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今日で開館から1ヶ月・小田急ロマンスカーミュージアム

2021-05-19 | 小田急グループ

丁度1カ月前の先月19日、海老名駅前に待望の小田急ロマンスカーミュージアムが開館、様々な所でこの事は報じられていますので、ご存知の方も多いと思います。

コロナ禍の中で開館という事で、入館に際しては事前予約制となっており、また一旦退館した後の再入館は不可となるなど、少々残念に感じる部分もありますが、今後コロナ禍が落ち着き、事前予約なしで気軽に足を運べるようになれば…とも感じます。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既にミュージアムへ足を運んだ方も居られると思いますが、MAKIKYUも先月一度足を運んでおり、その際は平日にも関わらず結構賑わっており、小田急の博物館(ミュージアム)開館を心待ちにしていた人物が多数居る事を、改めて実感したものでした。

この博物館は駅コンコースから段差なしで直結する2階にのみ入退場口が設けられており、目玉の車両展示が行われている1階には、入館者が出入りする箇所が設けられていないのが特徴です。


建物外観は以前小田急が大宮の鉄道博物館開館日と同日にオープン、昨年末に閉館したバーチャル鉄道博物館とは対照的で、グレーを基調とした比較的シンプルなものとなっていますが、入り口付近にあるロマンスカーをイメージした木のオブジェなどは、小田急の博物館らしいと感じたものでした。


そして入館に際し入場券を購入、この入場券はロマンスカーの写真がプリントされたものとなっており、入館記念としても優れたデザインと感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが購入した入場券は10000形Hi-SEだったものの、館内で他の入場者が所持していた入場券の中には20000形RSEのものも見かけ、幾つかバリエーションがある様です。

館内に入ると、順路は1階に降りてモハ1形が展示されているヒストリーシアター→その後退役ロマンスカー各種が展示されているロマンスカーギャラリーとなっています。


モハ1形は常時公開保存となったのは有り難い反面、窮屈で外観の写真撮影もし難いポジションでの展示となっていますので、もう少し良い展示方法がなかったのか…とも感じたものでした。

 
そして最大の目玉と言えるロマンスカーギャラリー、バーミリオンオレンジの3車種が並ぶ姿は、昭和末期の小田急を知る人物なら…という所です。


近年退役、営業最終列車では「ロマンスカーミュージアムでまた…」という案内放送が行われた事も報じられた7000形LSEに関しては外観を眺めるだけで、車内は非公開となっています。


3000形SE/SSEと3100形NSEは、それぞれ両先頭車と中間1両の計3両が展示。


この2車種はロマンスカー各種の中でも、特に小田急の思い入れが深いのだろうと推測され、活躍時期によって異なる2種の先頭形状を見る事ができるのも魅力です。


この2車種の客室内は扉付近だけ自由に入場でき、ここから客室内の様子を見学、撮影する事ができる様になっています。


希少な保存車両の保全に努めつつ、車両維持に大きな影響が及ばない範囲で見学できる様になっているのは、よく考えられていると感じたものです。

さらに奥に進むと、現在も一部編成が長野電鉄で活躍中の10000形Hi-SEと、富士急行で活躍中の20000形RSEも展示。

現在も移籍先で同種車両に乗車できるHi-SEとRSE先頭車に関しては、客室内に装備されている座席に座る事も可能となっています。

この2車種に関しては、小田急電鉄から離れたとはいえ現役車両も存在するため、バーミリオンオレンジを纏った3車種に比べると、現段階での公開保存に対する有難みは…という向きもあると思います。


10000形Hi-SEは連接車の先頭1両のみが保存されているため、連接面側に足を運ぶと、連接部の幌構造や連接台車の様子がよく分かる点は注目と感じたものです。


20000形RSEは他の保存各車と異なり、愛称名表示がLED式となっており、こちらは前面/側面共に消灯状態なのは少々残念と感じたものでした。


小田急の歴史上唯一のグリーン車(スーパーシート)で、富士急行への譲渡対象にならなかった2階建て車も公開されており、個人的には先頭車よりもこちらの方が見学価値大と感じたものでした。


こちらも3000形SEや3100形NSEの様に、デッキから階段を昇降し客室の手前まで入場でき、客室前から様子を見学、撮影できる様になっています。


またロマンスカーギャラリーは、限られたスペースに保存車両を詰め込んだ感もあるとはいえ、まだその気になれば2両程度は展示車両が追加できそうな状況と感じ、今後30000形EXEか50000形VSE辺りの保存展示も視野に入れているのか…とも感じたものでした。

ロマンスカーミュージアムに関しては、車両展示以外にジオラマパーク(HOゲージのレイアウト)も注目と感じ、また開館前の車両搬入に関しても、一部車両のクレーン吊り上げなどを目撃・記録していますので、これらに関しても追って別記事で取り上げたいと思います。


期間限定・小田急全線で運行開始した赤い1000形~出来る事なら併結編成は…

2020-08-02 | 小田急グループ

先月小田急電鉄の公式HPで先月の箱根登山鉄道全線運転再開を記念し、今月1カ月間「赤い1000形」を小田急全線で運行すると発表、ご存知の方も多いと思います。

「赤い1000形」は1000形4両編成未更新車の一部編成を、箱根登山電車と同様の赤色にラッピングしたもので、当該編成は通常4両単独で小田原~箱根湯本間の各駅停車に運用、また小田急線内でも僅かながら出入庫絡みで海老名以西(回送含む)を運行しています。

自宅最寄駅を発着する列車にも充当される事もあり、MAKIKYUにとってはさほど珍しい車両ではないですが、6両編成と併結し新宿まで運行、また江ノ島線や多摩線にも入る運用は通常設定されていません。

随分前にダイヤ乱れで急遽赤い1000形が他編成と併結し、新宿まで乗り入れた事などは何度かありますが、これは東京メトロ車両やJR東日本車両(どちらも小田急新宿発着の定期運用設定なし)が新宿へ乗り入れる姿を見るよりも難しい事でしたので、今月1ヶ月間だけとはいえこの様な姿が日常茶飯事で見られるのは、かなり注目される事かと思います。

そして予告通り昨日、他の1000形6両編成と併結した10両で快速急行や急行などの運用に充当、中には江ノ島線に入線する列車も含まれていた様で、新しい片瀬江ノ島駅と赤い1000形未更新車の組み合わせは今月の特別運行後も見られるのだろうか…とも感じます。


MAKIKYUも小田原線内で運行する姿を撮影、また乗車機会もありましたが、車両自体は現行小田急各種車両の中で最も陳腐、車内案内表示装置や自動放送装置なども未設置(赤い1000形は箱根登山線内のみICレコーダー使用の簡易自動放送対応)ですので、姿を見るのは良いとしても乗るのは…とも感じたものでした。


赤い1000形の車内は、中吊りが箱根関連で埋め尽くされており、また時にはBGMを流す旨も予告されていますが、BGMに関してはMAKIKYUが乗車した区間が短い事もあり、昨日は聞けずじまいでした。

昨日は赤い1000形と併結する6両編成も、元々少数派の上にリニューアル進行で数少なくなっている1000形未更新車(1254F)でしたので、希少な組み合わせという点ではかなり注目されると思いますが、自動放送装置未設置編成同士の併結になってしまい、長時間陳腐化した車両に乗り続けるとなると辛い気もしますので、出来る事ならリリースで告知している1000形未更新車ではなく、3000形初期車との併結も…とも感じたものでした。

また赤い1000形とは別件ですが、昨日は最新型車両5000形の第2編成(5052F)も運行開始、こちらも早速乗車機会がありました。


製造は第1編成と同じ川崎重工業、見た限りでは番号表記関連以外は特に第1編成と差異はなさそうに感じたものですが、話題性はともかく、乗るなら赤い1000形より快適で有難い存在というのは言うまでもない事です。

陳腐化した1000形ノーマルドア未更新車のリニューアル、並びに同形ワイドドア車代替が早期進行する事を願うと共に、そろそろ箱根登山線小田原~箱根湯本間各駅停車運用車両に動きがあっても…とも感じたものでした。


ダイヤ乱れにより突如運行された「通勤準急 新宿 ゆき」~途中2度の種別変更も

2020-05-27 | 小田急グループ

昨日早朝、小田急線は祖師ヶ谷大蔵駅で人身事故が発生し、この影響で事故現場付近は暫くの間運転見合わせ。

その後7時頃に全線運転再開となったものの、ダイヤ乱れは朝ラッシュ時間帯を直撃し大混乱、特急ロマンスカーと千代田線直通列車の全面運休をはじめ、その他の列車も運休や大幅遅延、種別行先の変更などが多発する状況でした。

