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小田急バスフェスタの展示車両(グループ会社編)

2013-05-30 | 小田急グループ

26日に川崎市の登戸営業所で開催された小田急バスフェスタは、小田急バスが登戸営業所開所を記念して開催したイベントという事もあり、車両展示の主体は当然ながら、先日の記事で取り上げた小田急バスでした。

しかしながら鉄道などと異なり、機動性の聞くバスならではの特性もあってか、登戸営業所には小田急グループの他事業者バスも展示され、物販と並び「小田急グループバスフェスタ」と言っても過言ではない状況に感じたものでした。

小田急グループのバス各社と言っても、小田急グループにおける路線バスの過半数を占め、業界屈指の規模を誇る事でも知られる神奈川中央交通(神奈中)グループや、小田急グループ内移籍車をはじめとする古参車が多数活躍し、小田急グループ各社の中では、個人的には車両面では最も趣味的に興味深いと感じている東海自動車グループの物販や車両展示などがなかったのは、少々残念に感じたものでした。

そのため車両が展示されたのは、小田急バスと特に関連が深い立川バスが2台、他に小田急箱根高速バス・箱根登山バス・江ノ島電鉄グループ(江ノ電バス横浜)が各1台、物販に関してもこれらの事業者が出展する状況でした。

これらグループ会社の展示車両は、ありふれた主力車両ではなく、ラッピングなどで特別仕様としている車両ばかり、普段は捕まえようと思ってもなかなか捕まらない車両ばかりが、普段発着する事がない登戸営業所で一同に会するという、小田急グループのバスファンにとっては見逃せない絶好の機会でした。


その中でも箱根登山バスは、箱根施設巡りで使用しているルーフ付きの特別仕様車を展示しており、最近この車両は各種イベント参加の常連になっています。


車両自体が特別仕様の車両という意味では、小田急バスや他のグループ各社展示車両とは大きく異なり、非常に際立つ存在で、特徴的なルーフや前面形状だけでなく、一般客の注目度は余り高くない最後尾まで特別仕様になっているのも注目です。
(この手の特殊仕様車でも、最後尾は装いが異なるだけで、一般路線車と大差ない車両も多いですので…)


他の各社は車両自体はありふれた車両ながらも、ラッピングで差別化を図った車両を展示しており、江ノ電バス横浜の251号車も、各種イベント参加の常連、そして事業者限定バスコレクションでも、非常に珍しいラッピングバスの製品化として注目を集めた車両です。


立川バスは大型ノンステップバスを2台展示し、1台は小田急バスの主力車両で、複数台が展示され、会場への無料シャトルバスでも多数が運行していたいすずエルガのノンステップ車に、ラッピングを施した車両でした。

 
定番の存在となっており、複数台が活躍するリラックマバスも展示され、立川バスでは小田急バスと共にいすず車が主力、エルガやエルガミオがゴロゴロ走っており、このタイプのリラックマバスも存在する中で、エルガ系のバス同士ではなく、敢えてエルガ系とは雰囲気の異なる三菱車のリラックマバスを展示対象とした辺りは、大いに評価できると感じたものです。


MAKIKYUは最近立川バス自体、滅多に利用する機会がなく、実車運行のリラックマバス自体も乗車した事がありませんので、このバスを視察する絶好の機会にもなりましたが、外観だけでなく車内も座席モケットなどが特別仕様となっているなど、リラックマファンの方が乗車されれば、見るだけでなく乗っても楽しめるバスなのでは…と感じたものです。


座席モケットは表面だけでなく、余り気が回らない背面まで特別仕様となっているのも注目で、つり革もリラックマバスならではの特別仕様になっていました。


そして運転席の乗務員も、今回のイベントでは…という状況で、この手のイベントでは運転席に座りたい方も居られるかと思いますので、賛否両論があるかと思いますが、個人的には1台程度はこの様なバスが展示されるのも悪くないのではと感じたものです。


またキャラクターを用いたバスというと、小田急箱根高速バスが展示したヱヴァンゲリオンラッピングバスも注目の存在でした。


こちらは前面や最後尾は元塗装のままですので、既存車両にラッピングを施しただけながらも、ファンの方などは是非一度乗車したいバスと感じるかと思います。

 
車内はリラックマバスの様な特別仕様モケットなどは採用していないのですが、荷棚脇の座席番号表示ステッカーなどが特別仕様となっています。


運賃箱にもこのバスならではのステッカーが貼られており、この点でも一般車両との差別化が図られています。

車両展示の際には、このバスならではの車内放送実演も聞く事ができ、ヱヴァンゲリオンラッピングバスの展示では、この車内放送が最も注目と感じたものでしたが、この放送は新宿~箱根系統や羽田空港~箱根系統など一部(小田急箱根バスの主力系統ですが…)に限られ、三島発着系統などにこの車両が充当された場合には、残念ながら他車両と同じ放送が流れる様です。
(ヱヴァンゲリオンラッピングバスは運用がHPでも公開、基本的には箱根系統での運用となっており、三島系統などに充当される事は殆どない様ですが…)

小田急グループ各社では今回の展示車両以外にも、今回のイベントでは姿を見る事ができなかった神奈中や東海自動車をはじめ、各社で特色ある車両が多数活躍しています。

規模的にはさほど大きくないと感じた登戸営業所という会場の制約(小田急グループのバス営業所も、神奈中の台数が多い営業所などになると、1営業所だけでも中堅バス事業者1者分に相当する規模ですので、この様な営業所と対比した場合の話で、登戸営業所も決して
小規模ではないのですが…)も踏まえると、小田急バスフェスタはかなり充実した内容だったのでは…と感じたものでした。

今後も小田急グループ各社で同種イベントが開催される機会があり、上手く日程が合えばまた足を運びたいと感じたものでした。


神戸電鉄・有馬口駅付近で脱線事故発生

2013-05-29 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]


ネット上のニュース記事などでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、ご存知の方が多いかと思いますが、昨日夜に神戸電鉄(神鉄)有馬口駅付近で、電車の脱線事故が発生しています。
(写真は神鉄電車のイメージ(既公開記事使用画像の再掲)・脱線車両は写真とは異なる車両です)

神鉄では以前にも、有馬口駅やその周辺で何度か脱線事故が発生しており、「また有馬口で脱線」と感じる程ですが、現段階では負傷者発生などの報を聞かないのは、せめてもの救いです。

神鉄は利用客減少が続き、粟生線の志染以遠では都市近郊鉄道にしては異例の昼間毎時1本(1時間間隔)にまで大減便され、HPでも来月から一部列車の編成減車(4→3両)も行われるなど、状況は決して芳しいとは言い難いものです。

また路線条件も、山間部を走る区間が多い事から、50‰の急勾配や急曲線などが随所に存在し、登山電車に乗車していると錯覚してしまう程で、都市鉄道にしては異例の路線ですので、特殊装備などが災いして他路線よりも運賃が高めに設定されている程です。
(それでも超高額運賃で悪評名高い、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などに比べれば、遥かに良心的な運賃設定となっています。
神鉄では運賃に割高感があるというFAQに関しても、その旨を認めた上で、HP上で事由を説明しているなど、「マインド」などと称して居直る「開発を止めた某鉄道」などに比べれば遥かに良心的で、利用客に対して理解を求める姿勢は評価できると感じています)

神鉄では既に都市型ワンマン運転や駅の無人化(自動改札あり)など、合理化も限界に近いと思いますので、設備改善にまで手が回らず、路線維持だけでも…という状況かもしれませんが、公共交通は安全第一、そして特に鉄道ともなればダイヤ通りの輸送を遂行する事が求められますので、脱線要因の早期解明と、同種事故の再発防止に努めて頂きたいものです。


小田急バスフェスタの展示車両(小田急バス編)

2013-05-28 | 小田急グループ

26日に登戸営業所で開催された小田急バスフェスタ、小田急バスの新営業所開設記念で開催されたイベントだけあって、イベントの主役は当然ながら小田急バスの車両展示でした。

コアなファンだけでなく、家族連れなど様々な客層が訪れるイベントでは、なかなか特定の客層の満足を得るのは難しく、車両展示などは撮影向けに特化して車内へ立ち入ったり、車両の前で記念撮影する事が出来ないか、或いはイベント開催中ずっと車内を開放した状態で展示され、撮影には不向き…と言った状況になる事がよくあります。

しかしながら小田急バスフェスタでは、基本的には車内を開放した状態での展示となるものの、3回の車両撮影タイムが設けられ、この時間だけは車両のすぐ前に近づいたり、車内に立ち入る事が出来ず、車両外観の撮影に適した状態を提供するなど、様々な客層のニーズに配慮したイベントとなっていたのは関心させられ、同業他社の同種イベントでもこの様なスタイルが増えれば…と感じたものでした。

そして展示された小田急バス車両は、小田急バスは大半が都市型路線、特に観光向けなどに変わった車両を走らせている訳ではなく、採用メーカーや年式なども限られますので、車種のバリエーションもおのずと限定されます。

 
その中でも路線車に関しては主力のいすずエルガのノンステップ車を中心に、他車種も代表的な車両を数台展示している状況でした。


複数台展示されたエルガの中でも、マスコットキャラクター・きゅんたをデザインしたラッピング車両だけは、何故か他の小田急バス車両と並んでの展示ではなく、少々離れた小田急グループ他社のバスと並んでの展示となっていました。

 
エルガ以外ではエルガの中型版と言っても過言ではなく、狭路の存在する路線などで用いられる小田急バス中型車の主力・エルガミオや、まだまだ改善点などは多いものの、環境負荷対策の一環として導入した日野製のパラレル型ハイブリッドバス・ブルーリボンシティハイブリッドなどの姿も見られました。

また小田急バスの路線車と言うと、いすず車の印象が圧倒的に強いですが、以前エアロスターMなどを走らせており、今回のイベント会場で発売された限定バスコレクションでも、以前活躍していたエアロスターをモデル化しているなど、一般路線ではいすずと併用する形で、一部の営業所で三菱車もボチボチ活躍しています。

 
今回のイベント会場にも、三菱車はワンステップバスをベースに、車内前方の床高を下げたため、車高が高く奇妙な窓割が特徴的な新鋭ノンステップバスが2台展示され、2台は似たような車両ながらも、窓周りの塗装などに差異が見受けられるのも注目です。

