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MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
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横浜市営地下鉄・グリーンラインの増備車両~似た様な車両ながらも色々差異が…

2014-08-29 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUは、横浜市交通局の地下鉄・バス共通1日乗車券を利用し、市内各地を動き回る機会があったのですが、その際には市営地下鉄グリーンラインにも乗車したものでした。

MAKIKYUは現在横浜市内に居住している身ではあるものの、現住地とグリーンライン沿線は離れており、開業以来乗車したのは数回程度という状況で、余り利用頻度の大きい路線ではありません。

また開業が2008年と比較的日が浅く、小型車両によるリニア地下鉄と言う特異な規格も影響してか、他路線との直通運転も行っていませんので、開業以降の変化は少なく、趣味的な注目度と言う点でも今一歩と感じる方が多いかと思います。

しかしながら今年に入り、2編成の車両増備が行われており、日頃グリーンラインを利用する機会が少ないMAKIKYUは、先日この増備車両に初めて乗車したものでした。


この2編成は既存車両とは色々な差異が見られる車両になっており、比較的変化が乏しいグリーンラインにおいては、注目の存在とも言えます。

 
外観上の特徴としては、前面に細いグリーンライン(緑帯)が入り、LED式の行先表示がフルカラー化された事が目立ち、フルカラーLED化された行先表示は、表示様式も独特なものとなっているのが際立ちます。

他にもよく見るとテールライトの形状も変化しており、側面のラインカラーを示すステッカーも異なっているなど、既存車両と並べれば、間違い探しでもしているかの如く…という状況になっています。


車内に足を踏み入れると、扉付近に注意喚起の黄色いマーキングが施されている点は、最新車両らしいと感じる既存車両との変化点で、他にも案内表示用LCDモニター形状が変化しているなどの差異があります。


LCDモニターは4ヶ国語表示となっており、センター南の中国語表示は「中心南」、都筑ふれあいの丘の中国語表示は「都筑交流之丘」と表示されます。


韓国語表記の次駅案内は、韓国で一般的な「이번역」ではなく、日本国内の韓国語案内で一般的な「다음은」と表示されるのは少々感心できない気がします。

とはいえ空港連絡などを除く国内の都市鉄道において、4ヶ国語表示を行っている路線・車両はまだ少数派であるだけに、この様な表示を行っている事自体が評価できる所で、今後表示内容の改善や更なる充実が図られる事にも期待したいものと感じたものでした。


カテゴリー新設のお知らせ(20140826)

2014-08-26 | Weblog

皆様、いつも「MAKIKYUのページ」へアクセスありがとうございます。

記事数の増加に伴い、今日付けで「鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]」カテゴリーを新設すると共に、「鉄道[近畿・私鉄等]」を「鉄道[近畿・その他私鉄等]」に改称するカテゴリー変更を行いましたのでお知らせ致します。

 
今後近畿地方のJRを除く私鉄等(公営地下鉄を含む)に関しては、スルッとKANSAI加盟社局とそれ以外の事業者を、別カテゴリーで取り扱うと共に、今まで「鉄道[近畿・私鉄等]」で取り扱っていたスルッとKANSAI加盟社局の鉄道関連記事は、「鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]」へ移設致しました。


なお近畿地方以外のスルッとKANSAI加盟社局(中国地方・岡山県の両備グループや、東海地方・静岡県の静岡鉄道グループなど)に関しては、スルッとKANSAIカテゴリーでの取り扱いとはせず、従来通り各地方の鉄道扱いとさせて頂きます。


路線バスに関しても、近畿地方を中心にスルッとKANSAI加盟社局が多数存在していますが、こちらに関しては当面現行通りの取り扱いとさせて頂きます。


スルッとKANSAI関連とは別件になりますが、大韓民国(韓国)の鉄道に関しても記事数が増大し、今後更に記事数が増大する事が見込まれるため、「鉄道[大韓民国・KORAIL列車]」と「鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]」の2カテゴリーに分割致しました。

 
こちらはKORAIL(韓国鉄道公社)が運行している鉄道で、広域電鉄を除く各列車や路線に関する記事は、「鉄道[大韓民国・KORAIL列車]」として取り扱い、KORAILが運行している路線や車両に関する記事でも、広域電鉄関連の記事に関しては「鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]」での取り扱いとさせて頂きます。

 
また近年韓国では地下鉄以外に、軽電鉄と呼ばれる新交通システム路線が多数開業し、今後更に路線数が増える事が見込まれる状況です。

地下鉄や軽電鉄以外には、公共交通として旅客営業を行っている路線は現存しませんが、テーマパーク等の園内を運行する鉄道なども幾つか存在しており、これらに関する記事を公開する場合には「鉄道[大韓民国・広域電鉄/地下鉄等]」での取り扱いとさせて頂きます。


※画像は既公開記事で使用した画像の中で、各カテゴリーをイメージする写真を掲載したものです。


(この告知記事へのコメントはできません。またこの告知記事へのトラックバック送信はご遠慮下さい)


近江鉄道 100形電車~改造内容を簡略化した最新車両

2014-08-26 | 鉄道[近畿・その他私鉄等]

先月MAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、普通・快速列車であればJR全線が乗り放題となる青春18きっぷを利用していた事もあり、岐阜県内よりももう少し遠く、滋賀県内の米原周辺へも足を運んだものでした。

その際には米原駅で、近江鉄道の電車が発車待ちで停車している姿も目撃したのですが、発車待ちで停車している電車は昨年末に運行開始したばかりの同社最新鋭車両・100形電車でした。


最近近江鉄道の電車に乗車していなかったMAKIKYUは、同形にはまだ未乗という状況でしたので、せっかく滋賀まで足を運び、100形が目の前に止まっているならば…という事で、この車両への試乗も兼ねて近江鉄道の電車に乗車したものでした。

近江鉄道は西武グループと言う事もあり、現在活躍している鉄道車両の大半は西武鉄道からの移籍車両、バス部門も西武バスからの移籍車両が多数活躍しているなど、近畿地方でありながらも関東風の雰囲気を強く感じるのが大きな特徴です。