小田急線は首都圏屈指の輸送人員を誇る路線だけあり、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中にも、この人身事故の影響で通勤などに影響が出た方も居られるかと思いますが、MAKIKYUも昨日所用で都心方面へ出向いており、この人身事故によるダイヤ乱れの影響を被ったものでした。

ちなみにMAKIKYUが平日朝ラッシュ時間帯に都心方向へ向かう際は、所要時間は快速急行などに比べると長いものの、本厚木か海老名から始発で乗車すればほぼ確実に座れ、混雑率も低い千代田線直通通勤準急を愛用しており、昨日もこの通勤準急を利用したものでした。

ただ人身事故の影響で千代田線直通は中止となっていたため、通常は設定がない「通勤準急新宿ゆき」として運行。


フルカラーLEDの表示幕や車内LCDモニターはきちんとこのイレギュラーにも対応しており、通常ダイヤでは乗り入れる事がないメトロ車両による(小田急)新宿ゆきは異質な光景と感じたものでした。

車内では登戸から先は各駅停車で運転予定という案内があり、その後更に代々木上原から先は急行で運転予定という案内も入りました。


通常ダイヤの途中駅種別変更列車(新宿発だと快速急行小田原ゆき→新松田から急行小田原ゆき、急行唐木田ゆき→新百合ヶ丘から各駅停車唐木田ゆきなど)では、LCDモニター装備車両だと種別変更の旨も案内表示が出るものの、ダイヤ乱れによるイレギュラーな種別変更という事もあり、この表示はなく種別変更駅で表示がいきなり別種別に代わる状況でした。


列車は運行状況次第で種別/行先が変更される場合もある旨も案内されていましたが、車掌案内で事前に伝達された通りの種別変更で新宿まで運行、実態は各駅停車新宿ゆき→代々木上原から急行新宿ゆきで運行されたと言っても過言ではなく、これなら本厚木出発時点で臨時各駅停車新宿ゆきとして運行しても良かったのでは…と感じたものでした。

一応通過駅はあるものの、以前設定されていた区間準急よりも停車駅が多く、こんな運行形態の列車に始発~終点まで乗り通したのは初めてでしたが、ダイヤ乱れの影響で列車詰りが発生し、断続的に駅間抑止なども発生したため、結局始発~終点まで2時間を要し、平時の各駅停車よりも所要時間はずっと長い有様でした。


新宿駅では特急ロマンスカー専用ホームとなっている2番ホームに到着、到着時点で表示は折返しの「回送」に切り替わっているのは少々残念でしたが、それでも日頃姿を現す事はまずない東京メトロ車の姿は新鮮で、この姿を手持ちのカメラやスマホなどで撮影する人物の姿も散見したものでした。

また乗車した車両は車内フリーwifiが使える東京メトロ車だった事(小田急所属の車両でフリーwifi装備は特急ロマンスカーのみ/JR東日本から乗り入れて来るE233系もフリーwifi未装備)と、また学校などは休校が続いているため平時より乗客が少なく、経堂辺りまで空席が散見される状況だったのは幸いでした。


それでも朝からこんなイレギュラーな事態に見舞われると、新宿に就いた途端「疲れた」と感じ、改札脇に置かれていた遅延証明書の遅延時分欄は「90分」にパンチ穴が開いている有様でしたので、昨日のダイヤ乱れは相当と感じたものでした。

メトロ車両による(小田急)新宿入線は、MAKIKYUが乗車した限りでは昨日で3回目、今回は平常ダイヤでの運用差替ではなく、ダイヤ乱れによる運行変更ですので、設定要因自体は喜べるものではありませんが、平時でも何本か(小田急)新宿に乗り入れる運用設定はあっても良いのでは…とも感じたものでした。

ちなみに以前MAKIKYUが(小田急)新宿駅に乗り入れる東京メトロ車両に乗車した際も、その時の様子を取り上げた記事を作成・公開していますので、興味のある方は併せてご覧頂けると幸いです。


16000系 各駅停車経堂ゆき→経堂から準急新宿ゆき (2017年12月)
https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20171201

6000系 多摩急行新宿ゆき (2006年5月)
https://blog.goo.ne.jp/makikyu/d/20060514


先月営業運行を開始した小田急5000形~試乗会などは中止になったものの…

2020-04-21 | 小田急グループ

今年に入ってから中国武漢や周辺の湖北省各市を中心に新型コロナウイルス感染症が流行、これが中国他省をはじめ欧米など世界各地に拡がっており、日本国内でも多数の罹患者発生が報じられています。

日本でも東京五輪延期や各種学校の休校をはじめ、緊急事態宣言発令による不要不急の外出自粛要請なども出るなど、現段階では各種報道で報じられる欧米の惨状などに比べるとマシとは言えども前代未聞の大事となっており、この時勢では何処かへ出掛けたくても…という状況になっています。

当然ながら各種イベントなども軒並み中止か延期、今春華々しくデビューする予定だった新型車両の営業開始前に実施予定だった試乗会や撮影会なども軒並み中止となっており、残念に感じている方も少なくないと思います。

また今春運行開始したばかりの新型車両に乗りに行きたくても、通勤などの所用で利用する路線や近隣の路線はともかく、遠方ともなると外出自粛要請が出ている中で…という事で暫くお預けという方も少なくないと思います。

MAKIKYUも本当は色々外出したいものの…と感じる事が多々ありますが、そんな中でも近隣を走る小田急線は利用頻度こそ減少しているものの、所用などで利用する機会も週数回程度ある状況です。

今春小田急で営業開始したばかりの最新型車両・5000形にも既に4回程乗車しており、この時勢で今は試乗もお預けという方も少なくないと思いますので、以前試運転の様子を取り上げた記事では取り上げる事ができなかった車内の様子を中心に取り上げたいと思います。


外観は試運転時と特に変わる事がなく、前進時に白く光る窓下の飾り灯(後進時は赤色点灯)や既存通勤車の青帯とは異なる濃淡細帯などが大きな特徴で、今までの小田急ステンレス車各形式と異なりステンレス無塗装部分の光沢が強い事もあり、特に鉄道事情に精通している人物でなくても一目見ただけで新車である事を実感できるものです。


最近の鉄道車両では一般的なフルカラーLEDを用いた種別行先表示は、表示器の大きさの割に漢字表記の大きさが小さめで、やや視認性が…という見解をよく見かけますが、今後ROM内容の書換により表示様式が改められる事があるのか否かも気になります。


車内に足を踏み入れると、近年高速バスでは流行しているものの、通勤電車で見る機会は余りないと感じる木目調の床や、裾絞りの幅広車体となった事によりやや幅が拡がった客室などが大きな特徴となっており、こちらも小田急の既存通勤車両とは随分異なるものとなっています。

現在運行している1編成(5051F)は川崎重工業製、天井回りの設計などは同社が近年製造した各地の新型車両と共通する部分も多数見受けられますが、今後川崎重工業以外のメーカーで製造される編成も登場予定となっていますので、他メーカー製でも川重標準仕様が踏襲される事になるのか気になる所です。

ちなみに小田急線に乗り入れて来る東京メトロ16000系も、一部編成は川崎重工業製となっており、川重標準仕様を踏襲した部分が多数見受けられる車両ですので、裾絞りの幅広車体である事と、オレンジ色の座席モケットなどの車内カラースキームを除くと、16000系とそっくりなのでは…と感じる方も少なくないと思います。

個人的には東京メトロ16000系をはじめ、山陽6000系や西鉄9000形など、近年の川重標準仕様を踏襲した新型車両は悪くないと感じており、メトロ16000系の色違いでも出てこないものか…と感じた事もある位ですので、良い意味でメトロ16000系と共通する反面、同系との差異や独自性も見受けられる新車導入は大歓迎と感じています。

座席と窓枠は5000形登場前の通勤型最新形式だった4000形や、同形のベースになっているJR東日本のE233系などを思わせる形状ですが、見た目はよく似ていても座席の詰め物などが異なるのか、4000形に比べると柔らかくなった様にも感じたものです。


四隅の丸みが強い窓枠も、最初は外から見ると4000形やJR東日本E233系と同種なのでは…と思ったものでしたが、よく見るとこれらとは異なり、近年の川重標準仕様をベースに丸みを付けた飾りを設けていたのは、初めて乗車した際に少々意外と感じたものでした。

天井の照明はグローブ付き蛍光灯に近い見付の薄型LEDを用いており、川重標準仕様の天井板も割合見栄えがするものという事もあってか、MAKIKYUが乗車した近年の川重標準仕様車両の中では最も見栄えがする車両に仕上がっており、座席指定料金を収受する他メーカー製の一部車両よりも見栄えが良いのでは…とも感じたものです。