一般路線車の他にも、高速車両も2台展示されています。


1台は空港リムジンに用いられ、他の小田急グループに所属するバス事業者の高速・観光バスと大差ない小田急グループ塗装ながらも、伝統の犬マークが独自性を主張する三菱エアロバスで、こちらは仕様的にも一般的な観光バスなどと大差ない印象を受けます。


もう1台は、分社の小田急シティバスが夜間高速バスで使用している新鋭エアロクイーンで、各路線共通で用いられる様ですが、夜間高速と言う用途だけに、昼間は余り稼動せず撮影機会も限られる車両です。

独立3列のゆったりとしたリクライニングシートへの着席体験などもでき、展示車両内の幾つかの座席にも座ってみました。


設備的にはJR在来線特急普通車レベルながらも、座席を回転させない事もあってか、リクライニング角度は特急グリーン車レベル、最前部座席は足元がやや狭く感じられたものの、それ以外の大半は前の座席下に足を伸ばせます。

列車やフェリーの寝台に比べると、居住性の面では大幅な見劣りが否めませんが、「座席で夜を越す」という事を考えれば、JR特急普通車レベル(車両による当たり外れも大きいですが…)の車両で夜を越すよりは快適かと思いますので、設備的にはまずまずと感じたものです。
(MAKIKYUは過去にJR165系ボックス席で夜を越した事もあり、これは混雑時などはかなりの苦行と感じましたし、まして中国の長距離列車硬座での夜行長時間乗車などは、見るだけでも凄惨な状況で、個人的には勘弁願いたいものです)


この車両の展示では、通常はまず一般客には公開する事がない仮眠室も開放しており、小田急バス車両展示の中では、個人的には最も価値アリなのでは…と感じたものでした。

夜間高速バス運行事業者では、イベントなどで一般路線車と共に展示することで、夜間高速バスをPRするにも絶好の機会なのでは…と感じたものでした。

小田急バスフェスタでは、小田急バス(分社の小田急シティバスを含む)以外にも、小田急グループの他事業者で活躍する特色あるバスが何台も展示され、こちらも近日中に追って取り上げたいと思います。


登戸営業所開所記念・小田急バスフェスタ開催

2013-05-27 | 小田急グループ

昨日神奈川県内では、幾つかの鉄道やバスに関するイベントが催され、日程が重なった事から、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、どのイベントへ足を運ぼうか迷われた方も居られるかと思いますし、中には2つ以上のイベントへ足を運ばれた方も居られるかと思います。


MAKIKYUは一昨日の業務終了が深夜だった事もあり、昨日は朝から動き回るのは少々厳しく、さすがに複数のイベントを掛け持ちで廻るのは厳しい状況でしたので、幾つかのイベントの中でも小田急バスが登戸営業所で開催した「小田急バスフェスタ」へ、午後から足を運んだものでした。


登戸営業所と言う名前は聞き慣れない方も居られるかと思いますが、小田急線の車内からも姿を目にする事が出来る現在の生田営業所が来月移転し、移転と共に名称も変更して新設される営業所で、登戸営業所稼動開始と共に出入庫系統を中心としたダイヤ改正も実施されます。


登戸営業所は小田急・JRの登戸駅から北(南武線立川方向)へ向かった川沿いの通りに面しており、登戸駅から徒歩でも足を運べる他、小田急バスフェスタが開催された昨日は、向ヶ丘遊園駅(北口)から無料シャトルバスが随時運行され、MAKIKYUが会場へ足を運ぶ際には、このシャトルバスを利用したものでした。
(その気になれば登戸・向ヶ丘遊園の2駅だけでなく、陽気が良ければ川を挟んだ対岸の東京都内(狛江市)にある和泉多摩川駅から徒歩で移動するのも悪くないと思います:写真右脇に少し写っているグレーの建物が登戸営業所・多摩川に架かる橋の対岸は狛江市です)

向ヶ丘遊園駅~登戸営業所(小田急バスフェスタ会場)間の無料シャトルバスは、見た限りでは生田営業所(E)の車両のみが稼動しており、他営業所からの応援車両などは見かけませんでしたが、このシャトルバスで使用されている車両の大半は、小田急バスの大型路線車の大半を占めるいすずエルガのノンステップ車でした。


MAKIKYUが向ヶ丘遊園駅~登戸営業所間の往復で利用したシャトルバスも、往復共にエルガのノンステップ車でしたが、往路で乗車した車両は新鋭のAT車、復路で乗車した車両はV8エンジン搭載の初期型で、見た目は似た様な車両ながらもよく見ると色々な差異があり、乗車した際の印象も随分異なるものでした。


勿論新鋭のAT車や初期型のV8エンジン搭載車だけでなく、中堅格の直列6気筒エンジンを搭載したマニュアル車も多数走っていましたが、他に特定輸送用の車両も路線車と共に充当されていました。


特定輸送用の車両は装いが異なる上に、車種もエルガではなく三菱エアロスター、おまけにトップドアで引き違い窓を採用し、2段ステップで着席重視型の座席定員が多い車両であるなど、非常に異彩を放つ存在でした。

特定輸送用車両は一般路線車とは異なり、通常一般人が乗車する機会のない車両ですので、この様な車両への乗車機会と言う点でも希少で、乗車できなかったのは残念、機会があれば是非乗車したかったと感じる1台でした。


また会場となった登戸営業所では、メインとなる小田急バス車両の展示や、小田急グループの他バス事業者車両展示をはじめ、幾つかの物販なども行われ、小田急グループのマスコットキャラクター同士が競演する姿も注目を集めていました。

昨日の小田急バスフェスタは、まだこれからの営業開始だけあり、足を運んだ事がなかった新営業所の視察と言う意味でも良い機会だったと感じていますが、今後小田急バスでは他の時期や会場も含め、同種イベントが引き続き催されるのかも気になる所です。

今回のイベントのメインとも言える、会場内における車両展示に関しては、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


道の島交通の路線バス(3)~中・小型車編

2013-05-26 | バス[九州離島・沖縄]

「MAKIKYUのページ」では、奄美大島・道の島交通の路線バスに関する記事を、いすず中型車編・大型路線車編と取り上げてきましたが、今日は続編で中・小型車に関して取り上げたいと思います。

道の島交通の中型路線車は大半がいすず車、それも旧奄美交通からの引継ぎ車となっており、狭路や閑散路線からそこそこの利用が見込まれる路線まで幅広く使える中型車は、最も使い勝手の良さそうな車両と感じます。

居住性の面でも、名瀬から古仁屋や佐仁へ向かう長大路線には、なるべく大型車か中型車が…と感じる所で、既に中型車でも多数派を占めるいすず車に関しては紹介済ですが、他に1度だけ日野製中型車にも遭遇しています。
(以前はいすず以外の中型車も、結構走っていた様ですが…)

この車両は元JR九州バスで活躍していた車両で、前輪上部付近にある活用されていない側面幕などは、見るからに余所からやって来たバスという印象を受けます。


車内の様子は撮影できていないのですが、2人がけのハイバックシートがずらりと並び、設備的には申し分ない車両ですが、JR九州でかつて活躍していた485系「RED EXPRESS」を連想させる座席モケットなどは、如何にもJR九州グループで活躍していたバスという雰囲気を受けたものです。

近年はJR九州バスでも首都圏中古車の導入が目立つ状況ですので、JR九州バスからの移籍車両、それも本土から遠く離れた奄美大島で活躍するというのは異例と感じますが、以前はこの車両以外にもJR九州バス移籍車両が複数台活躍していた様です。

車齢20年を越える結構な古参車ながらもFFシフトも装備し、すっきりとした印象の鹿児島交通塗装や、逆T字窓の外観などは、年式の割には古さを感じさせないもので、MAKIKYUが乗車したのは奄美市の旧名瀬市内区間だけでしたが、古仁屋まで乗り通しても…と感じる車両でした。

そして近年奄美大島からいわさきグループの奄美交通が撤退、路線バスの大半が道の島交通に一本化されてからは、老朽車の置き換えで小型車が多数導入されており、その中でも名古屋市営バスから移籍した日野車は1大勢力を築いています。


中にはDeNA BAYSTARSのラッピングを施された車両もあり、結構注目を集めている様ですが、それ以外は道の島交通の標準色とも言え、シンプル過ぎる白1色に塗り変えられた車両も存在します。


また名古屋市営バス時代の塗装のまま、道の島交通の社名ステッカーを貼り付けて運用している車両や、前面だけ真っ白+側面などは名古屋市営バス時代のままといった車両もあり、同タイプでも幾つかのカラーバリエーションが存在します。


主力の一端を担う車種だけあって遭遇率は高く、MAKIKYUも古仁屋方面へ足を伸ばした際には、名古屋市営バス塗装の日野小型車に当たり、前日の同じダイヤでは、記事の最初に取り上げた元JR九州バスの日野中型車が充当されていましたので、結構当たり外れが…と感じます。
(それでもリクライニングシートのキュービックと、マイクロバスの格差に比べれば、これ位の差異は微々たるものかもしれませんが…)


この車両は小柄なだけでなく、元々が都市内の地域巡回路線で使用する事を前提に導入された車両ですので、座席数が少ない上に、横向き座席(ロングシート)も存在し、それ以外の座席も薄くて硬いなど、設備的には余り長時間乗車には適さないと感じます。


しかし名瀬から古仁屋や佐仁などへ、片道1時間以上を要する路線でも頻繁に運用され、MAKIKYUが古仁屋~名瀬市内を移動する際にはこの車両に当たり、マイクロバスよりは良いものの、できる事なら他の車両の方が…と感じたものでした。
(名古屋在住の市営バスファンの方などは、名瀬~古仁屋間をバスで移動する際には、リクライニングシートの大型車よりもこの車両の方が…と感じる方も居るかもしれませんが…)


小型車の多数派を占める元名古屋市営バスの日野製車両以外には、乗車機会こそなかったものの、俗に「チョロQ」などと呼ばれる日産ディーゼル製小型車も目撃しており、こちらも比較的最近になって中古導入された車両ですが、装いは例の如く真っ白、座席次第では元名古屋市営バスよりは…と感じる所です。

