使用されているかと思います)

これは観光路線でもない首都圏の路線バス、それも廃止代替路線としては破格のグレードとも言えますので、結構結構乗り得感のあるものですし、本庄からは路線バスを乗り継いで伊勢崎へ抜けるルート(本庄=伊勢崎間の路線バスは、概ね毎時1~2本程度は運行されており、東武線の終端駅同士を路線バス乗り継ぎで移動するのも面白いかと思います)なども可能ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非この廃止代替バスに乗車されてみては如何でしょうか?

写真は寄居=美里=本庄間の代替バス使用車両と、寄居駅入口停留所の発着時刻(MAKIKYUが乗車前に撮影したもので、乗車予定の方は参考までに…)です。


寝台特急・はやぶさ/富士号(開放室B寝台編+α)

2008-01-10 | 鉄道[九州・JR]

    
 
既に何度か取り上げている寝台特急・はやぶさ/富士号に関する記事ですが、今日は両列車における連結車両の過半数を占める開放室B寝台に関して取り上げ、またMAKIKYUの感じている事なども少々言及したいと思います。

両列車の編成はそれぞれ6両(併結時は12両)で、その内A寝台とB寝台の個室車両が1両ずつという事は以前にも記し、これらの車両に関しては既に「MAKIKYUのページ」内でも取り上げていますが、残り4両(併結運転時は8両)とはやぶさ/富士号両列車の過半数を占めている車両が、俗に開放室と呼ばれる一般的なB寝台車で、その内両列車の熊本・大分方1両のみは喫煙車、個室車2両を挟んで東京方に連結されている3両が禁煙車となっています。

このB寝台車は一応座席(ベッド)のモケット交換など、多少のリニューアルは行われており、以前客車外観編で取り上げた車両の外観だけでなく、車内のモケットなどにもバリエーションが存在しています。

寝台は上下2段が枕木方向に並び、2つの寝台が向かい合う構造(ごく一部向かい合わせとならない寝台もありますが…)となっており、昼間は下段を座席としても使用しますが、個室車と異なり片隅に寄せられている通路部分にも折り畳み椅子が設けられており、これは個室車(特に天井空間に制約があるB寝台「ソロ」)にもあったら…と感じます。
(MAKIKYUが寝台車両に乗車した際には、通路に設けられている折り畳み椅子に座りながら、ゆっくりと車窓を眺めるのも好きですので…)

国鉄時代末期に寝台の2段化が進められ、頭上空間が狭い3段式(日本ではごく一部にしか存在しませんが、鉄道博物館の展示車両などでその様子が見学できますし、今でも寝台列車が大活躍している中国などでは多数が活躍しています)に比べると居住性は格段に優れ、座面もそれなりの広さがあり、クッションもそこそこ入っています。

定員も1両当り30名を少々超える程度ですので、設備的には寝台列車大国・中国の軟臥(格付は日本のA寝台相当で、一部列車を除くと編成内に1~2両程度連結という事が多いですが、設備的にはB寝台開放室とほぼ同レベル)とも言え、中国を走る長距離列車の硬臥車(格付は日本のB寝台相当ですが、カーテンもない3段寝台がずらりと並んでおり、1両の定員は60名を超えます)に何度か乗車し、硬臥車に車中2泊・40時間弱に渡って乗車した事もある身(それでももう少し乗っていても…と感じた程です)としては、車中1泊となるはやぶさ/富士号程度であれば、MAKIKYUとしては車両自体はそこそこ快適に過ごせる空間なのでは…と感じます。

ただ国鉄時代末期から時が止まったかの如く、設備的には大差ないまま現在まで運用されており、車内には最近姿を見る事が少なくなった冷水機まで設置されている程(ただ車両によっては故障中となっているものが幾つかあり、他車両をご利用くださいという張り紙が出ていましたが…)ですので、昔ながらの汽車旅を雰囲気を楽しむには絶好ですが、就寝時にカーテンで自身の寝台を通路などと仕切れるとはいえ、個室ではなく車中で1泊を過ごす間をずっと見知らぬ乗客と相席になる事自体、現代の日本においては少々厳しいものがあります。

料金的にもB寝台料金(2段式)だけで6300円とビジネスホテル1泊の宿泊料並み(或いはそれ以上)ですので、昔から寝台列車に乗り慣れている年配者や、列車旅が好きな人間を除いて、広く一般客に歓迎される設備とは言えないのが現状で、はやぶさ/富士号の運転区間であれば、新幹線の高速化が進んだ事などもあって、両列車の出発時刻頃に出発する昼行列車(新幹線や在来線特急:乗り継ぎも含む)を利用しても、車中で夜を明かさずに目的地へ到着できて所要時間の面では圧倒的に優位ですし、これらの列車や、鉄道以外の競合交通機関を利用しても運賃面で大差ないか、或いはむしろ優位になっています。