また青色のモケットを用いた優先席は、他のLED蛍光灯を用いている小田急各形式と同様に、この部分だけ照明色が電球色となっており、これは比較的簡単に優先席区画である事を分かりやすくすると共に、優先席位置を変更する際も座席モケット張替と蛍光灯の移設だけで済みますので、これは他社でも拡がらないものか…とも感じます。


車端は一部が優先席になっている他、フリースペースとなった区画も各車両に存在、これは今日の最新型車両らしい部分とも感じ、この区画の床面には車イスマークと共に親子連れをイメージしたピクトグラムが配されています。

 
車端にある製造メーカー/製造年と車番の表記はプレートではなく、今流行のステッカー式となっていますが、4000形や最近のJR東日本の車両などで見られる製造メーカー/製造年と一体になったタイプではなく、ステッカーながらプレートに近いレイアウトになっているのも特徴と言えます。


つり革の吊り輪が○型になったのも大きな特徴、小田急の新造車としては3000形最初期車以来となり、1000形更新車で用いられた薄い水色の吊り輪を用いたつり革の色違いという雰囲気、僅かにオレンジ色になっているのも独自色が感じられ、同色のつり革を用いている鉄道車両は他を探しても…とも感じたものでした。


車両間のガラス製仕切り扉や、ガラスと化粧板を用いた袖仕切りなども、川重標準仕様車両ならではと感じ、メトロ16000系などとよく似た雰囲気ですが、袖仕切りに配した化粧板は床材の木目調とは異なる色合いの木目調になっており、これも悪くない雰囲気と感じたものでした。


先頭車の乗務員室仕切りを見ると、運転席背後は壁となっており見通しが利かず、客室との間に設けられた扉も右端に寄せられているなど、地上専用車ながら地下鉄直通対応車を連想させる雰囲気となっていますが、客室最前部から眺める展望性に関してはまずまずといった所と感じたものでした。

また写真では取り上げる事は出来ませんが、類似点が多く見受けられるメトロ16000系は電動車比率が低く(4M6T)、低い電動車比率で加速性能を確保するためにギア比が高めになっている事から、地上区間における高速走行時(主に小田急線内の急行充当時)の走行音が大きめと感じ、雨天時の地上走行においても空転発生により乗り心地が悪化する事も珍しくない難点を抱えています。(地下鉄線内の各駅停車運用では余り問題になりませんが…)

しかしながら下回りは台車を除くと1000形更新車で実績のあるものを用いている事もあってか、電動車乗車時の高速走行時における静粛性もまずまずと感じ、この点も評価できると感じたものです。

敢えて難点を挙げるとするなら、メトロ16000系や他の川重標準仕様を踏襲した新型車両と同様、白無地の化粧板はやや簡素な印象が否めず、車端部分も化粧板を袖仕切りと同様の木目調にするなり、乗降扉を化粧板張りにしている事も考慮すると、乗降扉部分だけ3000形の様な木目を用いるなどのアクセントを付けても良かったのでは…と感じたものでした。

あとはメトロ16000系には装備されているものの、小田急所属車両では現在特急ロマンスカーのみの装備となっているフリーWifiも今後追設されると有難いと感じたものの、総体的な評価としては100点満点中の90点位は付けられると感じたものです。

現在はまだ1編成のみの活躍で珍しい存在ながら、今後の増備も予定されており、陳腐極まりない1000形ワイドドア車などの代替も進行していくものと思います。

その際は3000形の様に仕様変更が繰り返される事になるのか、それとも4000形の様に大きな仕様変更はなく増備されていくのかも気になる所ですが、今後の小田急を担う通勤車両として末永く利用者に愛される車両になる事を祈願し、記事を結びたいと思います。

そして現在大流行している新型コロナウイルス感染症の蔓延が収まり、外出自粛要請が解除されて沿線外の方が気軽に5000形の乗車目当てで小田急線訪問が出来る日が訪れる事も…


試運転を続けている小田急5000形~もうまもなく営業運転開始予定ですが…

2020-03-15 | 小田急グループ

ここ最近は日本国内だけでなく世界各地で新型コロナウイルス感染症が流行、日本でも学校や行楽施設の閉鎖、各種イベントの中止や船便による定期国際航路の全面運休など、様々な所で大きな影響を及ぼしています。

「MAKIKYUのページ」もMAKIKYUの業務をはじめとした諸事情により最近は各地へ出かける機会も以前よりは少なくなっており、ブログ更新も滞り久々の新記事投稿となりましたが、今日の異常としか言いようがない状況が何時まで続くのか…と感じる方も決して少なくないと思います。

そんな中でももう間もなく新年度を迎える時期と言う事もあり、昨日日本国内ではJR各線をはじめ、私鉄各社の中にもダイヤ改正を実施した路線が数多く存在しています。

特にJR東日本は常磐線富岡~浪江間の復旧、高輪ゲートウェイ駅開業、新型特急サフィール踊り子号運行開始とスーパービュー踊り子号の運行終了、中央線各駅停車の運行系統見直しなど、話題が盛り沢山という感があります。

私鉄では近畿日本鉄道(近鉄)が名阪特急用に導入した新型車両・80000系「ひのとり」が大きな注目を集め、ネット上でも様々な情報が出回っていますが、こちらは評判上々のスタートになった様に見受けられる反面、特急だけでなく一般車両もそろそろテコ入れを…と感じる人物も少なくない様に感じられます。

MAKIKYUの地元を走る小田急線も昨日ダイヤ改正を実施、相互直通運転を実施する各線もダイヤ改正を実施しており、こちらは前記のJR東日本を除くと余り大きな改正とは言えないものの、平日朝ラッシュ時の上り新宿着各駅停車の全面10両編成化や、休日の特急ロマンスカー一部列車における充当車両変更をはじめ、地下鉄千代田線直通列車の担当会社持ち替えなども多数発生しており、日頃小田急線を利用している人物が見れば「少し変わったな」と感じる内容になっているのでは…と感じます。

またダイヤ改正と同時ではないものの、来る26日から久々の新形式一般車両となる5000形の営業運行開始が予定されており、営業運行開始前の試乗会などは世相を鑑みて中止となっていますが、最近MAKIKYUも試運転列車にしばしば遭遇しています。


最近は多摩線で試運転を行っている姿をしばしば目撃、先月後半には開成駅の留置線に停車している姿なども目撃しています。


小田急一般車では久々に拡張車体が復活、側面の車両番号表記が車体中央の窓下に配された青帯下ではなく、車端部の窓上に変更された辺りは、ホームドア設置が進む今日の世相が強く表れた部分。

車体側面の窓下に配された帯は青系を踏襲しながらも1本の太帯ではなく濃淡細帯、前進時は白く/後進時は赤く光る前面の飾り灯もインパクトのあるデザインと感じ、特に鉄道事情に詳しい人物でなくても、一目で他の車両とは異なる存在と感じる車両なのでは…と感じます。

まだ営業運転を開始しておらず、車内の様子はホームから眺めただけですが、最近川崎重工業が手掛けた車両の標準構造を踏襲した部分が多い様に見受けられ、拡張車体である事を除くと、相互直通運転先の東京メトロ千代田線から乗り入れて来る16000系電車の色違いの様に映る人物も少なくないのでは…と感じたものです。

今までの小田急ステンレス車とは光沢のあるステンレス車体や、濃淡2色の帯色などは、小田急ファンの間でも評価が分かれる所だと思いますが、ネット上での評判などを見ても総体的に見ると評価する向きが多い様に感じられます。

甲種回送された直後、初期不良で試運転が暫く中断した事などもネット上で多数報じられていますが、今後予定通り試運転が終了し26日に営業開始となる事に期待したいものです。

また運行開始後に乗車した際は「MAKIKYUのページ」でも是非様子などを取り上げたいと思っていますが、小田急5000形に関する話題をはじめ、国内他社も含め今春のダイヤ改正関連で感じた事などがありましたら、是非コメントもどうぞ。


小田急線・不通区間の代行バス輸送

2019-10-14 | 小田急グループ

今日は鉄道の日、土日祝で3連続と言う事もあり、この3日間には多数のイベント開催なども予定されており、楽しみにしていた方も少なくないと思います。

しかしながら台風19号の襲来で東日本方面を中心に軒並みイベント開催中止、それどころか鉄道各線の計画運休実施、台風通過後には多数の鉄道路線で設備損壊などが生じるなど、非常に芳しくない3連休になってしまったと感じる方も少なくないと思います。

台風被災で運行不能となった線区の中には、復旧の目途すら立たず代行輸送も確保できない所が幾つもある現状は、先日の台風19号が凄まじい台風であった事の一端を示していると言っても過言ではないと思います。