如何にも関西の電車と言う雰囲気のJR新快速電車などに乗車した後に、近江鉄道の電車やバスに乗車すると、滋賀県に居ながらも首都圏に戻ってきたのでは…と錯覚する事もある程で、昨年末に運行開始したばかりの最新鋭車両・100形も、西武鉄道からの移籍車両を改造した車両です。

近江鉄道の電車は、一昔前に西武鉄道からは全面退役した401系が主力を占めているのですが、最近では西武鉄道で新101系の退役が進み、同系の地方私鉄移籍が進行している事もあり、最新鋭車両・100形はこの新101系を種車としています。

401系と新101系は、どちらも20m級ながら、一昔前の西武線では標準的な3扉車で、編成も2両(新101系はそれ以上の編成もあり)であるなどの共通点がありますが、製造年代が異なる事もあってか前面デザインをはじめ、様々な所に差異も見受けられるのが特徴です。

新101系を種車とした100形は、特徴的な種車の前面形状などはそのまま存置していますので、西武線の電車を改造した車両である事は一目瞭然です。

しかしながら西武線の装いを保った車両が多数を占める401系改造車と異なり、100形は「湖風号」という愛称が付けられ、水色を基調に白細帯を纏った装いに改められていますので、近江鉄道ではなく系列外の地方私鉄に移籍したのでは…と感じる程です。
(この姿であれば、LED式に改められた行先表示が「多賀大社前」ではなく「流山」や「下仁田」などでも不思議ではない雰囲気ですので…)

ただ塗装変更で随分なイメージチェンジを図る一方、近年近江鉄道では特徴的なステンレス無塗装の客扉を、車体色と同じ色に塗装した車両も増えている中、如何にも西武線の電車といった雰囲気のステンレス無塗装の客扉を堅持しているのも大きな特徴となっています。


車内に足を踏み入れると、座席モケットや化粧板などが取り替えられ、少々草臥れた印象だった西武線時代末期の雰囲気とは異なるものになっており、自転車積載スペースが設けられているのも特徴的です。

ドアチャイムの設置をはじめ、客ドア付近に注意喚起の黄色いマーキングが施されている辺りは、最近走り始めたばかりの車両ならではと感じます。

 
近江鉄道は全線で車内収受式ワンマン運転を行っている事もあり、運賃表示器や整理券発行機、自動両替機能付き運賃箱などが装備され、都市型路線である西武線との大きな違いとなっていますが、運賃表示器は最新鋭のLCDモニターを装備しており、運賃表示以外にも数駅先までの停車駅案内など、LCDモニターならではの機能を生かした案内も行われています。


この運賃表示器は、首都圏路線バスの最大手・神奈川中央交通(神奈中)が、消費税増税に伴う運賃表示変更などを見込み、一部営業所(主に小田急沿線を運行している営業所)などで導入した運賃表示器と同形で、発車時の注意喚起なども同種のピクトグラムが表示されますが、設定プログラムの違いにより表示様式が異なる部分も見受けられるのが特徴です。

運転席を見渡すと、こちらもワンマン放送用にバス用音声合成装置が設置されており、設定モニターはこれも神奈中などで出回っているタイプ(各地で採用例あり)となっているのが目に付きます。


近江鉄道では西武鉄道からの移籍車両でも、今まではわざわざ特徴的なハンドル形状の電気指令式に改めており、それどころか吊り掛け駆動の220形ですらこのタイプの電気指令式ブレーキを装備している程ですが、100形ではこの改造をせずに種車のままとしているのも大きな特徴で、全国各地を見渡せば幾つも存在する新101系譲渡車としては一般的な仕様ながらも、近江鉄道で電磁直通ブレーキ(HSC)は少数派だけあり、現状では非常に際立つものです。

100形は現在2本が稼動しており、他にも彦根の工場で改造待ちとなっている元西武新101系が多数留置されていますので、今後も更に数を増やす事が見込まれますが、近江鉄道では他にも900形と言う新101系改造車が1編成活躍しています。

淡海号と名付けられた900形は、装いが大きく異なるだけでなく、車端部にクロスシートを設置し、近江鉄道特有の電気指令ブレーキへの改造も施されているなど、100形に比べると踏み込んだ改造を施している一方、内装やワンマン機器に関しては…という状況の様です。

900形は1編成だけの存在で、MAKIKYUはまだ乗車した事がありませんが、今後の新101系改造車は100形で統一されるのか、それとも再び900形登場となるのか、もしくは両者を折衷した車両を新形式として登場させるのかも気になる所です。

ちなみにMAKIKYUの100形試乗は米原→彦根で、有効な青春18きっぷを所持していればわざわざ近江鉄道を…と感じる方も多いかと思いますし、普通運賃を支払って同区間を移動する場合でも、所要時間・運賃・運行本数など様々な面で、JRに比べると並行区間での劣勢は否めないとも感じたものでした。
(米原~彦根間は約6km、近江鉄道の片道普通運賃は現在290円で、JRと比較すればジュース代程度の開きがありますが、それでも首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)の同距離運賃などに比較すれば、まだ割安な運賃設定です)


またMAKIKYUが100系電車に乗車した際には、国内では最近地方私鉄で増えているとは言えども、まだ少数派の自転車積載対応列車にもなっているだけでなく、実際に自転車を載せて乗車する乗客の姿も見受けられたものでした。

MAKIKYUは日頃この様な光景を目にする機会は少ないだけに、100形登場記念の試乗とご祝儀も兼ねて乗車するのも悪くないと感じたものでした。

機会があればまだ未乗の900形や、今や路面電車を除くと国内では希少な存在の吊り掛け駆動車・220形を求めて、フリー乗車券設定日に近江鉄道を再訪するのも…と感じたものでした。
(フリー乗車券は以前より値上げされていますが、近江鉄道の普通運賃と比較すると、現行価格でも充分割安で、通用日が増えているのも評価できる点です) 


KORAIL・白頭大幹峡谷列車「V-train」(2)~車内編

2014-08-24 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、KORAIL(韓国鉄道公社)の白頭大幹峡谷列車「V-train」に関して取り上げましたが、今日はその続編記事として車内の様子などを取り上げたいと思います。

「V-train」は「O-train」などと同じく、「観光列車」という位置づけもあってか、KTX(高速鉄道)を除くKORAILの一般列車では最も割高な運賃が適用される「セマウル号」の「特室(JRグリーン車相当)」の運賃が適用されるため、鉄岩(Cheolam)~汾川(Buncheon)間の30km弱・片道約1時間程度の乗車でも、日本円にして800円を超える運賃を要します。