そのためMAKIKYUがはやぶさ/富士号に乗車した際も、開放室B寝台車は空席が目立っており、その上に使用車両も塗装が剥がれている箇所などが見受けられ、見るからに草臥れた感のある有様では、とても多くの人々に「いつかは乗りたい」と思わせる列車とは言えませんし、B寝台開放室の一部車両は、多少の防音・振動対策は施してあるとはいえ、ディーゼル発電機を搭載した車両になっており、この車両(スハネフ14形:喫煙車を利用する場合、通常の編成では必然的に当ります)は一部の酔狂な方は別として、一般的に考えて車中で夜を過ごすには相応しくない環境となっていると言わざるを得ません。

まして近年は利用不振などもあって、列車内の併食空間(食堂車)が廃止され、車内販売も朝のみの乗務という状況ですし、車内には長距離フェリーの様なインスタント・レトルト食品の自動販売機すら設置されていません(ジュース程度ならありますが…)し、列車の性質上急ぎの乗客は余りいないであろうにも関わらず、東京発の列車では夕方~夜にかけての各駅での停車時間などは切り詰められていますので、列車の乗車前に食料を買い忘れると大変な事になってしまうといった、列車設定を一工夫(静岡県内の何処かの駅辺りで5~10分程度の停車時間を設け、ホーム上で駅弁等を販売するなど)すれば何とでもなりそうなソフト面での問題もあり、この観点でも何も知らずにふらりと一般客が乗り込んだ場合、一度の乗車で懲りてしまいそうな点も問題です。

この様にはやぶさ/富士号、特に開放室B寝台に関しては問題点が山積していますので、来年での列車設定廃止も、車両の老朽取替・或いは更新が必要な状況ともなれば、遂に来るときが…という感がありますが、車内でゆっくりと時を過ごせ、目が覚めたら遠方の景色が車窓に広がる寝台列車での旅は、他の列車では味わえない味わいがあります。

現に北海道方面の寝台列車などは、所要時間がかかる事からビジネス利用は限られるとはいえ、観光客に使いやすい様な運行形態や設備を供する事でそれなりに繁盛していますし、寝台列車大国・中国で今でも多数の列車が多くの乗客を乗せて大繁盛している状況なども見ている身としては、このまま朽ち果てる様にはやぶさ/富士号が列車消滅となるのは惜しい限りで、何とかして時代のニーズに合わせた寝台列車を、せめて週末運行などの臨時列車でも良いので、首都圏~九州方面に1本程度は走らせて欲しいと感じますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何感じられるでしょうか?

 

画像ははやぶさ/富士号開放室B寝台の様子(寝台モケットに注目)と車内に設置された冷水機(以上記事最上部掲載)と、瀬戸内海を見ながら迎える朝の景色(東京発のはやぶさ/富士号に乗車した場合、目が覚めたらこの様な景色が待っています)、記事中で若干触れた中国を走る硬臥車の様子(参考:既公開記事での使用画像)です。


小田急3000形・3661編成~ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」

2008-01-07 | 小田急グループ

   
  

小田急電鉄は開業80周年(更にロマンスカー運行開始50周年)を迎え、これを記念して現在、通勤型車両各形式では80周年記念ステッカーが貼られており、昨年は7000形LSEの旧塗装リバイバルやファミリー鉄道展での名車・3000形SE車の野外公開、小田急バーチャル鉄道博物館のOPENなど、この節目の年を記念した出来事も盛り沢山といった状況でした。

これらは「MAKIKYUのページ」でも既に記事として取り上げていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、この他にも幾つもの出来事があり、その一つが「小田急線開業80周年記念でんしゃデザインコンテスト」の開催(コンテストの参加対象は小学生など)と、コンテストでの最優秀作品(小田急電鉄賞)を具現化したラッピングトレイン・『ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」』の運行です。

この列車は既に昨年末には走り始めており、沿線外の人間で小田急線を利用するのは月に数回程度というMAKIKYUでも、何度かすれ違うなどして一応姿を目撃していたのですが、いざその姿を狙おうとするとなかなか…という状況で、ようやく昨日その姿を本格的に捉える事が出来ました。

この列車のラッピングは最優秀作品2点を、左右それぞれに掲載しており、他方を見ると全く異なるラッピングが施されているのが特徴で、新宿へ向かう列車(上り)で進行方向左側は「小田急のしゃことえびなえきのまわり」、進行方向右側は「みんなでのっちゃおう」というタイトルの作品となっています。

編成の一方だけを見れば同じラッピングの車両が8両連なっており、これは編成美という観点では評価できますが、その一方で掲載可能作品数が少なくなります(1両ずつ別のラッピングを施し、両側面でラッピングを変えた場合、8両編成では16作品を掲載できます)ので、この手法の善し悪しは評価が分かれる所です。

ただこのラッピングトレインは車内も中吊りなどの広告スペースも、コンテスト応募作品で埋め尽くされており、こちらにはラッピングとして実現した2作品以外にも、入選作品などが多数掲示されていますので、こちらは乗車してみてのお楽しみといった所です。