MAKIKYUの地元を走る小田急線も、復旧の目途すら立たない程ではないものの、渋沢~新松田間で設備損傷が発生、秦野~新松田間は16日まで運転見合わせとなり、17日初電から復旧予定である事が公式発表されています。

現在不通となっている秦野~新松田間では、JR線などへの振替乗車実施をはじめ、代行バス運行も行われており、今日MAKIKYUもこの代行バスに乗車機会がありました。

代行バスは秦野駅~渋沢駅~新松田駅間を一般道路経由・各駅停車で運行する1系統のみで、秦野駅~新松田駅間直行便の設定は見られない状況でした。
(その気になれば高速道路経由で直行便を設定、所要時間短縮や車両稼働率向上を図る事も不可能ではない気もします)

駅間距離が比較的長い区間とはいえ僅か2駅、バス運行区間は片道10㎞強程度にも関わらず、充当車両は路線型車両ではなく貸切車ばかり、また松田駅近くのJR御殿場線ガード下(高さ制限3.7m)を通る事もあり、ハイデッカー車ばかりという状況でした。

片道10㎞強の運行とは言え、運行経路となる国道246号は少々混雑、ノロノロ運転が続き秦野駅~新松田駅間で片道50分程度を要しましたので、小田急線が動いていないと如何に不便であるかを痛感すると共に、座席グレードはともかく座れないと少々厳しいとも感じたものでした。


ちなみに代行バスの運行事業者は小田急グループに属する箱根登山観光と神奈中観光の車両を何台も目撃、MAKIKYUが乗車したバスも箱根登山観光の日野車でした。

 
小田急グループ以外の貸切事業者車両も多数見受けられ、地場の丹沢交通をはじめ、神田交通やフロンティア観光の車両なども運行していました。

また小田急線は秦野~新松田間が不通となっている事から、新宿方面からの電車は秦野止まりで運行、特急ロマンスカーは全面運休となっています。

 
秦野駅折返容量の関係で昼間の秦野発着は快速急行が20分毎の運行、急行は伊勢原発着での運行となっており、伊勢原~秦野間一般列車は平時の半分程度。

新松田~小田原間も各駅停車のみの運行となっており、代行バス運行区間に比べればまだマシとは言え、伊勢原以西の小田急線は少々不便とも感じたものでした。

小田急線不通区間復旧工事が予定通り進み運転再開される事を願うと共に、それまでの間に運行する代行バスも事故などのトラブルなく運行完遂する事を祈願し、今日の記事を結びたいと思います。


東海バスオレンジシャトル「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバス4号車

2019-06-30 | 小田急グループ

先月末~今月にかけては、個人的な事情でブログ更新もできず、またプライベートでのお出かけなども余り…という状況。

まだ夏休み期間の具体的な計画は立てていないものの、来月下旬には現在の業務もひと段落する見込みですので、出来る事ならお盆期間とその前後を中心に何処か遠出でもできれば…と思っています。

そんな状況ですので、今月は神奈川県と東京都以外の地域へ足を運んだのは、これまた神奈川県と隣接する静岡県程度で、私用で様々な所へ出向く事が多いMAKIKYUにしては、珍しく遠出の少ない月になりました。

静岡県の訪問箇所もMAKIKYUの居住地から割合至近、三島や沼津などの都市がある東部のみですが、近年沼津周辺はアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になった事もあり、アニメ本編の放送が終了した今日においても、ラブライバーとも称される多数の同アニメファンが「聖地巡礼」と称して訪問している状況です。

沼津周辺の交通機関でも「ラブライブ!サンシャイン!!」のキャラクターをデザインしたラッピング電車やラッピングバスなどが幾つも運行中、その中の幾つかは既に「MAKIKYUのページ」でも取り上げており、先月中旬には既に3台の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスを運行している東海バスオレンジシャトルで4台目のラッピングバスが運行を開始しています。

東海バスオレンジシャトルの「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスは今まで一般路線用の中型車がラッピング対象、当該車両は沼津駅を起点に「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になっている内浦地区へ向かう路線(西浦線)と、今年初頭に公開された「ラブライブ! サンシャイン!!」劇場版に登場する我入道地区を循環する路線(我入道循環)を中心とした固定ダイヤでの運行となっています。

4台目も西浦線や我入道循環に導入…と言いたい所ですが、先月運行開始した4台目の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスは一般路線車ではなく高速乗合用。

高速乗合用の「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスは既に富士急グループで運行中ですが、東海バスグループ高速乗合バスにおける「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスは先月運行した車両が初めてとなります。


内浦地区では高速乗合バスの運行自体が皆無、また東海バスグループの高速乗合バスで沼津駅発着路線も存在しないため、バスタ新宿~三島駅~大平車庫(東海バスオレンジシャトル沼津営業所)間を結ぶ「三島エクスプレス」の一部便に用いられており、この車両が三島駅を発着する際に駅周辺に居合わせた際、姿を撮影する事もできたものでした。

 
「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場する9名の主要キャラは、3台の一般乗合車と同じく公式側(客ドア側)に4名、非公式側(客ドアとは逆側)に5名が描かれており、高校1年生の3名は全て公式側、一方高校2年生の3名は全て非公式側に配置されており、この配置には何かの拘りやルールでもあるのか…と感じる方も少なくないかもしれません。


路線性質上沼津市内で乗降する乗客は余り多くないと推測されるものの、一応起終点となっており車両が所属する大平車庫は沼津市域に位置する事もあり、「Aqoursは沼津にいます。」という沼津をPRする謳い文句も記載されており、東京都心へ乗り入れた際の沼津宣伝にも一役買う存在になっています。

静岡県東部~東京都心を結ぶ高速乗合バスは、静岡県側の居住者が東京都心に出る事を主眼としたダイヤとなっており、特に「三島エクスプレス」はこの傾向が非常に顕著な路線です。

富士急グループが運行する「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスも静岡県東部~東京都心間を結ぶ路線で運行中ですが、こちらとは静岡県東部方・東京都心方双方の発着停留所をはじめ、運行時間帯や車種なども対照的なのは興味深い所です。

三島駅周辺の某飲食店に入店した際に店員の方と少し話をする機会があった際には、「今度の(「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピング)バスは富士急と違って使い易い時間帯で嬉しい」という話も出た反面、余所から三島や沼津などへ日帰りで出向く際には使い難い状況ですので、ラブライバーの方々からの評価も大きく分かれる所だと思います。

静岡県~東京都の中間に位置する神奈川県に身を置くMAKIKYUとしては、近隣を通過するとはいえ神奈川県内での途中乗降ができず、静岡県のみでの区間乗車もできない三島エクスプレスは、余程の理由でもない限りまず利用する事は…と言う状況ですが、MAKIKYUの周囲は熱烈なラブライバーもおり、このラッピング車運行も大歓迎していましたので、乗車の暁にはその際の感想なども伺えれば…と感じたものでした。


(お断り)
MAKIKYUは熱心なラブライバーではありませんので、コメント等でラッピング車両以外の「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の話題などを記された場合、対応できない事もありますのでご了承下さい。

 

 


小田急電鉄・5000形登場を発表

2019-04-28 | 小田急グループ

一昨日(26日)付けで小田急電鉄が一般車両の新型車両・5000形登場を公式リリースなどで発表、ネット上のニュース記事などでも多数取り上げられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中でも、この事をご存知の方が少なくないと思います。

またMAKIKYUは現在小田急沿線に在住、日頃通勤や所用などで小田急線を頻用する身ですので、非常に気になる話題と感じています。

近年導入された3000形や4000形などの一般車両も、製造初年度から起算すると10年以上を経過しており、小田急の車両導入傾向を考慮すると、そろそろ新形式が出ても…と思っていただけに、「やっぱり新形式が出て来るか」という印象です。

新形式導入の発表が一昨日になったのは、今冬に相鉄~JR直通が開始され、今月JR直通向け新型車両も稼働開始した事で、小田急もこれに負けない話題を…と意図したのか、それともまもなく平成から令和に時代が移り変わる寸前で、新たな時代の小田急に期待を持たせようと意図したのか…とも感じられ、発表タイミングはただの偶然ではなく色々な事情を意識して一昨日にした可能性が非常に高そうな気がします。


全体的に丸みを帯びた印象の新形式5000形外観は、前面形状を見ると最近の中国地鉄車両などに類似した印象、小田急ロゴがなければ中国の地鉄新型車両と言われても驚かない様な雰囲気と感じます。

装いは無塗装ステンレス+窓下に青帯ながら、青帯は塗装車時代の旧5000形から続く太帯ではなく、濃淡の細帯となったのは少々意外で、この辺りは小田急利用者やファンの間でも評価が分かれるのでは…という気がします。