この運賃はJR旅客各社の普通運賃を超える水準で、韓国の物価を鑑みると非常に割高な価格設定、日本のJR普通運賃+割安な指定席料金の合算額程度になりますので、「O-train」や「V-train」の座席指定が有効期間内であれば無制限で受けられる「O-train pass」などを利用しない限りは少々…と感じるレベルです。

鉄岩周辺は韓国の中でも、ソウルなどからは足を運び難い場所で、物珍しい列車が走っている上に、車窓景観も…となれば、鉄岩などへ足を運ぶ機会があれば是非一度は…と感じるものです。


この「V-train」は割高な運賃故に、極めて豪華な車両を…と思う方も居られるかもしれませんが、峡谷美を堪能する事が目的の列車と言うだけあって、設備的には到底豪華とは言い難いのですが、車窓に関しては一見の価値ありです。


ビニール貼りの転換式座席(ロングシートも含めて)は、同区間を走る一般列車(ムグンファ号)の回転式リクライニングシートに比べると、座り心地の点で見劣りが否めませんが、観光列車ならではの途中駅での長時間停車などは、一般列車にはない付加価値を創出する重要要素と言えます。
(鉄岩~汾川間の運賃は、当然ながらムグンファ号の方がずっと割安です)

先日の記事でも触れた通り韓国(北韓を除く)では珍しい「非冷房車」となっているのも大きな特徴で、客車天井には韓国の鉄道では他で見る機会が…と感じる扇風機が設置されている他、冬季に備えてストーブが設置されているのが大きな特徴となっています。


栄州発の1本を除くと、所要時間は片道1時間程度ながらも、中間車両の車端には物販区画も設けられているのも、観光列車ならではと言えます。


また運行途中で幾つも存在するトンネル内を走行する際には、天井がプラネタリウムの如く…という仕掛けが凝らされ、渓谷沿いの車窓を楽しんだり、長時間停車となる途中駅での散策だけに留まらない辺りも、観光列車ならではと感じたものです。


ただ車両形状故に、渓谷美を楽しむ列車ながらも、最後尾からの展望に関してはもう一歩と感じ、できる事なら車端部分から少し離れた所、もしくは逆側車端部に出入口を設け、1枚窓+窓向き座席を設置した展望席でもあれば…と感じたものでした。


岐阜市内を走る2両連接バス「清流ライナー」~MAKIKYUは遂に国内CITARO導入4事業者全てに…

2014-08-21 | バス[東海]

先月MAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、中央本線代行バス(現在は路線復旧・東濃鉄道が運行)や、中津川市内を走る北恵那交通の路線バスなどに乗車機会があり、これらに関しては既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げましたが、この他に岐阜県の県都・岐阜市でも県内最大手の岐阜乗合自動車(岐阜バス)が運行する路線バスに乗車する機会がありました。

岐阜県は県都の岐阜市をはじめ、東濃地区なども名古屋から比較的至近な事から、名古屋との結びつきも非常に強く、県内の路線バス運行事業者も大垣周辺を運行する名阪近鉄バスを除くと、大半が名鉄グループに属する程です。

岐阜バスはその中でも代表格的存在で、自社発注車だけでなく名鉄バスからの移籍車両も多数活躍していますが、これに加えて近年では岐阜市内において2両連接バスの運行を行っている事でも知られています。

この2両連接バスは、既に首都圏の神奈川中央交通(神奈中)が運行している「Twin Liner」や、京成バスが運行している「シーガル幕張」と同種のベンツ・CITAROで、岐阜バスでは「清流ライナー」という名称が付けられています。

 
CITAROの2両連接バスは、その後兵庫県の神姫バスも、三田市内において「オレンジアロー 連 SANDA」という名称で運行開始しており、現在国内では4事業者が運行、既に岐阜バス以外の3事業者が運行する国内のCITAROは乗車済みでしたが、先月岐阜バスの「清流ライナー」に乗車する事で、MAKIKYUは国内4事業者全てのCITARO連接車への乗車達成となりました。
(ちなみに神奈中のCITAROは、厚木と町田の2営業所に配置され、茅ヶ崎にはCITAROとはタイプの異なる2両連接バスが配置されていますが、これらは地元から至近の路線と言う事もあり、全て乗車済です)


岐阜バスのCITAROは、神姫バスが導入したCITAROと同様に、座席数を多めに確保した「着席重視仕様」となっているのが一つの特徴で、首都圏の2事業者が導入したCITAROとの大きな違いと言えます。

車内天井には、岐阜の名所などを紹介したステッカーが貼られ、他のCITAROに比べるとやや賑やかな雰囲気である事や、その一方で座席モケットは落ち着いた雰囲気のモノを採用しているなどの特徴があり、2両連接車だけあって2両目にもLCDモニターによる運賃表示器が設置されています。


運賃表示器は、神姫バスが導入している2両連接車と同種の、近年各地で導入が進むLECIP製LCD画面2連タイプの新型となっていますが、岐阜バスでは「バスチャンネル」と称しているデジタルサイネージの放映用モニターは、神奈中が一部営業所のデジタルサイネージ放映や運賃表示で用いているLCDモニターと同種のモノで、モニターを1種類に統一せず、2種類のモニターが混在しているのも大きな特徴です。

「清流ライナー」は車種がCITAROと言うだけあり、国産の一般路線車とは大きく異なる一方、外観は他のCITAROとは大差ない雰囲気で、他の路線車とは異なる単色となっている辺りも、他3事業者との共通点と言えますが、岐阜バスでは名鉄電車を連想させる真っ赤な装いとなっています。

岐阜市内はかつて名鉄が運行する路面電車(郊外では専用軌道)が走っており、現在運行中の名鉄電車も、過半数は真っ赤な装いとなっていますが、岐阜バスも名鉄グループの一員ですので、敢えてこれらのイメージを踏襲するために赤一色の単色を採用したのかも気になる所です。