ちなみにラッピングが施されているのは3000形8両固定編成の3661編成ですが、この形式はステンレス車体とはいえブロック工法風のビードなし車体を採用しており、戸袋窓も廃止されていますので、小田急各車両の中ではこの様なラッピングには最も適任といった感があります。

8両編成ですので運行範囲は新宿~唐木田・新松田間に限られ、小田急全線でコンテスト作品を沿線にPRする事は叶いませんが、その分全線で運用され、在籍本数や運用数が非常に多い6両編成などに比べると、稼動していれば姿を捉える事はまだ容易で、運用も基本的に各駅停車と区間準急に限定されますので、急行系列車に乗車している際にこのラッピングトレインを見かけたら、先回りして待ち伏せたり、後から追いかけたりして撮影する事も出来るのは有難い限りです。

ラッピングトレインに関しては評価も大きく分かれる所で、路線によってはかなり多く見られる無造作に広告を貼り付けただけの車両(特にステンレス車体のビードを無視してまで貼り付けられている広告などは醜い限りです)などは頂けない感がありますが、この車両のラッピングは見栄えも悪くないと感じます。

またコンテストの優秀作品を具現化するという企画はなかなか粋なものかと思いますし、この様な編成が一編成だけ走るのも面白いとMAKIKYUは感じますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も小田急線を利用される際にラッピングトレイン・『ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」』に遭遇する機会がありましたら、是非乗車されてみては如何でしょうか?

画像は『ぼくたち・わたしたちの「ゆめの列車」』の両側面とそのイラスト(車内掲示の広告)、そしてこのラッピングトレイン内の広告スペースに掲載されている入線作品の一例です。


寝台特急・はやぶさ/富士号(A寝台車「シングルデラックス」編)

2008-01-05 | 鉄道[九州・JR]

 

先月から何度かに渡って取り上げている、寝台特急・はやぶさ/富士号に関する記事ですが、今日はA寝台車「シングルデラックス」に関して取り上げたいと思います。

この車両は、6両編成のはやぶさ/富士号それぞれの編成(両者を併結した編成は12両)に1両ずつ連結されているA寝台車で、両列車の残り5両はB寝台ですので、一応両列車の中では最高級に属する看板的存在の車両と言えます。

この車両は「シングルデラックス」という名の通り1人用個室で構成され、1両の定員は僅か14名とB寝台開放室の半分以下となっていますので、占有空間はかなり広いとも言えますが、B寝台料金(6300円)に比べて2倍以上となるA寝台料金(13350円)が適用される事もあって、MAKIKYUがはやぶさ/富士号に乗車した際に見た限りでは、列車内の看板的存在とはいえ、利用率は余り芳しくない様に見受けられました。

この事は日本における寝台列車の利用率の低調さ(一部列車を除く)もあるかと思いますが、はやぶさ/富士号それぞれの編成に1両だけとはいえ、「MAKIKYUのページ」でも先日の記事で取り上げた定員18名の1人用個室「ソロ」が連結(MAKIKYUが富士号に乗車した際はこの車両を利用しました)されており、ソロとの料金格差が大きい割には、両者の差異・棲み分けが不十分である事も、利用率低調の大きな要因と考えられます。

ちなみにソロとの差異といえば、シングルデラックスはA寝台だけあって通路や個室の扉などにやや高級感が感じられる事と、ソロ比べてベッド(座席)の大きさがやや大きく、個室内に洗面台を組み込んだテーブルが設置されている事、それと全て平屋で天井空間が広い程度(ソロは下段と上段を巧妙に組み合わせています)ですので、登場当時と比べて多少のリニューアルが施されているとはいえ、レールファンの一人であるMAKIKYUでも、ソロの倍以上にもなる寝台料金に見合う程の設備とは感じられないのが実情です。

設備的には電車寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」号のシングル(MAKIKYUは乗車した事がありませんが、B寝台1人用個室で、通常のB寝台より1050円高い寝台料金が適用されます)などとほぼ同等レベルの設備かと思いますので、空気を運びながら走り続けるよりは、B寝台に格下げするか、さもなければ一般向けへの価格設定や車両の扱いは現状を維持しつつも、この車両を利用した割安なパック旅行商品(とはいってもシングルデラックスは1人用個室ですので、商品企画も難しそうですが…)を設定するなどの背策を講じた方が良さそうな感があります。

ただはやぶさ/富士号の列車自体の廃止が確定的となっている現状では、大きな打開策は期待できそうになく、またはやぶさ/富士号の看板的存在とはいえ、個室の鍵も同一車両内でテンキーと通常の鍵式(恐らく故障などで、後に一部個室のみを取り替え)が入り乱れているなど、この列車の苦境を表している様にも感じられるのは悲しい限りです。

写真はA寝台個室「シングルデラックス」の客室内通路(手前の方にある個室と、奥の方にある個室のドア部分に注目)と、寝台個室内部の様子(鍵の開いている空室を車内通路から撮影)です。