他に姿を見る機会はありませんでしたが、三菱製小型車も活躍している様で、大都市圏排ガス規制で淘汰対象となる小型車などが、今後も奄美大島にやって来て古参車を…という動きはまだ続くかと思いますが、車両設備などを踏まえ、ある程度路線特性にあった車両が運用されれば…と感じる所です。

元名古屋市営バスの日野車は2扉車で乗降性に優れ、小柄な割には立席空間が広く確保されて収容力もありますので、比較的所要時間が短く、乗降の多い名瀬市内の路線などに限定して走らせるのであれば、比較的有用な車両かと思います。

とはいえ都市型仕様の車両を今後も長大路線で走らせ続けるのであれば、廃車発生品などを活用した座席交換・増設などを望みたいと感じたものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


東急5050系4000番台「ヒカリエトレイン」

2013-05-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

3月に東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始し、最近注目を集めている東急東横線、MAKIKYUは現在横浜市内某所に身を置き、
都心方面への最安ルートにもなりますので、都内などへ足を運ぶ際には、相互直通運転開始以前からよく利用しているのですが、数日前にもこの東横線を利用する機会がありました。

東横線は副都心線との相互直通運転開始に伴い、東京メトロ・西武・東武の車両が乗り入れる事で、車両のバラエティは格段に増えましたが、更に先月には「ヒカリエトレイン」も運行を開始しており、先日このヒカリエトレインにも初めて乗車する機会がありました。

ヒカリエトレインとは、東急5050系4000番台の4110編成の事で、車両自体は「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派と言える低コスト型標準仕様車ですので、同系自体はどちらかというと趣味的には余り注目されない存在と感じますが、渋谷にある東急の商業施設をPRする特別仕様車になっています。


車体形状こそ5000系列の他車両と大差ないのですが、黄色を基調とした装いは他の同系列とは大きく異なり、特別仕様車ならではの非常に目立つ独特な装いが目を引きます。

5000系列は各路線・用途などによって、ほぼ同種の車両でも装いだけでなく、内装も座席モケットや化粧板などを変えており、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派にしては、比較的上質な車両なのでは…と感じています。

「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家と言える事業者などは、かなりの数の車両を導入していながらも、同じ様な車両ばかりで単調な印象を受けるのに比べると、東急5000系列は低コスト型車両ながらもそこそこ好感が持てる気がしますが、ヒカリエトレインは他の5050系とは装いだけでなく内装も異なるものとなっており、5000系列の更なるバリエーション充実にも貢献しています。
(東横線内を走る5000系列だけでも、5000系・5050系・横浜高速Y500系と合わせて4種類、そして一部区間で並行する目黒線の5080系を合わせると大きく分けて5種類のバリエーションが存在し、更に製造時期などによる差異も含めると…という状況です)

その中でもヒカリエトレインは特別仕様車だけあり、装いだけでなく内装も特別仕様となっており、色彩が異なるだけでなく、座席やつり革、袖仕切りなど至る所で他の5000系列とは異なるパーツが用いられているのも大きな特徴です。

MAKIKYUは東横線内で通勤特急に一部区間だけ乗車し、利用が旺盛な列車だけあって、車内は余り撮影できず、乗車した車両以外の様子も視察できなかったのですが、某デザイナーが非常に強烈なデザインを施したJR九州や両備グループの一部車両程ではないのですが、空いていればちょっと車内を散策したくなる気分、、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派では最高傑作の部類なのでは…と感じます。

化粧板や袖仕切りなどは、最近の東京メトロ車両を連想させる雰囲気を感じたもので、つり革は材質こそ本皮や木材などの異色素材ではなく、一般的なモノを用いながらも、最近の首都圏では少数派、他の5000系列では用いていない吊り輪の丸いつり革となっています。


その吊り輪も様々な色を用いていてカラフル、中には馬車軌(軌道幅1372mm)の大手私鉄を連想させる黄緑色の吊り輪も存在します。

そして座席は利用旺盛な東横線で、専ら優等列車として用いられる10両編成車だけあって、当然ながらオールロングシートを採用しているものの、背もたれが若干大きいセミハイバック型となっているのが特徴で、座席モケットも編成内で複数種が存在しています。


この座席に座った印象は、他の5000系列で最近導入された車両と比べ、物凄く変わった感触は受けなかったものの、一部では「スーパーロングシート」などと称され、京阪電車やJR九州の一部車両などで用いられているハイバック型ロングシートに比べると、割合万人受けする座席なのでは…と感じたものです。

そして床材も市松模様風になっているなど、素人目に見ても他車両とは異なる存在である事が一目瞭然で、手すりまで特別仕様になっているなど、至る所に違いが…という状況でしたが、最近流行のLEDを用いた車内照明は一般的な棒状蛍光灯タイプだったのは、特別仕様車にしては少々意外と感じたものでした。

ちなみにこのヒカリエトレインは東急車輛製ではなく、J-TREC(総合車両製作所)製で、車内のステッカーにも同社名が記されていますが、同社では新標準車両「sustina」も登場させており、5000系列は更にバリエーションが増える事になります。

ヒカリエトレインの内装パーツやデザインも、特徴的な座席や吊り輪を除けば、評判が良ければ他の増備車に取り入れても…と感じたものですが、東急では東横線の車両代替こそ一段落したものの、田園都市線の車両代替は滞っておりこれから…という状況ですので、今後の展開にも注目したいと感じたものです。


道の島交通の路線バス(2)~大型路線車編

2013-05-21 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、奄美大島を走る道の島交通の路線バスに関する記事を取り上げましたが、今日はその続編で同社の大型路線車に関して取り上げたいと思います。

道の島交通では旧奄美交通から引き継いだ車両を中心に、車両のダウンサイズ化が進む中でも大型路線車を使用しており、通学ラッシュ時間帯の学生輸送などに当たる便には、極力輸送力の確保できる車両を回している様です。

また名瀬(ウエストコート前)~奄美空港間の空港線は、MAKIKYUが見た限りでは観光・高速型車両が1台(残念ながら撮影できていないのですが…)走っている事を除くと、大型路線車ばかりと言う状況でした。

道の島交通の大型路線車における大きな特徴としては、現在活躍中の車両はトップドア車ばかり、そしてその大半は2人がけのリクライニングシートがずらりと並び、路線バスにしては豪華な設備を誇る事が大きな特徴です。

この中には車齢20年を越えた古参車も多く、大都市圏の排ガス規制対象区域でも車検更新可能な年式の車両は見受けられませんが、快適性と言う点では下手な新車などより…と感じる程で、大型路線車の古参車が好きなMAKIKYUとしては、是非乗りたいと思うバスが勢揃いしていると言っても過言ではありません。


大型路線車は中型路線車と同様に、旧奄美交通がいすず車を主体としており、年式的に古参の車両が多い事から、奄美交通から引き継いだキュービックが過半数を占めています。

トップドアのキュービックは、本来行先表示器が付く部分にスモークガラスが入り、行先表示器は左右ライト間にある小型のモノ…という車両が大半を占めています。


ネット上を検索すると、既に幾つかの他サイトでも取り上げられていますが、このタイプの車両に乗車すると、見慣れない形態故に物珍しさを感じます。

なかなかユニークなバスと言う印象を受けますが、スモークガラス部分の一部を覆う様に運賃表示器を装備するのはともかく、張り紙掲出(写真の車両では張り紙はありませんが…)まで掲出しているバスもあるとなると、わざわざこんな一風変わった仕様にする意義は一体…と感じてしまいます。

このタイプのキュービックは複数台が活躍しており、車両の格差が凄まじい道の島交通だけあって、時間帯や運用次第では幹線だけでなく支線にも充当されます。
(逆に名瀬(与儀又)~佐仁間の幹線(北大島線)などでも、便によってはマイクロバスが充当される事もあります)

MAKIKYUが笠利町内線(赤木名~屋仁~佐仁)に乗車した際には、せいぜい中型車が来れば上等、もしかしたらマイクロバスかも…と思っていただけに、この路線でのキュービック出没にはビックリでした。


奄美大島に足を運んだら、一番乗りたいと思っていたキュービックのトップドア車に、笠利町内線で乗車できたのは想定外、他にも空港線と北大島線(写真の社番違い)でもこのタイプに乗車できましたが、その代わり他の大型車に当たる機会は…という有様でした。
(大型車の運用はある程度決まっている様で、笠利町内線も佐仁駐在の車両でピストン運行するのではなく、名瀬~佐仁間を運行する一部ダイヤが、間合いで佐仁~赤木名間を数往復してから名瀬に帰還するとなれば、ありえない話でもないのですが…)


トップドア車は大半がいすず車で、ハイビスカスの絵柄が描かれた旧奄美交通塗装のままで活躍している車両が多いですが、中には最近道の島交通で増えている白1色のシンプルな装いに改められた車両も存在します。

他に乗車や撮影は出来なかったものの、旧奄美交通の大型トップドア車は、富士7E車体+日産ディーゼルの車両も活躍しており、こちらは前面行先表示幕部分こそ通常タイプであるものの、日産ディーゼルの路線車では少数派のV8エンジンを搭載した珍車です。

旧奄美交通だけでなく、いわさきグループ(鹿児島交通・三州自動車)では散見する車両ですが、全国的に見ても余り数の多くないバスですので、この車両に乗車できなかったのは少々残念でした。

旧奄美交通引継ぎ車以外にも、大型路線車でトップドアの三菱ふそう製車両も中古導入しており、こちらも乗車機会こそなかったものの、空港線で活躍している姿を目撃・撮影しています。


この車両も真っ白な装い、余りにシンプル過ぎて少々寂しい印象を受けます。

この車両も座席はハイバック型であるものの、リクライニング機能は付いていない様で、所要1時間に満たない空港線であれば、グレード的には充分なレベル、一般路線を運行するバスにしては上等な部類ですが、旧奄美交通から引き継いだトップドア車に比べると、若干のグレードダウンは否めません。


他に車庫内では真っ白な装いながらも、前面行先表示は通常タイプであるなど、旧奄美交通引継ぎ車とは雰囲気の異なる旧岩崎バスのキュービック(トップドア)も目撃していますが、これも結構古参の部類に入りますので、何時まで活躍が続くのか…と感じる所です。