また中京地区では愛知県内ですら2両連接バスの運行はなく、岐阜バスが唯一の存在ですので、非常に注目を集める存在となっています。

この事もあってか、連接バスならではの威力を発揮する平日の大量輸送だけでなく、土日には1周乗車しても210円の循環路線特定便に充当するなど、比較的手頃に乗車できる様に配慮されているのも評価できる所です。

この点は注目度が高いものの、土日には乗車が…という状況になっている他連接バス運行事業者の一部も、今後岐阜バスに追随して頂ければ…と感じる所です。

ただ2両連接バスは特殊な車両構造故に、運行路線の制約に加え、ワンマン運行では乗務員側の負担も大きく、事業者によっては連接車両乗務に対する手当てまで存在する程ですので、連接バス目的で相当数の乗客を集客できる事が必要になるなど、課題も山積しているのですが…

ちなみに他の3事業者で活躍しているCITARO2両連接バスに関しては、以前「MAKIKYUのページ」で取り上げた記事もありますので、興味のある方は合わせてご覧頂けると幸いです。
(各バスのタイトル部分をクリックすると、該当記事へリンクします)

神奈川中央交通「Twin Liner」

京成バス「シーガル幕張」

神姫バス「オレンジアロー 連 SANDA」


KORAIL・白頭大幹峡谷列車「V-train」(1)~外観編

2014-08-17 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)を走る観光列車の一つ、中部内陸循環列車「O-train」に関して取り上げましたが、現在KORAIL(韓国鉄道公社)では「O-train」などを利用して韓国の中部内陸地域一帯を観光する旅行者向けに、「O-train」運行区間とその周辺の一部区間で指定期間内フリー乗車可能な「O-train pass」と呼ばれる企画乗車券も設定しています。

既に「O-train」に関する記事を取り上げた際に、この乗車券に関しても触れており、感の良い方は画像を見て気付かれたかもしれませんが、MAKIKYUは「O-train pass」を利用して「O-train」だけでなく、もう一つ別の観光列車にも乗車しています。

この観光列車が白頭大幹峡谷列車「V-train」で、O-train運行区間の一部にもなっている嶺東(Yeongdong)線の(栄州(Yeongju)→)汾川(Buncheon)~鉄岩(Cheolam)間を1日2~3往復運行しており、同列車は「O-train pass」でも別途座席指定券の発券(無料:窓口のみ)を受ければ、乗車する事ができます。
(栄州→汾川の営業運行は朝の片道1本のみです)

汾川~鉄岩間は慶尚北道(Gyongsangbuk-do)と江原道(Gangweon-do)の道境を跨ぐ区間で、ソウルからは列車やバスなどで片道3時間以上を要する上に、周囲には大都市もなく、外国人観光客が足を運ぶ機会は余り多くない所です。

しかしながら峡谷美を堪能できるこの区間の車窓は、観光列車運行にもうってつけで、「O-train」などの列車を利用して訪問する観光客だけでなく、観光バスなどで鉄岩などにアクセスし、「V-train」に乗車するツアー客なども多数見受けられる程です。
(その殆どは韓国の内国人ですが…)

鉄岩~汾川間の乗車時間は片道1時間程ですので、乗り鉄派だけでなく、団体ツアーの行程に組み入れるにも絶好の列車といえ、MAKIKYUの乗車日は平日ながらも、MAKIKYUが韓国に入国した際の乗車希望列車が「満席」になっていた程(後にキャンセル発生等で座席確保)でしたので、時間帯の良い列車では満席御礼となる事も少なくありません。
(特に週末の「O-train」と接続する「V-train」は、ネット上で空席を検索すると満席表示が出る事が多いです)


列車が機関車+客車3両しかない短編成である事も、満席となる事が多い一因かもしれませんが、嶺東線は現在全線が電化区間であるにも関わらず、「V-train」用に塗装変更された牽引機はディーゼル機関車となっています。


客車には運転台などは設けられておらず、推進運転対応ではないため、鉄岩や汾川では機関車の付け替えも行われmすが、牽引機は運転台が片側に偏った配置(韓国のディーゼル機関車では一般的な話です)である上に、機関車の方向転換を行わない関係で、鉄岩方向へ向かう列車では、機関車後部から運転する格好となります。

専用塗装の機関車は、白と黒の虎をイメージした装いですが、客車の方は機関車とは大きく雰囲気の異なる濃いピンク色となっており、編成全体の統一感はまるで…と言っても過言ではない状況です。


客車の方は峡谷美を楽しむ列車だけあってか、窓が大きく取られているのが特徴で、各車両に1箇所設けられた客扉は折戸となっています。


両端の客車は車端部に客扉が設けられているのに対し、中間に連結されている客車だけは、JR九州で運行している783系電車(ハイパーサルーン)の如く、車両中央部に扉が設けられているのも特徴です。

また車両外観から察しが付く方も居られるかと思いますが、「V-train」は現在KORAILで運行する旅客列車では類稀な「非冷房車」となっているのも大きな特徴で、車内の様子などは近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


中津川市内を走る北恵那交通バス~付知峡線では割安な企画乗車券も…

2014-08-13 | バス[東海]

先月末にMAKIKYUが岐阜県内へ足を運んだ際には、豪雨の影響により土砂災害が発生し、一部区間(坂下~野尻)が運休(現在は復旧)となったため、JR中央西線代行バスが運行され、先日「MAKIKYUのページ」でもこの代行バスに関して取り上げたものでした。

代行バスは東濃鉄道による運行だったものの、代行バスの始発駅にもなっている坂下駅をはじめ、中津川駅など中津川市内を走る一般路線は、大半が東濃鉄道と同じ名鉄グループに属する北恵那交通による運行となっており、代行バスの中には近年貸切事業を廃止した北恵那鉄道からの移籍車も含まれていたものでした。

この事について触れた事もあってか、アクセス解析の検索キーワードでは「北恵那交通」で検索し、「MAKIKYUのページ」を訪問された方も居られた様でしたが、MAKIKYUはこの北恵那交通には先月初めて乗車したものでした。

MAKIKYUが乗車した路線は、中津川駅~田瀬橋~付知峡倉屋温泉<~加子母総合事務所前>間を走る付知峡(Tsukechikyo)線と、坂下駅~田瀬橋<~付知峡倉屋温泉~加子母総合事務所前>を走る坂下加子母線の2路線でした。
(< >は一部便のみが運行している区間です)