リリースの構想図では側面の種別/行先表示器が描かれておらず、小田急の路線性質などを考慮すると、さすがに種別/行先表示器なしで登場するのは考え難い気もしますが、3000形3259F以降の様な大型表示器を装備するのか、4000形などの様な比較的小型の表示器を装備するのか、それとも間を取って1000形更新車などで用いているサイズの表示器を装備するのかも気になる所です。


車内は白基調の化粧板にオレンジ色の座席モケット、既存小田急車とは随分雰囲気が変わり、新たな時代の車両である事を強くPRする意図があるのでは…とも感じます。

とはいえ構造的には裾絞りの拡張車体である事を除くと、小田急線にも乗り入れる東京メトロ16000系をはじめ、それ以外でも山陽電鉄6000系や西日本鉄道9000形など、川崎重工業が近年製造に関与した新形式一般車両の標準設計と感じられる部分が多々見受けられる印象。

特に東京メトロ16000系は小田急線利用者の中では馴染みある車両の一つと感じている利用者も少なくないと思われるだけに、つり革などのパーツ類と拡張車体である事を除くと、メトロ車両の色違いと捉える向きも少なくないのでは…と感じますが、LEDを用いた車内照明がどの様な形状で出て来るのかが非常に気になる所です。

ちなみに5000形は今年度10両1編成、その後来年度に10両5編成登場が告知されており、その後の増備が続く可能性も大いに考えられますが、1編成導入時点では既存車両の更新や編成組替などによる運用離脱分の予備車確保程度に留まるのでは…という気もします。

しかしながらその後50両も登場となると、これが全て増発増結用に充当される事は考え難く、来年~再来年頃に1000形ワイドドア車の運用離脱が相次ぐ可能性がかなり高いと思われ、8000形直流電動機使用車両(6両2編成)の代替話が出ても不思議ではない気もします。
(外観が不格好なだけでなく、設備的にも陳腐なワイドドア車代替は大賛成ですが、個人的には8000形直流電動機使用車両はもう少し活躍して欲しいと思っています)

それ以外の車両でも8000形VVVF改造車や、1000形ノーマルドア未更新車の更新計画変更で5000形代替などの話が出るのか否かも気になる所ですが、5000形の実車が登場・稼働開始した暁には是非一度乗車し、その際の様子なども取り上げる事ができれば…とも思っています。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、5000形登場リリースを見て感じた事などがありましたら、コメントをお寄せいただけると幸いです。


(お断り)この記事で用いている構想イラストは、ネット上のニュース記事で公開されていたものを用いています。


小田急・ダイヤ改正前に稼働開始した3083F~中間車の中には…

2019-03-15 | 小田急グループ

明日JR旅客各社をはじめ、日本全国各地の鉄道でダイヤ改正を実施、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、日頃利用している路線で明日からダイヤが変わるという方も少なくないと思います。

その中には昨年複々線化事業完成に伴う大規模ダイヤ改正を行い、MAKIKYUの地元を走る小田急線も、JR2社と直通運転を行っている事もあり、当然ながらダイヤ改正対象路線の一つとなっています。

昨年の抜本的なダイヤ変更に比べると変動は少ないものの、代々木八幡・開成両駅のホーム延伸(10両編成停車対応化)に伴う動きが主な事柄として挙げられ、他にも一部列車の時刻変更による有効本数増をはじめ、東京メトロ千代田線北綾瀬駅10両対応化工事完成に伴い、同駅発着列車の設定(少数ながら小田急車両による運行もあり)なども、今回のダイヤ改正における変更点と言えます。


10両編成の所要数増に対しては、既存3000形8両編成への増結車(2両)組込と改番によって対処しており、既に昨年第1陣の3081Fが登場、そして今年初頭には第2陣の3082Fが登場していますが、これに加えて数日前から3083Fが稼働を開始、早速乗車機会がありました。

3000形は6両編成の中で新しい編成(5本)に中間車4両を組み込んだ10両編成(3091F~3095F)も5本存在、こちらは(現段階では)青帯の色が異なりますので、番号を見なくても元6両編成と元8両編成のどちらなのかを識別する事は比較的容易ですが、後に新造され増結された車両は、元6両編成だと4~7号車、元8両編成だと2・3号車になっているのも大きな特徴です。

 
その中でも後者(元8両編成)に増結された車両は、座席の改良による軟質化をはじめ、手すりの滑り止め加工実施、蛍光灯のLED化(優先席付近は電球色)などの変更点が存在し、残り8両の蛍光灯はLED化未実施ですので、新たに増結された車両は一目瞭然と言っても過言ではない状況になっています。

ちなみに3000形8両編成は15本導入、その中でも新しい3664Fと3665Fの2本のみ行先表示がフルカラーLEDとなっており、この2編成は真っ先に増結車2両組込で改番、先述の3081Fと3082Fとして運行中ですが、数日前に稼働した3083Fは行先表示が3色LEDの編成に増結車2両を組み込んでおり、3000形3色LED装備車両への増結車組込は3083Fが初めてとなります。

3000形も初期の編成は導入から15年以上が経過、6両編成の初期車では3色LED→フルカラーLEDへの換装も進行中ですので、編成全体でフルカラーLEDに統一するのでは…とも推測していましたが、予測は見事に裏切られ増結車2両のみフルカラーLED、それ以外の8両は3色LEDというちぐはぐな状況になっています。

この姿が何時まで見られるのか、また今後増結車2両を組み入れて8両→10両化される各編成も同様の姿になっていくのかも気になりますが、6+4両などで前後のLED表示が異なるのはまだしも、10両固定編成内では編成毎にどちらか一方で統一できなかったのだろうか…とも感じたものでした。


また3083Fでは新たに組み入れられた増結車ではないものの、改番された既存車両の中に「3333」番(4号車)が登場しています。

3000形6両編成の増備進行中は33本目の登場を期待しながら、32本で打ち止めになりゾロ目登場が…と感じた小田急ファンも少なくないと思いますが、3000形登場時には推測しなかった形での「3333」番が、運用開始から17年を経て実現したのも興味深いもので、今後も暫く続く事が見込まれる3000形8両編成の増結・改番にも注目して行きたいと思っています。


小田急ファミリー鉄道展2018(+α)

2018-10-20 | 小田急グループ

今日(20)と明日(21)2日間、小田急電鉄では毎秋恒例の海老名車両基地公開イベント「小田急ファミリー鉄道展」を開催、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で足を運ばれた方も居られるかと思います。


MAKIKYU
も今日会場へ足を運んだ一員ですが、今年(2018)の車両基地公開では、7月に定期運行を終了した特急ロマンスカー・7000LSEのフル編成最終公開が目玉となっており、ファミリー鉄道展の告知広告(写真)と同様、前面の愛称表示は「さがみ」となっていました。

   
先頭車前面は立入できない様に多少空間を空けてあり、比較的撮影し易い状況だったのは評価できると感じたもので、側面はLAST RUNロゴ付のままでの展示でした。


また毎年車両基地内から留置車両を撮影でき、裏展示と言っても過言ではない状況が展開されますが、こちらは箱根登山線内運転用の赤い10004両編成が割合撮影し易い状況で留置されていました。

車両基地内での展示はLSEという大目玉のラストと言う事もあり、それ以外は保守用車の展示・実演、あとは各種物販でこの辺りは例年と大差ない状況と感じたものでした。

小田急は今後海老名に建設予定のロマンスカーミュージアム収蔵が発表されている特急車だけでなく、一般車の保存車両も複数両非公開保存していますので、今後これらを年替わりで公開展示する事は出来ないのだろうか…とも感じたものでした。

またファミリー鉄道展とは直接関係ありませんが、今日は江ノ島線の終点・片瀬江ノ島駅周辺で花火大会が開催、これに伴う臨時列車も複数設定されており、その中には6両で運行の江ノ島線内臨時快速急行も一本設定、大和駅でその姿を見る事もできました。


充当車両は6両編成運用では最もありふれた存在の3000形防音カバー試験車以降の行先表示3LED編成、他列車に比べて混雑率が高い様に見受けられたものでした。

 
大和駅の案内表示と放送は「快速急行(Rapid Express)」ではなく「臨時快速急行(Extra Rapid Express)」として案内されていたのも印象的で、日頃定期運用では見る機会のない6両快速急行の姿を一目見ようとする人物も数名見受けられたものの、この列車はファミリー鉄道展の陰に隠れ余り目立たない存在の様にも感じられたものでした。