また旧奄美交通ではトップドア車だけでなく、本土側の鹿児島交通とほぼ同仕様と言える中扉4枚折戸の大型路線車も運行しており、道の島交通にも一部が引き継がれています。


ただ見るからに都市型バスと言った雰囲気の車両は、奄美大島では余り使い勝手が良くないのか、運用離脱が相次いでおり、奄美ではさほど年式的に古くないにも関わらず、既に運用離脱となった車両も複数存在します。

MAKIKYUが奄美大島に滞在した2日間で、中4枚扉車が稼動している車両の姿を見かける機会は皆無、それどころか一応登録こそ残存しているものの、車庫の片隅で運用離脱中、今後稼動再開する機会はあるのだろうか…と感じる状況でした。

名瀬~古仁屋方面などでも小型・マイクロが当り前、空港線以外なら何処でもこの手の車両が出没する現状では、大型路線車の出番は少なくなる一方で、主力のトップドア車も古参車両ばかりですので、旧奄美交通引継ぎのキュービックなどは、いつまとめて代替されても不思議ではない気がします。

主流が中型以下の車両にシフトする現状では、現行大型路線車の代替を全て大型で…という可能性は極めて低いですが、三菱車中古導入の例などもあり、空港線などはそれなりの車両を走らせる必要があるかと思いますので、今後の車両代替で大型路線車はどの様な車両が導入されるのかも、注目したいものです。

小型車やマイクロバスなどに関しては、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


香港・ライトレールで脱線事故~死者発生の報を聞かないのが不幸中の幸いですが…

2013-05-18 | 鉄道[中華人民共和国]

昨日夕方、中華人民共和国・香港特別行政区(以下香港と記します)の路面電車で脱線事故が発生し、多数の負傷者が発生したニュースは、ネット上などでも盛んに報じられ、海外の事故とは言えども、ご存知の方も多いかと思います。

香港の路線電車と言うと、香港島内を走る2階建て電車が有名で、香港へ足を運んだ事がない方でも、香港中で走り回る2階建ての路線バス(平屋車を探す方が苦労する位、凄まじい数が活躍しています)と共に、香港の交通機関と聞いて真っ先に想像される方も多いかと思います。

香港ではこの香港島内を走る2階建て電車の他に、新界と呼ばれる九龍半島側の郊外西方でも、軽軌(ライトレール)と呼ばれる電車が走っており、今回脱線事故が発生した路面電車は、香港島内を走る2階建て電車ではなく、新界を走る軽軌の方になります。

中華人民共和国(中国)自体が、日本国内各地や韓国の様に、列車や船などで簡単に足を運べる地ではなく、日韓とは時差も存在し、船での訪問では船中泊を余儀なくされます。

その中でも香港や近隣の広東省は遠方ですので、MAKIKYUが足を運んだのはまだ2回、その内新界を訪れたのは2006年に1回だけという有様ですが、新界訪問時にはこの軽軌にも乗車しています。
(以下の写真は全て2006年夏に撮影したもので、現在も路線形態や使用車両などは同様ながら、車両の装いなどが改められている様です)

新界を走る軽軌は、団地群の中にバス並みの緻密な路線網を築いており、地域内交通として重要な役割を果たしている他、西鐵(West Rail)と呼ばれる都心~新界を結ぶ郊外電車の、屯門・元朗など新界エリア各駅と団地群の間を結ぶフィーダー路線的存在にもなっており、ICカード・八達通(オクトパス)での西鐵~軽軌乗継優恵も実施されています。

新界を走る軽軌は都心内や都市中心部~郊外間の路線ではなく、郊外に立地する団地群の中だけを走る路面電車という点でも異色の存在ですが、長い歴史を誇る香港島内の2階建て電車とは異なり、営業開始は1980年代と、比較的歴史の浅い路線です。


主に専用軌道を運行し、車両もステップなしの高床車、電停も地鉄や郊外電車程ではないにしても高床ホームであるなど、日本の電車に例えるなら都電荒川線や江ノ島電鉄(江ノ電)を思わせる雰囲気があり、今流行のLRTで大多数を占める超低床ノンステップ連接車が走る路線とは異なった趣があります。

比較的歴史の浅い路線という事もあり、複線区間や高架区間も多く存在し、電停や電車の姿を見なければ、郊外電車と錯覚してしまいそうになる所も多いのですが、狭い地域内に高密度な路線網を築いている事から、一方通行の単線区間や分岐箇所での三角線なども多数存在するのが大きな特徴で、系統も複雑多岐です。


元英国領という土地柄も影響してか、車両も路線バスの如く、ドアや運転席が片側にしか存在しない欧州スタイル(有名な香港島の2階建て電車も同様です)となっており、終点駅ではラケット状になったループ線で折り返す形態となっているのは、日本や中国大陸本土の路面電車とは大きく異なる特徴の一つです。
(中国大陸本土で2本のレール上を走る営業用の路面電車は東北の大連・長春のみ、他にトランスロールと呼ばれる1本のガイド用レール+ゴムタイヤのガイドウェイ式トロリーバスと言っても過言ではない低床電車が、天津と上海の郊外で運行中です)

この様な路線ですので、分岐箇所の三角線や終点駅でのループ線箇所を中心に、急曲線も至る所に介在しており、乗客として乗車するとなかなか乗り応えはあります。

とはいえ比較的低速での運行とは言えども、完全専用軌道の都市鉄道ではなく、システム的には路線バスなどと同様に、乗務員の注意力に頼る部分が多い路面電車ですので、一部で報じられている速度超過も有り得なくはなく、三角線やループ線などの箇所で減速が遅れた(或いはしなかった)事が要因で事故が発生した可能性も充分考えられる気がします。


ちなみに新界の軽軌は、路面電車にしては異色の両開き3扉の単車ですが、車内での運賃収受を行わない信用乗車制を取り入れている事から、輸送力を確保するために2両連結での運行(車両間の通り抜けは不可)となる事も多くなっています。

今回の事故もニュース記事の写真などを見ると、2両編成の列車で発生している様で、結構な数の乗客が乗車していた事から負傷者数も70名以上、中には重傷者も発生している事が報じられています。

現段階では死者発生の報を聞かない事が不幸中の幸いですが、負傷者の早期回復と詳細な事故原因の究明、そして同種事故の再発がない事を願うばかりです。


道の島交通の路線バス(1)~いすず中型車編

2013-05-16 | バス[九州離島・沖縄]

先日「MAKIKYUのページ」では、先月MAKIKYUが鹿児島~奄美大島(名瀬新港)間で乗船した奄美海運「フェリーきかい」に関して取り上げましたが、名瀬新港でフェリーを下船した後は予約していたホテルに荷物を預け、その後島内路線バスを運行している道の島交通の本社へ出向いたものでした。

奄美大島の路線バスは、数年前までいわさきグループの奄美交通が多数の路線を持ち、他に旧名瀬市内やその近郊などで、旧岩崎バス(いわさきグループや、同グループのいわさきバスネットワーク(旧林田産業交通→林田バス)とは関係ありません)による路線バスの運行が行われていました。

しかし最大手だった奄美交通は事業廃止・撤退、岩崎バスが社名を改めた「道の島交通」は従来からの路線運行に加え、旧奄美交通のバス路線・車両などを引き継ぎ、現在奄美大島内の路線バスの大半を担っており、離島のバス事業者では屈指の規模を誇ります。

MAKIKYUが名瀬到着後、真っ先に道の島交通の本社へ足を運んだのは、同社のフリーパス(1~3日用)が通用当日からの発売のみ、それも基本的に車内販売を実施しておらず、本社などの乗車券発売窓口のみ(古仁屋や奄美空港でも発売窓口あり)となっており、島内を路線バスで廻るにはフリーパスは必須…という事で、まず最初に足を運んだものでした。
(ただ鹿児島からの沖縄航路で早朝名瀬到着の場合、フェリー接続の古仁屋行き早朝便では、フリー乗車券の車内発売を行っています)

そして道の島交通本社で2日間のフリーパス(3000円)を購入した後は、まずはどの路線から乗車しようか…と思案している所に、大回りで龍郷方面へ向かう秋名経由ビッグⅡ行きのバスが到着、この便は現在道の島交通で最古参の部類に入り、機会があれば是非乗車したいと思っていた昭和61年製のいすず中型車での運行でした。


早速やって来たこのバスに乗車、来島早々幸先の良いスタートと感じたもので、オリジナル塗装への変更などもあってか、年式の割には綺麗な車両と言う印象を受けましたが、この車は古参車だけあって予備車になっている様です。

外観はトップドアである事を除くと、如何にも路線バスと言った雰囲気ながらも、車内はリクライニングシート装備の豪華版、これなら名瀬から古仁屋や佐仁など、片道で所要1時間を越える路線でも…と感じる車両です。

荷物置きも設けられていますので、余程の多客(東京・大阪~奄美のジェット機就航便接続など)が見込まれる場合でなければ、空港線に充当するのも悪くなさそうな気がします。


車内の座席カバーにはいわさきグループの紋章が記され、如何にも旧奄美交通引継ぎ車といった雰囲気が漂っていますが、社名の英文表記が奄美交通は「AMAMI KOTSU K.K」、鹿児島交通が「KAGOSHIMA KOHTSU K.K」と、「交通」部分の英文表記が異なっているのは統一性がなく、少々違和感を感じます。

また行先表示も旧奄美交通の幕を使用している車両には、ビッグⅡ行きの装備がないため、行先表示を白幕表示とした上で、行先を表示した紙を掲出して対応しているのも特徴です。

車内にはデジタル式運賃表示器の設置はあるものの、道の島交通では各車両に音声合成装置などを搭載していないため、旧奄美交通引継ぎ車ではテープデッキを装備した車両もあるものの、全て乗務員によるマイク案内となっているのも特徴的です。

閑散地域の自治体バスなどでは時折見かけるこの形態も、そこそこの規模で路線バスを運行している事業者にしては珍しいと感じます。
(MAKIKYUが知っている限りでの同種事例は、本土では日田バスや大井川鉄道、旧蒲原鉄道辺りですので…)