付知峡線は北恵那交通の基幹路線で、かつて北恵那鉄道として電車の運行を行っていた区間の代替も兼ねており、昼間毎時1本程度の運行が確保され、地方路線バスとしてはそこそこの利便性が確保されています。


付知峡線に乗車すると、廃線から40年近くを経過した今日でも、北恵那鉄道が使用していた鉄橋の痕跡なども見る事ができ、活躍していた車両も車窓から眺める事は叶いませんが、今でも愛知県内で保存されている所が存在する様です。


使用車両は中型路線車をはじめ、大都市圏の排ガス規制区域と大差ない大型ワンステップ車も活躍しており、MAKIKYUが付知峡線に乗車した際には、中型のラッピング車と北恵那交通独自塗装を纏った大型車(写真)の2車種に当たったものでした。


北恵那交通は事業規模こそ大きいとは言い難いものの、独自塗装とラッピング車の他に、名鉄グループ塗装で青帯が入った車両(写真)も活躍しており、写真の車両と同塗装の日野HRが付知峡線に運用されている姿も確認しており、規模の割には彩り豊かな印象があります。

付知峡線には、運行本数が比較的多い付知峡倉屋温泉まで乗車したのですが、中津川駅から片道30km弱の距離ながらも、普通運賃は片道で1220円と決して割安な運賃設定とは言い難く、この運賃を往復分となると結構な出費が…とも感じます。

しかしながら北恵那交通では、中津川駅からの路線バス(付知峡線)往復と、付知峡倉屋温泉(おんぽいの湯)の入浴券をセットにした「おんぽいの湯セット券」と称する企画乗車券を設定しています。

おんぽいの湯休館日は利用できない制約こそあるものの、この企画乗車券を利用すると入浴券込みで1520円、中津川駅からの路線バスを往路片道のみ利用+入浴する場合や、入浴せずに路線バスを往復乗車するだけでも得になる程の高割引となっています。

長野電鉄(長野県)が、電車と湯田中駅前の温泉入浴券をセットにして大幅割引価格で発売している「日帰り「楓の湯」クーポン」(最近若干値上げされましたが、それでも内容を考えれば割安です)を連想させる価格設定だけあり、付知峡線乗車時の利用価値はかなり大きいです。


この乗車券を利用する場合、中津川駅では付知峡線のバスに整理券を取ってそのまま乗車(始発でも整理券発券あり)し、付知峡倉屋温泉下車時には乗務員にセット券利用の旨を申告、車内では運賃精算せずに整理券を持ったままおんぽいの湯フロントにて整理券を提示、そしてセット券代金を支払い復路バス利用券を受け取り(往路分は乗車券発券なし)という、他では余り類を見ない扱いとなっています。

ネット上で北恵那交通に関する情報を検索しても、おんぽいの湯セット券の存在こそ情報がヒットするものの、乗車券購入方法に関しては付知峡線バスに乗車し、乗務員氏に尋ねる事で、初めてこの様な取り扱いである事を把握する有様でした。


またMAKIKYUは付知峡線バスで付知峡倉屋温泉(おんぽいの湯・写真)へアクセスし、入浴後に中津川行きの復路バスを利用したものでしたが、こちらはスケジュールの関係で途中の田瀬橋下車、ここで坂下加子母線に乗り換え、代行バス始発駅になっていた坂下駅へ向かったものでした。

おんぽいの湯セット券では、復路バス乗車券で付知峡線以外のバスへ乗り継ぐ事はできず、下車前途無効になってしまうのですが、それでもかなりの高割引乗車券ですので充分割安です。


田瀬橋で乗り継いだ坂下加子母線は、付知峡線の往路で出没したラッピング車の番号違い(写真・坂下駅で折り返し便の行先を表示)でしたが、坂下駅までの20分程度の道程でも600円以上を要しましたので、おんぽいの湯セット券で中津川駅の代わりに、坂下駅へ抜ける事もできれば尚の事…とも感じたものでした。

ただ坂下加子母線は付知峡線と異なり、便数僅少な路線にも関わらず、乗車した便の乗客はMAKIKYUだけという状況でしたので、同じ様な道程でおんぽいの湯セット券を利用する事例はかなり少ないと思われ、元々高割引な事も考慮すると、高望みし過ぎなのかもしれませんが…


KORAIL・中部内陸観光列車「O-train」車内の様子(2)~中間車編

2014-08-10 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)を走る観光列車の一つ、中部内陸観光列車「O-train」車内の様子に関して取り上げましたが、今日はその続編で中間車両の様子を取り上げたいと思います。

種車の「ヌリロ」号と同様に、現在4両編成での運行となっている「O-train」では、中間車は2両が連結され、2M2Tながらも韓国では珍しく両先頭車が電動車となっている「O-train」では、2両共に付随車となっています。
(韓国では近年続々と登場しているKORAILの列車線を運行している新型電動車をはじめ、広域電鉄や各都市の地下鉄で活躍している車両も、動力分散方式を採用している電動車(電車)の先頭車は、殆どがモーターなし車両となっています)

付随車となっているこの2両は、既存客席を改装した程度の両先頭車に比べ、客室内は大きく様変わりしており、一般の定期列車とは大きく異なる観光列車ならではの設備が随所に見受けられます。


1両は片側に「ヌリロ」号用の既存リクライニングシートを存置しながらも、リクライニングシートのモケットや、壁面カッティングシートの柄が変わるだけでも、両先頭車とは随分雰囲気が異なるものです。

反対側には窓側などに向けて方向を自在に動かせる1人がけ座席を設置した車両となっており、座席配置故に改造前よりも客室定員は大幅に減少しています。

MAKIKYUが2度「O-train」を利用した内の1回は、たまたま指定された座席がこの1人がけ座席だったのですが、この座席はリクライニング機能などもなく、背もたれの角度もきつめですので、長時間乗車には余り適さないと感じたものでした。

MAKIKYUの乗車日は閑散期の平日で、「O-train」の乗車率も低い状況でしたので、リクライニングシートの空席へ移動したものでしたが、比較的長時間乗車となる事も多い「O-train」では少々考え物と感じたこの座席も、乗車時間1時間程度の観光列車なら悪くない気もしたものでした。