取手→伊勢原・1都3県に跨る3社直通列車に乗車

2018-07-27 | 小田急グループ

今月小田急では特急ロマンスカー・7000LSEが定期運転を終了する事が大々的に報じられ、MAKIKYUも定期運転最終日に同形へ乗車機会がありましたが、個人的には小田急線と言えばロマンスカーも悪くないものの、興味対象としてはよく利用する一般車の方が…という状況です。

また今春の小田急線ダイヤ改正では複々線化事業完成により、朝夕のラッシュ時間帯をはじめ、それ以外でもダイヤは大きく変わっていますが、車両面での大きな動きは特急ロマンスカー・70000GSE1編成が運行開始&LSE1編成が運用離脱→その後今月第2編成も営業開始し残るLSE1編成が定期運転終了したのが大きな動きと言える一方、一般車両は代替が一段落している事もあってか、特急車に比べ大きな動きは見られない状況です。
(
一部編成におけるLED行先表示のフルカラー化など、微細な変化はありますが…)

しかしながら今春のダイヤ改正では、運行体系の改編で注目と言える列車が幾つも存在、その中でも気になっていた列車の一つが記事タイトルにある取手→伊勢原の3社直通列車です。

この列車の運行区間はJR常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線の3線、運行区域も茨城県~千葉県~東京都~神奈川県の13県に跨っており、この4都県に跨って走る3社直通列車自体はダイヤ改正前から存在していましたが、地下鉄千代田線直通列車の運行区間延伸により初めて小田急線内を走る定期一般列車としては初の運行距離100㎞越えとなっています。
(
特急ロマンスカーの片道100㎞超は既にダイヤ改正前から存在していますが…)


終点がMAKIKYUの現住地・伊勢原市内という事もあり、ダイヤ改正時から存在は非常に気になっていたものの、始発駅の取手駅(写真)やその周辺へ足を運ぶ機会は限られる事もあり、全区間乗車は暫くお預けという状況が続いていましたが、一月程前に取手周辺へ足を運ぶ機会があり、その帰りでようやく乗車できた次第です。

この取手→伊勢原の直通列車は、千代田線直通列車の小田急線内上り営業運行区間が最遠でも本厚木まで(伊勢原→本厚木は回送のみ)、またJR常磐緩行線の取手~我孫子間の運行が原則として朝夕の一部列車に限られている事もあり、平日ダイヤ西行2本のみの運行となっています。

JR
常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線の3社直通列車は、以前は旧営団地下鉄→現東京地下鉄(東京メトロ)車両のみでの運行でしたが、2016年春以降は3社の車両が用いられており、そうなると取手→伊勢原の直通列車も3社の車両が…と言いたい所ですが、西行2本のみという事で取手18時台発の列車は東京メトロ車両、19時台発の列車は小田急車両での運行となっています。

千代田線直通列車は、輸送障害発生などでダイヤが乱れた際に運用変更される事も時々ありますが、基本的にJR車両での取手→伊勢原直通運行は存在せず、今後のダイヤ改正などでJR車による取手→伊勢原直通運行が設定される事があるのか否かも気になる所です。


ちなみに先月MAKIKYUが乗車した取手→伊勢原直通運行列車は、取手18時台発の1本目の列車でしたが、取手駅は一時期の所用先から比較的近く、何度も利用した事がある駅ながらも、同駅の発車案内で「伊勢原」の3文字が表示されている姿は新鮮に感じたものでした。

 
ホームに降りると、既に所定の東京メトロ車両が「伊勢原」表示を出して停車中、車両自体はよく利用する事もありお馴染みの存在です。


日頃よく利用する小田急線や地下鉄千代田線内では「急行」の種別を表示する列車も、JR常磐緩行線内は各駅停車として運行するため、取手出発時点では「各駅停車」表示となっています。
(JR
常磐緩行線~地下鉄千代田線~小田急線直通の伊勢原行列車は、一部小田急線内準急や各駅停車で運行する列車も存在しますが、取手→伊勢原直通運行の2列車は共に小田急線内急行です)


車内に入ると、ドア上のLCDモニターは「伊勢原」の行先と共に「各駅停車」という種別と「千代田線直通」である事が大々的に表示されている一方、小田急線内の種別に関しては「各駅停車」表示の下に小さく「小田急線急行」と表示されているのみで、3社直通利用に関しては余り考慮していない様にも感じられたものでした。

列車が取手を出発すると程なく利根川を渡り千葉県に、小田急線内発着列車が茨城県内を走るのはほんの僅か、また2駅目の我孫子は小田急線直通列車の発着も多数あり、我孫子以西での乗車はありふれたものとなります。

 
JR/東京メトロの乗務員交代駅になっている綾瀬で種別変更、急行伊勢原行に変わると後はいつもの電車と言った雰囲気、その後代々木上原から小田急線に入り1時間程急行として運行すると終点の伊勢原に到着、2時間強の道程はここで終わりとなります。


MAKIKYU
がこの電車に乗車した日は定期券などを所持していなかった事もあり、JR普通乗車券+東京メトロ普通回数券を予め乗車前に用意、小田急線内乗車分(代々木上原~伊勢原)を手持ちのICOCAにチャージ済のSF残額から精算する事を考えていました。


そして伊勢原駅で取手駅からのJR線乗車券を精算機に投入したら、直通列車運転区間内の磁気券にも関わらず「精算機のご利用ができません」と表示される状況。

そのため係員窓口に出向き
2枚の乗車券とICOCAを差し出して係員処理を依頼しましたが、ここでも係員がJR乗車券+東京メトロ回数券の2枚を処理機に投入したら、2枚の乗車券区間が連続しているにも関わらずエラーが出る始末。

 
結局係員が小田急線内利用分を手入力でICOCASFから減算、精算証を渡されて出場となり、駅を出たら見慣れた光景が拡がる状況でしたが、JR側・小田急側共に3社直通利用は余り考慮しておらず、それぞれの路線から千代田線直通列車を設定したら、運用上の関係で3社直通が出来上がっただけという印象を受けたものでした。

またJR区間は快速線と並行する緩行線を運行、各駅停車として運行する事で千葉県内(特に柏以東)や取手からの速達性が劣る上に、一部で「綾瀬問題」などとも言われる複雑な運賃計算ルールの存在(利用区間や所持乗車券の種類によって、JR/東京メトロの運賃計算境界駅が変化)なども存在します。

特にPASMOなどの交通系ICカード1枚でSF残額を利用しての利用ともなれば、一旦綾瀬駅で改札を出場し再入場する場合、1本後の列車を利用する事になり、綾瀬駅で一旦出場しないと大損する事がしばしばというのは非常に厄介と感じます。
(
もしこの問題に関心があり内容が理解できないという方は、経路検索で日比谷~柏/日比谷~綾瀬/綾瀬~柏の3区間を検索してみて下さい:他にも同種事例は多数あり、メトロ側発着駅が日比谷でJR側発着駅は松戸・我孫子・取手などでも同種の結果になります)

そのため車両は直通運行していても、敢えて綾瀬での途中下車を勧める状況になっている有様ではなかなか3社直通利用する気にはなれず、MAKIKYUが乗車した列車でも綾瀬と北千住の2駅を跨いで利用する乗客こそ多々見受けられたものの、JR線~小田急線の3社跨ぎ利用自体が少ないのでは…と感じる状況でした。

これでは取手→伊勢原を移動する場合でも、直通列車を利用して乗換なしの1本で…という選択は難しいと感じたのは残念で、今後3社直通列車の運行を活用した企画乗車券類の設定をはじめ、各種宣伝企画などの利用喚起策があっても…と感じたものでした。


今日で定期運行終了の小田急7000形・LSE~最終日に乗車機会も

2018-07-10 | 小田急グループ

MAKIKYUのページ」でも数日前に取り上げた小田急7000形・LSE、今日で定期運行終了となりましたが、ニュースなどでも大々的に報じられていますので、鉄道事情に詳しい方でなくてもLSE運行終了に関してはご存知の方も多いと思います。

ネット上でもLSE定期運用最終列車・ホームウェイ83号の最終目的地到着(通常は藤沢:今日に限り片瀬江ノ島まで延長運転)放送を記録した動画が公開されるなど、最終日は最後まで事故や輸送障害などに巻き込まれずに無事運行を終了、有終の美を飾ったのは小田急ファンの一員としては幸いな事と感じています。


上記文言の通り、MAKIKYULSE定期運用最終列車・ホームウェイ83号には乗車していませんが、今日のLSE充当列車に乗車機会もあり、さすがに当日だと他車種充当列車は空席が多数ある状況でも、LSE充当列車に限っては発車まで暫く時間がある状況ながら空席「×」でした。