ビッグⅡまでこのバスに乗車した後は、今度は佐仁行きのバスに乗車し、島内路線バスの最北端へ向かったものでしたが、今度もまた旧奄美交通のいすず中型車でした。

奄美交通ではいすず車を主体としていた事もあり、同社から路線と車両を継承して事業拡大した道の島交通でも、いすず車が最大勢力となっています。


こちらは年式的にはやや新しく、装いはいわさきグループ塗装+椰子の木の代わりにハイビスカス模様の旧奄美交通塗装のまま、中扉付きで座席も通常の路線バスタイプであるなど、先程の古参車よりはややグレードが落ちます。

とはいえ大型リクライニングシート車とマイクロバスが同一路線に充当される程車両格差が大きく、車両のダウンサイズ化が進む道の島交通では、これでも割合「当たり」の部類で、個人的には旧奄美交通引継ぎ車に当たれば、どの車両も悪くないと感じる程です。


その後も最初に乗車した車両と同レベルのグレードを誇り、前面形状が自家用バスなどでよく見られる前面窓拡大版の車両などに当たったもので、乗車した車両は、最初に乗車した車両とはまた異なったオリジナル塗装となっていました。


ただこのタイプには鹿児島交通塗装(鹿児島で使用した後に奄美交通移籍→道の島交通へ再移籍した車両など)やラッピング車も存在しており、主力車両の一端を担う旧奄美交通引継ぎのいすず中型車だけでも、結構なバリエーションが存在しています。


また奄美交通引継ぎ車だけでなく、特定輸送用途から転用したと思われるいすず製中型車が、古仁屋方面の路線で活躍している姿も目撃しています。

こちらは残念ながら乗車機会こそありませんでしたが、中扉付きにも関わらず「前乗り」となっており、その事を記した紙を掲げている姿は、非常に特徴的と感じたものでした。
(奄美大島内を走る道の島交通の路線バスはトップドア車も多く、この場合は当然「前乗り前降り」となりますが、中扉を装備しているバスは基本的に「中乗り前降り」となっています)

2日間の奄美大島滞在では、観光なども兼ねていた事もあり、道の島交通で活躍する車両全てに遭遇する事は到底…という状況でしが、いすず中型車以外にも様々な車両に遭遇しており、これらも近日中に追って取り上げたいと思います。


奄美海運「フェリーきかい」~喜界島の生活航路

2013-05-14 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUが奄美・沖縄を初訪問し、晴れて国内47都道府県訪問達成となりましたが、その際には鹿児島からフェリーで奄美大島へ向かい、その後更に沖縄へ向かったものでした。

1日1便運航している鹿児島~沖縄航路(概ねマルエーフェリー・マリックスラインの交互運航)の2等利用であれば、途中下船制度を活用し、鹿児島~沖縄間通しの乗船券を購入する方法もあるのですが、これだと奄美大島→沖縄間の移動が昼間時間帯となり、限られた時間の有効活用という点では、余り芳しいものではありません。

そのため乗船券は鹿児島→奄美大島(名瀬)と奄美大島→沖縄(那覇)の2行程をバラバラに購入する事で、運賃面では割高になる事を承知の上で、双方共に夜行移動可能な旅程を組んだものでした。

その内前者は、鹿児島~沖縄航路を利用するのが一般的ですが、他に「裏航路」「喜界航路」などと呼ばれる航路も存在しています。

この航路はマルエーフェリーの子会社・奄美海運が、鹿児島~喜界島(湾)~奄美大島(名瀬)~奄美大島(古仁屋)~徳之島(平土野)~沖永良部島(知名)間を、「フェリーあまみ」「フェリーきかい」の2艘で運航しています。
(知名までは一部運航日のみ運航、日によっては平土野折り返しです)

就航中の2艘は共に3000t弱、離島航路にしてはそこそこの船かと思いますが、8000tクラスの船舶を用いている沖縄航路に比べると、船の大きさは小さくなります。

喜界島に寄港する事もあり、喜界航路で鹿児島~奄美大島(名瀬)間を移動するとなれば、所要時間は沖縄航路よりも長くなり、利用者の大半は喜界島発着(鹿児島~喜界島or喜界島~奄美大島)の旅客と言う状況です。

あとは沖縄航路の立ち寄らない古仁屋(Koniya)・平土野(Hetono)・知名などへ向かう旅客で、比較的需要の多い鹿児島~奄美大島(名瀬)間で喜界航路を利用する乗客は、物好きを除くと余り…という状況の様です。

ただ運賃面では、喜界島経由で遠回り・所要時間が増大するとは言っても、鹿児島~名瀬間の2等運賃は沖縄航路と同一に設定されています。
(鹿児島~沖縄航路で徳之島以遠まで向かう場合の奄美大島途中下船では、原則として奄美海運利用は不可ですので要注意です)

鹿児島~名瀬間をフェリーで往復する場合、往復共に同じ航路の船では…という方などは、片道奄美海運利用とすれば、往復で異なる航路・船に乗船できるというメリットもあります。

MAKIKYUが敢えて鹿児島~名瀬間で奄美海運を利用した理由としては、帰路に沖縄航路利用予定があった事に加え、先述の通り奄美大島でバラして乗船券を購入していますので、途中下船制度の対象外となり、沖縄航路利用の必然性がない事に加え、乗船日の沖縄航路就航船に2等洋室(2段ベッド:要差額)が設けられておらず、奄美海運の方には設定がある事も大きな理由です。

また喜界島寄港で所要時間が増大する事で、早過ぎる名瀬到着(沖縄航路では5時頃)を避け、船内でゆっくりできる事や、鹿児島の発着港が桜島桟橋に近く、比較的至便な北埠頭となっているのも、喜界航路のメリットと言えます。
(余談ながら鹿児島の発着港は、沖縄航路が発着する鹿児島新港よりも、裏航路と呼ばれる喜界航路の北埠頭の方が便利なだけでなく、ターミナルも綺麗です)

先日の記事で取り上げた「ドルフィン150」で鹿児島中央駅からドルフィンポートへ向かい、その後徒歩(5分程度)で北埠頭へ向かうと、出航予定は17時30分ながらも、乗船開始は17時10分と比較的遅く、観光クルーズ的要素が薄い航路ならではと感じます。

北埠頭では一応小規模な売店があり、船内でも若干の物販はありますが、埠頭周辺で買出しなどに適した店などは余り…という印象でしたので、鹿児島中央駅からドルフィン150などの路線バスでアクセスする場合、食料などはバス乗車前に購入しておいた方が…と思います。

そして乗船時刻になって乗船しますが、出航時刻の17時30分を過ぎてもまだ出航する様子がなく、船内では「出航時刻を過ぎておりますが、本日荷役作業遅れのため、終了次第の出航となります」というアナウンスが流れ、結局出航したのは18時過ぎと言う状況でした。


船内乗客の会話では、「何日か船が運航しない日があった後だから、いつもより積む荷物が多い」と言った話も聞こえ、ドック入りの関係で通常より運航便数が減少→1便で運ぶ貨物量が多くなるのも災いしているかと思いますが、出航時刻を過ぎても船尾では(恐らく生活物資などが入った)コンテナをフォークリフトで次々と運び入れている様子を見ると、離島航路と言うのは旅客輸送だけでなく、島への生活物資などを運ぶ貨物輸送の役割も大きいと言う事を、改めて実感させられます。

ちなみに喜界航路就航船は通常2艘が就航していますが、「フェリーあまみ」がドッグ入りしていましたので、「フェリーきかい」の方でした。


フェリーきかいは現在のマルエーフェリー系貨客船では最も古い上に、足が遅くダイヤもフェリーあまみとは別立てになっており、普段は足の遅さも災いし、平土野折り返し便のみの充当となっています。


しかしフェリーあまみドッグ入りの影響で、珍しくフェリーきかいが知名まで運航する日でしたので、ただでさえ足が遅いのに出航が遅れたら、その後の遅延もどれだけ…と感じたものですが、こんな船でもきちんと知名の行先表示があるのは、少々意外に感じたものでした。

そして30分ほど遅れて出航すると、本来なら出航時刻が30分遅く、併走する事はないはずの沖縄航路就航船「クイーンコーラル8」とほぼ併走状態になり、しばらくすると外は暗くなって外の景色も…、そして翌日目が覚めて外が明るくなった頃には、未知の世界が拡がる事になります。


船内では物販以外に、小規模ながらも食堂も設けられており、一応食料を調達して乗船したMAKIKYUも、マルエーフェリー・奄美海運ではHPなどでメニューが公開されておらず、内容が気になりましたので、足を運んでみました。
(沖縄航路の共同運航を行っているマリックスラインでは、HPでもレストランのメニューを写真入りで公開しています)


食堂は営業時間も限られ、外が暗くなる頃には…という状況でしたので、営業終了間際の19時前に足を運んだのですが、メニューはカレーライスやトンカツなど食堂の定番メニューと言った品が数品、試しにから揚げ定食(840円)を注文してみましたが、内容的にはまあまあといった所、残念ながら特に薩摩・奄美の地域性を感じさせるメニューなどはありません。
(マリックスラインでは奄美名物・鶏飯などのご当地メニューもあります)


マルエーフェリーの他船でも見かけたのですが、「米は、国産米 を 使 用」と記した案内を大々的に出しており、一応この事をウリにしている様ですが、メニュー数も少なく、HPでの宣伝有無と共に、沖縄航路を共同運航しているマリックスラインに比べると、食堂関連は見劣りが否めない気がします。
(それでもマルエーフェリーでも食堂自体を設けていないカジュアルフェリーが就航している事や、「車内販売はありません」と堂々と放送案内している一部のJR寝台特急などに比べれば、併食設備があるだけでも大きなサービスかと思いますが…)


食事を終えた後は船室(2等洋室)に戻りますが、一応カーテンでベッドを仕切る事ができる2段ベッドが並ぶ大部屋は、通路が狭く少々窮屈な印象があるものの、フェリーでは定番と言えるカーペットの大部屋(2等)+2000円の寝台料金Bで利用できる事を考えれば、設備的にはまずまずです。


