26日に川崎市の登戸営業所で開催された小田急バスフェスタは、小田急バスが登戸営業所開所を記念して開催したイベントという事もあり、車両展示の主体は当然ながら、先日の記事で取り上げた小田急バスでした。
しかしながら鉄道などと異なり、機動性の聞くバスならではの特性もあってか、登戸営業所には小田急グループの他事業者バスも展示され、物販と並び「小田急グループバスフェスタ」と言っても過言ではない状況に感じたものでした。
小田急グループのバス各社と言っても、小田急グループにおける路線バスの過半数を占め、業界屈指の規模を誇る事でも知られる神奈川中央交通(神奈中)グループや、小田急グループ内移籍車をはじめとする古参車が多数活躍し、小田急グループ各社の中では、個人的には車両面では最も趣味的に興味深いと感じている東海自動車グループの物販や車両展示などがなかったのは、少々残念に感じたものでした。
そのため車両が展示されたのは、小田急バスと特に関連が深い立川バスが2台、他に小田急箱根高速バス・箱根登山バス・江ノ島電鉄グループ(江ノ電バス横浜)が各1台、物販に関してもこれらの事業者が出展する状況でした。
これらグループ会社の展示車両は、ありふれた主力車両ではなく、ラッピングなどで特別仕様としている車両ばかり、普段は捕まえようと思ってもなかなか捕まらない車両ばかりが、普段発着する事がない登戸営業所で一同に会するという、小田急グループのバスファンにとっては見逃せない絶好の機会でした。
その中でも箱根登山バスは、箱根施設巡りで使用しているルーフ付きの特別仕様車を展示しており、最近この車両は各種イベント参加の常連になっています。
車両自体が特別仕様の車両という意味では、小田急バスや他のグループ各社展示車両とは大きく異なり、非常に際立つ存在で、特徴的なルーフや前面形状だけでなく、一般客の注目度は余り高くない最後尾まで特別仕様になっているのも注目です。
(この手の特殊仕様車でも、最後尾は装いが異なるだけで、一般路線車と大差ない車両も多いですので…)
他の各社は車両自体はありふれた車両ながらも、ラッピングで差別化を図った車両を展示しており、江ノ電バス横浜の251号車も、各種イベント参加の常連、そして事業者限定バスコレクションでも、非常に珍しいラッピングバスの製品化として注目を集めた車両です。
立川バスは大型ノンステップバスを2台展示し、1台は小田急バスの主力車両で、複数台が展示され、会場への無料シャトルバスでも多数が運行していたいすずエルガのノンステップ車に、ラッピングを施した車両でした。
定番の存在となっており、複数台が活躍するリラックマバスも展示され、立川バスでは小田急バスと共にいすず車が主力、エルガやエルガミオがゴロゴロ走っており、このタイプのリラックマバスも存在する中で、エルガ系のバス同士ではなく、敢えてエルガ系とは雰囲気の異なる三菱車のリラックマバスを展示対象とした辺りは、大いに評価できると感じたものです。
MAKIKYUは最近立川バス自体、滅多に利用する機会がなく、実車運行のリラックマバス自体も乗車した事がありませんので、このバスを視察する絶好の機会にもなりましたが、外観だけでなく車内も座席モケットなどが特別仕様となっているなど、リラックマファンの方が乗車されれば、見るだけでなく乗っても楽しめるバスなのでは…と感じたものです。
座席モケットは表面だけでなく、余り気が回らない背面まで特別仕様となっているのも注目で、つり革もリラックマバスならではの特別仕様になっていました。
そして運転席の乗務員も、今回のイベントでは…という状況で、この手のイベントでは運転席に座りたい方も居られるかと思いますので、賛否両論があるかと思いますが、個人的には1台程度はこの様なバスが展示されるのも悪くないのではと感じたものです。
またキャラクターを用いたバスというと、小田急箱根高速バスが展示したヱヴァンゲリオンラッピングバスも注目の存在でした。
こちらは前面や最後尾は元塗装のままですので、既存車両にラッピングを施しただけながらも、ファンの方などは是非一度乗車したいバスと感じるかと思います。
車内はリラックマバスの様な特別仕様モケットなどは採用していないのですが、荷棚脇の座席番号表示ステッカーなどが特別仕様となっています。
運賃箱にもこのバスならではのステッカーが貼られており、この点でも一般車両との差別化が図られています。
車両展示の際には、このバスならではの車内放送実演も聞く事ができ、ヱヴァンゲリオンラッピングバスの展示では、この車内放送が最も注目と感じたものでしたが、この放送は新宿~箱根系統や羽田空港~箱根系統など一部(小田急箱根バスの主力系統ですが…)に限られ、三島発着系統などにこの車両が充当された場合には、残念ながら他車両と同じ放送が流れる様です。
(ヱヴァンゲリオンラッピングバスは運用がHPでも公開、基本的には箱根系統での運用となっており、三島系統などに充当される事は殆どない様ですが…)
小田急グループ各社では今回の展示車両以外にも、今回のイベントでは姿を見る事ができなかった神奈中や東海自動車をはじめ、各社で特色ある車両が多数活躍しています。
規模的にはさほど大きくないと感じた登戸営業所という会場の制約(小田急グループのバス営業所も、神奈中の台数が多い営業所などになると、1営業所だけでも中堅バス事業者1者分に相当する規模ですので、この様な営業所と対比した場合の話で、登戸営業所も決して
小規模ではないのですが…)も踏まえると、小田急バスフェスタはかなり充実した内容だったのでは…と感じたものでした。
今後も小田急グループ各社で同種イベントが開催される機会があり、上手く日程が合えばまた足を運びたいと感じたものでした。