この車両の車端部には、物販などを行うブースも設けられており、観光列車らしく乗車記念スタンプも設置されていましたが、このブースの天井は随分派手に改装されているのも特徴的と感じたものでした。


そして「O-train」で既存「ヌリロ」号とは最も大きく姿を変えたと感じたのは、もう1両の中間車で、こちらはグループ客向けのセミコンパートメントとも言える仕切り付きボックス席主体の座席配置に改められています。


この区画に設置された座席は、リクライニングなどもできず、グループ利用はともかく、個人客同士が向かい合わせで乗車するとなれば、余り感心できないものと感じたもので、各ボックスに設置された木製テーブルなども、如何にもグループ客向けと感じる設備ですが、テーブル形状を見ると、日本の某有名デザイナーが改装に関与した観光列車などに設置されているテーブルを連想させられたものでした。


この車両にはボックス席の他に、カップル向け区画なのでは…と感じる席も見受けられ、この区画は韓国らしいと感じる所です。

 
この区画と逆側の車端部分には、キッズスペースと思われる区画も存在しています。


このキッズスペースとセミコンパートメントの間にある仕切りには、世界の鉄道切手をデザインしたステッカーが貼られており、「O-train」車内には随分色々な仕掛けが…と感じたものでした。

先月の事故で1編成が使用不能となってしまったのは残念な限りですが、JR某社などで多数運行している某有名デザイナーが関与した観光列車の如く、車内の様々な設備などを見て廻るなど、「O-train」はただの移動手段ではなく「乗る事自体が楽しみ」となる列車と感じたものです。

渋い味わいを放つ古参車両による素朴な汽車旅を求める方には、「O-train」はやや不向きな存在かもしれませんが、日本国内で某有名デザイナーが関与した車両をはじめとする観光列車の旅などを楽しまれている方は、韓国へ足を運んだ際には「O-train」なども是非…と感じたものです。

MAKIKYUが6月に韓国へ足を運んだ際には、他にも近年運行開始した幾つかの観光列車にも乗車したものでしたが、こちらに関しても近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


特急料金不要 スマートアクセス!~とてもお値打ちそうに見える誤認広告

2014-08-07 | 北総監獄

先月末~今月初めにかけて、東京・銀座の某百貨店にて、毎年恒例となっている鉄道模型ショウが開催(今年で36回目)され、首都圏各地にお住まいの方の中には、足を運ばれた方も少なくないかと思います。

MAKIKYUも開催期間中の1日が公休となり、現在身を置く横浜市内某所からもその気になれば片道1時間程度、運賃も3桁で収まる範囲と言う事もあり、この鉄道模型ショウに足を運んだものでした。

会場となっている銀座の某百貨店は、東京メトロ銀座駅の至近にあり、付近では他にJRや都営地下鉄などの駅も徒歩圏に数駅存在しますので、鉄道模型ショウへ足を運んだ方は、これらの鉄道を利用した方も多いかと思います。

MAKIKYUは他の所用などもあり、先日模型ショウへ足を運んだ際には、銀座駅を通る東京メトロ(銀座線・丸の内線)と、JR線有楽町駅の双方を利用したものでしたが、銀座駅を通る東京メトロ線の電車内では、これは優良誤認なのでは…と錯覚させる車内広告が目に付いたものでした。


広告は新東京国際空港(成田空港)への空港アクセスを担う某大手私鉄が、自社鉄道路線の存在感をPRすると共に、その優位性を宣伝するもので、広告の左側は高級志向の客層向け、右側はそうでない客層向けの列車を宣伝するものになっています。

東京都内~成田空港間は、JR線の特急列車や快速列車、東京空港交通などが運行するリムジンバスに加え、近年では片道1000円程度で乗車できる格安高速バスも台頭し、高級志向・格安志向双方で各交通機関の競争が激化している状況です。

その中で少しでも自社の鉄道利用を周知し、利用を促進する意図でこの様な広告を大々的に打ち出していると思われますが、左側の「日暮里⇔成田空港 最速!36min!」に関しては、高付加価値をウリにした列車にしてはそこそこの価格設定かと思いますし、高級志向の客層向けには決して悪くない選択肢かと思います。
(ただMAKIKYUは、どちらかと言うと特別料金を支払って高付加価値の列車を利用するよりは、多少設備や所要時間の面で見劣りしても、割安な列車を選ぶ事が多い状況ですが…)

また首都圏在住者が海外へ足を運ぶ際には、この列車の終着駅に直結した施設を利用する事も結構多い様ですが、MAKIKYUは首都圏以外に居住した事はなく、海外渡航暦も2桁に達しているとは言えども、この列車の終着駅・成田空港を出入国で利用した事は、まだ1度もありません。
(MAKIKYUが海外旅行へ出向く際、出入国施設へアクセスする交通手段として最も多用しているのは、本体・子会社あわせた事業規模が、国内最大を誇る事業者が運行する路線バスです)

そのため余り縁のない列車と言っても過言ではない状況で、関西の狭軌某大手私鉄が運行する類似した性質を持つ有料特急列車には2回程乗車した事があるMAKIKYUも、広告左側の列車には1度も乗車した事がなく、当該車両も別ルートで運行する列車で1度乗車した事があるだけです。

この広告左側は小さい表示ながらも、下部にICカードと現金利用それぞれの運賃・料金合計額も記されており、左側だけならまあ妥当な広告なのでは…とも感じますが、問題は広告の右側半分です。

こちらは「特急料金不要 スマートアクセス!」と謳い、通称「悪徳」とも呼ばれる非常に評判の悪い列車を宣伝しているのですが、広告左側半分とは異なり、運賃に関する案内が何処にも見当たりません。

「悪徳」は、都心方面~成田空港間で2ルートが存在する広告掲出某大手私鉄の中でも、北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)との2重戸籍となっている区間、つまり全国各地を見渡しても他に類を見ない2枚舌路線を経由する事でも知られています。

2枚舌路線経由でも極端な遠距離低減制のお陰で、普通運賃に関しては大きく騒がれる程の差は…とも言われますが、それでも割高な運賃が適用され、おまけに運行本数も毎時1~2本程度しかないなど、「悪徳」は良質なサービスを提供しているとは到底言い難い状況です。
(都内屈指の動物園近くにある広告掲出某大手私鉄始発駅を起点に、成田空港までの自社線内定期券代を比較した場合、1ヶ月の定期代は2枚舌路線を使わないルートでは通勤29520円・通学8250円なのに対し、2枚舌路線経由だと通勤51210円・通学27180円と凄まじい格差が存在します)