LSE
乗車前には箱根登山線沿線にも足を延ばし、登山線内を走るLSEの姿も撮影する機会がありましたが、2階の運転席には花束が置かれているのも確認でき、定期運行最終日ならではの雰囲気を感じたものでした。

そしてMAKIKYUが特急券を確保できた列車(はこね号)に乗車すると、特急ロマンスカー他車種と異なり自動放送は流れないものの、運転士の方から乗客に向けての案内放送も流れ、LSEは最新の車両に比べると運転には苦労するものの、一方でやりがいもある車両だった事などを語られていたのも印象的でした。

 
乗車した車両は5号車、先月乗車した10号車とは座席モケットが異なっており、青系モケットの座席は赤系に比べると草臥れた印象を感じたものでした。


MAKIKYU
の指定座席は今日もまた通路側、座席下の足元空間が詰まっており狭く感じてしまうLSE乗車ならお約束と言っても過言ではないポジションですが、隣の窓側席乗客は発車直前に乗り込んだ事もあり、発車前に窓側席の折畳式テーブルを開き、こんな事が出来るのも今日限りだな…と思いながらLSE実車の中で150分の1模型(同型ながら車番違い)を撮影したものでした。

車内はラストラン目当てでLSE充当列車を指名買いしたと思われる人物が過半数を占めているのでは…と感じられる状況、そして途中駅通過時には多数の小田急社員がLSEに手を振っており、昼間はかなり暑い状況にも関わらず、沿線各地でカメラを構えた人物の姿も多数見受けられるなど、いつもとは違う特別な列車に乗車している雰囲気を強く感じたものでした。

 
車内では車掌が巡回時に今日限定の記念乗車証明書を配布、サイズはGSE運行開始初日と2日目に配布したものと同等の両面印刷でした。


この乗車証明書は車掌が
LSE塗装&ラストランロゴ付の専用紙袋(許可を得て撮影)内に入れて持ち運び、この紙袋から取り出して配布しており、GSE運行開始の際は専用紙袋などは見かけなかっただけに、わざわざ専用紙袋を用意する辺りは相当な力の入れようと感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUが今日LSEに乗車したのは、座席確保可能な区間が限られる状況だった事もあり特急料金300円区間、そのためLSE乗車時間も短くあっという間でしたが、乗車区間の乗車券に加えて期限が迫るOPポイントを300円分充当しただけ(現金支出なし)LSE定期運行最終日の乗客として最後の活躍に触れる事ができ、乗車証明書もGETで来たのは非常に幸いと感じています。

また今となってはレトロな雰囲気を堪能できる一方、車内設備などは後進車両に比べると見劣りが否めず、機器類なども古く運用面でも難ありという状況ですので、小田急の特急ロマンスカー史上最長の活躍となった事も踏まえると、ボロボロになるまで使い潰し惨めな最期を迎えるよりは、車齢も考慮するとその前に有終の美を飾った方が…とも感じます。
(LSEより数年前に製造開始、LSEと同型式を名乗り11年前程に全廃となった首都圏の標準軌某中小私鉄通勤車は、老朽化や手入れの悪さで内外が荒廃した状況と感じた事に加え、定期運行最終日前日に乗り合わせた際は一部貫通路が故障して使用不能になっていたなど、凄惨な最期だったのが印象的でしたー「MAKIKYUのページ」で取り上げた該当記事をご覧になりたい方は、こちらをクリックして下さい)

営業運転から退いた後も全車解体ではなく、今後海老名に開館予定の小田急ロマンスカーミュージアムで一部車両が展示予定となっており、
小田急側も公式に「ロマンスカーミュージアムで再び…」とアナウンスする状況は、今日のLSE定期運行終了を前向きに捉えられる大要因になっている気もします。

海老名にロマンスカーミュージアムが開館した暁には、同館で再び
LSEに対面すると共に、既に退役したロマンスカー他車種と並ぶ姿を見学し、そして「MAKIKYUのページ」でも取り上げられたら…という事で、LSEラストラン関連記事を締めさせて頂きたいと思います。


まもなく終焉を迎える特急ロマンスカー・7000形LSE

2018-07-06 | 小田急グループ

今春小田急線は社運を賭けた代々木上原~登戸間の複々線化事業が完成、これに伴う大規模ダイヤ改正と共に新型特急車・70000GSEも華々しくデビューし、注目を集める存在になっています。

一方ダイヤ改正と共に引退するのでは…と一部で推測されていた古参特急車・7000LSEも残存、それどころかダイヤ改正で新設された「モーニングウェイ」へ充当されて注目を集めていますが、70000GSE2編成導入により車両代替となります。


先月後半からは現在活躍中のLSE1編成の側面にLAST RUNステッカーを掲出、また小田急線中吊り広告などでもLSE引退に伴うイベント告知などを実施しており、いよいよラストランである事を改めて実感させられ、今月10日を最後に定期運転から離脱、その後臨時列車などに充当し今年度中に退役する事も公式発表されています。


小田急線駅構内では「運行期間も残りわずか、ぜひこの機会に皆様のご乗車、お待ちしております!」「2021年春、海老名にオープン予定のロマンスカーミュージアムで、またお会いしましょう!」と謳った告知も見受けられ、なかなか上手い告知を製作したな…と感心させられたものでした。

また先月某日には丁度LSE運行予定時刻に都心方面から帰宅する日があり、当日LSEで運行する列車の空席状況を照会したら、さすがに目玉の展望席は満席。


ただ一般席通路側には空席も散見される状況でしたので、今月限りで有効期限が到来するOPカードのポイント消化も兼ねて特急券を購入、久々にLSEにも乗車したものでした。
(
ちなみにMAKIKYUが乗車した列車は、発車10分前位には休日ダイヤ運行日ながらも「満席」となり、乗車後の車内でも満席で座席変更できない旨が案内されていました)

ちなみに特急券の購入は、OPカードのポイント充当という事もあり券売機を利用、券売機の画面には充当車両アイコンも表示されますが、LSEアイコンは現在の塗装ではなくリニューアル時に変更された赤と白の装いになっていたのも大きな特徴と感じたものでした。

 
そして新宿駅で発車時刻が近づき、LSEが入線するとカメラを構えている人物も相当数、かなりの注目を集めている事を改めて実感させられたもので、先頭車だけでなく側面のLAST RUNステッカーを撮影する人物も多数見受けられたものでした。


入線後も車内整備のため乗車はしばらくお預け、そして車内整備が終わり車内に入ると、一時期のロマンスカーでは当たり前だったものの折戸を用いた客扉が目を惹きますが、これも今ではLSEのみとなっており、この折戸も小田急線ではもう間もなく見納めとなります。

客室に足を踏み入れると、EXE以降の平成時代に製造された他の特急車とは大違い、リニューアルを経たとはいえ今となっては年季を感じさせられますが、LSEと比べても遜色が否めない有料特急用車両が、首都圏他社では今日でも幾つか見受けられるのはさすがに…とも感じます。


座席モケットは赤系統(写真)と青系統の2色が編成内で混在、座席回転時は背もたれを前に押してから回転させる方式となっており、今ではこのタイプの座席も随分少なくなった気がします。


今日では当たり前の装備ですが、特急ロマンスカーでは初めてリクライニング機構を装備、金属バーによる簡易型の足掛けも、今日の特急ロマンスカーではLSEのみの装備になっています。

座席シートピッチは970㎜、現在の特急ロマンスカー他車両は983㎜~1000㎜ですので、若干狭い程度でスペック的には他車両と大差なく、同年代の国鉄特急普通車などと比べれば優秀な部類に入るかと思います。


しかしながら特急ロマンスカー他車両とは異なり、座席下の足元空間が詰まっていますので、日頃座席指定列車では窓側席を選ぶ事の方が多いMAKIKYUも、LSEに関しては足元が窮屈と感じてしまう窓側より通路側の方が良いと感じてしまうのは難点です。

近年では一般車両も含め標準的な装備になっているLED文字案内やLCDモニターによる次駅表示、英語なども含めた多言語による自動放送装置も、現在の特急ロマンスカー各車両の中では唯一装備されていないなど、久々に乗車したLSE、外観・車内共に良くも悪くも昔ながらの特急ロマンスカーを感じされられる面が多々あると感じたものです。

歴代特急ロマンスカーの中では製造初年~定期運転終了までの期間が最長の車両になり、後進に比べて陳腐化も否めない状況では、現役引退も止む無しかと思います。

とはいえ社運を賭けた複々線化事業完成後に最後の活躍舞台が用意された事に加え、ロマンスカーミュージアム建設・同館での一部車両保存も発表されたのは非常に喜ばしい話で、今後ロマンスカーミュージアムが開館した後は是非足を運んで再会出来れば…と感じています。