夜を越すのであれば、大部屋(写真)とは快適さも雲泥の差かと思いますし、この程度の差額で寝台を利用する事に慣れてしまえば、JRのB寝台開放室などはとても…と感じてしまう事になりそうです。
(この事も瀬戸内海を航行するフェリーとも競合する関西~九州方面寝台列車が、首都圏~九州方面寝台列車以上に振るわず、次々と廃止に追い込まれた一因という気もします)

一旦自室に戻った後も、外は暗いものの、まだ寝るには早い時間と言う事もあり、シャワー利用に出向く、その後ロビーに出て他の乗船客と談笑したりして暫くの時間を過ごします。

HPでは「フェリーきかい」には浴室設置の旨が記されていますが、実態は大浴場の浴槽にはお湯を入れず、洗い場部分をシャワーブースとして使用していると言っても過言ではない状況で、これなら浴室よりもシャワー室設置にした方が良いのでは…と感じる状況でしたが、比較的古参の船故に致し方ない部分かもしれません。

ロビーでは喜界島民の方々の座談会状態となっており、特にスケジュールを合わせて乗船した訳でなくても、たまたま乗船したら知り合いが…という事も珍しくない様ですし、船内でも「喜界島住宅地図」を発売している旨の掲示を見かける程で、「奄美海運」ならぬ「喜界海運」とでも言いたくなる位です。


そして寝台で一晩を過ごし、夜明け頃には喜界島・湾港に到着、ここで鹿児島から乗船した乗客の大半が下船し、また喜界島から奄美大島などへ向かう乗客が乗船、貨物コンテナの積み下ろしも行われます。

喜界島停泊中に夜が明け、程なく出航となりますが、湾港を出るとすぐに外海ですので、海況次第では結構揺れる事も懸念していたのですが、天候こそ決して良いとは言えないものの、海は割合穏やかな事もあり、快適な航海が続きます。

喜界島と奄美大島は距離的にはさほど離れておらず、天気の良い日は対岸が見える様ですので、生憎の天候でも湾港出航から1時間もせずに奄美大島が左側に見え、あとはずっと島沿いを航行しながら名瀬を目指します。

喜界島・湾港出航から2時間程で奄美大島・名瀬新港入港、奄美大島は日本国内の離島では屈指の大きさと人口を誇るだけあり、名瀬港入港が近づくと本土とは遠く離れた離島とは思えない市街地が拡がる姿が目に入ります。

そして名瀬新港に到着すると、鹿児島から乗船した「フェリーきかい」の船旅は終わり、島内を駆け回った後は唯一の未踏県だった沖縄を
目指す事になります。

「フェリーきかい」は喜界島訪問目的を除くと、乗船の必然性に乏しい船ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、乗船された事がある方は少ないかと思います。

比較的古参の船で足も遅く、設備的にもやや見劣りが否めませんので、何時まで現状のまま運航を続けるのか…という気もしますが、存在を知っていれば喜界島へのアクセスとしてだけでなく、奄美大島などへ足を運ぶ際の選択肢にもなり、旅行スタイル次第では利用価値もあるのでは…と感じます。

鹿児島~沖縄航路での途中下船制度適用外となり、奄美大島などを道草して沖縄へ…という旅には使い難く、この喜界航路と名瀬~沖縄(那覇新港)間航路(東京発と大阪・神戸発)の組み合わせでも、鹿児島~沖縄航路の通し運賃と同程度か、少々割増程度の金額(寝台などの差額は当然別途ですが…)で乗船できる乗船券などがあれば…と感じたものでした。


首都圏の新路線・基幹駅が社会主義国並みの惨状?~新宿三丁目駅の乗り換え通路は一方通行

2013-05-12 | ニュース記事講評

今日ネット上のニュース記事を見ていたら、非常に気になる記事がありました。
(以下抜粋)


乗り換えに改札外「回り道」も…地下で「異変」

 東京都心に網の目のように張り巡らされ、1日約870万人が利用する地下鉄で、鉄道会社ですら想定していなかった“異変”が起きている。

 乗り換え不要の「相互直通運転」が次々と実現。さらに、都心回帰の傾向で高層マンションや大型商業施設が増えた結果、利用客の流れが大きく変動。駅によっては、朝のラッシュ時に思わぬ混雑を招く結果となり、事故防止のためにやむを得ず通路を「一方通行」とする駅も出始めた。

 ◆いったん改札外へ

 ラッシュのピークとなる午前8時過ぎ。東京メトロ丸ノ内線の新宿三丁目駅では、降車した利用客が列をなして上りエスカレーターに向かう。いったん改札を出た後、一部の利用客は再度、改札を通って副都心線ホームへ下っていく。

 2008年6月開業の副都心線は、丸ノ内線ホームと直結する約25メートルの連絡通路があるが、幅は最大約4メートルと非常に狭い。東京メトロでは、副都心線が3月16日から東急東横線との相互直通運転の開始で混雑に拍車がかかると予想し、安全確保のため同月4日から、連絡通路を一方通行にした。

 朝のラッシュ時(平日午前7時50分~同9時20分)、連絡通路は副都心線から丸ノ内線への一方通行とし、丸ノ内線から副都心線への乗り換え客は、ホームから上層階に出て、いったん改札を出なければならない。改札を出ても追加の運賃は発生しないが、連絡通路を抜けるより数分ほど時間が余計にかかる。

 同駅では構造上、連絡通路を広げたり、別の通路を新設することは難しく、利用客が減らない限り、一方通行の措置を続けるしかない。東京メトロは「設計段階ではここまで混雑するとは思わなかった。不便をかけて申し訳ないが、安全確保のために協力していただきたい」と呼びかけている。

(記事抜粋は以上)


3月の東急東横線との相互直通運転開始でいよいよ本領発揮、注目度も高まり利用客も増加していると見込まれる東京メトロ副都心線ですが、設備的には他線に比べると全般的に小さめに造られている印象があります。

東横線直通開始前であれば、それでもさほど問題なしという印象でしたが、池袋・新宿(新宿三丁目)・渋谷~横浜を結ぶ基幹ルートにしては設備的に貧弱、MAKIKYUも数日前に渋谷駅を利用した際には、昼間時間帯でもターミナル駅にしてはホームが狭く、旅客数の想定が甘いのでは…と感じた程でした。

副都心線は新路線だけあり、ホームドア完全設置で線路への転落の心配がないため、多少混雑しても安全面では…という考えがあるのかもしれませんが、優等列車も(東横線内)急行の大半が8両編成であるなど、需要の割に早くも供給が追いついていないのでは…と感じます。

また社会主義体制&膨大な人口を抱える中華人民共和国では、北京や上海の地鉄換乗駅で乗り換え通路を2本設け、一方を1号線→2号線、もう一方を2号線→1号線のそれぞれ一方通行とする事は当たり前で、場合によっては1号線→2号線と2号線→1号線で通路の長さが大違い、乗り換え時間もその影響で大違いという事は珍しくありません。

彼の地では地鉄の出入口でも入場専用、或いは出場専用というケースにも遭遇した事があり、鉄道駅でも入口と出口が分離されているなど、利用者本位と言うよりも運営事業者本位、如何に多くの人員を上手く整理するか…という状況です。

日本国内でも中国の地鉄と同じ様な話が出る事自体が驚きですが、銀座線の様に建設から永い年月を経ている路線ならまだしも、開業から日の浅い新路線で、それも他鉄道との競合を抱える路線の基幹駅でこの有様は、ラッシュ時間帯限定とは言っても、余りにお粗末と言わざるを得ない気がします。

その点開業からかなりの年月を経ていても、設備的には割合余裕を感じる大阪市営地下鉄御堂筋線の初期開業区間などは、設計者も相当よく考えたもの…と感じます。

関西の鉄道はそれ以外でも、設備的に余力のある路線・駅が多いと感じますが、この新宿三丁目の話は極端としても、首都圏は輸送量の割に設備面で…と感じる事が多いのはMAKIKYUだけでしょうか?


鹿児島中央駅~離島航路までのアクセス路線・ドルフィン150とポートライナー

2013-05-11 | バス[九州本土]

先日「MAKIKYUのページ」では、先月福岡県内~鹿児島へ至る途中に乗車した肥薩おれんじ鉄道「くまモン列車」に関して取り上げましたが、くまモン列車など幾つかの列車を乗り継いで鹿児島(鹿児島中央駅)へ到着した後は、離島航路に乗船して未訪の地奄美・沖縄を目指したものでした。

現在鹿児島から出航する南西諸島方面の定期旅客航路は、通称「沖縄航路」とも呼ばれ、奄美大島などを経由して沖縄本島へ至る航路(マルエーフェリー・マリックスラインが交互運航:基本的に毎日就航)と、通称「喜界航路」とも呼ばれ、マルエーフェリーの系列会社・奄美海運が運航する航路(基本的には鹿児島発月~金曜日)の2航路が就航しています。

両者共に寄港する奄美大島・徳之島・沖永良部島(奄美海運は一部便のみ)では、奄美大島の古仁屋港は奄美海運のみ、そして徳之島と沖永良部島の発着港は両者で異なりますので、これらの港を利用するか喜界島、もしくは与論島か沖縄本島へ向かう場合は、選択肢は一方だけになりますが、奄美大島・名瀬港へ向かう場合は、両者を混同しないように注意が必要です。

というのも、両者の鹿児島における発着港は、前者が鹿児島新港・後者が北埠頭と異なります。

鹿児島中央駅からは、どちらも路線バスでアクセスする事が可能ですが、方向が全く異なります。

間違えて逆の港へ行ってしまうと、出航時刻が迫っている場合には乗船できず…という可能性もありますので要注意です。

特に奄美海運を利用して鹿児島から名瀬へ…という事は、余程の物好きや何らかの事情がなければ、余り考えられない事ですので、その場合にバス路線を訪ねる時などは、「奄美大島へ行く船の乗り場」「名瀬へ行く船の乗り場」と尋ねると、沖縄航路と混同される恐れがあります。
(その場合は沖縄航路ではない事を念押しした上で、「喜界島へ向かう船の乗り場」「喜界航路の乗り場」或いは「北埠頭」へのアクセスを尋ねると、まず両者を混同される事はないかと思います)

ちなみにMAKIKYUが奄美を経て沖縄へ至る際には、沖縄まで足を運ぶとなれば、尚更利用する事はないであろう奄美海運の方を利用しており、直接北埠頭を発着する路線バスの数は余り多くないのですが、至近のドルフィンポートや桜島桟橋などへ向かうバス便は多数存在します。