広告に掲出している車両は、「悪徳」の中ではまだ程度がマシと言える車両で、個人的には国内通勤電車の中でワーストと感じ、座るより立っている方がマシと感じる「ブカブカした感触の座席」を装備した車両でないのは、せめてもの救いと感じますが、それでも如何にもお値打ちで「特急料金不要」などと大々的に謳うにしては、優良誤認も甚だしいと感じます。

おまけに「スマートアクセス」などと言う訳の分からない謳い文句まで付いており、これは運賃が幾らかを気にせずに、改札入出場時にスマートカード(ICカード)をタッチするだけで乗車でき、「アクセス」を冠する種別の列車で、これまた通称名に「アクセス」という語句が含まれる路線(2枚舌路線)を経由する事に由来しているのかもしれません。
(「スマートアクセス」という用語が、ICカード利用でどの路線を経由すると運賃が幾らかを意識せずに乗車して、後で差し引かれている金額を見て、2枚舌路線ならではの余りの悪徳ぶりに仰天する状況を謳っているのであれば、理解できない事もないのですが…)

とはいえ「開発を止めた某鉄道」沿線からならともかく、広告掲出某大手私鉄だけでも複数ルートが存在する都心方面からのアクセス手段として、特急料金不要でお値打ちとPRする様な路線とは言い難い気がします。

こんな広告を出す位ならば、格安派向けには多少乗車時間が長くなっても、もっと割安で運行本数も多い「本線経由」快速特急・特急の運賃や運行本数を宣伝する告知でもした方が…と感じたものですが、こんな事を感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


KORAIL・中部内陸観光列車「O-train」車内の様子(1)~デッキ・先頭車編

2014-08-05 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」では、大韓民国(韓国)を走る観光列車の一つ、中部内陸観光列車「O-train」に関して取り上げましたが、今日はその続編で車内の様子を取り上げたいと思います。


「O-train」は、ヌリロ号用に製造されたアルミ合金製新型電動車(4両編成)の内、2編成を観光列車用に内外を改装した編成を用いての運行でしたが、先月の事故で1編成(写真・先日の記事で使用した画像の再掲です)が使用不能となっています。

現在は残る1編成のみでの運行となっており、急遽運転取り止めとなる列車も発生している状況ですが、MAKIKYUが6月に「O-train」に乗車した際には、先月の事故で使用不能となった編成に当たっており、以下に取り上げる車内の画像は全て事故で使用不能となった編成内で撮影したものとなります。
(現在運行しているもう1編成も、改造内容は同一の様ですので、今後「O-train」への乗車を検討している方は、参考にして頂けると幸いです)


「O-train」は先日の記事で取り上げた通り、外観は観光列車らしく華やかな姿に改装されており、ビジネス列車的色彩が強い「ヌリロ」とは同形状の車両ながらも、雰囲気は随分変わっていますが、ホームから一歩車内に足を踏み入れ、デッキを見渡しただけでもその違いは歴然としています。

 
車両デッキはカッティングシートによって、4両編成の各車両に1箇所ずつ設けられている各デッキ全てが異なる装いで仕上げられており、如何にも観光列車らしいと感じるものです。

最近KORAIL(韓国鉄道公社)が次々と登場させている新型電動車は、設備面や居住性こそそこそこと感じる反面、内装に関しては通勤電車の如く、全般的に簡素な雰囲気の車両が多くなっていますので、観光列車でなくても柄入り化粧版やカッティングシートなどにより、内装の雰囲気向上を図っても…と感じる所です。


客室は4両の内、両先頭車は概ね既存の「ヌリロ」号用リクライニングシートが並ぶ設備を踏襲しており、比較的変化が少ない部類に入るのですが、それでも緑を基調とした座席モケットや、カッティングシートによって木目調に改められた壁面などは、既存「ヌリロ」号車両に比べると、見栄えは随分向上していると感じます。

 
「ヌリロ」号用車両自体がまだ比較的新しい車両と言う事もあってか、座席自体はモケット交換程度で再用しているものの、各座席脇にはコンセント(韓国用のCタイプ・220V専用で、日本の電化製品を使う場合には変換プラグなどが必要です)も追設されており、これは既存の定期列車用車両でも設置を進めてほしいと感じるものです。


比較的変化が少ない両先頭車も、車端部分には木製ベンチなどを設置したフリースペースが用意されており、この様な区画は日本の観光列車でもよくありますが、前面展望を映し出すモニターが設置されているとは言えども、直接前面展望が楽しめない状況になっているのは残念な限りです。
(韓国では観光列車に限らず、定期旅客列車に充当される車両でも、先頭車両の乗務員室背後は窓が設けられていないか、窓があっても目張りされて見渡せない車両が大半を占めています)


ただMAKIKYUが「O-train」に乗車した際には、途中堤川(Jecheon)駅停車中に客室~乗務員室間の扉が開いており、係員の方に断りを入れて客室側から運転席を撮影させて頂きましたが、運転席の座席モケットは「ヌリロ」用そのもので、さすがに観光列車とは言えども、乗務員室を見渡せない車両という事もあってか、ここまでは改装されていない状況でした。
(日本では一部の優等車両などで、乗務員室も含めてデザイナーが「魅せる」ものとしてデザインしている車両も存在するのですが…)

 
ちなみに「ヌリロ」号用車両は、MAKIKYUがソウル駅で同駅始発となる「O-train」に乗車する際、他ホームに停車している姿も見かけ、この編成の車両内外も撮影していますので、興味のある方は観光列車への改装でどれだけ変化しているかを比較頂ければと思います。
(写真の編成は「ヌリロ」号用新型電動車の中でも、特別塗装編成ですので、車内も天井などが様変わりしており、これだけでも観光列車と感じる方も居られるかもしれませんが…)

また「O-train」は観光列車だけあり、中間2両は車内設備なども大きく変化しており、この2両は両先頭車以上に観光列車ならでは…と感じる特徴が幾つも見受けられたものでしたが、こちらに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