LSE
の定期運行は今度の週末(土・日)2日間と、定期運行最終日の10()の残り3日間、充当予定列車の大半は座席指定の特急券も売り切れとなり、これから乗ってみようと思ってもなかなか…という状況ですが、最後まで大きな問題などが生じる事なく走り続け、有終の美を飾る事を願うばかりです。

MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もLSEに乗車した際の思い出話などがありましたら、コメントもどうぞ。


退役が正式発表された小田急7000形・LSE&リンク先サイト追加のご案内

2018-05-31 | 小田急グループ

小田急電鉄では一昨日(5月29日)付で特急型車両7000形・LSEの退役を正式発表、既に公式HPをはじめネット上でも多数取り上げられていますので、ご存知の方も少なくないと思います。


7000形は小田急現役車両の中では最古参の部類に入り、設備面でも足元の狭い座席をはじめ、LED文字案内やLCDモニターによる車内案内表示装置や自動放送装置などを装備していない事など、様々な点で現代の水準に見合う車両とは言い難くなっているのが現状かと思います。

製造時期が後年の10000形Hi-SEと20000形RSEも小田急線内では全廃になっていますので、遂にこの時が来たか…という心境ですが、小田急が社運を賭けて実現させた複々線化事業完成後も少しの間だけとはいえ営業運行に用いられ、今春登場した「モーニングウェイ」への充当も行われたのは奇跡的と言っても過言ではない気もします。

ちなみにLSEの後継となる70000形・GSEは既に一編成が今春のダイヤ改正に併せて導入、もう一編成が7月に営業開始すると共にLSE定期運用撤退、その後臨時列車などへ充当した後退役と発表されています。

今春のダイヤ改正に併せての引退ではなく7月まで運用する事にしたのは、GSE製造都合などによるたまたまの偶然なのか、それとも今春ダイヤ改正時の話題作りや、今月発表されたロマンスカーミュージアム展示の目玉として注目度を上げるために、意図的に退役時期をずらしたのかも気になる所です。

またMAKIKYUは昨年小田急沿線に移住、以降は小田急線利用機会も非常に多くなっていますが、特急ロマンスカーへの乗車機会自体が少ない事もあり、小田急沿線移住後はLSEの姿を見る機会は多いものの、乗車機会はまだ一度も…という状況です。

7月末で利用期限を迎える小田急OPカードのポイントも残存していますので、都心方面への所用帰りなどに丁度良い時間のLSE充当列車で空席があれば、退役前に一度新宿→町田・相模大野辺りで一度惜別乗車しても…思っています。

LSE全廃となると、昭和時代に製造された小田急の旅客車両は8000形(と1000形の一部)のみとなり、個人的には登場時期が近い8000形(一般車両)などの方が思い入れのある車両ですが、8000形は更新工事施行で一部編成を除き下回り換装も実施、長期活躍も見込める状況かと思いますので、こちらの末永い活躍にも期待したい所です。


あと小田急線関連とは別件になりますが、本日付で新たに「モビリティの未来を考える」(NaCl様)へのリンクを設定致しました。

URLは以下の通りです。
http://blog.livedoor.jp/nacl2940/

リンク集(1)にリンクを掲載している他、新着告知として暫くの間はトップページのBOOKMARKにもリンクを掲載致しますので、興味のある方はこちらもアクセス頂けると幸いです。



小田急線・愛甲石田~伊勢原間で土砂陥没発生(現場周辺レポート)

2018-04-30 | 小田急グループ

今日1030分過ぎ、小田急小田原線・愛甲石田~伊勢原間で線路脇の土砂が陥没、この影響で本厚木~愛甲石田~伊勢原間は長時間に渡り運転見合わせ、また特急ロマンスカーは全面運休となり、ニュースなどでも大々的に報じられていますので、ご存知の方も少なくないと思います。

MAKIKYU
は日頃小田急線を利用する機会も多い伊勢原市民という事もあり、このニュースを聞いた際には、地元で非常に芳しくない事案が…と感じたものです。


土砂陥没が発生した現場は愛甲石田駅から伊勢原方へ徒歩
10分程度、愛甲石田駅~粕屋経由~伊勢原駅北口間の路線バス(神奈川中央交通(神奈中)/76系統)の「谷戸入」バス停近くです。

長時間に渡る小田急線運転見合わせが災いし、今日昼間の国道246号線(伊勢原市内)はかなり混雑していると感じられ、車よりもMAKIKYUが乗っている自転車の方が早いと感じる状況でした。

渋滞車列の中には列車運転見合わせが長時間続く事を見込み、急遽手配された代行輸送バスの姿も散見したものでした。


今日の運転見合わせでは、GW期間の行楽で小田急沿線外から箱根などの行楽地に向けてロマンスカーで…と思っていたものの、ロマンスカー運転中止で行楽気分が…という方も少なくないと思われ、また小田急沿線各地に所用などで出向く方の中にも、予定が大きく狂った・変更を余儀なくされたという方も少なくないと思います。

しかしながら今回の運転見合わせでは、運転見合わせ区間の途中駅・愛甲石田駅利用者が最も大きな影響を被ったのでは…という気がします。

愛甲石田は小田急線が通常運行している際は割合至便なものの、運転見合わせとなると愛甲石田駅発着の鉄道並行路線や他社線駅へ向かう路線バス便数が少なく、数少ない他駅へ抜ける路線バスや、渋滞している国道246号を走る代行輸送バスなどに頼らざるを得ない状況は「陸の孤島」状態と感じた方も少なくないと思います。
(
愛甲石田駅~伊勢原駅間の路線バスは最も便数の多い東海大学病院経由(74系統)でも昼間40分毎程度。本厚木駅への直通便設定はなく何処かで最低1回の乗換が必要、こちらも便数は余り多くない状況、また振替で東海道線を利用したい場合も平塚駅へ向かうバスはかなり少なく、本厚木駅や伊勢原駅に比べるとバス便の利便性は雲泥の差です)

 
MAKIKYU
は長時間運転見合わせで自動券売機と自動改札が全てクローズ状態、運転見合わせの告知が掲出され異様な光景になっている愛甲石田駅改札前や、多数の乗客が並ぶ駅前バスロータリーの代行輸送バス発着場などの様子も視察したものでした。


代行輸送バス発着場には英文併記看板も用意され、急遽代行輸送を実施する状況になった割には随分立派なものが用意されているな…という印象を持ちましたが、道路渋滞に加え代行輸送バス自体もかなり混雑している状況で、小田急線の代替でこの代行輸送バスを利用して移動するのも容易ではないと感じたものでした。


この代行輸送バスは小田急グループに属し、厚木市や伊勢原市をはじめ、一帯広域で多数の路線バスを運行している神奈中の路線車が多数動員される状況でした。

愛甲石田駅の代行輸送バス発着場には小田急側の係員と共に神奈中の運行管理を担う人物と思われる人物も出陣しており、急遽運行受託する事になった代行輸送はかなりの大仕事なのでは…と感じたものでした。



神奈中では休日ダイヤ運行日で平日に比べると運行台数こそ少ないとはいえ、通常の一般路線運行を行いながら代行輸送バス運行も受託している事もあってか、動員されたバスは地元の伊勢原営業所や厚木営業所のバスが多いものの、それ以外に日頃本厚木・愛甲石田・伊勢原各駅を発着する路線を持たない綾瀬営業所のバスも複数台目撃しています。


その中には新型エルガの姿もあり、日頃愛甲石田駅で見かける機会のない車両という事もあって非常に新鮮な印象を受けたものの、今度愛甲石田駅にこの車両が出没する際には、不測の代行輸送ではなく別の形で…と感じたものでした。


また当初復旧は1610分頃と案内されていた本厚木~愛甲石田~伊勢原間は、1510分過ぎに運転再開となり、MAKIKYUは運転再開前の土砂陥没現場試運転列車(400010)の姿を目撃、その後下り運転再開1番列車(3000+1000形更新車併結10)にも乗車機会がありました。


この列車は愛甲石田駅を出発すると、程なく差し掛かる土砂陥没現場周辺を25/h程度の徐行で通過、車内でも車掌放送によりこの旨が案内され、また車内LCDモニター案内では運転見合わせの情報が表示されたままという状況でした。

その後もダイヤ乱れが続き、特急ロマンスカー運転再開は夜になるなど、今日は小田急線利用者をはじめ、小田急電鉄や代行輸送受託の神奈中現業関係者などにとっても、大変な一日になってしまったのでは…と感じます。

負傷者や車両への被害などが報じられていない事は不幸中の幸いですが、土砂陥没原因の究明と再発防止策が講じられ、今後同種事案が再発しない事を強く願いたいと感じたものでした。