その中でもMAKIKYUが鹿児島中央駅からドルフィンポートまで乗車(その後北埠頭まで徒歩)したバスは、いわさきグループ2社(鹿児島交通・いわさきバスネットワーク)と南国交通の民営3社が共同運行している「ドルフィン150」というバスで、何度もその姿は見ていながらも、乗車したのは先月が初めてでした。

この路線は鹿児島中央駅や天文館(市内中心部)と、種子島・屋久島航路(これもまた南西諸島へ向かう2つの発着港と異なる場所です)のジェットフォイルが発着する高速船ターミナルや、桜島行航路が発着する桜島桟橋などを結んでいます。

停車停留所が絞られ、運賃も150円均一と割安(市電は160円均一・市営バスの市内中心部は180円~)ですので、各航路利用時だけでなく、現金かICカード(通用はRapicaといわさきICカード:SUGOCAなどは使えませんので要注意)利用で中央駅~天文館を移動する際などにも有用ですが、市営交通の一日乗車券などは利用できませんので要注意です。
(市営交通の一日乗車券を所持している場合は、変り種車両が走る市内観光巡回バス・鹿児島シティビューで桜島桟橋へ向かう方法などがあります)


ちなみにMAKIKYUがドルフィン150に乗車した時には、いわさきバスネットワークが運行する元新京成グループの日産ディーゼル車に当り、このタイプは船橋周辺などで何度も乗車した事があると共に、最近は地方転出が進み、鹿児島からは遠く離れたすすきの(札幌)などでも乗車した事があります。

中4枚折戸車は鹿児島ではありふれた存在で、富士7Eボディも主力車両の一端を担っていますので、大都市圏移籍者で古株とは仕様が異なる車両ながらも、さほど違和感がありませんが、同じいわさきグループの鹿児島交通共々、近年は手当たり次第に大都市圏中古車を買い集めている状況です。

お陰で最近のいわさきグループ路線バスは、国産古参車なら何でもありと言っても過言ではない状況になっており、関西方面から移籍した前後扉車なども散見する有様、そしてどう考えても鹿児島では必然性のない3扉車なども活躍しています。


ドルフィン150でも、鹿児島交通では3扉車の活躍が見受けられ、最近後乗りの前後扉車が増えている事もあってか、中乗り車である事を示すために、後扉には「締切り」の表示が見受けられる状況です。
(似た様な状況は他にも茨城交通など、前中扉車と前後車を混用している事業者で散見するのですが…)

ドルフィン150での充当こそ目撃していませんが、鹿児島市内でもいわさきグループの足の長い路線などでは、時折トップドア車(当然前乗り)も走るなど、車両次第で乗車口がバラバラ、どの乗車口のバスが充当されるかはその時次第…というのは、利用し慣れない乗客にとっては、相当使い難い状況と言えます。

また鹿児島新港へは、ドルフィン150では行けず、こちらへ直接アクセス可能な路線は、いわさきバスネットワークが沖縄航路の発着時間に合わせて運行する「ポートライナー」と呼ばれるバスを利用する事になります。


こちらはいわさきの通常路線車を充当しているのですが、前面窓下に「ポートライナー」と記した紙片が見受けられる以外は、通常の路線車で運行しており、ドルフィン150に充当する一部車両の様なステッカー掲出などは見受けられませんでした。

このバスは沖縄航路に合わせた運行のみで、他に新港を直接発着するバスは…という状況ですが、徒歩5分程度の城南小学校前バス停などからは、中央駅や天文館など中心部へ向かう市営バスが数系統発着しており、市営バスの1日乗車券などを利用する場合には、こちらを利用するのも悪くないと思います。

鹿児島では航路により発着港がバラバラ、この記事で名前が出てきた港以外にも、大隅半島方面へ向かう際に、垂水までのフェリーに乗船する際に利用する鴨池港(これも市営やいわさきグループの路線バス利用)などもあります。

そのため様々なバスや船舶に乗りたい向きには、なかなか面白い所ですが、不慣れな余所者には下調べや情報収集が必須です。

MAKIKYUはまだ種子島や屋久島などへも足を運んだ事がなく、それどころか桜島航路すら…という有様ですので、ドルフィン150に乗車中、高速船ターミナルに停泊しているジェットフォイルの姿を見た時には、またドルフィン150に乗車して今度は…と感じたものでした。

あと別件ですが、本日より鹿児島県内の路線バスについて詳細に取り扱われたHP「バスフォーラム鹿児島」(しゅう様)へのリンクを設定致します。

鹿児島県内の路線バスに関して興味を持たれている方の中で、まだこのHPへアクセスされた事がない方は、是非一度アクセスしてみて下さい。

MAKIKYUも一部画像を提供、掲載して頂いており、URLは以下の通りです。
http://homepage1.nifty.com/shu-kun/


肥薩おれんじ鉄道・くまモン列車~車内ではくまモンのご乗車も…

2013-05-08 | 鉄道[九州・私鉄等]

先月沖縄本島への訪問を果たし、晴れて国内全47都道府県訪問達成となったMAKIKYUですが、その際には沖縄への道程は往復共に鹿児島発着航路を利用したもので、首都圏~鹿児島までの往復は使い慣れたJR利用でした。
(個人的には利用実績のある交通機関をメインに利用しており、+αでフェリーを組み合わせただけですが、新幹線やフェリーを利用して奄美・沖縄へ足を運んだ旅行の話をすると、中には鹿児島発着航路の存在を知らず、意外に感じて驚く声もありました)

JR往復は首都圏~福岡市内間の往復新幹線利用(直通のぞみ号限定)となる日本旅行のビジネス向けパッケージ(博多のホテル1泊込みでも、JR往復定価より大幅に安く、指定列車に乗り遅れても当日中なら後続列車の自由席が利用できるなど、利用価値の高い商品です)を利用したものでした。
(パッケージの宿泊は1泊のみで、帰着日を2週間程度まで伸ばす事ができますので、最近MAKIKYUが九州や韓国へ足を運ぶ際には、よく利用している定番商品ですが、首都圏でのJR九州高速船「BEETLE」知名度が意外と低い事もあり、MAKIKYUの周囲で韓国旅行にこの商品を活用した話を聞かないのは残念な限りです)

福岡県内~鹿児島(鹿児島中央)間の往復も、片道は新幹線2枚きっぷのバラ売りを利用し、九州新幹線に乗車したものの、青春18きっぷの数に余裕があり、利用期限が迫っていた事や、鹿児島のフェリー出航が夕方で時間的余裕が若干あった事から、往路片道は普通・快速列車乗り継ぎで移動したものでした。

福岡県内~鹿児島市内をJRで移動する際には、肥薩線経由などの経路もありますが、かつては鹿児島本線の一部だったものの、九州新幹線部分開業後は経営分離された八代~川内(Sendai)間の第3セクター・肥薩おれんじ鉄道には久しく乗車していなかった事もあり、多少の時間短縮も兼ねて同線経由で移動したものでした。

青春18きっぷは肥薩おれんじ鉄道で通用しないものの、18きっぷ利用者向けに「おれんじ18フリーきっぷ」が設定されており、18きっぷを提示すると購入できる2000円のこの乗車券は、八代~川内間の片道利用でも普通運賃より割安になりますので、この乗車券を利用して乗車したものでしたが、最近運行開始した観光列車「おれんじ食堂」には、別途料金を支払っても乗車できませんので要注意です。
(ただ「旅名人の九州満喫きっぷ」や、通常のフリーきっぷを利用する場合は、おれんじ食堂の2号車(リビング・カー)には別途料金追加で乗車可能となっており、乗車券により取り扱いが異なりますので要注意です)

そして八代駅でおれんじ18フリーきっぷを購入し、出水(Izumi)行きの列車に乗車し、その後乗り継いで川内へ向かうのですが、出水行きの列車は希少な転換式クロスシートを装備した特別仕様車の登板を期待したものの、残念ながら通常のセミクロスシート車(クロスシートは固定式のボックス配置)、そして出水から乗り継いだ列車も同様で、MAKIKYUはまだ肥薩おれんじ鉄道の特別仕様車には当たった事がありません。


しかしながら八代~出水間で乗車した列車は、これまた1両しか運行していない熊本県PRのゆるキャラ・くまモンをラッピングした車両でした。

一応運行予定がHPでも公開されていますが、特に運用も確認せず、たまたま乗車した列車がこの車両と言うのは、特別仕様車ではなくても、好み次第ではアタリと感じるかもしれません。


このラッピング車両に乗車すると、設備的には通常のセミクロス車と同様で、座席モケットも通常仕様でしたが、外観だけでなく、車内も広告枠やシートカバー、そして天井など至る所にくまモン・くまモン・くまモン…


「熊本が好きだモン」「列車が好きだモン」「トイレはここだモン!」など、車内はくまモン尽くしとなっています。

まだこれだけなら、ゆるキャラをデザインしたただのラッピング列車と感じる方も居られるかと思いますが、広告枠の掲示や貼付ステッカー類だけでなく、車内には実際にくまモンがご乗車になっているのも特徴で、途中駅の停車中には、その滑稽な姿を持参の携帯等で撮影している乗客の姿もボチボチ…という状況でした。


くまモンの図体は結構大きく、ロングシートを占拠しているくまモンは、バケットシートの1人分区画以上、「メタボだモン」とでも言いたくなる有様です。

こんな巨漢が仮に首都圏の小田急線や東急田園都市線、地下鉄東西線辺りの朝ラッシュ時で、都心方向へ向かうワイドドア車や多扉車による優等列車などにご乗車ともなれば、遠距離通勤者からのクレーム殺到は免れないかと思いますので、ローカル線ならではのほのぼのとした取り組みと感じます。

九州では某デザイナーによる凝ったデザインや、木材など独特な素材を多用した列車が目を引き、鹿児島までの道中でも、JR普通列車で牛革をモケットに用い、座席フレームの一部に合板を用いているなど、非常に独特な雰囲気の車両にも当たっています。