JR九州・筑肥線に「305系」を導入~高速バスと競合する路線ながらも…

2014-08-02 | 鉄道[九州・JR]

先日JR九州が筑肥線の電化区間用に新型電車「305系」を導入する事を公式発表し、既に同社ニュースリリースなどで情報をご覧になられた方も少なくないかと思います。
(まだJR九州のニュースリリースを見ておらず、同社HPへアクセスされたい方は、こちらをクリックして下さい)

筑肥線の電化区間(姪浜~筑前前原~唐津)と、出入庫も兼ねて一部列車が延長運行される唐津線唐津~西唐津間は、電化区間の殆どが交流電化となっているJR九州では異例の「直流電化区間」となっています。

JR九州では国鉄から継承した交直両用の一般型電車・415系電車を今日でも多数走らせ、中にはJR東日本で余剰になった車両を後に購入した編成も含まれています。

しかしながら415系は、交直切替区間が存在する下関へ向かう列車に専属で充当する他は、専ら交流電化区間での運行となっており、中には交直切替区間を走る運用とは全く無縁の、鹿児島地区に転属した車両も存在しています。

そのため直流電化区間の筑肥線は、JR九州の他電化区間とは異なる直流専用車での運行となっており、現在福岡県内区間(筑前深江以東)の一部列車で相互直通運転を行っている福岡市営地下鉄の車両が充当される他は、JR九州に所属する2形式の直流専用車での運行となっています。

その中でも303系と呼ばれる車両は、JR九州発足後に導入され、某有名デザイナーの個性が光るステンレス製車両で、相互直通運転先の福岡市営地下鉄空港線内におけるワンマン運転にも対応しています。

しかしながら多数派を占める103系は、同系の中では最末期に導入された「1500番台」と呼ばれる車両ながらも、国鉄から継承した経年車で、基本設計は何十年も前のモノを踏襲していますので、エネルギー効率も芳しいとは言い難く、福岡市営地下鉄空港線内におけるワンマン運転にも対応していません。

おまけに近年では老朽化も災いしてか、時折車両故障も発生し、相互直通運転先の福岡市営地下鉄線内で車両要因による輸送障害が発生した際には、同局ニュースリリースでも「JR車両」と特記される程の有様ですので、筑肥線用に103系代替用車両の登場情報が流れても驚く事はなく、「やっと公式発表が出た」と感じたものでした。


新型車両305系は、現在発表されている概要を見る限りでは、現在JR九州の交流電化線区用に導入している最新型車両・817系を4扉直流電化区間用に設計変更した様に見受けられ、地下鉄直通用という事もあってか、車体断面はすそ絞りの幅広車体ではなく、ストレート断面になっているのも大きな特徴です。
(画像は導入告知記事から転載したものです)

前面は黒く塗られている事もあり、一見すると817系と大差ない車両の様にも見受けられるのですが、6両固定編成で前面貫通扉は専ら非常用という事もあってか、右側に寄せた配置となっており、灯具類は片側2灯ずつ設けられているヘッドライトの大きさが、同一サイズではなく異なっているのも大きな特徴です。


装いは交流電化線区を走る最新型車両・817系の中でも、一部では「白缶」などとも呼ばれ、最近福岡地区で導入されているロングシート車の2000番台(2両編成・写真)・3000番台(3両編成)と同様の真っ白な装いとなっていますが、ニュースリリースを見る限りでは外見だけでなく、白を基調とした車内も同番台に近似した雰囲気となっています。

しかしドア上には近年大都市圏の鉄道では一般的な装備になりつつあるものの、JR九州ではまだ装備車両が見受けられないLCDモニターによる情報案内装置が設置されています。

ドア脇にはこれまたJR他社では良く見かけるものの、JR九州では見る機会のない押しボタン式ドアスイッチが装備されている様に見受けられ、これらは今後更に導入されるであろう817系などにも採用されていくのか気になる所です。


また「白缶」とも呼ばれる817系2000番台・3000番台の座席は、木材をふんだんに活用し、車両内に様々な柄のモケットが見受けられるなど、非常に特徴的な反面、背もたれの腰が当たる部分には湾曲した板が露出しており、一部では「板切れ」「ベンチ」などと呼ばれるなど、賛否両論が激しく繰り広げられる「好みが大きく分かれる座席」です。
(写真は以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた817系2000番台の車内画像を再掲したもので、首都圏の標準軌某大手私鉄が近年導入している「ブカブカした感触の座席」などに比べれば、個人的にはまだ評価できる部類なのですが…)

MAKIKYUは日頃首都圏に身を置く事もあり、「白缶」とも呼ばれる817系2000番台と3000番台には、それぞれ1度ずつ乗車した程度で、頻繁に乗車機会のある車両ではありません。

白缶の座席に関しては、座面はまだしも背もたれに関しては…と感じ、都市圏における短距離列車なら許容できるとは言えども、長時間乗車には余り適さない印象があります。
(福岡都市圏にお住まいで、日頃白缶によく乗車されている方がこの記事をご覧になっている様でしたら、是非同車座席に関する見解を頂ければと思います)

福岡市営地下鉄空港線~JR筑肥線が運行している博多・天神~筑前前原や唐津間は、高割引回数券設定なども行っている昭和自動車の高速バス(いと・しま号/からつ号)とも競合しており、MAKIKYUもいと・しま号には1度乗車した事がありますが、JRはトイレ付きで定時制に優れているという強みこそあるものの、現状でもオールロングシートで設備面での見劣りが否めないと感じています。

その様な状況において、305系が白缶と同種の「板切れ」「ベンチ」などと呼ばれる「好みが大きく分かれる座席」を採用するとなれば、博多・天神~前原・唐津間などを移動する際に、今まで地下鉄~JRを利用していた客層の中に、この座席を敬遠して昭和自動車の高速バスに流れる事例も出てくるのでは…と感じます。

座席の見た目は白缶に類似している様に見受けられても、305系では木材をふんだんに活用した座席に、JR側が何らかの改良を施してくるのか否かも気になる所です。

個人的には305系の座席は余り期待できなさそうに感じているものの、JR九州は他では類を見ない独創的な車両を多数走らせているだけに、営業開始した暁には是非一度乗車してみたいものです。