しかしながら全国各地で類似車両が多数活躍し、ありふれた感のある標準仕様車両でも、このくまモン列車などは客層次第では結構な
価をされるのでは…と感じたもので、MAKIKYUも仕事先の知人に旅行中の写真を見せたら「この写真が欲しい」という要望が出た程でした。
(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、もしこの記事で公開している画像を元サイズで希望される方が居られましたら、メールにて問い合わせ頂ければ対応致します)

また他の第3セクター鉄道などでも、混雑対応などで差支えが出ない路線で、このくまモンの様にキャラクターがご乗車…となれば、キャラクターを求めて乗車するといった動きも出てきても…と思いますが、この様な取り組み事例が他にどの程度存在するのかも気になる所です。


小豆島内を走るオリーブバス~離島の割にバリアフリー率も…

2013-05-05 | バス[四国]

MAKIKYUが2月に香川県の小豆島を初訪問した際には、島内を路線バスで廻ったものでした。

かつて小豆島内の路線バスは小豆島バスが運行しており、2010年に路線バスの運行は小豆島オリーブバスに移管、そして現在島内の路線バスは専らこの小豆島オリーブバスが担っています。

同社は島内全路線が乗り放題になるフリー乗車券を設定している他、オリーブバス移管後にICカード(香川県本土側のことでんなどと同一のIruca:小豆島オリジナルデザインのオリーブIruca発売もあり)も導入されています。

北廻り(大部経由)・南廻り(草壁経由)の土庄~福田間2路線を利用して島内一周すると、フリー乗車券(1日用)とICカード利用時の割引運賃適用で同程度、それ以上の乗車や路線途中での途中下車などをした場合、フリー乗車券を利用した方が割安になり、フリー乗車券は使い方次第では数時間程度の滞在でも威力を発揮します。

MAKIKYUは一応Iruca(ことでん発売のカードですが…)も所持していますが、北廻り・南廻りの土庄~福田間2路線途中での途中下車や、他に西浦線と呼ばれる支線に乗車する事もあり、1日フリー乗車券(土庄港ではオリーブバス事務所で購入可能です)を利用し、島内を動き回ったものでした。


車両面では以前の小豆島バス時代から専ら日野製中型車を導入、メーカーが日野に限定される上に、大都市圏移籍車両なども見かけない状況ですので、車種のバリエーションは限られています。


四国では本土側でも最もありふれた車種の一つと言って過言ではない、日野レインボーHR(ノンステップ)が主力を占めており、中にはラッピング車も存在します。

日野ユーザーで新しい車両…という事で、レインボーHRの他にレインボーⅡ(エルガミオのOEM車)も活躍しており、離島ながらも割合新しいバリアフリー対応車が多いのが特徴で、他にICカード(Iruca)導入やLCD運賃表示器、音声読み上げソフトを用いていると思われる車内放送など、全般的に近代的な印象を受けたものです。

ただ中には2段ステップの中型前後扉車(残念ながら巡り合せが悪く、乗車や撮影は出来ませんでしたが…)の活躍も見受けられ、淡路島の様に大都市圏排ガス規制区域事業者も真っ青になる程の状況(既にエルガミオ・エルガを多数放出しており、中には島流しならぬ「島上り」で排ガス規制区域の路線バスとして活躍する車両まで存在していますので…)と比べると、小規模ながらもまだバリエーションは…と言った所です。

そのため余り離島のバスらしくない印象が強い小豆島オリーブバスですが、中には2段ステップのトップドア車(レインボーRR)も存在しており、この車両には乗車する機会もありました。


旧小豆島バスオリジナルカラー+側面にイラストのラッピングが施されたトップドア車は、拡大型の前面窓や引き違い式となった側面窓など、自家用バスなどで良く見られる仕様となっており、同程度の年式で前後扉の車両とは様相が大きく異なります。

貸切兼用といった雰囲気の車両は、車内も2人がけのリクライニングシートが並ぶなど、路線バスにしてはグレードは高く、乗車したのは支線の西浦線でしたが、できれば北廻りか南廻りの島内1周線で乗車できれば…と感じた車両でした。
(基本的に北廻りで福田港へ到着したバスはその後南廻り、逆に南廻りで福田港へ到着したバスはその後北廻りになりますので、名目上は福田港で系統分断していますが、実質的に朝晩を除く北廻り・南廻りの大半は、土庄発着の循環系統と言っても過言ではない状況です)

小豆島の路線バスは事業者移管などもあり決して芳しい状況では…と言う話も聞きますが、車両面では大都市圏を除くとそこそこのレベルで、観光でも予め時刻を調べておけば、フリー乗車券の設定と合わせ、運行本数などの面でも、離島のバスにしては割合使い勝手が良いのでは…と感じたものでした。

今後も現状の日野中型車ばかりが活躍と言う傾向が続くのか、それとも車両のダウンサイズ化(マイクロバス導入など)や中古車導入などの動きが出てくるのかも気になる所ですが、また小豆島を再訪する機会があれば、島内観光と合わせて未乗路線乗車も…と感じたものでした。


両備フェリー「おりんぴあどりーむ」~デザイナーの特色が随所に…

2013-05-03 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、高松~土庄(小豆島)間を結ぶ四国フェリー「第7しょうどしま丸」に関して取り上げましたが、その後小豆島を離島する際には、土庄から今度は岡山(新岡山港)行きのフェリーを利用したものでした。

土庄~岡山間のフェリーは3艘が就航していますが、その内1艘は四国フェリーによる運航となっており、この船は第7しょうどしま丸などと同じ装いになっていますので、見た目は高松航路と大差ない印象を受けます。

岡山航路に就航する他の2艘は、両備グループの両備フェリーが運航しており、四国フェリー運航便とは運行時刻が分かれていますが、両者は共同運航を行っています。

運賃が同一であるだけでなく、乗車券類なども共通利用可能になっており、運行時刻も両者が競合する事なく、合わせて13往復が就航しています。

その中でも両備フェリー運航便は、「おりんぴあどりーむ」「にゅーおりんぴあ」の2艘が就航しており、基本的には1日毎に両者の運航ダイヤが入れ替わる形態となっています。

2艘の内新しい「おりんぴあどりーむ」の方は、某有名デザイナーのデザインを多数起用している両備グループらしく、内外共に非常に特色ある船となっており、初めて両備フェリーを利用するなら是非こちらを…と思い、HPで公表されている運航スケジュールに予定を合わせ、この船を狙って乗船したものでした。


外観は白を基調とした装いや、大きく取られたガラスなどのお陰で、明るく開放感のある船と言う印象を受け、英文字やロゴなどが散りばめられている姿は、某デザイナーが関与した船ならでは…と感じます。


そして船に乗り込むと、JR九州の新型一般型車両座席(MAKIKYUの知人の中には、この座席を大絶賛している者も居るのですが…)を連想させる、反り返った形状の背もたれが特徴的な木製ベンチなどが多数見受けられる様も、某デザイナーが関与した船ならでは…と感じます。


乗船時には使用休止(冬季はお休みの様です)となっていましたが、甲板には足湯区画が設けられているのも、他のフェリーでは余り見られない大きな特徴です。


船内客室は白を基調としたシンプルながらも明るい印象の天井や、木材を多用した座席、様々な柄を用いた座席モケットなどは、非常に特徴的です。


売店コーナーやトイレの入口などには、これまた最近の某デザイナーが関与した鉄道車両ではお馴染みの存在になっているロゴ入りのれんが見受けられます。


壁面にも数々のイラストが掲げられているなど、船内は某デザイナーのデザイン展状態と言っても過言ではない雰囲気を受ける状況です。

そのため日頃土庄~岡山航路を利用し慣れた地元利用者などには余り新鮮味はないかと思いますが、遠方から観光などで小豆島を訪れる旅行者にとっては、船内は独特の非日常的空間が拡がっていると感じるものです。

船内客室の色使いや数々の特色を見ると、船の大きさや設備・形状などは大きく異なりますが、この独特なデザイン空間に身を置きながら海面をクルージングしていると、同じデザイナーが関与しているJR九州高速船「BEETLE」に乗船しているかの如く錯覚させられる面も…と感じます。

また一般のフェリーとは大きく異なる独特なデザイン空間故に、船内を散策していると1時間程度の乗船時間はあっという間、近年JR九州で流行している「観光列車」の船舶版と言っても過言ではない印象も受けたものです。


ただ乗船時間がさほど長くない事もあってか、座席など設備面でのグレードは決して高いとは言い難く、鉄道車両のリクライニングシートを連想させる形状の、窓際に設置されている向かい合わせ配置のハイバック型座席でもリクライニング機能はありません。

ゆったりとしたソファーやリクライニングシートが設けられ、乗船時間の割には高級な設備と感じた、四国フェリーの高松~土庄航路で用いている「第7しょうどしま丸」に比べると、小豆島発着航路を使い慣れた利用者が乗船し、船内でゆったりと過ごすという観点では、見劣りが否めない部分も感じたものです。

とはいえ岡山発着航路だけあり、発着する新岡山港の交通利便性は芳しくなく、同港周辺の公共交通機関は、フェリーに接続する両備グループの路線バス(近年両備バス→岡山電気軌道に移管)が運行されている程度という難点もありますが、新幹線などで各地から岡山へ向かい、その後小豆島へ向かうには便利なルートで、バスとセットで割引された「かもめバスきっぷ」の設定もあります。

某デザイナーならではの独特なデザインは、好みが大きく分かれる所かと思いますが、小豆島へ足を運ぶ機会があれば、高松~土庄航路など他航路も多数ありますので、往復で異なる経路を用いる周遊ルートを構成しながら、様相の異なるフェリーを乗り比べるのも面白いと感じたものです。

小豆島発着航路は、「おりんぴあどりーむ」が就航している新岡山~土庄航路以外にも、本州方・四国方共に両備グループが運航している航路が存在しています。

両備グループは鉄軌道や路線バスでも、JR九州グループと並び、某デザイナーならではの独特なデザインを内外に施した車両を多数運行していますので、他の両備グループが運航する小豆島発着航路でも、今後船舶入れ替えやリニューアルなどで、今後「おりんぴあどりーむ」に続くデザインフェリーが出てこないかも気になる所ですが、興味のある方は是非一度「おりんぴあどりーむ」に乗船してみては如何でしょうか?